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特開2024-80237予測システム、予測方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080237
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】予測システム、予測方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20240606BHJP
   G01N 33/74 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
A61B10/00 305A
G01N33/74
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193263
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】勝亦 優
(72)【発明者】
【氏名】宮田 健一
(72)【発明者】
【氏名】沼田 徳樹
【テーマコード(参考)】
2G045
【Fターム(参考)】
2G045AA27
2G045CA25
2G045CA26
2G045CB03
2G045CB07
2G045CB30
2G045DA24
2G045FA19
2G045HA08
2G045HA10
2G045HA12
2G045JA01
2G045JA07
(57)【要約】
【課題】排卵日の検査器具において専用の読取装置を用いることなく検査結果を定量化して排卵日を予測することが可能な予測システム、予測方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】検査対象者の排卵日を検査するための検査器具において、前記検査対象者から供給された検体の反応結果を示している領域が少なくとも撮像された撮像画像を取得する取得部と、取得された前記撮像画像に基づき、前記検査器具に供給された前記検体に含まれる少なくとも2以上の生体物質の濃度をそれぞれ推定する推定部と、推定された少なくとも2以上の前記濃度に基づき、前記検査対象者の排卵日を予測する予測部と、を備える予測システム。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象者の排卵日を検査するための検査器具において、前記検査対象者から供給された検体の反応結果を示している領域が少なくとも撮像された撮像画像を取得する取得部と、
取得された前記撮像画像に基づき、前記検査器具に供給された前記検体に含まれる少なくとも2以上の生体物質の濃度をそれぞれ推定する推定部と、
推定された少なくとも2以上の前記濃度に基づき、前記検査対象者の排卵日を予測する予測部と、
を備える予測システム。
【請求項2】
前記予測部は、前記濃度から予測した前記排卵日に基づき、性交による妊娠率が高い期間をさらに予測する、
請求項1に記載の予測システム。
【請求項3】
前記領域には、前記濃度に応じた濃淡のラインが前記生体物質ごとに生じ、
前記推定部は、前記撮像画像が示す前記生体物質ごとの前記ラインの濃淡に基づき、前記生体物質ごとに前記濃度を推定する、
請求項1に記載の予測システム。
【請求項4】
前記推定部は、前記撮像画像が示す前記生体物質ごとの前記ラインの濃淡と前記生体物質の濃度との関係を学習した学習済みモデルを用いて、取得された前記撮像画像から前記生体物質ごとの前記濃度を推定する、
請求項3に記載の予測システム。
【請求項5】
前記予測部は、前記推定部によって推定された少なくとも2以上の前記濃度の経時変化に基づき、前記濃度から予測した前記排卵日が正しいか否かを判定する、
請求項1に記載の予測システム。
【請求項6】
前記予測部は、前記濃度の経時変化より前記濃度が増加傾向にある場合、前記濃度から予測した前記排卵日が正しいと判定する、
請求項5に記載の予測システム。
【請求項7】
前記検査対象者の基礎体温の経時変化を示す体温情報又は前記検査対象者の月経周期を示す月経情報に基づき、前記排卵日を予測する補助予測部、
をさらに備え、
前記予測部は、前記補助予測部によって予測される前記排卵日に基づき、前記濃度から予測した前記排卵日が正しいか否かを判定する、
請求項1に記載の予測システム。
【請求項8】
前記補助予測部は、前記検査対象者の体調を示す体調情報に基づき、前記月経情報が示す月経周期が正しいか否かを判定する、
請求項7に記載の予測システム。
【請求項9】
少なくとも2以上の前記生体物質のうち、少なくとも1つはエストロゲンもしくは前記エストロゲンの代謝物である、
請求項1に記載の予測システム。
【請求項10】
前記エストロゲンの代謝物は、エストロン-3-グルクロニドである、
請求項9に記載の予測システム。
【請求項11】
少なくとも2以上の前記生体物質のうち、少なくとも1つは黄体形成ホルモンである、
請求項1、請求項9、又は請求項10のいずれか1項に記載の予測システム。
【請求項12】
前記予測部による前記検査対象者の排卵日の予測結果を、前記検査対象者以外の他者の端末に連携する情報連携部、
をさらに備える請求項1に記載の予測システム。
【請求項13】
前記情報連携部は、前記予測結果を、前記他者の端末にインストールされているカレンダー又は前記検査対象者とのコミュニケーションツールに連携する、
請求項12に記載の予測システム。
【請求項14】
前記他者は、前記検査対象者のパートナー又は医療機関である、
請求項12又は請求項13に記載の予測システム。
【請求項15】
取得部が、検査対象者の排卵日を検査するための検査器具において、前記検査対象者から供給された検体の反応結果を示している領域が少なくとも撮像された撮像画像を取得する取得過程と、
推定部が、取得された前記撮像画像に基づき、前記検査器具に供給された前記検体に含まれる少なくとも2以上の生体物質の濃度をそれぞれ推定する推定過程と、
予測部が、推定された少なくとも2以上の前記濃度に基づき、前記検査対象者の排卵日を予測する予測過程と、
を含む予測方法。
【請求項16】
コンピュータを、
検査対象者の排卵日を検査するための検査器具において、前記検査対象者から供給された検体の反応結果を示している領域が少なくとも撮像された撮像画像を取得する取得手段と、
取得された前記撮像画像に基づき、前記検査器具に供給された前記検体に含まれる少なくとも2以上の生体物質の濃度をそれぞれ推定する推定手段と、
推定された少なくとも2以上の前記濃度に基づき、前記検査対象者の排卵日を予測する予測手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予測システム、予測方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、不妊治療に対する保険適用の範囲が拡大するなど、妊娠を望む人への手厚い補償が増えてきている。しかしながら、不妊治療に臨む場合、通院等により多くの時間を取られるなどの時間的な制限に加え、身体への負担等も大きく、未だ自然妊娠を望む人が多くいる。自然妊娠のための活動として、基礎体温や月経周期等の管理による排卵日の予測が主に行われている。しかしながら、基礎体温や月経周期等の管理だけから排卵日を正確に予測することは難しいとされている。そこで、より正確に排卵日を予測するための方法として、排卵検査薬(「排卵日予測検査薬」とも称される)の利用がある。
【0003】
排卵検査薬では、イムノクロマトグラフィー法(「イムノクロマト法」とも称される)が採用されており、検体との反応結果を示すラインの有無を確認することで検体に検査対象物(例えば黄体形成ホルモン(LH))が含まれるか否かを判定でき、ラインの濃淡を確認することで検査対象物の濃度を判定することができる。利用者は、検査器具からラインの有無とラインの濃淡を目視によって読み取ることで、排卵日を予測することができる。排卵は、卵子が成熟したころに黄体形成ホルモンが大量分泌されるLHサージが起こり、このLHサージが引き金となって約40時間後に起こるとされている。このため、排卵検査薬の反応結果から排卵日を予測できる。
なお、検査対象物の濃度は、検査対象者の体質によって日常的に高い場合もあれば低い場合もあり、また、一時的に高い場合もあれば低い場合もあり、これらの濃度の違いが排卵日の予測精度に影響し得る。そこで、検査器具の示す反応結果から検査対象物の濃度を定量化した上で、排卵日を予測できることが好ましい。しかしながら、ラインの濃淡を目視で読み取ることで検査対象物の濃度を定量化することは困難であった。
【0004】
そこで、検体に含まれる検査対象物の濃度を定量化するための技術が各種提案されている。例えば、下記特許文献1には、検査対象となる尿などの体液に対して検査対象物の濃度を読み取り可能とする信号を与える試験装置と、当該信号を読み取り可能な専用の読取装置を用いて、検査対象物の濃度を定量化する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-121639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、検査器具に専用の読取装置が必要であった。このため、検査対象者は、製品ごとに読取装置を用意する必要がある上、読取装置に不具合などが生じた場合には新しく読取装置を用意する必要があり、汎用性のない読取装置を用いることがユーザビリティを低下させていた。
【0007】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、排卵日の検査器具において専用の読取装置を用いることなく検査結果を定量化して排卵日を予測することが可能な予測システム、予測方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る予測システムは、検査対象者の排卵日を検査するための検査器具において、前記検査対象者から供給された検体の反応結果を示している領域が少なくとも撮像された撮像画像を取得する取得部と、取得された前記撮像画像に基づき、前記検査器具に供給された前記検体に含まれる少なくとも2以上の生体物質の濃度をそれぞれ推定する推定部と、推定された少なくとも2以上の前記濃度に基づき、前記検査対象者の排卵日を予測する予測部と、を備える。
【0009】
本発明の一態様に係る予測方法は、取得部が、検査対象者の排卵日を検査するための検査器具において、前記検査対象者から供給された検体の反応結果を示している領域が少なくとも撮像された撮像画像を取得する取得過程と、推定部が、取得された前記撮像画像に基づき、前記検査器具に供給された前記検体に含まれる少なくとも2以上の生体物質の濃度をそれぞれ推定する推定過程と、予測部が、推定された少なくとも2以上の前記濃度に基づき、前記検査対象者の排卵日を予測する予測過程と、を含む。
【0010】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、検査対象者の排卵日を検査するための検査器具において、前記検査対象者から供給された検体の反応結果を示している領域が少なくとも撮像された撮像画像を取得する取得手段と、取得された前記撮像画像に基づき、前記検査器具に供給された前記検体に含まれる少なくとも2以上の生体物質の濃度をそれぞれ推定する推定手段と、推定された少なくとも2以上の前記濃度に基づき、前記検査対象者の排卵日を予測する予測手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、排卵日の検査器具において専用の読取装置を用いることなく検査結果を定量化して排卵日を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態に係る予測システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態に係る検査器具の一例を示す図である。
図3】第1の実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4】第1の実施形態に係る予測サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
図5】第1の実施形態に係る検査対象物の濃度の経時変化の一例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る本実施形態に係る処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図7】第2の実施形態に係る予測システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図8】第2の実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
図9】第2の実施形態に係る予測サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
図10】第2の実施形態に係る処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0014】
<1.第1の実施形態>
第1の実施形態では、検査対象者の排卵日を検査するための検査器具において、検査対象者から供給された検体の反応結果を示している領域が少なくとも撮像された撮像画像から、検査器具に供給された検体に含まれる少なくとも2以上の検査対象物の濃度をそれぞれ推定し、推定された少なくとも2以上の濃度に基づき、検査対象者の排卵日を予測する例を一例として説明する。
【0015】
検査器具は、排卵日の予測のために検体に含まれている検査対象物を検査するための器具であり、例えば排卵検査薬(「排卵日予測検査薬」とも称される)である。
検体は、検査対象となる物体であり、検査対象者から採取された物体である。検体は、液体であることが望ましく、例えば、血液、血清、血漿、尿、唾液、間質液など、排卵日を予測する際の指標となる物質を含んだものである。
検査対象物は、検体に含まれる物質のうち検査対象となる物質であり、例えば生体物質である。生体物質は、例えば生体の内分泌系物質であるホルモンであり、具体的にはペプチドホルモン、アミノ酸誘導体ホルモン、ステロイドホルモン、及び各ホルモンの代謝物などがある。また、生体物質は、例えばホルモン及び神経伝達物質には分類できないホルモン様物質(autacoid)であってもよく、具体的にはプロスタグランジン(PG)及びその代謝物である。
【0016】
ペプチドホルモンに分類されるホルモンには、黄体形成ホルモン(LH)がある。LHは、排卵日の直前(例えば2日前)に濃度が上昇することが知られている。このため、検査対象となる少なくとも2以上の生体物質のうち、少なくとも1つをLHとし、LHの濃度の上昇を検出することで、排卵日を精度高く予測することができる。検体が少なくとも血液(血清と血漿も含む)、唾液、又は尿である場合には、LHを測定することができる。
【0017】
ステロイドホルモンに分類されるホルモンには、エストロゲンがある。エストロゲンは、さらにE1(エストロン)、E2(エストラジオール)、E3(エストリオール)に分類される。さらに、エストロゲンには代謝物がある。エストロゲンの代謝物の一例として、エストロン-3-グルクロニド(E3G)がある。E3Gは、E2に由来する代謝物である。E3Gは、排卵日の数日前(例えば5~6日前)から濃度が上昇することが知られている。このため、検査対象となる少なくとも2以上の生体物質のうち、少なくとも1つをE3Gとし、E3Gの代謝物の濃度の上昇を検出することで、LHよりも早く排卵の兆候を掴むことができる。検体が少なくとも尿である場合には、E3Gを測定することができる。
【0018】
なお、E3Gの濃度が上昇したからといって、必ずしもその5~6日後に排卵が起こると断定できるわけではない。そこで、検査対象となる少なくとも2以上の生体物質に少なくともLHとE3Gを含めることで、E3Gの濃度の上昇によって排卵の兆候をより早く掴みつつ、LHによって排卵日をより精度高く予測することができる。
【0019】
以下では、検体が尿であり、少なくとも2以上の生体物質がLHとE3Gの2種であり、検査器具にはLHの反応結果とE3Gの反応結果がそれぞれ呈出する2本のラインが備えられている例を一例として説明する。
以下、図1から図6を参照して、第1の実施形態について説明する。
【0020】
<1-1.予測システムの概略構成>
図1を参照して、第1の実施形態に係る予測システムの概略構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る予測システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す予測システム1は、検査対象者から検体が供給された検査器具の検査結果を示す撮像画像から、検体に含まれる検査対象物の濃度を推定し、推定した濃度から検査対象者の排卵日を予測するためのシステムである。
図1に示すように、予測システム1は、ユーザ端末10と、予測サーバ20と、検査器具30とを備える。
【0021】
ユーザ端末10と予測サーバ20は、ネットワークNWを介して、通信可能に接続されている。ネットワークNWには、情報の授受を行うための構成として、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話網(携帯電話網、固定電話網等)、地域IP(Internet Protocol)網、インターネット等が適用される。
【0022】
(1)ユーザ端末10
ユーザ端末10は、検査器具30を用いた検査を実施する者(ユーザ)が有する端末である。ユーザは、例えば、検査対象者(患者)自身である。ユーザ端末10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末などの携帯端末、又はPC(Personal Computer)などである。
【0023】
ユーザ端末10には、ユーザによる検査器具30を用いた排卵日の検査を支援するためのアプリケーション(以下、「検査支援アプリ」とも称される)によって、検査支援のための画面が表示される。ユーザは、検査支援アプリによってユーザ端末10に表示される画面に従って、検査器具30への検体の供給、ユーザ端末10を用いた撮像画像の撮像、検査対象物の濃度の推定結果の確認、排卵日の予測結果の確認などを行う。
本実施形態では、検査支援アプリの機能は、Webシステム(即ちWebアプリ)によって提供される。このため、検査支援アプリはサーバ(例えば予測サーバ20)で管理されており、その機能はWebブラウザを介して提供される。
【0024】
(2)予測サーバ20
予測サーバ20は、ユーザ端末10によって取得される情報に基づき、ユーザの排卵日を予測するための処理を行うサーバである。予測サーバ20は、1つ又は複数のサーバ(例えば、クラウドサーバ)で構成される。
【0025】
(3)検査器具30
検査器具30は、排卵検査薬の構成要素となる器具である。排卵検査薬は、ユーザから供給される検体に含まれる検査対象物を検査して、その検査結果からユーザの排卵日を予測するために用いられる。検査方法には、例えば、ラテラルフローアッセイ(ラテラルフロー法)、ELISPOT法など、排卵日を予測するために検査対象物の存在の有無を検査する方法がある。免疫アッセイが適用されるラテラルフローアッセイのことを、特に、イムノクロマトグラフィーと呼ぶことがある。
【0026】
ここで、図2を参照して、第1の実施形態に係る検査器具30について説明する。図2は、第1の実施形態に係る検査器具30の一例を示す図である。
図2に示すように、検査器具30は、二次元コード310と、供給部320と、呈色部330とを備える。
【0027】
(3-1)二次元コード310
二次元コード310は、検査器具30の個体識別情報が埋め込まれた二次元のコード画像である。二次元コード310は、読取用情報の一例である。読取用情報は、検査器具30の筐体に付される。読取用情報は、検査器具30の筐体に対して直接印刷されてもよいし、検査器具30に貼付するシールなどに印刷されてもよい。
個体識別情報は、検査器具30を一意に識別する情報であって、例えば、検査器具30の製造メーカ名、ロット番号、及び製造番号、検査対象物などを示す情報である。
なお、検査器具30においてその個体識別情報が何らかの方法で特定可能であればよく、例えば、個体識別情報が検査器具30にそのまま印刷されている場合には二次元コード310は省略されてもよい。
【0028】
(3-2)供給部320
供給部320は、検体が供給される領域である。供給部320は、検体供給窓321を備えており、検体供給窓321からは試験紙が露出している。例えば、ユーザは、検体供給窓321に対して尿をかけ、露出した試験紙に尿を染み込ませることで、供給部320に尿を供給することができる。試験紙の露出部分に染み込んだ尿は、毛細管現象によって試験紙内を流れていく。供給部320は、即ち採尿部でもある。
【0029】
(3-3)呈色部330
呈色部330は、呈色反応の結果が表示される領域である。呈色反応は、検体に検査対象物が含まれていた場合に変色又は発色する化学反応である。呈色部330は、例えば、LHライン331と、E3Gライン332とを備える。LHライン331は、供給部320に供給された検体中に、標的とするLHが存在する場合に線が現れる領域である。E3Gライン332は、供給部320に供給された検体中に、標的とするE3Gが存在する場合に線が現れる領域である。即ち、呈色部330は、ユーザから供給された検体の反応結果を示している領域である。LHライン331及びE3Gライン332は、検体に存在する標的とする検査対象物の濃度に応じて、線の濃淡が変化する。
【0030】
<1-2.ユーザ端末の機能構成>
以上、第1の実施形態に係る予測システム1の概略構成について説明した。続いて、図3を参照して、第1の実施形態に係るユーザ端末10の機能構成について説明する。図3は、第1の実施形態に係るユーザ端末10の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、ユーザ端末10は、通信部110と、入力部120と、撮像部130と、記憶部140と、制御部150と、出力部160とを備える。
【0031】
(1)通信部110
通信部110は、各種情報を送受信する機能を有する。通信部110は、予測サーバ20と通信を行い、各種情報を送受信する。予測サーバ20との通信において、通信部110は、例えば、撮像画像を送信し、排卵日の予測結果を受信する。
【0032】
(2)入力部120
入力部120は、ユーザからの入力を受け付ける機能を有する。入力部120は、ユーザ端末10がハードウェアとして備える入力装置、例えばボタン、タッチパネル、マイクロフォン等によって構成される。
【0033】
(3)撮像部130
撮像部130は、撮像画像を撮像する機能を有する。撮像部130は、例えば、ユーザ端末10がハードウェアとして備えるカメラによって構成される。
【0034】
(4)記憶部140
記憶部140は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部140は、ユーザ端末10がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0035】
(5)制御部150
制御部150は、ユーザ端末10の動作全般を制御する機能を有する。制御部150は、例えば、ユーザ端末10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
図3に示すように、制御部150は、操作受付部151と、撮像画像取得部152と、出力制御部153とを備える。
【0036】
(5-1)操作受付部151
操作受付部151は、入力部120に入力されたユーザの操作を受け付ける機能を有する。ユーザは、例えば、事前準備操作、撮像操作などを行う。
事前準備操作では、ユーザは、まず検査支援アプリを起動する。初回起動時の場合、ユーザは、個人情報や顔写真などの事前登録を行う。事前登録済みの場合、ユーザは、サインインを行う。サインイン後、ユーザは、検査の事前準備として、画面に表示される検査の流れを確認する。
【0037】
撮像操作では、ユーザは、検査器具30を撮像するための操作を行う。具体的に、ユーザは、ユーザ端末10の撮像部130を起動し、反応結果が示されている呈色部330が少なくとも含まれるように、検査器具30を撮像する。なお、ユーザは、検査器具30の供給部320に対して検体を供給してから規定反応時間が経過した後に、撮像操作を行うものとする。
【0038】
(5-2)撮像画像取得部152
撮像画像取得部152は、撮像画像を取得する機能を有する。例えば、撮像画像取得部152は、撮像部130によって撮像される撮像画像を取得する。撮像画像取得部152は、取得した撮像画像を通信部110から予測サーバ20へ送信する。
【0039】
(5-3)出力制御部153
出力制御部153は、各種画面や情報の出力を制御する機能を有する。例えば、出力制御部153は、検査支援アプリの画面を出力部160に表示させる。また、出力制御部153は、通信部110が予測サーバ20から受信する情報を出力部160に表示させる。通信部110が予測サーバ20から受信する情報は、例えば、排卵日の予測結果である。
また、出力制御部153は、操作受付部151がユーザから受け付けた操作に応じて、操作ガイドなどを出力部160に表示させてもよい。
【0040】
(6)出力部160
出力部160は、各種情報を出力する機能を有する。出力部160は、ユーザ端末10がハードウェアとして備える出力装置、例えばディスプレイ装置やタッチスクリーン(タッチパネル)などの表示装置やスピーカなどの音声出力装置によって構成される。
【0041】
<1-3.予測サーバの機能構成>
以上、第1の実施形態に係るユーザ端末10の機能構成について説明した。続いて、図4及び図5を参照して、第1の実施形態に係る予測サーバ20の機能構成について説明する。図4は、第1の実施形態に係る予測サーバ20の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、予測サーバ20は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを備える。
【0042】
(1)通信部210
通信部210は、各種情報を送受信する機能を有する。例えば、通信部210は、ユーザ端末10と通信を行い、各種情報を送受信する。ユーザ端末10との通信において、通信部210は、例えば、撮像画像を受信し、排卵日の予測結果を送信する。
【0043】
(2)記憶部220
記憶部220は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部220は、予測サーバ20がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
図4に示すように、記憶部220は、推定モデル221と撮像画像DB(Data Base)222を記憶する。
【0044】
(2-1)推定モデル221
推定モデル221は、検体に含まれる検査対象物の濃度を推定するモデルである。例えば、推定モデル221は、撮像画像が示す生体物質ごとのラインの濃淡と生体物質の濃度との関係を学習したモデル(学習済みモデル)である。このため、推定モデル221は、撮像画像を入力として、生体物質の濃度を出力する。
一例として、推定モデル221は、撮像画像が示すLHライン331の濃淡と検体に存在するLHの濃度との関係と、同一の撮像画像が示すE3Gライン332の濃淡と検体に存在するE3Gの濃度との関係を学習した学習済みモデルである。このため、推定モデル221は、反応が完了した呈色部330が少なくとも撮像された撮像画像を入力として、LHライン331の濃淡から推定したLHの濃度とE3Gライン332の濃淡から推定したE3Gの濃度を出力する。
【0045】
(2-2)撮像画像DB222
撮像画像DB222は、ユーザ端末10から受信する撮像画像を管理するデータベースである。
【0046】
(3)制御部230
制御部230は、予測サーバ20の動作全般を制御する機能を有する。制御部230は、例えば、予測サーバ20がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図4に示すように、制御部230は、取得部231と、推定部232と、予測部233と、情報連携部234とを備える。
【0047】
(3-1)取得部231
取得部231は、撮像画像を取得する機能を有する。例えば、取得部231は、通信部210がユーザ端末10から受信する、検査器具30の呈色部330が少なくとも撮像された撮像画像を取得する。なお、当該撮像画像は、検査器具30の供給部320に対して検体が供給されてから規定反応時間が経過した後に撮像された画像である。
【0048】
(3-2)推定部232
推定部232は、検査対象物の濃度を推定する機能を有する。例えば、推定部232は、取得部231によって取得された撮像画像に基づき、検査器具30に供給された検体に含まれる少なくとも2以上の生体物質の濃度をそれぞれ推定する。取得部231によって取得された撮像画像には、濃度に応じた濃淡のラインが生体物質ごとに生じる領域(呈色部330)が少なくとも示されている。推定部232は、当該撮像画像が示す生体物質ごとのラインの濃淡に基づき、生体物質ごとに濃度を推定する。
【0049】
推定部232は、例えば記憶部220に記憶されている推定モデル221を用いて、取得部231によって取得された撮像画像から生体物質ごとの濃度を推定する。具体的に、推定部232は、推定モデル221に対して撮像画像を入力し、推定モデル221から出力される生体物質の濃度を推定結果として取得する。一例として、推定部232は、推定モデル221に対してLHライン331とE3Gライン332とが撮像された撮像画像を入力し、推定モデル221から出力されるLHの濃度とE3Gの濃度を推定結果として取得する。
このようにして、推定部232は、撮像画像からLHの濃度とE3Gの濃度を推定することができる。即ち、推定部232は、撮像画像から検査対象物の濃度を定量化することができる。
【0050】
(3-3)予測部233
予測部233は、ユーザの排卵日を予測する機能を有する。予測部233は、推定部232によって推定された少なくとも2以上の検査対象物の濃度に基づき、ユーザの排卵日を予測する。例えば、予測部233は、推定部232によって推定された各濃度と予め設定された基準値との比較に基づき、排卵日を予測する。基準値は、例えば、濃度を所定の間隔で区切った範囲で示される。濃度の各範囲には排卵日予測のための情報が対応付けられている。排卵日予測のための情報は、例えば排卵が起こるまでの時間である。
【0051】
なお、排卵日予測のための情報は、各濃度の範囲のうち、陽性とする範囲(陽性範囲)のみに対応付けられ、陰性とする範囲(陰性範囲)には対応づけられなくてもよい。陽性範囲は、例えば、濃度が増加傾向にあり数日以内に排卵が起こるとされる範囲である。LHの場合の陽性範囲は、例えば、LHサージが開始するとされる濃度以上の範囲である。陰性範囲は、例えば、濃度が増加傾向になく数日以内に排卵が起こらないとされる範囲である。この場合、予測部233は、推定部232によって推定された各濃度が陽性範囲である場合には排卵日を予測し、陰性範囲である場合には排卵日を予測せず陰性であることを出力する。
【0052】
一例として、尿中のLHの濃度が20~40mIU/mLである範囲が陽性範囲として設定され、当該陽性範囲に対して排卵が起こるまでの時間として約40時間が対応付けられているとする。この場合、予測部233は、推定部232によって推定されたLHの濃度が20~40mIU/mLの範囲内であれば、約40時間後を排卵日として予測する。
また、E3Gの濃度が10~20ng/mLである範囲が陽性範囲として設定され、当該陽性範囲に対して排卵が起こるまでの時間として約144時間が対応付けられているとする。この場合、予測部233は、推定部232によって推定されたE3Gの濃度が10~20ng/mLの範囲内であれば、約144時間後を排卵日として予測する。
【0053】
なお、LHやE3Gなどの生体物質の濃度には個人差があり、ユーザの体調や月経周期の乱れなどによっても変化し得る。この場合、推定された濃度と予め設定された基準値とを単に比較するだけでは、予測した排卵日が正確でない場合がある。
例えば、LHやE3Gの濃度が日常的に高いユーザの場合、実際には排卵日が近くないにも関わらず、各濃度が高いために陽性範囲に当てはまることがある。この場合、実際には陰性であるにも関わらず、誤って陽性として排卵日が予測されてしまう。一時的に濃度が高くなったタイミングと検査のタイミングとが偶然にも重なった場合も同様である。一方、LHやE3Gの濃度が日常的に低いユーザの場合、実際には排卵日が近いにも関わらず、各濃度が低いために陽性範囲に当てはまらないことがある。この場合、実際には陽性であるにも関わらず、誤って陰性として排卵日が予測されない。
【0054】
しかしながら、LHやE3Gの濃度の個人差の有無に関わらず、排卵の予兆がある場合にはLHやE3Gの濃度に増加傾向があることが知られている。一般に、ユーザは、基礎体温や月経周期から予測される排卵日のおよそ17日前から、1日に1回又は2回の検査を行う。このため、各検査における推定部232による各濃度の推定結果を記録しておくことで、各濃度の経時変化を確認することができる。この経時変化より、各濃度に増加傾向があるか否かを判定することもできる。
【0055】
そこで、予測部233は、推定部232によって推定された少なくとも2以上の生体物質の濃度の経時変化に基づき、濃度から予測した排卵日が正しいか否かを判定する。濃度の経時変化より濃度が増加傾向にある場合、予測部233は、濃度から予測した排卵日が正しいと判定する。一方、濃度の経時変化より濃度が増加傾向にない場合、予測部233は、濃度から予測した排卵日が正しくない、即ち陽性ではなく陰性であると判定する。
これにより、予測部233は、より精度高く排卵日を予測することができる。
【0056】
ここで、図5を参照して、検査対象物の濃度の経時変化について説明する。図5は、第1の実施形態に係る検査対象物の濃度の経時変化の一例を示す図である。図5に示すグラフにおいて、縦軸はLHの濃度(mIU/mL)及びE3Gの濃度(ng/mL)を示し、横軸は月経周期を示している。また、グラフL1はE3Gの濃度の経時変化を示し、グラフL2はLHの濃度の経時変化を示している。
【0057】
図5に示すように、E3Gの濃度はタイミングT1から増加傾向にあり、LHの濃度はタイミングT2から増加傾向にある。また、E3Gの濃度とLHの濃度は、共に排卵日よりも前にピークに達し、減少傾向に転じる。
市販されている排卵検査薬では、陽性と検出されるLHの濃度は製品によって異なっており、およそ20~40mIU/mLの範囲で陽性と検出されるように検出感度が設定されている。例えば、ユーザが、LH濃度の検出感度が30mIU/mLに設定され、排卵日の1日前を予測可能な市販の排卵検査薬を用いて検査を行うとする。図5に示す経時変化では、タイミングT3でLH濃度が30mIU/mLに達している。よって、当該市販の排卵検査薬を用いた場合、図5に示すタイミングT3が排卵日の約1日前と予測される。
これに対して、ユーザが、第1の実施形態に係る予測システム1を用いて検査を行うとする。図5に示す経時変化では、タイミングT3よりも前のタイミングT1からE3Gの濃度が増加傾向にあり、タイミングT2からE3Gの濃度とLHの濃度が共に増加傾向にあることが分かる。よって、予測システム1を用いた場合、タイミングT2以降でタイミングT3よりも前に排卵日を予測することができる。
【0058】
さらに、予測部233は、推定部232によって推定された濃度から予測した排卵日に基づき、性交による妊娠率が高い期間を予測する。一般に、排卵日の2日前から排卵日の当日までの3日間が妊娠しやすい時期と言われており、中でも排卵日の1日前が最も妊娠しやすいと言われている。そこで、予測部233は、予測した排卵日の3日前から排卵日の翌日までの5日間を妊娠率が高い期間と予測する。さらに、予測部233は、予測した排卵日の1日前を妊娠率が最も高い日として予測してもよい。
【0059】
なお、一般的な排卵検査薬の場合、排卵日を約1日前に予測することができる。しかしながら、検査のタイミングによっては、受精可能な時間に間に合うように性交を行えない場合がある。このため、排卵日をより早いタイミング(例えば数日前)で知れることが望まれている。第1の実施形態に係る予測システム1では、排卵日の数日前まで対応した基準値を予め用意しておくことで、排卵日を数日前に予測することが可能である。
【0060】
(3-4)情報連携部234
情報連携部234は、各種の情報を他の端末へ連携する機能を有する。例えば、情報連携部234は、予測部233による予測結果を、通信部210から送信し、ユーザ端末10に連携する。
【0061】
<1-4.処理の流れ>
以上、第1の実施形態に係る予測サーバ20の機能構成について説明した。続いて、図6を参照して、第1の実施形態に係る処理の流れについて説明する。図6は、第1の実施形態に係る処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0062】
図6に示すように、まず、ユーザは、ユーザ端末10に対して、事前準備操作を行う(ステップS101)。
事前準備操作後、ユーザは、検査器具30の供給部320に対して自身の尿をかけて採尿する(ステップS102)。
採尿後、ユーザは、検査器具30の呈色部330の反応が完了するまで待機する(ステップS103)。
待機後、ユーザは、ユーザ端末10に対して撮像操作を行う(ステップS104)。
【0063】
ユーザ端末10の撮像部130は、操作受付部151がユーザから撮像操作を受け付けると、ユーザの操作に応じて少なくとも検査器具30の呈色部330を撮像する(ステップS105)。
撮像画像取得部152は、撮像部130によって撮像された撮像画像を取得し、通信部110から予測サーバ20へ撮像画像を送信する(ステップS106)。
【0064】
予測サーバ20の取得部231は、通信部210がユーザ端末10から受信した撮像画像を取得する(ステップS107)。
次いで、推定部232は、取得部231が取得した撮像画像から、LH濃度及びE3G濃度を推定する(ステップS108)。
次いで、予測部233は、推定部232によって推定された各濃度に基づき排卵日を予測し、予測した排卵日から性交による妊娠率が高い期間(性交期間)をさらに予測する(ステップS109)。
予測後、情報連携部234は、通信部210からユーザ端末10へ予測結果を送信する(ステップS110)。
【0065】
ユーザ端末10の出力制御部153は、通信部110が予測サーバ20から受信した予測結果を出力部160に表示する(ステップS111)。
ユーザは、ユーザ端末10に表示された予測結果を確認する(ステップS112)。
【0066】
以上説明したように、第1の実施形態に係る予測システム1は、検査対象者の排卵日を検査するための検査器具30において、検査対象者から供給された検体の反応結果を示している領域が少なくとも撮像された撮像画像を取得する取得部231と、取得された撮像画像に基づき、検査器具30に供給された検体に含まれる少なくとも2以上の生体物質の濃度をそれぞれ推定する推定部232と、推定された少なくとも2以上の濃度に基づき、検査対象者の排卵日を予測する予測部233と、を備える。
【0067】
かかる構成により、第1の実施形態に係る予測システム1は、スマートフォンなどの汎用性のある端末を用いて撮像された撮像画像から、検査対象物の濃度を推定(即ち検査結果の定量化)して、排卵日を予測することができる。これにより、検査対象者は、検査器具30に専用の装置を用意する必要がなく、身近にあるスマートフォンなどの端末を用いて容易に排卵日を検査することができる。
よって、第1の実施形態に係る予測システム1は、排卵日の検査器具30において専用の読取装置を用いることなく検査結果を定量化して排卵日を予測することを可能とする。これにより、検査対象者のユーザビリティを向上することもできる。
【0068】
<2.第2の実施形態>
以上、第1の実施形態について説明した。続いて、図7から図10を参照して、第2の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態では、予測サーバが、ユーザ端末から撮像画像のみを受信し、撮像画像のみから排卵日と性交期間を予測する例について説明したが、かかる例に限定されない。第2の実施形態では、予測サーバが、ユーザ端末からユーザの排卵日を補助的に予測するための情報である補助予測情報も受信し、撮像画像と補助予測情報から排卵日と性交期間を予測する例について説明する。また、第2の実施形態では、予測サーバが予測結果をユーザ端末以外の他者端末にも連携する例についても説明する。
なお、以下では、第1の実施形態における説明と重複する説明については、適宜省略する。
【0069】
<2-1.予測システムの概略構成>
図7を参照して、第2の実施形態に係る予測システムの概略構成について説明する。図7は、第2の実施形態に係る予測システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図7に示すように、第2の実施形態に係る予測システム1aは、ユーザ端末10aと、予測サーバ20aと、検査器具30と、他者端末40とを備える。
【0070】
予測サーバ20aは、ネットワークNWを介して、ユーザ端末10aだけでなく、他者端末40とも通信可能に接続されている。
【0071】
(1)ユーザ端末10a
第2の実施形態に係るユーザ端末10aの概略は、第1の実施形態に係るユーザ端末10の概略と同様であるため、その説明を省略する。
【0072】
(2)予測サーバ20a
第2の実施形態に係る予測サーバ20aの概略は、第1の実施形態に係る予測サーバ20の概略と同様であるため、その説明を省略する。
【0073】
(3)検査器具30
第2の実施形態に係る検査器具30の概略は、第1の実施形態に係る検査器具30の概略と同様であるため、その説明を省略する。
【0074】
(4)他者端末40
他者端末40は、検査器具30を用いた検査を実施する者(ユーザ)以外の者(他者)が有する端末である。他者は、例えば、検査対象者のパートナー又は医療機関などである。他者端末40は、例えば、スマートフォンやタブレット端末などの携帯端末、又はPCなどである。
【0075】
<2-2.ユーザ端末の機能構成>
以上、第2の実施形態に係る予測システム1aの概略構成について説明した。続いて、図8を参照して、第2の実施形態に係るユーザ端末10aの機能構成について説明する。図8は、第2の実施形態に係るユーザ端末10aの機能構成の一例を示すブロック図である。
図8に示すように、ユーザ端末10aは、通信部110aと、入力部120と、撮像部130と、記憶部140と、制御部150aと、出力部160とを備える。
【0076】
(1)通信部110a
通信部110aは、第1の実施形態に係る通信部110と同様に、予測サーバ20aとの通信において、撮像画像を送信し、排卵日の予測結果を受信する。さらに、通信部110aは、補助予測情報を送信する。
補助予測情報は、ユーザの排卵日を補助的に予測するための情報である。例えば、予測情報は、体温情報、月経情報、体調情報、及び履歴情報である。体温情報は、ユーザの基礎体温の経時変化を示す情報である。月経情報は、ユーザの月経周期を示す情報である。体調情報は、ユーザの体調を示す情報である。履歴情報は、検査履歴を示す情報であり、例えば過去に推定された生体物質の濃度や予測された排卵日などの情報である。履歴情報における過去は、例えば、排卵日を予測する月を当月とした場合の先月と先々月である。
【0077】
(2)入力部120
第2の実施形態に係る入力部120の機能は、第1の実施形態に係る入力部120の機能と同様であるため、その説明を省略する。
【0078】
(3)撮像部130
第2の実施形態に係る撮像部130の機能は、第1の実施形態に係る撮像部130の機能と同様であるため、その説明を省略する。
【0079】
(4)記憶部140
第2の実施形態に係る記憶部140の機能は、第1の実施形態に係る記憶部140の機能と同様であるため、その説明を省略する。
【0080】
(5)制御部150a
第2の実施形態に係る制御部150aは、図8に示すように、操作受付部151aと、撮像画像取得部152と、出力制御部153と、補助予測情報取得部154とを備える。
【0081】
(5-1)操作受付部151a
操作受付部151aは、第1の実施形態に係る操作受付部151と同様に、ユーザによる事前準備操作と撮像操作を受け付け、さらに補助予測情報入力操作も受け付ける。
補助予測情報入力操作では、ユーザは、体温情報、月経情報、及び体調情報の入力を行う。
【0082】
(5-2)撮像画像取得部152
第2の実施形態に係る撮像画像取得部152の機能は、第1の実施形態に係る撮像画像取得部152の機能と同様であるため、その説明を省略する。
【0083】
(5-3)出力制御部153
第2の実施形態に係る出力制御部153の機能は、第1の実施形態に係る出力制御部153の機能と同様であるため、その説明を省略する。
【0084】
(5-4)補助予測情報取得部154
補助予測情報取得部154は、補助予測情報を取得する機能を有する。例えば、補助予測情報取得部154は、補助予測情報入力操作によって入力される補助予測情報を取得する。補助予測情報取得部154は、取得した補助予測情報を通信部110aから予測サーバ20aへ送信する。
【0085】
(6)出力部160
第2の実施形態に係る出力部160の機能は、第1の実施形態に係る出力部160の機能と同様であるため、その説明を省略する。
【0086】
<2-3.予測サーバの機能構成>
以上、第2の実施形態に係るユーザ端末10aの機能構成について説明した。続いて、図9を参照して、第2の実施形態に係る予測サーバ20aの機能構成について説明する。図9は、第2の実施形態に係る予測サーバ20aの機能構成の一例を示すブロック図である。
図9に示すように、予測サーバ20aは、通信部210aと、記憶部220aと、制御部230aとを備える。
【0087】
(1)通信部210a
通信部210aは、第1の実施形態に係る通信部210と同様に、予測サーバ20aとの通信において、撮像画像を受信し、排卵日の予測結果を送信する。さらに、通信部210aは、補助予測情報を受信する。
【0088】
(2)記憶部220a
記憶部220aは、第1の実施形態に係る記憶部220と同様に、推定モデル221と撮像画像DB222を記憶する。さらに、記憶部220aは、図9に示すように、補助予測情報DB223を記憶する。
【0089】
(2-1)補助予測情報DB223
補助予測情報DB223は、ユーザ端末10から受信する補助予測情報を管理するデータベースである。
【0090】
(3)制御部230a
第2の実施形態に係る制御部230aは、図9に示すように、取得部231aと、推定部232と、予測部233aと、情報連携部234aと、補助予測部235とを備える。
【0091】
(3-1)取得部231a
取得部231aは、第1の実施形態に係る取得部231と同様に、通信部210aがユーザ端末10aから受信する撮像画像を取得する。さらに、取得部231aは、通信部210aがユーザ端末10aから受信する補助予測情報を取得する。
【0092】
(3-2)推定部232
第2の実施形態に係る推定部232の機能は、第1の実施形態に係る推定部232の機能と同様であるため、その説明を省略する。
【0093】
(3-3)予測部233a
予測部233aは、第1の実施形態に係る予測部233と同様に、推定部232によって推定された少なくとも2以上の検査対象物の濃度に基づき、ユーザの排卵日を予測する。さらに、予測部233aは、後述する補助予測部235によって予測される排卵日に基づき、濃度から予測した排卵日が正しいか否かを判定する。例えば、予測部233aは、予測した排卵日と、補助予測部235によって予測された排卵日との差が許容範囲内であれば、予測した排卵日が正しいと判定する。一方、予測部233aは、予測した排卵日と、補助予測部235によって予測された排卵日との差が許容範囲外であれば、予測した排卵日が正しくないと判定する。
これにより、予測部233aは、より精度高く排卵日を予測することができる。
【0094】
(3-4)情報連携部234a
情報連携部234aは、第1の実施形態に係る情報連携部234と同様に、予測部233aによるユーザの排卵日の予測結果を、通信部210aから送信し、ユーザ端末10aに連携する。さらに、情報連携部234aは、予測部233aによるユーザの排卵日の予測結果を、通信部210aから送信し、他者端末40にも連携する。情報連携部234aによるユーザの排卵日の予測結果の連携先は、例えば、他者端末40にインストールされているカレンダー又はユーザとのコミュニケーションツールである。これにより、ユーザと他者との間での妊活(妊娠活動)に関するコミュニケーションの促進や妊活の効率化を図ることができる。
なお、医療機関の端末に情報を連携する場合、情報連携部234aは、予測結果だけでなく、予測に用いた撮像画像や補助予測情報も共に連携してもよい。これにより、医療機関は、検査器具30のロット管理や検査対象者の体調管理などを行うこともできる。
【0095】
(3-5)補助予測部235
補助予測部235は、補助予測情報に基づき、ユーザの排卵日を補助的に予測するための補助予測を行う機能を有する。例えば、補助予測部235は、取得部231aによって取得される補助予測情報に含まれる体温情報又は月経情報に基づき、排卵日を予測する。体温情報を用いる場合、補助予測部235は、ユーザが自身で予測する際に一般的に用いられている予測方法と同様に、低温期の周期と高温期の周期に基づき排卵日を予測する。月経情報を用いる場合、補助予測部235は、ユーザが自身で予測する際に一般的に用いられている予測方法と同様に、月経周期の日数に応じた日数を月経の開始日に加算した日を排卵日と予測する。
【0096】
補助予測部235は、取得部231aによって取得される補助予測情報に含まれる体調情報又は履歴情報に基づき、月経情報が示す月経周期が正しいか否かを判定する。体調情報が示すユーザの体調は、例えば、月経の影響によってユーザに現れる症状である。当該症状は、例えば月経前症候群(PMS:premenstrual syndrome)などである。
例えば、補助予測部235は、体調情報に基づき、ユーザに現れている症状が月経周期のどのタイミングにて現れる症状であるかを特定し、現在が月経周期のどのタイミングであるかを予測する。補助予測部235は、予測結果と月経情報とを比較することで、月経情報が正しいか否かを判定する。
また、補助予測部235は、履歴情報に基づき、先々月に予測された排卵日と先月に予測された排卵日とから、当月の月経周期を予測する。補助予測部235は、予測した当月の月経周期と、月経情報が示す月経周期とを比較することで、月経情報が正しいか否かを判定してもよい。
これにより、予測部233aによる排卵日の予測精度を向上することができる。
【0097】
<2-4.処理の流れ>
以上、第2の実施形態に係る予測サーバ20aの機能構成について説明した。続いて、図10を参照して、第2の実施形態に係る処理の流れについて説明する。図10は、第2の実施形態に係る処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0098】
図10に示すように、まず、ユーザは、ユーザ端末10aに対して、事前準備操作を行う(ステップS201)。
事前準備操作後、ユーザは、ユーザ端末10aに対して、補助予測情報入力操作を行う(ステップS202)。
ユーザ端末10aの補助予測情報取得部154は、操作受付部151aがユーザから補助予測情報入力操作を受け付けると、入力された補助予測情報を取得し、通信部110aから予測サーバ20aへ送信する(ステップS203)。
【0099】
予測サーバ20aの取得部231aは、通信部210aがユーザ端末10aから受信した補助予測情報を取得する(ステップS204)。
次いで、記憶部220aは、取得部231aが取得した補助予測情報を補助予測情報DB223に保存する(ステップS205)。
次いで、補助予測部235は、取得部231aが取得した補助予測情報から、補助予測を行う(ステップS206)。
【0100】
ユーザは、補助予測情報の入力後、検査器具30の供給部320に対して自身の尿をかけて採尿する(ステップS207)。
採尿後、ユーザは、検査器具30の呈色部330の反応が完了するまで待機する(ステップS208)。
待機後、ユーザは、ユーザ端末10aに対して撮像操作を行う(ステップS209)。
【0101】
ユーザ端末10aの撮像部130は、操作受付部151aがユーザから撮像操作を受け付けると、ユーザの操作に応じて少なくとも検査器具30の呈色部330を撮像する(ステップS210)。
撮像画像取得部152は、撮像部130によって撮像された撮像画像を取得し、通信部110aから予測サーバ20aへ撮像画像を送信する(ステップS211)。
【0102】
予測サーバ20aの取得部231aは、通信部210aがユーザ端末10aから受信した撮像画像を取得する(ステップS212)。
次いで、推定部232は、取得部231aが取得した撮像画像から、LH濃度及びE3G濃度を推定する(ステップS213)。
次いで、予測部233aは、推定部232によって推定された各濃度に基づき排卵日を予測し、予測した排卵日から性交による妊娠率が高い期間(性交期間)をさらに予測する(ステップS214)。この時、予測部233aは、ステップS206にて補助予測部235によって予測された排卵日に基づき、濃度から予測した排卵日が正しいか否かの判定も行う。
予測後、予測部233aは、通信部210aからユーザ端末10a及び他者端末40へ予測結果を送信する(ステップS215)。
【0103】
ユーザ端末10aの出力制御部153は、通信部110aが予測サーバ20aから受信した予測結果を出力部160に表示する(ステップS216)。
ユーザは、ユーザ端末10aに表示された予測結果を確認する(ステップS217)。
【0104】
以上説明したように、第2の実施形態に係る予測システム1aは、検査対象者の排卵日を検査するための検査器具30において、検査対象者から供給された検体の反応結果を示している領域が少なくとも撮像された撮像画像を取得する取得部231aと、取得された撮像画像に基づき、検査器具30に供給された検体に含まれる少なくとも2以上の生体物質の濃度をそれぞれ推定する推定部232と、推定された少なくとも2以上の濃度に基づき、検査対象者の排卵日を予測する予測部233aと、を備える。
【0105】
かかる構成により、第2の実施形態に係る予測システム1aは、スマートフォンなどの汎用性のある端末を用いて撮像された撮像画像から、検査対象物の濃度を推定(即ち検査結果の定量化)して、排卵日を予測することができる。これにより、検査対象者は、検査器具30に専用の装置を用意する必要がなく、身近にあるスマートフォンなどの端末を用いて容易に排卵日を検査することができる。
よって、第2の実施形態に係る予測システム1aは、排卵日の検査器具30において専用の読取装置を用いることなく検査結果を定量化して排卵日を予測することを可能とする。これにより、検査対象者のユーザビリティを向上することもできる。
【0106】
<3.変形例>
以上、実施形態について説明した。続いて、上述した各実施形態の変形例について説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で各実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで各実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、各実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、各実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0107】
上述した第1の実施形態に係るユーザ端末10と予測サーバ20が有する機能は、それぞれ図3及び図4を参照して説明した例に限定されない。例えば、ユーザ端末10が有する機能の一部を予測サーバ20が有してもよいし、予測サーバ20が有する機能の一部をユーザ端末10が有してもよい。
第2の実施形態に係るユーザ端末10aと予測サーバ20aについても同様である。
【0108】
また、上述した各実施形態では、検査支援アプリの機能がWebアプリによって提供される例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、検査支援アプリの機能は、ユーザ端末10,10aに検査支援アプリをインストールすること(即ちネイティブアプリ)で提供されてもよい。
この場合、Webアプリの場合にユーザ端末10,10aにて行われていた処理が予測サーバ20,20aで行われてもよいし、予測サーバ20,20aで行われていた処理がユーザ端末10,10aにて行われてもよい。例えば、ユーザ端末10,10aで取得された情報は、一時的にユーザ端末10,10aに保存されてから所定のタイミングにて予測サーバ20,20aへ保存されてもよいし、ユーザ端末10,10aには保存せずに、予測サーバ20,20aへ直接保存されてもよい。
【0109】
また、上述した各実施形態では、LHの反応結果とE3Gの反応結果がそれぞれ呈出する2本のラインが備えられた検査器具30を用いる例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、検査対象物の数が3以上である場合には、検査対象物の数に合わせて3本以上のラインが備えられた検査器具が用いられてもよい。
また、LHの反応結果が呈出するラインのみが備えられた検査器具と、E3Gの反応結果が呈出するラインのみが備えられた検査器具が用いられてもよい。即ち、検査対象物ごとに専用の検査器具を用意し、検査する検査対象物の数だけ検査器具が用いられてもよい。この場合、ユーザは、各検査器具に対して検体を供給し、撮像操作にて各検査器具を撮像する。これにより、予測サーバは、各撮像画像から各検査対象物の濃度を推定し、排卵日を予測することができる。
【0110】
また、上述した各実施形態では、検体が尿であり、少なくとも2以上の生体物質がLHとE3Gの2種である例について説明したが、かかる例に限定されない。
検体が血液(全血、血清、血漿を含む)である場合、少なくとも2以上の生体物質は、エストロゲンとLHの組み合わせ、エストロゲンとプロゲストロンの組み合わせ、LHとプロゲストロンの組み合わせ、又はエストロゲンとLHとプロゲストロンの組み合わせのうち、いずれの組み合わせであってもよい。
検体が唾液である場合、少なくとも2以上の生体物質は、エストロゲンとLHの組み合わせ、エストロゲンとプロゲストロンの組み合わせ、LHとプロゲストロンの組み合わせ、又はエストロゲンとLHとプロゲストロンの組み合わせのうち、いずれの組み合わせであってもよい。
検体が間質液である場合、少なくとも2以上の生体物質は、エストロゲンとLHの組み合わせ、エストロゲンとプロゲストロンの組み合わせ、LHとプロゲストロンの組み合わせ、又はエストロゲンとLHとプロゲストロンの組み合わせのうち、いずれの組み合わせであってもよい。
検体が尿である場合、少なくとも2以上の生体物質は、E3GとLHの組み合わせ、E3GとPDG(pregnanediol-3-alpha-glucuronide)の組み合わせ、LHとPDGの組み合わせ、又はエストロゲンとLHとPDGの組み合わせのうち、いずれの組み合わせであってもよい。
なお、上述したエストロゲンは主にエストラジオールである。また、上述したプロゲストロンはステロイドホルモンの1種であり、PDGはプロゲストロンの主要代謝物である。
【0111】
また、上述した各実施形態では、ユーザ端末10,10aが予測サーバ20,20aから排卵日の予測結果を受信して表示する例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、ユーザ端末10,10aは、予測サーバ20,20aから検査対象物の濃度の推定結果、濃度の経時変化を示す情報、補助予測の予測結果などを受信して表示してもよい。
【0112】
以上、実施形態の変形例について説明した。なお、上述した実施形態における予測システム1、予測システム1a、ユーザ端末10、ユーザ端末10a、予測サーバ20、及び予測サーバ20aの一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0113】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0114】
1,1a…予測システム、10,10a…ユーザ端末、20,20a…予測サーバ、30…検査器具、110,110a…通信部、120…入力部、130…撮像部、140…記憶部、150,150a…制御部、151,151a…操作受付部、152…撮像画像取得部、153…出力制御部、154…補助予測情報取得部、160…出力部、210,210a…通信部、220,220a…記憶部、221…推定モデル、222…撮像画像DB、223…補助予測情報DB、230,230a…制御部、231,231a…取得部、232…推定部、233,233a…予測部、234,234a…情報連携部、235…補助予測部、310…二次元コード、320…供給部、321…検体供給窓、330…呈色部、331…LHライン、332…E3Gライン、NW…ネットワーク
図1
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図10