(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008025
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】検査用照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240112BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20240112BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240112BHJP
F21Y 107/70 20160101ALN20240112BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240112BHJP
【FI】
F21S2/00 312
H01L33/00 L
F21S2/00 600
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21Y107:70
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109516
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】596099446
【氏名又は名称】シーシーエス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】元家 芳樹
【テーマコード(参考)】
3K013
5F142
【Fターム(参考)】
3K013AA01
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA06
3K013CA16
5F142AA56
5F142BA14
5F142BA23
5F142CA02
5F142CG03
5F142EA02
5F142EA31
(57)【要約】
【課題】複数の砲弾型LEDが実装された検査用照明装置において、製造コストを抑えかつコンパクト化を図りながら、ワーク上の1点から検査用照明装置の発光面を見た際の単位立体角あたりの砲弾型LEDの数を増加させる。
【解決手段】厚み方向に湾曲することによって内径が同一又は徐々に拡大する筒状又は部分筒状をなすように形成された配線基板と、前記配線基板の内側面に、その周方向に沿って列をなすよう実装された砲弾型LEDとを有しており、前記砲弾型LEDは、前記周方向に隣り合う前記砲弾型LEDとの間で前記内側面からの高さが互いに異なるように実装されている検査用照明装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚み方向に湾曲することによって内径が同一又は徐々に拡大する筒状又は部分筒状をなすように形成された配線基板と、
前記配線基板の内側面に、その周方向に沿って列をなすよう実装された砲弾型LEDとを有しており、
前記砲弾型LEDは、前記周方向に隣り合う前記砲弾型LEDとの間で前記内側面からの高さが互いに異なるように実装されている検査用照明装置。
【請求項2】
前記砲弾型LEDは、前記周方向に沿って前記内側面からの高さが互い違いになるように実装されている請求項1に記載の検査用照明装置。
【請求項3】
前記配線基板が筒状をなすとともに、前記砲弾型LEDは前記周方向に沿って列をなして周回するように実装されており、
前記砲弾型LEDが前記周方向に沿って偶数個実装されている請求項2に記載の検査用照明装置。
【請求項4】
前記配線基板が筒状をなすとともに、前記砲弾型LEDは前記周方向に沿って列をなして周回するように実装されており、前記砲弾型LEDが、前記周方向に沿って3段以上の段違いになるように実装されている請求項1に記載の検査用照明装置。
【請求項5】
前記砲弾型LEDは、LEDチップを保持するとともに基端部にツバ部が形成された砲弾状をなすモールド部を有しており、
前記砲弾型LEDは、隣り合う前記砲弾型LEDとの間で互いの前記ツバ部が重なり合い、かつ互いに接触しないように実装されている請求項1に記載の検査用照明装置。
【請求項6】
前記砲弾型LEDは、前記配線基板の内側面において、前記周方向と直交する母線方向に沿って複数列実装されており、前記母線方向に隣り合う前記砲弾型LEDとの間で前記内側面からの高さが互いに異なるように実装されている請求項1に記載の検査用照明装置。
【請求項7】
前記砲弾型LEDは、LEDチップを保持するモールド部の底面から突出する一対のリードフレームを有しており、
前記砲弾型LEDは、前記一対のリードフレームが並ぶ向きが前記周方向に対して斜めになるように実装されている請求項1に記載の検査用照明装置。
【請求項8】
前記配線基板は、平面状態において所定幅を有する有端帯状をなすフレキシブル基板を厚み方向に湾曲させ、その端縁同士を突き合わせるように接続して形成されたものであり、
複数個の前記砲弾型LEDが直列接続してなるLED回路が、前記配線基板における前記両端縁の接続部に跨がって形成されている請求項1に記載の検査用照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定形状に湾曲した配線基板に複数の砲弾型LEDが実装された検査用照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の検査用照明装置としては、例えば特許文献1のように、平面状態において部分円環帯状をなすフレキシブル基板に、多数の砲弾型のLEDを敷設して半田付けし、該フレキシブル基板をその端縁同士が向かい合うように厚み方向に丸めることによって内径が徐々に拡大する円筒形状にして製造したリング型の検査用照明装置が知られている。このリング型の検査用照明装置によれば、検査対象物であるワークの周囲斜め上方から検査光を照射するとともに、リング状の配線基板の内側に設けられた観察孔からカメラでワークの表面を検査することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで上記したリング型の検査用照明装置では、各砲弾型LEDから出た光のワーク表面からの反射光をカメラで撮像しているため、例えばベアリング球や半田フィレット等の表面の反射率が高い鏡面ワークを撮像した場合に、撮像画像中に複数の砲弾型LEDがブツブツと粒状に写り込んでしまう。そのため、このような鏡面ワークを撮像して正反射光を捉えるような場合には、ワーク上の1点から検査用照明装置の発光面を見た際の単位立体角あたりの砲弾型LEDの数を増やすことが特に重要となる。
【0005】
ワーク上の1点から検査用照明装置の発光面を見た際の単位立体角あたりの砲弾型LEDの数を増やすために、砲弾型LED間のピッチを狭くして実装密度を高めることが考えられるが、この場合には砲弾型LEDの基端部に設けられたツバ同士が干渉しあうため十分にピッチを狭めることができない。一方、砲弾型LEDの直上にレンズを配置して光源を見かけ上大きくすることも考えられるが、この場合にはレンズを設けるために構造が複雑化し、製造コストが増大するとともに外径サイズも大きくなってしまう。
【0006】
本発明はこのような問題を一挙に解決すべくなされたものであり、複数の砲弾型LEDが実装された検査用照明装置において、製造コストを抑えかつコンパクト化を図りながら、ワーク上の1点から検査用照明装置の発光面を見た際の単位立体角あたりの砲弾型LEDの数を増やすことを主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明に係る検査用照明装置は、厚み方向に湾曲することによって内径が同一又は徐々に拡大する筒状又は部分筒状をなすように形成された配線基板と、前記配線基板の内側面に、その周方向に沿って列をなすよう実装された砲弾型LEDとを有しており、前記砲弾型LEDは、前記周方向に隣り合う前記砲弾型LEDとの間で前記内側面からの高さが互いに異なるように実装されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このように構成した本発明によれば、複数の砲弾型LEDが実装された検査用照明装置において、製造コストを抑えかつコンパクト化を図りながら、ワーク上の1点から検査用照明装置の発光面を見た際の単位立体角あたりの砲弾型LEDの数を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態の検査用照明装置の全体斜視図。
【
図4】同実施形態の検査用照明装置における平面状態(組立前)の配線基板を示す平面図。
【
図5】同実施形態の検査用照明装置の砲弾型LEDの構成を示す図。
【
図6】同実施形態の検査用照明装置の砲弾型LEDの底面図。
【
図7】同実施形態の検査用照明装置の砲弾型LEDの実装態様を模式的に示す図。
【
図8】同実施形態の検査用照明装置の砲弾型LEDの実装態様を模式的に示す図。
【
図9】同実施形態の検査用照明装置の配線基板におけるLED回路を模式的に示す図。
【
図10】他の実施形態の検査用照明装置の砲弾型LEDの実装態様を模式的に示す図。
【
図11】他の実施形態の検査用照明装置の(a)全体斜視図及び(b)縦断面図。
【
図12】他の実施形態の検査用照明装置の全体斜視図。
【
図13】他の実施形態の検査用照明装置の構成を部分的に示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の一実施形態に係る検査用照明装置100について図面を参照して説明する。
【0011】
本実施形態に係る検査用照明装置100は、
図1~
図3に示すように、内径が徐々に拡大する概略円筒形状(以下、切頭中空円錐形状ともいう。)をなす配線基板1と、該配線基板1の内側面11に実装されて、検査対象物であるワークWの周囲斜め上方から検査光を照射する複数の砲弾型LED2と、ワークWを上方からカメラや目視で検査するための観察孔Hを中心に有するとともに配線基板1を保持するケーシング3とを具備した、いわゆるリング型の表面検査用照明装置100と称されるものである。このワークWは、例えばベアリング球や半田フィレット等、表面の光反射率が高い鏡面ワークWである。以下、各部を説明する。
【0012】
配線基板1は、予め配線がプリントされており、厚み方向に湾曲した可撓性を有するフレキシブル配線基板と称されるものである。この配線基板1は、
図4に示すように、平面状態(組立前)において所定幅を有する有端帯状(具体的には部分円環状)をなすものであり、厚み方向に湾曲させてその端縁1a、1b同士を突き合わせて接続することにより、切頭中空円錐形状となるように形成してある。
【0013】
砲弾型LED2は、
図5及び
図6に示すように、発光素子であるLEDチップ21と、LEDチップ21を保持するモールド部22と、LEDチップ21の正極及び負極にそれぞれ接続されて前記モールド部22の底面22dから突出する一対のリードフレーム23a、23bとを備えるものである。この砲弾型LED2は、そのリードフレーム23a、23bを配線基板1に設けたスルーホールに貫通させて半田付けすることにより固定される。
【0014】
LEDチップ21は、P型半導体とN型半導体とを接合してなるもので、P型半導体からN型半導体に向かって電流を流すことにより、各半導体の接合部分で発光するものである。
【0015】
モールド部22は、概略砲弾状をなす中実透明な樹脂からなり、先端部に形成された半球部22aと、その半球部22aに連続して形成された柱状部22bと、その柱状部22bに連続して基端部に形成された、当該柱状部22bより若干大径のツバ部22cとからなる。そしてモールド部22は、その内部中央部位に前記LEDチップ21を保持している。
【0016】
リードフレーム23a、23bは、線状をなす金属導体であり、その基端側をモールド部22の内部に埋設してある。一方のリードフレーム23a又は23bの基端には、LEDチップ21を搭載する例えばカップ状のLEDチップ保持部24を連続して形成してあり、そのLEDチップ保持部24に搭載されたLEDチップ21と、各リードフレーム23a、23bの基端とを導線で接続している。この一対のリードフレーム23a、23bは、モールド部22の底面22dにおいて、砲弾型LED2の光軸OAを挟んで互いに対となる位置から突出している。
【0017】
そして砲弾型LED2は、配線基板1の内側面11において、配線基板1が湾曲している方向である周方向に沿って列を成すように略等間隔に並べて実装されており、ここでは検査用照明装置100(具体的には観察孔H)の中心軸Cの周りを周回するように実装されている。また砲弾型LED2は、配線基板1の内側面11において周方向に直交する方向である母線方向に沿って同心状をなすように複数列(ここでは3列)実装されている。各砲弾型LED2は、その光軸が検査用照明装置100(具体的には観察孔H)の中心軸Cと交わるようにして配線基板1に実装されている。
【0018】
ケーシング3は、厚肉円筒状をなすものであり、その中央には観察孔Hが形成されている。
図2に示すように、ケーシング3の上面をなし、中心に観察孔Hが形成された本体部材31と、その本体部材31に取り付けられ、ケーシング3の側面をなし、本体部材31とともに配線基板1を保持する蓋部材32と、から構成されている。本実施形態のケーシング3は複数の砲弾型LED2が搭載された1枚の配線基板1を保持するように構成されている。
【0019】
しかして本実施形態の検査用照明装置100では、
図7に示すように、周方向に沿って列状に並べられた砲弾型LED2は、隣り合う砲弾型LED2との間で、配線基板1の厚み方向に沿った内側面11からの高さが互いに異なるように実装されている。より具体的に各砲弾型LED2は、周方向に隣り合う砲弾型LED2との間で、配線基板1の内側面11から伸びるリードフレーム23a、23bの長さが互いに異なっており、これによりツバ部22cの高さが互いに異なるようにされている。
【0020】
より具体的に言うとこの実施形態では、各列における砲弾型LED2は、周方向に沿って配線基板1の内側面11からの高さが互い違いになるように構成されている。すなわち各列において、砲弾型LED2は2段の段違いとなっており、配線基板1の内側面11からの高さが相対的に高い砲弾型LED2と該高さが相対的に低い砲弾型LED2とが、周方向に沿って一周にわたって交互に実装されている。そして各列において砲弾型LED2は偶数個ずつ実装されている。
【0021】
そして各列において砲弾型LED2は、周方向に隣り合う砲弾型LED2との間で、互いのツバ部22cがその光軸方向から視て部分的に重なり合うとともに、互いに接触しない(すなわち光軸方向に沿って互いに離間する)ように実装されている。
【0022】
そして各列において砲弾型LED2は、
図8に示すように、一対のリードフレーム23a、23bが並ぶ向き(具体的には、底面22d側から視て、一方のリードフレーム23a又は23bから他方のリードフレーム23a又は23bに向かう向き)が、周方向に対して斜めになるように実装されている。ここでは周方向に沿って並んだ全ての砲弾型LED2が、各々のリードフレーム23a、23bが並ぶ向きが周方向に対して略同一角度(約45度)で傾くように実装されている。
【0023】
さらに本実施形態では、砲弾型LED2は、配線基板1の母線方向に隣り合う砲弾型LED2との間で、配線基板1の内側面11からの高さが互いに異なるように実装されている。そして、各砲弾型LED2は、母線方向に隣り合う砲弾型LED2との間で、互いのツバ部22cがその光軸方向から視て部分的に重なり合うとともに、互いに接触しない(すなわち光軸方向に沿って互いに離間する)ように実装されている。
【0024】
さらに本実施形態では、
図9に示すように、各列において、複数個の砲弾型LED2が直列接続してなるLED回路2Cが、配線基板1における両端縁1a、1bが互いに接続する接続部1cに跨って形成されている。具体的にこのLED回路2Cは、配線基板1の両端縁1a、1b近傍にプリントされた導体配線を、接続部1cを跨ぐジャンパ線(電線やピン等)により電気的に接続することにより構成されている。
【0025】
このように構成された本実施形態の検査用照明装置100によれば、周方向に隣り合う砲弾型LED2の高さが互いに異なる(すなわち段違いになる)ようにしているので、隣り合う砲弾型LED2のツバ部22c同士を干渉させることなく周方向に沿って詰めて実装させることができる。これにより、発光面(配線基板1上に砲弾型LED2が実装されている面)における単位面積あたりの砲弾型LED2の数を増やし、ワークWの一点から検査用照明装置100の発光面を見た時の単位立体角あたりの砲弾型LED2の数を増やすことができるので、ワークWの欠陥を検出しやすくなると同時にワークW位置での放射照度を高くすることができる。
【0026】
また、チップ型LEDを周方向に沿って高さが異なるように実装しようとすると、これらを電気的に接続させるために複数枚の配線基板1が必要となるが、砲弾型LED2であれば、配線基板1の内側面11から伸びるリードフレーム23a、23bの長さを変えることにより配線基板1からの高さを変えることができるので、使用する配線基板1の数は1枚で済み、コストを低減できる。
【0027】
さらに、基板に対する砲弾型LED2の実装高さを変えるだけで別部品を追加する必要がないので、コストを抑えることができ、また製品サイズをコンパクトにもできる。
【0028】
<その他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0029】
例えば前記実施形態では、各列において砲弾型LED2は配線基板1の内側面11からの高さが互い違いになるように、すなわち2段の段違いになるように実装されていたがこれに限らない。他の実施形態では、
図10に示すように、一部又は全部の列において、砲弾型LED2は、周方向に沿って3段以上の段違いとなるように実装されていてもよい。この場合、周方向に並べられる砲弾型LED2の数は偶数個でなくてもよい。
【0030】
また前記実施形態では、配線基板1は内径が徐々に拡大する概略円筒形状であったがこれに限らない。他の実施形態の配線基板1は、
図11のように内径が同一である円筒形状をなすものであってもよい。
【0031】
また前記実施形態の配線基板1は、観察孔H周りを周回するように砲弾型LED2を実装できる完全な筒状をなしていたがこれに限らない。他の実施形態では、
図12に示すように、配線基板1は、部分筒状をなすように形成されていてもよい。
【0032】
さらに前記実施形態の検査用照明装置100は配線基板1を1枚だけ有するものであったがこれに限らない。他の実施形態の検査用照明装置100は、
図13に示すように、中心軸Cに対する角度が互いに異なる複数枚の配線基板1を備えており、それぞれの配線基板1に、周方向に沿って並べられた砲弾型LED2が母線方向に沿って複数列実装されていてもよい。
【0033】
また他の実施形態では、各列において砲弾型LED2は、一対のリードフレーム23a、23bが並ぶ向きが周方向に対して略平行になるように実装されていてもよい。
【0034】
さらに前記実施形態では、砲弾型LED2は配線基板1の母線方向に隣り合う砲弾型LED2との間で、配線基板1の内側面11からの高さが互いに異なるように実装されていたがこれに限らない。他の実施形態では、砲弾型LED2は配線基板1の母線方向に隣り合う砲弾型LED2との間で、配線基板1の内側面11からの高さが略同一になるように実装されていてもよい。
【0035】
その他、本発明は前記各実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【0036】
<本明細書が含む検査用照明装置の態様>
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0037】
(態様1)厚み方向に湾曲することによって内径が同一又は徐々に拡大する筒状又は部分筒状をなすように形成された配線基板と、前記配線基板の内側面に、その周方向に沿って列をなすよう実装された砲弾型LEDとを有しており、前記砲弾型LEDは、前記周方向に隣り合う前記砲弾型LEDとの間で前記内側面からの高さが互いに異なるように実装されている検査用照明装置。
【0038】
このようにすれば、周方向に隣り合う砲弾型LEDの高さが互いに異なる(すなわち段違いになる)ので、隣り合う砲弾型LEDのツバ部同士を干渉させることなく周方向に沿って詰めて実装させることができる。これにより、発光面(配線基板上に砲弾型LEDが実装されている面)における単位面積あたりの砲弾型LEDの数を増やし、ワークの一点から検査用照明装置の発光面を見た時の単位立体角あたりの砲弾型LEDの数を増やすことができるので、ワークの欠陥を検出しやすくなると同時にワーク位置での放射照度を高くすることができる。
また、配線基板に対する砲弾型LEDの実装高さを変えるだけでよく、例えばレンズ等の別部品を追加する必要がないので、コストを抑えることができ、また製品サイズをコンパクトにもできる。
さらに、チップ型LEDを周方向に沿って高さが異なるように実装しようとすると、これらを電気的に接続させるために複数枚の配線基板が必要となるが、砲弾型LEDであれば、配線基板の内側面から伸びるリードフレームの長さを変えることにより配線基板からの高さを変えることができるので、使用する配線基板の数は1枚で済み、コストを低減できる。
【0039】
(態様2)前記砲弾型LEDは、前記周方向に沿って前記内側面からの高さが互い違いになるように実装されている態様1に記載の検査用照明装置。
このようにすれば、周方向に沿って並べられた砲弾型LEDの高さを互い違いにする、すなわち2段の段違いとなるので、ワークから各砲弾型LEDまでの距離のばらつきを最小限に抑えることができる。
【0040】
(態様3)前記配線基板が筒状をなすとともに、前記砲弾型LEDは前記周方向に沿って列をなして周回するように実装されており、前記砲弾型LEDが前記周方向に沿って偶数個実装されている態様1又は2に記載の検査用照明装置。
このようにすれば、周方向に沿って列をなして実装される砲弾型LEDの数が偶数個であるので、1周にわたって途切れることなく連続して高さが互い違いになるように砲弾型LEDを実装することができる。これにより、発光面の単位面積あたりの砲弾型LEDの数が局所的に低下する領域をなくし、ワークの欠陥をより検出しやすくでき、同時にワーク位置での放射照度をより高くできる。
【0041】
(態様4)前記配線基板が筒状をなすとともに、前記砲弾型LEDは前記周方向に沿って列をなして周回するように実装されており、前記砲弾型LEDが、前記周方向に沿って3段以上の段違いになるように実装されている態様1~3のいずれかに記載の検査用照明装置。
構造設計や回路設計の制約から周方向に実装できる砲弾型LEDの数が奇数個になる場合、砲弾型LEDを2段の段違いで実装すると隣り合う砲弾型LEDと段違いにならない箇所が生じてしまう。しかしながら、砲弾型LEDを周方向に沿って3段以上の段違いになるように実装することで、周方向に実装できる砲弾型LEDの数が奇数個であっても、一周にわたって途切れることなく段違いに実装することができるようになる。
【0042】
(態様5)前記砲弾型LEDは、LEDチップを保持するとともに基端部にツバ部が形成された砲弾状をなすモールド部を有しており、前記砲弾型LEDは、隣り合う前記砲弾型LEDとの間で互いの前記ツバ部が重なり合い、かつ接触しないように実装されている態様1~4のいずれかに記載の検査用照明装置。
このようにすれば、隣り合う砲弾型LEDとの間でツバ部同士が重なり合いながらも互いに接触しないので、製造時において、砲弾型LEDが実装された平板状の配線基板を湾曲させて筒状又は部分筒状に形成した際に、砲弾型LEDのツバ部同士が接触して光軸がずれてしまうことを防止できる。
【0043】
(態様6)前記砲弾型LEDは、前記配線基板の内側面において、前記周方向と直交する母線方向に沿って複数列実装されており、前記母線方向に隣り合う前記砲弾型LEDとの間で前記内側面からの高さが互いに異なるように実装されている態様1~5のいずれかに記載の検査用照明装置。
このようにすれば、母線方向に隣り合う砲弾型LEDの高さが互いに異なるので、隣り合う砲弾型LEDのツバ部同士を干渉させることなく母線方向に沿って詰めて実装することができる。これにより、発光面における単位面積あたりの砲弾型LEDの数をより増やし、ワークの一点から発光面を見た時の単位立体角あたりの砲弾型LEDの数をより増やすことができるので、ワークの欠陥をさらに検出しやすくなると同時にワーク位置での放射照度をより一層高くすることができる。
【0044】
(態様7)前記砲弾型LEDは、LEDチップを保持するモールド部の底面から突出する一対のリードフレームを有しており、前記砲弾型LEDは、前記一対のリードフレームが並ぶ向きが前記周方向に対して斜めになるように実装されている態様1~6のいずれかに記載の検査用照明装置。
このようにすれば、一対のリードフレームの向きが周方向に対して斜めになるように砲弾型LEDを実装することで、配線基板面上において、隣り合う砲弾型LEDのリードフレーム周りの銅箔間の距離を取ることができ、砲弾型LEDを周方向により詰めて実装することができる。
【0045】
(態様8)前記配線基板は、平面状態において所定幅を有する有端帯状をなすフレキシブル基板を厚み方向に湾曲させ、その端縁同士を突き合わせるように接続して形成されたものであり、複数個の前記砲弾型LEDが直列接続してなるLED回路が、前記配線基板における前記両端縁の接続部に跨がって形成されている態様1~7のいずれかに記載の検査用照明装置。
同一の配線基板上に砲弾型LEDを段違いで実装すると砲弾型LED同士の距離が近づくため、配線基板を湾曲させてその端縁同士を突き合わせるように接続すると、加工バラツキや実装バラツキによって、両端縁の接続部において意図せず電気的にショートする可能性があり、配線基板の接続部でLED回路を分割した基板設計にしていると、LEDの不点灯や故障につながる恐れがある。態様8の構成によれば、複数個の砲弾型LEDが直列接続してなるLED回路を配線基板の接続部を跨って形成するように予め基板設計をすることで、前記したような意図しない電気的なショートに起因するLEDの不点灯や故障を防止することができる。
【符号の説明】
【0046】
100 ・・・検査用照明装置
1 ・・・配線基板
1c ・・・接続部
11 ・・・内側面
2 ・・・砲弾型LED
3 ・・・ケーシング
31 ・・・本体部材
32 ・・・蓋部材
C ・・・中心軸
H ・・・観察孔
W ・・・ワーク