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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080259
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】冷却器
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/473 20060101AFI20240606BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H05K7/20 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193306
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】390039929
【氏名又は名称】三桜工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114270
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 朋也
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】冨倉 康治
(72)【発明者】
【氏名】柴▲崎▼ 嘉隆
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA05
5E322AA11
5E322DA04
5E322FA01
5F136BA03
5F136CB06
5F136CB11
5F136DA25
5F136FA02
5F136FA03
5F136FA51
(57)【要約】
【課題】被冷却体に重ね合わされる重ね合わせ方向に小さくすることができる冷却器を提供する。
【解決手段】冷却器1は、金属製ベース2と、金属製ベース2に重ね合わされて、金属製ベース2との間に流路5を形成する樹脂製カバー3と、を備える。金属製ベース2は、流路5に配置される熱交換部22を有する。樹脂製カバー3は、流路5に冷媒を供給するためのインレット35と、流路5から冷媒を排出するためのアウトレット36と、を有する。流路5は、熱交換部22が配置される熱交換領域51と、熱交換領域51のインレット35側に配置されて幅方向D2に延びる入口領域52と、インレット35と入口領域52との間に配置された供給側チャンバ領域54と、を有する。供給側チャンバ領域54、入口領域52、及び熱交換領域51は、重ね合わせ方向D1と交差する方向に配置されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被冷却体を冷却するための金属製ベースと、
前記金属製ベースに重ね合わされて、前記金属製ベースとの間に冷媒が流通する流路を形成する樹脂製カバーと、を備え、
前記金属製ベースは、前記流路に配置される熱交換部を有し、
前記樹脂製カバーは、前記流路に前記冷媒を供給するためのインレットと、前記流路から前記冷媒を排出するためのアウトレットと、を有し、
前記流路は、前記熱交換部が配置される熱交換領域と、前記熱交換領域の前記インレット側に配置されて前記金属製ベースと前記樹脂製カバーとが重ね合わされる重ね合わせ方向と交差する幅方向に延びる入口領域と、前記インレットと前記入口領域との間に配置されたチャンバ領域と、を有し、
前記チャンバ領域、前記入口領域、及び前記熱交換領域は、前記重ね合わせ方向と交差する方向に配置されている、
冷却器。
【請求項2】
前記幅方向における前記入口領域の幅は、前記幅方向における前記熱交換部の幅以上である、
請求項1に記載の冷却器。
【請求項3】
前記入口領域と前記熱交換領域とは、前記幅方向において同じ位置に配置されている、
請求項2に記載の冷却器。
【請求項4】
前記重ね合わせ方向における前記入口領域の高さは、前記重ね合わせ方向における前記熱交換部の高さ以下である、
請求項1に記載の冷却器。
【請求項5】
前記重ね合わせ方向及び前記幅方向に沿った前記入口領域の断面積は、前記重ね合わせ方向及び前記幅方向に沿った前記インレットの断面積の50%以上400%以下である、
請求項1に記載の冷却器。
【請求項6】
前記重ね合わせ方向及び前記幅方向に沿った前記入口領域の断面積は、前記重ね合わせ方向及び前記幅方向に沿った前記インレットの断面積以上である、
請求項1に記載の冷却器。
【請求項7】
前記インレットは、前記入口領域よりも前記重ね合わせ方向における前記金属製ベースとは反対側に位置している、
請求項1に記載の冷却器。
【請求項8】
前記樹脂製カバーは、前記チャンバ領域を前記重ね合わせ方向における前記金属製ベース側に向けて前記幅方向に広げる幅方向傾斜部を有する、
請求項7に記載の冷却器。
【請求項9】
前記樹脂製カバーは、前記チャンバ領域を前記重ね合わせ方向における前記金属製ベース側に向けて前記重ね合わせ方向及び前記幅方向と交差する長さ方向に広げる長さ方向傾斜部を有する、
請求項7に記載の冷却器。
【請求項10】
前記樹脂製カバーは、
前記重ね合わせ方向及び前記幅方向と交差する長さ方向に延びて前記インレットに連通される供給流路が形成された筒状の供給パイプ部と、
前記長さ方向に延びて前記アウトレットに連通される排出流路が形成された筒状の排出パイプ部と、を更に有する、
請求項1に記載の冷却器。
【請求項11】
前記金属製ベースは、平板状に形成されたプレート部と、前記プレート部上に配置されたフィンからなる前記熱交換部と、を有する、
請求項1に記載の冷却器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、CPU等の被冷却体を冷却する冷却器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、半導体素子を冷却する冷却器が記載されている。この冷却器は、半導体素子の下方に設けられて金属板からなる伝熱性ベース板と、伝熱性ベース板の下面に接続されたフィン部と、伝熱性ベース板の下面に接続されてフィン部を覆う冷却部品と、冷却部品に接続されてフィン部への冷却水が流入される流入口と、冷却部品に接続されてフィン部からの冷却水が流出される流出口と、流入口とフィン部との間に設けられた水溜め部であるヘッダと、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6463505号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された冷却器では、伝熱性ベース板と、冷却部品と、流入口及び流出口とが、冷却部品に対して伝熱性ベース部を重ね合わせる重ね合わせ方向に配置されている。このため、重ね合わせ方向における冷却器の高さが大きくなるという問題がある。特に、HPC(High Performance Conputing)のCPU(Central Processing Unit)に用いる場合は、冷却器の高さが大きく制限されるため、特許文献1に記載された冷却器をHPCのCPUの冷却に用いることが難しい。また、冷却器の構造が複雑になり、冷却器に接続される冷媒パイプの配置が複雑になるという問題もある。
【0005】
そこで、本発明の一側面は、被冷却体に重ね合わされる重ね合わせ方向に小さくすることができる冷却器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る冷却器は、以下の通りである。
【0007】
[1] 本発明の一側面に係る冷却器は、被冷却体を冷却するための金属製ベースと、金属製ベースに重ね合わされて、金属製ベースとの間に冷媒が流通する流路を形成する樹脂製カバーと、を備え、金属製ベースは、流路に配置される熱交換部を有し、樹脂製カバーは、流路に冷媒を供給するためのインレットと、流路から冷媒を排出するためのアウトレットと、を有し、流路は、熱交換部が配置される熱交換領域と、熱交換領域のインレット側に配置されて金属製ベースと樹脂製カバーとが重ね合わされる重ね合わせ方向と交差する幅方向に延びる入口領域と、インレットと入口領域との間に配置されたチャンバ領域と、を有し、チャンバ領域、入口領域、及び熱交換領域は、重ね合わせ方向と交差する方向に配置されている。
【0008】
この冷却器では、熱交換領域のインレット側に配置された入口領域が幅方向に延びており、インレットと入口領域との間にチャンバ領域が配置されている。このため、インレットから流路に供給された冷媒は、一旦チャンバ領域に溜まることで幅方向における流れの不均一が抑制され、その後、入口領域から熱交換領域に供給される。これにより、入口領域から熱交換領域に供給される冷媒の幅方向における流れの不均一を抑制することができる。そして、チャンバ領域、入口領域、及び熱交換領域が長さ方向と交差する方向に配置されている。このため、被冷却部材に重ね合わされる重ね合わせ方向に小さくすることができる。
【0009】
[2] [1]に記載の冷却器において、幅方向における入口領域の幅は、幅方向における熱交換部の幅以上であってもよい。この冷却器では、幅方向における入口領域の幅が、幅方向における熱交換部の幅以上である。このため、冷媒が入口領域から熱交換部に流れて行く際の圧力損失を小さくすることができる。
【0010】
[3] [2]に記載の冷却器において、入口領域と熱交換領域とは、幅方向において同じ位置に配置されていてもよい。この冷却器では、入口領域と熱交換領域とが、幅方向において同じ位置に配置されている。このため、入口領域において幅方向における流れの不均一が抑制された冷媒を、幅方向における流れの不均一が抑制された状態で熱交換領域に供給することができる。
【0011】
[4] [1]~[3]の何れか一つに記載の冷却器において、重ね合わせ方向における入口領域の高さは、重ね合わせ方向における熱交換部の高さ以下であってもよい。この冷却器では、重ね合わせ方向における入口領域の高さが、重ね合わせ方向における熱交換部の高さ以下である。このため、熱交換領域を広くしつつ、入口領域における冷媒の幅方向における流れの不均一を抑制することができる。これにより、被冷却体の冷却効率を高めることができる。
【0012】
[5] [1]~[4]の何れか一つに記載の冷却器において、重ね合わせ方向及び幅方向に沿った入口領域の断面積は、重ね合わせ方向及び幅方向に沿ったインレットの断面積の50%以上400%以下であってもよい。この冷却器では、重ね合わせ方向及び幅方向に沿った入口領域の断面積が、重ね合わせ方向及び幅方向に沿ったインレットの断面積の50%以上400%以下である。このため、入口領域における冷媒の幅方向における流れの不均一を抑制しつつ、入口領域を通過する際の冷媒の圧力損失を小さくすることができる。
【0013】
[6] [1]~[5]の何れか一つに記載の冷却器において、重ね合わせ方向及び幅方向に沿った入口領域の断面積は、重ね合わせ方向及び幅方向に沿ったインレットの断面積以上であってもよい。この冷却器では、重ね合わせ方向及び幅方向に沿った入口領域の断面積が、重ね合わせ方向及び幅方向に沿ったインレットの断面積以上である。このため、入口領域を通過する際の冷媒の圧力損失を小さくすることができる。
【0014】
[7] [1]~[6]の何れか一つに記載の冷却器において、インレットは、入口領域よりも重ね合わせ方向における金属製ベースとは反対側に位置していてもよい。この冷却器では、インレットは、入口領域よりも重ね合わせ方向における金属製ベースとは反対側に位置している。このため、インレットから供給された冷媒は、チャンバ領域において金属製ベースに向かうように流れて、入口領域から熱交換領域に供給される。これにより、被冷却体の冷却効率を高めることができる。
【0015】
[8] [7]に記載の冷却器において、樹脂製カバーは、チャンバ領域を重ね合わせ方向における金属製ベース側に向けて幅方向に広げる幅方向傾斜部を有してもよい。この冷却器では、樹脂製カバーが、チャンバ領域を重ね合わせ方向における金属製ベース側に向けて幅方向に広げる幅方向傾斜部を有する。このため、チャンバ領域における乱流の発生を抑制しつつ、インレットからチャンバ領域に供給された冷媒をチャンバ領域において幅方向に広げることができる。これにより、チャンバ領域から入口領域に流れる冷媒の圧力損失を小さくすることができる。
【0016】
[9] [7]又は[8]に記載の冷却器において、樹脂製カバーは、チャンバ領域を重ね合わせ方向における金属製ベース側に向けて長さ方向に広げる長さ方向傾斜部を有してもよい。この冷却器では、樹脂製カバーが、チャンバ領域を重ね合わせ方向における金属製ベース側に向けて長さ方向に広げる長さ方向傾斜部を有する。このため、チャンバ領域における乱流の発生を抑制しつつ、インレットから供給された冷媒をチャンバ領域において金属製ベースに向かわせることができる。これにより、チャンバ領域から入口領域に流れる冷媒の圧力損失を小さくしつつ、被冷却体の冷却効率を高めることができる。
【0017】
[10] [1]~[9]の何れか一つに記載の冷却器において、樹脂製カバーは、長さ方向に延びてインレットに連通される供給流路が形成された筒状の供給パイプ部と、長さ方向に延びてアウトレットに連通される排出流路が形成された筒状の排出パイプ部と、を更に有してもよい。この冷却器では、樹脂製カバーが筒状の供給パイプ部及び排出パイプ部を有する。このため、冷媒を流通させる冷媒パイプを冷却器に接続することができる。つまり、冷却器に接続される冷媒パイプを介して、冷却器に冷媒を供給することができるとともに、冷却器から冷媒を排出することができる。これにより、冷却器の配置自由度を高めることができる。しかも、供給パイプ部及び排出パイプ部が長さ方向に延びている。このため、被冷却部材に重ね合わされる重ね合わせ方向に小さくすることができるとともに、冷媒パイプを容易に接続することができる。
【0018】
[11] [1]~[10]の何れか一つに記載の冷却器において、金属製ベースは、平板状に形成されたプレート部と、プレート部上に配置されたフィンからなる熱交換部と、を有してもよい。この冷却器では、金属製ベースが、平板状に形成されたプレート部と、プレート部上に配置されたフィンからなる熱交換部と、を有する。このため、被冷却体を適切に冷却することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一側面によれば、被冷却体に重ね合わされる重ね合わせ方向に小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態の冷却器を示す平面図である。
図2】本実施形態の冷却器を示す正面図である。
図3】本実施形態の冷却器を示す側面図である。
図4】本実施形態の冷却器を示す底面図である。
図5】本実施形態の冷却器を示す分解斜視図である。
図6図1に示すVI-VI線における断面図である。
図7図6の一部を拡大した断面図である。
図8図6に示すVIII-VIII線における断面図である。
図9図6に示すIX-IX線における断面図である。
図10図6に示すX-X線における断面図である。
図11図2に示すXI-XI線における断面図である。
図12】変形例の冷却器を示す平面図である。
図13】他の変形例の冷却器を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、実施形態に係る冷却器を説明する。本実施形態に係る冷却器は、被冷却体に重ね合わされることで被冷却体を冷却するものである。なお、本実施形態に係る冷却器は、被冷却体に直接的に重ね合わされるものであってもよく、他部材を介して被冷却体に間接的に重ね合わされるものであってもよい。被冷却体としては、特に限定されるものではなく、例えば、HPC、基地局装置等に用いられるCPUとすることができる。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0022】
図1は、本実施形態の冷却器を示す平面図である。図2は、本実施形態の冷却器を示す正面図である。図3は、本実施形態の冷却器を示す側面図である。図4は、本実施形態の冷却器を示す底面図である。図5は、本実施形態の冷却器を示す分解斜視図である。図6は、図1に示すVI-VI線における断面図である。図7は、図6の一部を拡大した断面図である。図8は、図6に示すVIII-VIII線における断面図である。図9は、図6に示すIX-IX線における断面図である。図10は、図6に示すX-X線における断面図である。図11は、図2に示すXI-XI線における断面図である。図1図11に示すように、本実施形態に係る冷却器1は、被冷却体を冷却するための金属製ベース2と、金属製ベース2に重ね合わされて、金属製ベース2との間に冷媒が流通する流路5を形成する樹脂製カバー3と、金属製ベース2と樹脂製カバー3との間に配置されるシール部材4と、を備える。ここで、金属製ベース2に樹脂製カバー3が重ね合わされる方向を重ね合わせ方向D1という。重ね合わせ方向D1は、被冷却体に冷却器1が重ね合わされる方向でもある。また、重ね合わせ方向D1と交差する方向を幅方向D2といい、重ね合わせ方向D1及び幅方向D2と交差する方向を長さ方向D3という。本実施形態では、一例として、重ね合わせ方向D1と直交する方向を幅方向D2といい、重ね合わせ方向D1及び幅方向D2と直交する方向を長さ方向D3という。
【0023】
金属製ベース2は、被冷却体を冷却するために被冷却体に重ね合わされる金属製の部材である。金属製ベース2の素材としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の熱伝導率の高い金属が用いられる。金属製ベース2は、平板状に形成されたプレート部21と、プレート部21上に配置された熱交換部22と、を備える。
【0024】
プレート部21は、重ね合わせ方向D1に厚みを有して、幅方向D2及び長さ方向D3に沿う方向に延びている。プレート部21には、プレート部21を被冷却体に固定するための複数の貫通穴23が形成されている。
【0025】
熱交換部22は、プレート部21の中央部に配置されている。熱交換部22は、冷媒との間で熱交換を行うことで、被冷却体を冷却するための部位である。熱交換部22は、例えば、フィンにより構成されている。熱交換部22を構成するフィンとしては、例えば、屈曲された金属薄板からなるプレート型、波型に形成された複数の金属薄板からなるウェーブ型、複数の立設されたピンからなるピン型、複数の金属薄板が積層されてなる積層型のものが用いられる。熱交換部22は、全体として、矩形平板状に形成されている。熱交換部22は、全体として、重ね合わせ方向D1に厚みを有して、幅方向D2及び長さ方向D3に沿う方向に延びている。熱交換部22は、プレート部21と一体的に形成されたものであってもよく、プレート部21に対して固定されたものであってもよい。
【0026】
樹脂製カバー3は、金属製ベース2との間に流路5を形成するための樹脂製の部材である。樹脂製カバー3は、金属製ベース2に対して固定されている。金属製ベース2に対する樹脂製カバー3の固定方法は、特に限定されるものではなく、例えば、レーザー溶着とすることができる。樹脂製カバー3の素材としては、例えば、ポリアミド(PA)、芳香族ポリアミド樹脂、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、などの耐熱性及び強度の高い樹脂が用いられる。樹脂製カバー3は、カバー本体31と、供給パイプ部32と、排出パイプ部33と、を備える。
【0027】
カバー本体31は、金属製ベース2との間に流路5を形成する部分である。カバー本体31には、流路5に冷媒を供給するためのインレット35と、流路5から冷媒を排出するためのアウトレット36と、が形成されている。インレット35及びアウトレット36は、円形(例えば、真円形)に形成されている。また、インレット35及びアウトレット36は、金属製ベース2から離間した位置に形成されている。流路5は、熱交換領域51と、入口領域52と、出口領域53と、供給側チャンバ領域54と、排出側チャンバ領域55と、を有する。流路5では、インレット35、供給側チャンバ領域54、入口領域52、熱交換領域51、出口領域53、排出側チャンバ領域55、及びアウトレット36が、この順で、重ね合わせ方向D1と交差する方向である長さ方向D3に配置されている。
【0028】
熱交換領域51は、熱交換部22が配置される領域である。つまり、熱交換部22は、熱交換領域51において冷媒と接触するように、熱交換領域51に収容されている。熱交換領域51は、熱交換部22に対応する形状の領域となっている。つまり、熱交換領域51は、重ね合わせ方向D1、幅方向D2、及び長さ方向D3のそれぞれの方向に延びる薄い直方体状の領域となっている。
【0029】
入口領域52は、熱交換領域51のインレット35側に配置される領域である。入口領域52が熱交換領域51のインレット35側に配置されるとは、入口領域52が流路5に沿う方向における熱交換領域51のインレット35側に配置されることをいうとともに、入口領域52が流路5における熱交換領域51の上流側に配置されることをいう。つまり、入口領域52は、熱交換領域51に隣接して、熱交換領域51の入口となる領域である。入口領域52は、幅方向D2に延びている。重ね合わせ方向D1における入口領域52の高さH52は、重ね合わせ方向D1における熱交換部22の高さH22以下、又は重ね合わせ方向D1における熱交換部22の高さH22未満となっている。入口領域52の高さH52は、重ね合わせ方向D1における入口領域52の最も高い位置の高さである。同様に、熱交換部22の高さH22は、重ね合わせ方向D1における熱交換部22の最も高い位置の高さである。なお、熱交換部22は熱交換領域51に収容されているため、重ね合わせ方向D1における熱交換領域51の最も高い位置の高さは、重ね合わせ方向D1における熱交換部22の最も高い位置の高さ以上となる。
【0030】
出口領域53は、熱交換領域51のアウトレット36側に配置される領域である。出口領域53が熱交換領域51のアウトレット36側に配置されるとは、出口領域53が流路5に沿う方向における熱交換領域51のアウトレット36側に配置されることをいうとともに、出口領域53が流路5における熱交換領域51の下流側に配置されることをいう。つまり、出口領域53は、熱交換領域51に隣接して、熱交換領域51の出口となる領域である。出口領域53は、幅方向D2に延びている。なお、出口領域53は、長さ方向D3において入口領域52と対称となるように形成されている。
【0031】
供給側チャンバ領域54は、インレット35と入口領域52との間に配置される領域である。供給側チャンバ領域54がインレット35と入口領域52との間に配置されるとは、供給側チャンバ領域54が流路5に沿う方向におけるインレット35と入口領域52との間に配置されることをいうとともに、供給側チャンバ領域54が流路5におけるインレット35の上流側且つ入口領域52の下流側に配置されることをいう。供給側チャンバ領域54は、インレット35及び入口領域52と隣接して、インレット35から供給された冷媒を一旦貯留して入口領域52に供給する領域である。供給側チャンバ領域54は、重ね合わせ方向D1に延びている。そして、インレット35は、入口領域52よりも重ね合わせ方向D1における金属製ベース2とは反対側に位置している。つまり、重ね合わせ方向D1において、インレット35は、入口領域52よりも高い位置に配置されている。樹脂製カバー3は、供給側チャンバ領域54を重ね合わせ方向D1における金属製ベース2側(図9における下方)に向けて幅方向D2に広げる幅方向傾斜部56を有する。このため、供給側チャンバ領域54は、幅方向傾斜部56により、重ね合わせ方向D1における金属製ベース2側に向けて幅方向D2に広がっている。樹脂製カバー3は、供給側チャンバ領域54を重ね合わせ方向D1における金属製ベース2側に向けて長さ方向D3に広げる長さ方向傾斜部57を有する。このため、供給側チャンバ領域54は、長さ方向傾斜部57により、重ね合わせ方向D1における金属製ベース2側に向けて長さ方向D3に広がっている。
【0032】
排出側チャンバ領域55は、出口領域53とアウトレット36との間に配置される領域である。排出側チャンバ領域55が出口領域53とアウトレット36との間に配置されるとは、排出側チャンバ領域55が流路5に沿う方向における出口領域53とアウトレット36との間に配置されることをいうとともに、排出側チャンバ領域55が流路5における出口領域53の上流側且つアウトレット36の下流側に配置されることをいう。排出側チャンバ領域55は、出口領域53及びアウトレット36と隣接して、出口領域53から排出された冷媒を一旦貯留してアウトレット36に排出する領域である。なお、排出側チャンバ領域55は、長さ方向D3において供給側チャンバ領域54と対称となるように形成されている。
【0033】
供給パイプ部32は、カバー本体31から長さ方向D3に延びる部分である。供給パイプ部32は、冷媒を流通させる供給側冷媒パイプ(不図示)を接続できるように、筒状(パイプ状)に形成されて、直線状に延びている。なお、供給パイプ部32には、供給パイプ部32に接続された供給側冷媒パイプが供給パイプ部32から容易に抜けないように、一つのバルジ(供給パイプ部32の周方向に延びる膨出部)が形成されている。供給パイプ部32には、インレット35に連通される供給流路37が形成されている。供給流路37は、供給パイプ部32の内周面により形成される。
【0034】
排出パイプ部33は、カバー本体31から長さ方向D3における供給パイプ部32とは反対方向に延びる部分である。排出パイプ部33は、冷媒を流通させる排出側冷媒パイプ(不図示)を接続できるように、筒状(パイプ状)に形成されて、直線状に延びている。なお、排出パイプ部33には、排出パイプ部33に接続された排出側冷媒パイプが排出パイプ部33から容易に抜けないように、一つのバルジが形成されている。排出パイプ部33には、アウトレット36に連通される排出流路38が形成されている。排出流路38は、排出パイプ部33の内周面により形成される。
【0035】
シール部材4は、重ね合わせ方向D1から見て流路5を囲む、無端形状に形成されている。シール部材4は、例えば、弾性材からなる矩形リングである。シール部材4は、金属製ベース2と樹脂製カバー3との間に配置されて、金属製ベース2と樹脂製カバー3との間をシールしている。
【0036】
このように構成される冷却器1では、供給パイプ部32に供給側冷媒パイプが接続されるとともに、排出パイプ部33に排出側冷媒パイプが接続される。そして、供給側冷媒パイプから供給パイプ部32の供給流路37に冷媒が供給されて、排出パイプ部33の排出流路38から排出側冷媒パイプに冷媒が排出される。供給パイプ部32の供給流路37に供給された冷媒は、インレット35から流路5に供給される。インレット35から流路5に供給された冷媒は、インレット35、供給側チャンバ領域54、入口領域52、熱交換領域51、出口領域53、排出側チャンバ領域55、及びアウトレット36の順に流れて行き、アウトレット36から排出パイプ部33の排出流路38に排出される。このとき、インレット35から流路5に供給された冷媒は、一旦供給側チャンバ領域54に溜まることで幅方向D2における流れの不均一が抑制され、その後、入口領域52から熱交換領域51に供給される。そして、熱交換領域51において冷媒が熱交換部22と熱交換することで、被冷却体が冷却される。
【0037】
ここで、幅方向D2における供給側チャンバ領域54の入口領域52に隣接する部分の幅W54と、幅方向D2における入口領域52の幅W52と、が異なっていると、冷媒が供給側チャンバ領域54から入口領域52に流れて行く際の圧力損失が大きくなると考えられる。更に、供給側チャンバ領域54の入口領域52に隣接する部分と入口領域52とが、幅方向D2において互いにずれた位置に配置されていると、冷媒が供給側チャンバ領域54から入口領域52に流れ込む際に冷媒の流れが幅方向D2に乱れると考えられる。
【0038】
このため、冷媒が供給側チャンバ領域54から入口領域52に流れて行く際の圧力損失を小さくする観点から、幅方向D2における供給側チャンバ領域54の入口領域52に隣接する部分の幅W54は、幅方向D2における入口領域52の幅W52と同じであることが好ましい。更に、冷媒が供給側チャンバ領域54から入口領域52に流れ込む際の冷媒の流れの幅方向D2における乱れを抑制する観点から、供給側チャンバ領域54の入口領域52に隣接する部分と熱交換領域51とが、幅方向D2において同じ位置に配置されていることが好ましい。
【0039】
また、幅方向D2における入口領域52の幅W52が、幅方向D2における熱交換部22の幅W22より小さいと、冷媒が入口領域52から熱交換部22に流れて行く際の圧力損失が大きくなると考えられる。更に、入口領域52と熱交換部22とが、幅方向D2において互いにずれた位置に配置されていると、冷媒が入口領域52から熱交換部22に流れ込む際に冷媒の流れが幅方向D2に乱れると考えられる。
【0040】
このため、冷媒が入口領域52から熱交換部22に流れて行く際の圧力損失を小さくする観点から、幅方向D2における入口領域52の幅W52は、幅方向D2における熱交換部22の幅W22以上であることが好ましい。なお、幅方向D2における熱交換領域51の幅W51は、幅方向d2における熱交換部22の幅W22以上となっている。更に、冷媒が入口領域52から熱交換領域51に流れ込む際の冷媒の流れの幅方向D2における乱れを抑制する観点から、入口領域52と熱交換部22とが、幅方向D2において同じ位置に配置されていることが好ましい。
【0041】
また、重ね合わせ方向D1及び幅方向D2に沿った入口領域52の断面積が、重ね合わせ方向D1及び幅方向D2に沿ったインレット35の断面積に対して大きすぎると、入口領域52における冷媒の幅方向D2における流れの不均一を十分に抑制できないと考えられる。重ね合わせ方向D1及び幅方向D2に沿った入口領域52の断面は、図10に示す入口領域52の断面である。一方、重ね合わせ方向D1及び幅方向D2に沿った入口領域52の断面積が、重ね合わせ方向D1及び幅方向D2に沿ったインレット35の断面積に対して小さすぎると、入口領域52を通過する際の冷媒の圧力損失が大きくなると考えられる。
【0042】
このため、入口領域52における冷媒の幅方向D2における流れの不均一を抑制する観点から、重ね合わせ方向D1及び幅方向D2に沿った入口領域52の断面積は、例えば、重ね合わせ方向D1及び幅方向D2に沿ったインレット35の断面積の400%以下、200%以下、又は110%以下であることが好ましい。一方、入口領域52を通過する際の冷媒の圧力損失を小さくする観点から、重ね合わせ方向D1及び幅方向D2に沿った入口領域52の断面積は、例えば、重ね合わせ方向D1及び幅方向D2に沿ったインレット35の断面積の50%以上、90%以上、又は100%以上であることが好ましい。これらの観点から、重ね合わせ方向D1及び幅方向D2に沿った入口領域52の断面積は、例えば、重ね合わせ方向D1及び幅方向D2に沿ったインレット35の断面積の50%以上400%以下、90%以上200%以下、又は100%以上110%以下であることが好ましい。
【0043】
また、重ね合わせ方向D1及び幅方向D2に沿った入口領域52の断面積が、重ね合わせ方向D1及び幅方向D2に沿ったインレット35の断面積よりも小さいと、入口領域52を通過する際の冷媒の圧力損失が大きくなると考えられる。このため、入口領域52を通過する際の冷媒の圧力損失を小さくする観点から、重ね合わせ方向D1及び幅方向D2に沿った入口領域52の断面積は、重ね合わせ方向D1及び幅方向D2に沿ったインレット35の断面積以上であることが好ましい。
【0044】
以上説明したように、本実施形態に係る冷却器1では、熱交換領域51のインレット35側に配置された入口領域52が幅方向D2に延びており、インレット35と入口領域52との間に供給側チャンバ領域54が配置されている。このため、インレット35から流路5に供給された冷媒は、一旦供給側チャンバ領域54に溜まることで幅方向D2における流れの不均一が抑制され、その後、入口領域52から熱交換領域51に供給される。これにより、入口領域52から熱交換領域51に供給される冷媒の幅方向D2における流れの不均一を抑制することができる。そして、供給側チャンバ領域54、入口領域52、及び熱交換領域51が重ね合わせ方向D1と直交する方向である長さ方向D3に配置されている。このため、被冷却部材に重ね合わされる重ね合わせ方向D1に小さくすることができる。しかも、本実施形態では、供給側チャンバ領域54、入口領域52、及び熱交換領域51だけでなく、インレット35、出口領域53、排出側チャンバ領域55、及びアウトレット36も重ね合わせ方向D1と直交する方向である長さ方向D3に配置されている。このため、重ね合わせ方向D1に更に小さくすることができる。
【0045】
また、この冷却器1では、幅方向D2における入口領域52の幅W52が、幅方向D2における熱交換部22の幅W22以上である。このため、冷媒が入口領域52から熱交換領域51に流れて行く際の圧力損失を小さくすることができる。
【0046】
また、この冷却器1では、入口領域52と熱交換領域51とが、幅方向D2において同じ位置に配置されている。このため、入口領域52において幅方向D2における流れの不均一が抑制された冷媒を、幅方向D2における流れの不均一が抑制された状態で熱交換領域51に供給することができる。
【0047】
また、この冷却器1では、重ね合わせ方向D1における入口領域52の高さH52が、重ね合わせ方向D1における熱交換部22の高さH22以下である。このため、熱交換領域51を広くしつつ、入口領域52における冷媒の幅方向における流れの不均一を抑制することができる。これにより、被冷却体の冷却効率を高めることができる。
【0048】
また、この冷却器1では、重ね合わせ方向D1及び幅方向D2に沿った入口領域52の断面積が、重ね合わせ方向D1及び幅方向D2に沿ったインレット35の断面積の50%以上400%以下、90%以上200%以下、又は100%以上110%以下である。このため、入口領域52における冷媒の幅方向D2における流れの不均一を抑制しつつ、入口領域52を通過する際の冷媒の圧力損失を小さくすることができる。
【0049】
また、この冷却器1では、重ね合わせ方向D1及び幅方向D2に沿った入口領域52の断面積が、重ね合わせ方向D1及び幅方向D2に沿ったインレット35の断面積以上である。このため、入口領域52を通過する際の冷媒の圧力損失を小さくすることができる。
【0050】
また、この冷却器1では、インレット35は、入口領域52よりも重ね合わせ方向D1における金属製ベース2とは反対側に位置している。このため、インレット35から供給された冷媒は、供給側チャンバ領域54において金属製ベース2に向かうように流れて、入口領域52から熱交換領域51に供給される。これにより、被冷却体の冷却効率を高めることができる。
【0051】
また、この冷却器1では、樹脂製カバー3が、供給側チャンバ領域54を重ね合わせ方向D1における金属製ベース2側に向けて幅方向D2に広げる幅方向傾斜部58を有する。このため、供給側チャンバ領域54における乱流の発生を抑制しつつ、インレット35から供給側チャンバ領域54に供給された冷媒を供給側チャンバ領域54において幅方向D2に広げることができる。これにより、供給側チャンバ領域54から入口領域52に流れる冷媒の圧力損失を小さくすることができる。
【0052】
また、この冷却器1では、樹脂製カバー3が、供給側チャンバ領域54を重ね合わせ方向D1における金属製ベース2側に向けて長さ方向D3に広げる長さ方向傾斜部を有する。このため、供給側チャンバ領域54における乱流の発生を抑制しつつ、インレット35から供給された冷媒を供給側チャンバ領域54において金属製ベース2に向かわせることができる。これにより、チャンバ領域から入口領域に流れる冷媒の圧力損失を小さくしつつ、被冷却体の冷却効率を高めることができる。
【0053】
また、この冷却器1では、樹脂製カバー3が筒状の供給パイプ部32及び排出パイプ部33を有する。このため、冷媒を流通させる供給側冷媒パイプ及び排出側冷媒パイプを冷却器1に接続することができる。つまり、冷却器1に接続される供給側冷媒パイプ及び排出側冷媒パイプを介して、冷却器1に冷媒を供給することができるとともに、冷却器1から冷媒を排出することができる。これにより、冷却器1の配置自由度を高めることができる。しかも、供給パイプ部32及び排出パイプ部33が長さ方向D3に延びている。このため、被冷却部材に重ね合わされる重ね合わせ方向D1に小さくすることができるとともに、供給側冷媒パイプ及び排出側冷媒パイプを容易に接続することができる。
【0054】
また、この冷却器1では、金属製ベース2が、平板状に形成されたプレート部21と、プレート部21上に配置されたフィンからなる熱交換部22と、を有する。このため、被冷却体を適切に冷却することができる。
【0055】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0056】
例えば、上記実施形態では、冷却器が長さ方向D3において対称となる形状であるものとして説明したが、冷却器は、長さ方向D3において対称ではない形状であってもよい。例えば、出口領域及び排出側チャンバ領域の少なくとも一方を備えないものであってもよく、出口領域及び排出側チャンバ領域と入口領域及び排出側チャンバ領域とは対称ではなく互いに異なる形状を有するものであってもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、インレット、供給側チャンバ領域、入口領域、熱交換領域、出口領域、排出側チャンバ領域、及びアウトレットが長さ方向D3に配置されているものとして説明したが、供給側チャンバ領域、入口領域、及び熱交換領域が長さ方向D3に配置されていれば、その他の領域は長さ方向D3に配置されていなくてもよい。例えば、供給側チャンバ領域、入口領域、熱交換領域、出口領域、及び排出側チャンバ領域が長さ方向D3に配置されており、インレットと供給側チャンバ領域とが幅方向D2方向に配置されており、アウトレットと排出側チャンバ領域とが幅方向D2方向に配置されていてもよい。
【0058】
また、供給パイプ部及び排出パイプ部は、接続される冷媒パイプの形状や冷媒パイプとの接続構造等に応じて、適宜変更してもよい。
【0059】
図12は、変形例の冷却器を示す平面図である。図12に示す変形例の冷却器1Aは、上記実施形態の樹脂製カバー3の代わりに樹脂製カバー3Aを備えている。樹脂製カバー3Aには、上記実施形態の供給パイプ部32及び排出パイプ部33の代わりに、供給パイプ部32A及び排出パイプ部33Aが設けられている。供給パイプ部32A及び排出パイプ部33Aは、上記実施形態の供給パイプ部32及び排出パイプ部33と同様に、筒状(パイプ状)に形成されて、直線状に延びている。また、供給パイプ部32A及び排出パイプ部33Aには、上記実施形態の供給パイプ部32及び排出パイプ部33と同様に、インレット35に連通される供給流路37及びアウトレット36に連通される排出流路38が形成されている。そして、供給パイプ部32A及び排出パイプ部33Aの先端部は、供給側冷媒パイプ及び排出側冷媒パイプを接続しやすくするために、テーパ状に形成されている。また、供給パイプ部32A及び排出パイプ部33Aには、接続された供給側冷媒パイプ及び排出側冷媒パイプが容易に抜けないように、二つのバルジが形成されている。
【0060】
図13は、他の変形例の冷却器を示す平面図である。図13に示す他の変形例の冷却器1Bは、上記実施形態の樹脂製カバー3の代わりに樹脂製カバー3Bを備えている。樹脂製カバー3Bには、上記実施形態の供給パイプ部32と同様の供給パイプ部32Bと、図12に示す冷却器1Aの排出パイプ部33Aと同様の排出パイプ部33Bと、が設けられている。
【0061】
また、上記実施形態では、供給パイプ部32と排出パイプ部33とが長さ方向D3に互いに反対側に延びるように配置されるものとして説明したが、チャンバ領域、入口領域、及び熱交換領域が重ね合わせ方向と交差する方向に配置されていれば、供給パイプ部及び排出パイプ部は如何なる方向に向くように配置されていてもよい。例えば、供給パイプ部及び排出パイプ部は、幅方向の同じ方向を向くように配置されていてもよく、幅方向及び長さ方向に対して傾斜した方向を向くように配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1,1A,1B…冷却器、2…金属製ベース、3,3A,3B…樹脂製カバー、4…シール部材、5…流路、21…プレート部、22…熱交換部、23…貫通穴、31…カバー本体、32,32A,32B…供給パイプ部、33,33A,33B…排出パイプ部、35…インレット、36…アウトレット、37…供給流路、38…排出流路、51…熱交換領域、52…入口領域、53…出口領域、54…供給側チャンバ領域、55…排出側チャンバ領域、56…幅方向傾斜部、57…長さ方向傾斜部、58…幅方向傾斜部、D1…重ね合わせ方向、D2…幅方向、D3…長さ方向。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13