(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080287
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】自動搬送供給装置
(51)【国際特許分類】
B65C 9/06 20060101AFI20240606BHJP
【FI】
B65C9/06
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193348
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】522471294
【氏名又は名称】清水 高広
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】清水 高広
【テーマコード(参考)】
3E095
【Fターム(参考)】
3E095AA07
3E095BA02
3E095CA01
3E095DA42
3E095DA48
3E095DA82
3E095EA03
3E095EA13
3E095EA24
3E095FA09
3E095FA12
3E095FA13
(57)【要約】
【課題】従来のラベル貼付機では、作業者が手作業にてボトルを設置し、加工処理後のボトルを取り出しているため、作業効率が悪いという課題があった。
【解決手段】
本発明の自動搬送供給装置10は、成型品11を搬送する搬送用コンベア12と、成型品後工程加工装置21の加工テーブル22に配設される検知センサ13と、搬送用コンベア12に成型品11を自動供給する成型品供給ストッカー14と、成型品後工程加工装置21の加工処理機構23を制御する制御部16と、を備える。この構造により、成型品後工程加工装置21の加工テーブル22には、成型品11が自動供給されることで、連続作業が可能となり、タクトタイム及びサイクルタイムが短縮され作業効率が向上されると共に、作業者の熟練度に作用されず、製品品質が向上される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成型品後工程加工装置へと成型品を自動搬送する自動搬送供給装置であって、
複数の前記成型品を搬送する搬送用コンベアと、
前記搬送用コンベアの搬送方向の先端側に並んで配置される前記成型品後工程加工装置の加工テーブルと、
前記加工テーブルに搬送された前記成型品を検知し、前記成型品後工程加工装置を起動させる制御部と、を備え、
前記搬送用コンベアから前記加工テーブルへと搬送された前記成型品は、その後方に位置する前記搬送用コンベア上の前記成型品により押されながら、前記加工テーブルの所望の加工位置へと進むことを特徴とする自動搬送供給装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記加工テーブル上の前記成型品を検知する検知センサと接続し、
前記検知センサは、前記加工テーブルへと搬送された前記成型品が前記加工位置に到達する前、あるいは前記加工位置に到着すると同時に前記成型品を検知することを特徴とする請求項1に記載の自動搬送供給装置。
【請求項3】
前記搬送用コンベアでは、横臥状態の前記成型品を搬送することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動搬送供給装置。
【請求項4】
前記制御部により制御される可動アームを備え、
前記可動アームは、前記成型品後工程加工装置による前記成型品への加工作業が終わるまでの間に、前記搬送用コンベア上の前記成型品を前記加工テーブル上の前記成型品から離間させることを特徴とする請求項3に記載の自動搬送供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動搬送供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のラベル貼付機として、特許文献1に記載の構造が知られている。ラベル貼付機は、主に、被貼付物を載置する載置台を有する被貼付物載置手段と、ラベルを1枚ずつ送出すラベル送出手段と、ラベルの貼着面に糊を塗布する糊付け手段と、糊付けされたラベルを被貼付物載置手段まで搬送する搬送手段と、被貼付物にラベルを貼付ける貼付手段と、を備える。
【0003】
作業者は、ラベルが貼付けられる前の被貼付物を載置台上に載置した後、ラベル貼付機を稼働させることで、被貼付物の所望の位置にラベルが貼付けられる。その後、作業者は、ラベルが貼付けられた被貼付物を載置台から取り出した後、次の被貼付物を載置台上に載置し、ラベル貼付機を稼働させる。作業者は、この作業を繰り返すことで、限定生産品等の小ロットの製品にも対応可能となる。また、ラベル貼付機の構成が簡素化され、装置の小型化やコスト低減が実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のラベル貼付機では、作業者が、被貼付物を載置台上に載置した後、起動スイッチを押下し、ラベル貼付機を稼働させることで、被貼付物の所望の位置にラベルが貼付けられる。つまり、作業者の手作業により1本ずつ被貼付物を載置台上に配置し、また、載置台から取り出すため、作業効率が悪いという課題がある。また、作業者の個々の作業能力により、ラベルの貼付位置の精度の向上や作業効率の安定化を図り難いという課題がある。
【0006】
また、従来のラベル貼付機での作業効率を向上させるためには、作業員による載置台への被貼付物の供給及び取り出しの作業スピードを速める必要がある。そのため、作業員への作業負担が大きくなり、その結果作業精度の悪化を招き、ラベルの貼付位置等の品質の悪化を招く恐れがあるという課題がある。更には、作業スピードの向上や歩留まりの向上等、作業員に過度な要求を行うことで、ストレス等による作業員の健康問題や作業員の定着率の悪化等の課題も生じる。
【0007】
更には、作業スピードを上げ、上記作業効率の向上を図るためには、ラベル貼付機を連続して稼働させる必要がある。この場合には、例えば、載置台での作業に対して複数の作業員により連続して対応することが考えられる。また、載置台から取り出した加工済みの被貼付物を収納する作業員を新たに配置することも考えられる。つまり、上記作業効率の向上を図るためには、作業員数を増大する必要があり、製造コストを低減し難いという課題がある。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、上記のようなラベル貼付機等の成型品後工程加工装置へと成型品を自動搬送することで、作業効率を向上、製造コストの低減や製品品質の向上を実現する自動搬送供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の自動搬送供給装置では、成型品後工程加工装置へと成型品を自動搬送する自動搬送供給装置であって、複数の前記成型品を搬送する搬送用コンベアと、前記搬送用コンベアの搬送方向の先端側に並んで配置される前記成型品後工程加工装置の加工テーブルと、前記加工テーブルに搬送された前記成型品を検知し、前記成型品後工程加工装置を起動させる制御部と、を備え、前記搬送用コンベアから前記加工テーブルへと搬送された前記成型品は、その後方に位置する前記搬送用コンベア上の前記成型品により押されながら、前記加工テーブルの所望の加工位置へと進むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の自動搬送供給装置では、前記制御部は、前記加工テーブル上の前記成型品を検知する検知センサを有し、前記検知センサは、前記加工テーブルへと搬送された前記成型品が前記加工位置に到達する前、あるいは前記加工位置に到着すると同時に前記成型品を検知することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の自動搬送供給装置では、前記搬送用コンベアでは、横臥状態の前記成型品を搬送することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の自動搬送供給装置では、前記制御部により起動される可動アームを備え、前記可動アームは、前記成型品後工程加工装置による前記成型品への加工作業が終わるまでの間に、前記搬送用コンベア上の前記成型品を前記加工テーブル上の前記成型品から離間させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の自動搬送供給装置は、複数の成型品を自動搬送可能な搬送用コンベアを備え、搬送用コンベアの先端側には、成型品後工程加工装置の加工テーブルが配設される。この構造により、加工テーブルへと移動した成型品は、後続の搬送用コンベア上の成型品により押されることで、加工位置まで進行する。そして、成型品が、加工テーブル上に自動搬送されることで、作業者の熟練度に左右されることなく、作業効率が向上される。
【0014】
また、本発明の自動搬送供給装置は、加工テーブル上の成型品を検知する検知センサを備える。検知センサは、加工位置に到着する前あるいは到着と同時に成型品を検知する。この構造により、成型品が加工位置に到着するタイミングに合わせて成型品後工程加工装置の加工処理機構が起動することで、タクトタイム及びサイクルタイムが短縮され、作業効率が向上される。
【0015】
また、本発明の自動搬送供給装置では、成型品は、横臥状態にて搬送用コンベア上を進行し、加工テーブルへと移動する。この構造により、成型品後工程加工装置としてボトルラベラー機を用いる場合には、成型品が、加工処理状態である横臥状態にて加工テーブルへと自動供給され、作業効率が向上される。
【0016】
また、本発明の自動搬送供給装置は、検知センサによる検知信号に連動して起動する可動アームを備える。この構造により、加工テーブル上では、可動アームが、連続して配置された成型品を離間させることで、加工処理後の成型品が、安定して加工テーブルから排出される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態である自動搬送供給装置を説明する側面図である。
【
図2】本発明の一実施形態である自動搬送供給装置を説明するブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態である自動搬送供給装置と協働する成型品後工程加工装置を説明する斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態である自動搬送供給装置の搬送用コンベアを説明する側面図である。
【
図5】本発明の一実施形態である自動搬送供給装置の搬送用コンベアを説明する断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態である自動搬送供給装置の成型品供給ストッカーを説明する側面図である。
【
図7A】本発明の一実施形態である自動搬送供給装置により成型品を搬送する状況を説明する側面図である。
【
図7B】本発明の一実施形態である自動搬送供給装置により成型品を搬送する状況を説明する側面図である。
【
図7C】本発明の一実施形態である自動搬送供給装置により成型品を搬送する状況を説明する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係る自動搬送供給装置10を図面に基づき詳細に説明する。尚、以下の説明の際には、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。また、上下方向は自動搬送供給装置10の高さ方向を示し、左右方向は自動搬送供給装置10の横幅方向を示し、前後方向は自動搬送供給装置10の奥行方向であり、搬送用コンベア12の延在方向を示す。そして、上記前後方向は、成型品11を搬送する搬送方向であり、上記左右方向は上記搬送方向と直交する方向である。
【0019】
図1は、本実施形態の自動搬送供給装置10を説明する側面図である。
図2は、本実施形態の自動搬送供給装置10を説明するブロック図である。
図3は、本実施形態の自動搬送供給装置10から成型品11が供給される成型品後工程加工装置21の一例であるボトルラベラー機20を説明する斜視図である。
【0020】
図1に示すように、自動搬送供給装置10は、主に、成型品11を搬送する搬送用コンベア12と、成型品後工程加工装置21の加工テーブル22に配設される検知センサ13(
図7A参照)と、搬送用コンベア12に成型品11を自動供給する成型品供給ストッカー14と、加工テーブル22に配設される可動アーム15(
図7B参照)と、自動搬送供給装置10の動作を制御すると共に、成型品後工程加工装置21の加工処理機構23を制御する制御部16(
図2参照)と、を備える。尚、以下の説明では、本実施形態の成型品後工程加工装置21としてボトルラベラー機20(
図3参照)を用いる場合について説明する。
【0021】
成型品11は、プラスチック製やガラス製のボトル状容器であり、例えば、化粧品やシャンプー等を充填する略円筒形状である。また、成型品11としては、充填される内容物、その用途やデザインに応じて、その外径、全長や外観が異なる等、多種多様の形状のものが存在する。詳細は後述するが、自動搬送供給装置10では、搬送用トレイ31上に横臥状態の成型品11を載置し、搬送することで、上記様々な形状の成型品11を搬送することが可能となる。そして、自動搬送供給装置10は、加工テーブル22へと成型品11を自動搬送することで、多品種小ロットの成型品11に対しても作業効率を悪化させることなく、取り扱うことが出来る。
【0022】
尚、以下の説明では、本実施形態の成型品11の横臥状態とは、成型品11が円筒形状のボトルの場合には、成型品11の加工処理が施される湾曲状の外周面が、搬送用トレイ31の内周面に沿って位置するように横向きに寝かされた状態をいう。また、成型品11が直方体形状や板状体の場合には、成型品11の加工処理が施される面が、搬送用トレイ31に対して上面側に位置するように載置された状態をいう。つまり、搬送用トレイ31内での成型品11の横臥状態とは、成型品11が搬送用トレイ31から加工テーブル22上に移動した際に、成型品11の加工処理が施される面が作業者の手作業により変更する必要がない様に載置された状態をいう。
【0023】
図示したように、成型品後工程加工装置21の加工テーブル22は、搬送用コンベア12の先端側に並んで配設される。そして、加工テーブル22の上面は、搬送用コンベア12の搬送用トレイ31内の搬送用ベルト32と略同じ高さ位置に配設される。詳細は後述するが、搬送用トレイ31上の成型品11は、搬送用トレイ31内の搬送用ベルト32の上面から加工テーブル22の上面へと直接移動する。
【0024】
一方、成型品供給ストッカー14は、搬送用コンベア12の後端側であり、搬送用トレイ31よりも上方に配設される。そして、成型品供給ストッカー14の供給トレイ42(
図5参照)の先端側が、搬送用トレイ31の近傍に位置する。詳細は後述するが、成型品供給ストッカー14の収納ボックス41には、多数の成型品11が横臥状態に収納され、成型品11が、搬送用コンベア12の稼働中に1本ずつ搬送用トレイ31に供給される。
【0025】
図2に示すように、制御部16としては、例えば、パーソナルコンピューターが用いられる。そして、制御部16の記憶部16Aには、自動搬送供給装置10の動作を制御するための各種情報や成型品後工程加工装置21の加工処理機構23を起動させるための各種情報が記憶される。また、制御部16の入力部16Bとしては、パーソナルコンピューターに接続されたキーボードやマウス等が用いられる。また、制御部16の表示部16Cとしては、パーソナルコンピューターの表示画面等が用いられる。尚、制御部16は、CPUやメモリ等の電子部品を自動搬送供給装置10に組み込んで、形成される場合でも良い。
【0026】
図示したように、制御部16の入力端子側には、例えば、検知センサ13が接続される。検知センサ13は、加工テーブル22に搬送された成型品11を検知することを目的として、加工テーブル22に配設される。検知センサ13としては、例えば、非接触型の赤外線センサや成型品11と接触することで検知するスイッチ等を用いた機械式センサが用いられる。
【0027】
制御部16の出力端子側には、例えば、成型品後工程加工装置21の加工処理機構23、搬送用コンベア12及び可動アーム15が接続される。制御部16は、検知センサ13からの検知信号が入力されることで、演算処理を行い、加工処理機構23を起動させる。また、制御部16の出力端子には、搬送用コンベア12が接続し、制御部16は、搬送用コンベア12への電源供給や搬送速度等を制御する。
【0028】
尚、制御部16の出力端子には、可動アーム15が接続し、制御部16は、検知センサ13からの検知信号に基づき、可動アーム15も制御する。可動アーム15の構造及び動作については、
図7Cを用いて後述する。
【0029】
ここで、
図3に示すように、本実施形態の成型品後工程加工装置21としては、STKトレーディング社製の製品名称ボトルラベラーBLG502であるボトルラベラー機20が用いられる。ボトルラベラー機20は、主に、2本の回転ローラ22Aから構成される加工テーブル22と、加工テーブル22の上方に配設される加工処理機構23と、加工後の成型品11を排出する排出トレイ24と、成型品11を加工位置へと固定する位置決めストッパ25と、を備える。
【0030】
加工処理機構23は、加工テーブル22の所望の加工位置に搬送され、位置決めストッパ25にて位置決めされた成型品11を固定する押さえローラ部23Aと、成型品11へ貼り付けるラベル26を送り出すラベル供給機構23Bと、を備える。この構造により、ボトルラベラー機20では、加工テーブル22上の成型品11を押さえローラ部23Aにて固定した状態にて、回転ローラ22Aが回転する。そして、成型品11は、加工テーブル22上の回転ローラ22Aにて回転し、ラベル26が、ラベル供給機構23Bから押さえローラ部23Aと成型品11との間に供給されることで、ラベル26は、成型品11の所望の位置に貼り付けられる。その後、回転ローラ22Aが逆回転することで、ラベル26が貼り付けられた成型品11は、排出トレイ24を用いてボトルラベラー機20から排出されると共に、押さえローラ部23Aは待機位置へと上昇する。
【0031】
図4は、本実施形態の自動搬送供給装置10の搬送用コンベア12を説明する側面図である。
図5は、本実施形態の自動搬送供給装置10の搬送用コンベア12を説明する断面図であり、
図4に示すA-A線方向の断面を示す。
【0032】
図4に示すように、搬送用コンベア12は、主に、搬送用トレイ31と、搬送用トレイ31の内側に配設される搬送用ベルト32と、搬送用ベルト32を支持する複数のプーリー33と、搬送用トレイ31及びプーリー33等を支持する枠体部34と、搬送用ベルト32を駆動させるモータ(図示せず)と、を備える。
【0033】
図5に示すように、搬送用トレイ31としては、例えば、円筒形状の塩ビ管をその長さ方向において半分に分割した形状のトレイが用いられる。そして、搬送用トレイ31が、湾曲形状として成型品11を下方から包み込むようにガードすることで、成型品11が搬送用トレイ31から落下し難くなる。また、搬送用トレイ31が上記湾曲形状となることで、点線にて示すように、上述した様々な外径の成型品11を下方から支えることが可能となる。そして、成型品11が、搬送用ベルト32上にて紙面左右方向に揺れた場合でも、搬送用トレイ31から落下し難くなり、安定して搬送される。
【0034】
図示したように、搬送用トレイ31の内側には、2本の搬送用ベルト32が配設される。搬送用ベルト32は、搬送用トレイ31の延在方向に沿って配設されると共に、搬送用トレイ31の中心線31Aに対して線対称に配設される。そして、成型品11は、搬送用トレイ31内にて搬送用ベルト32の上面に載置され、搬送用トレイ31の内周面からは浮いた状態となる。
【0035】
また、
図4に示すように、搬送用ベルト32は、枠体部34に配設された複数のプーリー33を介して一環状に配設される。そして、プーリー33は、枠体部34に固定されたモータを駆動源として回転することで、搬送用ベルト32は、反時計回りに回転する。そして、搬送用ベルト32は、例えば、比較的に摩擦抵抗値の大きい、滑り難いゴム素材により形成される。
【0036】
この構造により、成型品11が、成型品供給ストッカー14から搬送用トレイ31上に供給されると、成型品11が、自重により上方から搬送用ベルト32を押圧する。成型品11は、搬送用ベルト32との摩擦抵抗を利用して、搬送用ベルト32の上面に滑らない状態にて載置される。そして、搬送用ベルト32が、搬送方向に回転することで、成型品11は、搬送用ベルト32と一緒に搬送用トレイ31内を移動する。その結果、成型品11は、成型品供給ストッカー14から搬送用トレイ31上に連続して供給されることで、数珠繋ぎ状態に縦列搬送される。
【0037】
尚、詳細は後述するが、成型品後工程加工装置21の稼働中では、搬送用ベルト32が常時搬送方向へと回転し続けるが、加工テーブル22にて成型品11に加工処理が施される間は、搬送用トレイ31内の複数の成型品11は、前方の成型品11と衝突した状態にて停止する。この停止状態時には、搬送用ベルト32は、停止状態の成型品11に対してスリップしながら回転を継続する。
【0038】
図6は、本実施形態の自動搬送供給装置10の成型品供給ストッカー14を説明する側面図である。尚、成型品供給ストッカー14の説明に際し、適宜、
図1を参照する。
【0039】
図6に示すように、成型品供給ストッカー14は、主に、複数の成型品11を収納する収納ボックス41と、収納ボックス41の出口に配設される供給トレイ42と、収納ボックス41を支持する枠体部34と、を備える。
【0040】
収納ボックス41は、箱形状であり、複数の成型品11が、横臥状態にて積層して収納される。収納ボックス41は、搬送用コンベア12側へと傾斜した状態にて枠体部34に支持される。そして、収納ボックス41の出口には、供給トレイ42が配設され、成型品11が、収納ボックス41から供給トレイ42へと1本ずつ排出される。
【0041】
また、図示したように、供給トレイ42は、搬送用コンベア12の搬送用トレイ31側へと傾斜すると共に、搬送用トレイ31の上方では略直角に折れ曲がる。そして、供給トレイ42の先頭に位置する成型品11は、搬送用トレイ31に供給された成型品11の上面に載置された状態となる。
【0042】
一方、搬送用トレイ31へと供給された成型品11は、搬送用トレイ31の中にて2本の搬送用ベルト32上にグリップされた状態にて載置される。そして、成型品11は、搬送用ベルト32が回転することで、成型品11は、搬送用ベルト32の回転速度にて搬送用トレイ31内を移動する。
【0043】
この構造により、供給トレイ42の先頭に位置する成型品11は、搬送用トレイ31内の成型品11が搬送方向へと移動することで、自重にて搬送用トレイ31内へと落下する。そして、供給トレイ42内の先頭から2番目の成型品11も落下し、搬送用トレイ31に供給された成型品11の上面に載置された状態となる。
【0044】
つまり、成型品供給ストッカー14では、搬送用コンベア12が稼働し、搬送用トレイ31上に空きスペースが形成されることで、成型品11が、供給トレイ42から搬送用トレイ31へ自動供給される。
【0045】
尚、収納ボックス41には、収納された成型品11を攪拌するための攪拌機構や収納ボックス41を揺らす振動機構等が備えられることで、収納ボックス41の出口にて成型品11が詰まり難くなる。また、収納ボックス41には、その収納幅W1(
図1参照)を可変可能な調整機構を設けることで、作業者は、取り扱う成型品11の全長に応じて収納ボックス41の収納幅W1を簡易に調整可能となる。そして、成型品11は、収納ボックス41内にて上記収納幅W1にて規制されることで整列状態となり、収納ボックス41の出口にて詰まり難くなる。
【0046】
図7Aから
図7Cは、本実施形態の自動搬送供給装置10の搬送用コンベア12の搬送用トレイ31から加工テーブル22へと成型品11が搬送される状況を説明する側面図である。尚、
図7Aから
図7Cでは、説明の都合上、搬送用トレイ31の一部及び排出トレイ24(
図3参照)を省略して図示する。
【0047】
図7Aでは、搬送用トレイ31の先頭に位置する成型品11の一部が、搬送用トレイ31から加工テーブル22へと移動した状況を示す。上述したように、先頭の成型品11の一部が、搬送用トレイ31の搬送用ベルト32上に載置された状況では、先頭の成型品11は、搬送用ベルト32を駆動源として加工テーブル22上を進行する。
【0048】
一方、図示したように、搬送用トレイ31上では、先頭に位置する成型品11の後方には、2番目の成型品11が、先頭の成型品11と連続した縦列状態にて、搬送用ベルト32を駆動源として搬送方向へと進行する。尚、3番目以降の成型品11も同様に、搬送用ベルト32を駆動源として、上記縦列状態にて搬送方向へと進行する。
【0049】
図7Bでは、搬送用トレイ31の先頭に位置する成型品11が、完全に搬送用トレイ31から加工テーブル22へと移動した状況を示す。先頭の成型品11は、完全に加工テーブル22上に移動し、搬送用ベルト32から離間することで、先頭の成型品11は、駆動源を失い加工テーブル22上にて停止する。
【0050】
一方、2番目の成型品11は、搬送用トレイ31上の先頭となり、搬送用ベルト32を駆動源として、成型品11の先頭側が、加工テーブル22へと移動する。上述したように、搬送用トレイ31上の成型品11同士は、連続した縦列状態にて進行しており、加工テーブル22上に停止した成型品11は、搬送用トレイ31から移動してきた成型品11により押されることで、加工テーブル22上を進行する。
【0051】
その後、加工処理対象である先頭の成型品11は、後続の成型品11に押されることで、加工位置まで進行する。そして、成型品11の先端部が、位置決めストッパ25と衝突することで、成型品11の進行が停止する。
【0052】
ここで、加工テーブル22では、例えば、位置決めストッパ25と並んで、検知センサ13が配設される。検知センサ13は、例えば、機械式センサであり、先端のスイッチ13Aが、位置決めストッパ25よりも加工テーブル22側へと突出する。この構造により、検知センサ13が、加工位置に停止前の成型品11と接触することで、先端のスイッチ13Aが押下され、成型品11を検知する。そして、検知センサ13は、その検知信号を制御部16(
図2参照)へと送信する。上述したように、制御部16は、検知センサ13から上記検知信号が入力されることで、演算処理を行い、加工処理機構23を起動させる。
【0053】
この制御方法により、成型品11が、加工テーブル22の加工位置に到達する前に、検知センサ13のスイッチ13Aを押下し、加工処理機構23を起動させることで、タクトタイム及びサイクルタイムを短縮し、歩留まりを向上させることが出来る。尚、検知センサ13としては、例えば、機械式センサに替えて赤外線センサを配置し、成型品11の先端部に赤外線を照射し、成型品11を検知する場合でも良い。また、検知センサ13による検知のタイミングは、成型品11が、加工位置に停止すると同時とする場合でも良い。
【0054】
図7Cでは、加工処理対象の成型品11が、加工テーブル22上の加工位置に固定された状況を示す。上述したように、加工処理対象である先頭の成型品11は、後続の成型品11に押されることで、加工位置まで進行する。そして、成型品11の先端部が、位置決めストッパ25と衝突することで、成型品11の進行が停止する。
【0055】
また、検知センサ13を介して加工処理機構23が、成型品11の停止前に起動することで、押さえローラ部23Aが待機位置から下降を開始しており、加工位置に到達した成型品11は、2本の回転ローラ22Aと押さえローラ部23Aとの間に固定される。このとき、加工処理機構23では、例えば、位置センサ(図示せず)等を用いて、成型品11のラベル26(
図3参照)の貼り付け開始位置を検知し、回転ローラ22Aを回転させることで、成型品11の固定位置を微調整することが可能である。尚、検知センサ13による検知のタイミングは、例えば、押さえローラ部23Aの移動速度や移動距離のように、成型品後工程加工装置21側の設定に応じて任意の設計変更が可能である。
【0056】
その後、
図3を用いて上述したように、ボトルラベラー機20では、ラベル26が成型品11の所望の位置に貼り付けられた後、回転ローラ22Aが逆回転することで、加工処理済みの成型品11は、排出トレイ24を介してボトルラベラー機20から排出される。その後、押さえローラ部23Aが待機位置まで上昇する。
【0057】
ここで、押さえローラ部23Aを支持する軸部には、可動アーム15も配設される。可動アーム15は、検知センサ13からの検知信号に基づき、押さえローラ部23Aと一緒に動作する。そして、可動アーム15は、板状体であり、加工テーブル22上にて連続して配置される成型品11の境界部へと向けて上下動作する。
【0058】
上述したように、成型品11のボトル形状としては、多種多様の形状のものが存在し、ボトルの底面に中心側へと窪んだ形状のものが存在する。このボトル形状では、成型品11が連続して配置されると、加工処理対象のボトルの頭部が、後続のボトルの底面の窪み部に入り込んでしまう場合がある。そして、加工処理後の成型品11が、加工テーブル22上から排出される際に、後続の成型品11に引っ掛かりスムーズに排出されない場合がある。
【0059】
そこで、図示したように、可動アーム15が、押さえローラ部23Aと一緒に下降し、後続の成型品11を先行の成型品11から離間させる。そして、可動アーム15にて、成型品11同士が離間した状態にて、回転ローラ22Aが逆回転することで、加工処理後の成型品11が、加工テーブル22上からスムーズに排出される。その後、後続の成型品11は、可動アーム15により規制が外れることで、加工テーブル22の加工位置へと移動する。尚、可動アーム15は、押さえローラ部23Aとの軸部に配設され、押さえローラ部23Aと一緒に動作する場合に限定するものではない。例えば、可動アーム15が、押さえローラ部23Aとは別体として形成され、単独にて上下動作する場合でも良い。この場合には、可動アーム15は、少なくとも加工処理対象の成型品11に加工処理が終わるまでの間に、後続の成型品11を先方の成型品11から離間させれば良い。
【0060】
尚、成型品11のボトルとして上記窪み部を有しない場合には、可動アーム15により連続するボトル同士を離間しなくても、加工処理後の成型品11が、加工テーブル22上からスムーズに排出される。そのため、自動搬送供給装置10では、可動アーム15は、必須の構造ではない。
【0061】
最後に、先頭に位置する成型品11が、加工テーブル22上の加工位置に固定され、加工処理が施されている間は、加工テーブル22上及び搬送用トレイ31上の後続の成型品11が停止する。その後、成型品後工程加工装置21にて、先頭の成型品11に対して加工処理が終わり、加工テーブル22から排出されることで、停止している後続の成型品11が、搬送用ベルト32を駆動源として、再び移動を開始する。そして、成型品11は、停止と移動を繰り返しながら、加工テーブル22の加工位置へと搬送されることで、ボトルラベラー機20の自動化が実現される。また、成型品11が、上記停止と上記移動を繰り返すことで、成型品11は、連続した縦列状態となり、上述した加工テーブル22への自動搬送が実現される。
【0062】
尚、本実施形態の自動搬送供給装置10では、成型品11が、成型品供給ストッカー14から自動的に適宜搬送用コンベア12へと供給される場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、成型品11が、粘着性の強い材料から形成され、成型品供給ストッカー14からの成型品11の安定した供給が難しい場合もある。この場合には、本実施形態の自動搬送供給装置10では、作業者が直接搬送用コンベア12上に成型品11を載置する場合でも良い。この場合には、自動搬送供給装置10は、全自動式ではなく、半自動式となるが、加工テーブル22への成型品11の供給は、上述した通り行われ、同様な効果が得られる。
【0063】
また、成型品11が搬送用コンベア12を介してボトルラベラー機20の加工テーブル22に搬送される場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、ジャー容器のように搬送用コンベア12にて搬送することが出来ない成型品11の場合には、作業者が、搬送用コンベア12を停止させ、成型品11を加工テーブル22に対して直接配設し、加工処理を施す場合でも良い。つまり、本実施形態の自動搬送供給装置10では、搬送用コンベア12にて搬送することが出来ない成型品11に対しては、搬送用コンベア12を停止させるだけで、直ぐにボトルラベラー機20を従来通りの手動機として利用することも可能となる。その結果、ボトルラベラー機20は、作業現場での作業員の判断により、簡易に自動機として、あるいは手動機として利用可能となる。
【0064】
また、成型品後工程加工装置21として、ボトルラベラー機20を用いて説明したが、この場合に限定するものではない。成型品後工程加工装置21としては、その他、レーザーマーキング機、ホットスタンプ機やパッド印刷機等の印字機や印刷機を用いることが出来る。また、成型品後工程加工装置21としては、穴あけ加工等を行う機械加工機、コロナ放電装置等の表面処理機を用いることも出来る。つまり、本実施形態の搬送用コンベア12を用いて搬送可能な成型品11であれば、自動搬送供給装置10と並べて成型品後工程加工装置21の加工テーブルを配列することで対応可能である。
【0065】
また、成型品後工程加工装置21の加工テーブル22上に加工処理対象の1本の成型品11と後続の成型品11の一部が移動する場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、加工テーブル22上に、加工処理対象の1本の成型品11の他に1本あるいは複数本の成型品11を待機させる場合でも良い。この場合においても、加工テーブル22上の成型品11は、後続の搬送用コンベア12上の成型品11により押されることで、加工テーブル22上を移動することが出来る。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
10 自動搬送供給装置
11 成型品
12 搬送用コンベア
13 検知センサ
14 成型品供給ストッカー
15 可動アーム
16 制御部
16A 記憶部
16B 入力部
20 ボトルラベラー機
21 成型品後工程加工装置
22 加工テーブル
22A 回転ローラ
23 加工処理機構
23A 押さえローラ部
23B ラベル供給機構
24 排出トレイ
25 位置決めストッパ
26 ラベル
31 搬送用トレイ
32 搬送用ベルト
33 プーリー
34 枠体部
41 収納ボックス
42 供給トレイ