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特開2024-80288情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080288
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/00 20240101AFI20240606BHJP
   B63C 11/48 20060101ALI20240606BHJP
   B63C 11/00 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
G05D1/00 A
B63C11/48 D
B63C11/00 B
B63C11/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193349
(22)【出願日】2022-12-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】松木 友明
(72)【発明者】
【氏名】藤原 光る
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA04
5H301AA05
5H301AA10
5H301BB10
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD07
5H301DD08
5H301DD17
5H301GG07
(57)【要約】
【課題】水中で運用する移動装置をより正確に操作するための情報を提供する。
【解決手段】水上を浮動する第1移動装置が排出したケーブルの長さを示す排出ケーブル長を取得するケーブル情報取得部131と、第1移動装置とケーブルを介して接続された、水中を潜航する第2移動装置の位置情報を取得する位置情報取得部132と、第2移動装置が潜航する位置における水流の方向及び速度を示す流速情報を取得する流速情報取得部133と、取得した排出ケーブル長と、位置情報と、流速情報と、に基づいて、第1移動装置が排出したケーブルの状態を推定する推定部134と、を有する情報処理装置1である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水上を浮動する第1移動装置が排出したケーブルの長さを示す排出ケーブル長を取得するケーブル情報取得部と、
前記第1移動装置と前記ケーブルを介して接続された、水中を潜航する第2移動装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記第2移動装置が潜航する位置における水流の方向及び速度を示す流速情報を取得する流速情報取得部と、
取得した前記排出ケーブル長と、前記位置情報と、前記流速情報と、に基づいて、前記第1移動装置が排出した前記ケーブルの状態を推定する推定部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記推定部が推定した前記ケーブルの状態を表示する画面を表示させる表示制御部をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
表示制御部をさらに有し、
前記推定部は、前記ケーブルの全長と、前記排出ケーブル長と、推定した前記ケーブルの状態と、に基づいて前記第2移動装置がさらに潜行可能な距離を推定し、
前記表示制御部は、推定した潜行可能な距離を表示させるよう制御する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
海中の地形若しくは海中の構造物の位置及び形状の情報を示す地形情報を記憶する記憶部をさらに有し、
前記推定部は、前記地形情報にさらに基づいて前記第2移動装置がさらに潜行可能な距離を推定する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記排出ケーブル長と、前記位置情報が示す前記第2移動装置と前記第1移動装置との距離と、が所定の関係にある場合、前記ケーブルが流されていることを通知する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ケーブルを巻き取る操作を示す巻取操作情報を、前記第1移動装置及び前記第2移動装置を操作するための情報端末から受信する操作受付部をさらに有し、
前記巻取操作情報を受付けると、前記排出ケーブル長と、前記位置情報が示す前記第2移動装置と前記第1移動装置との距離と、が所定の関係になるまで前記ケーブルを巻き取るよう前記第1移動装置を制御する装置制御部をさらに有する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ケーブル情報取得部は、前記ケーブルにかかる張力を示す張力情報を、前記第1移動装置からさらに取得し、
前記装置制御部は、前記巻取操作情報を受付けた場合であって、前記張力情報が前記ケーブルにかかる張力が閾値を超えた場合に前記ケーブルの巻き取りを停止させるよう前記第1移動装置を制御する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
潮流の方向及び速度を示す海洋情報を取得する海洋情報取得部と、
前記第1移動装置が着水する予定地点の位置を示す予定位置情報と、前記第2移動装置が潜航する予定地点の位置を示す潜行地点情報を受付ける予定情報取得部と、
をさらに有し、
前記推定部は、前記海洋情報と、前記予定位置情報と、前記潜行地点情報と、に基づいて前記ケーブルの状態を推定する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
潮流の方向及び速度を示す海洋情報を取得する海洋情報取得部と、
前記第2移動装置が潜航する予定地点と、前記第1移動装置が着水する予定領域と、を取得する取得部と、
表示制御部と、
をさらに有し、
前記推定部は、前記海洋情報と、前記予定地点と、前記予定領域と、に基づいて、前記予定領域の中から着水地点を特定し、
前記表示制御部は、前記推定部が特定した着水地点を表示させるよう制御する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する、
水上を浮動する第1移動装置が排出したケーブルの長さを示す排出ケーブル長を取得するステップと、
前記第1移動装置とケーブルを介して接続された、水中を潜航する第2移動装置の位置情報を取得するステップと、
前記第2移動装置が測定した、前記第2移動装置が潜航する位置における水流の方向及び速度を示す流速情報を取得するステップと、
取得した前記排出ケーブル長と、前記位置情報と、前記流速情報と、に基づいて、前記第1移動装置が排出したケーブルの状態を推定するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
水上を浮動する第1移動装置が排出したケーブルの長さを示す排出ケーブル長を取得するステップと、
前記第1移動装置とケーブルを介して接続された、水中を潜航する第2移動装置の位置情報を取得するステップと、
前記第2移動装置が測定した、前記第2移動装置が潜航する位置における水流の方向及び速度を示す流速情報を取得するステップと、
取得した前記排出ケーブル長と、前記位置情報と、前記流速情報と、に基づいて、前記第1移動装置が排出したケーブルの状態を推定するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
水中ロボットを水上のロボットから接続されるケーブルを介して遠隔から制御するためのシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-174214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術においては、水中で動作するドローンなどの移動装置を接続するためのケーブルを海上から繰り出すオペレータを要する。従来技術においては、オペレータが経験と勘に基づいてケーブルの状態を把握し、ケーブルを操作する必要があり、移動装置の操作が不正確になる場合が生じうるという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、水中で運用する移動装置をより正確に操作するための情報を推定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置においては、水上を浮動する第1移動装置が排出したケーブルの長さを示す排出ケーブル長を取得するケーブル情報取得部と、前記第1移動装置と前記ケーブルを介して接続された、水中を潜航する第2移動装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記第2移動装置が潜航する位置における水流の方向及び速度を示す流速情報を取得する流速情報取得部と、取得した前記排出ケーブル長と、前記位置情報と、前記流速情報と、に基づいて、前記第1移動装置が排出した前記ケーブルの状態を推定する推定部と、を有する。
【0007】
前記推定部が推定した前記ケーブルの状態を表示する画面を表示させる表示制御部をさらに有してもよい。
【0008】
表示制御部をさらに有し、前記推定部は、前記ケーブルの全長と、前記排出ケーブル長と、推定した前記ケーブルの状態と、に基づいて前記第2移動装置がさらに潜行可能な距離を推定し、前記表示制御部は、推定した潜行可能な距離を表示させるよう制御してもよい。
【0009】
海中の地形若しくは海中の構造物の位置及び形状の情報を示す地形情報を記憶する記憶部をさらに有し、前記推定部は、前記地形情報にさらに基づいて前記第2移動装置がさらに潜行可能な距離を推定してもよい。
【0010】
前記表示制御部は、前記排出ケーブル長と、前記位置情報が示す前記第2移動装置と前記第1移動装置との距離と、が所定の関係にある場合、前記ケーブルが流されていることを通知してもよい。
【0011】
前記ケーブルを巻き取る操作を示す巻取操作情報を、前記第1移動装置及び前記第2移動装置を操作するための情報端末から受信する操作受付部をさらに有し、前記巻取操作情報を受付けると、前記排出ケーブル長と、前記位置情報が示す前記第2移動装置と前記第1移動装置との距離と、が所定の関係になるまで前記ケーブルを巻き取るよう前記第1移動装置を制御する装置制御部をさらに有してもよい。
【0012】
前記ケーブル情報取得部は、前記ケーブルにかかる張力を示す張力情報を、前記第1移動装置からさらに取得し、前記装置制御部は、前記巻取操作情報を受付けた場合であって、前記張力情報が前記ケーブルにかかる張力が閾値を超えた場合に前記ケーブルの巻き取りを停止させるよう前記第1移動装置を制御してもよい。
【0013】
潮流の方向及び速度を示す海洋情報を取得する海洋情報取得部と、前記第1移動装置が着水する予定地点の位置を示す予定位置情報と、前記第2移動装置が潜航する予定地点の位置を示す潜行地点情報を受付ける予定情報取得部と、をさらに有し、前記推定部は、前記海洋情報と、前記予定位置情報と、前記潜行地点情報と、に基づいて前記ケーブルの状態を推定してもよい。
【0014】
潮流の方向及び速度を示す海洋情報を取得する海洋情報取得部と、前記第2移動装置が潜航する予定地点と、前記第1移動装置が着水する予定領域と、を取得する取得部と、表示制御部と、をさらに有し、前記推定部は、前記海洋情報と、前記予定地点と、前記予定領域と、に基づいて、前記予定領域の中から着水地点を特定し、前記表示制御部は、前記推定部が特定した着水地点を表示させるよう制御してもよい。
【0015】
本発明の第2の態様の情報処理方法においては、コンピュータが実行する、水上を浮動する第1移動装置が排出したケーブルの長さを示す排出ケーブル長を取得するステップと、前記第1移動装置とケーブルを介して接続された、水中を潜航する第2移動装置の位置情報を取得するステップと、前記第2移動装置が測定した、前記第2移動装置が潜航する位置における水流の方向及び速度を示す流速情報を取得するステップと、取得した前記排出ケーブル長と、前記位置情報と、前記流速情報と、に基づいて、前記第1移動装置が排出したケーブルの状態を推定するステップと、を有する。
【0016】
本発明の第3の態様のプログラムにおいては、コンピュータに、水上を浮動する第1移動装置が排出したケーブルの長さを示す排出ケーブル長を取得するステップと、前記第1移動装置とケーブルを介して接続された、水中を潜航する第2移動装置の位置情報を取得するステップと、前記第2移動装置が測定した、前記第2移動装置が潜航する位置における水流の方向及び速度を示す流速情報を取得するステップと、取得した前記排出ケーブル長と、前記位置情報と、前記流速情報と、に基づいて、前記第1移動装置が排出したケーブルの状態を推定するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、水中で運用する移動装置をより正確に操作するための情報を推定するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明する図である。
図2】情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
図3】表示制御部135が表示する画面の一例を示す図である。
図4】表示制御部135が表示する画面の一例を示す図である。
図5】表示制御部135が表示する画面の一例を示す図である。
図6】表示制御部135が表示する画面の一例を示す図である。
図7】表示制御部135が表示する画面の一例を示す図である。
図8】情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[情報処理システムSの概要]
図1は、実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明する図である。情報処理システムSは移動装置により水中を点検又は探査するためのシステムである。情報処理システムSは、情報処理装置1、第1移動装置2及び第2移動装置3を有する。情報処理装置1及び第1移動装置2はネットワークを介して通信可能に接続されている。第1移動装置2及び第2移動装置3は、情報を授受するためのケーブルCを介して接続されている。
【0020】
情報処理装置1は、第1移動装置2及び第2移動装置3を操作するための装置である。情報処理装置1は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等である。情報処理装置1は、第1移動装置2及び第2移動装置3から取得した情報に基づいて、第1移動装置2及び第2移動装置3を接続するケーブルCの状態を推定する。
【0021】
第1移動装置2は、第2移動装置3を運搬し、情報処理装置1及び第2移動装置3との間で情報を授受する装置である。第1移動装置2は、一例として、飛行可能なドローンである。第1移動装置2は、第2移動装置3を収容するための収容部を有し、第2移動装置3を収容した状態で飛行して移動する。第1移動装置2は、水上に着水し、着水した地点に止まるよう浮動する。
【0022】
第1移動装置2は、情報処理装置1から制御信号を受信し、受信した制御信号に基づいて動作する。第1移動装置2は、第2移動装置3を制御するための制御信号を受信し、ケーブルCを介して第2移動装置3へ受信した制御信号を中継する。第1移動装置2は、音波測量により、第1移動装置2と第2移動装置3との距離を測定し、測定結果に基づいて第2移動装置3の位置を特定する。第1移動装置2は、ケーブルCを排出又は巻き取るためのウインチを有し、排出しているケーブルの長さ(排出ケーブル長と言う)を検出し、情報処理装置1に送信する。
【0023】
第2移動装置3は、水中を潜行して探査するための装置である。第2移動装置3は、一例として、水中ドローンである。第2移動装置3は、ケーブルCを介して第1移動装置2から操作信号を受信し、受信した操作信号に基づいて制御される。第2移動装置3は、カメラや種々のセンサを有しており、水中で測定した情報又は撮影した画像を、ケーブルCを介して第1移動装置2に送信する。
【0024】
情報処理装置1は、第2移動装置3が測定した流速情報と、第2移動装置3の位置と、排出ケーブル長と、に基づいて、水中におけるケーブルCの状態を物理演算し、推定する。流速情報は、水中の第2移動装置3が測定した位置における水流の方向及び速さを示す情報である。情報処理装置1は、複数の位置で測定した流速情報に基づいてケーブルCの状態を推定してもよい。情報処理装置1は、推定したケーブルCの状態を表示する。
【0025】
情報処理システムSがこのように構成されることにより、水中で運用する移動装置をより正確に操作するための情報を推定することができる。
【0026】
なお、情報処理装置1の機能は、情報処理装置1と情報端末(不図示)とに分割して構成されてもよい。この場合、情報処理装置1は、取得した情報に基づいてケーブルの状態を推定し、推定した情報を情報端末が有する表示部に表示させるよう制御する。この場合の情報処理装置1は例えばサーバであり、情報端末はスマートフォン、タブレット、又はパーソナルコンピュータである。なお、情報処理装置1と情報端末とはネットワークを介して接続されている。
【0027】
[情報処理装置1の構成]
図2は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、通信部11、記憶部12、制御部13、入力部14及び表示部15を有する。制御部13は、ケーブル情報取得部131、位置情報取得部132、流速情報取得部133、推定部134、表示制御部135、操作受付部136、装置制御部137、海洋情報取得部138及び予定情報取得部139を有する。
【0028】
通信部11は、ネットワークを介して他の装置とデータの送受信をするための通信インターフェースである。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部12は、ケーブルCの全長、外径、重量、浮力又は剛性等を記憶していてもよい。
【0029】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、ケーブル情報取得部131、位置情報取得部132、流速情報取得部133、推定部134、表示制御部135、操作受付部136、装置制御部137、海洋情報取得部138及び予定情報取得部139として機能する。
入力部14はユーザからの操作を受付けるための入力デバイスであり、例えば、タッチスクリーン、キーボード又はマウス等である。表示部15は、表示制御部135から出力された信号に基づいて画面を表示する。表示部15は例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等である。
【0030】
ケーブル情報取得部131は、水上を浮動する第1移動装置2が排出したケーブルCの長さを示す排出ケーブル長を取得する。ケーブル情報取得部131は、第1移動装置2から排出ケーブル長を取得する。
【0031】
位置情報取得部132は、第1移動装置2及び第2移動装置3の位置情報を取得する。具体的には、位置情報取得部132は、第1移動装置2から第2移動装置3の位置情報を取得する。第1移動装置2の位置情報は、第1移動装置2が測位した緯度及び経度を示す情報であり、第2移動装置3の位置情報は、第1移動装置2と第2移動装置3との3次元における相対的な位置関係を示す情報である。
【0032】
流速情報取得部133は、第2移動装置3が潜航する位置における水流の方向及び速度を示す流速情報を取得する。一例として第2移動装置3は、定期的に流速情報を検出し、第1移動装置2に送信し、第1移動装置2は、取得した流速情報を情報処理装置1に送信し、流速情報取得部133は、これを取得する。流速情報取得部133は、取得した流速情報と、流速情報を取得した時点における第2移動装置3の位置情報とを関連付ける。
【0033】
一例として、第2移動装置3は、ドップラー式対地速度計を有しており、同じ位置で第2移動装置3がホバリングするための速度及び向きに基づいて流速情報を生成し、情報処理装置1に送信してもよい。また、第2移動装置3は、定期的に第1移動装置2から第1移動装置2と第2移動装置3との相対位置に関する情報を取得し、取得した相対位置に関する情報に基づいて同じ位置で第2移動装置3がホバリングするための速度及び向きに基づいて流速情報を生成してもよい。また、第2移動装置3は、第2移動装置3が有する流速計が計測した流速の速さ及び方向に基づいて流速情報を生成してもよい。
【0034】
また、流速情報取得部133は、流速情報取得後所定の時間が経過した流速情報を補正してもよい。一例として、流速情報取得部133は、海洋情報取得部138が定期的に取得する海洋情報が示す潮流の方向及び速度の変化量に基づいて流速情報の補正値を算出し、推定部134は、補正値を加算した流速情報に基づいてケーブルの状態を推定してもよい。
【0035】
また、第1移動装置2に搭載された流速検出手段(不図示)が測定した水中の流速を流速情報として取得してもよい。流速検出手段は一例として、ADCP(Acoustic Doppler Current Profiler)である。
【0036】
推定部134は、取得した排出ケーブル長と、位置情報と、流速情報と、に基づいて、第1移動装置2が排出したケーブルCの状態を推定する。具体的には、推定部134は、記憶部12が記憶するケーブルの外径、重量、浮力又は剛性等を参照し、排出ケーブル長と、位置情報と、流速情報とに基づいて既知の物理演算処理によりケーブルの状態をシミュレーションすることにより、水流の影響によるケーブルCの位置、曲げ及び運動等の状態を推定する。より具体的には、推定部134は、流速情報取得部133が取得したそれぞれの位置における流速情報、取得した位置情報が示す第2移動装置3の航跡、ケーブルCの外径、重量、浮力又は剛性等に基づいてケーブルの状態をシミュレーションする。なお、推定部134は、第2移動装置3がケーブルを引っ張ることによって生じる張力にさらに基づいてケーブルの状態をシミュレーションしてもよい。
【0037】
なお、第2移動装置のスクリューが水流に与える影響をさらに考慮してケーブルの状態をシミュレーションするよう推定部134が構成されてもよい。この場合、情報処理装置1は、第2移動装置の向きと、速度又は原動機の回転量と、を取得し、取得した第2移動装置の向きと、速度又は原動機の回転量と、から第2移動装置が排出する水流の方向及び速度を算出し、算出した第2移動装置が排出する水流の方向及び速度にさらに基づいてケーブルの状態をシミュレーションしてもよい。
【0038】
[ケーブル状態の表示]
推定部134が推定したケーブルCの状態を表示できるよう構成されてもよい。表示制御部135は、推定部134が推定したケーブルCの状態を表示する画面を表示させる。図3は、表示制御部135が表示させる画面の一例を示す図である。図3に示す画面においては、第1移動装置2を示すオブジェクトO01、第2移動装置3を示すオブジェクトO02、探査の目標地点を示すオブジェクトO03及びケーブルCの状態を示すオブジェクトO04が表示されている。
【0039】
表示制御部135は、一例として、第1移動装置2から取得した第1移動装置2の位置情報に基づいて、オブジェクトO01を描画する位置を決定する。表示制御部135は、第1移動装置2から取得した第2移動装置3の位置情報に基づいて、オブジェクトO02を描画する位置を決定する。表示制御部135は、設定された目標地点の位置情報に基づいてオブジェクトO03を描画する位置を決定する。表示制御部135は、推定部134が推定したケーブルCの状態に基づいてオブジェクトO04を描画する。
【0040】
なお、表示制御部135は、海中の地形や構造物を示す情報にケーブルCの状態を重畳して表示するよう構成されてもよい。この場合、記憶部12は、海中の地形若しくは海中の構造物の位置及び形状の情報を示す地形情報を記憶する。地形情報は、一例として水中の地形や構造物を測定した点群データである。表示制御部135は、記憶部12が記憶する地形情報を参照し、海中の地形や構造物を示す情報に各オブジェクト(O01、O02、O03及びO04)を重畳して表示する。
【0041】
情報処理装置1がこのように構成されることで、第1移動装置2及び第2移動装置3を操作するユーザに対して、水中におけるケーブルCの状態を視覚的に理解しやすい情報を提供することができる。
【0042】
潜行可能な距離や潜行可否を把握できる情報をさらに表示するよう情報処理装置1が構成されると、ユーザは作業の目的を達成できるか否かの判断が容易になる。
【0043】
推定部134は、ケーブルCの全長と、排出ケーブル長と、推定したケーブルCの状態と、に基づいて第2移動装置3がさらに潜行可能な距離を推定する。推定部134は、記憶部12を参照し、ケーブルCの全長を取得する。一例として、推定部134は、取得したケーブルCの全長と、ケーブル情報取得部131が取得した排出ケーブル長と、に基づいて第1移動装置2がさらに排出可能なケーブル長を算定する。推定部134は、推定したケーブルCの状態と、流速情報取得部133が取得した流速情報と、算出した排出可能なケーブル長と、に基づいてケーブルCを全て排出した場合に第2移動装置3が到達可能な位置を算出する。
【0044】
一例として、推定部134は、鉛直下方向へ移動した場合のケーブルCの状態を物理演算した場合に到達可能な位置を算出し、現在の水深と算出した到達可能な位置の水深との差を潜行可能な距離として算出してもよい。推定部134は、さらに所定の方向へ潜行可能な距離を算出してもよい。所定の方向は、例えば、第2移動装置3の正面方向、正面に対して鉛直下方へ45°の方向、正面左側方向等である。
【0045】
表示制御部135は、推定した潜行可能な距離を表示させるよう制御する。図4は、表示制御部135が表示する画面の一例を示す図である。図4に示す画面においては、潜行可能な距離を示すオブジェクト(O11、O12及びO13)が表示されている。オブジェクトO11~O13は推定部134が推定したそれぞれの方向へ潜行可能な距離を示している。
【0046】
情報処理装置1がこのように構成されることで、ユーザは到達可能な距離を把握することができ、作業の目的を達成できるか否かの判断が容易になる。
【0047】
また、推定部134が海中の地形や構造物の情報に基づいて潜行可能な距離を算出するよう構成されることにより、第2移動装置3を操作するユーザは、より信頼性の高い情報に基づいて操作することができる。
【0048】
推定部134は、地形情報にさらに基づいて第2移動装置3がさらに潜行可能な距離を推定する。推定部134は、記憶部12を参照し地形情報を取得する。推定部134は、ケーブルCの一部又は第2移動装置3が海中の地形や構造物と接触せずに到達することができる距離を算出する。一例として推定部134は、ケーブルCの排出長をパラメータとして、それぞれの排出長において所定の方向に第2移動装置3を移動させた場合のケーブルCの状態をシミュレーションし、ケーブルCの最も地形と近接する位置と、地形情報が示す地形等の位置と、の距離が所定の閾値以上となる最大の排出長を特定し、特定した最大の排出長における第2移動装置3の位置に基づいて潜行可能な距離を算出する。
【0049】
情報処理装置1がこのように構成されることで、海中の情報を考慮して推定された、より信頼性の高い情報をユーザに提供することができ、ユーザは作業を継続すべきか否かの判断が可能となる。
【0050】
また、第2移動装置3の性能に基づいてさらに深い位置へと潜行可能か否かを推定部134が判定するよう構成されてもよい。この場合、記憶部12は、第2移動装置3の性能情報を記憶する。性能情報は、第2移動装置3の最大潜行深度、最大潜行流速値を示す情報である。推定部134は、一例として第2移動装置3の位置情報が示す水深が最大潜行深度を超えている場合、流速情報取得部133が取得した流速情報が示す水流の速さが最大潜行流速値を超えている場合にさらに深い位置へ潜行することができないことを判定する。そして、表示制御部135は、推定部134がさらに深い位置へ潜行することができないことを判定した場合、さらに深い位置へ潜行することができないことを通知する。推定部134は、第2移動装置3のバッテリー容量を取得し、バッテリー容量が所定の閾値以下である場合にさらに深い位置へ潜行することができないことを判定してもよい。
【0051】
情報処理装置1がこのように構成されることで、簡易な処理により、ユーザが作業の目的を達成できるか否かの判断を行うための情報を提供することができる。
【0052】
[ケーブルの制御]
第1移動装置2及び第2移動装置3の距離に対して排出ケーブル長が長すぎると、第2移動装置3の移動に支障が生じたりケーブルCに故障が生じたりする場合がある。そこで、このような場合に第2移動装置3を操作するユーザに通知するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0053】
表示制御部135は、排出ケーブル長と、位置情報が示す第2移動装置3と第1移動装置2との距離と、が所定の関係にある場合、ケーブルCが流されていることを通知してもよい。一例として、表示制御部135は、第1移動装置2及び第2移動装置3の位置情報に基づいて第2移動装置3と第1移動装置2との距離を算出する。そして、表示制御部135は、排出ケーブル長を分子とし、算出した第2移動装置3と第1移動装置2との距離を分母として算出した比が第1の閾値以下であるか否かを判定する。表示制御部135は、算出した比が第1の閾値以上である場合に、ケーブルCが流されていることを通知する。第1の閾値は、余剰に排出されたケーブルが第2移動装置3の潜行に与える影響に基づいて設定される。
【0054】
図5は推定部134が算出した比が第1の閾値以上である場合に、表示制御部135が表示する画面の一例を示す図である。図5においては、ケーブルCが流されていることを通知するオブジェクトO21が表示されている。なお、上記の判定処理において、表示制御部135は、第1移動装置2と第2移動装置3との距離に代えて、第2移動装置3の水深を用いて判定処理をしてもよい。また、上記の判定処理においては、算出した第2移動装置3と第1移動装置2との距離を分子とし、排出ケーブル長を分母としてもよい。この場合、表示制御部135は、算出した比が所定の閾値以下であるか否かを判定する。
【0055】
ケーブルCが流されている場合にはケーブルCを巻き取る指示をすることができるよう情報処理装置1が構成されてもよい。操作受付部136は、ケーブルCを巻き取る操作を示す巻取操作情報を受け付ける。図5においては、ケーブルCを巻き取る操作を支持するための「巻取」と表示されたボタンO22が表示されている。ユーザが情報処理装置1を操作し、ボタンO22を押すと、操作受付部136は、ケーブルCの巻き取りを指示する操作を示す巻取操作情報を受け付ける。
【0056】
装置制御部137は、巻取操作情報を受け付けると、ケーブルCの巻取りをするよう第1移動装置2を制御する。そして、装置制御部137は、巻取操作情報を受付けると、排出ケーブル長と、位置情報が示す第2移動装置3と第1移動装置2との距離と、が所定の関係になるまでケーブルCを巻き取るよう第1移動装置2を制御する。所定の関係は、排出ケーブル長を分子とし、位置情報が示す第2移動装置3と第1移動装置2との距離を分母として算出した比が第2の閾値以下であることである。第2の閾値は、ケーブルが水流によって受ける力が第2移動装置3に与える影響に基づいて決定される値であり、第1の閾値より小さく設定される。位置情報が示す第2移動装置3と第1移動装置2との距離と、の比が、第2の閾値以下になった場合、装置制御部137は、巻取りを停止するよう第1移動装置2を制御する。
【0057】
なお、上記の判定処理において、表示制御部135は、第1移動装置2と第2移動装置3との距離に代えて、第2移動装置3の水深を用いて判定処理をしてもよい。また、上記の判定処理においては、算出した第2移動装置3と第1移動装置2との距離を分子とし、排出ケーブル長を分母としてもよい。この場合、表示制御部135は、算出した比が所定の閾値以上であるか否かを判定する。
【0058】
ケーブルを巻き取る際、ケーブルCにかかる張力が大きくなりすぎた場合には、ケーブルCが断裂したり故障したりすることが想定される。そこで、ケーブルCにかかる張力が大きくなりすぎないようにケーブルCの巻取りを制御するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0059】
ケーブル情報取得部131は、ケーブルCにかかる張力を示す張力情報を、第1移動装置2からさらに取得する。第1移動装置2には、ケーブルCにかかる張力を検出するためのセンサを有し、センサが検出した張力を示す張力情報を生成する。第1移動装置2は生成した張力情報を定期的に情報処理装置1に送信し、ケーブル情報取得部131はこれを取得する。
【0060】
装置制御部137は、巻取操作情報を受付けた場合であって、張力情報がケーブルCにかかる張力が第3の閾値を超えた場合にケーブルCの巻き取りを停止させるよう第1移動装置2を制御する。第3の閾値は、ケーブルCに許容される張力値や、第1移動装置2が着水地点において止まることができる張力の最大値に基づいて設定される。
【0061】
[海洋情報からの予測]
水中の探査を実施する前に、事前に収集可能な情報に基づいてケーブルの状態を予測するよう情報処理装置1が構成されると、ユーザが作業計画を立てやすくなり、ユーザの利便性が向上する。
【0062】
海洋情報取得部138は、潮流の方向及び速度を示す海洋情報を取得する。海洋情報においては、複数の地点の位置情報(例えば緯度、経度)と、複数の地点それぞれにおける潮流の方向及び速度と、が関連付けられている。
【0063】
予定情報取得部139は、第1移動装置2が着水する予定地点の位置を示す予定位置情報と、第2移動装置3が潜航する予定地点の位置を示す潜行地点情報を受付ける。一例として、第1移動装置2が着水する予定地点の位置は、緯度と経度で表され、第2移動装置3が潜航する予定地点の位置は、緯度、経度及び水深で表される。一例として、表示制御部135は、第1移動装置2が着水する予定地点の位置と、第2移動装置3が潜航する予定地点の位置と、をユーザが入力するための画面を表示させる。予定情報取得部139は、表示された画面においてユーザが入力した第1移動装置2が着水する予定地点の位置と、第2移動装置3が潜航する予定地点の位置と、を受け付ける。
【0064】
推定部134は、海洋情報と、予定位置情報と、潜行地点情報と、に基づいてケーブルCの状態を推定する。一例として、推定部134は、予定位置情報が示す位置からケーブルを排出し、潜行地点情報が示す位置まで第2移動装置3を潜行させた場合に海洋情報が示す流速がケーブルに与える影響を物理演算し、ケーブルの状態を推定する。推定部134は、深さ方向の水流の方向及び流速が一定であるものとして推定してもよい。そして、表示制御部135は、推定部134が推定したケーブルの状態を表示させる。
【0065】
情報処理装置1がこのように構成されることで、事前に収集可能な情報に基づいてケーブルの状態を予測した情報を表示することで、ユーザによる作業地点の検討作業を容易にするための情報を提供することができる。
【0066】
作業予定の領域に基づいて好適な着水地点を予測するよう情報処理装置1が構成されてもよい。具体的には、予定情報取得部139は、第2移動装置3が潜航する予定地点と、第1移動装置2が着水する予定領域と、を取得する。予定領域は、第1移動装置2を着水させる予定である領域の範囲を示す情報である。
【0067】
推定部134は、海洋情報と、予定地点と、予定領域と、に基づいて、予定領域の中から着水地点を特定する。推定部134は、一例として、予定領域から選択した複数の地点と、取得した海洋情報と予定地点とに基づいて、予定領域から選択した複数の地点それぞれから予定地点へ第2移動装置3を潜行させた場合のケーブルの状態を推定する。そして、推定部134は、予定領域に含まれる複数の地点のうち、予定地点に第2移動装置3を潜行させた場合の排出ケーブル長が最も短くなる地点を着水地点として特定する。
【0068】
表示制御部135は、推定部134が特定した着水地点を表示させる。図6は表示制御部135が着水地点を表示する画面の一例を示す図である。図6に示す画面においては、地図上に推定部134が特定した着水地点が重畳して表示されている(O41)。なお、特定した着水地点とともにケーブルの予測ルートを表示するよう情報処理装置1が構成されてもよい。この場合の画面の一例を図7に示す。図7においては、予定地点を示すオブジェクトO31と、推定部134が特定した着水地点を示すオブジェクトO32と、ケーブルの予測ルートを示すオブジェクトO33が表示されている。着水地点を示すオブジェクトO32においては、一例として、特定した着水地点の座標が表示される。オブジェクトO33は、特定した着水地点から予定地点へ向けて第2移動装置3潜行させた場合に推定部134が予測するケーブルの位置に基づいて描画されている。
【0069】
情報処理装置1がこのように構成されることで、好適な着水地点を示す情報を表示することができ、ユーザによる作業地点の検討作業を容易にするための情報を提供することができる。
【0070】
[情報処理装置1における処理の流れ]
図8は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。図8に示すフローチャートは、ケーブルの状態を推定する指示を受付けた時点から開始している。
【0071】
ケーブル情報取得部131は、排出ケーブル長を第1移動装置2から取得する(S01)。流速情報取得部133は、流速情報を第1移動装置2から取得する(S02)。位置情報取得部132は、第2移動装置3の位置情報を第1移動装置2から取得する(S03)。
【0072】
推定部134は、取得した排出ケーブル長、流速情報及び位置情報に基づいてケーブルCの状態を推定する(S04)。表示制御部135は、推定部134が推定したケーブルCの状態を表示させる(S05)。
【0073】
表示制御部135は終了条件を満たすか否かを判定する(S06)。終了条件は例えば表示を終了する操作がされることである。終了条件を満たさない場合(S06におけるNO)、S01に戻る。終了条件を満たす場合(S06におけるYES)、情報処理装置1は、処理を終了する。
【0074】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように情報処理装置1においては、水中で運用する移動装置をより正確に操作するための情報を推定することができる。
【0075】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0076】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0077】
1 情報処理装置
2 第1移動装置
3 第2移動装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
14 入力部
15 表示部
131 ケーブル情報取得部
132 位置情報取得部
133 流速情報取得部
134 推定部
135 表示制御部
136 操作受付部
137 装置制御部
138 海洋情報取得部
139 予定情報取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-05-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水上を浮動する第1移動装置が排出したケーブルの長さを示す排出ケーブル長を取得するケーブル情報取得部と、
前記第1移動装置と前記ケーブルを介して接続された、水中を潜航する第2移動装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記第2移動装置が潜航する位置における水流の方向及び速度を示す流速情報を取得する流速情報取得部と、
取得した前記排出ケーブル長と、前記位置情報と、前記流速情報と、に基づいて特定された、前記第1移動装置が排出した前記ケーブルの状態を表示する画面を表示させる表示制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
記ケーブルの全長と、前記排出ケーブル長と、特定された前記ケーブルの状態と、に基づいて前記第2移動装置がさらに潜行可能な距離を特定する特定部をさらに有し、
前記表示制御部は、特定した潜行可能な距離を表示させるよう制御する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
海中の地形若しくは海中の構造物の位置及び形状の情報を示す地形情報を記憶する記憶部をさらに有し、
前記特定部は、前記地形情報にさらに基づいて前記第2移動装置がさらに潜行可能な距離を特定する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記排出ケーブル長と、前記位置情報が示す前記第2移動装置と前記第1移動装置との距離と、が所定の関係にある場合、前記ケーブルが流されていることを通知する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ケーブルを巻き取る操作を示す巻取操作情報を、前記第1移動装置及び前記第2移動装置を操作するための情報端末から受信する操作受付部をさらに有し、
前記巻取操作情報を受付けると、前記排出ケーブル長と、前記位置情報が示す前記第2移動装置と前記第1移動装置との距離と、が所定の関係になるまで前記ケーブルを巻き取るよう前記第1移動装置を制御する装置制御部をさらに有する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ケーブル情報取得部は、前記ケーブルにかかる張力を示す張力情報を、前記第1移動装置からさらに取得し、
前記装置制御部は、前記巻取操作情報を受付けた場合であって、前記張力情報が前記ケーブルにかかる張力が閾値を超えた場合に前記ケーブルの巻き取りを停止させるよう前記第1移動装置を制御する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
潮流の方向及び速度を示す海洋情報を取得する海洋情報取得部と、
前記第1移動装置が着水する予定地点の位置を示す予定位置情報と、前記第2移動装置が潜航する予定地点の位置を示す潜行地点情報を受付ける予定情報取得部と、
前記海洋情報と、前記予定位置情報と、前記潜行地点情報と、に基づいて前記ケーブルの状態を特定する特定部と、
をさらに有する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
潮流の方向及び速度を示す海洋情報を取得する海洋情報取得部と、
前記第2移動装置が潜航する予定地点と、前記第1移動装置が着水する予定領域と、を取得する取得部と、
前記海洋情報と、前記予定地点と、前記予定領域と、に基づいて、前記予定領域の中から着水地点を特定する特定部と、
をさらに有し、
前記表示制御部は、前記特定部が特定した着水地点を表示させるよう制御する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記ケーブルの状態を図示する画面を表示させる、
請求項1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記ケーブルの状態を示すテキストを表示させる、
請求項1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記ケーブルの状態として、前記ケーブルの水中における位置を示す画面を表示させる、
請求項1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータが実行する、
水上を浮動する第1移動装置が排出したケーブルの長さを示す排出ケーブル長を取得するステップと、
前記第1移動装置とケーブルを介して接続された、水中を潜航する第2移動装置の位置情報を取得するステップと、
前記第2移動装置が測定した、前記第2移動装置が潜航する位置における水流の方向及び速度を示す流速情報を取得するステップと、
取得した前記排出ケーブル長と、前記位置情報と、前記流速情報と、に基づいて特定された、前記第1移動装置が排出した前記ケーブルの状態を表示する画面を表示させるステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
水上を浮動する第1移動装置が排出したケーブルの長さを示す排出ケーブル長を取得するステップと、
前記第1移動装置とケーブルを介して接続された、水中を潜航する第2移動装置の位置情報を取得するステップと、
前記第2移動装置が測定した、前記第2移動装置が潜航する位置における水流の方向及び速度を示す流速情報を取得するステップと、
取得した前記排出ケーブル長と、前記位置情報と、前記流速情報と、に基づいて特定された、前記第1移動装置が排出した前記ケーブルの状態を表示する画面を表示させるステップと、
を実行させるプログラム。