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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080299
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】止水板収納構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/34 20060101AFI20240606BHJP
   E06B 5/00 20060101ALI20240606BHJP
   E06B 7/28 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
E06B7/34
E06B5/00 Z
E06B7/28 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193378
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】水原 一也
(72)【発明者】
【氏名】矢澤 昇
【テーマコード(参考)】
2E239
【Fターム(参考)】
2E239AC04
(57)【要約】
【課題】 止水板の収納性および搬出性を向上する。
【解決手段】 建具1または建具1の周辺部分に、止水板30を収納するための止水板収納部40が設けられ、止水板収納部40は、横幅方向を上下に向けた止水板30を内在する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建具または建具の周辺部分に、止水板を収納するための止水板収納部が設けられ、前記止水板収納部は、横幅方向を上下に向けた止水板を内在するように形成されていることを特徴とする止水板収納構造。
【請求項2】
前記建具は、開閉動作可能な戸体を備え、
前記止水板収納部は、前記戸体に設けられていることを特徴とする請求項1記載の止水板収納構造。
【請求項3】
前記止水板収納部は、上下方向へわたる長尺状に形成されることを特徴とする請求項1記載の止水板収納構造。
【請求項4】
前記止水板は、前記止水板収納部内に脱着可能に設けられることを特徴とする請求項1記載の止水板収納構造。
【請求項5】
前記止水板は、前記止水板収納部内に磁気吸着されることを特徴とする請求項4記載の止水板収納構造。
【請求項6】
前記止水板は、前記止水板収納部内に掛止されることを特徴とする請求項4記載の止水板収納構造。
【請求項7】
前記止水板収納部は、上下方向へわたる凹状ケースを有することを特徴とする請求項1記載の止水板収納構造。
【請求項8】
前記止水板収納部は、建具または建具の周辺部分に対しマグネットにより磁気吸着され、前記止水板は、同マグネットによって前記止水板収納部内に磁気吸着されることを特徴とする請求項1記載の止水板収納構造。
【請求項9】
前記止水板の横幅方向の端部側が、上方へ向けられた際に手掛け可能に形成されていることを特徴とする請求項1~8何れか1項記載の止水板収納構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、止水板を収納するための止水板収納構造、およびこの止水板収納構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
台風や集中豪雨などによる増水が、開き戸により開閉される開口部に侵入すると、浸水による甚大な被害を及ぼすおそれがある。そこで、このような事態が想定される場合に、前記開口部の下端側のドア枠間に止水板を嵌め込み、この止水板により水の浸入を阻むようにした従来技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-218794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術によれば、通常時は、止水板を倉庫等の離れた場所に保管しておき、災害時のこの止水板を運び出す必要があり、止水板の収納作業や搬出作業に手間取る可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明の一つは、以下の構成を具備するものである。
建具または建具の周辺部分に、止水板を収納するための止水板収納部が設けられ、前記止水板収納部は、横幅方向を上下に向けた止水板を内在するように形成されていることを特徴とする止水板収納構造。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、止水板の収納性および搬出性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る止水板収納構造の一例を備えた建具を屋内側から視た図であり、止水板を枠体の下端側に嵌め合わせた状態を示す。
図2】同建具の斜視図であり、(a)は止水板収納部を閉鎖した状態を示し、(b)は止水板収納部と止水板を分離した状態を示す。
図3】止水板の一例を示し、(a)は正面図、(b)は左側面図である。
図4】同建具の要部横断面図であり、開口した枠体に止水板を装着する前の状態を示す。
図5】同建具の要部横断面図であり、開口した枠体に止水板を装着して戸体を閉鎖した状態を示す。
図6】同建具の要部縦断面図である。
図7】本発明に係る止水板収納構造の他例を示す斜視図であり、(a)は止水板収納部を閉鎖した状態を示し、(b)は止水板収納部と止水板を分離した状態を示す。
図8】本発明に係る止水板収納構造の他例を示す斜視図である。
図9】本発明に係る止水板収納構造の他例を示す斜視図である。
図10】本発明に係る止水板収納構造の他例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明に係る実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、止水板収納構造Aを備えた建具1を、止水板30によって止水した状態を示している。
建具1は、建物等の躯体開口部に固定された矩形状の枠体10と、この枠体10内の開口を開き戸状に開閉する戸体20とを備え、戸体20には止水板収納構造Aが構成される、
【0009】
枠体10は、左右に間隔を置いた縦枠11,12と、これら縦枠11,12を上端側で連結する上枠13と、縦枠11,12を下端側で連結する下枠14とを備え、中央を開口した矩形枠状に構成される。
この枠体10の戸当り面には、閉鎖された際の戸体20に圧接するように、弾性材料からなる気密材15(図4及び図6等参照)が設けられる。
【0010】
戸体20は、厚さ方向に間隔を置いた2枚の外装板21と、これら外装板21を内側から支持する骨材及び芯材等(図示せず)とを具備して、枠体10内の開口を閉鎖可能な矩形板状に構成される。
この戸体20は、戸尻側部分がヒンジ22(図4参照)によって縦枠12に支持され、このヒンジを支点にして開閉回動する。
【0011】
戸体20における屋内側の面には、止水板収納構造Aが設けられる。
この止水板収納構造Aは、戸体20の戸尻寄りに止水板収納部40を設けている。
【0012】
止水板収納部40は、横幅方向を上下に向けた止水板30を内在するように、上下方向へわたる長尺な箱状に構成される(図2(b)参照)。
詳細に説明すれば、この止水板収納部40は、上下方向にわたって長尺状に凹む凹状ケース41と、この凹状ケース41を開閉する蓋部42とを備え、外装板21の表面側に埋め込まれている。
【0013】
凹状ケース41は、左右の側面、上下面、底面41a等を有する凹状に形成され、手前側(図示例によれば屋内側)を開口している。この開口は、外装板21の表面と略面一である。
この凹状ケース41は、外装板21に形成された矩形状に孔に挿入されて、戸体20内の骨材(図示せず)に対し不動に固定される。この固定手段は、例えば溶接やねじ止め、リベット止め等とすればよい。
【0014】
底面41aには、止水板30を着脱可能に磁気吸着するマグネット43(永久磁石)が、接着等により固定されている。このマグネット43は、図示例によれば、底面41aの上端側と下端側に位置する。
【0015】
蓋部42は、横方向の一端側が、凹状ケース41の開口縁に対しヒンジ等を介して回転自在に支持される。この蓋部42は、凹状ケース41の開口を閉鎖した際に、図示しない係止部材等に係止されてその閉鎖状態を保持する。
【0016】
上記構成の止水板収納部40は、戸体20の下端からの高さ寸法Hが、止水板収納部40の高さ寸法hよりも大きくなるように配置される。
【0017】
止水板30は、本体部31と、この本体部31の左右両側に設けられた手掛部32と、本体部31の左右端側及び下端側を覆う水密材33とを一体的に具備している(図3参照)。
【0018】
本体部31は、磁性金属材料からなる板材を、適宜に曲げ加工等することで形成される。詳細に説明すれば、この本体部31は、横長矩形平板状の板部31aと、この板部31aの左右両端側を折り曲げて屋外側へ突出させた側曲片部31b,31bと、同板部31aの下端側を折り曲げて屋外側へ突出させた下曲片部31cとを一体に有する。
【0019】
各側曲片部31bは、縦枠11(又は12)に対し、上下方向にわたって略平行に近接するように形成される。
この側曲片部31bは、止水板30の横幅方向の端部側が、上方へ向けられた際に(図2参照)、手掛け可能なように、板部31aの側端部から、屋外側へ適宜寸法突出している。
【0020】
下曲片部31cは、下枠14(図6参照)に対し、略水平な方向にわたって略平行に近接するとともに、閉鎖される戸体20によって押圧されるように形成される。
詳細に説明すれば、この下曲片部31cは、図6に示すように、縦断面において屋外側へ向かう先端寄り部分が、クランク状に曲げられており、このクランク状部分の下向きの面が、閉鎖される戸体20を受ける受け面31c1として機能する。
【0021】
手掛部32は、樹脂成型等により手掛け可能な凹状に形成された部品であり、板部31aの左右両側に嵌め合わせられている。
【0022】
水密材33は、ゴムやエラストマー樹脂等の弾性材料からなり、本体部31に対し接着等により接合されている。
この水密材33は、本体部31の両側の側曲片部31b,31bを横断面略L字状に覆う左右の側方水密部33a,33a(図4参照)と、本体部31の下曲片部31cを縦断面略L字状に覆う下方水密部33b(図6参照)とを、正面視凹状に配設している(図3参照)。
【0023】
次に、止水板収納構造Aについて、その特徴的な作用効果を詳細に説明する。
屋外側の増水等を生じていない通常時には、止水板30は、止水板収納部40内に収納される。
詳細に説明すれば、止水板30は、横幅方向の一端部を上方へ向けられ、その上端側に位置する側曲片部31b及び側方水密部33aに手が掛けられることで、鉛直状に保持され、この鉛直状態のまま、蓋部42を開けた止水板収納部40の内部に挿入される。
【0024】
そして、前記鉛直状態の止水板30は、磁性材である本体部31が、上下のマグネット43,43に磁気吸着される。
この後、蓋部42が閉鎖され、戸体20の表面が略平坦状になる。
【0025】
屋外側の増水等のために、止水板30を取り出す際は、先ず蓋部42が開放され、止水板30の上端側(側曲片部31b及び側方水密部33a)に手が掛けられて、止水板30が上下のマグネット43,43から外される。
【0026】
そして、止水板30は、両側の手掛部32,32に両手が掛けられるようにして水平状に持ち変えられ、枠体10の下端側に嵌め合わせられる。
すると、止水板30は、左右の側方水密部33a,33aと、下方水密部33bとを、それぞれ、縦枠11,12と下枠14に対し、水密に圧接して収縮させる。
【0027】
この後。戸体20が閉鎖されると、止水板30は、下曲片部31cが戸体20と下枠14の気密材15に挟まれて、不動に固定される(図6参照)。
【0028】
このように、上記構成の止水板収納構造Aによれば、止水板30がその横幅方向の一端側を上方へ向けて止水板収納部40に収納されるため、この止水板30を搬出したり収納したりする際に、止水板30の前記一端側(側曲片部31b及び側方水密部33a等)を片手で持つようにして作業を行うことができ、その作業性が良好である。しかも、戸体20における意匠上の体裁も良好である。
【0029】
<第2の実施形態>
次に、本発明にかかる他の実施形態について説明する。
以下に示す実施形態は、上述した止水板収納構造Aを一部変更したものであるため、主にその変更部分について詳述し、同様の部分には同一の符号を付けて重複する説明を省略する。
【0030】
図7に示す止水板収納構造Bは、既設の建具1’に対し、上記構成の止水板収納部40を装着したものである。
【0031】
建具1’は、上記建具1の外装板21を、外装板21’に置換し、この外装板21’の表面に止水板収納部40を設けている。
【0032】
外装板21’は、上記外装板21から、止水板収納部40を挿入するための開口を省いた形状を呈し、磁性金属板(例えば鉄板等)により平坦な板状に構成される。
【0033】
止水板収納構造Bにおいて、止水板収納部40は、外装板21’の表面における戸尻側部分に対し、マグネット43によって吸着される。
すなわち、凹状ケース41は、底面41aに装着されたマグネット43の磁力により、裏面側の外装板21’表面に吸着する。
【0034】
そして、止水板30は、凹状ケース41内において、マグネット43の表面に磁気吸着され保持される。
止水板30を取り出して枠体10に装着する手順等は、止水板収納構造Aの場合と同様である。
【0035】
よって、図7に示す止水板収納構造Bによれば、既存の建具1’に対し、止水板収納部40を容易に設置することができる。
【0036】
<第3の実施形態>
図8に示す止水板収納構造Cは、建具1’の周辺の壁部2に、止水板収納部40を設置したものである。
【0037】
壁部2には、凹状ケース41を挿入可能な
矩形状の開口が設けられる。止水板収納部40は、前記開口に凹状ケース41を挿入して、壁部2裏側の骨材等に固定される。この固定手段は、ねじ止めや、リベット止め、溶接、マグネット吸着等とすることが可能である。
【0038】
止水板30を止水板収納部40内に装着したり止水板収納部40から取り出したりする手順等については、止水板収納構造A、Bの場合と同様である。
【0039】
よって、図8に示す止水板収納構造Cによれば、建具1’の近くに止水板収納部40があり、止水板30の収納性及び搬出性等が良好である。
【0040】
<第3の実施形態>
図9に示す止水板収納構造Dは、上記止水板収納構造Aにおいて、前記止水板収納部内に掛止部44を追加するとともに、止水板30に被掛止部34を追加したものである。
【0041】
掛止部44は、底面41aから突出する掛止具であり、図示例によれば、突端側が上方へ曲げられた略L字状に形成される。この掛止部44は、止水板収納部40内において、上側のマグネット43よりも上方に設けられる。
【0042】
被係止部34は、掛止部44に掛止可能な形態であればよい。図示例の被掛止部34は、止水板30の本体部31に設けられた貫通孔である。
【0043】
上記構成の止水板収納構造Cによれば、止水板30が、マグネット43と掛止部44の双方によって脱着可能且つ直立状に保持される。
このため、着脱の際に止水板30がマグネット43から外れたとしても、止水板30の直立状態を、掛止部44の掛止により保持することができる。
すなわち、縦長の止水板30は、万が一倒れた場合には、その際のモーメントが比較的大きく、地面に強く打ち付けられて変形や破損等する可能性がある。しかしながら、上記構成の止水板収納構造Cによれば、このようなことを防ぐことができる。
【0044】
なお、図示例以外の他例としては、上記止水板収納構造Cから上下のマグネット43,43を省くことも可能である。
【0045】
<第4の実施形態>
図10に示す止水板収納構造Eは、上記止水板収納構造Aにおいて、上下のマグネット43,43を、下側係脱部45及び上側係脱部46に置換したものである。
【0046】
下側係脱部45は、止水板30の下端側を脱着可能に嵌め合わせるように構成される。この下側係脱部45は、図示例によれば、突端側を上方へ向けたL字アングル状の部材により構成され、その内側に、止水板30の下端部を嵌脱可能に嵌め合わせる。
【0047】
上側係脱部46は、底面41aから略水平に突出する突片46bの突端側に、下向き片46aを支持した略L字アングル状に構成される。下向き片46aは、所定以上のトルクにより屋内側へ回動するように構成される。
この上側係脱部46は、例えば、トルクヒンジやバネ蝶番等を用いて構成することが可能である。
【0048】
上記構成の上側係脱部46は、下向き片46aの内側に、止水板30の上端部を嵌め合わせる。止水板30は、上側係脱部46により直立状に保持される。
止水板30を取り外す場合には、止水板30の上端側を屋内側へ強く引っ張って、下向き片46aを屋内側へ回動させればよい。
【0049】
なお、上記止水板収納構造Eにおいて、上側係脱部46を単なるL字状アングルとし、下側係脱部45と上側係脱部46によって所謂ケンドン式の嵌脱機構を構成してもよい。
【0050】
<その他の変形例>
上記実施形態によれば、凹状ケース41を溶接等により戸体20内の骨材に固定したが、他例としては、凹状ケース41を、底面41aに設けられたマグネット43の磁気吸引力によって戸体20内の骨材に固定することも可能である。この場合、骨材を磁性材料から形成する。
【0051】
また、上記止水板収納構造C(図8参照)によれば、壁部2に開口を設け、この開口に止水板収納部40を挿入し固定したが、他例としては、開口を有さない壁面に、止水板収納部40を固定することも可能である。この場合、止水板収納部40の裏面を、ねじ止めや、リベット止め、溶接、接着、磁気吸着等の適宜な固定手段により、壁部2の表面に固定すればよい。
【0052】
また、上記止水板収納構造Cによれば、止水板収納部40を建具1’周辺の壁部2に設置したが、他例としては、止水板収納部40を、建具1’周辺の下駄箱(シューズボックス)や、凹状部分、段状部分、その他の部位等に対し同様にして設置することが可能である。
【0053】
上記実施形態によれば、止水板30を直立状に保持する手段として、マグネット43や、掛止部44、下側係脱部45及び上側係脱部46等を用いたが、他例としては、止水板収納部40と止水板30のうち、その一方に吸盤を設け、この吸盤を他方に吸着させるようにしてもよい。
さらに、他例としては、止水板収納部40と止水板30のうち、その一方に締結部材(例えば、ボルトやネジ等、雄ネジを有する部材)を設け、この締結部材を他方に設けた被締結部材(例えば、雌ネジ状部材)に対し着脱可能に締結するようにしてもよい。
【0054】
また、上記実施形態によれば、好ましい態様として、止水板30を止水板収納部40内に脱着可能に設けたが、他例としては、止水板30を止水板収納部40内に、単に載置した構成とすることも可能である。
【0055】
また、上記実施形態によれば、止水板30の側曲片部31b及び側方水密部33aが手掛けされるようにしたが、他例しては、止水板30横幅方向の端部側が上方へ向けられた際に、手掛部32が手掛けされる態様や、手掛部32以外の手掛部が手掛けされる態様等とすることが可能である。
【0056】
また、上記実施形態によれば、止水板収納部40を建具に対し屋内側に配置したが、他例としては、止水板収納部40を建具に対し屋外側に配置することも可能である。
【0057】
また、上記実施形態によれば、開き戸として構成される建具に上記止水板収納を構成したが、引き戸や折戸、バランスドア、間仕切り等として構成される建具に上記止水板収納構造を構成することも可能である。
【0058】
また、本発明は上述した具体的構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0059】
<総括>
以上のとおり、上記実施形態では以下の発明を開示している。
(1)
建具または建具の周辺部分に、止水板を収納するための止水板収納部が設けられ、前記止水板収納部は、横幅方向を上下に向けた止水板を内在するように形成されていることを特徴とする止水板収納構造(図1図8参照)。
(2)
前記建具は、開閉動作可能な戸体を備え、前記止水板収納部は、前記戸体に設けられていることを特徴とする(1)に記載の止水板収納構造(図1及び図2参照)。
(3)
前記止水板収納部は、上下方向へわたる長尺状に形成されることを特徴とする(1)または(2)に記載の止水板収納構造(図1図2図7及び図8参照)。
(4)
前記止水板は、前記止水板収納部内に脱着可能に設けられることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の止水板収納構造(図2図7図8図9及び図10参照)。
(5)
前記止水板は、前記止水板収納部内に磁気吸着されることを特徴とする(4)記載の止水板収納構造(図2図7及び図8参照)。
(6)
前記止水板は、前記止水板収納部内に掛止されることを特徴とする(4)または(5)に記載の止水板収納構造。
(7)
前記止水板収納部は、上下方向へわたる凹状ケースを有することを特徴とする(1)~(5)いずれかに記載の止水板収納構造(図2図7及び図8参照)。
(8)
前記止水板収納部は、建具または建具の周辺部分に対しマグネットにより磁気吸着され、前記止水板は、同マグネットによって前記止水板収納部内に磁気吸着されることを特徴とする(1)~(7)のいずれかに記載の止水板収納構造(図7参照)。
(9)
前記止水板の横幅方向の端部側が、上方へ向けられた際に手掛け可能に形成されていることを特徴とする(1)~(8)いずれかに記載の止水板収納構造(図2図7及び図8参照)。
【符号の説明】
【0060】
1,1’:建具
10:枠体
20:戸体
21:外装板
30:止水板
40:止水板収納部
41:凹状ケース
42:蓋部
43:マグネット
A,B,C,D,E:止水板収納構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10