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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080308
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】自走式ロボット装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G21C 17/013 20060101AFI20240606BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
G21C17/013
B25J5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193390
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】中島 悟
(72)【発明者】
【氏名】荻野 翔矢
【テーマコード(参考)】
2G075
3C707
【Fターム(参考)】
2G075AA20
2G075BA20
2G075CA50
2G075DA20
2G075FA12
2G075FB07
3C707CS08
3C707CY12
3C707HS27
3C707JU12
3C707KS10
3C707KT01
3C707KT04
3C707WA16
(57)【要約】
【課題】最前線で作業する自走式ロボット装置の状態を、中継用の自走式ロボット装置に対して円滑に伝達する。
【解決手段】自走式ロボット装置は、測定装置と、制御装置と、バッテリとが配置される台座部と、前記台座部の下面かつ対角線上の位置に少なくとも4つ配置され、前記対角線に沿った回転軸によってオムニホイールを駆動する駆動部と、前記制御装置によって制御され、他ロボットから撮像できる位置に、自ロボットの動作状態を表示する表示部と、前記制御装置によって制御され、他ロボットの前記表示部を撮像可能な撮像部と、を備え、前記制御装置は、前記撮像部によって撮像した他ロボットの前記表示部の画像に基づく情報を出力する出力部を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定装置と、制御装置と、バッテリとが配置される台座部と、
前記台座部の下面かつ対角線上の位置に少なくとも4つ配置され、前記対角線に沿った回転軸によってオムニホイールを駆動する駆動部と、
前記制御装置によって制御され、他ロボットから撮像できる位置に、自ロボットの動作状態を表示する表示部と、
前記制御装置によって制御され、他ロボットの前記表示部を撮像可能な撮像部と、
を備え、
前記制御装置は、前記撮像部によって撮像した他ロボットの前記表示部の画像に基づく情報を出力する出力部を備える
を備える自走式ロボット装置。
【請求項2】
前記出力部は、
前記撮像部が撮像した他ロボットの前記表示部の画像を示す画像情報を出力する
請求項1に記載の自走式ロボット装置。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記撮像部が撮像した他ロボットの前記表示部の画像を処理することにより、表示された前記画像が示す内容を解釈する画像処理部
をさらに備え、
前記出力部は、
前記画像処理部が解釈した結果を、他ロボットの前記表示部の画像に基づく情報として出力する
請求項1に記載の自走式ロボット装置。
【請求項4】
測定装置と、制御装置と、バッテリとが配置される台座部と、前記台座部の下面かつ対角線上の位置に少なくとも4つ配置され、前記対角線に沿った回転軸によってオムニホイールを駆動する駆動部と、前記制御装置によって制御され、他ロボットから撮像できる位置に、自ロボットの動作状態を表示する表示部と、前記制御装置によって制御され、他ロボットの前記表示部を撮像可能な撮像部と、を備える自走式ロボット装置のコンピュータに、
前記撮像部によって他ロボットの前記表示部を撮像することと、
撮像した前記表示部の画像に基づく情報を生成することと、
生成した前記情報に基づく動作を行うことと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自走式ロボット装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原子力発電所等の高線量区域において、作業員に代わって作業を行う自走式ロボット装置がある。特に、原子力発電所において事故が発生した際、放射性物質に汚染された環境で作業員に代わって撮影又は物理量の計測等の作業をする自走式ロボット装置が求められる。
【0003】
放射性物質汚染環境で作業する自走式ロボット装置として、特許文献1に記載のある遠隔制御作業車がある(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-211343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような自走式ロボット装置は、例えば、放射性物質に汚染された原子力発電所の建屋の通路内など、作業員が無線通信で操作する場所から相当に離れた場所での作業を行うことも求められる。このように作業員が操作する場所から離れた場所での作業を行う場合には、無線通信の電波強度が低下して操作できなくなることを防ぐため、最前線で作業する自走式ロボット装置に加えて、操作のための無線通信を中継するための自走式ロボット装置が配置されることが望ましい。
これらの自走式ロボット装置は、最前線で作業する自走式ロボット装置と、無線通信を中継するための自走式ロボット装置とが通信を行い、最前線の状況をリレー形式で作業員に順次伝達することがある。
しかしながら、従来技術においては、高線量下では、放射線の影響によって無線通信が困難な場合が多く、最前線で作業する自走式ロボット装置の状況を無線通信で伝えることができない場合がある、という問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、高線量で無線通信が困難な状況においても、最前線で作業する自走式ロボット装置の状態を、中継用の自走式ロボット装置に対して円滑に伝達することができる自走式ロボット装置およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、測定装置と、制御装置と、バッテリとが配置される台座部と、前記台座部の下面かつ対角線上の位置に少なくとも4つ配置され、前記対角線に沿った回転軸によってオムニホイールを駆動する駆動部と、前記制御装置によって制御され、他ロボットから撮像できる位置に、自ロボットの動作状態を表示する表示部と、前記制御装置によって制御され、他ロボットの前記表示部を撮像可能な撮像部と、を備え、前記制御装置は、前記撮像部によって撮像した他ロボットの前記表示部の画像に基づく情報を出力する出力部を備える自走式ロボット装置である。
【0008】
また、本発明の一実施形態は、上述の自走式ロボット装置において、前記出力部は、前記撮像部が撮像した他ロボットの前記表示部の画像を示す画像情報を出力する。
【0009】
また、本発明の一実施形態は、上述の自走式ロボット装置において、前記制御装置は、前記撮像部が撮像した他ロボットの前記表示部の画像を処理することにより、表示された前記画像が示す内容を解釈する画像処理部をさらに備え、前記出力部は、前記画像処理部が解釈した結果を、他ロボットの前記表示部の画像に基づく情報として出力する。
【0010】
また、本発明の一実施形態は、測定装置と、制御装置と、バッテリとが配置される台座部と、前記台座部の下面かつ対角線上の位置に少なくとも4つ配置され、前記対角線に沿った回転軸によってオムニホイールを駆動する駆動部と、前記制御装置によって制御され、他ロボットから撮像できる位置に、自ロボットの動作状態を表示する表示部と、前記制御装置によって制御され、他ロボットの前記表示部を撮像可能な撮像部と、を備える自走式ロボット装置のコンピュータに、前記撮像部によって他ロボットの前記表示部を撮像することと、撮像した前記表示部の画像に基づく情報を生成することと、生成した前記情報に基づく動作を行うことと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、最前線で作業する自走式ロボット装置の状態を、中継用の自走式ロボット装置に対して円滑に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態の自走式ロボット装置の斜視図である。
図2】自走式ロボット装置の分解斜視図である。
図3】本実施形態の自走式ロボットシステムの一例を示す図である。
図4】本実施形態の制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図5】本実施形態の通信設定情報の一例を示す図である。
図6】本実施形態の表示部に表示される情報の一例を示す図である。
図7】本実施形態の表示部に表示される情報の他の一例を示す図である。
図8】本実施形態の制御装置の動作の流れの一例を示す図である。
図9】本実施形態の制御装置の動作の流れの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[自走式ロボット装置100の構成]
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の自走式ロボット装置100の斜視図である。
図2は、自走式ロボット装置100の分解斜視図である。
自走式ロボット装置100は、台座部10と、接続機構10aと、測定装置20と、制御装置30と、メインバッテリ40と、モータ用バッテリ50と、下部構造体60と、表示部90と、撮像部80とを備える。以下の説明において、メインバッテリ40と、モータ用バッテリ50とを総称して、単にバッテリともいう。
【0014】
本実施形態では、図1に示すように、自走式ロボット装置100における鉛直方向を「上下方向V」、鉛直上向きを上下方向Vにおける「上方UP」、鉛直下向きを上下方向Vにおける「下方LO」と定義する。また、上下方向Vと垂直な方向、かつ、自走式ロボット装置100が主に走行する方向を「前後方向D」、測定装置20が配置された向きを前後方向Dにおける「前方FR」、反対向きを前後方向Dにおける「後方RR」と定義する。また、上下方向Vおよび前後方向Dと垂直な方向を「水平方向H」、自走式ロボット装置100を正面(前方FR)から見たときの左向きを水平方向Hにおける「左方LT」、反対向きを水平方向Hにおける「右方RT」と定義する。
【0015】
台座部10は、上方UPから見たときに円形状をした平板である。台座部10として、例えば、樹脂で形成された平板、木材の平板、アルミニウム又はステンレス等の金属系の平板、それらを組み合わせた複合材の平板等を採用できる。台座部10は、表面に付着した汚染物質を容易に除去できるアクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂等によって形成されるのが望ましい。また、台座部10の上面10tの形状は円形状に限定されず、八角形等の多角形でもよい。
【0016】
測定装置20は、台座部10の上面10tに設けられている。また、測定装置20は、台座部10の前方FRの外縁近傍に配置されている。測定装置20は、周囲の情報を検出可能であり、例えば、USB(Universal Serial Bus)カメラ、3次元レーザスキャナ又は線量計等の計測装置(計測ユニット)である。測定装置20として、複数の計測装置を組み合わせて配置してもよい。自走式ロボット装置100は、測定装置20によって周囲の動画像情報、点群情報又は線量等を検出することができる。
【0017】
測定装置20は、接続機構10aを介して台座部10に着脱可能に接続されている。図2に示すように、本実施形態において、接続機構10aは、三角形の平板状をしており、三角形の各頂点に厚さ方向(上下方向V)に貫通した貫通孔を有する。接続機構10aは、樹脂又は金属等の任意の材質で形成されている。
【0018】
制御装置30は、台座部10の上面10tに設けられている。また、制御装置30は、台座部10の後方RRの外縁近傍に配置されている。制御装置30は、測定装置20に接続されており、測定装置20の動作を制御可能である。
【0019】
制御装置30は、接続部材を介さないスナップフィット等の構造により台座部10へ接続されるのが望ましい。スナップフィット等の接続部材を介さない着脱構造を用いることで、制御装置30を台座部10から取り外す際に工具を使用する必要が無いため、自走式ロボット装置100に付着した汚染物質が工具へ付着する虞が無い。
【0020】
メインバッテリ40は、台座部10の上面10tに設けられている。また、メインバッテリ40は、台座部10の右方RTの外縁近傍に配置されている。メインバッテリ40は、測定装置20および制御装置30と接続されており、測定装置20および制御装置30へ給電する電源装置である。メインバッテリ40は、制御装置30によって制御されてもよく、例えば、メインバッテリ40は、制御装置30からの指令により、測定装置20への給電を行う。
メインバッテリ40は、台座部10に着脱可能に接続されている。メインバッテリ40を台座部10に着脱可能に接続することで、メインバッテリ40が汚染物質によって汚染された際、メインバッテリ40のみを台座部10から取り外して効率的に汚染物質を除去できる。
【0021】
モータ用バッテリ50は、台座部10の上面10tに設けられている。また、モータ用バッテリ50は、台座部10の左方RTの外縁近傍に配置されている。モータ用バッテリ50は、後述する駆動部61と接続されており、駆動部61へ給電する電源装置である。モータ用バッテリ50は、制御装置30によって制御されてもよく、例えば、モータ用バッテリ50は、制御装置30からの指令により、駆動部61への給電を行う。
また、モータ用バッテリ50は、台座部10に着脱可能に接続されている。モータ用バッテリ50を台座部10に着脱可能に接続することで、モータ用バッテリ50が汚染物質によって汚染された際、モータ用バッテリ50のみを台座部10から取り外して効率的に汚染物質を除去できる。
【0022】
すなわち、台座部10には、測定装置20と、制御装置30と、バッテリ(メインバッテリ40、モータ用バッテリ50)とが配置される。
【0023】
また、制御装置30、メインバッテリ40およびモータ用バッテリ50は、測定装置20が有する共通接続インターフェース20aを有してもよい。制御装置30、メインバッテリ40およびモータ用バッテリ50が測定装置20と同様に共通接続インターフェース20aを有することで、測定装置20、制御装置30、メインバッテリ40およびモータ用バッテリ50と、台座部10とを共通の接続方法で接続できる。その結果、台座部10の上面10tにおいて、測定装置20、制御装置30、メインバッテリ40およびモータ用バッテリ50の位置を入れ替えて配置することができる。
【0024】
表示部90は、液晶ディスプレイなどを備えており、制御装置30によって制御され、他の自走式ロボット装置100(以下の説明において、他ロボットとも記載する。)が備える撮像部80によって撮像できる位置に、自己の自走式ロボット装置100(以下の説明において、自ロボットとも記載する。)の動作状態を表示する。表示部90を備えることで、使用者は、自走式ロボット装置100の稼働状況や故障情報等を容易に確認することができ、複数の自走式ロボット装置100を使用する場合は、機体情報を表示装置に表示することで容易に機体を区別できる。
また、制御装置30は、タッチパネルディスプレイ等の入力機能を有する表示装置を備えていてもよい。入力機能を有する表示装置を備えることで、使用者は、自走式ロボット装置100の外部から通信部31を介して制御装置30へ指令を送信しなくても、制御装置30へ指令を直接入力することができる。
【0025】
撮像部80は、動画カメラなどを備えており、制御装置30によって制御される。撮像部80は、他の自走式ロボット装置100(他ロボット)が備える表示部90を撮像可能である。
【0026】
下部構造体60は、台座部10の下面10bに設けられ、台座部10に対して着脱可能に接続されている。例えば、下部構造体60が有する貫通孔と、台座部10が有する貫通孔とを六角穴付きボルト等の接続部材で締結して接続されている。下部構造体60を台座部10に着脱可能に接続することで、下部構造体60が汚染物質によって汚染された際、下部構造体60のみを台座部10から取り外して効率的に汚染物質を除去できる。特に、放射性物質汚染環境で走行する自走式ロボット装置100において、床面(地面)に近い位置に配置されている下部構造体60は汚染物質が付着しやすい。そのため、台座部10に対して、下部構造体60を着脱可能に接続することで、自走式ロボット装置100における汚染物質の除去をより効率的に行うことができる。
【0027】
下部構造体60は、駆動部61と、車輪部62と、リブ部63とを備える。駆動部61は、回転軸Rを有するモータ61aと、モータ固定部61bとを備える。
【0028】
モータ61a(不図示)は、公知の電動モータである。モータ61aは、制御装置30およびモータ用バッテリ50に接続されている。モータ61aは、モータ用バッテリ50によって給電され、制御装置30によって動作を制御される。
【0029】
モータ固定部61b(不図示)は、開口を回転軸R方向に向けた略U字形状の平板である。モータ固定部61bにおいて、略U字形状の開口側にモータ61aが接続部材を介して着脱可能に接続されている。また、モータ固定部61bの上側UPの面は、台座部10と接続部材を介して着脱可能に接続されている。すなわち、駆動部61は、台座部10と着脱可能に接続されている。
【0030】
駆動部61において、モータ61aおよびモータ固定部61bは、自走式ロボット装置100から独立して取り外すことができるため、モータ61a又はモータ固定部61bが汚染物質によって汚染された際、汚染された部品のみを取り外して効率的に汚染物質を除去できる。
【0031】
車輪部62は、駆動部61のモータ61aに着脱可能に接続され、モータ61aが有する回転軸Rを回転中心として回転可能である。本実施形態において、下部構造体60は、1つの駆動部61と、1つの車輪部62とを1組として、4組の駆動部61および車輪部62を有する。
【0032】
駆動部61における回転軸Rは、互いに交差する第一回転軸R1と、第二回転軸R2とを有する。また、下部構造体60は、台座部10を挟んで第一回転軸R1の両端に接続された一対の駆動部61および車輪部62と、台座部10を挟んで第二回転軸R2の両端に接続された一対の駆動部61および車輪部62とを有する。
【0033】
車輪部62は、接地面62sを有した公知のオムニホイールである。自走式ロボット装置100において、制御装置30およびモータ用バッテリ50と接続された駆動部61のモータ61aが、制御装置30によって制御されて駆動する。モータ61aが駆動すると、モータ61aが有する回転軸Rを回転中心として、車輪部62が回転する。車輪部62は接地面62sを有するため、車輪部62がモータ61aによって回転されると、車輪部62の回転によって自走式ロボット装置100が床面(地面)に対して移動する。
【0034】
すなわち、駆動部61は、台座部10の下面かつ対角線上の位置に少なくとも4つ配置され、対角線に沿った回転軸によってオムニホイールを駆動する。
【0035】
また、車輪部62は、第一回転軸R1および第二回転軸R2の両端に接続された4つのオムニホイールである。モータ61aを制御装置30によって制御し、オムニホイール(車輪部62)を任意の回転方向および回転速度等で回転させることで、自走式ロボット装置100は、任意の方向へ回転および移動することができる。そのため、自走式ロボット装置100は、原子力発電所内等の狭い空間でも走行して作業できる。
【0036】
また、車輪部62は、モータ61aと着脱可能に接続されているため、車輪部62が汚染物質によって汚染された際、車輪部62のみを取り外して効率的に汚染物質を除去できる。
【0037】
[自走式ロボット装置100の制御]
次に、自走式ロボット装置100の制御について説明する。
【0038】
図3は、本実施形態の自走式ロボットシステム1の一例を示す図である。
本実施形態において、自走式ロボットシステム1は、複数の自走式ロボット装置100と、通信装置200とによって構成される。同図に示す一例では、自走式ロボットシステム1は、自走式ロボット装置100-1と、自走式ロボット装置100-2との2台の自走式ロボット装置100を含む。
【0039】
通信装置200は、自走式ロボット装置100との間で無線通信(以下、単に通信ともいう。)を行う。通信装置200は、自走式ロボット装置100から情報を取得する情報取得装置として構成されていてもよく、自走式ロボット装置100を操縦する指示装置として構成されていてもよく、それら両方を兼ね備えた装置であってもよい。通信装置200は、外部装置の一例である。
【0040】
同図に示す一例において、エリア2-1からエリア2-4は、例えば、原子力発電所の建屋の通路である。自走式ロボット装置100-1は、エリア2-1からエリア2-4を含む原子力発電所の建屋内を移動する。この一例では、自走式ロボット装置100-1は、エリア2-3からエリア2-4に移動中であり、自走式ロボット装置100-2は、エリア2-3にあり、通信装置200は、エリア2-1にある。
この一例において、自走式ロボット装置100は、測定装置20が測定した結果を保存し、あるいは、通信装置200に向けて送信する。
【0041】
本実施形態の自走式ロボットシステム1においては、複数の自走式ロボット装置100のうち、通信装置200から距離(あるいは道のり。以下の説明において同じ。)が近い自走式ロボット装置100が、通信装置200から距離が遠い自走式ロボット装置100と、通信装置200との間の通信を中継する。
複数の自走式ロボット装置100のうち、通信装置200から距離が遠い自走式ロボット装置100を先行機とも称し、通信装置200から距離が近い自走式ロボット装置100を中継機とも称する。
同図に示す一例の場合、自走式ロボット装置100-1が先行機であり、自走式ロボット装置100-2が中継機である。
【0042】
一例として、通信装置200が情報取得装置である場合、先行機である自走式ロボット装置100-1が取得した情報は、中継機である自走式ロボット装置100-2を介して、通信装置200に伝達される。
なお、この場合において、自走式ロボット装置100-1が取得した情報には、中継機である自走式ロボット装置100-2に対する情報と、通信装置200に対する情報とが含まれていてもよい。この場合、中継機である自走式ロボット装置100-2に対する情報は、自走式ロボット装置100-1から自走式ロボット装置100-2に対して直接的に(すなわち中継されずに)伝達される。通信装置200に対する情報は、自走式ロボット装置100-2が中継することにより、自走式ロボット装置100-1から通信装置200に対して間接的に(すなわち中継されて)伝達される。
【0043】
また、他の一例として、通信装置200が指示装置である場合、通信装置200からの指示情報は、中継機である自走式ロボット装置100-2を介して、先行機である自走式ロボット装置100-1に伝達される。
なお、この場合において、通信装置200からの指示情報には、中継機である自走式ロボット装置100-2に対する情報と、先行機である自走式ロボット装置100-1に対する情報とが含まれていてもよい。この場合、中継機である自走式ロボット装置100-2に対する情報は、通信装置200から自走式ロボット装置100-2に対して直接的に(すなわち中継されずに)伝達される。先行機である自走式ロボット装置100-1に対する情報は、自走式ロボット装置100-2が中継することにより、通信装置200から自走式ロボット装置100-1に対して間接的に(すなわち中継されて)伝達される。
【0044】
なお、上述したように、通信装置200は、情報取得装置と指示装置とを兼ね備えた装置であってもよい。この場合、自走式ロボットシステム1において、上述の2つの例に示した通信方式が組み合わされていてもよい。
【0045】
以下の説明では、自走式ロボット装置100が先行機として動作する場合には、通信モードが「先行機モード」であると称する。また、自走式ロボット装置100が中継機として動作する場合には、通信モードが「中継機モード」であると称する。
自走式ロボット装置100は、状況に応じて通信モードを「先行機モード」または「中継機モード」のいずれかに切り替える。この通信モードの切り替えを制御する制御装置30の機能構成について説明する。
【0046】
[制御装置30の機能構成]
図4は、本実施形態の制御装置30の機能構成の一例を示す図である。
制御装置30は、例えば、プロセッサ及び記憶装置等を備えており、プログラム実行可能な装置(コンピュータ)である。制御装置30は、制御部310と、記憶部320とを備える。
【0047】
制御装置30の各機能は、例えば、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)のような1つ以上のプロセッサが記憶部320に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。ただし、これら機能の全部又は一部は、LSI(Large Scale Integration;大規模集積回路)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、PLD(Programmable Logic Device)等のハードウェア(例えば回路部;circuity)により実現されてもよい。また、上記機能の全部又は一部は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実現されてもよい。記憶部320は、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory;読み出し専用メモリ)、又はRAM(Random Access Memory;読み書き可能なメモリ)等により実現される。
【0048】
記憶部320には、制御部310の各機能が動作するためのプログラムやデータが記憶されている。一例として、記憶部320には、通信設定情報321が記憶されている。通信設定情報321とは、自走式ロボット装置100が先行機として動作する場合の通信先と、中継機として動作する場合の通信先とを示す情報である。
【0049】
図5は、本実施形態の通信設定情報321の一例を示す図である。同図(A)は、自走式ロボット装置100-1の記憶部320に記憶されている通信設定情報321を示す。同図(B)は、自走式ロボット装置100-2の記憶部320に記憶されている通信設定情報321を示す。
【0050】
通信設定情報321において、「通信先」とは、自走式ロボット装置100が無線通信による情報の送信、受信あるいは送受信を行う相手装置の通信IDを示す。
自走式ロボット装置100及び通信装置200には、それぞれ通信IDが予め付されている。同図の一例において、通信装置200の通信IDはID0、自走式ロボット装置100-1の通信IDはID1、自走式ロボット装置100-2の通信IDはID2である。
【0051】
なお、以下の説明では、無線通信による情報の送信、受信あるいは双方向の送受信のことを、単に送受信あるいは通信とも記載する。すなわち、送受信あるいは通信と記載する場合、情報が装置間で一方向に授受されてもよく、双方向に授受されてもよい。
例えば、「通信先」が「ID0、ID2」である場合には、当該自走式ロボット装置100は、「ID0」(すなわち、通信装置200)との間、および「ID2」(すなわち、自走式ロボット装置100-2)との間において情報の送受信を行う。
【0052】
通信設定情報321において、「中継対象」とは、自走式ロボット装置100が無線通信による情報の中継を行う対象である装置の通信IDを示す。情報の中継とは、無線通信によって第1の装置から受信した情報をそのまま、あるいは加工して、第2の装置に送信することをいう。
【0053】
同図(A)に示す一例では、自走式ロボット装置100-1(通信ID:ID1)について、通信モードが「先行機モード」である場合には、通信先が「ID2」(すなわち、自走式ロボット装置100-2)であり、中継対象は「なし」である。また、通信モードが「中継機モード」である場合には、通信先が「ID0」(すなわち、通信装置200)および「ID2」(すなわち、自走式ロボット装置100-2)であり、中継対象は「ID2」(すなわち、自走式ロボット装置100-2)である。
同図(B)に示す一例では、自走式ロボット装置100-2(通信ID:ID2)について、通信モードが「先行機モード」である場合には、通信先が「ID1」(すなわち、自走式ロボット装置100-1)であり、中継対象は「なし」である。また、通信モードが「中継機モード」である場合には、通信先が「ID0」(すなわち、通信装置200)および「ID1」(すなわち、自走式ロボット装置100-1)であり、中継対象は「ID1」(すなわち、自走式ロボット装置100-1)である。
【0054】
通信設定情報321において、「モード選択」とは、先行機モードと中継機モードとのいずれが選択されているかを示す情報である。同図に示す一例の場合、自走式ロボット装置100-1の通信モードは「先行機モード」が選択され、自走式ロボット装置100-2の通信モードは「中継機モード」が選択されている。
【0055】
図4に戻り、制御部310は、第1通信部311と、第2通信部312と、通信制御部313と、表示制御部314と、測定制御部315と、駆動制御部316と、撮像制御部317と、画像処理部318とを、その機能部として備える。
【0056】
第1通信部311は、通信装置200に対する通信を行う。
第2通信部312は、他の自走式ロボット装置100に対する通信を行う。本実施形態の一例において、自走式ロボット装置100-1から見た他の自走式ロボット装置100とは、自走式ロボット装置100-2であり、自走式ロボット装置100-2から見た他の自走式ロボット装置100とは、自走式ロボット装置100-1である。
【0057】
測定制御部315は、測定装置20を制御する。駆動制御部316は、駆動部61を制御する。
【0058】
通信制御部313は、記憶部320に記憶された通信設定情報321が示す通信モードが第1モードか、第2モードかによって次のように制御する。
ここで、第1モードとは、例えば、中継機モードである。第2モードとは、例えば、先行機モードである。すなわち、通信モードには、互いに異なる第1モードと第2モードとが含まれる。
【0059】
(1)第1モードの場合には、第1通信部311と第2通信部312とを用いて、通信装置200と他の自走式ロボット装置100との間の通信を中継する。
(2)第2モードの場合には、通信装置200との間で通信すべき情報を、第2通信部312を用いて他の自走式ロボット装置100との間で通信する。
【0060】
図3に示した一例の場合、自走式ロボット装置100-1は、「先行機モード」(第2モード)が選択されている。自走式ロボット装置100-2は、「中継機モード」(第1モード)が選択されている。
この場合、自走式ロボット装置100-1は、通信装置200との間で通信すべき情報を、第2通信部312を用いて他の自走式ロボット装置100(つまり、自走式ロボット装置100-2)との間で通信する。
また、自走式ロボット装置100-2は、第1通信部311と第2通信部312とを用いて、通信装置200と他の自走式ロボット装置100(つまり、自走式ロボット装置100-1)との間の通信を中継する。
【0061】
また、通信制御部313は、撮像部80によって撮像した他ロボットの表示部90の画像に基づく情報を出力する出力部としても機能する。
【0062】
例えば、通信制御部313(出力部)は、撮像部80が撮像した他ロボットの表示部90の画像を示す画像情報を出力するように構成されていてもよい。
【0063】
表示制御部314は、表示部90による表示動作を制御する。
【0064】
図6は、本実施形態の表示部90に表示される情報の一例を示す図である。表示部90には、自走式ロボット装置100の位置、走行状態、通信状態などを示す文字情報91が表示される。また、表示部90には、自走式ロボット装置100の位置、走行状態、通信状態などを示す画像情報92が表示される。ここで画像情報92は、自走式ロボット装置100の位置、走行状態、通信状態などがバーコードや二次元コードなどによってエンコードされた情報であってもよい。バーコードや二次元コードなどの画像情報92を用いることにより、文字情報91に比べて表示面積当たりの情報量を多くすることができる。
同図の一例では、自走式ロボット装置100の走行状態が安定であるが、通信状態が不安定であることを示す文字情報91A及び画像情報92Aが表示されている。
【0065】
図7は、本実施形態の表示部90に表示される情報の他の一例を示す図である。同図の一例では、自走式ロボット装置100の走行状態、通信状態がいずれも不安定であることを示す文字情報91B及び画像情報92Bが表示されている。
【0066】
すなわち、本実施形態の表示部90には、自走式ロボット装置100(自ロボット)の動作状態やトラブルの状態が、他の自走式ロボット装置100(他ロボット)の撮像部80によって撮像可能な態様によって表示される。例えば、撮像部80が可視光線帯域の動画カメラを備えている場合には、表示部90は可視光線帯域のバックライトを有する液晶ディスプレイを備えている。また、例えば、撮像部80が赤外線帯域の動画カメラを備えている場合には、表示部90は赤外線帯域のバックライトを有する液晶ディスプレイを備えている。
【0067】
撮像制御部317は、撮像部80による撮像動作を制御する。上述した図3に示す例の場合、自走式ロボット装置100-1の表示部90(表示部90-1)は、自走式ロボット装置100-2の撮像部80(撮像部80-2)から撮像可能な位置にある。自走式ロボット装置100-2の撮像制御部317は、撮像部80-2の画角やフォーカスを制御して自走式ロボット装置100-1の表示部90-1に表示されている情報を撮像する。
撮像制御部317は、撮像した画像を、画像処理部318に出力する。
【0068】
画像処理部318は、撮像部80が撮像した他ロボットの表示部90の画像を処理することにより、表示された画像が示す内容を解釈する。例えば、表示部90の画像に文字情報91や画像情報92が含まれている場合、これらの文字や画像を解釈して、その意味を抽出する。一例として、自走式ロボット装置100-1の表示部90-1の画像に、図7に示した文字情報91B及び画像情報92Bが含まれている場合、自走式ロボット装置100-1の走行ができない状態になっていると解釈する。
【0069】
通信制御部313(出力部)は、画像処理部318が解釈した結果を、他ロボットの表示部90の画像に基づく情報として、例えば、通信装置200に対して無線通信によって出力する。
【0070】
[制御装置30の動作]
図8は、本実施形態の制御装置30の動作の流れの一例を示す図である。
(ステップS11、ステップS21)自走式ロボット装置100-1は先行機として動作している。自走式ロボット装置100-2は中継機として動作している。
【0071】
(ステップS12)自走式ロボット装置100-1(先行機)は、自装置(つまり、自走式ロボット装置100-1)の状態を検出する。ここで、自装置の状態とは、自装置(つまり、自走式ロボット装置100-1)の制御装置30によって検出可能な情報であって、例えば、自走式ロボット装置100-1の位置、走行状態、通信状態などをいう。
(ステップS13)自走式ロボット装置100-1(先行機)は、ステップS12において検出した自装置の状態を、自装置(つまり、自走式ロボット装置100-1)の表示部90に表示する。この結果、自走式ロボット装置100-1の表示部90には、図6図7に例示した情報が表示される。
【0072】
(ステップS24)自走式ロボット装置100-2(中継機)は、撮像部80によって、先行機(つまり、自走式ロボット装置100-1)の表示部90を撮像する。
(ステップS25)自走式ロボット装置100-2(中継機)の画像処理部318は、撮像部80が撮像した画像に対して画像処理を施す。撮像部80が撮像した画像には、先行機の表示部90に表示されている情報が含まれている。画像処理部318は、撮像部80が撮像した画像から、表示部90に表示されている情報を抽出する。
例えば、上述した図6に示す一例の場合、画像処理部318は、自走式ロボット装置100-1は、走行状態が安定であるが、通信状態が不安定であることを抽出する。
また例えば、上述した図7に示す一例の場合、画像処理部318は、自走式ロボット装置100の走行状態、通信状態がいずれも不安定であることを抽出する。
(ステップS26)自走式ロボット装置100-2(中継機)は、自走式ロボット装置100-1(先行機)の状態を他の装置(例えば、通信装置200)に対して出力する。
【0073】
ここで、表示部90に情報を表示することや、表示された情報を撮像部80によって撮像することは、自走式ロボット装置100間で無線通信を行うことに比べれば、高線量の状況下であっても、安定的に動作させることができる。
このため、本実施形態のように構成された自走式ロボットシステム1によれば、高線量の状況下で無線通信が困難な場所においても、最前線で作業する自走式ロボット装置100-1の状態を、中継用の自走式ロボット装置100-2に対して円滑に伝達することができる。
【0074】
なお、先行機である自走式ロボット装置100-1は、自装置の撮像部80が撮像した周囲の風景や、自装置の測定制御部315によって取得した測定データを、表示部90に表示させてもよい。この場合、中継用の自走式ロボット装置100-2の撮像部80は、自走式ロボット装置100-1の表示部90に表示された風景の画像や測定データを撮像して、撮像した画像に画像処理を施し(または、画像処理を施さずに)、他の装置(例えば、通信装置200)に対して出力する。
【0075】
[変形例]
図9は、本実施形態の制御装置30の動作の流れの変形例を示す図である。上述した実施形態においては、自走式ロボット装置100-1(先行機)から、自走式ロボット装置100-2(中継機)の一方向に、画像を介して情報を転送した。本変形例においては、自走式ロボット装置100-1(先行機)と、自走式ロボット装置100-2(中継機)との双方向で、画像を介して情報を転送する点で、上述した実施形態と異なる。
なお、上述した実施形態と同様の処理については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0076】
(ステップS22)自走式ロボット装置100-2(中継機)は、外部装置(例えば、通信装置200)から、自走式ロボット装置100-1(先行機)に対する指示情報を取得する。ここで、指示情報とは、例えば、自走式ロボット装置100-1の移動速度や移動方向、自走式ロボット装置100-1の測定装置20や撮像部80の動作を指示する情報である。
(ステップS23)自走式ロボット装置100-2(中継機)は、ステップS22において取得した指示情報を、自装置(つまり、自走式ロボット装置100-2)の表示部90に表示する。
【0077】
(ステップS14)自走式ロボット装置100-1(先行機)は、撮像部80によって、中継機(つまり、自走式ロボット装置100-2)の表示部90を撮像する。
(ステップS15)自走式ロボット装置100-1(先行機)の画像処理部318は、撮像部80が撮像した画像に対して画像処理を施す。撮像部80が撮像した画像には、中継機の表示部90に表示されている、外部装置(例えば、通信装置200)からの指示情報が含まれている。画像処理部318は、撮像部80が撮像した画像から、表示部90に表示されている指示情報を抽出する。
(ステップS16)自走式ロボット装置100-1(先行機)は、外部装置(例えば、通信装置200)からの指示情報に基づいて動作する。
【0078】
本変形例のように構成された自走式ロボットシステム1によれば、高線量の状況下で無線通信が困難な場所においても、外部装置(例えば、通信装置200)からの指示を、最前線で作業する自走式ロボット装置100-1に対して円滑に伝達することができる。
【0079】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。上述した各実施形態に記載の構成を組み合わせてもよい。
【0080】
なお、上記の実施形態における各装置が備える各部は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、メモリおよびマイクロプロセッサにより実現させるものであってもよい。
【0081】
なお、各装置が備える各部は、メモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、各装置が備える各部の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0082】
また、各装置が備える各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、制御部が備える各部による処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0083】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 自走式ロボットシステム
100 自走式ロボット装置
10 台座部
20 測定装置
30 制御装置
40 メインバッテリ
50 モータ用バッテリ
60 下部構造体
61 駆動部
62 車輪部
80 撮像部
90 表示部
200 通信装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9