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特開2024-80338耐火層形成用のコーティング材および耐火方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080338
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】耐火層形成用のコーティング材および耐火方法
(51)【国際特許分類】
   C09D 201/00 20060101AFI20240606BHJP
   E04B 1/94 20060101ALI20240606BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20240606BHJP
   C09D 5/18 20060101ALI20240606BHJP
   C09D 133/00 20060101ALI20240606BHJP
   C09D 127/12 20060101ALI20240606BHJP
   C09D 175/04 20060101ALI20240606BHJP
   C09D 183/04 20060101ALI20240606BHJP
   C09D 163/00 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
C09D201/00
E04B1/94 R
C09D7/61
C09D5/18
C09D133/00
C09D127/12
C09D175/04
C09D183/04
C09D163/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193440
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】505015587
【氏名又は名称】株式会社日本アクア
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】中村 文隆
(72)【発明者】
【氏名】永田 和久
(72)【発明者】
【氏名】森田 雄耶
【テーマコード(参考)】
2E001
4J038
【Fターム(参考)】
2E001DE01
2E001GA06
2E001HA01
2E001HA03
2E001HA22
4J038CD091
4J038CG001
4J038DB001
4J038DG191
4J038GA15
4J038HA426
4J038KA08
4J038MA09
4J038PA06
4J038PB05
4J038PC08
(57)【要約】
【課題】ウレタン樹脂組成物からなる建築物用または土木構造物用の断熱材の表面に耐火層を形成するにあたって、より施工性に優れる手段を提供すること。
【解決手段】溶剤系塗料または弱溶剤系塗料からなる主材と、無機粉体を含んだ、添加材と、を少なくとも含有するコーティング材である。主材にはアクリルウレタン系、フッ素樹脂系、アクリルシリコーン系またはエポキシ系の塗料などを用いることができる。無機粉体にはポリリン酸アンモニウム、亜リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウムおよびセメントのうち少なくとも何れか1つを含んだものなどを用いることができる。
【選択図】無し
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウレタン樹脂組成物からなる、建築物用または土木構造物用の断熱材の表面に、耐火層を形成するためのコーティング材であって、
溶剤系塗料または弱溶剤系塗料からなる、主材と、
無機粉体を含んだ、添加材と、
を少なくとも含有することを特徴とする、
コーティング材。
【請求項2】
前記主材が、アクリルウレタン系、フッ素樹脂系、アクリルシリコーン系またはエポキシ系の塗料であることを特徴とする、
請求項1に記載のコーティング材。
【請求項3】
前記無機粉体が、ポリリン酸アンモニウム、亜リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウムおよびセメントのうち少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする、
請求項1に記載のコーティング材。
【請求項4】
ウレタン樹脂組成物からなる、建築物または土木構造物用の断熱材に、耐火性を付加するための耐火方法であって、
前記断熱材の表面に、請求項1乃至3のうち何れか1つに記載のコーティング材を塗布すること特徴とする、
断熱材の耐火方法。
【請求項5】
前記コーティング材を、エアレス式のスプレーガンで吹き付けることを特徴とする、
請求項4に記載の断熱材の耐火方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウレタン樹脂組成物からなる、建築物または土木構造物用の断熱材の表面に、耐火層を形成するためのコーティング材および当該コーティング材を用いた耐火方法および耐火構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ウレタン樹脂組成物からなる断熱材を不燃化するための材料として、非特許文献1,2に記載の湿式のコーティング材が知られている。
この材料は無機系材料の粉体からなり、現場で無機系材料に水をミキサー混合したものをモルタルポンプ等で圧送し、コンプレッサを接続したスプレーガンによる吹付施工が想定されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】https://www.kikusui-chem.co.jp/products/p191.html
【非特許文献2】https://www.kikusui-chem.co.jp/products/catalog/cat_45ksfc_1904.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記したコーティング材は、以下に記載する問題を有している。
(1)接着性の問題
ウレタン樹脂製の断熱材は芳香族化合物を多く含有しているところ、芳香族化合物は一般的に疎水性を有するため、水を弾きやすい。
その結果、水を含有している湿式のコーティング材は、ウレタン樹脂製の断熱材に対して接着力が低下することになる。
(2)工程増加の問題
上記した接着力の低下を補うために、事前に断熱材にプライマーを塗布する工程が必要となり、工期の長期化に繋がる。
【0005】
よって、本発明は、ウレタン樹脂組成物からなる建築物用の断熱材の表面に耐火層を形成する際の施工性に優れる手段の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべくなされた本願発明は、ウレタン樹脂組成物からなる、建築物用または土木構造物用の断熱材の表面に、耐火層を形成するためのコーティング材であって、溶剤系塗料または弱溶剤系塗料からなる、主材と、無機粉体を含んだ、添加材と、を少なくとも含有することを特徴とする。
また、本願発明は、前記主材として、アクリルウレタン系、フッ素樹脂系、アクリルシリコーン系またはエポキシ系の塗料を用いることができる。
また、本願発明は、前記無機粉体として、ポリリン酸アンモニウム、亜リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウムおよびセメントのうち少なくとも何れか1つを用いることができる。
また、本願発明は、ウレタン樹脂組成物からなる、建築物用または土木構造物用の断熱材に、耐火性を付加するための耐火方法であって、前記断熱材の表面に、前記コーティング材を塗布することを特徴とする。
また、本願発明は、前記コーティング材をエアレス式のスプレーガンで吹き付けることもできる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下に記載する効果のうち少なくとも何れか1つの効果を有する。
(1)ウレタン樹脂組成物からなる断熱材との接着力が強く、脱落しにくい。
無機粉体を含んだ添加材を混合する主材に溶剤系塗料または弱溶剤系塗料を用いることで、ウレタン樹脂組成物との接着力に優れた耐火コーティング材を得ることができる。
(2)吹付作業にエアレススプレー機を使用して施工できるため、エアー型スプレー機を使用した場合に想定されるミスト粒径が細かくなりすぎる問題や、飛散による歩留まりが悪化する問題を回避できる。
(3)エアレススプレー機は、エアー型スプレー機よりも広い吐出角度(約60度)を有するため、一度に広範囲の施工が可能となり、作業効率に優れる。
(4)一般的なウレタン断熱材用の不燃コーティング材よりも耐火層を薄く形成(1.5kg/m)できる場合があるため、吹き重ねる回数を少なくできる分、短時間で作業を終えることができ、施工速度が速い。
(5)ウレタン樹脂組成物からなる断熱材の現場吹付作業と同種の施工方法となるため、断熱材の施工業者が引き続き耐火層の施工を行うことができ、新たな施工業者を手配する必要が無くなる。
(6)断熱材の吹付施工をしながら追いかける形で耐火層の同日施工を行うことができ、工期短縮につながる。
(7)断熱材の施工と耐火層の施工を同日に行うことができるため、断熱材の表面が剥き出しのままの期間を短縮化でき、断熱材への着火の危険性が軽減する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
【実施例0009】
<1>全体構成
本発明に係るコーティング材は、ウレタン樹脂組成物からなる断熱材の表面に耐火層を形成するために使用する材料であり、少なくとも主材と添加材とを含有して構成する。
以下、各材料の詳細について説明する。
【0010】
<1.1>断熱材・ウレタン樹脂組成物
本明細書において「断熱材」とは、住宅、倉庫、化学プラントのタンクなどの建築物、歩道橋などの土木構造物、および車両や船舶などで断熱層の形成の為に使用される部材である。
また、本明細書において「ウレタン樹脂組成物」とは、吹付ウレタンフォームのほかに、ボード状またはパネル状のウレタンフォーム、押出法ポリスチレンフォーム、ビーズ法ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、フェノールフォーム等が含まれる。
このうち、本発明に係るコーティング材の塗布によって溶ける可能性のある断熱材については、断熱材の表面に紙、シート、テープや、プライマー層の形成によって別途絶縁処理を施しておくことが望ましい。
【0011】
<2>主材
主材は、コーティング材のベースとなり、後述する添加材を混ぜ合わせるための材料である。
本発明では、主材として、溶剤系塗料または弱溶剤系塗料を用いるものとし、水を含有するものを想定しない。
この溶剤系塗料または弱溶剤系塗料には、アクリルウレタン系、フッ素樹脂系、シリコーン系またはエポキシ系の塗料が挙げられる。
【0012】
主材として使用可能な製品の一例を以下に示す。
(1)製品名:CRトップ(AGC製)(種類:溶剤系)
(2)製品名:1液ハイポンファインデクロ(日本ペイント(株)製)(種類:弱溶剤系)https://www.nipponpaint.co.jp/products/building/125/
【0013】
<3>添加材
添加材は、コーティング材に耐火性を付与するための材料である。
本発明では、添加材として、無機粉体を含むことを前提とする。
この無機粉体には、ポリリン酸アンモニウム、亜リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウムおよびセメントが含まれ、添加材は、これらの材料の中から少なくとも何れか1つの材料を適宜選択したものを用いることができる。
【0014】
<4>実験1(接着力の評価)
(1)塗料
始めに、以下の表1に示す塗料または下塗り剤を用意した。
[表1]
【0015】
(2)試験概要
次にウレタン樹脂組成物からなる断熱材に対し、各塗料または下塗り剤をローラーで塗布し、室温で1日静置した試験体を製作し、以下の手順で接着力を評価した。(JIS K 5600-5-6:付着性(クロスカット法))
<試験手順>
(1)試験体の表面に格子状(2mm間隔)の切れ込みを入れる。
(2)セロハンテープをよく密着させた後、0.5~1.0秒をかけてセロハンテープを引きはがす。
(3)セロハンテープを引き剥がした箇所の剥離状態を、以下の表2を基準に分類する。
【0016】
[表2]
【0017】
(3)試験結果
各試験体による試験結果を表3に示す。
[表3]
表3に示す通り、水系に属する塗料1,2を用いた試験体1-1~1-4では、下塗り剤の有無によって剥離割合に相違が見られるものの、塗膜の剥がれの分類が「3」または「4」に相当する結果となった。
同じく、水系に属する塗料5を用いた試験体1-7においても、塗膜の剥がれが、表2で示す分類「2」に相当する結果となった。
一方、溶剤系または弱溶剤系に属する塗料3,4を用いた試験体1-5,1-6では、下塗り剤を用いずとも、塗膜の剥がれが、表2で示す分類「0」に相当する結果となった。
したがって、本発明に係る主材として溶剤系または弱溶剤系に属する塗料を用いる場合、ウレタン樹脂組成物との接着力が良好であることが判明した。
【0018】
<5>実験2(接着力の評価(2))
試験体を製作し、以下の手順からなる加熱鉄球試験を行い、試験体の凹み量の測定と、接着力の評価を行った。
【0019】
(1)試験概要
(a)ウレタン樹脂組成物からなる断熱材((株)日本アクア製アクアフォームNEO)に、ヘラで各コーティング材を塗布した試験体を製作する。
(b)前記(a)で製作した試験体に、バーナーで30秒または40秒加熱した鉄球(直径:10mm)を、加熱直後に乗せ、変化が見られなくなった段階で直ちに鉄球を取り出し、試験体の凹み量を計測した。
(c)前記(a)で製作した試験体について、JIS9526を参考に接着強度を測定。
【0020】
(2)試験結果
各試験体による試験結果を表4に示す。
なお、本試験において用いた主材は、実験1で用いた塗料3(製品名:CRトップ、AGC(株)製、アクリルウレタン系)であり、コーティング材の添加剤として用いた無機粉体1~3は以下の通りである。
これらを既存品と比較した。
[無機粉体1]:ポリリン酸アンモニウム(太平化学産業(株)製、製品名:タイエンCII)
[無機粉体2]:炭酸カルシウム(林純薬工業(株)製、製品名:炭酸カルシウム 一級)
[無機粉体3]:石膏(家庭化学工業(株)製、製品名:高級工作石こう)
[既存品]:湿式コーティング材(エスケー化研(株)製、製品名:ダンセラボン#25D)
【0021】
[表4]
【0022】
表4に示す通り、試験体2-1~2-17の全てについて、既存の湿式コーティングを塗布した試験体2-18よりも接着力に優れることが判明した。
【0023】
<6>実験3(燃焼試験)
試験体に対し、燃焼試験を行い、燃焼範囲と燃焼深さを測定した。
【0024】
(1)試験概要
[表5]
【0025】
(2)試験結果
各試験体による試験結果を表6に示す。
なお、本試験において用いた主材は、実験1で用いた塗料3(製品名:CRトップ、AGC(株)製、アクリルウレタン系)であり、コーティング材の添加剤として用いた無機粉体1~3は以下の通りである。
これらを既存品と比較した。
[無機粉体1]:ポリリン酸アンモニウム(太平化学産業(株)製、製品名:タイエンCII)
[無機粉体2]:炭酸カルシウム(林純薬工業(株)製、製品名:炭酸カルシウム 一級)
[無機粉体3]:石膏(家庭化学工業(株)製、製品名:高級工作石こう)
[既存品]:湿式コーティング材(エスケー化研(株)製、製品名:ダンセラボン#25D)
【0026】
[表6]
【0027】
表6に示す通り、試験体3-1~3-6,3-8~3-13について、既存の湿式コーティングを塗布した試験体3-14よりも良好な不燃性能を有することが判明した。
また、添加剤を含有しない試験体3-7は、延焼に至ったことから不適であることが判明した。
【0028】
<7>実験4(吹付試験)
(1)試験概要
エアレス式のスプレー機として、ProSpray 3.34(ワグナー社製)エアレスガンを使用し、ウレタン断熱材にコーティング材をスプレー塗布した試験体に対し、前記した実験2,3と同様の試験を行った。
【0029】
(2)試験結果
各試験体による試験結果を表6に示す。
なお、本試験において用いた主材は、実験3で用いた塗料3であり、添加剤は、実験3で用いた無機粉体3である。
[表7]
【0030】
表7に示す通り、エアレス式のスプレーガンを用いてコーティング材を塗布した試験体4-1,4-2の何れも、ヘラでコーティング材を塗布した場合と同等の接着性、不燃性を有することが判明した。
【実施例0031】
以下に示した材料を添加剤として使用した試験体を作成し、後述する各種試験を行った。
[無機粉体1]:ポリリン酸アンモニウム(太平化学産業(株)製、製品名:タイエンCII)
[無機粉体2]:炭酸カルシウム(林純薬工業(株)製、製品名:炭酸カルシウム 一級)
[無機粉体3]:石膏(家庭化学工業(株)製、製品名:高級工作石こう)
[無機粉体4]:亜リン酸水素アルミニウム(製品名:NSF、太平化学産業(株)製)
[無機粉体5]:セメント類(製品名:インスタントセメント、(株)ホームサイエンス製)
[有機難燃剤1]:ヘキサプロモベンゼン(製品名:HBB、マナック(株)製)
[有機難燃剤2]:メラミン(製品名:メラミン、三井化学(株)製)
【0032】
<1>実験5(粘度測定)
以下の条件で製作したコーティング材である試験体の25℃下での粘度[Pa・s]を測定した。
[表8]
【0033】
コーティング材を吹付施工する場合、コーティング材の粘度は5,000~20,000[Pa・s]が望ましい。これは、粘度が5,000以下では塗料が液垂れしやすく、20,000以上では安定した吹付けが困難になるためである。
表8に示す通り、添加剤として無機粉体を用いたものでは、試験体5-1-1、5-5―1,5-5-2において、良好な結果を得ることができた。
【0034】
<2>実験6(接着力の評価+燃焼試験)
次に、コーティング材の塗布量を1.5kg/mに固定して、前記した実験2,3と同様の試験を行った。
【0035】
[表9]
【0036】
表9に示す通り、いずれの試験体においても、接着力は既存品の3倍以上強いことが判明した。また、無機粉体2を用いた試験体6-2が最も耐火性能に優れる結果となった。
【実施例0037】
次に、前記した無機粉体2と同一成分(炭酸カルシウム)の製品を以下の表10の通り複数選定した。
【0038】
[表10]
【0039】
<1>実験7(粘度測定)
表10に係る添加剤を用いて以下の条件で製作した試験体の25℃下での粘度[Pa・s]を測定した。
【0040】
[表11]
【0041】
コーティング材を吹付施工する場合、前述した通り、コーティング材の粘度は5,000~20,000[Pa・s]が望ましい。
表11に示す通り、無機粉体6,7,9,10を用いた試験体(試験体7-2-2,7-2-3,7-3-1,7-5-2,7-5-3,7-6-2,7-6-3)において、良好な結果を得ることができた。
【0042】
<2>実験8(接着力の評価+燃焼試験)
実験7で製作した試験体のうち一部の試験体を用いたコーティング材の塗布量を1.5kg/mに固定して、前記した実験2,3と同様の試験を行った。
【0043】
[表12]
【0044】
表12に示す通り、いずれの試験体も、同等の接着力および耐火性能を有する結果となった。
【実施例0045】
次に、表13に示すように、新たな溶剤系塗料または弱溶剤系塗料(塗料6,7)を選定し、後述する各種試験を行った。
【0046】
[表13]
【0047】
<1>実験9(粘度測定)
前記した無機粉体10を硬化剤として、表13に係る主剤を用いて、以下の条件で製作した試験体の25℃下での粘度[Pa・s]を測定した。
【0048】
[表14]
【0049】
コーティング材を吹付施工する場合、コーティング材の粘度は5,000~20,000[Pa・s]が望ましいところ、表14に示す通り、試験体9-1-2,9-1-3,9-3-2,9-3-3,9-4-2,9-4-3について、良好な結果を得ることができた。
【0050】
<2>実験10(接着力の評価+燃焼試験)
実験9で製作した試験体のうち一部の試験体を用いたコーティング材の塗布量を1.5kg/mに固定して、前記した実験2,3と同様の試験を行った。
【0051】
[表12]
【0052】
表12に示す通り、いずれの試験体も、同等の接着力を有する結果となった。
また、塗料4を用いた試験体10-2では、着火が発生したものの、その他の試験体10-1,10-3,10-4については、十分な耐火性能を有する結果となった。
【0053】
<3>実験11(接着力の評価+燃焼試験)
実験10で製作した試験体のうち塗料4を用いた試験体10-2の塗布量を増量して、前記した実験2,3と同様の試験を行った。
【0054】
[表13]
【0055】
表13に示す通り、コーティング材の塗布量を増量することで十分な耐火性能を有する結果となった。