(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008034
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】穀物乾燥機の選定システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20240112BHJP
G06Q 10/00 20230101ALI20240112BHJP
【FI】
G06Q50/02
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109533
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(72)【発明者】
【氏名】山本 寛起
(72)【発明者】
【氏名】佐々本 悟
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
5L049CC01
(57)【要約】
【課題】お客様の要望する穀物乾燥機の情報と設置空間や使用条件の情報を入力することで、設置空間に合った最適な穀物乾燥機を選定すること。
【解決手段】サーバと情報端末とを備え、これらを通信接続させた穀物乾燥機の選定システム。前記サーバは、前記情報端末から入力されたデータを演算処理する演算部と、穀物乾燥機の複数種類の筐体製品情報を予め記憶したデータベースと、を備え、前記演算部は、入力された穀物乾燥機の仕様情報を取得する入力情報取得部と、取得された仕様情報に基づいて穀物乾燥機の設置の可否を判定する設置可否判定部と、前記設置可否判定部の判定の結果に基づいて穀物乾燥機の使用条件を検討する使用条件検討部と、前記設置可否判定部の判定の結果、標準サイズの穀物乾燥機が設置可能となった場合、前記使用条件検討部の検討結果に対して最適な穀物乾燥機の選定を行うことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと情報端末とを備え、これらを通信接続させた穀物乾燥機の選定システムであって、
前記サーバは、前記情報端末から入力されたデータを演算処理する演算部と、穀物乾燥機の複数種類の筐体製品情報を予め記憶したデータベースと、を備え、
前記演算部は、
前記情報端末から入力された穀物乾燥機の仕様情報を取得する入力情報取得部と、
前記入力情報取得部によって取得された仕様情報に基づいて穀物乾燥機の設置の可否を判定する設置可否判定部と、
前記設置可否判定部の判定の結果に基づいて穀物乾燥機の使用条件を検討する使用条件検討部と、
前記設置可否判定部の判定の結果、標準サイズの穀物乾燥機が設置可能となった場合、
前記使用条件検討部の検討結果に対して最適な穀物乾燥機の選定を行う穀物乾燥機選定部と、を備えたことを特徴とする、穀物乾燥機の選定システム。
【請求項2】
前記データベースに記憶される筐体製品情報には、少なくとも穀物乾燥機の標準寸法、又は容量情報のいずれかを含み、
前記入力情報取得部によって取得される仕様情報には、穀物乾燥機の据付空間に関する第1寸法情報又は、穀物乾燥機の容量に関する情報が含まれ、
前記入力情報取得部は、穀物乾燥機で乾燥処理する品種、処理量又は、稼働期間に関する使用条件の情報を入力可能であり、
前記演算部は、前記設置可否判定部の判定結果に基づいて前記使用条件検討部で穀物乾燥機の使用条件を検討し、前記据付空間に対して最適な穀物乾燥機を選定するための処理を実行してなる、請求項1に記載の穀物乾燥機の選定システム。
【請求項3】
前記最適な穀物乾燥機を選定するための処理は、穀物乾燥機の奥行方向の寸法を変更しながら、前記使用条件検討部にて穀物乾燥機のランニングコストについて検討し、前記据付空間に対して最適な穀物乾燥機の選定を行う、請求項1又は2に記載の穀物乾燥機の選定システム。
【請求項4】
サーバと情報端末とを備え、これらを通信接続させた穀物乾燥機の選定システムであって、
前記サーバは、前記情報端末から入力されたデータを演算処理する演算部と、穀物乾燥機の複数種類の筐体製品情報を予め記憶したデータベースと、を備え、
前記演算部は、
前記情報端末から入力された穀物乾燥機の仕様情報を取得する入力情報取得部と、
前記入力情報取得部によって取得された仕様情報に基づいて穀物乾燥機の設置の可否を判定する設置可否判定部と、
前記設置可否判定部の判定結果に基づいて、前記仕様情報に対して最適な穀物乾燥機の選定を行う穀物乾燥機選定部と、を備えたことを特徴とする、穀物乾燥機の選定システム。
【請求項5】
前記データベースに記憶される筐体製品情報には、少なくとも穀物乾燥機の標準寸法、又は容量情報のいずれかを含み、
前記入力情報取得部によって取得される仕様情報には、穀物乾燥機の据付空間に関する第1寸法情報又は、穀物乾燥機の容量に関する情報が含まれ、
前記演算部は、前記設置可否判定部の判定結果に基づいて、前記据付空間に対して最適な穀物乾燥機を選定するための処理を実行してなる、請求項4に記載の穀物乾燥機の選定システム。
【請求項6】
前記最適な穀物乾燥機を選定するための処理は、穀物乾燥機の高さ方向又は奥行方向の少なくともいずれか一方の寸法を変更し、前記据付空間に対して最適な穀物乾燥機の選定を行う、請求項5に記載の穀物乾燥機の選定システム。
【請求項7】
前記最適な穀物乾燥機を選定するための処理は、取得した仕様情報にオプション品が有るか否かを判定し、前記判定にてオプション品が有りとの判定時には、オプション品有りと無しの2パターンで穀物乾燥機の高さ方向又は奥行方向の少なくともいずれか一方の寸法を変更し、前記据付空間に対して設置可能な最大容量の穀物乾燥機の選定を行う請求項5又は6に記載の穀物乾燥機の選定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、穀物乾燥機において、設置する納屋のサイズ、乾燥機容量、その他の使用条件(品種、処理量、稼働期間など)を入力することで、客先の要望に合わせた最適な乾燥機を提示可能な穀物乾燥機の選定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各農家の納屋に設置して使用される穀物乾燥機が知られている。穀物乾燥機は、張り込める籾の量により穀物乾燥機容量が異なるが、籾を乾燥する穀物乾燥機本体については穀物乾燥機容量に関係なく同一サイズ(高さ、幅、奥行)となっており、穀物乾燥機の容量を増やすには、前記穀物乾燥機本体に重設されたタンク部の高さを高さ方向に伸ばしてタンク容量を増やすのが一般的である。農家用の穀物乾燥機は、前記タンク容量の多寡により、15石、20石、25石、28石、~50石等の型式が設定されている。そして、例えば、特許文献1に開示されている穀物乾燥機では、納屋の天井部の梁などの障害物を避けるため、穀物乾燥機本体に重設されるタンク部の形状を、長手方向を直径として、円柱型に樹脂成形されたタンクとすることで、穀物乾燥機の全高を低くし、作業スペースに対する適応性を向上させる工夫がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された穀物乾燥機では、穀物乾燥機本体の長手方向を直径として、円柱型に樹脂成形されたタンクとすることで、穀物乾燥機の全高を低くし、梁などの障害物を避けるように構成している。しかしながら、上記の穀物乾燥機では納屋の高さ方向の設置スペースを回避することは可能であるが、タンクが樹脂成型のため、穀物を張り込む際の重量や穀物乾燥時の熱に対する耐久性が必要となり、特注仕様となるため非常に高額となる。さらに、穀物乾燥機の容量を増やすことは可能であるが、穀物乾燥機本体については変更されないため、容量の増加に伴い乾燥時間や乾燥効率が下がるといった問題があった。
【0005】
一方、標準仕様の穀物乾燥機よりも穀物乾燥機本体の全長サイズ(ここでは、穀物乾燥機本体の前後方向の長さ、すなわち、奥行長さとする。)を長くすることで、標準仕様の穀物乾燥機よりも乾燥部の容量が全長方向に広がり、穀物乾燥機の乾燥部面積が増える。そのため、穀物乾燥機本体の乾燥部で通風を受ける穀物量が増えることにより乾燥効率が良くなる。つまり、標準サイズの穀物乾燥機よりも乾燥効率の良い穀物乾燥機を提供することができる。しかし、乾燥部の容量を広げるためには、穀物乾燥機本体の乾燥部を構成する部品(補強部材、スクリュー、乾燥網部など)が都度オーダー発注となるために穀物乾燥機の製作費が高くなるといった課題もある。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、穀物乾燥機を選定する際に、設置スペース、要望する容量、その他の使用条件について入力することで、設置スペースと要望に合った複数の穀物乾燥機(標準~オプション仕様)の中から最適な穀物乾燥機を提示、選択することが可能な穀物乾燥機の選定システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明では、サーバと情報端末とを備え、これらを通信接続させた穀物乾燥機の選定システムであって、前記サーバは、前記情報端末から入力されたデータを演算処理する演算部と、穀物乾燥機の複数種類の筐体製品情報を予め記憶したデータベースと、を備え、前記演算部は、前記情報端末から入力された穀物乾燥機の仕様情報を取得する入力情報取得部と、前記入力情報取得部によって取得された仕様情報に基づいて穀物乾燥機の設置の可否を判定する設置可否判定部と、前記設置可否判定部の判定の結果に基づいて穀物乾燥機の使用条件を検討する使用条件検討部と、前記設置可否判定部の判定の結果、標準サイズの穀物乾燥機が設置可能となった場合、前記使用条件検討部の検討結果に対して最適な穀物乾燥機の選定を行う穀物乾燥機選定部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明では、前記データベースに記憶される筐体製品情報には、少なくとも穀物乾燥機の標準寸法、又は容量情報のいずれかを含み、前記入力情報取得部によって取得される仕様情報には、穀物乾燥機の据付空間に関する第1寸法情報又は、穀物乾燥機の容量に関する情報が含まれ、前記入力情報取得部は、穀物乾燥機で乾燥処理する品種、処理量又は、稼働期間に関する使用条件の情報を入力可能であり、前記演算部は、前記設置可否判定部の判定結果に基づいて前記使用条件検討部で穀物乾燥機の使用条件を検討し、前記据付空間に対して最適な穀物乾燥機を選定するための処理を実行することを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明では、前記最適な穀物乾燥機を選定するための処理は、穀物乾燥機の奥行方向の寸法を変更しながら、前記使用条件検討部にて穀物乾燥機のランニングコストについて検討し、前記据付空間に対して最適な穀物乾燥機の選定を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明では、サーバと情報端末とを備え、これらを通信接続させた穀物乾燥機の選定システムであって、前記サーバは、前記情報端末から入力されたデータを演算処理する演算部と、穀物乾燥機の複数種類の筐体製品情報を予め記憶したデータベースと、を備え、前記演算部は、前記情報端末から入力された穀物乾燥機の仕様情報を取得する入力情報取得部と、前記入力情報取得部によって取得された仕様情報に基づいて穀物乾燥機の設置の可否を判定する設置可否判定部と、前記設置可否判定部の判定結果に基づいて、前記仕様情報に対して最適な穀物乾燥機の選定を行う穀物乾燥機選定部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明では、前記データベースに記憶される筐体製品情報には、少なくとも穀物乾燥機の標準寸法、又は容量情報のいずれかを含み、前記入力情報取得部によって取得される仕様情報には、穀物乾燥機の据付空間に関する第1寸法情報又は、穀物乾燥機の容量に関する情報が含まれ、前記演算部は、前記設置可否判定部の判定結果に基づいて、前記据付空間に対して最適な穀物乾燥機を選定するための処理を実行することを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明では、前記最適な穀物乾燥機を選定するための処理は、穀物乾燥機の高さ方向又は奥行方向の少なくともいずれか一方の寸法を変更し、前記据付空間に対して最適な穀物乾燥機の選定を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る発明では、前記最適な穀物乾燥機を選定するための処理は、取得した仕様情報にオプション品が有るか否かを判定し、前記判定にてオプション品が有りとの判定時には、オプション品有りと無しの2パターンで穀物乾燥機の高さ方向又は奥行方向の少なくともいずれか一方の寸法を変更し、前記据付空間に対して設置可能な最大容量の穀物乾燥機の選定を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、サーバ(データベースサーバ)にPC(パーソナルコンピュータ)やスマートフォン等の情報端末でアクセスし、穀物乾燥機の選定システムを使用して、穀物乾燥機を設置する設置空間の寸法情報や希望する穀物乾燥機の容量などの仕様情報を入力すれば、設置空間に標準仕様の穀物乾燥機が設置可能である場合、使用条件検討部で入力された使用条件も加味して検討し最適な穀物乾燥機の選定が行われる。このため、使用状況に最も適した穀物乾燥機を提示することが可能となる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、穀物乾燥機の筐体製品情報(標準寸法、容量)と、入力された仕様情報(据付空間の寸法、容量)と、使用条件(品種、処理量又は、稼働期間)とが入力されると、演算部では、設置可否判定部の判定結果に基づき使用条件検討部が穀物乾燥機の使用条件を検討し、据付空間に対して最適な穀物乾燥機を選定する処理を行うことが可能となる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、最適な穀物乾燥機を選定するための処理は、前記演算部が、穀物乾燥機の奥行方向の寸法を変更しながら、使用条件検討部にて穀物乾燥機のランニングコストについて検討し、据付空間に対して最適な穀物乾燥機の選定を行うこととなる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、サーバ(データベースサーバ)にPC(パーソナルコンピュータ)やスマートフォン等の情報端末でアクセスし、穀物乾燥機の選定システムを使用して、穀物乾燥機を設置する設置空間の寸法情報や希望する穀物乾燥機の容量などの仕様情報を入力すれば、設置空間に合わせた最適な穀物乾燥機が選定される。このため、客先で迅速に機器の提示をすることが可能となる。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、穀物乾燥機の筐体製品情報(標準寸法、容量)と、入力された仕様情報(据付空間の寸法、容量)とが入力されると、演算部では、穀物乾燥機の設置可否判断を行い、設置可否判断の結果から据付空間に対して最適な穀物乾燥機を選定する処理を行うことが可能となる。
【0019】
請求項6に係る発明によれば、前記最適な穀物乾燥機を選定するための処理は、穀物乾燥機の高さ方向又は奥行方向の少なくともいずれか一方の寸法を変更することで、据付空間に対して最適な穀物乾燥機を選定することが可能となる。
【0020】
請求項7に係る発明によれば、取得した仕様情報にオプション品が有るか否かを判定し、オプション品が有りとの判定時には、オプション品有りと無しの2パターンで穀物乾燥機の高さ方向又は奥行方向の少なくともいずれか一方の寸法を変更することで、据付空間に対して最適な穀物乾燥機を選定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る穀物乾燥機の選定システムのシステム構成を示す概略図である。
【
図2】穀物乾燥機の選定システムのフローを説明するためのフロー図である。
【
図3】穀物乾燥機の選定システムの入力画面の画面構成について説明するための概略図である。
【
図4】穀物乾燥機の使用条件の入力画面の画面構成について説明するための概略図である。
【
図5】選定システム1の選定方法の詳細を示すフロー図である。
【
図6】選定システム2の選定方法の詳細を示すフロー図である。
【
図7】穀物乾燥機の選定システムの選定画面の画面構成について説明するための概略図である。
【
図8】穀物乾燥機の選定システムの選定結果画面の画面構成について説明するための概略図である。
【
図9】穀物乾燥機の選定システムの見積画面ついて説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る穀物乾燥機の選定システムのシステム構成を示す概略図である。本実施形態の穀物乾燥機の選定システム1は情報端末2とサーバ(データベースサーバ)10とを用いて構成されている。
図1に示すように、本実施形態の穀物乾燥機の選定システム1は、情報端末2とサーバ(データベースサーバ)10とが通信部12を通して通信可能に構成されている。具体的には、情報端末2の入力部11で入力された穀物乾燥機の仕様情報をサーバ(データベースサーバ)10の演算部100で受信し、受信した仕様情報に基づいて穀物乾燥機の設置可否判定を行い、設置可否判定の結果、標準仕様の穀物乾燥機が設置可能となった場合、穀物乾燥機の使用条件を検討し、検討結果に基づいて穀物乾燥機を選定し、情報端末2の出力部13に選定結果60を表示するように構成されている。
【0023】
情報端末2は、PC(パーソナルコンピュータ)、スマートフォン、タブレット端末などの電子機器であり、情報端末2に備えられる入力部11はマウス、キーボードやタッチパネルなどである。また情報端末2は通信部12を備え、インターネット等のネットワークを通してサーバ(データベースサーバ)10と接続される。出力部13は端末に備えられるディスプレイなどであるが、通信部12を通して、プリンタと接続することにより、印刷するなどして出力することも可能である。
【0024】
本実施形態の穀物乾燥機の選定システム1のサーバ(データベースサーバ)10は、演算部100とデータベース150とを備えている。演算部100は、情報端末2の入力部11により入力された穀物乾燥機の仕様情報や使用条件を取得するための入力情報取得部101を備え、さらに取得した仕様情報や使用条件を一時的に記憶する記憶部102、取得した仕様情報に基づき穀物乾燥機が納屋などに設置可能で有るか否かを判定するための設置可否判定部103、穀物乾燥機の使用条件からランニングコストなどの費用について検討する使用条件検討部104、前記使用条件検討部104による検討結果から最適な穀物乾燥機の全長サイズを選定し、また、標準サイズの穀物乾燥機が設置不可となった場合に設置可能な穀物乾燥機のサイズを選定するための穀物乾燥機選定部105、さらに選定結果を情報端末2に出力するための選定結果出力部106を備えて構成される。
【0025】
データベース150は複数の標準仕様の穀物乾燥機の基本情報(型式、定格電圧、寸法情報など)を収集した穀物乾燥機情報格納部151(「筐体製品情報」ともいう)と、穀物乾燥機に必要な昇降機、送風機などの付帯品やオプション品であるスロワやトップセパレータなどの情報からなるパーツ情報格納部152とから構成される。
【0026】
次に、
図2および
図3に基づいて、本実施形態の穀物乾燥機の選定システムの動作フローについて詳細に説明する。
本実施形態の穀物乾燥機の選定システムでは、まず、情報端末2から穀物乾燥機の選定システムを起動させる。すると、穀物乾燥機の仕様情報を入力するための入力画面30(
図3参照)に遷移し、情報端末2の出力部13に表示される(
図2のステップS001)。
【0027】
入力画面30では、穀物乾燥機を選定するために必要となる仕様情報を入力するよう促される。使用者は入力画面30に、要望する穀物乾燥機の容量情報31、穀物乾燥機が設置される据付空間となる第1寸法情報(高さ、幅、奥行の寸法)32、オプションの有無に関する情報33、設置する穀物乾燥機の前段に設けられる、例えば、石抜機や粗選機などの前段設置機器に関する第1機器情報34、穀物乾燥機の後段に設けられる、例えば、タンクや搬送機などの後段設置機器に関する第2機器情報35、施設搬入口となる第2寸法情報(高さ、幅の寸法)36などについて入力する。これらの入力情報は、後述する穀物乾燥機の設置判定処理や選定処理で用いられる。
【0028】
使用者によって入力された穀物乾燥機の仕様情報は、入力画面30に表示されている「設置判定処理実施」ボタン37を押下することにより、通信部12(
図1を参照)を経由してサーバ(データベースサーバ)10の演算部100内の入力情報取得部101に取得され、記憶部102によって保存される(
図2のステップS003)。
【0029】
取得された穀物乾燥機の仕様情報を基に、演算部100の設置可否判定部103では、穀物乾燥機の各寸法情報と、入力された据付空間となる第1寸法情報32とを対比することによって、まずは基本寸法(以下「標準仕様」という。)の穀物乾燥機が設置可能か否かの判定が行われる(
図2のステップS004)。
【0030】
設置可否判定部103では、記憶部102に記憶された設置空間となる第1寸法情報32に標準仕様の穀物乾燥機が設置可能か否か、また搬送する際の梱包サイズが施設搬入口となる第2寸法情報36に梱包物が搬入可能か否か、について判定を行う。穀物乾燥機の標準仕様はデータベース150に穀物乾燥機情報格納部151として記憶されているため、穀物乾燥機の標準仕様の寸法と仕様情報に入力された設置空間となる第1寸法情報32の寸法を比較して設置可否の判定を行う。
【0031】
この設置可否の判定を行う際には、入力画面30で入力されたオプションの有無に関する情報33によって設置する機器の寸法が変更される。例えば、オプション有を選択していた場合、標準仕様の穀物乾燥機にオプション品である、スロワ、トップセパレータを取付けた状態の機体寸法と設置空間となる第1寸法情報32の寸法を比較して設置可否の判定を行う。これは、オプション品である、スロワ、トップセパレータを取付けることで、穀物乾燥機の寸法が変わってしまうため、あらかじめオプションの有無について確認しておくことで、設置可否の判定結果の後で穀物乾燥機の寸法が変わらないようにするためである。なお、設置空間となる第1寸法32の幅方向の寸法、奥行方向の寸法については、メンテナンス空間寸法(機器の仕様に記載)を除いた寸法で判定を行う。
【0032】
施設搬入口となる第2寸法情報36については、搬送時に分解されるそれぞれの梱包物の梱包サイズの最小サイズを施設搬入口となる第2寸法情報36と比較することで、搬入口から搬入可能であるか否かを判定する。
【0033】
基本寸法設置判定処理(
図2のステップS004)の結果、仕様情報に入力された希望する容量の標準仕様の穀物乾燥機が設置可能(
図2のステップS004がYesの場合)との判定になった場合、さらに、全長サイズを長くした穀物乾燥機が設置空間となる第1寸法情報32に設置可能か否かについて判定を行う(
図2のステップS005)。
【0034】
標準仕様の穀物乾燥機より全長サイズ(奥行方向)を長くすることで、乾燥部の容量が全長方向に広がり穀物乾燥機の乾燥部面積が増える。そのため、乾燥部で通風を受ける穀物量が増えることにより乾燥効率が良くなる。つまり、標準サイズの穀物乾燥機よりも乾燥効率の良い穀物乾燥機とすることができるため、穀物乾燥機の全長サイズを長くした穀物乾燥機が据付空間となる第1寸法情報32に設置可能か否かの判定を行う。
【0035】
全長サイズを変更した穀物乾燥機の設置判定処理では、設置可能となった標準サイズの穀物乾燥機の全長サイズ(奥行方向)を1.1倍、1.2倍と変更させながら据付空間となる第1寸法情報32の寸法と比較して設置可否の判定を行う。このとき、幅方向の寸法については標準仕様のまま固定し、高さ方向の寸法を低くすることで、穀物乾燥機の容量は変わらないようにする。
【0036】
このとき、全長サイズの変更できる寸法については、穀物乾燥機情報格納部151に標準寸法の情報以外に、変更可能な寸法幅についても機種ごとに記憶されている。全長サイズの変更できる寸法幅については、穀物乾燥機本体内部へ乾燥風を送風するためのファンが設けられており、前記ファンの送風能力の上限を超えることがないよう変更できる寸法幅が決められている。実施例においては、全長サイズを1.1倍、1.2倍と決められた倍率で変更させているが、1mm単位で寸法を変更できるようにしてもよい。
【0037】
全長変更した乾燥機の設置判定処理(
図2のステップS005)の結果、全長を長くした穀物乾燥機が設置可能(
図2のステップS005がYesの場合)との判定になった場合、選定処理1に至り、穀物乾燥機の使用条件から最も適した全長サイズの選定を行う(
図2のステップS006)。
【0038】
ここで、選定処理1について、
図4および
図5に基づいて詳細に説明する。
選定処理1では、全長サイズを長くした穀物乾燥機が据付空間となる第1寸法情報32に設置可能となるため、穀物乾燥機の使用条件から最適な全長サイズを選定する。
【0039】
選定処理1では、まず、穀物乾燥機の使用条件について使用条件入力画面40(
図4参照)に穀物乾燥機の使用条件に関する情報である品種41、処理量42、稼働期間43を入力する(
図5のステップ021)。
【0040】
品種41では穀物乾燥機で乾燥する米の品種について入力する。品種41には、乾燥する米の品種(うるち米、もち米、醸造米、うるち米(飼料用)など)を選択し入力する。品種が複数種類ある場合は、それぞれの米について品種の入力を行い、入力欄については品種の数に合わせて追加することができる。ただし、同じ品種(うるち米)であっても銘柄(例えば、こしひかり、あきたこまちなど)が異なる場合は、別の米として入力する。合計部分には入力された品種41の数を合算した値が合計として入力される。
【0041】
品種41を入力後、処理量42を入力する。処理量42では穀物乾燥機で乾燥する米の重量についての情報を入力する。品種41で入力したそれぞれの品種に対応する処理量42を入力する。処理量42は、穀物乾燥機に張り込む籾の重量を入力する。つまり、刈り取り直後の水分値が約25%の状態の籾の重量値を処理量42として入力する。処理量合計部分には、入力されたそれぞれの処理量42を合算した値が処理量合計として入力される。
【0042】
処理量42を入力後、稼働期間43を入力する。稼働期間43は穀物乾燥機で処理量42に入力した処理量の籾を乾燥させるのに必要な穀物乾燥機の稼働期間を記入する。稼働期間43は、実際に穀物乾燥機が稼働する日数を入力するようにする。例えば、週末だけ刈り取りを行い、乾燥処理を行う場合、週末と週末の間の穀物乾燥機が稼働しない期間については稼働期間としてカウントしない。稼働期間の合計部分には、入力されたそれぞれの稼働期間43を合算した値が稼働期間合計として入力される。
【0043】
使用条件入力画面40で品種41、処理量42、稼働期間43を入力した後、入力画面に表示されている「選定処理実施」ボタン45を押下することにより、通信部12(
図1を参照)を経由してサーバ(データベースサーバ)10の演算部100内の入力情報取得部101に入力した品種41、処理量42、稼働期間43の情報が取得され、記憶部102に保存される(
図5のステップ022)。取得された入力データから使用条件検討部104で穀物乾燥機のランニングコストの計算を行う(
図5のステップS023)。
【0044】
使用条件検討部104には、穀物乾燥機のランニングコストを計算するための計算式(図示しない)が備えられており、据付空間となる第1寸法情報32に設置可能となったすべての全長サイズ(標準仕様の穀物乾燥機と全長サイズを長くした穀物乾燥機)の穀物乾燥機について、ランニングコストの計算を行う。計算式ではまず、米の品種(うるち米、もち米、醸造米、うるち米(飼料用)など)で計算式の種類を選択し、処理量42、稼働期間43に入力された数値を計算式に入力することで、設置可能となった全長サイズを変更した穀物乾燥機で刈り取った籾を乾燥処理する際に必要となる乾燥時間、バーナ燃料の消費量、穀物乾燥機の消費電力量について計算を行う。
【0045】
穀物乾燥機の運転条件としては、水分値が25%(W.b.)の籾を水分値15%(W.b.)まで乾燥させると仮定して計算を行う。例えば、米の種類がうるち米(飼料用)となっている場合、乾燥処理時の胴割れなどの対策を行う必要がないため、乾燥運転時の加熱時間を長くし、加える熱量を多くする。さらに乾燥運転の間に設けられる休止乾燥(テンパリング)時間を短く設定することで、処理量42、稼働期間43に入力された数値が同じであったとしても、品種41が異なる場合には、乾燥終了までの時間が短くなる。
【0046】
また、品種41で入力した米の数が複数ある場合、単純に稼働期間43を積み上げて計算するだけでなく、米の品種の切り換えに必要となる時間についても計算式を設けて費用としてランニングコストに追加するようにしてもよい。さらに、穀物乾燥機の運転条件として、使用者や使用地域などの環境条件や燃料費を設定してもよい。例えば、初期設定画面(図示しない)を設け、張り込み時の水分値、乾燥終了後の水分値、使用する地域の平均気温や平均湿度、燃料1L当たりの価格や電力代を設定、入力することで、より正確なランニングコストを計算することが可能となる。
【0047】
上記、使用条件検討部104で計算される穀物乾燥機のランニングコストは穀物乾燥機を1シーズン使用した場合に必要となる概算コストである。ランニングコストについては、複数年使用する場合を想定して計算を行う。本実施例では5年間穀物乾燥機を使用する場合でランニングコストを計算し、算出されたランニングコストと穀物乾燥機の本体価格(概算)を足し合わせることで、全長サイズを変更した穀物乾燥機を設置した場合に必要となるトータル費用について比較を行い、穀物乾燥機全長選定部105にて最もトータル費用が安価となるパターンの全長サイズを選定する(
図5のステップS024)。ランニングコストの費用については、例えば初期設定で3年、5年、10年など複数の選択肢を選択できるようにしてもよいし、使用者が年数を決めて入力できるようにしてもよい。
【0048】
選定された穀物乾燥機は選定結果出力部106によって情報端末2の出力部13に表示される。出力部13に表示される選定結果は
図7に示すように、選定画面50として表示される(
図2のステップS009)。表示される選定画面50には、穀物乾燥機全長選定部105で選定された穀物乾燥機の全長サイズにあらかじめチェックが入った状態で出力される。複数種類の穀物乾燥機について、全長サイズの選定を行った場合は、すべての機種について選定画面50を表示する。
【0049】
全長を長くした穀物乾燥機が設置可能(
図2のステップS005がYesの場合)との判定になった場合でも、使用条件による全長サイズ選定処理を行う必要がない場合は、使用条件入力画面40で使用条件に関する値を入力することなく、使用条件入力画面40に表示されている「選定処理をスキップ」ボタン44を押下することで、全長サイズ選定処理を行わずに設置可能となった標準サイズの穀物乾燥機が選定結果出力部106によって情報端末2の出力部13に選定画面50として表示される(
図2のステップS009)。
【0050】
全長変更した穀物乾燥機の設置判定処理(
図2のステップS005)の結果、全長サイズを長くした穀物乾燥機が設置不可(
図2のステップS005がNoの場合)との判定になった場合、全長を長くした穀物乾燥機は設置できない。そのため、設置可能となった標準サイズの穀物乾燥機が選定結果出力部106によって情報端末2の出力部13に選定画面50として表示される(
図2のステップS009)。
【0051】
基本寸法設置可否判定処理(
図2のステップS004)の結果、仕様情報に入力された希望する容量の標準仕様の穀物乾燥機が設置不可(
図2のステップS004がNoの場合)との判定になった場合、標準仕様の穀物乾燥機の高さ方向及び/又は奥行方向の寸法を変更することで、希望する容量となる穀物乾燥機が設置可能であるか判定を行う(
図2のステップS007)。
【0052】
寸法変更による穀物乾燥機の設置判定処理については、演算部100の設置可否判定部103にて行う。設置可否判定部103では穀物乾燥機の寸法を変更しながら穀物乾燥機の容量の計算を行う。このとき奥行方向に変更できる寸法幅については、前記全長変更した穀物乾燥機の設置判定処理(
図2のステップS005)と同様に、全長方向を長くするための寸法幅が決められているが、全長方向を短くする場合においても短くできる寸法幅が決められている。例えば、全長幅を標準仕様の1/2倍とし、それに合わせて全高を2倍とした場合、籾を張り込んだ際の重心位置は高くなるが、穀物乾燥機の底部の設置面積は1/2倍と小さくなってしまう。そうすると、穀物乾燥機の安定性が悪くなるため、全長方向を短くできる幅については設置時の安全性を考慮して例えば、標準の全長サイズの0.7倍までとするなど限界値を設けておくことで、据付空間となる第1寸法情報32に対して極端なサイズの穀物乾燥機が選定されないようにする。
【0053】
穀物乾燥機の寸法を変更することで、希望する容量の穀物乾燥機が設置可能となった場合(
図2のステップS007がYesの場合)には、設置可能となった穀物乾燥機が選定結果出力部106によって、情報端末2の出力部13に選定画面50として出力される(
図2のステップS009)。
【0054】
穀物乾燥機の寸法を変更しても、希望する容量の穀物乾燥機が設置不可となった場合(
図2のステップS007がNoの場合)には、選定処理2に至り、穀物乾燥機の選定を行う(
図2のステップS008)。
【0055】
ここで選定処理2について、
図6に基づいて詳細に説明する。
選定処理2では、入力画面30(
図3参照)に入力された仕様条件の穀物乾燥機は寸法を変更しても設置不可との判定となるため、入力画面30に入力された据付空間となる第1寸法情報32に設置可能となる最大寸法の穀物乾燥機を選定する。
【0056】
選定処理2では、まず、オプション有無判定を行う(
図6のステップS031)。これは、オプション品であるスロワ、トップセパレータが入力画面30のオプション33で選択されているか否かについて判定を行う。スロワ、トップセパレータのオプション品は、設置することにより穀物乾燥機の寸法サイズが変更されるため、オプションとして選択されているか否かを判定する。
【0057】
オプション有無判定の結果、オプション有りとの判定になった場合(
図6のステップS031でYesの場合)、オプションを取付けた状態と、オプションを取外した状態の2パターンで設置可能な穀物乾燥機を選定する(
図6のステップS022)。オプションを取付けた状態の穀物乾燥機の寸法は、寸法変更による穀物乾燥機設置判定処理(
図2のステップS007)において計算された設置可能な最大容量の穀物乾燥機が選定される。オプションを取外した状態の穀物乾燥機の寸法は、演算部100の設置可否判定部103にて設置可能となる穀物乾燥機の寸法(最大容量は希望容量とする)を計算し、計算された設置可能な最大容量の穀物乾燥機となる寸法の穀物乾燥機が選定される。選定されたオプション有りとオプション無しの2パターンの穀物乾燥機が選定結果出力部106によって、情報端末2の出力部13に選定画面50として出力される(
図2のステップS009)。
【0058】
オプション有無判定の結果でオプション有りとの判定になった場合、入力画面30に入力された仕様情報から、演算部100の設置可否判定部103では、オプション有りの寸法で設置可否判定を行っている。しかしながら、オプションを取外すことによって、希望する容量の穀物乾燥機が設置できる可能性もある。そのため、オプション有無の2パターンで設置可能な穀物乾燥機を選定することにより、使用者に選択肢を与えることが可能となる。
【0059】
選定処理2のオプション有無判定において、オプションが無いと判定された場合(
図6のステップS031がNoの場合)、寸法変更による穀物乾燥機設置判定処理に至り、設置可能な最大容量の穀物乾燥機が選定される(
図6のステップS033)。選定された穀物乾燥機は選定結果出力部105によって、情報端末2の出力部13に選定画面50として出力される(
図2のステップS009)。
【0060】
選定画面について、
図7に基づいて詳細に説明する。選定画面50では、穀物乾燥機選定部105で選定された穀物乾燥機の乾燥機容量51、乾燥機型式52、乾燥機全長53、乾燥機全高、全幅54について記載された状態となっている。乾燥機全長52は、穀物乾燥機選定部105で選定された全長サイズにチェックが入った状態で表示されている。乾燥機全高、全幅53では、全長サイズに合わせて穀物乾燥機の高さが決定され、決定された値が記載される。全幅については、標準サイズから変更されることはないため、標準サイズの全幅の値が記載される。選定画面50では、入力されていないオプション55、各種付帯品56について選択画面にて選択を行う。
【0061】
オプション55については、入力画面30のオプションの有無に関する情報34で、オプション有を選択していた場合のみスロワ、トップセパレータについて選択することが可能となる。入力画面30のオプションの有無に関する情報34にて、オプション無を選択していた場合、選定画面50のオプション55でスロワ、トップセパレータのオプション品を選択することはできない。
【0062】
その際はあらかじめ「選択無し」にチェックが入った状態で、スロワ、トップセパレータの選択ボタンをチェックできなくなるようにする。もしくはオプション選択画面にスロワ、トップセパレータが出てこないようにしてもよい。さらに、入力画面30のオプションの有無に関する情報34でオプション有を選択していた場合に、購入時にオプションが必要ない場合には、「選択無し」を選ぶことでオプション無しの状態で穀物乾燥機を購入することもできる。
【0063】
各種付帯品では、昇降機、昇降機排出方法、送風機、送風機取付方法、張込条件、張込方法に関する付帯品情報56を選択して入力する。これら入力する項目についてはラジオボタンやリストを用いて複数の項目から1つの項目を選択する選択形式でもよく、情報端末2の入力部11を用いて入力フォームに数値や文字を直接入力する方式でも良い。入力項目については、穀物乾燥機の前後に設置されている機器の種類によって、例えば、昇降機の設置位置や排出方法などが限定されることにより選択できなくなる項目がある場合には、選択ボタンを選べないようにすることもできる。
【0064】
選定画面50にて、設置するオプション55、付帯品情報56を選定し、選定画面50に表示されている「選定処理実施」ボタン57を押下することで、選定した穀物乾燥機を選定結果出力部106によって、情報端末2の出力部13に選定結果60として出力される(
図2のステップS010)。
【0065】
図8の選定結果60には、選定画面50よって選定された穀物乾燥機情報が記載されている。記載される内容としては、穀物乾燥機の容量である穀物乾燥機容量情報61、設置する穀物乾燥機の型式である穀物乾燥機型式情報62、設置する穀物乾燥機の寸法である機体寸法図情報63、その他、選定画面50でオプション55として選択されたオプション情報64、付帯品情報56に入力した付帯品情報65である。
【0066】
選定結果60下部には、部品リスト一覧66と見積作成67のボタンが配置される。部品リスト一覧66を押下すると、穀物乾燥機の選定システムによって選定された穀物乾燥機に必要となる部品リスト(図示せず)が作成され、情報端末2の出力部13に出力される。搬送部のスクリュー、穀物繰り出しロールなどの部品については穀物乾燥機の奥行寸法の変更幅に合わせたものが必要となる。これら寸法の変更が必要な部品についてはデータベース110に記憶されたパーツ情報格納部152内の部品寸法が変更される寸法幅に合わせて自動的に計算され、変更されたサイズで部品リストに表示される。
【0067】
選定結果60の見積作成67を押下すると、選定された穀物乾燥機の見積書が作成され、情報端末2の出力部13に出力される。
図9に示すように、見積書70には、穀物乾燥機本体、付属品、オプション、部品等の金額が表示され、金額以外として、型式、数量、寸法などの情報が表示される。
また、見積書に表示される内容としては、穀物乾燥機の運送費用や据付費用などが記載されていても良い。
【0068】
以上のように、本実施形態によれば、サーバ(データベースサーバ)にPC(パーソナルコンピュータ)やスマートフォン等の情報端末でアクセスし、穀物乾燥機の選定システムを使用して、穀物乾燥機を設置する設置空間の寸法情報や希望する穀物乾燥機の容量などの仕様情報を入力し、設置空間に標準仕様の穀物乾燥機が設置可能な場合、使用条件検討部で入力された使用条件を検討して最適な穀物乾燥機の選定を行うため、使用状況に最も適した穀物乾燥機を提示することが可能となる。
【0069】
また、情報端末2とサーバ(データベースサーバ)10とを通信する実施形態について説明をしてきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれる。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の組み合わせ、または、省略が可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 穀物乾燥機の選定システム
2 情報端末
10 サーバ(データベースサーバ)
100 演算部
101 入力情報取得部
102 記憶部
103 設置可否判定部
104 使用条件検討部
105 穀物乾燥機選定部
106 選定結果出力部
150 データベース
151 穀物乾燥機情報格納部
30 入力画面
31 穀物乾燥機容量
32 第一寸法情報
60 出力画面
70 見積書