IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 川澄化学工業株式会社の特許一覧 ▶ 住友ベークライト株式会社の特許一覧

特開2024-80342胃瘻カテーテルおよび胃瘻カテーテルの製造方法
<>
  • 特開-胃瘻カテーテルおよび胃瘻カテーテルの製造方法 図1
  • 特開-胃瘻カテーテルおよび胃瘻カテーテルの製造方法 図2
  • 特開-胃瘻カテーテルおよび胃瘻カテーテルの製造方法 図3
  • 特開-胃瘻カテーテルおよび胃瘻カテーテルの製造方法 図4
  • 特開-胃瘻カテーテルおよび胃瘻カテーテルの製造方法 図5
  • 特開-胃瘻カテーテルおよび胃瘻カテーテルの製造方法 図6
  • 特開-胃瘻カテーテルおよび胃瘻カテーテルの製造方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080342
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】胃瘻カテーテルおよび胃瘻カテーテルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61J 15/00 20060101AFI20240606BHJP
   A61M 25/02 20060101ALI20240606BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
A61J15/00 Z
A61M25/02 504
A61M25/00 502
A61M25/00 540
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193450
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】000200035
【氏名又は名称】SBカワスミ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】佐山 祐亮
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 圭司
【テーマコード(参考)】
4C047
4C267
【Fターム(参考)】
4C047NN16
4C267AA02
4C267BB02
4C267BB25
4C267BB34
4C267BB40
4C267CC20
4C267FF01
4C267HH18
(57)【要約】
【課題】キャップ内に収容されたときバンパーがキャップに対して傾きにくい胃瘻カテーテルおよびかかる胃瘻カテーテルの製造方法を提供する。
【解決手段】胃瘻カテーテルは、シャフト20とバンパー10とキャップとを備える。シャフトはルーメンが通孔形成されており、ルーメンの軸線方向に延在している。バンパー10はシャフト20の先端に設けられており、可撓性で縮径可能である。キャップは縮径したバンパー10に着脱可能に外装されており、バンパー10を縮径状態で保持する。バンパー10は、バンパー10の周縁11上に偶数個かつ四個以上の折曲げ点110を有する。周縁11で隣り合った二つの折曲げ点110において、周縁11がシャフト20の延在方向の互いに異なる向きに凸になるように折り曲げられてバンパー10は縮径している。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルーメンが通孔形成されてルーメンの軸線方向に延在するシャフトと、
前記シャフトの先端に設けられた可撓性で縮径可能なバンパーと、
縮径した前記バンパーに着脱可能に外装されて前記バンパーを縮径状態で保持するキャップと、を備える胃瘻カテーテルであって、
前記バンパーは、前記バンパーの周縁上に偶数個かつ四個以上の折曲げ点を有し、
前記バンパーは、前記周縁で隣り合った二つの折曲げ点において前記周縁が前記シャフトの延在方向の互いに異なる向きに凸になるように折り曲げられて縮径している、胃瘻カテーテル。
【請求項2】
前記バンパーの前記周縁は二以上の対称面に関してそれぞれ面対称である、請求項1に記載の胃瘻カテーテル。
【請求項3】
前記キャップに収容された前記バンパーを拡径方向に付勢する線状部材を有し、
前記線状部材は、前記折曲げ点のそれぞれに対応する複数の屈曲点を有し、
前記屈曲点のそれぞれにおいて、前記屈曲点に対応する前記折曲げ点における前記周縁の折曲げ方向に前記線状部材は折り曲げられている、請求項2に記載の胃瘻カテーテル。
【請求項4】
前記線状部材は、前記バンパーを拡径方向に付勢または前記バンパーの縮径方向への変形を制限する付勢部と、前記シャフトの延在方向に沿う軸部と、を有し、
前記付勢部における前記軸部側の開始端において前記線状部材は前記キャップの先端に向けて凸になるように折曲げられており、
前記付勢部の前記開始端の近傍に配置される前記折曲げ点において、前記周縁が前記キャップの先端に向けて凸になるように折られている、請求項3に記載の胃瘻カテーテル。
【請求項5】
前記線状部材は、前記付勢部の前記開始端と前記軸部とに挟まれた仲介部を有し、
前記仲介部と前記軸部とは交差しており、
前記開始端の近傍に配置される一の前記折曲げ点を含む一方側における前記キャップに対する前記バンパーの付勢力は、前記一方側と対向する他方側における前記キャップに対する前記バンパーの付勢力よりも大きい、請求項4に記載の胃瘻カテーテル。
【請求項6】
前記バンパーは先端に開口部を有し、
拡径状態において前記開口部は前記シャフトの延在方向に前記ルーメンと重なり合っており、
縮径状態においても前記バンパーの開口部の少なくとも一部と前記ルーメンとは、前記シャフトの延在方向に重なっている、請求項5に記載の胃瘻カテーテル。
【請求項7】
前記バンパーは、前記周縁および先端の開口部を含んで構成される先端面を有し、
前記バンパーは、周縁上に互いに交互に配置される複数の第一の折曲げ点および複数の第二の折曲げ点を有し、
前記第一の折曲げ点のそれぞれにおいて前記先端面が内向きまたは外向きになるように折畳まれている、請求項1から6に記載の胃瘻カテーテル。
【請求項8】
前記第一の折曲げ点のそれぞれと、前記延在方向における前記先端面の中心と、を結ぶ線を折り目として、前記先端面の少なくとも一部が折畳まれている、請求項7に記載の胃瘻カテーテル。
【請求項9】
前記折曲げ点が四つである、請求項8に記載の胃瘻カテーテル。
【請求項10】
前記バンパーは、前記周縁を含んで構成される側周面を有し、
前記バンパーは、周縁上に互いに交互に配置される複数の第一の折曲げ点および複数の第二の折曲げ点を有し、
前記側周面が、前記シャフトの軸心および前記第一の折曲げ点を通り前記シャフトの延在方向に延びる平面に押し潰されている、請求項1から6に記載の胃瘻カテーテル。
【請求項11】
ルーメンが通孔形成されてルーメンの軸線方向に延在するシャフトと、
前記シャフトの先端に設けられた可撓性で縮径可能なバンパーと、
縮径した前記バンパーに着脱可能に外装されて前記バンパーを縮径状態で保持するキャップと、を備える胃瘻カテーテルの製造方法であって、
前記バンパーが周縁上に互いに交互に配置される複数の第一の折曲げ点および複数の第二の折曲げ点を有し、
前記バンパーの周縁の一部と他の一部とが互いに近づけられて、複数の前記第一の折曲げ点で前記周縁が折り曲げられる第一折曲工程と、
複数の前記第一の折曲げ点が互いに近づけられて、複数の第二の折曲げ点で前記周縁が折り曲げられる第二折曲工程と、
前記第二折曲工程で縮径した前記バンパーに前記キャップが着脱可能に外装される装着工程と、を含む、胃瘻カテーテルの製造方法。
【請求項12】
前記第一折曲工程において、
前記バンパーの前記周縁および開口部を含む先端面が、内向きまたは外向きになるように、前記先端面が折畳まれる、請求項11に記載の胃瘻カテーテルの製造方法。
【請求項13】
前記バンパーは側周面と、前記周縁および開口部を含む先端面と、を有し、
前記第一折曲工程において、
前記第二の折曲げ点が前記シャフトの延在方向と直交する方向に移動して、前記先端面が押し潰され、前記側周面が折畳まれる、請求項11に記載の胃瘻カテーテルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、胃瘻カテーテルおよびかかる胃瘻カテーテルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
胃瘻カテーテルには、胃内に配置されるバンパーをキャップの内部に収納して提供されるものがある。
この種の技術に関し、下記特許文献1には、胃内に配置されるバンパーである内部ボルスタ(30)がカプセル(62)によって覆われて収容された胃瘻カテーテルが開示されている。
具体的には、内部ボルスタ(30)は、自然な状態では半楕円形の円盤状であり、円盤状部分が折畳まれて円筒形のカプセル(62)に収容されている。カプセル(62)に内部ボルスタ(30)を収容する際には組立て治具(70)が用いられる。具体的には、同文献の図5のように組立て治具(70)には円錐型空洞(79)が設けられており、内部ボルスタ(30)は当該円錐型空洞(79)へ通されながら折畳まれて、カプセルホルダー(72)内に設置されたカプセル(62)へ収容される。
胃瘻カテーテルを胃内に据え付けるときは、カプセル(62)が取り外されることで、折り畳まれていた内部ボルスタ(30)はカプセル(62)による拘束が解かれて拡径する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2005-511206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようにキャップ(特許文献1におけるカプセル(62))にバンパー(特許文献1における内部ボルスタ(30))を収容する場合、バンパーは組立て治具の円錐形空洞に単に押し込まれて折り畳まれるため、バンパーの一部は不定形に折畳まれる。例えば、キャップの先端側から見たとき、バンパーがキャップの内側の一部に偏って配置されていることがある。具体的には、特許文献1の図3Bでは、キャップの先端側から見たときバンパーの周縁同士が重複するようにバンパーが折畳まれている。周縁が重複するよう折畳まれたバンパーはシャフト(特許文献1における管状部分(16))の径方向の一部(同図の紙面手前側の一部)に重なりながらかたまって配置され、シャフトの径方向の他の一部(同図の紙面奥側の一部)にはかたまって配置されていない。この場合、折り畳まれたバンパーの復元力によってキャップ内においてバンパーが傾いて配置されうる。キャップ内においてバンパー(特にバンパーの周縁)は拡径方向に広がろうとするが、バンパーの周縁が偏在する径方向の一部では、バンパーによりキャップの内側面が強く付勢され、バンパーがあまり配置されなかった径方向の他の一部では、キャップの内側面が当該一部ほど付勢されないためである。
キャップ内においてキャップの中心軸に対してバンパーが傾いて配置されると、キャップが外しづらくなる等、胃瘻カテーテルを胃内に留置するときに不具合が生じうる。
【0005】
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、キャップ内に収容されたときバンパーがキャップに対して傾きにくい胃瘻カテーテルおよびかかる胃瘻カテーテルの製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の胃瘻カテーテルは、ルーメンが通孔形成されてルーメンの軸線方向に延在するシャフトと、前記シャフトの先端に設けられた可撓性で縮径可能なバンパーと、縮径した前記バンパーに着脱可能に外装されて前記バンパーを縮径状態で保持するキャップと、を備える胃瘻カテーテルであって、前記バンパーは、前記バンパーの周縁上に偶数個かつ四個以上の折曲げ点を有し、前記バンパーは、前記周縁で隣り合った二つの折曲げ点において前記周縁が前記シャフトの延在方向の互いに異なる向きに凸になるように折り曲げられて縮径していることを特徴とする。
【0007】
本発明の胃瘻カテーテルの製造方法は、ルーメンが通孔形成されてルーメンの軸線方向に延在するシャフトと、前記シャフトの先端に設けられた可撓性で縮径可能なバンパーと、縮径した前記バンパーに着脱可能に外装されて前記バンパーを縮径状態で保持するキャップと、を備える胃瘻カテーテルの製造方法であって、前記バンパーが周縁上に互いに交互に配置される複数の第一の折曲げ点および複数の第二の折曲げ点を有し、前記バンパーの周縁の一部と他の一部とが互いに近づけられて、複数の前記第一の折曲げ点で前記周縁が折り曲げられる第一折曲工程と、複数の前記第一の折曲げ点が互いに近づけられて、複数の第二の折曲げ点で前記周縁が折り曲げられる第二折曲工程と、前記第二折曲工程で縮径した前記バンパーに前記キャップが着脱可能に外装される装着工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
上記発明の胃瘻カテーテルにおいては、バンパーの周縁が四個以上の折曲げ点においてシャフトの延在方向に山折り谷折りされてバンパーが縮径している。これによって、バンパーの周縁が周方向によれることがない。すなわち先端側から見てバンパーの周縁が重ならず、バンパーの周縁がシャフトの径方向の一部に重複して偏在することが防止される。これにより、バンパーの周縁によるキャップの内側面に対する付勢力が径方向の一部に偏ってかかることが防止されるため、キャップ内部でバンパーが傾くことが防止される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の胃瘻カテーテルによれば、キャップに対して傾かずにバンパーがキャップ内に収容される。これにより、例えばキャップの取り外しが容易となる他、キャップを取り外したときにバンパーが拡径しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1(a)は本発明の第一実施形態にかかる胃瘻カテーテルの一例を示す模式図である。図1(b)は第一実施形態にかかる胃瘻カテーテルがキャップを外されて拡径状態となったときの模式図である。
図2図2(a)および図2(b)は第一実施形態にかかる拡径状態の胃瘻カテーテルにおける先端の一部の斜視図である。図2(b)においては内層の基端側の一部と外層を図示省略している。
図3図3(a)は第一実施形態にかかる拡径状態の胃瘻カテーテルを図2(a)中の一点鎖線で示す面に沿う断面を矢線III-IIIの方向に見た縦断面図である。図3(b)は第一実施形態にかかる拡径状態の胃瘻カテーテルを先端側から見たときの模式図である。
図4図4(a)は第一実施形態にかかる縮径状態の胃瘻カテーテルにおける先端の一部の模式図である。図4(b)は第一実施形態にかかる縮径状態の胃瘻カテーテルを先端側から見たときの模式図である。
図5図5は第一実施形態にかかる縮径状態の胃瘻カテーテルの縦断面図である。
図6図6(a)は第一実施形態にかかる拡径状態の胃瘻カテーテルにおける線状部材の先端の一部を示す斜視図である。図6(b)は第一折曲工程を終えた線状部材の先端の一部を示す斜視図である。図6(c)は第一実施形態にかかる縮径状態の胃瘻カテーテルにおける線状部材の先端の一部を示す斜視図である。
図7図7(a)は第二実施形態にかかる第一折曲工程を終えた線状部材の先端の一部を示す斜視図である。図7(b)は第二実施形態にかかる縮径状態の胃瘻カテーテルにおける線状部材の先端の一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の胃瘻カテーテルの各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
また、本発明の胃瘻カテーテルの製造方法を、順番に記載された複数の工程を用いて説明する場合があるが、その記載の順番は複数の工程を実行する順番やタイミングを限定するものではない。このため、本発明の胃瘻カテーテルの製造方法を実施するときには、その複数の工程の順番は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数の工程の実行タイミングの一部または全部が互いに重複していてもよい。
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各図面において、対応する構成要素には共通の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
また、本発明でいう平面とは、平面を目標として物理的に形成した形状を意味しており、当然ながら幾何学的に完全な平面であることは要しない。
【0013】
<第一実施形態>
(胃瘻カテーテル)
図1(a)および図1(b)は、本発明の第一の実施形態にかかる胃瘻カテーテル100の一例を示す正面模式図である。図1(a)においてバンパー10の折畳み形状は図示省略している。
【0014】
はじめに、本実施形態の胃瘻カテーテル100の概要について説明する。
胃瘻カテーテルは、シャフト20とバンパー10とキャップ30とを備える。シャフトはルーメン21が通孔形成されており、ルーメン21の軸線方向に延在している。バンパー10はシャフト20の先端に設けられており、可撓性で縮径可能である。キャップ30は縮径したバンパー10に着脱可能に外装されており、バンパー10を縮径状態で保持する。
【0015】
次に、本実施形態の胃瘻カテーテル100について詳細に説明する。
シャフト20は、胃の内部と体外とを通じさせる瘻孔(図示せず)に挿通されて少なくとも一部が瘻孔内に配置される長尺の部材である。シャフト20の断面は本実施形態のように円形状でも、多角形状でもよい。胃瘻カテーテル100において、体外に配置される側(図1(a)における紙面上側)を基端側、胃の内部に配置される側(図1(a)における紙面下側)を先端側と呼称する。
ルーメン21(図3(a)参照)は、シャフト20の内部に形成されて、体外と胃の内部とを通じさせるための孔である。ルーメン21を通じて、体外から胃の内部へ栄養剤が供給される。ルーメン21はシャフト20の基端と先端とを繋ぐ方向に延在するように設けられる。すなわちルーメン21の軸線方向とは基端と先端とを繋ぐ方向である。以下、単に軸線方向といったときはルーメン21の軸線方向を意味する。図3(a)に図示されるように本実施形態では、ルーメン21を形成するシャフト20の内壁の一部が、軸線方向の中途において基端側から先端側に窄まる形状のテーパー形状に形成されている。
図3(b)に図示されるように、本実施形態においてルーメン21の断面は、略円形である。ルーメン21の断面は多角形状等でもよい。また、本実施形態では、先端側から見てシャフト20の中央にルーメン21が設けられているが、これに限られない。先端側から見たときのシャフト20の中央とルーメン21の中央がずれるようにルーメン21が形成されていてもよい。
【0016】
バンパー10は、胃瘻カテーテル100が使用者に設置されたときに胃の内部に配置される部材である。後述するキャップ30による径方向の内向きの外力を与えていない自然状態において、バンパー10は、軸線方向から見たときシャフト20(または瘻孔)の寸法および形状よりも大きな寸法および形状を有している。換言すれば、軸線方向から見たバンパー10の外周縁の全ては、軸線方向から見たシャフト20(または瘻孔)の外周縁よりもシャフト20の径方向の外側に配置されている。シャフト20の断面が円形状か多角形状かに関わらず、シャフト20の径方向とは、シャフト20の軸線からシャフトの外側面に放射状に向かう方向である。以下、シャフト20における径方向を単に径方向と呼称することがある。
軸線方向からみてバンパー10がシャフト20(または瘻孔)よりも大きな寸法および形状を有している状態をバンパー10が拡径している、または拡径状態であると呼称する。縮径状態とは、軸線方向からみて、バンパー10が拡径状態よりも小さな寸法または形状を有していることをいう。拡径状態から縮径状態に遷移することを縮径するといい、縮径状態から拡径状態に遷移することを拡径するという。また、後述する線状部材50(付勢部51)についても同様に拡径状態、または縮径状態の語を用いることがある。
【0017】
本実施形態における拡径状態のバンパー10は、図3(b)に図示されるように、軸線方向からみて外縁が星形(六芒星)形状となるように形成されている。また、バンパー10の先端側には、開口部14が設けられている。開口部14は、ルーメン21と連通している。本実施形態において開口部14の形状は軸線方向からみたバンパー10の形状と同じで星形形状であり、開口部14の寸法はバンパー10の最大径よりも小さく、ルーメン21の最大径よりも大きい。本実施形態に代えて、開口部14が軸線方向からみたときのバンパー10の最大径となるようにしてもよい。
【0018】
図3(a)に図示されるように、バンパー10は外層12および内層13を含む。外層12とは、径方向においてバンパー10の外側を構成する薄膜の部材である。内層13は径方向においてバンパー10の内側を構成する薄膜の部材である。外層12と内層13との間には空間(中空部15)があり、中空部15には後述する線状部材50の一部が配置されている。中空部15は外層12と内層13とに囲まれている空間であるが、外層12および内層13に加えてさらにその他の部材によって閉じられていてもよく、一部が他の空間に通じていてもよい。本実施形態において、中空部15は先端側において外層12と内層13とによって閉じられており、基端側において後述するサブルーメン22と通じている。
図2(a)に図示されるように外層12は基端側の大径部12aと先端側の小径部12bとを含む。本実施形態において大径部12aは、基端側から先端側に向けて中途(具体的には後述する周縁11)までは大径となるように形成されて、後述する周縁11より先端側に向けては窄まるように形成されている。本実施形態において、大径部12aの基端側から周縁11までの外表面を側周面17と呼び、大径部12aの周縁11から先端側までの外表面を先端面16(図3(a)参照)と呼ぶ。
大径部12aには径方向の内側に窪んで軸線方向に沿って延在する凹部12a1が、バンパー10の周方向に複数形成されている。本実施形態において、バンパー10の周方向に略等間隔で六つの凹部12a1が形成された結果、軸線方向からみたバンパー10の形状が星形となっている。
小径部12bは、基端側から先端側にかけて形状および寸法は同じであり、具体的には大径部12aの先端側と同等の形状および寸法である。小径部12bは大径部12aと同様に、径方向の内側に窪んで軸線方向に沿って延在する凹部12b1を、バンパー10の周方向に複数有する。大径部12aの凹部12a1および小径部12bの凹部12b1は軸線方向からみて重なる位置に配置されている。すなわち、大径部12aの凹部12a1と小径部12bの凹部12b1とは軸線方向に続くひと続きの凹部を形成している。
図2(b)に図示されるように、内層13は基端側の傾斜部13aと先端側の先端部13bとを含む。傾斜部13aは、基端側から先端側に向けて大径となるように形成されている。傾斜部13aおよび先端部13bには、径方向の内側に窪んで軸線方向に沿って形成された凹部13a1または凹部13b1がそれぞれ形成されている。また、凹部13a1および凹部13b1は軸線方向から見て重なるよう配置され、傾斜部13aの凹部13a1と先端部13bの凹部13b1とは軸線方向に沿うひと続きの凹部を形成している。
図3(a)に図示されるように、外層12の小径部12b(図2(a)参照)の内側面と内層13の先端部13b(図2(b)参照)の外側面とが接して固着されている。すなわち、バンパー10を形成する薄膜のうち開口部14を形成する一部は、他の一部(シャフト20に固着している部分を除いて中空部15とバンパー10の外部とを隔てている一部)よりも肉厚に形成されている。
【0019】
図2(b)および図3(a)に図示されるように、シャフト20の外面のうち先端側の部分は先端に向かって小径となる階段状に形成されている。シャフト20は、基端側に筒部20aを有し、筒部20aよりも先端側に筒部20aに続けて第一先端部20bを有する。第一先端部20bの外側面は筒部20aの外側面よりも径方向の内側に配置されている。シャフト20は第一先端部20bよりも先端側に第一先端部20bに続けて、さらに第二先端部20cを有する。第二先端部20cの外側面は第一先端部20bの外側面よりも径方向の内側に配置されている。径方向における第一先端部20bの外側において、第一先端部20bの外側面を一周するように外層12の基端側の一部が配置されている。図3(a)に図示されるように本実施形態において、筒部20aの外側面と第一先端部20bの外側面との径方向における高さの差は、外層12の基端側の一部の厚さと同等である。すなわち、筒部20aの外側面と外層12の外側面とはおよそ連なっている。また、第二先端部20cの径方向における外側において、第二先端部20cの外側面を一周するように内層13が配置されている。本実施形態において、第一先端部20bの外側面と第二先端部20cの外側面との径方向における高さの差は、内層13の基端側の一部における厚さよりも大きくなっている。
【0020】
上述した通り、バンパー10は可撓性を有して縮径可能である。バンパー10が可撓性を有するとは、バンパー10の一部(外層12または内層13等)を折畳んだり押潰したりしてバンパー10を縮径状態にできる程度に十分な柔軟性を有し、また縮径状態のバンパー10が自己拡開力により拡径状態に復元することをいう。好ましくは、外層12または内層13等のバンパー10の面状の一部を手指の力で変形させて湾曲面とすることが可能であり、さらに好ましくは湾曲面の湾曲中心となる仮想的な線(折り目)を介した一方の面と他方の面とが略平行となることができる程度に十分な柔軟性をバンパー10は有している。
【0021】
キャップ30はバンパー10を縮径状態で保持するための部材である。図5に図示されるように本実施形態においてキャップ30はバンパー10を径方向の外側および先端側において覆っている。本実施形態では、キャップ30の先端において軸線方向からみて中央に孔31が設けられている。孔31は軸線方向にみてルーメン21と重なっている。本実施形態の形状に限られず、縮径状態のバンパー10の外側を隙間なく覆う緻密な面状のキャップ30でもよく、線状やメッシュ状で隙間がある部材で構成されたキャップ30であって縮径状態のバンパー10を拘束するものでもよい。また、本実施形態では径方向からみてバンパー10の全長さ領域(軸線方向における全長さ領域)をキャップ30が覆っているが、これに代えて、径方向からみてバンパー10の一部長さ領域(軸線方向における一部長さ領域)のみをキャップ30が覆っていてもよい。
キャップ30の内側面は、縮径状態のバンパー10によって径方向の外向きに付勢されている。バンパー10による付勢に耐えるために十分な強度および剛性を有することによって、キャップ30はバンパー10を縮径状態で保持している。
図5に図示されるように、外層12における基端側の一部(肉厚部12c)は、周方向全部において径方向の外側に向かって突出するように肉厚となっている。本実施形態では、キャップ30の内径が、肉厚部12cの外径よりも若干小さく、肉厚部12cはキャップ30の内側面に圧接している。これにより、キャップ30はバンパー10から不測に外れないよう係止されている。本実施形態に代えて、シャフト20(筒部20a)の外側面に径方向の外側への突出部が設けられ、当該突出部によりキャップ30が外れないよう係止されていてもよい。また、縮径したバンパー10がキャップ30の内側面を径方向の外向きに付勢することによってキャップ30の脱離が防止されていてもよい。
胃瘻カテーテル100を瘻孔に挿通した後、先端側から把持鉗子等の器具によってキャップ30を引っ張って取り外す、またはルーメン21を通じて基端側から挿通されてキャップ30の孔31の直径よりも太径の心棒によって基端側からキャップ30を押し出して突き落とすことによって、キャップ30は胃瘻カテーテル100から脱離する。縮径状態にバンパー10を保持するキャップ30が胃瘻カテーテル100から脱離すると、バンパー10は拡径し、胃瘻カテーテル100が瘻孔から抜去されることを防止する。
キャップ30はセルロース等の易消化性の材料で作られていてもよい。その場合、脱離したキャップ30は消化器官にて消化されるためキャップ30を回収する工程を省略できる。
【0022】
図1(a)に図示されるように本実施形態において、シャフト20の基端側には、体表当接部40が設けられている。体表当接部40は、胃瘻カテーテル100を腹部に設置したとき腹部の体表面(図示せず)に当接することにより胃瘻カテーテル100が瘻孔内に埋もれることがないように体外に固定するための部位である。体表当接部40は、シャフト20の軸心方向に垂直な少なくとも一方向においてシャフト20よりも大きく形成されている。本実施形態における体表当接部40は、軸心方向に垂直な一方向の両側においてシャフト20よりも大きく形成されている。体表当接部40にはルーメン21と連通する開口(図示せず)が形成されており、栄養剤は当該開口およびルーメン21を通じて胃の内部へ供給される。体表当接部40はストラップ41を有しており、ストラップ41には開口を封止するための蓋部42が形成されている。
【0023】
バンパー10は、図4(a)に図示されるように縮径して、キャップ30内部に収められている。図4(a)および図4(b)において、バンパー10の側周面17および先端面16の折畳み状態、およびキャップ30は図示省略している。また、簡略化のためバンパー10の周縁11の星形形状は図示省略し、拡径状態の周縁11の形状が円形状であるものとして図示している。図4(a)においては線状部材50の先端側の一部およびシャフト20の先端側の一部を点線にて表している。
より具体的には以下のようにバンパー10は縮径している。バンパー10は、バンパー10の周縁11上に偶数個かつ四個以上の折曲げ点110を有する。本実施形態においては、折曲げ点110は四個(図4(a)における110a~110d)である。周縁11で隣り合った二つの折曲げ点110において、周縁11がシャフト20の延在方向の互いに異なる向きに凸になるように折り曲げられてバンパー10は縮径している。
ここでバンパー10の周縁11とは、拡径状態において軸線方向からみてバンパー10における最も大径の部分の外周縁である。図2(a)に図示されて上述するようにバンパー10の外層12は基端側から先端に向けて中途(周縁11)までは径方向に大きくなり、中途から先端に向けてさらに径方向に小さくなっている。すなわち、本実施形態における周縁11は、軸線方向の中途において大径部12aを一周する部分である。周縁11は、バンパー10の最も先端側の外周縁であっても、軸線方向における中途の外周縁であってもよい。例えば、バンパー10が先端に向けて単調に大径となるラッパ状に形成されている場合は、バンパー10の最も先端側の外周縁(開口部14を形成するバンパー10の一部)が周縁11となる。
【0024】
折曲げ点110とは、バンパー10を縮径するために周縁11が折り曲げられたとき、折曲げのための起点となる周縁11上の点である。折り曲げるとは、角状に折られることに限られず、湾曲することも含み、周縁11が湾曲している場合は湾曲の中心となる点が折曲げ点110となる。より具体的には、周縁11の一部長さ領域と当該一部長さ領域と隣り合う他の一部長さ領域とが為す角度が90度以下になるように周縁11を折り曲げた場合の、折曲げの中心となる点が折曲げ点110である。
また、拡径状態において既に周縁11が屈曲している場合の当該屈曲の中心(図3(b)における後述する屈曲中心18)は、折曲げ点110には含まない。具体的には、バンパー10は拡径状態において特定の立体形状を維持するように予め形成されており、当該立体形状に合わせて周縁11が拡径状態において既に屈曲していることがある。例えば本実施形態では上述したようにバンパー10は拡径状態において襞を有する形状に予め形成されており、周縁11は星型形状となっている。すなわち、図3(b)に図示されるように、拡径状態において周縁11は既に径方向の外向きに凸または凹になるよう屈曲しているが、当該凸部分および当該凹部分の屈曲中心18は折曲げ点110に含めない。但し、バンパー10を縮径するために当該凸部分または凹部分で周縁11がさらに折り曲げられた場合は、当該部分は折曲げ点110とされる。
以下において、折曲げ点110を第一折曲げ点111および第二折曲げ点112として呼び分けることがある。第一折曲げ点111および第二折曲げ点112は、周縁11において互いに交互に配置されている。第一折曲げ点111および第二折曲げ点112の数はいずれも折曲げ点110の数の半分である。第一折曲げ点111および第二折曲げ点112は互いに逆の配置でもよい。すなわち、本実施形態において第一折曲げ点111としている点を第二折曲げ点112としてもよく、本実施形態において第二折曲げ点112としている点が第一折曲げ点111であってもよい。その場合、後述する胃瘻カテーテル100の製造方法において、折曲げ点110における折曲げ方向が逆となる。
【0025】
周縁11が所定の向きに凸になるように折られるとは、折曲げ点110が所定の向きの方に配置され、折り曲げられた周縁11は所定の向きの反対に向かって開口している状態を意味する。ここで所定の向きとはキャップの先端に向かう向き(先端向き)またはシャフトの基端に向かう向き(基端向き)である。
図4(a)に図示されるように、折曲げ点110と、当該折曲げ点110に隣り合う折曲げ点110と、の間の周縁11の一部長さ領域は、軸線方向に沿うように配置されている。当該一部長さ領域は、軸線方向と略平行でもよく、軸線方向に対して斜めに配置されていてもよい。
また、周縁11がシャフト20の延在方向の互いに異なる向きに凸になるように折り曲げられてバンパー10が縮径したとき、周縁11は拡径状態における周縁11よりも径方向の内側に配置されている。
【0026】
所定の向きに凸になるよう折り曲げられた周縁11の一部(折曲げ点110を中央として折曲げ点110の近傍である周縁11の一部長さ領域。以下、折曲げ領域という。)は、折曲げ状態を解消しようと、折曲げ点110を介した一方の長さ領域と他方の長さ領域とを開いて本来の形状(本実施形態では緩やかな弧状)に戻ろうとする。キャップ30の内側面においてバンパー10(特に周縁11)が接した部分には、折曲げ領域が折曲げ状態を解消して復元しようとする力が加わる。これにより、キャップ30の内側面はバンパー10による径方向外向きの付勢力を与えられる。周縁11のうちの折曲げ点110がキャップ30の内側面に接していても接していなくてもよく、周縁11が折曲げ点110において内側面を付勢していてもしていなくてもよい。例えば、周縁11のうち一の折曲げ点110と、当該一の折曲げ点110に隣り合う他の折曲げ点110と、の間の一部長さ領域のみがキャップ30の内側面に接しており、一の折曲げ点110および他の折曲げ点110がキャップ30の内側面に接していなくてもよい。
また、キャップ30の内側面におけるバンパー10と接する一部には、上述したバンパー10の復元による付勢力に加えて、バンパー10の厚みによる付勢力が加わっていてもよい。
【0027】
隣り合う二つの折曲げ点110において周縁11が互いに異なる方向に凸になるよう折り曲げられていることによって、周縁11は折曲げ点110において山折りまたは谷折りを順に繰り返して折り曲げられて径方向の内側に寄せられている。
これによって、軸線方向から見て周縁11が重複して配置されることがなく、キャップ30の内側面に対する周縁11の付勢力が径方向の一部に偏ることが防止される。これにより、径方向の一部にバンパー10の付勢力が偏ってキャップ30内でバンパー10が軸線方向に対して傾くこと、すなわちバンパー10がキャップ30に対して傾くことが防止される。
ここで、キャップ30内でバンパー10が軸線方向に対して傾くとは、バンパー10においてルーメン21と開口部14とを連通させる孔の軸線方向が、シャフト20の軸線方向に対して大きく傾いていることをいう。本実施形態では上述の効果によってバンパー10が軸線方向に対して大きく傾いてはいない。好ましくは、先端側から見て開口部14とルーメン21とが重なっている。さらに好ましくは、先端側から見て開口部14とキャップ30の孔31とが重なっている。
【0028】
図4(b)に図示されるように縮径状態のバンパー10の周縁11は、二以上の対称面に関してそれぞれ面対称である。
ここで対称面とは、軸線方向に平行であり、かつ先端側から見たときのバンパー10の中央Xおよび少なくとも一つの折曲げ点110を通る面である。軸線方向においてバンパー10の中央Xはシャフト20の中心点と一致することが好ましいがずれていてもよい。より具体的には対称面の数は、バンパー10が有する折曲げ点110の数の半分であることが好ましい。折曲げ点110が四つである本実施形態において、対称面の数は二つ(バンパー10の中央Xを通って紙面の上下を繋ぐ線で表現できる面、およびバンパー10の中央Xを通って紙面の左右を繋ぐ線で表現できる面)である。
周縁11が、一の対称面に関して面対称であるとは、周縁11において面対称の位置に折曲げ点110が配置されており、当該対称面において対称な位置に配置されている一対の折曲げ点110は同じ向き(基端向きまたは先端向き)に凸になるように折られていることを意味する。例えば図4(b)に図示されるように、バンパー10の中央Xを通って紙面の上下を繋ぐ線で表現できる面(図4(b)中の一点鎖線に沿う面)に対して、第二折曲げ点112,112は互いに面対称の位置に配置されており、いずれの第二折曲げ点112においてもキャップの先端に向けて凸になるように周縁11が折り曲げられている。また、バンパー10の中央Xを通って紙面の左右を繋ぐ線で表現できる面に対して第一折曲げ点111,111は面対称の位置に配置されており、いずれの第一折曲げ点111においても基端向きに周縁11が折り曲げられている。換言すると、軸線方向にみて周縁11の折曲げ形状は、中央Xにおいて点対称である。
ただし、一対の折曲げ点110が面対称の位置にあるとは、折曲げ点110が対称面に関して完全に面対称の位置であることを要しない。バンパー10がキャップ30内に配置されたときにバンパー10の周縁11がキャップ30の内側面に対して与える付勢力が不均等になってキャップの内部でバンパーが傾いて配置されることがない程度に、完全な面対称の位置から折曲げ点110の位置が若干ずれていてもよい。
好ましくは本実施形態のように、先端側からみたとき周縁11上において折曲げ点110が略等間隔に配置されている。また、同一の向き(先端向きまたは基端向き)に凸になるように折り曲げられる折曲げ点110同士(第一折曲げ点111同士または第二折曲げ点112同士)についても、先端側からみたとき周縁11上で等距離を保つように配置されている。
【0029】
周縁11が対称面を有するように折曲げられていることで、キャップ30の内側面が一周にわたっておよそ均一に付勢され、キャップ30内においてバンパー10が軸線方向に対して傾く(キャップ30に対して傾く)ことをより良好に防止できる。
【0030】
胃瘻カテーテル100は、キャップ30に収容されたバンパー10を拡径方向に付勢する線状部材50を有する。
以下、図6(a)から図6(c)を用いて線状部材50について説明する。図6(a)から図6(c)においてバンパーは図示省略され、線状部材50のみが図示される。また、図6(a)および図6(b)では、屈曲前の周縁11においても屈曲予定の位置に屈曲点510の符号を便宜上付している。さらに、後述する屈曲点510と対応する第一折曲げ点111または第二折曲げ点112の符号が括弧書きにて付されている。また、図6(b)および図6(c)においては、線状部材50が複数回周回する様子を図示省略している。
線状部材50は、弾性復元力を有する部材であり、例えば超弾性合金で作られた部材である。線状部材50の基端側の一端部は体表当接部40の内部または外部に配置されることが好ましい。胃瘻カテーテル100を使用者の瘻孔から抜き取る場合には、体表当接部40内に配置される線状部材50の基端側の一部を引き、サブルーメン22を通じて後述する付勢部51をバンパー10内から抜去する。これによりバンパー10を縮径させながら胃瘻カテーテル100を瘻孔から抜き取ることができ、胃瘻カテーテル100の抜去に伴う使用者の負担を軽減できる。
【0031】
図6(a)に図示されるように、線状部材50は、バンパー10を拡径方向に付勢または縮径方向への変形を制限する付勢部51を有する。図3(a)に図示されるように付勢部51はバンパー10の径方向の内側に配置される。また、図3(a)および図3(b)に図示されるように拡径状態において付勢部51を構成する線状部材50に囲まれた面は、シャフト20の軸心方向から見て全体として一定の面積を有する。具体的には、拡径状態における付勢部51の面積は、シャフト20(または瘻孔)の断面積より大きい。このため付勢部51は瘻孔から胃瘻カテーテル100が抜けることを防止できる。より具体的には、バンパー10の内部に配置された付勢部51はバンパー10を拡径方向に付勢している、またはバンパー10が縮径状態に変形しようとしたときその変形を防止する。付勢部51によって拡径状態が保たれているバンパー10は、胃瘻カテーテル100が瘻孔から抜けることを防止している。本実施形態では、図3(a)に図示されるように付勢部51は、外層12の内側に配置されて、周縁11において拡径方向に外層12を付勢、または縮径しようとする外層12の変形を制限している。より詳細には、図3(b)に図示されるように、付勢部51(図6(a)参照)は、周縁11の少なくとも一部(本実施形態においては星形形状の周縁11の凹み部分であり、軸線方向における凹部12a1の中途部分)に内接または近接するようにバンパー10の内部に配置されている。
本実施形態において、図6(a)に図示されるように付勢部51は、線状部材50の端部が一または複数回(本実施形態においては二回)、円形状に周回するように形成された部分である。付勢部51は、円に限られず多角形状に周回するように形成されていてもよい。付勢部51(周回している線状部材50。以下、周回部51ともいう)は、図3(b)に図示されるように周縁11に沿うように配置される。ここで周回部51と周縁11とが沿うとは、周回部51と周縁11とが互いに近接して配置されていればよく、周回部51の形状と周縁11の形状とが一致していなくてもよい。例えば、本実施形態において周回部51は円形状であり、周縁11は星形状であるが、周回部51と周縁11とは互いに近接して配置されており互いに沿った状態である。
図6(a)に図示されるように、周回部51の終端は、軸線方向からみた周回部51の中央に向けて内向きに湾曲している。また、周回部51の終端は球状となっている。これによって、線状部材50によってバンパー10が傷つけられることが防止される。
本実施形態に代えて、付勢部51は軸線方向に垂直な面上にランダムまたは規則的に線状部材を配置した形状でもよい。例えば軸線方向から見た中心から径方向の複数方向に往復してできた星形形状でもよい。具体的には径方向の四方向に線状部材50を往復させると、軸線方向にみて付勢部51は十字型の形状となる。
【0032】
線状部材50(付勢部51)は、折曲げ点110のそれぞれに対応する複数の屈曲点510(図4(a)参照)を有する。屈曲点510のそれぞれにおいて、屈曲点510に対応する折曲げ点110における周縁11の折曲げ方向(軸線方向の一方)に線状部材50は折り曲げられている。
図4(a)に図示されるように、付勢部51は屈曲点510において折り曲げられている。付勢部51は折曲げ点110の数と同じ数(本実施形態においては四個)の屈曲点510を有する。折り曲げられた線状部材50は自身の復元力によって縮径状態のバンパー10の外層12を内側から径方向の外向きに付勢する。
ここで屈曲点510とは、線状部材50を拡径状態から縮径するために折り曲げたときに折曲げの中心となる点である。線状部材50を折曲げるとは線状部材50が湾曲していることも含む。特に、線状部材50の一部長さ領域と他の一部長さ領域とがなす角度が90度以下となるように折曲げられたときの折曲げの中心を屈曲点510という。円形状の周回部51である付勢部51は、先端側または基端側が凸になるように折り曲げられており、当該凸形状の先端側または基端側の先端が屈曲点510である。
ただし、線状部材50は、予め折り曲げられて形成されている場合があるが、拡径状態における当該折曲げ部分については屈曲点510に含まない。ここで線状部材50が予め折曲げられているとは、外力を与えられてない自然な状態(拡径状態)において折曲げられた形状になるように線状部材50が賦形されていることをいう。例えば、本実施形態において、図6(a)に図示されるように、拡径状態における線状部材50は、付勢部51と後述する仲介部53との境界(折曲げ中心54a)、付勢部51の終端(折曲げ中心54b)および仲介部53と軸部52との境界(折曲げ中心54c)において折り曲げられて形成されているが、これらの折曲げ中心54は屈曲点510に含まない。但し、線状部材50を縮径するために折曲げ中心54において線状部材50がさらに折り曲げられた場合には折曲げ中心54は屈曲点510となる。
折曲げ点110のそれぞれと屈曲点510とが対応しているとは、一つの折曲げ点110と一つの屈曲点510とが互いに近傍にあることを意味する。すなわち、バンパー10の周縁11と周回部51とは、互いに近傍の位置で同様の折曲げ向きで折れ曲がることで、全体として互いに沿うように配置されている。
このように、バンパー10の拡径を制御する線状部材50をバンパー10の周縁11に沿うように折曲げて配置することで、線状部材50の拡径によってバンパー10を拡径することができる。
【0033】
線状部材50は付勢部51に加えて、シャフト20の延在方向に沿う軸部52を有する。図3(a)に図示されるように、軸部52の一部はサブルーメン22に配置される。サブルーメン22は、シャフト20に軸線方向に延在して形成された、軸部52が挿通される長尺の孔である。サブルーメン22の断面は線状部材50が挿通するために十分な寸法および形状を有する。
図6(c)に図示されるように本実施形態において、付勢部51における軸部52側の開始端513において、線状部材50はキャップ30の先端に向けて凸になるように折り曲げられている。すなわち、開始端513が屈曲点510の一つである。付勢部51における軸部52側の開始端513とは、付勢部51を形成する周回している線状部材50の両端のうち、線状部材50上における軸部52からの距離が短い方の一端である。本実施形態においては、仲介部53と付勢部51との境界が開始端513である。
本実施形態では図6(a)に図示されるように、仲介部53と周回部51との境界において線状部材50は角状に折れるのではなく湾曲している。本実施形態では、仲介部53の直線部分の延長上にある周回部51上の点を開始端513とする。
また、図4(a)に図示されるように付勢部51の開始端513の近傍に配置される折曲げ点110(近傍折曲げ点110a)において、周縁11がキャップ30の先端に向けて凸になるように折られている。すなわち、開始端513と重なる屈曲点510における線状部材50の折曲げ方向と、開始端513と重なる屈曲点510に対応する折曲げ点110(近傍折曲げ点110a)における周縁11の折曲げ方向と、は同一方向である。
開始端513が先端向きに凸になるように線状部材50を折り曲げた場合、軸部52と後述する仲介部53との間を折り曲げることなく、軸部52と仲介部53とを略直線状に配置することができる。これによって、線状部材50が互いに干渉することを防止でき、線状部材50を径方向に小さく縮径させることができる。
本実施形態に代えて、開始端513において基端向きに凸になるように線状部材50を折り曲げてもよい。
【0034】
図6(a)に図示されるように、線状部材50は、付勢部51の開始端513と軸部52とに挟まれた仲介部53を有する。本実施形態では拡径状態において仲介部53は付勢部51が延在する面(軸線方向に対して垂直な面)に延在するように配置されているが、これに限られない。例えば、外層12の斜面(側周面17)に沿うように軸線方向に対して斜めに仲介部53が配置されていてもよい。また、本実施形態において仲介部53の長さは周回部51の幅(周回部51が円形状の場合は周回部51の直径)の半分より小さい。これにより、拡径状態においても縮径状態においても先端側から見て軸部52は周回部51とバンパー10の中央の間に配置される。このため、図3(a)に図示されるように軸部52はシャフト20の中央でなくシャフト20の径方向の外側の一部のサブルーメン22に挿通される。
仲介部53と軸部52とは交差している。図6(a)に図示されるように、拡径状態において線状部材50は、仲介部53と軸部52との境界において予め湾曲した形状に形成されている。また、図6(c)に図示されるように、縮径状態においても、仲介部53と軸部52とは直線上に配置されることなく、境界において若干折れ曲がった状態を維持している。本実施形態では縮径状態において径方向から見て仲介部53と付勢部51とは重複して配置されている。
開始端513の近傍に配置される一の折曲げ点110(近傍折曲げ点110a(図4(a)参照))を含む一部長さ領域におけるキャップ30に対するバンパー10の付勢力は、一部長さ領域と対向する他の一部長さ領域におけるキャップ30に対するバンパー10の付勢力よりも大きい。近傍折曲げ点110aを含む一部長さ領域とは、近傍折曲げ点110aを中央とする周縁11の一部長さ領域(以下、開始端側領域)のことである。より具体的には、図4(a)に図示されるように、開始端側領域とは、近傍折曲げ点110aに隣り合う折曲げ点110,110の間の長さ領域であり、本実施形態においては折曲げ点110cから近傍折曲げ点110aを通って折曲げ点110dに至るまでの周縁11の一部長さ領域である。他の一部長さ領域とは、当該折曲げ点110と同じ向きに折り曲げられた他の折曲げ点110(本実施形態においては対向折曲げ点110bのみ該当)のうち当該折曲げ点110と最も遠い折曲げ点110(対向折曲げ点110b)を中央とする周縁11の一部長さ領域(以下、他方側領域)である。具体的には、他方側領域は、対向折曲げ点110bに隣り合う折曲げ点110cから対向折曲げ点110bを通って、対向折曲げ点110bの隣り合う他の折曲げ点110dに至るまでの周縁11の一部長さ領域である。
本実施形態のように折曲げ点110が四個の場合、開始端側領域および他方側領域は周縁11の半分の長さ領域となる。折曲げ点110が六個の場合は、開始端513の近傍の折曲げ点110(近傍折曲げ点110a)と同じ向きに折り曲げられている折曲げ点110は近傍折曲げ点110aの他に二つあり、当該二つの折曲げ点110と近傍折曲げ点110aとのそれぞれの距離は同等である。この場合において、他方側領域は、二つの折曲げ点110のそれぞれを中央とする二つの一部長さ領域である。このように、他方側領域とは、開始端側領域に対して複数あってもよい。
開始端側領域および他方側領域は、少なくとも一部においてキャップ30の内側面に接してキャップ30の内側面を径方向の外向きに付勢する。開始端領域および他方側領域は、折曲げ点110を含まない部分のみがキャップ30の内側面に接して付勢していてもよく、折曲げ点110を含む部分がキャップ30の内側面を付勢していてもよい。
上述した通り、キャップ30の内側面に対する開始端側領域による付勢力は、キャップ30の内側面に対する他方側領域による付勢力よりも若干大きい。これは、近傍折曲げ点110aにおいては、折曲げを解消して付勢部51の形状を復元しようとする線状部材50の径方向外向きの付勢力に加えて、仲介部53と軸部52との境界における屈曲形状を復元しようとする線状部材50の径方向外向きの付勢力が加わるためである。これにより、縮径状態のバンパー10は軸線方向に対してわずかに傾く。具体的には、先端側から見たときバンパー10の開口部14は、バンパー10の中央に対してサブルーメン22が配置されている側と反対側(図4(b)における紙面右側)にわずかにずれる。当該ずれおよび傾きについて図4(b)では図示省略している。
【0035】
サブルーメン22(図3(a)および図3(b)参照)をシャフト20に設けるために、ルーメン21をシャフトの中央からずらして設ける場合がある。すなわち、先端側から見たときルーメン21の中央がシャフトの中央よりもサブルーメン22が配置される側と反対側にずれている場合がある。一方、本実施形態ではキャップ30に収容された縮径状態のバンパー10において仲介部53はシャフトの中央よりもサブルーメン22の側に配置され、サブルーメン22の側から反対側に向かう付勢力が卓越する。このため、上述のようにサブルーメン22が配置される側と反対側にバンパー10の開口部14が偏位することによって、縮径状態において開口部14とルーメン21とが連通しやすくなる。これにより、例えばルーメン21および開口部14に心棒を通してキャップ30を突き落とすことが容易になる。また、瘻孔に予め留置されたガイドワイヤ(図示せず)の後端をシャフト20のルーメン21に通してオーバーザワイヤの手技によって胃瘻カテーテル100を瘻孔に挿入するにあたり、まずキャップ30の孔31に通したガイドワイヤの後端をバンパー10の開口部14からシャフト20のルーメン21へと容易に挿通することができる。
【0036】
上述のように、バンパー10は先端に開口部14を有する。図3(b)に図示されるように、拡径状態において開口部14はシャフト20の延在方向にルーメン21と重なり合っている。本実施形態のように先端側から見たとき、開口部14内にルーメン21の全部が配置されていることが好ましいが、これに限られない。先端側から見たとき、開口部14の一部とルーメン21の一部とが重なっており、開口部14の他の一部とルーメン21の他の一部とが重なっていなくてもよい。
図4(b)に図示されるように、縮径状態においてもバンパー10の開口部の少なくとも一部とルーメン21とは、シャフト20の延在方向に重なっている。本実施形態においては、先端側から見たとき、開口部14の全部がルーメン21と重なっているが、これに限られない。開口部14の一部のみとルーメン21の一部のみとが重なっていてもよい。図4(b)では、開口部14の形状を便宜上星形としているが、バンパー10の折畳み方によって星形形状が崩れていることがある。
このように、拡径状態においても重なっているバンパー10の開口部14とルーメン21とが、縮径状態においても連通していることによって、縮径状態においてキャップ30内でバンパー10が傾いていないことを目視で確認できる。また、ルーメン21および開口部14を通じて基端側から心棒を挿通することで、キャップ30を突き落とすことも可能となる。
【0037】
バンパー10は、周縁11および先端の開口部14を含んで構成される先端面16を有する。図3(b)に図示されるように本実施形態においては、先端面16とは先端側から見える外層12の表面の一部であり、周縁11と開口部14との間に配置される面である。先端面16は、本実施形態のように軸線方向に略垂直であってもよく、軸線方向に対して斜めに配置されていてもよい。バンパー10が基端側から開口部14に向けて広がった形状をしている場合は、開口部14を構成する面、すなわちバンパー10の端面が先端面16である。当該端面の幅が狭い場合は、先端面16が実質的に線であってもよい。
上述の通り、バンパー10は、周縁11上に互いに交互に配置される複数の第一の折曲げ点(第一折曲げ点111)および複数の第二の折曲げ点(第二折曲げ点112)を有する。
第一折曲げ点111のそれぞれにおいて先端面16が内向きまたは外向きになるように折畳まれている。すなわち、第一折曲げ点111のそれぞれと、シャフト20の延在方向(軸線方向)における先端面16の中心と、を結ぶ線(図3(b)における点線II)を折り目として、先端面16の少なくとも一部が折り畳まれている。ここで先端面16の中心とは、拡径状態のバンパー10を軸線方向からみたときの中心(図3(b)における中央Y)である。所定の線を折り目に先端面16の一部が折り畳まれるとは、先端面16が当該折り目を中心に面直(面外)方向に山折りまたは谷折りされていることをいう。好ましくは、当該一定の領域のうち折り目を挟んだ一方側の面と他方側の面とが沿うように湾曲する。面同士が沿っているとは、一方の面に湾曲部分があった場合、当該湾曲部分と近接する他方の面の一部も同方向に湾曲していることをいう。
折曲げ点110が四個である本実施形態においては、二つの第一折曲げ点111と中央Yとを通って先端面16を二分する線を折り目として、先端面16が内向きになるよう、先端面16が全体的に山折りに折畳まれている。すなわち、先端面16において当該折り目を挟んで一方側の面と他方側の面とが沿っている。図3(b)には折畳み前のバンパー10を図示しているが、縮径状態における折曲げ点110に対応する位置に第一折曲げ点111および第二折曲げ点112の符号を付している。
本実施形態に代えて、二つの第一折曲げ点111と中央Yとを通って先端面16を二分する線を折り目として、先端面16が外向きになるよう先端面16が全体的に谷折りに折畳まれてもよい。
【0038】
(胃瘻カテーテルの製造方法)
以下、図6(a)から図6(c)を用いて本実施形態の胃瘻カテーテルを製造するための方法(以下、本方法という場合がある。)について説明する。
【0039】
はじめに、本方法の概要について説明する。
上述の通り、本方法で製造する胃瘻カテーテル100は、ルーメン21が通孔形成されてルーメン21の軸線方向に延在するシャフト20と、シャフト20の先端に設けられた可撓性で縮径可能なバンパー10と、縮径したバンパー10に着脱可能に外装されてバンパー10を縮径状態で保持するキャップ30と、を備える。また、バンパー10が周縁上に互いに交互に配置される複数の第一折曲げ点111および複数の第二折曲げ点112を有する。
本実施形態の胃瘻カテーテル100は、拡径状態のバンパー10を縮径させてキャップ30内に収容することで製造される。具体的に本方法は、後述する第一折曲工程と、第二折曲工程と、装着工程と、を含む。
【0040】
つぎに、本方法を詳細に説明する。
まず、拡径状態のバンパー10に対して、第一折曲工程が行われる。周縁11が線状部材50の付勢部51の縁に沿うようにしてバンパー10は折畳まれる。
【0041】
図6(b)に図示されるように第一折曲工程においては、バンパー10の周縁11の一部と他の一部とが互いに近づけられて、複数の第一折曲げ点111で周縁11が折り曲げられる。具体的には、各第一折曲げ点111に隣り合う一方の第二折曲げ点112(例えば折曲げ点110a)から当該第一折曲げ点111までの一部長さ領域と、当該第一折曲げ点111に隣り合う他方の第二折曲げ点112(例えば折曲げ点110b)から当該第一折曲げ点111までの一部長さ領域と、が近づくように、周縁11が折り曲げられる。折曲げ点110が四個である本実施形態においては、周縁11のうち二つの第一折曲げ点111,111によって分断される一方の一部長さ領域と他方の一部長さ領域とが重なるように近づいて周縁11が折り曲げられる。換言すると、第二折曲げ点112のそれぞれを中心とする半弧同士が重なるように周縁11が半分に折り曲げられる。
第一折曲工程において、先端面16(図3(a)および図3(b)参照)が内向きまたは外向きになるように先端面16が折畳まれる。本実施形態では、第二折曲げ点112が先端向きかつ径方向の内向きに移動するようにして、周縁11が折曲げられ、先端面16が内向きになるように先端面16が折畳まれる。このため、第一折曲工程によって、仲介部53と軸部52とがなす角度は大きくなり、略直線上に配置される。また、第二折曲げ点112が先端向きに移動することによって、バンパー10の側周面17(図3(a)参照)のうち第二折曲げ点112の近傍の一部は、軸線方向に張力を与えられる。
本実施形態に代えて、第二折曲げ点112を基端向きかつ径方向の内向きに移動するように周縁11を折り曲げてもよい。この場合、先端面16が外向きになるように先端面16が折畳まれ、仲介部53と軸部52とがなす角度は小さくなって仲介部53と軸部52とは互いに近接する。また、側周面17は軸線方向に直交する線を折り目として折畳まれる。
【0042】
第一折曲工程において、周縁11に沿う線状部材50(周回部51)は、周縁11の折曲げに伴って折り曲げられる。具体的には、第二折曲げ点112に対応する屈曲点512同士が近づき、第一折曲げ点111に対応する屈曲点511において線状部材50は折り曲げられる。
第一折曲工程後の周縁11および付勢部51は半弧状となる。また、先端面16は、バンパー10の中央Y(図3(b)参照)と第一折曲げ点111を結ぶ線を折り目として折畳まれた状態となる。
【0043】
本実施形態のように折曲げ点110が四個である場合、第一折曲げ点111の数は二つであり、当該二つの第一折曲げ点111は、先端側から見たときのバンパー10の中央Yについて点対称に配置される。換言すると、二つの第一折曲げ点111および中央Yは同一線上に配置される。このため、折曲げ点110の数が四個の場合には、第一折曲げ点111および中央Yを通る線を折り目として周縁11全体を折曲げることによって、二つの第一折曲げ点111において周縁11を容易に折曲げることができる。
【0044】
図6(c)に図示されるように、第二折曲工程において複数の第一折曲げ点111が互いに近づけられて、複数の第二折曲げ点112で周縁11が折り曲げられる。複数の第一折曲げ点111は、図6(b)における位置から径方向の内向きに移動することで互いに近づく。第二折曲げ点112において周縁11は第一折曲げ点111の折曲げ向きとは反対の向きに凸になるように折曲げられる。
周縁11が第二折曲げ点112で折曲げられることに伴って、周縁11に沿う周回部51は、第二折曲げ点112に対応する屈曲点512で折り曲げられる。
【0045】
屈曲点510同士の間における周回部51の一部長さ領域は、弧状であってもよく、直線状であってもよい。例えば当該一部長さ領域の一端を基端向きまたは先端向きに引っ張って当該一部長さ領域に張力を与えて当該一部長さ領域を直線状に伸ばしてもよい。または、当該一部長さ領域に対して径方向内向きの外力を与えて当該一部長さ領域を直線状に伸ばしてもよい。
【0046】
装着工程においては、第二折曲工程で縮径したバンパー10にキャップ30が着脱可能に外装される。装着工程では、装着用治具を用いてもよい。例えば、筒状の通孔が形成されている第一治具と凹部が形成されている第二治具とを用いてもよい。具体的には、第一治具の通孔に縮径したバンパー10(図6(c)の状態のバンパー10)を挿入し、第一治具の通孔の一端に、凹部へキャップ30を設置した第二治具を配置し、バンパー10を第一治具から第二治具へ移動させるようにしてキャップ30内に押入してもよい。バンパー10はキャップ30の基端側から先端側に向けてキャップ30に挿入される。すなわち、キャップ30はバンパー10の先端側から順に覆うようにしてバンパー10に外装される。第二折曲工程と装着工程とが一部並行して実施されてもよい。例えば、第二折曲げ点112で周縁11を折曲げながらキャップ30の内部にバンパー10の一部を押し込み、周縁11がキャップ30の内部に押し込まれながらさらに折り曲げられてバンパー10が縮径するようにしてもよい。
また、図5に図示されるようにキャップ30の基端側の一部がシャフト20の先端側の一部(特に肉厚部12c)を覆うまでキャップ30がはめ込まれるとよい。これによりシャフト20およびバンパー10からキャップ30が不測に外れることが防止される。さらに、バンパー10によってキャップ30の内側面が径方向の外向きに付勢されることにより、キャップ30がバンパー10から外れることがより良好に防止されている。
【0047】
<第二実施形態>
本実施形態は、第一実施形態と第一折曲工程および第二折曲工程において相違点があるが、本実施形態の胃瘻カテーテルの製造方法が第一折曲工程、第二折曲工程および装着工程を含む点では共通する。
(胃瘻カテーテルの製造方法)
図7(a)および図7(b)は第二実施形態の胃瘻カテーテル100の製造方法を説明するための図である。図7(a)および図7(b)においては、バンパー10を図示省略し、線状部材50のみを図示する。また、屈曲前の周縁11においても屈曲予定の位置に屈曲点510の符号を便宜上付し、括弧書きにて屈曲点510と対応する第一折曲げ点111または第二折曲げ点112の符号が付されている。後述するように、本実施形態における開始端513に対応する折曲げ点110(近傍折曲げ点110a)が第一折曲げ点111となっており、近傍折曲げ点110aを第二折曲げ点112としている第一実施形態とは異なる。すなわち、本実施形態と第一実施形態とにおいては、第一折曲げ点111と第二折曲げ点112とが逆の配置となっている。
【0048】
上述の通り、本方法で製造する胃瘻カテーテル100は、ルーメン21が通孔形成されてルーメン21の軸線方向に延在するシャフト20と、シャフト20の先端に設けられた可撓性で縮径可能なバンパー10と、縮径したバンパー10に着脱可能に外装されてバンパー10を縮径状態で保持するキャップ30と、を備える。また、バンパー10が周縁上に互いに交互に配置される複数の第一折曲げ点111および複数の第二折曲げ点112を有する。また、バンパー10は側周面17と、周縁11および開口部14を含む先端面16と、を有する。
本実施形態の胃瘻カテーテル100は、拡径状態のバンパー10を縮径させてキャップ30内に収容することで製造される。具体的に本方法は、後述する第一折曲工程と、第二折曲工程と、装着工程と、を含む。
【0049】
図7(a)に図示されるように第一折曲工程において、バンパー10の周縁11の一部と他の一部とが互いに近づけられて、複数の第一折曲げ点111で周縁11が折り曲げられる。本実施形態において具体的には、バンパー10に径方向の内向きの外力が加わってバンパー10が潰されることで、第二折曲げ点112がシャフト20の延在方向と直交する方向(径方向の内向き)に移動して、先端面16が押し潰され、側周面17が折畳まれる。ここで先端面16が押し潰されるとは、拡径状態の周縁11による画成される仮想的な面(先端面16を含む面)が、軸線方向と直交する所定の一方向から内向きの外力を受けて面内方向に圧縮されることをいう。所定の一方向から内向きの外力を受けた先端面16は、一部が蛇腹状に折畳まれてもよく、先端面の一部が内向きまたは外向きになるよう折畳まれてもよく、その他不定形に折畳まれてもよい。
本実施形態において側周面17が折畳まれるとは、具体的に、第一折曲げ点111を通ってシャフト20の延在方向に沿う線を折り目として、側周面17が外向きまたは内向きになるように側周面17は折畳まれることである。本実施形態のように側周面17が襞状に形成されている場合は、当該襞の稜線または谷筋(凹部12a1の中心線)を折り目として側周面17が折畳まれていてもよい。特に本実施形態においては、図3(b)に図示されるように第一折曲げ点111のそれぞれは、互いに対向する二つの襞(図3(b)において上下に突出する襞)の稜線上に配置されている。対向する一対の襞のそれぞれの稜線を折り目として側周面17が外向きになるように側周面17は折畳まれる。側周面17が襞の稜線または谷筋を折り目として折畳まれるとき、折り目となる襞以外の襞は、潰される等して不定形に折畳まれてもよい。具体的には、稜線で二分される一方の面と他方の面とが同一の面上で近接するように襞が潰されていてもよい。または、折り目となる襞以外の襞もまた、それぞれの襞の稜線を折り目に折畳まれていてもよい。具体的には、稜線を折り目に襞が面状に畳まれ、畳まれた襞は折畳まれた側周面17に沿うように倒されていてもよい。
本実施形態に代えて、第一折曲げ点111が側周面17の襞の谷筋に配置される場合には、側周面17の襞の谷筋を折り目として、側周面17が内向きになるように側周面17は折畳まれる。
折曲げ点110が四個である本実施形態において、第一折曲工程後の周縁11および付勢部51は、第一折曲げ点111を両端とする直線状となる。仲介部53は当該直線状の付勢部51に沿うように配置されている。また、側周面17は、全体として軸線方向に平行な面状に潰された形状となる。
【0050】
第二折曲工程において複数の第一折曲げ点111が互いに近づけられて、複数の第二折曲げ点112で周縁11が折り曲げられる。本実施形態では、図7(b)に図示されるように、第二折曲げ点112において先端向きに凸になるように周縁11が折り曲げられて第一折曲げ点111が径方向の内向きに移動して互いに近づく。このとき、偏平に潰された形状となった側周面17は幅方向(軸線方向と直交する方向)の外側から内向きの外力を受けて潰される。図7(b)において、仲介部53と軸部52とは径方向において互いに重なっており、仲介部53と軸部52とがなす角度は、図7(a)における当該角度よりも小さくなっている。
本実施形態に代えて、第二折曲げ点112において基端向きに凸になるように周縁11が折曲げられていてもよい。この場合、仲介部53と軸部52とは略直線上に配置され、仲介部53と軸部52とがなす角度は、図7(a)における当該角度よりも大きくなる。
装着工程においては、第一実施形態と同様に第二折曲工程で縮径したバンパー10にキャップ30が着脱可能に外装される。
【0051】
本方法によって製造される胃瘻カテーテル100は、側周面17がシャフト20の軸心および第一折曲げ点111を通りシャフト20の延在方向に延びる平面に押し潰されていることを特徴とする。ここで側周面17が所定の平面に押し潰されているとは、側周面17が所定の平面の延在方向と同方向に扁平な形状になっていることをいう。すなわち、側周面17の軸線方向と直交する断面は、所定の平面の幅方向(軸線方向と直交する方向)が長手方向となっている。
【0052】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
以下の変形例は適宜組み合わせることができる。
本実施形態においては、折曲げ点110が四個である態様を説明したが、折曲げ点110の数は六個以上の偶数個でもよい。特に、折曲げ点110の数が六個または八個であってもよい。折曲げ点110の数が多いほど、隣り合う折曲げ点110の間の周縁11の長さを短くすることができ、縮径したバンパー10の軸方向の長さを小さくすることができる。これにより、キャップ30のサイズを軸方向に小さくすることができる。
【0053】
本実施形態の胃瘻カテーテル100の製造方法は上述の方法に限られない。例えば、全ての折曲げ点110において周縁11を一度に同時に折り曲げてもよい。すなわち、第一折曲げ点111および第二折曲げ点112のそれぞれに軸線方向のそれぞれの方向から同時に外力を加えて周縁11を折曲げることでバンパー10を縮径してもよい。他にも、例えば第一実施形態の第一折曲工程においては、先端面16の中心を通らない折り目で先端面16を山折りまたは谷折りに折畳んでもよい。例えば、先端面16の縁近傍の任意の折り目において先端面16を折畳んでもよい。
【0054】
本実施形態の胃瘻カテーテル100の側周面17または先端面16は、上述の状態に限られない。周縁11が折曲げ点110において軸線方向のいずれかに凸になるように折り曲げられていれば、周縁11の位置に合わせて側周面17または先端面16は不定形に折畳まれていてもよい。
【0055】
本実施形態において、バンパー10は線状部材50の付勢力によって拡径するものであったが、これに限られない。すなわち、胃瘻カテーテル100が線状部材50を有しないで、バンパー10自身が縮径状態から拡径状態に復元する復元力を有していてもよい。例えばバンパー10は一定の厚みを有して径方向外向きに突出した形状のものでもよい。
【0056】
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)ルーメンが通孔形成されてルーメンの軸線方向に延在するシャフトと、
前記シャフトの先端に設けられた可撓性で縮径可能なバンパーと、
縮径した前記バンパーに着脱可能に外装されて前記バンパーを縮径状態で保持するキャップと、を備える胃瘻カテーテルであって、
前記バンパーは、前記バンパーの周縁上に偶数個かつ四個以上の折曲げ点を有し、
前記バンパーは、前記周縁で隣り合った二つの折曲げ点において前記周縁が前記シャフトの延在方向の互いに異なる向きに凸になるように折り曲げられて縮径している、胃瘻カテーテル。
(2)前記バンパーの前記周縁は二以上の対称面に関してそれぞれ面対称である、(1)に記載の胃瘻カテーテル。
(3)前記キャップに収容された前記バンパーを拡径方向に付勢する線状部材を有し、
前記線状部材は、前記折曲げ点のそれぞれに対応する複数の屈曲点を有し、
前記屈曲点のそれぞれにおいて、前記屈曲点に対応する前記折曲げ点における前記周縁の折曲げ方向に前記線状部材は折り曲げられている、(2)に記載の胃瘻カテーテル。
(4)前記線状部材は、前記バンパーを拡径方向に付勢または前記バンパーの縮径方向への変形を制限する付勢部と、前記シャフトの延在方向に沿う軸部と、を有し、
前記付勢部における前記軸部側の開始端において前記線状部材は前記キャップの先端に向けて凸になるように折曲げられており、
前記付勢部の前記開始端の近傍に配置される前記折曲げ点において、前記周縁が前記キャップの先端に向けて凸になるように折られている、(3)に記載の胃瘻カテーテル。
(5)前記線状部材は、前記付勢部の前記開始端と前記軸部とに挟まれた仲介部を有し、
前記仲介部と前記軸部とは交差しており、
前記開始端の近傍に配置される一の前記折曲げ点を含む一方側における前記キャップに対する前記バンパーの付勢力は、前記一方側と対向する他方側における前記キャップに対する前記バンパーの付勢力よりも大きい、(4)に記載の胃瘻カテーテル。
(6)前記バンパーは先端に開口部を有し、
拡径状態において前記開口部は前記シャフトの延在方向に前記ルーメンと重なり合っており、
縮径状態においても前記バンパーの開口部の少なくとも一部と前記ルーメンとは、前記シャフトの延在方向に重なっている、(5)に記載の胃瘻カテーテル。
(7)前記バンパーは、前記周縁および先端の開口部を含んで構成される先端面を有し、
前記バンパーは、周縁上に互いに交互に配置される複数の第一の折曲げ点および複数の第二の折曲げ点を有し、
前記第一の折曲げ点のそれぞれにおいて前記先端面が内向きまたは外向きになるように折畳まれている、(1)から(6)に記載の胃瘻カテーテル。
(8)前記第一の折曲げ点のそれぞれと、前記延在方向における前記先端面の中心と、を結ぶ線を折り目として、前記先端面の少なくとも一部が折畳まれている、(7)に記載の胃瘻カテーテル。
(9)前記折曲げ点が四つである、(8)に記載の胃瘻カテーテル。
(10)前記バンパーは、前記周縁を含んで構成される側周面を有し、
前記バンパーは、周縁上に互いに交互に配置される複数の第一の折曲げ点および複数の第二の折曲げ点を有し、
前記側周面が、前記シャフトの軸心および前記第一の折曲げ点を通り前記シャフトの延在方向に延びる平面に押し潰されている、(1)から(6)に記載の胃瘻カテーテル。
(11)ルーメンが通孔形成されてルーメンの軸線方向に延在するシャフトと、
前記シャフトの先端に設けられた可撓性で縮径可能なバンパーと、
縮径した前記バンパーに着脱可能に外装されて前記バンパーを縮径状態で保持するキャップと、を備える胃瘻カテーテルの製造方法であって、
前記バンパーが周縁上に互いに交互に配置される複数の第一の折曲げ点および複数の第二の折曲げ点を有し、
前記バンパーの周縁の一部と他の一部とが互いに近づけられて、複数の前記第一の折曲げ点で前記周縁が折り曲げられる第一折曲工程と、
複数の前記第一の折曲げ点が互いに近づけられて、複数の第二の折曲げ点で前記周縁が折り曲げられる第二折曲工程と、
前記第二折曲工程で縮径した前記バンパーに前記キャップが着脱可能に外装される装着工程と、を含む、胃瘻カテーテルの製造方法。
(12)前記第一折曲工程において、
前記バンパーの前記周縁および開口部を含む先端面が、内向きまたは外向きになるように、前記先端面が折畳まれる、(11)に記載の胃瘻カテーテルの製造方法。
(13)前記バンパーは側周面と、前記周縁および開口部を含む先端面と、を有し、
前記第一折曲工程において、
前記第二の折曲げ点が前記シャフトの延在方向と直交する方向に移動して、前記先端面が押し潰され、前記側周面が折畳まれる、(11)に記載の胃瘻カテーテルの製造方法。
【符号の説明】
【0057】
100 胃瘻カテーテル
10 バンパー
11 周縁
110,110a,110b,110c,110d 折曲げ点
110a 近傍折曲げ点
110b 対向折曲げ点
111 第一折曲げ点
112 第二折曲げ点
12 外層
12a 大径部
12a1 凹部
12b 小径部
12b1 凹部
12c 肉厚部
13 内層
13a 傾斜部
13a1 凹部
13b 先端部
13b1 凹部
14 開口部
15 中空部
16 先端面
17 側周面
18 屈曲中心
20 シャフト
20a 筒部
20b 第一先端部
20c 第二先端部
21 ルーメン
22 サブルーメン
30 キャップ
31 孔
40 当接部
41 ストラップ
42 蓋部
50 線状部材
51 付勢部、周回部
510,511,512 屈曲点
513 開始端
52 軸部
53 仲介部
54,54a,54b,54c 折曲げ中心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7