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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080344
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】画像照射装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/23 20240101AFI20240606BHJP
【FI】
B60K35/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193458
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099999
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 隆
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 雅大
【テーマコード(参考)】
3D344
【Fターム(参考)】
3D344AA21
3D344AB01
3D344AC25
(57)【要約】
【課題】画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置において、画像表示部への無用な画像の映り込みによる違和感を利用者に与えてしまうのを未然に防止可能とする。
【解決手段】表示用画像PICを生成する画像生成ユニット20と、この画像生成ユニット20からの出射光を画像表示部としてのフロントウインドウ102の表示用領域102Aへ向けて順次反射させる第1および第2反射鏡30、40とが、ハウジング50に収容された構成とする。その上で、ハウジング50の内部空間12に、画像生成ユニット20からの出射光が第1反射鏡30で反射して第2反射鏡40に入射するのを妨げない範囲内で画像生成ユニット20の周囲を覆う内部カバー70が配置された構成とする。これにより、第2反射鏡40の反射機能によって画像生成ユニット20の周辺構造や第1反射鏡30等が表示用領域102Aに映り込んでしまうのを未然に防止する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置において、
上記表示用画像を生成する画像生成ユニットと、上記画像生成ユニットからの出射光を上記画像表示部へ向けて反射させる反射鏡と、上記画像生成ユニットおよび上記反射鏡を収容するハウジングとを備えており、
上記ハウジングの内部空間に、上記画像生成ユニットから上記反射鏡への光入射を妨げない範囲内で上記画像生成ユニットの周囲を覆う内部カバーが配置されている、ことを特徴とする画像照射装置。
【請求項2】
上記ハウジングの内部空間に、上記画像生成ユニットからの出射光を上記反射鏡へ向けて反射させる1次反射鏡が配置されている、ことを特徴とする請求項1記載の画像照射装置。
【請求項3】
上記反射鏡は、凹曲線状の水平断面形状を有する凹面鏡として構成されており、
上記内部カバーは、上記反射鏡側の端縁部が上記反射鏡の下端縁形状に沿って凸曲線状に延びるように形成されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の画像照射装置。
【請求項4】
上記反射鏡は、上記ハウジングに対して左右方向に延びる軸線回りに回動可能に支持されており、
上記ハウジングは、第1ハウジングと第2ハウジングとが組み付けられた構成となっており、
上記反射鏡の側端部に、上記軸線方向に延びる軸部が形成されており、
上記第1ハウジングに、上記軸部を載置するための載置部が形成されており、
上記内部カバーに、上記載置部に載置された上記軸部に当接して上記反射鏡を位置決めするための当接部が形成されている、ことを特徴とする1または2記載の画像照射装置。
【請求項5】
上記軸部に、上記軸線方向と交差する方向に延びるレバー部材が固定されており、
上記レバー部材は、上記反射鏡を上記軸線回りに回動させるためのアクチュエータに連結されており、
上記載置部および/または上記当接部は、円弧状の凹部を有するリブで構成されており、
上記レバー部材に、上記載置部および/または上記当接部の先端部を挿通させるための挿通孔が形成されており、
上記反射鏡は、上記載置部および/または上記当接部の先端部と上記挿通孔の内側面との係合により上記軸線方向に関して位置決めされるように構成されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の画像照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車載用の画像照射装置として、車室内に配置された状態で、フロントウインドウ(すなわちウインドシールド)やその車室内側に配置された透光板等の画像表示部に表示用画像を映し出すように構成されたものが知られている。
【0003】
「特許文献1」には、このような画像照射装置として、表示用画像を生成する画像生成ユニットと、この画像生成ユニットからの出射光を画像表示部へ向けて反射させる反射鏡と、これら画像生成ユニットおよび反射鏡を収容するハウジングとを備えたものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2020/110580号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような画像照射装置においては、反射鏡の反射機能によって画像生成ユニットの周辺構造が画像表示部に映り込んでしまうことがある。
【0006】
そして、このように画像表示部に本来の表示用画像以外の無用な画像が映り込んでしまうと、利用者であるドライバーに違和感を与えてしまうこととなる。
【0007】
このような問題は、車載用以外の画像照射装置においても同様に生じ得る問題である。
【0008】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置において、画像表示部への無用な画像の映り込みによる違和感を利用者に与えてしまうのを未然に防止することができる画像照射装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明は、ハウジングの内部空間に所定の内部カバーを配置することにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0010】
すなわち、本願発明に係る画像照射装置は、
画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置において、
上記表示用画像を生成する画像生成ユニットと、上記画像生成ユニットからの出射光を上記画像表示部へ向けて反射させる反射鏡と、上記画像生成ユニットおよび上記反射鏡を収容するハウジングとを備えており、
上記ハウジングの内部空間に、上記画像生成ユニットから上記反射鏡への光入射を妨げない範囲内で上記画像生成ユニットの周囲を覆う内部カバーが配置されている、ことを特徴とするものである。
【0011】
上記「画像照射装置」は、画像表示部に表示用画像を映し出すように構成されたものであれば、その具体的な用途は特に限定されるものではなく、例えば車載用のヘッドアップディスプレイ等の用途が採用可能である。
【0012】
上記「画像表示部」は、表示用画像を映し出すように構成されたものであれば、その具体的な構成は特に限定されるものではなく、例えば車両のフロントウインドウやその車室内側に配置された透光板等が採用可能である。
【0013】
上記「画像生成ユニット」は、少なくともその一部がハウジングの内部空間に臨むように配置されていれば、必ずしもその全体がハウジングの内部空間に収容されていなくてもよい。
【0014】
上記「反射鏡」は、画像生成ユニットからの出射光を画像表示部へ向けて反射させるように構成されていれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。
【0015】
上記「内部カバー」は、画像生成ユニットから反射鏡への光入射を妨げない範囲内で画像生成ユニットの周囲を覆うように構成されていれば、その具体的な形状や配置は特に限定されるものではなく、また、ハウジングの内部空間の構造物を覆う具体的な範囲についても特に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0016】
本願発明に係る画像照射装置は、表示用画像を生成する画像生成ユニットと、この画像生成ユニットからの出射光を画像表示部へ向けて反射させる反射鏡とがハウジングに収容された構成となっているが、ハウジングの内部空間には、画像生成ユニットから反射鏡への光入射を妨げない範囲内で画像生成ユニットの周囲を覆う内部カバーが配置されているので、反射鏡の反射機能によって画像生成ユニットの周辺構造が画像表示部に映り込んでしまうのを未然に防止することができる。すなわち、画像表示部に本来の表示用画像以外の無用な画像が映り込むことによって利用者に違和感を与えてしまうのを未然に防止することができる。
【0017】
このように本願発明によれば、画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置において、画像表示部への無用な画像の映り込みによる違和感を利用者に与えてしまうのを未然に防止することができる。
【0018】
上記構成において、さらに、ハウジングの内部空間に画像生成ユニットからの出射光を反射鏡へ向けて反射させる1次反射鏡が配置された構成とすれば、画像生成ユニットの配置に自由度を持たせることが可能となる。その一方で、このような採用した場合には、画像生成ユニットの周辺構造や1次反射鏡等が反射鏡によって画像表示部に映し出されやすくなってしまうので、本願発明の構成を採用することが特に効果的である。
【0019】
上記構成において、さらに、反射鏡が凹曲線状の水平断面形状を有する凹面鏡として構成されるとともに、内部カバーにおける反射鏡側の端縁部が反射鏡の下端縁形状に沿って凸曲線状に延びるように形成された構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0020】
すなわち、反射鏡が凹曲線状の水平断面形状を有する凹面鏡として構成されている場合には、画像生成ユニットからの出射光により横長の表示用画像を画像表示部に効率良く映し出すことが可能となる。その一方で、画像生成ユニットやその周辺構造が拡大された状態で画像表示部に映し出されてしまうこととなるので、本願発明の構成を採用することが特に効果的である。
【0021】
その際、内部カバーとして、その反射鏡側の端縁部が反射鏡の下端縁形状に沿って凸曲線状に延びるように形成された構成とすることにより、ハウジングの内部空間の構造物が拡大された状態で画像表示部に映し出されても、その見映えが損なわれてしまわないようにすることができる。
【0022】
上記構成において、さらに、反射鏡がハウジングに対して左右方向に延びる軸線回りに回動可能に支持された構成とすれば、反射鏡の向きを調整することが可能となり、これにより表示用画像を画像表示部の適正な位置に映し出すことが可能となる。その際、ハウジングとして第1ハウジングと第2ハウジングとが組み付けられた構成とした上で、第1ハウジングに反射鏡の軸部を載置するための載置部が形成されるとともに、この載置部に載置された軸部に当接する当接部が内部カバーに形成された構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0023】
すなわち、反射鏡を回動可能に支持するための専用ブラケット等を新たに設けることを必要とせずに、反射鏡の向きを調整することが可能となる。その際、当接部は第2ハウジングではなく内部カバーに形成されているので、その形状自由度を高めることでき、これにより反射鏡の位置決めを確実に行うことが容易に可能となる。
【0024】
上記構成において、さらに、反射鏡の軸部に、その軸線方向と交差する方向に延びるレバー部材が固定されるとともに、このレバー部材が反射鏡を上記軸線回りに回動させるためのアクチュエータに連結された構成とすれば、必要最小限の部材で反射鏡を回動させることが可能となる。
【0025】
その際、第1ハウジングの載置部および/または内部カバーの当接部が円弧状の凹部を有するリブで構成されるとともに、レバー部材に、載置部および/または当接部の先端部を挿通させるための挿通孔が形成された構成とした上で、反射鏡が、載置部および/または当接部の先端部と挿通孔の内側面との係合により上記軸線方向に関して位置決めされる構成とすれば、表示用画像を上下方向のみならず左右方向に関しても適正な位置に映し出すことが容易に可能となる。しかもこれを、左右方向に関して大きなスペースを必要とすることなく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本願発明の一実施形態に係る画像照射装置を車両に搭載した状態で示す側断面図
図2図1のII方向矢視図
図3図1のIII 部詳細図
図4】上記画像照射装置を、第2ハウジングを外した状態で示す平面図
図5図4のV-V線断面図
図6図4のVI-VI線断面図
図7図4のVII-VII線断面図
図8】上記画像照射装置の組付けの様子を示す斜視図
図9】上記実施形態の第1変形例を示す、図7と同様の図
図10】上記実施形態の第2変形例を示す、図4と同様の図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0028】
図1は、本実施形態に係る画像照射装置10を車両100に搭載された状態で示す側断面図である。また、図2は、図1のII方向矢視図である。
【0029】
図1、2において、Xで示す方向が画像照射装置10としての「前方」(車両としても「前方」)であり、Yで示す方向が「前方」と直交する「左方向」であり、Zで示す方向が「上方向」である。図1、2以外の図においても同様である。
【0030】
図1、2に示すように、本実施形態に係る画像照射装置10は、車載用のヘッドアップディスプレイであって、車両100の車室内に配置された状態で、画像表示部としてのフロントウインドウ102の表示用領域102Aに表示用画像PICを虚像として映し出すように構成されている。
【0031】
図1に示す光路Rは、画像照射装置10によってフロントウインドウ102の表示用領域102Aに映し出された表示用画像PICをドライバー2が視覚的に認知する際の光路である。
【0032】
表示用領域102Aは、フロントウインドウ102の下部領域でかつステアリングホイール104の前方領域に位置設定されており、これにより車両100のドライバー2が視覚的に容易に認知し得るようになっている。なお、図2においては、表示用画像PICの具体例として、左向きの矢印と共に車両速度(50Km/h)が表示された状態を示している。
【0033】
画像照射装置10は、ステアリングホイール104の前方でかつフロントウインドウ102の下方近傍に位置するように配置されている。
【0034】
図1に示すように、画像照射装置10は、表示用画像PICの元となる画像を生成する画像生成ユニット20と、この画像生成ユニット20からの出射光をフロントウインドウ102の表示用領域102Aへ向けて順次反射させる第1および第2反射鏡30、40と、画像生成ユニット20の周囲を覆う内部カバー70と、これらを収容するハウジング50と、このハウジング50に装着された透光カバー60とを備えた構成となっている。
【0035】
画像生成ユニット20、第1および第2反射鏡30、40ならびに内部カバー70は、ハウジング50に支持されている(これについては後述する)。
【0036】
ハウジング50は、上方へ向けて開口するように形成された第1ハウジング52に対して第2ハウジング54が組み付けられた構成となっている。
【0037】
図3は、図1のIII 部詳細図である。また、図4は、画像照射装置10を、第2ハウジング54を外した状態で示す平面図であり、図5は、図4のV-V線断面図である。
【0038】
図3~5に示すように、第2ハウジング54は、外周フランジ部54bを有しており、この外周フランジ部54bを第1ハウジング52の上端開口部52aに当接させた状態で第1ハウジング52に組み付けられている。
【0039】
第1および第2ハウジング52、54は、いずれも不透明の樹脂成形品で構成されている。第2ハウジング54には、第2反射鏡40からの反射光を表示用領域102Aへ向けて透過させるための開口部54aが形成されている。
【0040】
透光カバー60は、無色透明の樹脂製パネルで構成されている。この透光カバー60は、下方側に湾曲した状態でかつ後方へ向けてやや上方側に傾斜した状態で、第2ハウジング54の開口部54aを覆うように配置されている。そして、この透光カバー60は、第2反射鏡40からの反射光が表示用領域102Aに入射するのを許容した上で、ハウジング50の内部空間12の防塵性を確保するようになっている。
【0041】
図4、5に示すように、第1および第2反射鏡30、40は、その反射面30a、40aが左右対称形状を有しており、その左右方向の中心位置に画像生成ユニット20が配置されている。
【0042】
画像生成ユニット20は、長方形の外形形状を有する液晶パネル22を備えており、この液晶パネル22がハウジング50の内部空間12に臨むように配置されている。具体的には、この画像生成ユニット20は、液晶パネル22の長手方向が左右方向(すなわち車幅方向)に延びるように配置された状態で、かつ、液晶パネル22を斜め上後方へ向けた状態で、第1ハウジング52の下壁部52bに支持されている。
【0043】
画像生成ユニット20は、液晶パネル22に対してその背面側からバックライト照射が行われることにより、液晶パネル22上に表示用画像PICの元となる画像を生成するように構成されている。
【0044】
第1ハウジング52の下壁部52bには、画像生成ユニット20を装着するためのユニット装着部52dが形成されている。このユニット装着部52dには、液晶パネル22の外形形状よりもひと回り大きい長方形の開口部52eが形成されている。
【0045】
画像生成ユニット20は、液晶パネル22がユニット装着部52dの開口部52eに嵌め込まれるように配置された状態で、第1ハウジング52の下壁部52bにネジ締め等によって固定されている。
【0046】
第1反射鏡30は、画像生成ユニット20の斜め上後方に配置されており、画像生成ユニット20からの照射光を前方へ向けて反射させるように構成されている。
【0047】
第1反射鏡30は、その反射面30aの表面形状が鞍型曲面で構成された鞍型反射鏡として構成されている。この第1反射鏡30の反射面30aは、車両正面視において左右方向に延びる略長方形の外形形状を有している。具体的には、この反射面30aは、その水平断面形状が凸曲線で構成されるとともに、その鉛直断面形状が凹曲線で構成されている。
【0048】
第1反射鏡30は、その反射面30aの左右両側端部にフランジ部32が形成された構成となっており、これら左右1対のフランジ部32において第1ハウジング52に固定されている。
【0049】
具体的には、各フランジ部32は、反射面30aの側端部から鉛直面に沿って後方へ向けて延びるように形成された側壁部32Aと、この側壁部32Aの外側面から側方へ向けて延びるように形成された階段状部32Bとを備えている。そして、第1反射鏡30は、第1ハウジング52の下壁部52bに形成された左右1対の柱状突起部52fに対して、左右1対の階段状部32Bにおいてピン52gによって位置締めされた状態でネジ34によって締付固定されている。
【0050】
図3~5に示すように、第2反射鏡40は、第1反射鏡30の前方に配置されている。この第2反射鏡40は、第1反射鏡30で反射した画像生成ユニット20からの照射光を上方へ向けて反射させるように構成されている。
【0051】
第2反射鏡40は、凹面鏡であって、その反射面40aの表面形状が略球面状の凹曲面で構成されている。この第2反射鏡40の反射面40aは、車両正面視において左右方向に延びる長方形の外形形状を有している。その際、第2反射鏡40の反射面40aは、第1反射鏡30の反射面30aよりも大きいサイズで形成されており、かつ、第1反射鏡30の反射面30aよりも大きい縦横比で形成されている。
【0052】
このように第2反射鏡40の反射面40aは、ドライバー2に視認させたい画像の方向に大きく湾曲した状態で、第1反射鏡30の反射面30aよりも大きい縦横比で形成されているが、第1反射鏡30は鞍型反射鏡として構成されているので、その反射面30aからの反射光は上下方向の拡がりが小さく左右方向の拡がりが大きいものとなり、これにより第2反射鏡40の反射面40aに効率良く入射することとなる。
【0053】
第1ハウジング52の下壁部52bは、ユニット装着部52dが形成されている部分ならびに第1および第2反射鏡30、40の反射面30a、40aの下方に位置する部分に対して、それ以外の部分が一段高い位置に形成されている。
【0054】
図3に示すように、第2ハウジング54には、第1反射鏡30における反射面30aの周辺領域を覆う遮光片部54cが形成されている。この遮光片部54cは、第2ハウジング54における開口部54aの後端縁から斜め下前方へ向けて板状に延びるように形成されている。
【0055】
画像照射装置10においては、フロントウインドウ102を介して車室内に入射した太陽光Sが透光カバー60を介してハウジング50の内部空間12に入射してしまうことがあるが、この太陽光Sが第1反射鏡30の反射面30aの周辺領域に到達してしまうのを遮光片部54cの遮光作用によって未然に防止するようになっている。
【0056】
そしてこれにより、第1反射鏡30の反射面30aを形成するための表面処理を行う際に、反射面30aの周辺領域に蒸着膜等が付着してしまうようなことがあっても、この周辺領域に到達した太陽光Sが蒸着膜等において反射して迷光となってしまうのを未然に防止するようになっている。
【0057】
図4、5に示すように、第2反射鏡40は、第1ハウジング52に対して、第2反射鏡40の前方近傍において左右方向に延びる軸線Ax回りに回動可能に支持されている。そしてこれにより、第2反射鏡40は、第1反射鏡30からの反射光をフロントウインドウ102の表示用領域102Aに正確に入射させるための角度調整を行い得る構成となっている。
【0058】
これを実現するため、第2反射鏡40における反射面40aの背面側の左右両側端部には鉛直面に沿って前方へ向けて延びる左右1対の鉛直フランジ部42が形成されている。そして、これら左右1対の鉛直フランジ部42には、軸線Ax上において左右両方向(すなわち反射面40aから離れる方向)へ向けて延びる第1および第2軸部44A、44Bが形成されている。
【0059】
第1および第2軸部44A、44Bは、いずれも円柱状に形成されている。その際、右側(装置正面視では左側)に位置する第2軸部44Bは、左側に位置する第1軸部44Aよりも小さい外径で形成されているが、その先端部は第1軸部44Aと同一の外径で形成されている。
【0060】
第2軸部44Bの先端面には、後方へ向けて延びるレバー部材46の基端部46aが固定されている。レバー部材46の基端部46aは、第2軸部44Bと同軸で円柱状に延びるように形成されており、その外径は第2軸部44Bの先端部と同一の値に設定されている。
【0061】
レバー部材46の先端部46bは、第2反射鏡40を軸線Ax回りに回動させるためのアクチュエータ48の出力軸48aに連結されている。
【0062】
アクチュエータ48は、第1ハウジング52の下方側においてその下壁部52bに固定されている。このアクチュエータ48の出力軸48aは、上方へ向けてハウジング50の内部空間12まで延びるように形成されており、上下方向に移動し得る構成となっている。
【0063】
第1および第2軸部44A、44Bは、第1ハウジング52の下壁部52bに形成された左右1対の載置部52h、52jに載置されている。
【0064】
左側の載置部52hは、第1ハウジング52の周壁部52cの内面から軸線Ax方向に延びるように形成されている。この載置部52hの上面は略U字状に形成されており、その下端部は第1軸部44Aの外径と略同一の内径を有する半円筒面で構成されている。
【0065】
右側の載置部52jは、第1ハウジング52の周壁部52cから離れた位置(具体的にはレバー部材46の基端部46aとアーム部46cの接続位置)に形成されている。この載置部52jは、第1ハウジング52の下壁部52bから装置前後方向に延びる鉛直面に沿って上方へ向けて突出するリブとして形成されている。この載置部52jの上面は、略U字状に形成されており、その下端部はレバー部材46の基端部46aの外径と略同一の内径を有する半円筒面で構成されている。
【0066】
図3においては、第2反射鏡40が軸線Ax回りに前方側に回動したときの状態を2点鎖線で示しており、第2反射鏡40が軸線Ax回りに後方側に回動したときの状態を破線で示している。
【0067】
図3~5に示すように、内部カバー70は、画像生成ユニット20からの出射光が第1反射鏡30で反射して第2反射鏡40に入射するのを妨げない範囲内で画像生成ユニット20の周囲を覆うように配置されている。
【0068】
内部カバー70は、不透明の樹脂成形品で構成されており、第1および第2反射鏡30、40の下方側に位置するカバー本体部72と、第1および第2反射鏡30、40の左右両側に位置する1対のブラケット部74A、74Bとを備えている。
【0069】
カバー本体部72は、斜め下前方へ向けて平板状に延びるように形成されている。このカバー本体部72の後部には、下方側へ向けて延びる筒状開口部72aが形成されている。この筒状開口部72aはテーパー状に形成されており、その下部開口端72a1は第1ハウジング52の開口部52eの近傍において画像生成ユニット20の液晶パネル22を囲むように形成されている。
【0070】
カバー本体部72は、その後端縁72bが第1反射鏡30の下端縁近傍に位置するように形成されており、その前端縁72cが第2反射鏡40の下端縁近傍に位置するように形成されている。その際、カバー本体部72の前端縁72cは、第2反射鏡40の反射面40aが凹曲線状の水平断面形状を有しているのに対応して、その下端縁形状に沿って凸曲線状に延びるように形成されている。
【0071】
左右1対のブラケット部74A、74Bは、カバー本体部72に対して段上がりで形成されており、カバー本体部72よりも前方まで延びるように形成されている。左右1対のブラケット部74A、74Bは、その前端部が他の一般部よりもさらに段上がりで形成されている。
【0072】
カバー本体部72は、左右1対のブラケット部74A、74Bにおいて第1ハウジング52に固定されている。その際、カバー本体部72は、左右1対のブラケット部74A、74Bの最前端部においてネジ締め固定されるとともに、その後端部においてランス固定されるようになっている。
【0073】
具体的には、上記ネジ締め固定は、左右1対のブラケット部74A、74Bの最前端部に形成されたネジ挿通孔74aを介して第1ハウジング52の下壁部52bの前端位置に形成された左右1対のボス部52bA、52bBにネジ76を締め付けることによって行われるようになっている。
【0074】
また、上記ランス固定は、左右1対のブラケット部74A、74Bの後端部に形成された下向きのランス74bを、第1ハウジング52の下壁部52bの前端位置に形成された左右1対のランス係合孔52kに挿入して係合させることによって行われるようになっている。
【0075】
図4に示すように、左側のブラケット部74Aの前端部には、第1ハウジング52の載置部52hに載置された第1軸部44Aに上方側から当接して第2反射鏡40を位置決めするための当接部74Acが形成されている。また、右側のブラケット部74Bの前端部には、第1ハウジング52の載置部52jに載置されたレバー部材46の基端部46aに上方側から当接して第2反射鏡40を位置決めするための当接部74Bcが形成されている。
【0076】
各当接部74Ac、74Bcは、第2ハウジング54の外周フランジ部54bから下方へ向けて突出するリブとして形成されており、その下端面には第1軸部44Aおよびレバー部材46の基端部46aの各々の外径と略同一の内径を有する半円筒面状の凹部が形成されている。
【0077】
図6は、図4のVI-VI線断面図であり、図7は、図4のVII-VII線断面図である。
【0078】
図6にも示すように、レバー部材46は、そのアーム部46cがH形の断面形状を有している。このアーム部46cには、その水平面部の前端部(すなわち基端部46aの近傍部位)に、装置前後方向に長い矩形状の挿通孔46dが形成されている。この挿通孔46dは、レバー部材46の基端部46aが第1ハウジング52の載置部52jに載置されたとき、このリブ状に形成された載置部52jの後方側先端部52j1を挿通させるようになっている。
【0079】
なお、図6に示すように、載置部52jは、その後方側先端部52j1がレバー部材46の基端部46aから多少離れた状態で形成されており、これにより挿通孔46dへの挿通が円滑に行われるように構成されている。
【0080】
そして、第2反射鏡40は、レバー部材46の挿通孔46dの内側面と載置部52jの後方側先端部52j1との係合により左右方向(すなわち軸線Ax方向)に関して位置決めされるようになっている。
【0081】
図7に示すように、載置部52jは、上方へ向けてテーパー状に形成されているが、その後方側先端部52j1は一定の左右幅で形成されており、かつ、その最先端面は凸曲面状に形成されている。そしてこれにより、後方側先端部52j1の挿通孔46dへの挿通が容易に行われるとともに、挿通後は、レバー部材46の回動によりアーム部46cが上下方向に変位しても、レバー部材46の挿通孔46dの内側面と載置部52jの後方側先端部52j1との係合状態が精度良く維持されるようになっている。
【0082】
図8は、画像照射装置10の組付けの様子を示す斜視図である。
【0083】
図8に示すように、画像照射装置10は、第1ハウジング52に対して、その上方側から第2反射鏡40、内部カバー70および第2ハウジング54を順次装着することにより、その組付けが行われるようになっている。
【0084】
なお、図8においては、第1ハウジング52を第1反射鏡30およびアクチュエータ48が予め装着された状態で示しており、また、第2反射鏡40をレバー部材46が予め装着された状態で示しており、さらに、第2ハウジング54を透光カバー60が予め装着された状態で示している。
【0085】
第1ハウジング52に対する第2反射鏡40の装着は、第2反射鏡40の第1軸部44Aを第1ハウジング52の載置部52hに載置するとともに、レバー部材46の基端部46aを第1ハウジング52の載置部52jに載置することによって行われるようになっている。その際、レバー部材46の先端部46bがアクチュエータ48の出力軸48aに連結されるようになっている。
【0086】
第1ハウジング52に対する内部カバー70の装着は、上述したとおり、カバー本体部72の左右1対のブラケット部74A、74Bの最前端部におけるネジ締め固定およびその後端部におけるランス固定によって行われるようになっている。
【0087】
第1ハウジング52に対する第2ハウジング54の装着は、複数箇所におけるランス係合によって行われるようになっている。これを実現するため、第2ハウジング54には、その外周フランジ部54bの複数箇所に下向きのランス54dが形成されており、第1ハウジング52には、複数箇所のランス54dに対応する位置に上下方向に開口するランス係合部52mが形成されている。そして、第2ハウジング54の外周フランジ部54bが第1ハウジング52の上端開口部52aに当接する際、各ランス54dが各ランス係合部52mに挿入されて係合し、これにより第2ハウジング54が第1ハウジング52に固定されるようになっている。
【0088】
次に本実施形態の作用について説明する。
【0089】
本実施形態に係る画像照射装置10は、表示用画像PICを生成する画像生成ユニット20と、この画像生成ユニット20からの出射光を画像表示部としてのフロントウインドウ102の表示用領域102Aへ向けて順次反射させる第1および第2反射鏡30、40とがハウジング50に収容された構成となっているが、ハウジング50の内部空間12には、画像生成ユニット20からの出射光が第1反射鏡30(1次反射鏡)で反射して第2反射鏡40(反射鏡)に入射するのを妨げない範囲内で画像生成ユニット20の周囲を覆う内部カバー70が配置されているので、第2反射鏡40の反射機能によって画像生成ユニット20の周辺構造が表示用領域102Aに映り込んでしまうのを未然に防止することができる。すなわち、表示用領域102Aに本来の表示用画像PIC以外の無用な画像が映り込むことによって利用者に違和感を与えてしまうのを未然に防止することができる。
【0090】
このように本実施形態によれば、フロントウインドウ102の表示用領域102Aに表示用画像PICを映し出すように構成された画像照射装置10において、表示用領域102Aへの無用な画像の映り込みによる違和感を利用者に与えてしまうのを未然に防止することができる。
【0091】
本実施形態に係る画像照射装置10は、ハウジング50の内部空間12に画像生成ユニット20からの出射光を第2反射鏡40へ向けて反射させる1次反射鏡としての第1反射鏡30が配置された構成となっているので、画像生成ユニット20の配置の自由度を向上させることが可能となる。その一方で、このような採用した場合には、画像生成ユニット20の周辺構造や第1反射鏡30等が第2反射鏡40によって表示用領域102Aに映し出されやすくなってしまうので、本実施形態の構成を採用することが特に効果的である。
【0092】
さらに本実施形態においては、第2反射鏡40が凹曲線状の水平断面形状を有する凹面鏡として構成されるとともに、内部カバー70におけるカバー本体部72の前端縁72c(すなわち第2反射鏡40側の端縁部)が第2反射鏡40の下端縁形状に沿って凸曲線状に延びるように形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0093】
すなわち、第2反射鏡40をこのような凹面鏡として構成することによって、画像生成ユニット20からの出射光により横長の表示用画像PICを表示用領域102Aに効率良く映し出すことが可能となる。その一方で、画像生成ユニット20やその周辺構造が拡大された状態で表示用領域102Aに映し出されてしまうこととなるので、本実施形態の構成を採用することが特に効果的である。
【0094】
その上で、内部カバー70におけるカバー本体部72の前端縁72cを第2反射鏡40の下端縁形状に沿って凸曲線状に延びるように形成することにより、ハウジング50の内部空間12の構造物が拡大された状態で表示用領域102Aに映し出されても、その見映えが損なわれてしまわないようにすることができる。
【0095】
本実施形態に係る画像照射装置10は、第2反射鏡40がハウジング50に対して左右方向に延びる軸線Ax回りに回動可能に支持されているので、第2反射鏡40の向きを調整することが可能となり、これにより表示用画像PICを表示用領域102Aの適正な位置に映し出すことが可能となる。
【0096】
これを実現するため、本実施形態においては、第2反射鏡40に形成された左右1対の軸部44A、44Bのうち一方の軸部44Bに、後方へ向けて延びる(すなわち軸線Ax方向と交差する方向に延びる)レバー部材46が固定されており、そして、このレバー部材46が第2反射鏡40を軸線Ax回りに回動させるためのアクチュエータ48に連結されているので、必要最小限の部材で第2反射鏡40を回動させることが可能となる。
【0097】
その際、本実施形態においては、レバー部材46の基端部46aが第2反射鏡40に対して、その軸部44Bと同軸に配置された状態で固定されており、また、本実施形態のハウジング50は、第1ハウジング52と第2ハウジング54とが組み付けられた構成となっており、かつ、第1ハウジング52には、第2反射鏡40の軸部44Aおよびレバー部材46の基端部46aを載置するための載置部52h、52jが形成されるとともに、これら載置部52h、52jに載置された第2反射鏡40の軸部44Aおよびレバー部材46の基端部46aに当接する当接部74Ac、74Bcが内部カバー70に形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0098】
すなわち、第2反射鏡40を回動可能に支持するための専用ブラケット等を新たに設けることを必要とせずに、第2反射鏡40の向きを調整することが可能となる。その際、当接部74Ac、74Bcは第2ハウジング54ではなく内部カバー70に形成されているので、その形状自由度を高めることでき、これにより第2反射鏡40の位置決めを確実に行うことが容易に可能となる。
【0099】
さらに本実施形態においては、第1ハウジング52の載置部52jおよび内部カバー70の当接部74Bcが円弧状の凹部を有するリブで構成されており、また、レバー部材46のアーム部46cには、第1ハウジング52の載置部52jの後方側先端部52j1を挿通させるための挿通孔46dが形成されているので、これら載置部52jの後方側先端部52j1と挿通孔46dの内側面との係合により第2反射鏡40を左右方向に関して位置決めすることができる。
【0100】
上記実施形態においては、第1ハウジング52に対する内部カバー70の装着が、左右1対のブラケット部74A、74Bにおけるネジ締め固定およびランス固定によって行われるものとして説明したが、左右1対のブラケット部74A、74Bが第1および第2ハウジング52、54で挟み込まれることによって位置決め固定される構成とすることも可能である。
【0101】
上記実施形態においては、画像生成ユニット20として、その液晶パネル22がハウジング50の内部空間12に臨むように配置されているものとして説明したが、画像生成ユニット20全体がハウジング50の内部空間12に収容された構成とすることも可能である。
【0102】
上記実施形態においては、各載置部52h、52jおよび各当接部74Ac、74Bcが半円弧状の断面形状を有しているものとして説明したが、半円弧状の断面形状の代わりに台形状の断面形状等を採用することも可能である。
【0103】
上記実施形態においては、レバー部材46の基端部46aの外径が第2軸部44Bの先端部と同一の値に設定されているものとして説明したが、異なる値に設定された構成とすることも可能である。
【0104】
上記実施形態においては、第1および第2反射鏡30、40の反射面30a、40aが横長の長方形の外形形状を有しているものとして説明したが、これ以外の外形形状を有する構成とすることも可能である。
【0105】
上記実施形態においては、第1および第2反射鏡30、40の反射面30a、40aが左右対称形状を有しているものとして説明したが、左右非対称形状を有する構成とすることも可能である。
【0106】
上記実施形態においては、第1反射鏡30の反射面30aの表面形状が鞍型曲面で構成されるとともに第2反射鏡40の反射面40aの表面形状が凹曲面で構成されているものとして説明したが、これ以外の表面形状(例えば平面形状等)を有する構成とすることも可能である。
【0107】
上記実施形態においては、画像生成ユニット20が第1および第2反射鏡30、40の反射面30a、40aの左右方向の中心位置に配置されているものとして説明したが、その中心位置から左右方向にずれた位置に配置された構成とすることも可能である。
【0108】
上記実施形態においては、第1および第2反射鏡30、40を備えているものとして説明したが、単一の反射鏡(具体的には第2反射鏡40のみ)を備えた構成とすることも可能であり、このような構成を採用した場合においても、上記実施形態の場合と略同様の作用効果を得ることが可能である。
【0109】
上記実施形態においては、画像表示部がフロントウインドウ102の表示用領域102Aで構成されているものとして説明したが、フロントウインドウ102の車室内側に配置された透光板等で画像表示部を構成することも可能である。
【0110】
上記実施形態においては、画像照射装置10が車載用のヘッドアップディスプレイであるものとして説明したが、これ以外の用途で用いられるものとすることも可能である。
【0111】
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
【0112】
まず、上記実施形態の第1変形例について説明する。
【0113】
図9は、本変形例に係る画像照射装置110を示す、図7と同様の図である。
【0114】
図9に示すように、本変形例に係る画像照射装置110も、その基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、第1ハウジング152および内部カバー170の構成が上記実施形態の場合と異なっている。
【0115】
すなわち本変形例においては、第1ハウジング152の載置部152jの形成位置と内部カバー170の当接部174Bcの形成位置とが、左右方向(すなわち軸線Ax方向)に関して上記実施形態の場合と入れ換わっている。
【0116】
その上で本変形例においては、レバー部材46のアーム部46cに形成された挿通孔46dに対して、内部カバー170の当接部174Bcの後方側先端部174Bc1が挿通されており、この後方側先端部174Bc1と挿通孔46dの内側面との係合により第2反射鏡40を左右方向に関して位置決めするようになっている。
【0117】
なお、当接部174Bcは、下方へ向けてテーパー状に形成されているが、その後方側先端部174Bc1は一定の左右幅で形成されており、かつ、その最先端面は凸曲面状に形成されている。そしてこれにより、後方側先端部174Bc1の挿通孔46dへの挿通が容易に行われるとともに、挿通後は、レバー部材46の回動によりアーム部46cが上下方向に変位しても、レバー部材46の挿通孔46dと当接部174Bcの後方側先端部174Bc1との係合状態が精度良く維持されるようになっている。
【0118】
本変形例の構成を採用した場合においても、上記実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0119】
次に、上記実施形態の第2変形例について説明する。
【0120】
図10は、本変形例に係る画像照射装置210を示す、図4と同様の図である。
【0121】
図10に示すように、本変形例に係る画像照射装置210も、その基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、第2反射鏡240とレバー部材246とが一体的に形成されている(具体的には単一の樹脂成形品として形成されている)点で上記実施形態の場合と異なっている。
【0122】
すなわち本変形例においては、第2反射鏡240の第2軸部244Bが、上記実施形態におけるレバー部材46の基端部46aと同一径で形成されており、この第2軸部244Bからレバー部材246のアーム部246cが延びるように形成されている。なお、レバー部材246の先端部246bの構成およびアーム部246cに形成された挿通孔246dの形状に関しては、上記実施形態の場合と同様である。
【0123】
また本変形例においても、第2反射鏡240の反射面240aならびに左右1対の鉛直フランジ部242および第1軸部244Aの構成は上記実施形態の場合と同様である。
【0124】
本変形例の構成を採用した場合においても、上記実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0125】
また、本変形例の構成を採用することにより、画像照射装置210の部品点数の削減を図ることができる。
【0126】
なお、上記実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
【0127】
また本願発明は、上記実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。
【符号の説明】
【0128】
2 ドライバー
10、110、210 画像照射装置
12 内部空間
20 画像生成ユニット
22 液晶パネル
30 第1反射鏡(1次反射鏡)
30a、40a、240a 反射面
32 フランジ部
32A 側壁部
32B 階段状部
34、76 ネジ
40、240 第2反射鏡(反射鏡)
42、242 鉛直フランジ部
44A、244A 第1軸部
44B、244B 第2軸部
46、246 レバー部材
46a 基端部
46b、246b 先端部
46c、246c アーム部
46d、246d 挿通孔
48 アクチュエータ
48a 出力軸
50 ハウジング
52、152 第1ハウジング
52a 上端開口部
52b 下壁部
52bA、52bB ボス部
52c 周壁部
52d ユニット装着部
52e 開口部
52f 柱状突起部
52g ピン
52h、52j、152j 載置部
52j1、174Bc1 後方側先端部(先端部)
52k ランス係合孔
52m ランス係合部
54 第2ハウジング
54a 開口部
54b 外周フランジ部
54c 遮光片部
54d ランス
60 透光カバー
70、170 内部カバー
72 カバー本体部
72a 筒状開口部
72a1 下部開口端
72b 後端縁
72c 前端縁
74A、74B ブラケット部
74a ネジ挿通孔
74b ランス
74Ac、74Bc、174Bc 当接部
100 車両
102 フロントウインドウ
102A 表示用領域(画像表示部)
104 ステアリングホイール
Ax 軸線
PIC 表示用画像
R 光路
S 太陽光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10