(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080366
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】重量検出装置、重量検出方法、および、重量検出プログラム
(51)【国際特許分類】
B66F 9/24 20060101AFI20240606BHJP
【FI】
B66F9/24 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193495
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
3F333
【Fターム(参考)】
3F333AA02
3F333AB07
3F333AE02
3F333FA21
3F333FA25
3F333FA27
3F333FD06
3F333FD11
3F333FD15
3F333FE04
3F333FE05
(57)【要約】
【課題】積載物における内容物の重量を検出すること。
【解決手段】実施形態に係る重量検出装置は、検出部と、特定部と、推定部とを備える。検出部は、フォークに挿入されるパレットに載っている積載物の外観情報を検出する。特定部は、検出した外観情報に基づいて、積載物における内容物以外の外装物を特定する。推定部は、特定した外装物に基づいて、内容物の重量を推定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォークに挿入されるパレットに載っている積載物の外観情報を検出する検出部と、
検出した前記外観情報に基づいて、前記積載物における内容物以外の外装物を特定する特定部と、
特定した前記外装物に基づいて、前記内容物の重量を推定する推定部と
を備える重量検出装置。
【請求項2】
前記検出部は、
前記フォークに設けられた荷重センサにより前記フォークにかかる荷重を検出し、
前記推定部は、
前記外装物の重量を推定し、前記荷重および前記外装物の重量に基づいて前記内容物の重量を推定する、請求項1に記載の重量検出装置。
【請求項3】
前記検出部は、
前記パレットの重量を検出し、
前記推定部は、
前記荷重から前記パレットの重量および前記外装物の重量を減算することで前記内容物の重量を推定する、請求項2に記載の重量検出装置。
【請求項4】
前記検出部は、
前記パレットに記された重量情報をセンサにより検出することで、前記パレットの重量を検出する、請求項3に記載の重量検出装置。
【請求項5】
前記重量情報は、
前記パレットの重量の情報が埋め込まれたコード情報である、請求項4に記載の重量検出装置。
【請求項6】
前記外観情報に基づいて特定される前記積載物に関する積載物情報と、推定した前記内容物の重量とを紐づけて記憶部に記憶する記憶処理部をさらに備える、請求項1に記載の重量検出装置。
【請求項7】
コンピュータによって実行される重量検出方法であって、
フォークに挿入されるパレットに載っている積載物の外観情報を検出する検出工程と、
検出した前記外観情報に基づいて、前記積載物における内容物以外の外装物を特定する特定工程と、
特定した前記外装物に基づいて、前記内容物の重量を推定する推定工程と
を含む重量検出方法。
【請求項8】
フォークに挿入されるパレットに載っている積載物の外観情報を検出する検出手順と、
検出した前記外観情報に基づいて、前記積載物における内容物以外の外装物を特定する特定手順と、
特定した前記外装物に基づいて、前記内容物の重量を推定する推定手順と
をコンピュータに実行させる重量検出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、重量検出装置、重量検出方法、および、重量検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フォークの基端に設けられたカメラによりフォークの先端側を撮像してフォークを自動制御するフォークリフトが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、積載物における内容物の重量を検出する点で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、積載物における内容物の重量を検出することができる重量検出装置、重量検出方法、および、重量検出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る重量検出装置は、検出部と、特定部と、推定部とを備える。前記検出は、フォークに挿入されるパレットに載っている積載物の外観情報を検出する。前記特定部は、検出した前記外観情報に基づいて、前記積載物における内容物以外の外装物を特定する。前記推定部は、特定した前記外装物に基づいて、前記内容物の重量を推定する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、フォーク先端の状況をより正確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るフォークリフトの概略側面図である。
【
図2】
図2は、状況検出センサの設置例を示す図である。
【
図3】
図3は、制御装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、重量検出装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る制御装置が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態に係る重量検出装置が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、変形例に係る状況検出センサの設置例を示す図である。
【
図9】
図9は、変形例に係る状況検出センサの設置例を示す図である。
【
図10】
図10は、制御装置および/または重量検出装置として機能するコンピュータのハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1は、本実施形態に係るフォークリフト1の概略側面図である。
図1に示すフォークリフト1は、概略図であり、説明の便宜上、一部の構成については省略している。なお、本開示で示すフォークリフト1は、自動制御により走行する。つまり、本開示で示すフォークリフト1は、無人による自動走行により積載物の運搬を行う。なお、フォークリフト1は、無人に限らず、有人による手動走行を行う構成であってもよい。あるいは、フォークリフト1は、無人モードと有人モードとを切り替え可能な構成であってもよい。
【0011】
図1に示すように、フォークリフト1は、走行車体2と、フォーク3と、昇降部4と、状況検出センサ5と、荷重センサ6と、制御装置10と、重量検出装置20とを備える。
【0012】
走行車体2は、倉庫等の路面Rを走行する車体である。走行車体2は、路面Rに接する車輪を駆動させて路面Rを走行する。
【0013】
フォーク3は、積載物が載せられたパレットが載置される部材であり、左右1対(すなわち、2本の部材)により構成される。フォーク3は、パレットに設けられたフォーク挿入孔に挿入されて持ち上げることでパレットを運搬する。
【0014】
昇降部4は、制御装置10の制御に従ってフォーク3を昇降する。これにより、フォーク3の高さ位置を変更することができる。
【0015】
状況検出センサ5は、フォーク3の先端部に設けられ、フォーク3の先端部の周囲の状況を検出するセンサである。状況検出センサ5は、例えば、カメラや、Lidar
Light Detection And Ranging)、レーダ装置等である。
【0016】
荷重センサ6は、フォーク3にかかる荷重を検出するセンサである。荷重センサ6は、フォーク3にパレットが載置された場合に、パレットおよび積載物の合計重量を荷重として検出する。
【0017】
制御装置10は、フォークリフト1全体の制御を行う制御装置である。具体的には、制御装置10は、走行車体2の車輪を制御して路面Rにおける自動走行を制御する。また、制御装置10は、昇降部4を制御してフォーク3の自動昇降を制御する。なお、制御装置10の詳細な構成および処理については後述する。
【0018】
重量検出装置20は、フォーク3に載置されたパレットおよび積載物の重量を検出する。具体的には、重量検出装置20は、パレットの重量や、積載物の重量、積載物における外装物の重量、積載物における内容物の重量等を検出する。なお、重量検出装置20による重量の検出方法については後述する。
【0019】
次に、
図2を用いて、状況検出センサ5の設置例について説明する。
図2は、状況検出センサ5の設置例を示す図である。
図2では、フォーク3を先端側から基端側に向かってみた(X軸負方向から見た)図を示している。
【0020】
図2に示すように、フォーク3は、少なくとも先端部に凹部3aを有する。状況検出センサ5は、凹部3aに収容されるように設置される。具体的には、フォーク3の凹部3aは、走行車体2が走行する路面R側(Y軸負方向側)の部位が凹んだ形状である。つまり、状況検出センサ5は、フォーク3における路面R側に設置される。これにより、フォーク3にパレットが載置された場合であっても、状況検出センサ5がパレットと接触することを回避できる。
【0021】
また、
図2に示すように、凹部3aの深さ(Y軸方向の長さ)は、状況検出センサ5の高さ(Y軸方向の長さ)よりも長い。つまり、凹部3aの路面R側の先端が、状況検出センサ5の路面側の先端よりも、路面Rに近い。これにより、フォーク3の路面R側から物体が接触した場合であっても、かかる物体と状況検出センサ5とが接触することを回避できる。
【0022】
また、
図1で示すように、フォーク3の先端は、状況検出センサ5よりも前方(X軸負方向側)に位置する。これにより、フォーク3の先端から物体が接触した場合であっても、かかる物体と状況検出センサ5とが接触することを回避できる。
【0023】
また、状況検出センサ5がフォーク3の先端に配置されることで、状況検出センサ5の検出結果にフォーク3の情報が含まれない(撮像画像にフォーク3が映りこまない)ため、フォーク先端の状況をより正確に把握することができる。
【0024】
この結果、例えば、パレットが高い位置(作業者の目線高さよりも高い位置)に載置されている場合等であっても、フォーク3をパレットに的確に挿入することができる。
【0025】
なお、凹部3aは、状況検出センサ5が設置される箇所のみ凹んだ形状であってもよいが、フォーク3における路面R側の部位全体が凹んだ形状でもよい。言い換えれば、凹部3aは、フォーク3の先端部から走行車体2側の基端部に亘って凹んだ形状であってもよい。これにより、状況検出センサ5の前後方向(X軸方向)における位置を調整することが可能となる。
【0026】
なお、凹部3aは、フォーク3における路面R側の部位に設けられる場合に限らず、フォーク3における前方側(X軸負方向側)の面が凹んだ形状であってもよい。
【0027】
次に、
図3および
図4を用いて、制御装置10および重量検出装置20の機能構成例について説明する。
図3は、制御装置10の機能構成例を示すブロック図である。
図4は、重量検出装置20の機能構成例を示すブロック図である。
【0028】
まず、
図3を用いて、制御装置10の機能構成例について説明する。
図3に示すように、制御装置10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13とを備える。制御部12は、検出部121と、動作制御部122とを備える。
【0029】
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部11は、有線または無線によりネットワーク網と接続される。例えば、通信部11は、フォークリフト1を管理するサーバ装置と通信可能に接続される。
【0030】
制御部12は、状況検出センサ5によって検出される情報に基づいて、走行車体2およびフォーク3(昇降部4)を自動制御する。
【0031】
検出部121は、状況検出センサ5によって検出される情報に基づいて、フォーク3の先端部の周囲の状況を検出する。例えば、検出部121は、カメラで撮像された撮像画像や、Lidarまたはレーダ装置によって検出された物標の情報(位置情報や形状情報)を周囲の状況として検出する。
【0032】
また、検出部121は、撮像画像や物標の情報に基づいて、フォークリフト1の周囲に存在するパレットを検出する。例えば、検出部121は、撮像画像を用いたパターンマッチングや、物標の情報における形状情報に基づいてパレットの数やパレットの位置を検出する。
【0033】
また、検出部121は、検出したパレットに積載物が載っているか否かを判定する。例えば、検出部121は、撮像画像を用いたパターンマッチングや、物標の情報における形状情報に基づいて、パレット毎に積載物が載っているか否かを判定する。
【0034】
動作制御部122は、検出部121によって検出された情報に基づいて、走行車体2およびフォーク3を自動制御する。例えば、動作制御部122は、積載物が載っているパレットのうち、フォークリフト1に最も近い位置のパレットを特定し、特定したパレットを運搬対象として自動制御を行う。なお、運搬対象となるパレットは、フォークリフト1に最も近い位置のパレットに限らず、特定の領域に存在するパレットであってもよい。
【0035】
具体的には、動作制御部122は、運搬対象のパレットの向きを特定し、パレットの正面に対してフォークリフト1が正面で向かいあう位置に走行車体2を制御して移動する。例えば、動作制御部122は、パレットが上面視で矩形状の場合、矩形状を構成する4辺のいずれか1辺をパレットの正面として特定する。つづいて、動作制御部122は、パレットの正面へ移動後、パレットのフォーク挿入孔の位置を特定する。例えば、動作制御部122は、検出部121が取得した撮像画像や、物標(パレット)の形状情報に基づいて、フォーク挿入孔の位置を特定する。
【0036】
つづいて、動作制御部122は、昇降部4を制御して、特定したフォーク挿入孔の位置にフォーク3の高さ位置を合わせた後、走行車体2を制御してフォーク挿入孔にフォーク3を挿入する。そして、動作制御部122は、フォーク挿入孔にフォーク3を挿入した後、昇降部4を制御して、フォーク3を上昇させることで、パレットを持ち上げる。そして、動作制御部122は、パレットを載置する目標位置までのルート(例えば、最短距離のルート)を自動計算する。そして、動作制御部122は、走行車体2を制御してルートに沿って目標位置まで移動させ、目標位置に到着後、昇降部4を制御して目標位置にパレットを載置する。そして、動作制御部122は、パレットを載置後、次の運搬対象となるパレットを特定し運搬を順次行う。
【0037】
次に、
図4を用いて、重量検出装置20の機能構成例について説明する。
図4に示すように、重量検出装置20は、通信部21と、制御部22と、記憶部23とを備える。制御部22は、検出部221と、特定部222と、推定部223と、記憶処理部224とを備える。
【0038】
通信部21は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部21は、有線または無線によりネットワーク網と接続される。例えば、通信部21は、フォークリフト1を管理するサーバ装置と通信可能に接続される。なお、通信部11および通信部21は、制御装置10と重量検出装置20とが共有する1つの通信部であってもよい。
【0039】
記憶部23に記憶される紐付情報231は、後述する記憶処理部224によって生成される情報である。
図5は、紐付情報231の一例を示す図である。
図5に示すように、紐付情報231は、「パレットID」と、「カテゴリ」と、「品目」と、「数量」と、「重量」とを含む。
【0040】
「パレットID」は、パレットを識別する識別情報である。「カテゴリ」は、積載物における外装物の種類を示す情報である。「品目」は、内容物の品目を示す情報である。「数量」は、積載物の重量を示す情報である。「重量」は、内容物の重量を示す情報である。
【0041】
制御部22は、フォーク3に挿入されるパレットに載っている積載物の外観情報を検出し、検出した外観情報に基づいて、積載物における内容物以外の外装物を特定し、特定した外装物に基づいて、内容物の重量を推定する。これにより、積載物における内容物を収容している外装物(例えば、段ボール等)の重量等から内容物の重量を検出することができる。
【0042】
検出部221は、フォーク3に挿入されるパレットに乗っている積載物の外観情報を検出する。例えば、検出部221は、状況検出センサ5であるカメラで撮像した撮像画像や、状況検出センサ5であるLidarやレーダ装置等によって検出される物標の形状情報を外観情報として検出する。
【0043】
また、検出部221は、フォーク3でパレットを持ち上げた際のフォーク3にかかる荷重を荷重センサ6から検出(取得)する。つまり、検出部221は、荷重センサの荷重をパレットおよび積載物の合計重量として検出する。
【0044】
また、検出部221は、パレットの重量を検出する。例えば、検出部221は、パレットに記された重量情報をカメラ等の状況検出センサ5によって検出することで、パレットの重量を検出する。重量情報は、例えば、パレットの重量の情報が埋め込まれたコード情報である。コード情報は、2次元コードや、バーコードである。また、重量情報は、コード情報以外に、パレットの重量がパレットに直接印字された情報であってもよい。
【0045】
特定部222は、検出部221が検出した外観情報に基づいて、積載物における内容物以外の外装物を特定する。例えば、特定部222は、撮像画像や、物標の形状情報に基づいて、外装物を特定する。外装物は、例えば、段ボールや包み紙、包材、箱、ケース等といった内容物を収容する部材である。また、特定部222は、特定した外装物のカテゴリ(段ボール等の素材)を特定する。
【0046】
また、特定部222は、外観情報に基づいて積載物に関する積載物情報を特定する。積載物情報は、例えば、内容物の品目や、積載物の数量(段ボールの数等)を特定する。例えば、特定部222は、撮像画像や、物標の形状情報に基づいて、積載物情報を特定する。積載物の品目は、例えば、外装物である段ボールに印字された情報に基づいて特定可能である。
【0047】
推定部223は、特定した外装物に基づいて、内容物の重量を推定する。まず、推定部223は、特定した外装物の重量を推定する。例えば、推定部223は、外装物の大きさや素材等に基づいて外装物の重量を推定する。そして、推定部223は、推定した外装物の重量と、荷重センサ6により検出した荷重に基づいて、内容物の重量を推定する。より具体的には、推定部223は、上記の荷重からパレットの重量および外装物の重量を減算することで内容物の重量を推定する。つまり、推定部223は、荷重(パレットおよび積載物の合計重量)からパレットの重量および外装物の重量を減算した重量を内容物の重量として推定する。
【0048】
記憶処理部224は、特定部222が特定した積載物情報と、推定部223が推定した内容物の重量とを紐づけて記憶部23の紐付情報231として記憶する。なお、記憶処理部224は、積載物情報の紐付け対象が内容物の重量である場合に限らず、外装物の重量を含めた積載物の重量であってよく、さらに、パレットの重量を含めたパレット総重量であってもよい。これにより、パレット毎に積載物(内容物)の重量を作業者が紙に記入する作業をなくすことができる。
【0049】
次に、
図6を用いて、実施形態に係る制御装置10が実行する処理の処理手順について説明する。
図6は、実施形態に係る制御装置10が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0050】
制御部12は、状況検出センサ5によりパレットを検出する(ステップS101)。つづいて、制御部12は、走行車体2を制御してパレット近傍まで移動させる(ステップS102)。
【0051】
つづいて、制御部12は、パレットのフォーク挿入孔の位置を検出し(ステップS103)、昇降部4を制御してフォーク3をフォーク挿入孔の高さ位置に移動させる(ステップS104)。
【0052】
つづいて、制御部12は、走行車体2を移動してフォーク3をパレットに挿入し(ステップS105)、昇降部4を制御してフォーク3を上昇させてパレットを持ち上げる(ステップS106)。
【0053】
つづいて、制御部12は、パレットを持ち上げた状態で走行車体2を制御して、目標位置まで移動させ(ステップS107)、目標位置において昇降部4を制御して、フォーク3を下降させてパレットを載置し(ステップS108)、処理を終了する。
【0054】
次に、
図7を用いて、実施形態に係る重量検出装置20が実行する処理の処理手順について説明する。
図7は、実施形態に係る重量検出装置20が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0055】
制御部22は、パレットに載っている積載物の外観情報を検出する(ステップS201)。
【0056】
つづいて、制御部22は、フォーク3でパレットを持ち上げた状態で、荷重センサ6からフォーク3にかかる荷重を検出する(ステップS202)。
【0057】
つづいて、制御部22は、外観情報に基づいて積載物における外装物を特定し(ステップS203)、かかる外装物の重量を推定する(ステップS204)。
【0058】
つづいて、制御部22は、フォーク3にかかる荷重および外装物の重量に基づいて内容物の重量を推定する(ステップS205)。つづいて、制御部22は、外観情報に基づいて積載物に関する積載物情報を特定する(ステップS206)。
【0059】
つづいて、制御部22は、特定した積載物情報と、推定した内容物の重量とを紐付けた紐付情報231を記憶部23に記憶し(ステップS207)、処理を終了する。
【0060】
次に、
図8および
図9を用いて、フォーク3の先端部が先細り形状である場合の状況検出センサ5の設置例について説明する。
図8および
図9は、変形例に係る状況検出センサ5の設置例を示す図である。
図8では、フォーク3の先端部を側方(Z軸正方向)から見た側面図を示し、
図9では、フォーク3の先端部を路面R側(Y軸負方向)から見た底面図を示している。
【0061】
図8および
図9に示すように、フォーク3の先端部は、路面R側の部位(Y軸負方向側の面)において、フォーク3の先端(X軸負方向)に向かうほどフォーク3が細くなる傾斜面3bを有する。具体的には、フォーク3の先端部は、路面R側の面のうち、先端側に傾斜面3bを有し、基端側(X軸正方向側)に平坦面3cを有する。つまり、フォーク3の先端部は、傾斜面3bに対応する一部が先細り形状であり、平坦面3cに対応する残りの部位が太さ(Y軸方向の長さ)が均一である。言い換えれば、フォーク3の先端部は、路面R側の面が、路面R側の反対側の面(Y軸正方向側の面)に対して、フォーク3の先端が細くなる勾配形状を有する。
【0062】
そして、凹部3aは、傾斜面3bおよび平坦面3cに亘って設けられる。なお、凹部3aは、傾斜面3bおよび平坦面3cのうち、傾斜面3bのみに設けられてもよい。つまり、凹部3aは、少なくとも傾斜面3bの一部が凹んだ形状である。
【0063】
そして、状況検出センサ5は、傾斜面3bの位置における凹部3aに収容される。なお、状況検出センサ5は、凹部3aが傾斜面3bおよび平坦面3cに亘って設けられる場合には、平坦面3cの位置における凹部3aに収容されてもよい。
【0064】
このように、凹部3aを路面R側に設けることで、フォーク3の先端部が先細りとなる形状であっても状況検出センサ5を設置することができる。
【0065】
次に、
図8を用いて、制御装置10および重量検出装置20のハードウェア構成について説明する。
図8は、制御装置10および/または重量検出装置20として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、および/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0066】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、およびグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、およびICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブおよびDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブおよびソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230およびキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0067】
CPU1212は、ROM1230およびRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0068】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/又はプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0069】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、および/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0070】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0071】
例えば、通信がコンピュータ1200および外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0072】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0073】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0074】
上記したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0075】
本実施形態におけるフローチャートおよびブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階および「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、および他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0076】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0077】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでもよい。
【0078】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0079】
上述してきたように、実施形態に係るフォークリフト1は、走行車体2と、フォーク3と、センサ(状況検出センサ5)とを備える。フォーク3は、走行車体2の前方に設けられ、少なくとも先端部に凹部3aを有する。センサは、凹部3aに収容され、先端部の周囲の状況を検出する。
【0080】
このような構成により、フォーク先端の状況をより正確に把握することができる。
【0081】
また、上述してきたように、実施形態に係る重量検出装置20は、検出部221と、特定部222と、推定部223とを備える。検出部221は、フォーク3に挿入されるパレットに載っている積載物の外観情報を検出する。特定部222は、検出した外観情報に基づいて、積載物における内容物以外の外装物を特定する。推定部223は、特定した外装物に基づいて、内容物の重量を推定する。
【0082】
このような構成により、積載物における内容物の重量を検出することができる。
【0083】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0084】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0085】
1 フォークリフト
2 走行車体
3 フォーク
3a 凹部
4 昇降部
5 状況検出センサ
6 荷重センサ
10 制御装置
11、21 通信部
12、22 制御部
13、23 記憶部
20 重量検出装置
121、221 検出部
122 動作制御部
222 特定部
223 推定部
224 記憶処理部
231 紐付情報