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  • 特開-電動機の端子箱 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080375
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】電動機の端子箱
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/22 20060101AFI20240606BHJP
【FI】
H02K5/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193510
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】513296958
【氏名又は名称】東芝産業機器システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】戸田 和宏
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA07
5H605AA08
5H605BB05
5H605CC06
5H605DD16
5H605DD32
5H605EC12
5H605EC14
5H605EC16
(57)【要約】
【課題】取付けにあたっての部品数の削減や取付作業の簡単化を図ることができ、しかも防水性に優れたものとする。
【解決手段】本実施形態に係る電動機の端子箱は、内部に接続端子を有する箱状をなし、先端面部に作業用開口部を有すると共に、周壁部に外部配線の引込み口を有する端子箱本体部と、端子箱本体部に対し先端面側から被せられて作業用開口部を着脱可能に閉塞する端子箱カバーとを備え、端子箱本体部は、基端側に取付台座の外周に嵌合する嵌合部を有し、嵌合部に、取付台座に設けられた複数個の被係合部に着脱可能に係合される複数個の係合部を設け、係合部の被係合部に対する係合状態で該取付台座に嵌合固定され、端子箱本体部の内部には、取付台座の前面の周囲部を囲むようにシール用片部が設けられ、シール用片部と取付台座の前面との間にシール部材が配置され、端子箱本体部の取付台座に対する嵌合固定状態で、シール部材が圧縮されて液密にシールされる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機の内部配線と外部配線とを接続するための接続端子を有し、該電動機のフレームに設けられた取付台座に取付けられる端子箱であって、
内部に前記接続端子を有する箱状をなし、先端面部に作業用開口部を有すると共に、周壁部に前記外部配線の引込み口を有する端子箱本体部と、
前記端子箱本体部に対し先端面側から被せられて前記作業用開口部を着脱可能に閉塞する端子箱カバーとを備え、
前記端子箱本体部は、基端側に前記取付台座の外周に嵌合する嵌合部を有し、前記嵌合部に、前記取付台座に設けられた複数個の被係合部に着脱可能に係合される複数個の係合部を設け、前記係合部の前記被係合部に対する係合状態で該取付台座に嵌合固定され、
前記端子箱本体部の内部には、前記取付台座の前面の周囲部を囲むようにシール片部が設けられ、前記シール片部と前記取付台座の前面との間にシール部材が配置され、前記端子箱本体部の前記取付台座に対する嵌合固定状態で、前記シール部材が圧縮されて液密にシールされる電動機の端子箱。
【請求項2】
前記端子箱本体部の嵌合部には、前記係合部を有する弾性変形可能な係合片が設けられており、前記係合片には、該係合片を、前記係合部の前記被係合部に対する係合解除方向に弾性変形させるための操作用の突起が設けられている請求項1記載の電動機の端子箱。
【請求項3】
前記端子箱本体部は、四角形状をなし、前記取付台座に対する取付け方向を、90度間隔で4方向に変更可能とされている請求項1又は2記載の電動機の端子箱。
【請求項4】
前記端子箱カバーは、前記端子箱本体部に設けられた複数個の本体側被係合部に係合される複数個のカバー側係合部を有し、前記カバー側係合部の前記本体側被係合部に対する係合状態で該端子箱本体部に取付けられる請求項1記載の電動機の端子箱。
【請求項5】
前記端子箱カバーと前記端子箱本体部との間には、該端子箱カバーの該端子箱本体部に対する取付け状態で、それらの間を液密にシールする第2のシール部材が設けられている請求項1記載の電動機の端子箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電動機のフレームに取付けられる電動機の端子箱に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば三相誘導電動機等の電動機においては、そのフレームの外面部に、電動機側の口出し線と電源側ケーブルとを接続するための接続端子を内蔵した端子箱を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この端子箱は、例えばプラスチック材料から矩形箱状に構成され、前面の開口部部分にねじ込み式の蓋部材を備えると共に、後面側に、電動機のフレームの台座に取付けられる円筒状部を突出状態に有している。
【0003】
この場合、従来では、電動機のフレームの台座に対する端子箱の取付けは、ねじ止めによりなされることが一般的であったが、ねじを用いることによる部品数の増加や、取付作業性の低下を招いていた。そこで、上記特許文献1においては、ねじを用いない取付構造として、フレームの台座に円形穴を設け、端子箱の背面部分の円筒状部の先端に爪状部を設け、円筒状部を円形穴に挿入することにより、前記爪状部を、円形穴の奥部に係合させて固定を行う構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-14044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1における台座に対する端子箱の取付構造では、台座と端子箱との間の防水性について何ら考慮されておらず、特に屋外で使用される電動機の場合、端子箱の防水性が十分に得られない問題点があった。
そこで、電動機のフレームに取付けられるものにあって、取付けにあたっての部品数の削減や取付作業の簡単化を図ることができ、しかも防水性に優れた電動機の端子箱を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る電動機の端子箱は、電動機の内部配線と外部配線とを接続するための接続端子を有し、該電動機のフレームに設けられた取付台座に取付けられるものであって、内部に前記接続端子を有する箱状をなし、先端面部に作業用開口部を有すると共に、周壁部に前記外部配線の引込み口を有する端子箱本体部と、前記端子箱本体部に対し先端面側から被せられて前記作業用開口部を着脱可能に閉塞する端子箱カバーとを備え、前記端子箱本体部は、基端側に前記取付台座の外周に嵌合する嵌合部を有し、前記嵌合部に、前記取付台座に設けられた複数個の被係合部に着脱可能に係合される複数個の係合部を設け、前記係合部の前記被係合部に対する係合状態で該取付台座に嵌合固定され、前記端子箱本体部の内部には、前記取付台座の前面の周囲部を囲むようにシール片部が設けられ、前記シール片部と前記取付台座の前面との間にシール部材が配置され、前記端子箱本体部の前記取付台座に対する嵌合固定状態で、前記シール部材が圧縮されて液密にシールされるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態を示すもので、電動機のフレームに対する端子箱の取付構成を概略的に示す縦断正面図
図2】端子箱の右側面図
図3】端子箱の底面図
図4】端子箱の正面図
図5】電動機の外観を概略的に示す正面図
図6】電動機の外観を概略的に示す右側面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、図5図6は、例えば三相誘導電動機からなる電動機1の外観構成を示しており、電動機1は、その外殻を構成するブラケット2及びフレーム3を備えている。前記ブラケット2には、軸受4が設けられ、この軸受4に、回転軸5が回転自在に支持されている。前記フレーム3は、金属から円筒状に構成され、内部に図示しないモータ本体部が収容されている。フレーム3の外周部には、複数本の放熱フィン6が軸方向に延び設けられている。前記フレーム3の底部には、固定用の脚部7が設けられている。
【0009】
そして、図5等に示すように、前記フレーム3のうち例えば図で右側面部に、取付台座8が一体に設けられ、この取付台座8部分に、詳しくは後述するように、本実施形態に係る端子箱11が取付けられる。この端子箱11は、全体として四角形の箱状をなしており、図示はしないが、電動機1の内部配線と、電源ケーブル等の外部配線とを接続するために設けられる。尚、本実施形態では、フレーム3に対する端子箱11の取付け向きが変更可能とされるのであるが、図1図6に示した端子箱11の取付向き、つまり後述の引込み口14を有する面を真下に向けた状態を、便宜上、基準となる状態として説明する。
【0010】
図1等に示すように、前記電動機1のフレーム3に設けられる取付台座8は、外形が四角形状この場合ほぼ正方形状をなし、フレーム3の右側面部から右方に突出し、図で右方を向く先端面が平坦面とされている。また、図1に示すように、取付台座8の先端面には、内部配線を導出するための開口部8aが設けられている。そして、この取付台座8の外周壁部には、後述する端子箱本体部を取付けるための複数個の被係合部としての係合穴9が設けられている。本実施形態では、係合穴9は、取付台座8の4つの周壁部に、各辺の両端側に位置して2個ずつの合計8個が設けられている。
【0011】
さて、本実施形態に係る端子箱11の構成について、図1図4も参照して詳述する。この端子箱11は、図1等に示すように、端子箱本体部12(以下、単に「本体部12」という)と、その本体部12に着脱可能に装着される端子箱カバー13(以下、単に「カバー13」という)とを備えている。前記本体部12は、プラスチックから、全体として四角形この場合ほぼ正方形の箱状に構成されている。この本体部12の基端側即ち図で左側面部は、前記取付台座8の先端外周に嵌合する大きさで開口しており、この部分が、取付台座8の外周に嵌合する嵌合部12aとされている。
【0012】
図1に示すように、前記本体部12の先端面部即ち図で右側面部には、配線の接続作業等を行うための作業用開口部12bが設けられている。図示は省略しているが、本体部12の内部には、接続用の複数個の接続端子を有した端子台が設けられている。図示しない内部配線は、前記取付台座8の開口部8aを通して引出されて各接続端子に接続され、それら接続端子に外部配線が接続される。このとき、本体部12の周壁部、この場合図1の基準状態で底壁部には、外部配線を導出するための引込み口14が設けられている。
【0013】
そして、本体部12の嵌合部12aには、本体部12の周壁部から一体的に図で左方に延びるようにして、弾性変形可能な係合片15が一体に設けられている。図2図3にも示すように、この係合片15は、図で上辺部及び下辺部の両端側に位置して、各2個ずつ合計4個が設けられている。これら各係合片15の先端部には、前記取付台座8の係合穴9に着脱可能に係合される係合部としての係合爪16が一体に設けられている。さらに本実施形態では、各係合片15の外面側には、該係合片15を、前記係合穴9に対する前記係合爪16の係合解除方向に弾性変形させるための操作用の突起15aが一体に設けられている。
【0014】
また、図1に示すように、前記本体部12の内部には、前記取付台座8の前面の周囲部を囲むようにシール片部17が設けられている。このシール片部17は本体部12の4つの周壁部の内側から内方に突出するリブ状をなし、全体として矩形枠状に構成されている。そして、シール片部17と前記取付台座8の前面との間に、例えばゴム製のパッキンからなり、矩形枠状をなすシール部材18が配置されるようになっている。
【0015】
これにて、図1等に示すように、本体部12は、基端側の嵌合部12aを取付台座8の外周に嵌合させ、これと共に、各係合片15に設けられた係合爪16を、前記取付台座8に設けられた係合穴9に対し係合させることにより、取付台座8に嵌合固定される。また、この取付状態では、本体部12のシール片部17と取付台座8の前面との間に配置されたシール部材18が、それらの間で圧縮されて本体部12と取付台座8との間が液密にシールされる。尚このとき、取付台座8に対する本体部12ひいては端子箱11の取付けの向きを、90度間隔で4つの向きから自由に選択することができる
【0016】
一方、前記カバー13は次のように構成されている。即ち、図1等に示すように、カバー13は、例えばプラスチック材料から、底面即ち図で左側面が開口した矩形箱状をなし、前記本体部12に対し先端面側から被せられるようにして、着脱可能に取付けられる。本体部12に対するカバー13の装着状態では、本体部12の作業用開口部12bが閉塞される。また、図3に示すように、カバー13の図で底壁部には、前記引込み口14を逃げるためのU字状の切欠部13aが設けられている。
【0017】
このとき、図3図4に示すように、本体部12の周壁部の基端側端部部分の外面部には、本体側被係合部としての本体側係合穴19が設けられている。この本体側係合穴19は、前後に位置する周壁部の各辺、つまり係合片17を有さない辺の両端側に位置して2個ずつ、合計4個が設けられている。これに対し、前記カバー13の図で前後に位置する側壁部の底部側端部には、前記各本体側係合穴19に対応して、カバー側係合部としての4個のカバー側係合爪20が一体に設けられている。カバー側係合爪20の外面部には、該カバー側係合爪20を係合解除方向に弾性変位させるための突起部21が一体に設けられている。
【0018】
さらに、本体部12の先端面部の外周縁部と、カバー13の先端壁部の内面との間には、例えばゴム製のパッキンからなり矩形枠状をなす第2のシール部材22が配置されている。これにて、図2図3に示すように、カバー13は、カバー側係合爪20を、本体部12に設けられた本体側係合穴19に係合させることにより、本体部12に着脱可能に取付けられる。また、この取付状態では、本体部12の先端面とカバー13の内面との間に配置されたシール部材22が、それらの間で圧縮されて本体部12とカバー13との間が液密にシールされる。
【0019】
次に、上記構成の作用について述べる。上記構成の電動機1においては、フレーム3の右側面部に設けられた取付台座8に端子箱11が取付けられる。この場合、まず、本体部12が取付台座8に対し取付けられる。本体部12を取付けるにあたっては、本体部12の嵌合部12aを取付台座8の外周に嵌合させ、これと共に、本体部12の4箇所に設けられた係合片15の係合爪16を、取付台座8の係合穴9に夫々係合させる。これにより、ねじ等を使用することなく、端子箱11の本体部12を取付台座8に対し簡単に連結固定することができる。
【0020】
このとき、取付台座8に対する本体部12の取付け方向は90度間隔で4方向に選択可能であるため、外部配線を導出したい方向に引込み口14が来るように、任意の方向に取付けることができる。図では、引込み口14を下向きにした状態で本体部12が取付けられている。また、図1に示すように、取付台座8に対する本体部12の取付け状態では、本体部12のシール片部17と取付台座8の前面との間にシール部材18が圧縮状態で配置され、本体部12と取付台座8との間が液密にシールされる。
【0021】
この本体部12の取付け状態、つまりカバー13が取外されている状態では、本体部12の作業用開口部12bが開口しており、この状態で、本体部12内の接続端子に対する配線接続作業が行われる。この場合、内部配線は、取付台座8の開口部8aを通してフレーム3外に引出され、内部配線の先端が本体部12内の接続端子に接続される。また、本体部12内には引込み口14から外部配線が引き込まれ、外部配線の先端が接続端子に接続される。
【0022】
この後、本体部12に対しカバー13が取付けられて作業用開口部12bが閉塞される。カバー13を取付けるにあたっては、切欠部13aが引込み口14の位置に来るように位置合せされ、本体部12に対し先端面側から被せられる。このとき、カバー13の4個のカバー側係合爪20を、本体側係合穴19に夫々係合させる。これにより、ねじ等を使用することなく、カバー13を本体部12に対し簡単に連結固定することができる。また、この取付状態では、本体部12の先端面とカバー13の内面との間に第2のシール部材22が圧縮状態で配置され、本体部12とカバー13との間が液密にシールされる。
【0023】
これにて、フレーム3の外面に端子箱11が取付けられ、電動機1の運転が可能となるのであるが、電動機1の運転開始後に、端子箱11内の配線作業などを行う必要が生ずる場合がある。このような場合には、本体部12からカバー13だけを取外して、作業用開口部12bを開放させて作業を行うことができる。カバー13を本体部12から取外すにあたっては、カバー側係合爪20の突起部21を操作して、各カバー側係合爪20を外側つまり係合解除方向に弾性変位させて各本体側係合穴19から抜出して係合を解く。そして、カバー13を先方側に引出すことにより、容易に取外すことができる。作業後は、再びカバー13を容易に取付けることができる。
【0024】
ところで、上記したように、例えば電動機1の設置場所の周囲環境等によって、端子箱11に接続された外部配線を導出したい方向が異なってくる場合があり、電動機1の据付け後に、フレーム3に対する端子箱11の取付け向きを変更したくなる場合も考えられる。本実施形態では、上記したように、取付台座8に対する端子箱11つまり本体部12の取付方向を、90度間隔で4方向に選択可能であり、外部配線を導出したい方向に引込み口14が来るように、取付方向を変更することができる。
【0025】
本体部12の取付方向を変更する、或いは本体部12を取付台座8から取外すにあたっては、係合片15の突起15aを操作して、各係合片15を外側つまり係合解除方向に弾性変形させて、各係合穴9に対する各係合爪16の係合を解く。そして、嵌合部12aが取付台座8から外れる位置まで本体部12を先方に引出し、本体部12の角度を変更した上で、再び取付台座8に対して容易に取付けることができる。このように、作業者による簡単な作業で、端子箱11の取付けの向きの変更を容易に行うことができる。
【0026】
このように本実施形態の端子箱11によれば、次のような効果を得ることができる。即ち、本実施形態においては、端子箱11を本体部12とカバー13とから構成し、フレーム3の取付台座8に対する本体部12の取付けを、本体部12の嵌合部12aを取付台座8の外周に嵌合させると共に、複数個の係合爪16を、取付台座8の複数個の係合穴9に夫々着脱可能に係合させることにより行うように構成した。これにより、本体部12の取付けを係合により行うことで、ねじなどを使用せずに済み、部品数の削減や、取付け工程の簡単化を図ることができる。
【0027】
そして、箱本体部12の内部に、取付台座8の前面の周囲部を囲むようにシール片部17を設け、シール片部17と取付台座8の前面との間にシール部材18を配置し、本体部12の取付台座8に対する嵌合固定状態で、シール部材18が圧縮されて液密にシールされるように構成した。この結果、本実施形態の端子箱11によれば、電動機1のフレーム2に取付けられるものにあって、取付けにあたっての部品数の削減や作業工程の簡単化を図ることができ、しかも防水性にも優れるという効果を得ることができる。
【0028】
特に本実施形態では、本体部12の嵌合部12aに、係合爪16を有する弾性変形可能な係合片15を一体に設け、その係合片15に、該係合片15を係合解除方向に弾性変形させるための操作用の突起15aを設けた。これにより、本体部12を取付台座8から取外す際に、係合片15の突起15aを操作して弾性変形させることにより、係合穴9に対する係合爪16の係合を容易に解除することができる。この結果、取付台座8に対する本体部12の取付け、取外しの作業を容易に行うことができる。
【0029】
また本実施形態では、本体部12を、四角形状即ちほぼ正方形状に構成し、取付台座8に対する取付け方向を、90度間隔で4方向に変更可能に構成した。これにより、フレーム3に対する本体部12の取付け向きを90度間隔で4方向に変更することができ、端子箱11の引込み口14の開口する位置や方向を外部配線の導出したい方向に合わせた向きとして、端子箱11を電動機1のフレーム3に取付けることが可能となった。
【0030】
さらに本実施形態では、カバー13に関しても、本体部12に設けられた本体側係合穴19に係合されるカバー側係合爪20を有し、カバー側係合爪20の本体側係合穴19に対する係合状態で該本体部12に取付けられる構成とした。これにより、本体部12に対するカバー13の取付けについても、ねじなどを使用せず、部品数の削減や、取付け作業の簡単化を図ることができる。カバー側係合爪20部分についても、突起21を設けたので、本体部12に対するカバー13の取外しの作業も容易となる。カバー13と本体部12との間にも、それらの間を液密にシールする第2のシール部材22を設けたので、本体部12とカバー13との間の良好な防水性が図られ、ひいては、端子箱11全体として良好な防水性を得ることができ、屋外での使用にも適したものとなる。
【0031】
尚、上記実施形態では、端子箱及び取付台座を四角形状つまりほぼ正方形状に構成し、端子箱の取付け向きを90度間隔で4方向に変更可能に構成したが、必ずしも、端子箱の取付向きを変更可能に構成しなくても良い。この場合、端子箱の形状を長方形形状としたり、他の多角形形状や楕円形状としたりするなど、端子箱の全体的な形状については様々な変更が可能である。取付台座の形状についても、それに応じて変更することができる。また上記実施形態では、被係合部を係合穴とし、係合部を係合爪から構成したが、それらの関係を逆としても良い。
【0032】
また上記実施形態では、端子箱カバー13を、端子箱本体部12のほぼ全体を覆う箱状に設けるようにしたが、端子箱本体部12の先端部にのみ設ける形態に構成しても良い。この場合、端子箱カバーをねじ込み式の蓋状に構成しても良い。上記実施形態では、係合部を弾性変形させるための突起15a、21を設けるようにしたが、それら突起は必ずしも設ける必要はない。シール部材18を設ける場合の位置や構造についても種々の変更が可能である。第2のシール部材22については必要に応じて設ければ良い。その他、端子箱本体部の嵌合部を、本体部の外形よりもやや小さく構成することも可能である。
【0033】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、これらの実施形態は、あくまでも例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0034】
図面中、1は電動機、3はフレーム、8は取付台座、8aは開口部、9は係合穴(被係合部)、11は端子箱、12は端子箱本体部、12aは嵌合部、12bは作業用開口部、13は端子箱カバー、14は引込み口、15は係合片、15aは突起、16は係合爪(係合部)、17はシール片部、18はシール部材、19は本体側係合穴(本体側被係合部)、20はカバー側係合爪(カバー側係合部)、21は突起、22は第2のシール部材を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6