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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080391
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/40 20230101AFI20240606BHJP
   H10B 43/27 20230101ALI20240606BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240606BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
H10B43/40
H10B43/27
H01L29/78 371
H01L25/08 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193540
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 広翔
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP42
5F083EP47
5F083EP48
5F083EP76
5F083ER03
5F083ER09
5F083ER14
5F083ER19
5F083JA03
5F083JA04
5F083JA05
5F083JA19
5F083JA36
5F083JA37
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA20
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083PR03
5F083PR40
5F083ZA29
5F083ZA30
5F101BA45
5F101BB04
5F101BC02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH14
(57)【要約】
【課題】半導体記憶装置のサイズの増大を抑制する。
【解決手段】実施形態の半導体記憶装置は、基板を含む第1チップ1-1と、Z方向に第1チップ1-1と並び、第1チップ1-1に接する第2チップ1-2と、を備え、第2チップ1-2はメモリセルアレイ10を含み、第1チップ1-1に設けられる複数の第1貼合パッド39Bと、第2チップ1-2に設けられ、下面が複数の第1貼合パッド39Bの上面に接する複数の第2貼合パッド40Bと、基板に平行な面内において複数の第1貼合パッド39Bと並ぶ第1電極パッド39E-1と、基板に平行な面内において複数の第2貼合パッド40Bと並び、第1電極パッド39E-1とZ方向に互いに離れて並ぶ第2電極パッド40E-1と、第1電極パッド39E-1及び第2電極パッド40E-1によって挟まれる第1絶縁体層58-1、60-1と、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を含む第1チップと、
前記基板の上面に垂直な第1方向に前記第1チップと並び、前記第1チップに接する第2チップと、
を備え、
前記第2チップは、
前記第1方向に互いに離れて並ぶ複数の第1配線層、及び前記複数の第1配線層を貫通し、前記第1方向に延伸するメモリピラー、を有するメモリセルアレイ、
を含み、
前記第1チップに設けられる複数の第1貼合パッドと、
前記第2チップに設けられ、下面が前記複数の第1貼合パッドの上面に接する複数の第2貼合パッドと、
前記基板の上面に平行な面内で、前記複数の第1貼合パッドと並んで設けられる第1電極パッドと、
前記基板の上面に平行な面内で、前記複数の第2貼合パッドと並んで設けられ、前記第1電極パッドと前記第1方向に互いに離れて並ぶ第2電極パッドと、
前記第1電極パッド、及び前記第2電極パッドによって前記第1方向に挟まれる第1絶縁体層と、
を含む、
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記基板の上面に平行な面内で、第1の絶縁体部分を介して、前記第1電極パッドと隣り合う第1ダミーパッドと、
前記基板の上面に平行な面内で、第2の絶縁体部分を介して、前記第2電極パッドと隣り合う第2ダミーパッドと、
をさらに備え、
前記第1ダミーパッドは、上方から見て、前記第1電極パッドの周囲を囲むように設けられ、
前記第2ダミーパッドは、上方から見て、前記第2電極パッドの周囲を囲むように設けられる、
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1ダミーパッドの上面は、前記第1電極パッドに隣接する側で、前記第1チップの上面よりも下方に位置する部分を含み、
前記第2ダミーパッドの下面は、前記第2電極パッドに隣接する側で、前記第2チップの下面よりも上方に位置する部分を含み、
前記第1電極パッドの上面は、前記第1チップの上面よりも下方に位置し、
前記第2電極パッドの下面は、前記第2チップの下面よりも上方に位置する、
請求項2記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
上方から見て、前記第1電極パッドのサイズと、前記第2電極パッドのサイズとが異なる、
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記基板には回路が設けられ、
前記第1電極パッドの下面、及び前記第2電極パッドの上面はそれぞれ、前記回路に電気的に接続される、
請求項1記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
データを不揮発に記憶することが可能な半導体記憶装置として、NAND型フラッシュメモリが知られる。NAND型フラッシュメモリにおいては、高集積化及び大容量化のために3次元のメモリ構造が採用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-057532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体記憶装置のサイズの増大を抑制する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体記憶装置は、基板を含む第1チップと、上記基板の上面に垂直な第1方向に上記第1チップと並び、上記第1チップに接する第2チップと、を備え、上記第2チップは、上記第1方向に互いに離れて並ぶ複数の第1配線層、及び上記複数の第1配線層を貫通し、上記第1方向に延伸するメモリピラー、を有するメモリセルアレイ、を含み、上記第1チップに設けられる複数の第1貼合パッドと、上記第2チップに設けられ、下面が上記複数の第1電極パッドの上面に接する複数の第2貼合パッドと、上記基板に平行な面内で、上記複数の第1貼合パッドと並んで設けられる第1電極パッドと、上記基板に平行な面内で、上記複数の第2貼合パッドと並んで設けられ、上記第1電極パッドと上記第1方向に互いに離れて並ぶ第2電極パッドと、上記第1電極パッド、及び上記第2電極パッドによって上記第1方向に挟まれる第1絶縁体層と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る半導体記憶装置を含むメモリシステムの構成の一例を示すブロック図。
図2】実施形態に係る半導体記憶装置が備えるメモリセルアレイの回路構成の一例を示す回路図。
図3】実施形態に係る半導体記憶装置が備えるメモリセルアレイのXZ平面における断面構造の一例を示す断面図。
図4】実施形態に係る半導体記憶装置のXZ平面における断面構造の一例を示す断面図。
図5】実施形態に係る半導体記憶装置のXY平面における断面構造の一例を示す、図4のZ方向に沿ったV-V線と同等の高さにおける半導体記憶装置の断面図。
図6】実施形態に係る半導体記憶装置が備える貼合パッド及び容量素子のXZ平面における断面構造の一例を示す断面図。
図7】実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法の一例を説明するための断面図。
図8】実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法の一例を説明するための上面図。
図9】実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法の一例を説明するための断面図。
図10】実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法の一例を説明するための断面図。
図11】実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法の一例を説明するための断面図。
図12】実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法の一例を説明するための断面図。
図13】実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法の一例を説明するための断面図。
図14】実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法の一例を説明するための断面図。
図15】実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法の一例を説明するための断面図。
図16】第1変形例に係る半導体記憶装置のXZ平面における断面構造の一例を示す断面図。
図17】第1変形例に係る半導体記憶装置のXY平面における断面構造の一例を示す、図16のZ方向に沿ったXVII-XVII線と同等の高さにおける半導体記憶装置の断面図。
図18】第2変形例に係る半導体記憶装置のXZ平面における断面構造の一例を示す断面図。
図19】第2変形例に係る半導体記憶装置のXY平面における断面構造の一例を示す、図18のZ方向に沿ったXIX-XIX線と同等の高さにおける半導体記憶装置の断面図。
図20】第2変形例に係る半導体記憶装置の製造方法の一例を説明するための上面図。
図21】第2変形例に係る半導体記憶装置の製造方法の一例を説明するための断面図。
図22】第2変形例に係る半導体記憶装置の製造方法の一例を説明するための断面図。
図23】第2変形例に係る半導体記憶装置の製造方法の一例を説明するための断面図。
図24】第2変形例に係る半導体記憶装置の製造方法の一例を説明するための断面図。
図25】第2変形例に係る半導体記憶装置の製造方法の一例を説明するための断面図。
図26】第3変形例に係る半導体記憶装置のXZ平面における断面構造の一例を示す断面図。
図27】第4変形例に係る半導体記憶装置のXZ平面における断面構造の一例を示す断面図。
図28】第4変形例に係る半導体記憶装置のXZ平面における断面構造の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面の寸法及び比率は、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付す。また、同様の構成を有する要素同士を特に区別する場合、同一符号の末尾に、互いに異なる文字又は数字を付加する場合がある。
【0008】
1 実施形態
以下に、実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。
【0009】
1.1 構成
実施形態に係る半導体記憶装置の構成について説明する。
【0010】
1.1.1 メモリシステム
まず、メモリシステムの構成例について、図1を用いて説明する。図1は、実施形態に係る半導体記憶装置を含むメモリシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【0011】
メモリシステム3は、例えばSSD(solid state drive)やSDTMカードである。メモリシステム3は、例えば図示しない外部のホスト機器に接続される。メモリシステム3は、ホスト機器からのデータを記憶する。また、メモリシステム3は、データをホスト機器に読出す。
【0012】
メモリシステム3は、半導体記憶装置1及びメモリコントローラ2を備える。
【0013】
半導体記憶装置1は、例えばNAND型フラッシュメモリである。半導体記憶装置1は、データを不揮発に記憶する。以下では、半導体記憶装置1がNAND型フラッシュメモリである場合を例に説明する。
【0014】
メモリコントローラ2は、例えば、SoC(system-on-a-chip)のような集積回路で構成される。メモリコントローラ2は、例えばホスト機器からの要求に基づいて、データを半導体記憶装置1に書込む。また、メモリコントローラ2は、例えばホスト機器からの要求に基づいて、データを半導体記憶装置1から読出す。また、メモリコントローラ2は、半導体記憶装置1から読出したデータをホスト機器に送信する。
【0015】
半導体記憶装置1とメモリコントローラ2との通信は、例えば、SDR(single data rate)インタフェース、トグルDDR(double data rate)インタフェース、又はONFI(Open NAND flash interface)に準拠する。
【0016】
1.1.2 半導体記憶装置
引き続き、図1を用いて、半導体記憶装置1の内部構成について説明する。半導体記憶装置1は、例えばメモリセルアレイ10、コマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、ドライバモジュール14、ロウデコーダモジュール15、及びセンスアンプモジュール16を含む。
【0017】
メモリセルアレイ10は、複数のブロックBLK0~BLKn(nは1以上の整数)を含む。ブロックBLKは、データを不揮発に記憶することが可能な複数のメモリセルの集合である。ブロックBLKは、例えばデータの消去単位として使用される。また、メモリセルアレイ10には、複数のビット線及び複数のワード線が設けられる。1つのメモリセルは、例えば1本のビット線と1本のワード線とに関連付けられる。
【0018】
コマンドレジスタ11は、半導体記憶装置1がメモリコントローラ2から受信したコマンドCMDを保持する。コマンドCMDは、例えばシーケンサ13に読出し動作、書込み動作、及び消去動作等を実行させる命令を含む。
【0019】
アドレスレジスタ12は、半導体記憶装置1がメモリコントローラ2から受信したアドレス情報ADDを保持する。アドレス情報ADDは、例えばページアドレスPA、ブロックアドレスBA、及びカラムアドレスCAを含む。例えば、ページアドレスPA、ブロックアドレスBA、及びカラムアドレスCAはそれぞれ、ワード線、ブロックBLK、及びビット線の選択に使用される。
【0020】
シーケンサ13は、半導体記憶装置1全体の動作を制御する。シーケンサ13は、コマンドレジスタ11に記憶されたコマンドCMDに基づいて、読出し動作、書込み動作、及び消去動作を実行する。
【0021】
ドライバモジュール14は、読出し動作、書込み動作、及び消去動作等で使用される電圧を生成する。そして、ドライバモジュール14は、例えばアドレスレジスタ12に保持されたページアドレスPAに基づいて、選択されたワード線に対応する信号線に生成した電圧を印加する。
【0022】
ロウデコーダモジュール15は、アドレスレジスタ12に保持されたブロックアドレスBAに基づいて、対応するメモリセルアレイ10内の1つのブロックBLKを選択する。そして、ロウデコーダモジュール15は、例えば選択されたワード線に対応する信号線に印加された電圧を、選択されたブロックBLK内の選択されたワード線に転送する。
【0023】
センスアンプモジュール16は、メモリコントローラ2とメモリセルアレイ10との間で、データDATを転送する。データDATは、書込みデータ及び読出しデータを含む。より具体的に、センスアンプモジュール16は、書込み動作において、メモリコントローラ2から受信した書込みデータDATをメモリセルアレイ10に転送する。また、センスアンプモジュール16は、読出し動作において、ビット線の電圧に基づいてメモリセルに記憶されたデータの判定を実行する。センスアンプモジュール16は、当該判定の結果を読出しデータDATとしてメモリコントローラ2に転送する。
【0024】
1.1.3 メモリセルアレイの回路構成
メモリセルアレイ10の回路構成の一例について、図2を用いて説明する。図2は、実施形態に係る半導体記憶装置が備えるメモリセルアレイの回路構成の一例を示す回路図である。図2では、メモリセルアレイ10に含まれる複数のブロックBLKのうちの1つのブロックBLKが示される。図2に示す例では、ブロックBLKは、4つのストリングユニットSU0、SU1、SU2、及びSU3を含む。
【0025】
各ストリングユニットSUは、ビット線BL0~BLk(kは1以上の整数)にそれぞれ関連付けられた複数のNANDストリングNSを含む。各NANDストリングNSは、例えばメモリセルトランジスタMT0~MT7、並びに選択トランジスタST1及びST2を含む。メモリセルトランジスタMT0~MT7の各々は、制御ゲート及び電荷蓄積膜を含む。メモリセルトランジスタMT0~MT7の各々は、データを不揮発に保持する。選択トランジスタST1及びST2は、各種動作時におけるストリングユニットSUの選択に使用される。なお、以下の説明において、ビット線BL0~BLkを区別しない場合には、ビット線BL0~BLkの各々を、単にビット線BLと呼ぶ。また、メモリセルトランジスタMT0~MT7を区別しない場合には、メモリセルトランジスタMT0~MT7の各々を、単にメモリセルトランジスタMTと呼ぶ。
【0026】
各NANDストリングNSにおいて、メモリセルトランジスタMT0~MT7は、直列に接続される。選択トランジスタST1の第1端は、当該選択トランジスタST1に関連付けられたビット線BLに接続される。選択トランジスタST1の第2端は、直列接続されたメモリセルトランジスタMT0~MT7の一端に接続される。選択トランジスタST2の第1端は、直列接続されたメモリセルトランジスタMT0~MT7の他端に接続される。選択トランジスタST2の第2端は、ソース線SLに接続される。
【0027】
同一のブロックBLKにおいて、メモリセルトランジスタMT0~MT7の制御ゲートは、それぞれワード線WL0~WL7に接続される。ストリングユニットSU0~SU3内の選択トランジスタST1のゲートはそれぞれ、選択ゲート線SGD0~SGD3に接続される。これに対して、複数の選択トランジスタST2のゲートは、選択ゲート線SGSに共通に接続される。しかしながら、これに限られるものではなく、複数の選択トランジスタST2のゲートはそれぞれ、ストリングユニットSU毎に異なる複数の選択ゲート線SGSに接続されてもよい。なお、以下の説明において、ワード線WL0~WL7を区別しない場合には、ワード線WL0~WL7の各々を、単にワード線WLと呼ぶ。また、選択ゲート線SGD0~SGD3を区別しない場合には、選択ゲート線SGD0~SGD3の各々を、単に選択ゲート線SGDと呼ぶ。
【0028】
ビット線BL0~BLkには、それぞれ異なるカラムアドレスが割り当てられる。各ビット線BLは、複数のブロックBLK間で同一のカラムアドレスが割り当てられたNANDストリングNSによって共有される。ワード線WL0~WL7は、それぞれブロックBLK毎に設けられる。ソース線SLは、例えば複数のブロックBLK間で共有される。
【0029】
1つのストリングユニットSU内で共通のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTの集合は、例えばセルユニットCUと呼ばれる。それぞれが1ビットデータを記憶する複数のメモリセルトランジスタMTを含むセルユニットCUの記憶容量は、例えば「1ページデータ」として定義される。セルユニットCUは、メモリセルトランジスタMTが記憶するデータのビット数に応じて、2ページデータ以上の記憶容量を有し得る。
【0030】
なお、メモリセルアレイ10の回路構成は、以上で説明した構成に限定されない。例えば、各ブロックBLKが含むストリングユニットSUの個数は、任意の個数であってよい。各NANDストリングNSが含むメモリセルトランジスタMT、並びに選択トランジスタST1及びST2の個数はそれぞれ、任意の個数であってよい。
【0031】
1.1.4 メモリセルアレイの構造
次に、メモリセルアレイ10の構造について、図3を用いて説明する。図3は、実施形態に係る半導体記憶装置が備えるメモリセルアレイのXZ平面における断面構造の一例を示す断面図である。
【0032】
なお、以下で参照される図面において、X方向はビット線BLの延伸方向に対応し、Y方向はワード線WLの延伸方向に対応する。Z1方向は半導体記憶装置1の電極パッドから半導体基板に向かう方向に対応し、Z2方向は半導体記憶装置1の半導体基板から電極パッドに向かう方向に対応する。Z1方向及びZ2方向のいずれかを限定しない場合は、Z方向と記載する。なお、以降の説明において、Z方向における、ある構成要素の電極パッド側の面及び端をそれぞれ、第1面及び第1端とも呼ぶ。また、Z方向における、ある構成要素の半導体基板側の面及び端をそれぞれ、第2面及び第2端とも呼ぶ。
【0033】
メモリセルアレイ10は、導電体層30A、31、33、34、及び35、複数の導電体層32、絶縁体層50、51、53、複数の絶縁体層52、並びに複数のメモリピラーMPを含む。図3では、複数のメモリピラーMPのうち4つのメモリピラーMPが示される。また、図3では、複数の導電体層32、及び複数の絶縁体層52として、8層の導電体層32、及び8層の絶縁体層52が含まれる場合が示される。メモリセルアレイ10は、Z方向において半導体記憶装置1の電極パッドと半導体基板との間に設けられる。
【0034】
導電体層30Aは、例えばXY平面に沿って広がった板状に形成される。導電体層30Aは、ソース線SLとして使用される。導電体層30Aは、導電材料により構成される。導電材料は、例えば不純物が添加されたN型半導体、又は金属材料である。
【0035】
導電体層30Aの第2面上には、絶縁体層50が積層される。絶縁体層50の第2面上には、導電体層31が積層される。導電体層31は、例えばXY平面に沿って広がった板状に形成される。導電体層31は、選択ゲート線SGSとして使用される。導電体層31は、例えばタングステンを含む。
【0036】
導電体層31の第2面上には、絶縁体層51が積層される。絶縁体層51の第2面上には、8層の導電体層32及び8層の絶縁体層52が、Z1方向に向かって導電体層32、絶縁体層52、・・・、導電体層32、絶縁体層52の順に積層される。導電体層32は、例えばXY平面に沿って広がった板状に形成される。8層の導電体層32は、Z1方向に向かって導電体層31側から順に、それぞれワード線WL0~WL7として使用される。導電体層32は、例えばタングステンを含む。
【0037】
8層の絶縁体層52のうち最も半導体基板側の絶縁体層52の第2面上には、導電体層33が積層される。導電体層33は、例えばXY平面に沿って広がった板状に形成される。導電体層33は、選択ゲート線SGDとして使用される。導電体層33は、例えばタングステンを含む。導電体層33は、例えば複数の部材SHEによって、ストリングユニットSU毎に電気的に絶縁される。
【0038】
導電体層33の第2面上には、絶縁体層53が積層される。絶縁体層53の第2面上には、導電体層34が積層される。導電体層34は、X方向に沿って延伸して設けられる。導電体層34は、ビット線BLとして機能する。
【0039】
以上のような導電体層30A、31、33、及び34、8層の導電体層32、絶縁体層50、51、及び53、並びに8層の絶縁体層52を含む積層構造は、絶縁体層54及び55に囲まれるように設けられる。図3では、導電体層30Aの第1面に接する絶縁体層54、及び導電体層34の第2面に接する絶縁体層55が示される。絶縁体層54及び55については後述する。
【0040】
導電体層34より電極パッド側において、複数のメモリピラーMPが、Z方向に沿って延伸して設けられる。複数のメモリピラーMPは、導電体層31及び33、並びに8層の導電体層32を貫通する。
【0041】
複数のメモリピラーMPの各々は、例えばコア部材90、半導体膜91、トンネル絶縁膜92、電荷蓄積膜93、ブロック絶縁膜94、及び半導体部95を含む。
【0042】
コア部材90はZ方向に沿って延伸して設けられる。Z方向において、コア部材90の第1端は、例えば導電体層30Aよりも半導体基板側に位置する。Z方向において、コア部材90の第2端は、例えば導電体層33よりも半導体基板側に位置する。コア部材90は、例えば酸化シリコンを含む。
【0043】
半導体膜91は、コア部材90の側面を覆うように設けられる。Z方向において、半導体膜91の第1端は、コア部材90の第1端を覆う。Z方向において、半導体膜91の第1端は導電体層30Aに接する。Z方向において、半導体膜91の第2端は、コア部材90の第2端よりも半導体基板側に位置する。半導体膜91は、例えばポリシリコンを含む。
【0044】
トンネル絶縁膜92は、半導体膜91の側面を覆う。Z方向において、トンネル絶縁膜92の第2端は、半導体膜91の第2端と同等の高さに位置する。トンネル絶縁膜92は、例えば酸化シリコンを含む。
【0045】
電荷蓄積膜93は、トンネル絶縁膜92の側面を覆う。Z方向において、電荷蓄積膜93の第2端は、半導体膜91の第2端、及びトンネル絶縁膜92の第2端と同等の高さに位置する。電荷蓄積膜93は、電荷を蓄積することが可能な絶縁体を含む。当該絶縁体は、例えば窒化シリコンである。
【0046】
ブロック絶縁膜94は、電荷蓄積膜93の側面を覆う。Z方向において、ブロック絶縁膜94の第2端は、半導体膜91の第2端、トンネル絶縁膜92の第2端、及び電荷蓄積膜93の第2端と同等の高さに位置する。ブロック絶縁膜94は、例えば酸化シリコンを含む。
【0047】
半導体部95は、Z方向において、コア部材90の第2面を覆うように設けられる。半導体部95の側面は、半導体膜91の第2端に覆われる。
【0048】
導電体層35は、Z方向に沿った半導体部95及び導電体層34の間において、半導体部95及び導電体層34のそれぞれに接する。
【0049】
また、複数のメモリピラーMPの各々と導電体層31とが交差した部分は、選択トランジスタST2として機能する。複数のメモリピラーMPの各々と複数の導電体層32の各々とが交差した部分は、メモリセルトランジスタMTとして機能する。複数のメモリピラーMPの各々と導電体層33とが交差した部分は、選択トランジスタST1として機能する。半導体膜91は、メモリセルトランジスタMT0~MT7、並びに選択トランジスタST1及びST2のそれぞれのチャネルとして機能する。電荷蓄積膜93は、メモリセルトランジスタMTの電荷蓄積層として機能する。
【0050】
1.1.5 半導体記憶装置の構造
以下に、実施形態に係る半導体記憶装置1の構造の一例について説明する。
【0051】
1.1.5.1 半導体記憶装置の断面構造
実施形態に係る半導体記憶装置1の断面構造について、図4を用いて説明する。図4は、実施形態に係る半導体記憶装置のXZ平面における断面構造の一例を示す断面図である。図4では、半導体記憶装置1の一部分の断面構造が示される。
【0052】
半導体記憶装置1は、回路チップ1-1とメモリチップ1-2とが貼合わせられた構造を有する。
【0053】
まず、回路チップ1-1の断面構造について説明する。
【0054】
回路チップ1-1は、半導体基板70、トランジスタTr1、Tr2、Tr3、Tr4、及びTr5、複数の導電体層36、37、38、39B、39D、及び39E、絶縁体層56及び57、並びに複数の絶縁体層58を含む。トランジスタTr1、Tr2、Tr3、Tr4、及びTr5は、コマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、ドライバモジュール14、ロウデコーダモジュール15、及びセンスアンプモジュール16等を含む周辺回路内の素子である。トランジスタTr1、Tr2、及びTr3はそれぞれ、例えばビット線BL、ソース線SL、及び電極パッドPDに電気的に接続される。トランジスタTr4及びTr5は、例えば後述する容量素子に電気的に接続される。
【0055】
半導体基板70の第1面上には、絶縁体層56が設けられる。絶縁体層56は、例えば酸化シリコンを含む。絶縁体層56内には、トランジスタTr1、Tr2、Tr3、Tr4、及びTr5、並びに複数の導電体層36、37、及び38が設けられる。
【0056】
複数の導電体層36は、導電体層36-1、36-2、36-3、36-4、及び36-5を含む。導電体層36-1、36-2、36-3、36-4、及び36-5はそれぞれ、トランジスタTr1、Tr2、Tr3、Tr4、及びTr5に接続される。複数の導電体層36の各々は、柱状のコンタクトとして機能する。
【0057】
複数の導電体層37は、導電体層37-1、37-2、37-3、37-4、及び37-5を含む。導電体層37-1、37-2、37-3、37-4、及び37-5はそれぞれ、導電体層36-1、36-2、36-3、36-4、及び36-5の第1面に接続される。
【0058】
複数の導電体層38は、導電体層38-1、38-2、38-3、38-4、及び38-5を含む。導電体層38-1、38-2、38-3、38-4、及び38-5はそれぞれ、導電体層37-1、37-2、37-3、37-4、及び37-5の第1面に接続される。複数の導電体層38の第1面は、絶縁体層56の第1面と面一になるように設けられる。
【0059】
絶縁体層56及び複数の導電体層38の第1面上には、絶縁体層57が設けられる。絶縁体層57は、例えば酸化シリコンを含む。
【0060】
絶縁体層57と同層には、複数の導電体層39B、39D、及び39Eが設けられる。複数の導電体層39B、39D、及び39Eはそれぞれ、例えば銅を含む。
【0061】
複数の導電体層39Bは、導電体層39B-1、39B-2、39B-3、及び39B-4を含む。導電体層39B-1、39B-2、39B-3、及び39B-4はそれぞれ、導電体層38-1、38-2、38-3、及び38-4の第1面に接続される。複数の導電体層39Bの各々は、当該導電体層39Bの第1面と、回路チップ1-1の第1面とが面一になるように設けられる。複数の導電体層39Bは、回路チップ1-1とメモリチップ1-2とを電気的に接続するための複数の貼合パッドBPとして機能する。
【0062】
複数の導電体層39Eは、導電体層39E-1を含む。導電体層39E-1は、導電体層38-5の第1面に接続される。複数の導電体層39Eの第1面は、複数の導電体層39Bの第1面よりも半導体基板70側に位置する。複数の導電体層39Eの第2面は、複数の導電体層39Bの第2面と略同等の高さに位置する。
【0063】
なお、図4に示す断面では、複数の導電体層39Eのうち導電体層39E-1のみが図示されるが、これに限られない。半導体記憶装置1は、XZ平面において、2つ以上の導電体層39Eを含み得る。
【0064】
複数の導電体層39Dは、複数の導電体層39Eに対応して設けられる。複数の導電体層39Dは、導電体層39E-1に対応する導電体層39D-1を含む。XZ平面において、複数の導電体層39Dの各々は、当該導電体層39Dに対応する導電体層39EをX方向に挟む、X方向に沿った一端側の部分と他端側の部分とを含む。複数の導電体層39Dの各々は、当該導電体層39Dに対応する導電体層39Eと互いに離間して設けられる。例えば、XZ平面において、当該導電体層39DのX方向に沿った一端側の部分、及び当該導電体層39E、並びに当該導電体層39DのX方向に沿った他端側の部分、及び当該導電体層39Eはそれぞれ、絶縁体層57の第1部分によって離間する。
【0065】
複数の導電体層39Dの各々のX方向に沿った一端側の部分及び他端側の部分の第1面はそれぞれ、例えばX方向に沿って当該導電体層39Dに対応する導電体層39Eに隣接する側で、回路チップ1-1の第1面よりも半導体基板70側に位置する部分を有する。これにより、複数の導電体層39Eの各々の第1面、当該導電体層39Eに対応する導電体層39Dの第1面のうち回路チップ1-1の第1面よりも半導体基板70側に位置する部分、並びに絶縁体層57の第1部分の第1面は、回路チップ1-1の第1面よりも半導体基板70側に凹んだ皿状の構造を形成する。複数の導電体層39Dの第2面は、複数の導電体層39Bの第2面、及び複数の導電体層39Eの第2面と略同等の高さに位置する。
【0066】
なお、図4に示す断面では、複数の導電体層39Dのうち導電体層39E-1に対応する導電体層39D-1のみが図示されるが、これに限られない。半導体記憶装置1は、XZ平面において、導電体層39Eの数に応じて、2つ以上の導電体層39Dを含み得る。
【0067】
また、図4には図示されないが、YZ平面における複数の導電体層39Eの各々、及び当該導電体層39Eに対応する導電体層39Dを含む断面構造は、例えばXZ平面における導電体層39D及び39Eを含む断面構造と同様である。より具体的には、YZ平面において、複数の導電体層39Dの各々は、当該導電体層39Dに対応する導電体層39EをY方向に挟む、Y方向に沿った一端側の部分と他端側の部分とを含む。YZ平面において、当該導電体層39DのY方向に沿った一端側の部分、及び当該導電体層39E、並びに当該導電体層39DのY方向に沿った他端側の部分、及び当該導電体層39Eはそれぞれ、絶縁体層57の第1部分によって離間する。また、複数の導電体層39Dの各々のY方向に沿った一端側の部分及び他端側の部分の第1面はそれぞれ、例えばY方向に沿って当該導電体層39Dに対応する導電体層39Eに隣接する側で、回路チップ1-1の第1面よりも半導体基板70側に位置する部分を有する。また、YZ平面において、複数の導電体層39Eの各々の第1面、当該導電体層39Eに対応する導電体層39Dの第1面のうち回路チップ1-1の第1面よりも半導体基板70側に位置する部分、並びに絶縁体層57の第1部分の第1面は、XZ平面における構造と同様に、回路チップ1-1の第1面よりも半導体基板70側に凹んだ皿状の構造を形成する。
【0068】
複数の絶縁体層58は、複数の導電体層39Eに対応して設けられる。図4に示す断面では、複数の絶縁体層58は、導電体層39E-1に対応する絶縁体層58-1を含む。複数の絶縁体層58は、上述の半導体基板70側に凹んだ皿状の構造を埋め込むように設けられる。例えば絶縁体層58-1は、XZ平面及びYZ平面において、導電体層39D-1の第1面のうち回路チップ1-1の第1面よりも半導体基板70側の部分、導電体層39E-1の第1面、並びに導電体層39D-1及び39E-1を離間する絶縁体層57の第1部分の第1面により形成される皿状の構造を埋め込むように設けられる。複数の絶縁体層58の各々は、当該絶縁体層58の第1面と、回路チップ1-1の第1面とが面一になるように設けられる。複数の絶縁体層58は、絶縁材料により構成される。当該絶縁材料は、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、又は窒素が添加された炭化シリコン(SiCN)を含む。上記絶縁材料が窒化シリコン、又は窒素が添加された炭化シリコンであれば、例えば複数の導電体層39D及び39Eからの銅の拡散を抑制することができる。
【0069】
なお、図4に示す断面では、複数の絶縁体層58のうち導電体層39E-1に対応する絶縁体層58-1のみが図示されるが、これに限られない。半導体記憶装置1は、XZ平面において、導電体層39Eの数に応じて、2つ以上の絶縁体層58を含み得る。
【0070】
以上のような構成により、複数の導電体層39Eの各々は、当該導電体層39Eに対応する絶縁体層58によって、メモリチップ1-2の第2面から離間する。
【0071】
次に、メモリチップ1-2の断面構造について説明する。
【0072】
メモリチップ1-2は、導電体層30B、42、43、及び44、複数の導電体層40B、40D、40E、及び41、絶縁体層54、55、59、及び61、複数の絶縁体層60、並びにメモリセルアレイ10を含む。
【0073】
メモリチップ1-2において、回路チップ1-1の第1面上に、絶縁体層59が設けられる。絶縁体層59は、例えば酸化シリコンを含む。
【0074】
絶縁体層59と同層には、複数の導電体層40B、40D、及び40Eが設けられる。複数の導電体層40B、40D、及び40Eはそれぞれ、例えば銅を含む。
【0075】
複数の導電体層40Bは、複数の導電体層39Bに対応して設けられる。複数の導電体層40Bは、導電体層40B-1、40B-2、40B-3、及び40B-4を含む。導電体層40B-1、40B-2、40B-3、及び40B-4はそれぞれ、導電体層39B-1、39B-2、39B-3、及び39B-4の第1面に接続される。複数の導電体層40Bは、回路チップ1-1とメモリチップ1-2とを電気的に接続するための複数の貼合パッドBPとして機能する。これらの構成により、回路チップ1-1とメモリチップ1-2とが、複数の導電体層39B及び40Bによって、電気的に接続される。
【0076】
複数の導電体層40Eは、複数の導電体層39Eに対応して設けられる。複数の導電体層40Eの各々は、当該導電体層40Eに対応する導電体層39EとZ方向に並ぶ。複数の導電体層40Eの第1面は、複数の導電体層40Bの第1面と略同等の高さに位置する。複数の導電体層40Eの第2面は、複数の導電体層40Bの第2面よりも電極パッドPD側に位置する。
【0077】
なお、図4に示す断面では、複数の導電体層40Eのうち導電体層39E-1に対応する導電体層40E-1のみが図示されるが、これに限られない。半導体記憶装置1は、XZ平面において、導電体層39Eの数に応じて、2つ以上の導電体層40Eを含み得る。
【0078】
複数の導電体層40Dは、複数の導電体層40Eに対応して設けられる。複数の導電体層40Dは、導電体層40E-1に対応する導電体層40D-1を含む。XZ平面において、複数の導電体層40Dの各々は、当該導電体層40Dに対応する導電体層40EをX方向に挟む、X方向に沿った一端側の部分と他端側の部分とを含む。複数の導電体層40Dの各々は、当該導電体層40Dに対応する導電体層40Eと互いに離間して設けられる。例えば、XZ平面において、当該導電体層40DのX方向に沿った一端側の部分、及び当該導電体層40E、並びに当該導電体層40DのX方向に沿った他端側の部分、及び当該導電体層40Eはそれぞれ、絶縁体層59の部分によって離間する。
【0079】
複数の導電体層40Dの各々のX方向に沿った一端側の部分及び他端側の部分の第2面はそれぞれ、例えばX方向に沿って当該導電体層40Dに対応する導電体層40Eに隣接する側で、メモリチップ1-2の第2面よりも電極パッドPD側に位置する部分を有する。これにより、複数の導電体層40Eの各々の第2面、当該導電体層40Eに対応する導電体層40Dの第2面のうちメモリチップ1-2の第2面よりも電極パッドPD側に位置する部分、並びに当該導電体層40D及び40Eを離間する絶縁体層59の部分の第2面は、メモリチップ1-2の第2面よりも電極パッドPD側に凹んだ皿状の構造を形成する。複数の導電体層40Dの第1面は、複数の導電体層40Bの第1面、及び複数の導電体層40Eの第1面と略同等の高さに位置する。
【0080】
なお、図4に示す断面では、複数の導電体層40Dのうち導電体層39E-1及び40E-1に対応する導電体層40D-1のみが図示されるが、これに限られない。半導体記憶装置1は、XZ平面において、導電体層39E及び40Eの数に応じて、2つ以上の導電体層40Dを含み得る。
【0081】
また、図4には図示されないが、YZ平面における複数の導電体層40Dの各々、及び当該導電体層40Dに対応する導電体層40Eを含む断面構造は、例えばXZ平面における導電体層40D及び40Eを含む断面構造と同様である。より具体的には、YZ平面において、複数の導電体層40Dの各々は、当該導電体層40Dに対応する導電体層40EをY方向に挟む、Y方向に沿った一端側の部分と他端側の部分とを含む。YZ平面において、当該導電体層40DのY方向に沿った一端側の部分、及び当該導電体層40E、並びに当該導電体層40DのY方向に沿った他端側の部分、及び当該導電体層40Eはそれぞれ、絶縁体層59の部分によって離間する。また、複数の導電体層40Dの各々のY方向に沿った一端側の部分及び他端側の部分の第2面はそれぞれ、例えばY方向に沿って当該導電体層40Dに対応する導電体層40Eに隣接する側で、メモリチップ1-2の第2面よりも電極パッドPD側に位置する部分を有する。また、YZ平面において、複数の導電体層40Eの各々の第2面、当該導電体層40Eに対応する導電体層40Dの第2面のうちメモリチップ1-2の第2面よりも電極パッドPD側に位置する部分、並びに当該導電体層40D及び40Eを離間する絶縁体層59の部分の第2面は、XZ平面における構造と同様に、メモリチップ1-2の第2面よりも電極パッドPD側に凹んだ皿状の構造を形成する。
【0082】
複数の絶縁体層60は、複数の導電体層39E及び40Eに対応して設けられる。図4に示す断面では、複数の絶縁体層60は、導電体層39E-1及び40E-1に対応する絶縁体層60-1を含む。複数の絶縁体層60は、上述の電極パッドPD側に凹んだ皿状の構造を埋め込むように設けられる。例えば絶縁体層60-1は、XZ平面及びYZ平面において、導電体層40D-1の第2面のうちメモリチップ1-2の第2面よりも電極パッドPD側の部分、導電体層40E-1の第2面、並びに導電体層40D-1及び40E-1を離間する絶縁体層59の部分の第2面により形成される皿状の構造を埋め込むように設けられる。複数の絶縁体層60の各々は、当該絶縁体層60の第2面と、メモリチップ1-2の第2面とが面一になるように設けられる。複数の絶縁体層60は、絶縁材料により構成される。当該絶縁材料は、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、又は窒素が添加された炭化シリコンを含む。上記絶縁材料が窒化シリコン、又は窒素が添加された炭化シリコンであれば、例えば複数の導電体層40D及び40Eからの銅の拡散を抑制することができる。
【0083】
なお、図4に示す断面では、複数の絶縁体層60のうち導電体層39E-1及び40E-1に対応する絶縁体層60-1のみが図示されるが、これに限られない。半導体記憶装置1は、XZ平面において、導電体層39E及び40Eの数に応じて、2つ以上の絶縁体層60を含み得る。
【0084】
以上のような構成により、複数の導電体層40Eの各々は、当該導電体層40Eに対応する絶縁体層60によって、回路チップ1-1の第1面から離間する。また、複数の絶縁体層60はそれぞれ、複数の絶縁体層58の第1面と接する。
【0085】
絶縁体層59、並びに複数の導電体層40B、40D、及び40Eの第1面上には、絶縁体層55が設けられる。絶縁体層55は、例えば酸化シリコンを含む。絶縁体層55内には、複数の導電体層41及び42、並びにメモリセルアレイ10の部分が設けられる。
【0086】
メモリセルアレイ10は、導電体層34が半導体基板70側に配置され、導電体層30Aが電極パッドPD側に配置されるように設けられる。メモリセルアレイ10は、例えば導電体層30Aの第2面が、絶縁体層55の第1面と同等の高さに位置するように設けられる。すなわち、絶縁体層55内には、メモリセルアレイ10のうち、導電体層31、及び33~35、8層の導電体層32、絶縁体層50、51、及び53、8層の絶縁体層52、複数の部材SHE、並びに複数のメモリピラーMPの部分等が設けられる。
【0087】
複数の導電体層41は、導電体層41-1、41-2、41-3、41-4、及び41-5を含む。
【0088】
導電体層41-1は、導電体層40B-1の第1面上に設けられる。導電体層41-1は、柱状のコンタクトとして機能する。導電体層41-1の第1面は、導電体層34の第2面に接続される。これにより、ビット線BLが、導電体層36-1、37-1、38-1、39B-1、40B-1、及び41-1を介してトランジスタTr1に電気的に接続される。
【0089】
導電体層41-2は、導電体層40B-2の第1面上に設けられる。導電体層41-2は、柱状のコンタクトとして機能する。導電体層41-2は、絶縁体層55をZ方向に貫通する。
【0090】
導電体層41-3は、導電体層40B-3の第1面上に設けられる。導電体層41-3は、柱状のコンタクトとして機能する。導電体層41-3は、絶縁体層55をZ方向に貫通する。
【0091】
導電体層41-4は、導電体層40B-4の第1面上に設けられる。導電体層41-4は、柱状のコンタクトとして機能する。
【0092】
導電体層40E-1の第1面上には、導電体層41-5が設けられる。導電体層41-5は、柱状のコンタクトとして機能する。
【0093】
導電体層41-4及び41-5の第1面上には、導電体層41-4及び41-5を接続する導電体層42が設けられる。このような構成により、導電体層40E-1が、導電体層36-4、37-4、38-4、39B-4、40B-4、41-4、42、及び41-5を介して、トランジスタTr4に電気的に接続される。
【0094】
メモリセルアレイ10に含まれる導電体層30Aは、例えばメモリセルアレイ10の絶縁体層50の第1面上、複数のメモリピラーMPの第1面上、及び絶縁体層55の第1面上に設けられる部分を含む。
【0095】
導電体層30Bは、導電体層30Aと同層において、絶縁体層55の第1面上に設けられる。導電体層30A及び30Bは、互いに離間する。
【0096】
導電体層43は、絶縁体層55よりも電極パッドPD側に設けられる。導電体層43は、配線層として機能する。導電体層43は、例えばアルミニウムを含む。導電体層43は、X方向に沿って延伸する。導電体層43は、部分C1、C2、及びJを含む。部分C1、J、及びC2は、X方向に沿ってこの順に並ぶ。部分C1は、導電体層41-2の第1面、及び絶縁体層55の第1面のうち導電体層41-2の第1面を囲む領域に接する。部分C2は、導電体層30Aの第1面のうち少なくとも一部に接する。部分Jは、導電体層30Aの第1面よりも電極パッドPD側において、部分C1及びC2を電気的に接続する。このような構成により、ソース線SLが、導電体層36-2、37-2、38-2、39B-2、40B-2、41-2、及び43を介してトランジスタTr2に電気的に接続される。
【0097】
導電体層44は、導電体層41-3の第1面、及び絶縁体層55の第1面のうち導電体層41-3の第1面を囲む領域に接する。導電体層44は、電極パッドPDとして機能する。電極パッドPDは、例えばボンディングワイヤ、はんだボール、金属バンプ等により実装基板や外部機器等に接続され得る。電極パッドPDは、例えば銅を含む。このような構成により、電極パッドPDが、導電体層36-3、37-3、38-3、39B-3、40B-3、及び41-3を介してトランジスタTr3に電気的に接続される。
【0098】
絶縁体層55、並びに導電体層30A及び30Bの第1面上のうち導電体層43及び44と接しない領域において、例えば導電体層43の部分Jの第2面の高さまで、絶縁体層54が設けられる。絶縁体層54は、例えば酸化シリコンを含む。絶縁体層54は、例えば導電体層30A及び30Bの間、導電体層30A及び44の間、導電体層30B及び43の間、導電体層30B及び44の間、並びに導電体層43及び44の間をそれぞれ電気的に絶縁する。
【0099】
導電体層43の第1面上、導電体層44の第1面上、並びに絶縁体層54の第1面上のうち導電体層43及び44に接しない領域には、導電体層44の第1面上のうち電極パッドPDとして機能する部分を除いて、絶縁体層61が設けられる。絶縁体層61は、パッシベーション膜として機能する。絶縁体層61は、例えば窒化シリコンや樹脂材料等を含む。
【0100】
以上の構成において、複数の導電体層39Eの各々、当該導電体層39Eに対応する絶縁体層58、当該導電体層39Eに対応する絶縁体層60、及び当該導電体層39Eに対応する導電体層40Eは、この順にZ2方向に並ぶ。複数の導電体層39Eの各々と、当該導電体層39Eに対応する導電体層40E、並びに絶縁体層58及び60とは、容量素子として機能する。複数の導電体層39E及び40Eは、容量素子の電極として機能する複数の電極パッドEPである。また、複数の絶縁体層58の各々、及び当該絶縁体層58に対応する絶縁体層60は、2つの電極パッドEPによってZ方向に挟まれる絶縁体である。上記容量素子は、例えばコマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、ドライバモジュール14、ロウデコーダモジュール15、及びセンスアンプモジュール16等の周辺回路内の素子である。導電体層39E-1及び40E-1、並びに絶縁体層58-1及び60-1を含む容量素子は、例えば、上述のような構成により、周辺回路において、トランジスタTr4及びTr5の間に設けられる。
【0101】
なお、複数の導電体層39D及び40Dは、電極として機能しない複数のダミーパッドDPである。複数のダミーパッドDPは、後述する半導体記憶装置1の製造方法において、回路チップ1-1側の上記皿状の構造、及びメモリチップ1-2側の上記皿状の構造を形成するために設けられる。
【0102】
1.1.5.2 貼合パッド及び容量素子の構造
[XY平面における構造]
貼合パッドBP、及び貼合パッドBPと同層に含まれる容量素子の構造について、図5を用いて説明する。図5は、実施形態に係る半導体記憶装置のXY平面における断面構造の一例を示す、図4のZ方向に沿ったV-V線と同等の高さにおける半導体記憶装置の断面図である。図5では、半導体記憶装置1全体の断面構造が示される。
【0103】
図5に示す断面において、半導体記憶装置1は、領域CR、及び複数の領域ORに分割される。図5において、領域CRは、点線で囲まれる斜線領域である。
【0104】
領域CRは、複数の導電体層39Bが設けられる領域である。領域CRには、例えば複数の導電体層39B、及び絶縁体層57の第2部分が設けられる。絶縁体層57の第2部分は、絶縁体層57の第1部分とは異なる部分である。絶縁体層57の第2部分は、複数の導電体層39Bの各々の周囲を囲む。これにより、複数の導電体層39Bの各々は、当該導電体層39Bと同層において、当該導電体層39Bの他の複数の導電体層39B、並びに複数の導電体層39D及び39Eと離間する。
【0105】
複数の領域ORは、図5に示す半導体記憶装置1の断面のうち、領域CRを除く領域である。また、複数の領域ORは、複数の導電体層39D及び39Eが設けられる領域である。
【0106】
複数の領域ORは、例えば領域OR1、OR2、OR3、及びOR4を含む。各領域OR1、OR2、及びOR3は、領域CRによって囲まれる。各領域OR1、OR2、及びOR3は、例えばX方向に平行な辺、及びY方向に平行な辺を有する矩形状に設けられる。領域OR4は、領域CRを囲む領域である。
【0107】
各領域OR1、OR2、及びOR3は、複数の領域ERを含む。複数の領域ERはそれぞれ、複数の導電体層39D及び39Eに対応する。複数の領域ERの各々には、当該領域ERに対応する導電体層39D及び39Eが設けられる。当該領域ERに対応する導電体層39Dは、例えば当該領域ERに対応する導電体層39Eの周囲をリング状に囲むように設けられる。複数の導電体層39Dの各々のサイズは、当該導電体層39Dに対応する導電体層39Eのサイズに応じて決定することができる。複数の領域ERの各々に対応する導電体層39D及び39Eの間には、当該導電体層39D及び39Eを離間する絶縁体層57の第1部分が設けられる。このような構成により、複数の導電体層39Dの各々は、当該導電体層39Dに対応する導電体層39Eと、絶縁体層57によって電気的に絶縁される。
【0108】
各領域OR1、OR2、及びOR3には、例えば4つの領域ERがY方向に並ぶように配置される。すなわち、各領域OR1、OR2、及びOR3において、4つの導電体層39D及び39Eの組がY方向に並ぶように配置される。複数の領域ERの各々は、当該領域ERと隣り合う領域ERと、絶縁体層57の第3部分によって離間する。絶縁体層57の第3部分は、絶縁体層57の第1部分及び第2部分と異なる部分である。
【0109】
なお、図5に示す例では、半導体記憶装置1が1つの領域CRを含む場合を示したが、これに限られない。半導体記憶装置1は、2つ以上の領域CRを含んでもよい。
【0110】
また、図5に示す例では、半導体記憶装置1が領域CRによって囲まれる3つの領域OR1、OR2、及びOR3を含む場合を示したが、これに限られない。半導体記憶装置1は、領域CRによって囲まれる領域ORを含まなくてもよいし、領域CRによって囲まれる1つ、2つ、又は4つ以上の領域ORを含んでもよい。
【0111】
また、図5に示す例では、各領域OR1、OR2、及びOR3の形状が矩形状である場合を示したが、これに限られない。各領域OR1、OR2、及びOR3は、例えばその他の多角形状に設けられてもよい。
【0112】
また、図5に示す例では、領域OR4に複数の導電体層39D及び39Eが含まれない場合を示したが、これに限られない。領域OR4には、1つ以上の導電体層39D及び39Eが設けられてもよい。
【0113】
また、図5に示す例では、各領域OR1、OR2、及びOR3において、4つの導電体層39E(4つの領域ER)がY方向に並ぶ場合を示したが、これに限られない。導電体層39EはX方向に並ぶように設けられてもよいし、X方向及びY方向に並ぶ導電体層39Eの数はそれぞれ、1つ~3つ、又は5つ以上としてもよい。また、複数の領域ORの各々における複数の導電体層39Eの配置は、任意の配置とすることができる。例えば、複数の領域ORの各々において、複数の導電体層39Eは、格子状に設けられてもよい。すなわち、X方向及びY方向にそれぞれ導電体層39Eが2つ以上並んでもよい。
【0114】
また、図5に示す例では、Z方向に見て、複数の導電体層39Eのサイズがそれぞれ同等である場合を示したが、これに限られない。Z方向に見て、複数の導電体層39Eのサイズはそれぞれ、異なってもよい。
【0115】
また、図示が省略されるが、複数の導電体層40B、40D、及び40E、並びに絶縁体層59を含むXY平面における断面構造は、図5に示される断面構造と実質的に同等である。また、上方から見て、複数の導電体層39Eの各々のサイズと、当該導電体層39Eに対応する導電体層40Eのサイズとは、例えば互いに略同等である。
【0116】
[XZ平面における構造]
次に、図6を用いて、貼合パッドBP、及び貼合パッドBPと同層に含まれる容量素子のXZ平面における断面構造について説明する。図6は、実施形態に係る半導体記憶装置が備える貼合パッド及び容量素子のXZ平面における断面構造の一例を示す断面図である。
【0117】
なお、以下では、貼合パッドBPについて、導電体層39B-2及び40B-2が接続される部分の断面構造が説明される。しかしながら、その他の複数の導電体層39Bの各々、及び当該導電体層39Bに対応する導電体層40Bが接続される部分の断面構造に関しても同様である。
【0118】
また、以下では、容量素子について、導電体層39E-1及び40E-1、並びに絶縁体層58-1及び60-1を含む容量素子の断面構造が説明される。しかしながら、その他の複数の導電体層39Eの各々と、当該導電体層39Eに対応する導電体層40E、並びに絶縁体層58及び60と、を含む容量素子の断面構造に関しても同様である。
【0119】
回路チップ1-1とメモリチップ1-2とが貼合わせられる貼合面において、導電体層39B-2の面積と導電体層40B-2の面積とは、例えば略同等である。導電体層39B-2及び40B-2は、例えば、XZ平面において、導電体層39B-2及び40B-2を含む断面構造の第1面、側面、及び第2面が、図示しないバリアメタルによって覆われるように設けられる。導電体層39B-2及び40B-2はそれぞれ、例えばダマシン法によって形成される。この場合、導電体層39B-2の側面は、Z1方向に向かって細くなるテーパー形状を有する。また、導電体層40B-2の側面は、Z2方向に向かって細くなるテーパー形状を有する。
【0120】
導電体層39E-1は、例えば、XZ平面において、導電体層39E-1の第2面及び側面が、図示しないバリアメタルによって覆われるように設けられる。また、導電体層40E-1は、例えば、XZ平面において、導電体層40E-1の第1面及び側面が、図示しないバリアメタルによって覆われるように設けられる。導電体層39E-1及び40E-1はそれぞれ、導電体層39B-2及び40B-2と同様に、例えばダマシン法によって形成される。この場合、導電体層39E-1の側面は、導電体層39B-2と同様に、Z1方向に向かって細くなるテーパー形状を有する。また、導電体層40E-1の側面は、導電体層40B-2と同様に、Z2方向に向かって細くなるテーパー形状を有する。
【0121】
導電体層39D-1は、例えば、XZ平面において、導電体層39D-1の第2面及び側面が、図示しないバリアメタルによって覆われるように設けられる。導電体層40D-1は、例えば、XZ平面において、導電体層40D-1の第1面及び側面が、図示しないバリアメタルによって覆われるように設けられる。導電体層39D-1及び40D-1はそれぞれ、導電体層39B-2及び39E-1と同様に、例えばダマシン法によって形成される。この場合、X方向に沿った導電体層39D-1の一端側の部分及び他端側の部分の各々の側面は、導電体層39B-2及び39E-1と同様に、Z1方向に向かって細くなるテーパー形状を有する。また、X方向に沿った導電体層40D-1の一端側の部分及び他端側の部分の各々の側面は、導電体層40B-2及び40E-1と同様に、Z2方向に向かって細くなるテーパー形状を有する。
【0122】
以上のような構成において、導電体層39B-2及び40B-2が一体化することによって、導電体層39B-2及び40B-2の境界を確認することが困難となり得る。しかしながら、このような場合であっても、貼合わせの位置ずれによる導電体層39B-2及び40B-2を含む断面構造の歪みによって、導電体層39B-2及び40B-2の貼合わせを確認することができる。また、例えば導電体層39B-2の側面のバリアメタル、及び導電体層40B-2の側面のバリアメタルの位置ずれによって発生する不連続箇所によって、導電体層39B-2及び40B-2の貼合わせを確認することができる。
【0123】
また、導電体層39B-2の側面、及び導電体層40B-2の側面がそれぞれ、テーパー形状を有する場合、XZ平面において、導電体層39B-2の側面、及び導電体層40B-2の側面によって形成される境界線は、直線状にはならない。このため、貼合わせの位置ずれがあるかどうかに関わらず、導電体層39B-2及び40B-2を含む断面構造は、非矩形状となる。したがって、導電体層39B-2及び40B-2の貼合わせを確認することができる。
【0124】
また、上述のようにバリアメタルが形成される場合、XZ平面において、導電体層39B-2の第2面、導電体層39B-2の側面、導電体層40B-2の側面、及び導電体層40B-2の第1面がバリアメタルによって覆われる。これに対し、銅を用いた一般的な配線層では、銅の上面に銅の酸化防止機能を有する絶縁体層(窒化シリコンまたは窒素を有する炭化シリコン等)が設けられ、バリアメタルは設けられない。このため、貼合わせの位置ずれが発生していなくても、一般的な配線層との区別は可能である。なお、図6には図示されないが、YZ平面における導電体層39Bと導電体層40Bが接続される部分の断面構造、並びに導電体層39E及び40Eと絶縁体層58及び60を含む容量素子の断面構造についても、例えば図6に示すXZ平面における各断面構造と同様である。
【0125】
1.2 半導体記憶装置の製造方法
半導体記憶装置1の製造方法について、図7図15を用いて説明する。図7、及び図9図15は、実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法の一例を説明するための断面図である。図7、及び図9図15に示す断面図は、図4に示される領域に対応する。図8は、実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法の一例を説明するための上面図である。図8に示す上面図は、図5に示される領域を形成するためのマスクを示すための図である。
【0126】
まず、図7に示すように、半導体基板70の第1面上にトランジスタTr1、Tr2、Tr3、Tr4、及びTr5、並びに複数の導電体層36、37、及び38が形成される。また、トランジスタTr1、Tr2、Tr3、Tr4、及びTr5、並びに複数の導電体層36、37、及び38を埋めるように、複数の導電体層38の第1面と同等の高さまで絶縁体層56が形成される。また、複数の導電体層38の第1面上、及び絶縁体層56の第1面上に、絶縁体層57が形成される。
【0127】
次に、図8に示すように、形成された絶縁体層57の第1面上に、複数の開口部BOP、EOP、及びDOPを有するマスクM1が形成される。複数の開口部BOP、EOP、及びDOPはそれぞれ、複数の貼合パッドBP、複数の電極パッドEP、及び複数のダミーパッドDPに対応して設けられる。これにより、複数の開口部DOPの各々は、当該開口部DOPに対応する開口部EOPの周囲を囲むように配置される。
【0128】
そして、図9に示すように、形成されたマスクM1を用いた異方性エッチングによって、絶縁体層57のうち、複数の貼合パッドBP、複数の電極パッドEP、及び複数のダミーパッドDPに対応する領域が除去される。本工程における異方性エッチングは、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)である。その後、マスクM1は除去される。
【0129】
それから、図10に示すように、マスクM1を用いた異方性エッチングによって除去された空間を埋め込むように、複数の導電体層38の第1面上、絶縁体層56の第1面のうち絶縁体層57が設けられない部分上、及び絶縁体層57の第1面上に、導電体層39が形成される。
【0130】
次に、図11に示すように、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)によって、導電体層39の第1端側の部分が除去される。これにより、複数の導電体層39B、39D、及び39Eが形成される。本工程において、導電体層39のうち複数の開口部EOP及びDOPに埋め込まれた部分、並びに複数の開口部EOPの各々と当該開口部EOPを囲む開口部DOPとの間に配置された絶縁体層57の部分において、ディッシング及びエロ-ジョンが発生する。このようなディッシング及びエロ-ジョンによって、絶縁体層58が埋め込まれる半導体基板70側に凹んだ皿状の構造が形成される。実施形態に係る半導体記憶装置1のように、複数の電極パッドEPの各々の周囲を囲むように当該電極パッドEPに対応するダミーパッドDPが配置されていれば、本工程において、複数の電極パッドEPの第1面が、貼合パッドBPの第1面よりも十分に半導体基板70側に位置するように、ディッシング及びエロ-ジョンを発生させることができる。
【0131】
そして、絶縁体層57、並びに複数の導電体層39B、39D、及び39Eの第1面上に、絶縁体が堆積される。それから、例えばCMPによって、当該堆積された絶縁体のうち、Z方向において、絶縁体層57よりも第1端側の部分が除去される。これにより、図12に示すように、複数の絶縁体層58が形成される。
【0132】
以上の工程により、回路チップ1-1が形成される。
【0133】
次に、図13に示すように、半導体基板100の第2面上に導電体層30、メモリセルアレイ10のうち導電体層30Aを除く部分、複数の導電体層40B、40D、40E、及び41、導電体層42、絶縁体層55及び59、並びに複数の絶縁体層60が形成される。導電体層30は、導電体層30A及び30Bに対応する部分を含む。本工程により、メモリチップ1-2の部分が形成される。なお、複数の導電体層40B、40D、及び40E、絶縁体層59、並びに複数の絶縁体層60を形成する工程は、図8図12を用いて説明される複数の導電体層39B、39D、及び39E、絶縁体層57、並びに複数の絶縁体層58を形成する工程と実質的に同様である。
【0134】
そして、図14に示すように、回路チップ1-1とメモリチップ1-2との貼合処理、及び半導体基板100の除去が実行される。より具体的には、回路チップ1-1に含まれ、貼合パッドBPとして機能する複数の導電体層39Bと、メモリチップ1-2に含まれ、貼合パッドBPとして機能する複数の導電体層40Bとが対向するように配置される。また、熱処理によって対向する貼合パッドBP同士が接合される。このような貼合処理により、回路チップ1-1に含まれ、容量素子の電極として機能する複数の導電体層39Eと、メモリチップ1-2に含まれ、容量素子の電極として機能する複数の導電体層40Eとが、複数の絶縁体層58及び60を介して、Z方向に並ぶように配置される。その後、半導体基板100が除去される。
【0135】
それから、図15に示すように、導電体層30A及び30B、並びに絶縁体層54が形成される。より具体的には、例えばリソグラフィ及びエッチングを用いた処理等によって、導電体層30が、導電体層30A及び30Bに分離される。また、導電体層30A及び30Bの第1面上、絶縁体層55の第1面上のうち導電体層30A及び30Bが設けられない部分、並びに導電体層41-2及び41-3の第1面上に絶縁体が堆積される。
【0136】
次に、導電体層43及び44、並びに絶縁体層61が形成される。これにより、図4に示す半導体記憶装置1が形成される。より具体的には、例えばリソグラフィ及びエッチングを用いた処理等によって、絶縁体層54のうち、導電体層43の部分C1及びC2、並びに導電体層44と導電体層41-3とが接続される部分がそれぞれ形成される予定の領域が除去される。そして、導電体層41-2及び41-3の第1面上、導電体層30Aの部分の第1面上、絶縁体層54の第1面上、並びに絶縁体層55の第1面のうち導電体層41-2及び41-3を囲む部分上に、導電体が、例えばZ方向に沿った厚さが略一様となるように形成される。それから、例えばリソグラフィ及びエッチングを用いた処理等によって、当該形成された導電体が導電体層43及び44に分離される。また、電極パッドPDとして機能する導電体層44の少なくとも一部分を除いて、絶縁体層61が形成される。
【0137】
なお、以上で説明した製造方法はあくまで一例であり、各工程の間にはその他の工程が挿入されてもよいし、工程の順番が入れ替えられてもよい。例えば、回路チップ1-1及びメモリチップ1-2は、互いに異なる半導体基板70及び100を用いて形成されるため、図7図12に示される回路チップ1-1を形成する工程と、図13に示されるメモリチップ1-2の部分を形成する工程とは、並行して進められ得る。
【0138】
1.3 効果
実施形態によれば、半導体記憶装置1のサイズの増大を抑制することができる。実施形態の効果について、以下に説明する。
【0139】
実施形態によれば、半導体記憶装置1は、回路チップ1-1及びメモリチップ1-2を備える。半導体記憶装置1は、回路チップ1-1及びメモリチップ1-2の境界領域において、回路チップ1-1に設けられる複数の導電体層39B、及びメモリチップ1-2に設けられ、下面が複数の導電体層39Bの上面に接する複数の導電体層40Bを含む。また、半導体記憶装置1は、複数の導電体層39Bと同層において、複数の導電体層39Bと並んで設けられる複数の導電体層39Eを含む。また、半導体記憶装置1は、複数の導電体層40Bと同層において、複数の導電体層40Bと並んで設けられる複数の導電体層40Eを含む。複数の導電体層39Eと複数の導電体層40Eとは、対応して設けられる。複数の導電体層39Eの各々と、当該導電体層39Eに対応する導電体層40Eとは、Z方向に互いに離れて並ぶ。また、半導体記憶装置1は、回路チップ1-1及びメモリチップ1-2の境界領域において、複数の絶縁体層58及び60を含む。複数の絶縁体層58及び60は、複数の導電体層39E及び40Eに対応して設けられる。複数の導電体層39Eの各々と、当該導電体層39Eに対応する導電体層40Eとは、当該導電体層39E及び40Eに対応する絶縁体層58及び60をZ方向に挟む。このような構成により、複数の導電体層39E及び40E、並びに複数の絶縁体層58及び60は、回路チップ1-1及びメモリチップ1-2の境界領域において、複数の容量素子を構成する。これにより、容量素子を、半導体基板70上に形成する代わりに、半導体基板70の上方に形成することができる。このため、半導体基板70上に形成される素子の数の増加、及び半導体基板70のサイズの増大が抑制される。したがって、半導体記憶装置1のサイズの増大を抑制することができる。
【0140】
また、実施形態に係る半導体記憶装置1によれば、例えば容量素子が絶縁体層55内に設けられる場合、及び容量素子が絶縁体層56内に設けられる場合と比べて、容量素子の配置が容易である。補足すると、例えば絶縁体層56内に設けられる配線は、回路チップ1-1とメモリチップ1-2とを電気的に接続する際に、回路チップ1-1内における電気的な接続が効率的になるように配置される。また、例えば絶縁体層55内に設けられる配線は、絶縁体層56内に設けられる配線と同様に、メモリチップ1-2内における電気的な接続が効率的になるように配置される。これらのことから、絶縁体層55及び56内に設けられる配線は複雑に配置され得る。このため、容量素子が絶縁体層55内に設けられる場合、及び容量素子が絶縁体層56内に設けられる場合にそれぞれ、容量素子を配置する領域の確保が困難になる可能性がある。一方、貼合パッドBPとして機能する複数の導電体層39B及び40Bは、例えば回路チップ1-1とメモリチップ1-2との貼合わせを容易にするために、絶縁体層55及び56内に設けられる配線と比べて、単純に配置される。これにより、実施形態に係る半導体記憶装置1によれば、複数の導電体層39E及び40Eが複数の導電体層39B及び40Bと同層に設けられるため、容量素子を配置する領域の確保が困難になることがない。
【0141】
また、実施形態に係る半導体記憶装置1は、XY平面において、複数の導電体層39Eをそれぞれ囲み、ダミーパッドDPとして機能する複数の導電体層39Dを含む。このような構成によれば、製造方法の図11に示す工程において説明されるように、複数の絶縁体層58が埋め込まれる皿状の構造は、ディッシング及びエロ-ジョンによって、複数の導電体層39B、39D、及び39Eと同じ工程において形成される。これにより、複数の絶縁体層58が埋め込まれる皿状の構造を形成するために、複数の導電体層39B、39D、及び39Eを形成する工程と異なる工程を実行する必要がない。また、複数の絶縁体層60が埋め込まれる皿状の構造は、複数の絶縁体層58が埋め込まれる皿状の構造と同様に、複数の導電体層40B、40D、及び40Eと同じ工程において形成される。これらのことから、半導体記憶装置1の歩留まりの低下を抑制することができる。
【0142】
また、実施形態に係る半導体記憶装置1によれば、複数の導電体層39Dの各々は、当該導電体層39Dに対応する導電体層39Eの周囲をリング状に囲むように配置される。このような複数の導電体層39Dの配置であれば、複数の導電体層39Dの面積の増加を抑制しつつ、製造方法の図11に示す工程におけるCMPによるディッシング及びエロ-ジョンを効率的に発生させることができる。また、複数の導電体層40D及び40Eについても同様に、複数の導電体層40Dの面積の増加を抑制しつつ、メモリチップ1-2の部分を形成する工程において、CMPにおけるディッシング及びエロ-ジョンを効率的に発生させることができる。これらの構成によっても、半導体記憶装置1のサイズの増大を抑制することができる。
【0143】
2 変形例
上述の実施形態は、種々の変形が可能である。以下に、変形例に係る半導体記憶装置について説明する。
【0144】
2.1 第1変形例
上述の実施形態では、電極パッドEPの各々が、Z方向に見て、当該電極パッドEPに対応する1つのダミーパッドDPによって囲まれる場合を示したが、これに限られない。半導体記憶装置は、電極パッドEPの各々が、Z方向に見て、複数のダミーパッドDPによって囲まれるように構成されてもよい。以下の説明では、第1変形例に係る半導体記憶装置1の構成及び製造方法について、実施形態に係る半導体記憶装置の構成及び製造方法と異なる点について主に説明する。
【0145】
第1変形例に係る半導体記憶装置1の断面構造について、図16を用いて説明する。図16は、第1変形例に係る半導体記憶装置のXZ平面における断面構造の一例を示す断面図である。図16は、図4に示される実施形態に係る半導体記憶装置の断面構造に対応する。
【0146】
回路チップ1-1の構造について説明する。
【0147】
XZ平面において、複数の導電体層39Eの各々は、当該導電体層39Eに対応する2つの導電体層39Dによって挟まれる。図16では、導電体層39E-1をX方向に挟む2つの導電体層39D-1及び39D-2のみが図示される。XZ平面において、複数の導電体層39Eの各々は、当該導電体層39Eに対応する2つの導電体層39Dとそれぞれ、絶縁体層57の第1部分によって離間する。
【0148】
図16に示す断面において、複数の導電体層39Eの各々をX方向に挟む2つの導電体層39Dの第1面はそれぞれ、例えば当該2つの導電体層39Dに対応する導電体層39Eに隣接する側で、回路チップ1-1の第1面よりも半導体基板70側に位置する部分を有する。これにより、複数の導電体層39Eの各々の第1面、当該導電体層39Eに対応する2つの導電体層39Dの第1面のうち回路チップ1-1の第1面よりも半導体基板70側に位置する部分、並びに絶縁体層57の第1部分の第1面は、回路チップ1-1の第1面よりも半導体基板70側に凹んだ皿状の構造を形成する。
【0149】
なお、図16には図示されないが、YZ平面において、複数の導電体層39Eの各々は、例えば当該導電体層39EをX方向に挟む2つの導電体層39Dとは異なる、当該導電体層39Eに対応する2つの導電体層39DによってY方向に挟まれる。YZ平面において、複数の導電体層39Eの各々は、当該導電体層39EをY方向に挟む2つの導電体層39Dとそれぞれ、絶縁体層57の第1部分によって離間する。また、複数の導電体層39EをY方向に挟む2つの導電体層39Dの第1面はそれぞれ、例えば当該2つの導電体層39Dに対応する導電体層39Eに隣接する側で、回路チップ1-1の第1面よりも半導体基板70側に位置する部分を有する。また、YZ平面において、複数の導電体層39Eの各々の第1面、当該導電体層39Eに対応する2つの導電体層39Dの第1面のうち回路チップ1-1の第1面よりも半導体基板70側に位置する部分、並びに絶縁体層57の第1部分の第1面は、XZ平面における構造と同様に、回路チップ1-1の第1面よりも半導体基板70側に凹んだ皿状の構造を形成する。
【0150】
メモリチップ1-2の構造について説明する。
【0151】
XZ平面において、複数の導電体層40Eの各々は、当該導電体層40Eに対応する2つの導電体層40Dによって挟まれる。図16では、導電体層40E-1をX方向に挟む2つの導電体層40D-1及び40D-2のみが図示される。XZ平面において、複数の導電体層40Eの各々は、当該導電体層40Eと当該導電体層40Eに対応する2つの導電体層40Dとそれぞれ、絶縁体層59の部分によって離間する。
【0152】
図16に示す断面において、複数の導電体層40Eの各々をX方向に挟む2つの導電体層40Dの第2面はそれぞれ、例えば当該2つの導電体層40Dに対応する導電体層40Eに隣接する側で、メモリチップ1-2の第2面よりも電極パッドPD側に位置する部分を有する。これにより、複数の導電体層40Eの各々の第2面、当該導電体層40Eに対応する2つの導電体層40Dの第2面のうちメモリチップ1-2の第2面よりも電極パッドPD側に位置する部分、並びに絶縁体層59の部分の第2面は、メモリチップ1-2の第2面よりも電極パッドPD側に凹んだ皿状の構造を形成する。
【0153】
なお、図16には図示されないが、YZ平面において、複数の導電体層40Eの各々は、例えば当該導電体層40EをX方向に挟む2つの導電体層40Dとは異なる、当該導電体層40Eに対応する2つの導電体層40DによってY方向に挟まれる。YZ平面において、複数の導電体層40Eの各々は、当該導電体層40EをY方向に挟む2つの導電体層40Dとそれぞれ、絶縁体層59の部分によって離間する。また、複数の導電体層40EをY方向に挟む2つの導電体層40Dの第2面はそれぞれ、例えば当該2つの導電体層40Dに対応する導電体層40Eに隣接する側で、メモリチップ1-2の第2面よりも電極パッドPD側に位置する部分を有する。また、YZ平面において、複数の導電体層40Eの各々の第2面、当該導電体層40Eに対応する2つの導電体層40Dの第2面のうちメモリチップ1-2の第2面よりも電極パッドPD側に位置する部分、並びに絶縁体層59の部分の第2面は、XZ平面における構造と同様に、メモリチップ1-2の第2面よりも電極パッドPD側に凹んだ皿状の構造を形成する。
【0154】
次に、貼合パッドBP、及び貼合パッドBPと同層に含まれる容量素子の構造について、図17を用いて説明する。図17は、第1変形例に係る半導体記憶装置のXY平面における断面構造の一例を示す、図16のZ方向に沿ったXVII-XVII線と同等の高さにおける半導体記憶装置の断面図である。図17は、図5に示される実施形態に係る半導体記憶装置全体の断面構造に対応する。
【0155】
図17では、各領域OR1、OR2、及びOR3において、3つの領域ERがY方向に並ぶように配置される例が示される。すなわち、各領域OR1、OR2、及びOR3において、3つの導電体層39EがY方向に並ぶ。しかしながら、複数の領域ER、及び複数の導電体層39Eの数及び配置は、これに限られない。複数の領域ER、及び複数の導電体層39Eの数及び配置は、実施形態と同様に任意の数及び配置とすることができる。
【0156】
複数の領域ERの各々には複数の導電体層39D及び導電体層39Eが設けられる。図17に示す例では、複数の領域ERの各々において、8つの導電体層39Dが設けられる。複数の導電体層39Dの各々のサイズは、例えば複数の導電体層39Eの各々のサイズと同等である。
【0157】
複数の領域ERの各々において、8つの導電体層39Dは、当該領域ERに対応する導電体層39Eの周囲を囲むように設けられる。複数の領域ERの各々において、8つの導電体層39D、及び導電体層39Eは、例えば格子状に配置される。なお、図示しないが、複数の領域ERの各々において、複数の導電体層39Dの各々は、例えば導電体層39Eに隣接する側で、回路チップ1-1の上面よりも半導体基板70側に位置する部分を有する。
【0158】
なお、図17に示す例では、複数の領域ERの各々において、8つの導電体層39Dが設けられる例を示したが、複数の領域ERの各々に設けられる導電体層39Dの数は8つに限られない。複数の導電体層39Dは、複数の領域ERの各々において、当該領域ERに対応する導電体層39Eの周囲を囲むように設けられていればよく、複数の領域ERの各々に設けられる導電体層39Dの数は、2つ以上7つ以下、又は9つ以上とすることができる。
【0159】
また、図17に示す例では、複数の導電体層39D及び39Eの各々が正方形状であり、かつ複数の導電体層39Dの各々のサイズが、複数の導電体層39Eの各々のサイズと同等である場合を示した。このような複数の導電体層39D及び39Eのサイズ及び形状であれば、複数の導電体層39D及び39Eの配置を単純にすることができる。これにより、複数の導電体層39D及び39Eの配置が複雑化して、製造が困難になること、及び工程が複雑になることを抑制することができる。
【0160】
しかしながら、複数の導電体層39D及び39Eのサイズ及び形状は、上述のようなサイズ及び形状に限られない。例えば、複数の導電体層39Dの各々のサイズは、複数の導電体層39Eの各々のサイズと異なってもよい。また、複数の導電体層39Dのサイズがそれぞれ異なっていてもよい。また、複数の導電体層39D及び導電体層39Eの形状は、正方形状に限られず、X方向又はY方向に長い矩形状であってもよい。
【0161】
複数の領域ERの各々において、絶縁体層57の第1部分は、当該領域ERに設けられる導電体層39E及び複数の導電体層39Dの各々の間と、当該領域ERに設けられる複数の導電体層39Dのうち隣り合う2つの導電体層39Dの間と、に設けられる。これにより、複数の領域ERの各々において、導電体層39Eは、複数の導電体層39Dの各々と離間する。また、複数の領域ERの各々において、複数の導電体層39Dは互いに離間する。
【0162】
また、図示が省略されるが、複数の導電体層40B、40D、及び40E、並びに絶縁体層59を含む断面構造は、図17に示される断面構造と実質的に同等である。
【0163】
第1変形例に係る半導体記憶装置1の製造方法について、実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法と異なる点について説明する。
【0164】
第1変形例に係る半導体記憶装置1では、複数の領域ERの各々に、複数の導電体層39Dが設けられる。これにより、実施形態の図11に相当する工程において、マスクM1を用いた異方性エッチングによって除去された空間を埋め込むように形成される導電体層39のうち複数の開口部DOP及びEOPに対応する部分、複数の開口部EOPの各々と当該開口部EOPを囲む複数の開口部DOPとの間に設けられる絶縁体層57の部分、並びに当該複数の開口部DOPのうち隣り合う2つの開口部DOPの間に配置された絶縁体層57の部分において、ディッシング及びエロ-ジョンが発生する。これにより、半導体基板70側に凹んだ皿状の構造が形成される。第1変形例のダミーパッドDPの配置によっても、本工程において、複数の電極パッドEPの第1面が、貼合パッドBPの第1面よりも十分に半導体基板70側に位置するように、ディッシング及びエロ-ジョンを発生させることができる。
【0165】
第1変形例によっても、実施形態と同様に、半導体記憶装置1のサイズの増大を抑制することができる。また、第1変形例によっても、実施形態と同様に、容量素子を配置する領域の確保が困難になることがない。また、第1変形例によっても、実施形態と同様に、半導体記憶装置の歩留まりの低下を抑制することができる。
【0166】
2.2 第2変形例
上述の実施形態及び第1変形例では、複数の導電体層39Eと同層に、ダミーパッドDPである複数の導電体層39Dが設けられる例を示したが、これに限られない。半導体記憶装置は、複数の導電体層39Eと同層にダミーパッドDPを含まなくてもよい。以下の説明では、第2変形例に係る半導体記憶装置1の構成及び製造方法について、実施形態に係る半導体記憶装置1の構成及び製造方法、並びに第1変形例に係る半導体記憶装置1の構成及び製造方法と異なる点について主に説明する。
【0167】
第2変形例に係る半導体記憶装置1の断面構造について、図18及び図19を用いて説明する。図18は、第2変形例に係る半導体記憶装置のXZ平面における断面構造の一例を示す断面図である。図19は、第2変形例に係る半導体記憶装置のXY平面における断面構造の一例を示す断面図である。図18は、図4及び図16に示される半導体記憶装置の断面構造に対応する。図19は、図5及び図17に示される半導体記憶装置の断面構造に対応する。
【0168】
図18に示すように、回路チップ1-1において、半導体記憶装置1は、複数の導電体層39Dを含まない。
【0169】
絶縁体層57の第1面は、回路チップ1-1の第1面と面一になるように設けられる。
【0170】
複数の導電体層39Eの各々の第1面、及び絶縁体層57のうち当該導電体層39Eを囲む部分の側面は、半導体基板70側に凹む構造を形成する。複数の絶縁体層58の各々は、当該半導体基板70側に凹む構造を埋め込むように設けられる。
【0171】
メモリチップ1-2において、半導体記憶装置1は、複数の導電体層40Dを含まない。
【0172】
絶縁体層59の第2面は、メモリチップ1-2の第2面と面一になるように設けられる。
【0173】
複数の導電体層40Eの第2面、及び絶縁体層59のうち当該導電体層40Eを囲む部分の側面は、電極パッドPD側に凹む構造を形成する。複数の絶縁体層60の各々は、当該電極パッドPD側に凹む構造を埋め込むように設けられる。
【0174】
図19に示すように、XY平面において、半導体記憶装置1の構造は、複数の導電体層39Dを含まないことを除き、図5に示す実施形態に係る半導体記憶装置のXY平面における構造と同様である。
【0175】
次に、第2変形例に係る半導体記憶装置1の製造方法について、図20図25を用いて説明する。図20は、第2変形例に係る半導体記憶装置の製造方法の一例を説明するための上面図である。図20は、図19に対応する領域を形成するためのマスクを示すための図である。図21図25は、第2変形例に係る半導体記憶装置の製造方法の一例を説明するための断面図である。図21図25に示す断面図は、図18に示される領域に対応する。
【0176】
回路チップ1-1の形成において、実施形態の図7に示す工程と同様に、トランジスタTr1、Tr2、Tr3、Tr4、及びTr5、複数の導電体層36、37、及び38、並びに絶縁体層56及び57が形成される。
【0177】
次に、図20に示すように、形成された絶縁体層57の第1面上に、複数の開口部BOP及びEOPを有するマスクM1が形成される。複数の開口部BOP及びEOPはそれぞれ、複数の貼合パッドBP及び複数の電極パッドEPに対応して設けられる。
【0178】
そして、図21に示すように、形成されたマスクM1を用いた異方性エッチングによって、実施形態の図9に示す工程と同様に、絶縁体層57のうち、貼合パッドBP及び電極パッドEPに対応する領域が除去される。
【0179】
それから、図22に示すように、実施形態の図10に示す工程と同様に、導電体層39が形成される。
【0180】
次に、図23に示すように、例えばCMPによって、導電体層39のうち、Z方向において、絶縁体層57よりも第1端側の部分が除去される。これにより、複数の導電体層39B及び39Eが形成される。なお、第2変形例に係る半導体記憶装置1において、実施形態及び第1変形例と異なり、複数の電極パッドEPの各々の周囲にはダミーパッドが配置されない。このため、本工程において、ディッシング及びエロ-ジョンは発生しない。
【0181】
そして、複数の導電体層39B及び絶縁体層57の第1面上に、複数の導電体層39Eに対応する開口部を有するマスクM2が形成される。それから、図24に示すように、形成されたマスクM2を用いた異方性エッチングによって、複数の導電体層39Eの第1端側の部分が除去される。本工程により、複数の導電体層39Eの第1面が、複数の導電体層39Bの第1面よりも半導体基板70側に位置することになる。また、複数の導電体層39Eの第1面、及び当該導電体層39Eを囲む絶縁体層57の第1部分の側面により形成される半導体基板70側に凹んだ構造が得られる。
【0182】
それから、絶縁体層57、複数の導電体層39B及び39Eの第1面上に、絶縁体が堆積される。次に、例えばCMPによって、当該堆積された絶縁体のうち、Z方向において、絶縁体層57よりも第1端側の部分が除去される。これにより、図25に示すように、複数の絶縁体層58が形成される。
【0183】
以上の工程により、回路チップ1-1が形成される。
【0184】
次に、半導体基板100の第2面上に導電体層30、メモリセルアレイ10のうち導電体層30Aを除く部分、複数の導電体層40B、40E、及び41、導電体層42、絶縁体層55及び59、並びに複数の絶縁体層60が形成される。本工程により、メモリチップ1-2の部分が形成される。なお、複数の導電体層40B及び40E、絶縁体層59、並びに複数の絶縁体層60を形成する工程は、図20図25を用いて説明される複数の導電体層39B及び39E、絶縁体層57、並びに複数の絶縁体層58を形成する工程と実質的に同様である。
【0185】
その他の工程は、実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法と同様である。
【0186】
第2変形例によっても、実施形態及び第1変形例と同様に、半導体記憶装置1のサイズの増大を抑制することができる。また、第2変形例によっても、実施形態及び第1変形例と同様に、容量素子を配置する領域の確保が困難になることがない。
【0187】
また、第2変形例によれば、複数の導電体層39Eの周囲にダミーパッドを設けなくてもよい。このような構成によっても、半導体記憶装置1のサイズの増大を抑制することができる。
【0188】
2.3 第3変形例
上述の実施形態、第1変形例、及び第2変形例では、複数の導電体層39Eの各々のサイズと、当該導電体層39Eに対応する導電体層40Eのサイズと、が互いに同等である場合を例に示したが、これに限られない。複数の導電体層39Eの各々のサイズと、当該導電体層39Eに対応する導電体層40Eのサイズと、は異なっていてもよい。以下の説明では、第3変形例に係る半導体記憶装置1の構成について、第2変形例に係る半導体記憶装置の構成と異なる点について主に説明する。なお、第3変形例に係る半導体記憶装置1の製造方法は、第2変形例に係る半導体記憶装置の製造方法と同様とすることができるため、その説明を省略する。
【0189】
第3変形例に係る半導体記憶装置1の構成について、図26を用いて説明する。図26は、第3変形例に係る半導体記憶装置のXZ平面における断面構造の一例を示す断面図である。図26は、図4図16、及び図18に示される半導体記憶装置の断面構造に対応する。
【0190】
第3変形例において、上方から見て、複数の導電体層39Eの各々と、当該導電体層39Eに対応する導電体層40Eとは、サイズが異なる。例えば、複数の導電体層39Eの各々のサイズは、当該導電体層39Eに対応する導電体層40Eのサイズより大きい。これにより、図26に示されるように、X方向に沿った導電体層39E-1の長さは、X方向に沿った導電体層40E-1の長さより長い。なお、図26に示す例では、一例として、導電体層39E-1のサイズが導電体層40E-1のサイズより大きい場合を示したが、これに限られない。半導体記憶装置1は、複数の導電体層39Eの各々のサイズと、当該導電体層39Eに対応する導電体層40Eのサイズとが異なるものであればよい。例えば、複数の導電体層39Eの各々のサイズは、当該導電体層39Eに対応する導電体層40Eのサイズより小さくてもよい。
【0191】
複数の絶縁体層58の各々のサイズは、上方から見て、例えば当該絶縁体層58に対応する導電体層39のサイズと同等である。複数の絶縁体層60の各々のサイズは、例えば当該絶縁体層60に対応する導電体層40のサイズと同等である。これにより、複数の導電体層39Eの各々のサイズが当該導電体層39Eに対応する導電体層40Eのサイズより大きい場合、当該導電体層39Eに対応する絶縁体層58のサイズは、例えば当該導電体層40Eに対応する絶縁体層60のサイズより大きい。また、複数の導電体層39Eの各々のサイズが当該導電体層39Eに対応する導電体層40Eのサイズより小さい場合、当該導電体層39Eに対応する絶縁体層58のサイズは、例えば当該導電体層40Eに対応する絶縁体層60のサイズより小さい。
【0192】
第3変形例によっても、第2変形例と同等の効果が奏される。
【0193】
また、第3変形例によれば、複数の導電体層39Eの各々のサイズと、当該導電体層39Eに対応する導電体層40Eのサイズと、は異なる。これにより、製造方法の貼合処理における、回路チップ1-1及びメモリチップ1-2の位置ずれによる容量素子の容量の変化を抑制することができる。
【0194】
なお、第3変形例は、別の変形例と組み合わせられることも可能である。すなわち、例えば、実施形態及び第1変形例において、複数の導電体層39Eのサイズと、当該導電体層39Eに対応する導電体層40Eのサイズと、が異なるように設けられてもよい。この場合、半導体記憶装置の製造方法は、実施形態及び第1変形例に係る半導体記憶装置の製造方法と同様とすることができる。また、この場合、実施形態及び第1変形例と同等の効果が奏される。
【0195】
2.4 第4変形例
上述の実施形態、第1変形例、第2変形例、及び第3変形例では、複数の絶縁体層58及び60がいずれも設けられる場合を例に示したが、これに限られない。半導体記憶装置は、複数の絶縁体層58、又は複数の絶縁体層60のいずれか一方を含むものであってもよい。以下の説明では、第4変形例に係る半導体記憶装置1の構成及び製造方法について、第2変形例に係る半導体記憶装置の構成及び製造方法と異なる点について主に説明する。
【0196】
第4変形例に係る半導体記憶装置1の構成について、図27を用いて説明する。図27は、第4変形例に係る半導体記憶装置のXZ平面における断面構造の一例を示す断面図である。図27は、図4図16図18、及び図26に示される半導体記憶装置の断面構造に対応する。
【0197】
図27に示す例において、メモリチップ1-2に含まれる複数の導電体層40Eの第2面は、複数の導電体層40Bの第2面と同等の高さに位置する。これにより、複数の導電体層40Eの第2面は、メモリチップ1-2の第2面と面一になる。すなわち、半導体記憶装置1は、複数の絶縁体層60を含まない。複数の導電体層40Eの第2面は、当該導電体層40Eに対応する絶縁体層58の第1面に接する。
【0198】
以上のような構成において、複数の導電体層39Eの各々、当該導電体層39Eに対応する導電体層40E、並びに当該導電体層39E及び40Eに挟まれる絶縁体層58は、容量素子を形成する。
【0199】
なお、図27に示す例では、半導体記憶装置1が複数の絶縁体層58を含む場合について説明したが、これに限られない。半導体記憶装置1は、例えば図28に示すように、複数の絶縁体層60を含んでいてもよい。図28は、第4変形例に係る半導体記憶装置のXZ平面における断面構造の一例を示す断面図である。図28に示す例では、複数の絶縁体層60のうち、導電体層39E-1及び40E-1に対応する絶縁体層60-1のみが示される。この場合、回路チップ1-1において、複数の導電体層39Eの第1面は、複数の導電体層39Bの第1面と同等の高さに位置する。これにより、複数の導電体層39Eの第1面は、回路チップ1-1の第1面と面一になる。すなわち、半導体記憶装置1は、複数の絶縁体層58を含まない。複数の導電体層39Eの第1面は、当該導電体層39Eに対応する絶縁体層60の第2面に接する。
【0200】
この場合、複数の導電体層39Eの各々、当該導電体層39Eに対応する導電体層40E、並びに当該導電体層39E及び40Eに挟まれる絶縁体層60は、容量素子を形成する。
【0201】
次に、第4変形例に係る半導体記憶装置1の製造方法について説明する。
【0202】
半導体記憶装置1が複数の絶縁体層60を含まない場合、回路チップ1-1の製造方法は、第2変形例及び第3変形例に係る半導体記憶装置の製造方法と同等である。
【0203】
また、この場合、メモリチップ1-2の部分の製造方法は、第2変形例及び第3変形例のように、複数の絶縁体層60を形成する工程が実行されないことを除き、第2変形例及び第3変形例に係る半導体記憶装置のメモリチップの部分の製造方法と同様である。
【0204】
半導体記憶装置1が複数の絶縁体層58を含まない場合、回路チップ1-1の製造方法は、第2変形例及び第3変形例のように、複数の絶縁体層58を形成する工程が実行されないことを除き、第2変形例及び第3変形例に係る半導体記憶装置の回路チップの部分の製造方法と同様である。
【0205】
また、この場合、メモリチップ1-2の製造方法は、第2変形例及び第3変形例に係る半導体記憶装置の製造方法と同等である。
【0206】
第4変形例によっても、第2変形例と同等の効果が奏される。
【0207】
また、第4変形例によれば、容量素子に含まれる絶縁体は回路チップ1-1及びメモリチップ1-2のうちいずれかのチップのみに形成される。これにより、半導体記憶装置1の歩留まりの低下を抑制することができる。
【0208】
また、第4変形例は、別の変形例と組み合わせられることも可能である。すなわち、例えば、実施形態、第1変形例、及び第3変形例において、半導体記憶装置が複数の絶縁体層58及び60のうちいずれか一方を含まないものとすることができる。実施形態及び第1変形例と組み合わせる場合、例えば回路チップ1-1及びメモリチップ1-2のうち容量素子の絶縁体として機能する複数の絶縁体層を含まないチップには、例えばダミーパッドDPに相当する複数の導電体層が設けられない。この場合、実施形態及び第1変形例と同等の効果が奏される。
【0209】
3 その他
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0210】
1…半導体記憶装置、2…メモリコントローラ、3…メモリシステム、10…メモリセルアレイ、11…コマンドレジスタ、12…アドレスレジスタ、13…シーケンサ、14…ドライバモジュール、15…ロウデコーダモジュール、16…センスアンプモジュール、70、100…半導体基板、30~44…導電体層、50~61…絶縁体層、M1、M2…マスク、BLK…ブロック、SU…ストリングユニット、NS…NANDストリング、MT…メモリセルトランジスタ、ST1、ST2…選択トランジスタ、BL…ビット線、WL…ワード線、SGS、SGD…選択ゲート線、SHE…部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図24
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図26
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図28