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特開2024-80398電圧監視モジュール、及び、バッテリユニット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080398
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】電圧監視モジュール、及び、バッテリユニット
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/569 20210101AFI20240606BHJP
   H01M 50/519 20210101ALI20240606BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20240606BHJP
【FI】
H01M50/569
H01M50/519
H01M50/284
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193561
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】000230249
【氏名又は名称】日本メクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】細川 卓耶
(72)【発明者】
【氏名】木谷 健治
(72)【発明者】
【氏名】金山 知樹
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AY08
5H040DD08
5H043AA19
5H043HA02F
5H043JA01F
5H043JA06F
5H043LA02F
5H043LA22F
(57)【要約】
【課題】バッテリセルの収縮又は膨張に伴うセル端子の移動量が大きい場合であっても、接続端子が当該セル端子の移動に良好に追従することが可能な構造の電圧監視モジュールを提供する。
【解決手段】本実施形態に係る電圧監視モジュール100は、複数の配線51を有するフレキシブルプリント基板10を備え、フレキシブルプリント基板10は、第1方向に延在する本体部11と、それぞれ本体部11から分岐し、第1方向において間欠的に配置されている複数の分岐部20と、を備え、分岐部20は、その先端側の部位に、バッテリセル210の端子であるセル端子220に接続される接続端子55を有し、複数の分岐部20のうち、第1方向において基準位置510からより遠くに位置する分岐部20の方が、当該分岐部20の基端から接続端子55までの当該分岐部20の長さ寸法が大きい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された複数のバッテリセルを備えるバッテリパックの電圧の状態を監視する電圧監視モジュールであって、
複数の配線を有するフレキシブルプリント基板を備え、
前記フレキシブルプリント基板は、
第1方向に延在する本体部と、
それぞれ前記本体部から分岐し、前記第1方向において間欠的に配置されている複数の分岐部と、
を備え、
前記分岐部は、その先端側の部位に、前記バッテリセルの端子であるセル端子に接続される接続端子を有し、
前記複数の分岐部のうち、前記第1方向において基準位置からより遠くに位置する分岐部の方が、当該分岐部の基端から前記接続端子までの当該分岐部の長さ寸法が大きい電圧監視モジュール。
【請求項2】
前記分岐部は、前記第1方向に延在する第1方向延在部を含み、
前記複数の分岐部のうち、前記第1方向において基準位置からより遠くに位置する分岐部の方が、前記第1方向延在部の長さ寸法が大きい請求項1に記載の電圧監視モジュール。
【請求項3】
前記複数の分岐部には、前記本体部の法線方向と前記第1方向との双方に対して直交する第2方向において他の分岐部に対してオフセットされているオフセット分岐部が含まれ、
前記第2方向に視たときに、前記オフセット分岐部と前記他の分岐部との一部分同士が重なっている請求項1又は2に記載の電圧監視モジュール。
【請求項4】
前記複数の分岐部のうち、一部の分岐部の一部分は、平面視において、前記本体部に外接する矩形に収まっている請求項1又は2に記載の電圧監視モジュール。
【請求項5】
前記本体部の一部分は、蛇行しつつ前記第1方向に延在する本体蛇行部となっている請求項1又は2に記載の電圧監視モジュール。
【請求項6】
前記本体部の一部分は、当該本体部における他部に対して面直方向に湾曲した湾曲部となっている請求項1又は2に記載の電圧監視モジュール。
【請求項7】
前記分岐部は、
前記本体部の法線方向と前記第1方向との双方に対して直交する第2方向に前記本体部から突出している突出部と、
前記突出部の先端部から前記第1方向に延出している前記第1方向延在部と、
前記第1方向延在部の先端部から前記第2方向に突出している先端突出部と、
を有し、
前記先端突出部が前記接続端子を有する請求項2に記載の電圧監視モジュール。
【請求項8】
前記第1方向における一端側に位置する前記分岐部は、
前記第1方向における前記本体部の一端から前記第1方向に突出している突出部と、
前記本体部の法線方向と前記第1方向との双方に対して直交する第2方向に前記突出部の先端部から延出している一次延出部と、
前記一次延出部の先端部から前記突出部の突出方向とは反対方向に延出している前記第1方向延在部と、
前記第1方向延在部の先端部から前記第2方向に突出している先端突出部と、
を有し、
前記先端突出部が前記接続端子を有する請求項2に記載の電圧監視モジュール。
【請求項9】
前記第1方向における一端側に位置する前記分岐部は、
前記本体部の法線方向と前記第1方向との双方に対して直交する第2方向に前記本体部から突出している突出部と、
前記突出部の先端部から前記第1方向における前記本体部の一端を超えて前記第1方向に延出している一次延出部と、
前記一次延出部の先端部から、前記突出部の突出方向とは反対方向に、前記第2方向における前記本体部の縁を越えて延出している二次延出部と、
前記二次延出部の先端部から前記一次延出部の延出方向とは反対方向に延出している前記第1方向延在部と、
前記第1方向延在部の先端部から前記突出部の突出方向とは反対方向へ突出している先端突出部と、
を有し、
前記先端突出部が前記接続端子を有する請求項2に記載の電圧監視モジュール。
【請求項10】
前記第1方向延在部の一部分は、蛇行しつつ前記第1方向に延在している蛇行延在部となっている請求項2に記載の電圧監視モジュール。
【請求項11】
前記本体部が取り付けられたリジッドな板状部材を備える請求項1又は2に記載の電圧監視モジュール。
【請求項12】
前記板状部材の一方の面に沿って前記本体部が配置され、
前記第1方向における前記本体部の一部分と対応する開口部が前記板状部材に形成されており、
前記第1方向において前記本体部の寸法が縮小した場合に、前記本体部の一部分が湾曲し前記開口部を介して突出可能である請求項11に記載の電圧監視モジュール。
【請求項13】
請求項1又は2に記載の電圧監視モジュールと、
前記バッテリパックと、
を備え、
前記フレキシブルプリント基板の各接続端子が、前記バッテリパックの対応する前記セル端子に対して接続されているバッテリユニット。
【請求項14】
前記分岐部は、
前記本体部の法線方向と前記第1方向との双方に対して交差する軸周りに折り曲げられて、前記第1方向に延在する第1部分と、前記接続端子を有するとともに前記第1部分から起立している第2部分と、を有する形態となっている請求項13に記載のバッテリユニット。
【請求項15】
前記接続端子は、前記本体部に対して直交する姿勢で前記セル端子に対して接続されている請求項14に記載のバッテリユニット。
【請求項16】
前記分岐部は、前記第1方向に延在する第1部分と、前記第1部分から起立している第2部分と、前記接続端子を有するとともに第2部分から折り返されている第3部分と、を有する形態となっており、
前記第3部分が存在する平面が、前記本体部が存在する平面に対して対向した状態で、前記接続端子が前記セル端子に対して接続されている請求項13に記載のバッテリユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧監視モジュール、及び、バッテリユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、積層された複数のバッテリセル(同文献には、単電池と記載)を備えるバッテリパック(同文献には電池集合体と記載)の電圧の状態を監視する電圧監視モジュール(同文献には、バスバモジュールと記載)であって、複数の配線を有するフレキシブルプリント基板(同文献には、フレキシブル基板と記載)を備え、フレキシブルプリント基板は、第1方向に延在する本体部(同文献には、本線と記載)と、それぞれ本体部から分岐し、第1方向において間欠的に配置されている複数の分岐部(同文献には、支線と記載)と、を備え、分岐部は、その先端側の部位に、バッテリセルの端子であるセル端子に接続される接続端子(同文献には、接続部と記載)を有し、複数の分岐部の長さ寸法が互いに等しい構造の電圧監視モジュールが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-013766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者の検討によれば、特許文献1の技術では、バッテリパックの収縮又は膨張に伴うセル端子の移動量が大きい場合においても、接続端子がセル端子の移動に良好に追従できるようにする観点で、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、バッテリセルの収縮又は膨張に伴うセル端子の移動量が大きい場合であっても、接続端子が当該セル端子の移動に良好に追従することが可能な構造の電圧監視モジュールを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、積層された複数のバッテリセルを備えるバッテリパックの電圧の状態を監視する電圧監視モジュールであって、
複数の配線を有するフレキシブルプリント基板を備え、
前記フレキシブルプリント基板は、
第1方向に延在する本体部と、
それぞれ前記本体部から分岐し、前記第1方向において間欠的に配置されている複数の分岐部と、
を備え、
前記分岐部は、その先端側の部位に、前記バッテリセルの端子であるセル端子に接続される接続端子を有し、
前記複数の分岐部のうち、前記第1方向において基準位置からより遠くに位置する分岐部の方が、当該分岐部の基端から前記接続端子までの当該分岐部の長さ寸法が大きい電圧監視モジュールが提供される。
【0007】
また、本発明によれば、本発明の電圧監視モジュールと、
前記バッテリパックと、
を備え、
前記フレキシブルプリント基板の各接続端子が、前記バッテリパックの対応する前記セル端子に対して接続されているバッテリユニットが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、バッテリセルの収縮又は膨張に伴うセル端子の移動量が大きい場合であっても、接続端子が当該セル端子の移動に良好に追従することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係るバッテリユニットの斜視図である。
図2】第1実施形態に係るバッテリユニットの平面図である。
図3図3(a)は第1実施形態におけるフレキシブルプリント基板の平面図であり、図3(b)は第1実施形態におけるオフセット分岐部及びその周辺構造の部分拡大の平面図である。
図4図4(a)及び図4(b)は第1実施形態に係るバッテリユニットの平面図であり、このうち図4(a)はバッテリパックの放電時の状態を示し、図4(b)はバッテリパックの充電時の状態を示す。
図5】第1実施形態に係るバッテリユニットの部分拡大の斜視図であり、バッテリパックの放電時の状態を示す。
図6】第1実施形態に係るバッテリユニットの部分拡大の斜視図であり、バッテリパックの充電時の状態を示す。
図7】第1実施形態における分岐部及びその周辺構造の部分拡大の斜視図である。
図8図8(a)及び図8(b)は第1実施形態における接続端子及びその周辺構造の部分拡大図であり、このうち図8(a)は斜視図であり、図8(b)は平面図である。
図9】第2実施形態における接続端子及びその周辺構造の部分拡大の斜視図である。
図10】第3実施形態における本体蛇行部及びその周辺構造の部分拡大の平面図である。
図11図11(a)は第4実施形態における湾曲部及びその周辺構造の部分拡大の平面図であり、図11(b)は図11(a)に示すA-A線に沿った切断端面図である。
図12図12(a)及び図12(b)は第5実施形態における押さえ部及びその周辺構造の部分拡大図であり、このうち図12(a)は平面図であり、図12(b)は図12(a)に示すA-A線に沿った断面図である。
図13図13(a)及び図13(b)は図12(a)に示すA-A線に沿った切断端面図であり、このうち図13(a)はバッテリパックの放電時の状態を示し、図13(b)はバッテリパックの充電時の状態を示す。
図14】第6実施形態における分岐部及びその周辺構造の部分拡大の平面図である。
図15】第7実施形態における分岐部及びその周辺構造の部分拡大の平面図である。
図16】第8実施形態における分岐部及びその周辺構造の部分拡大の平面図である。
図17図17(a)は第9実施形態におけるカバー部及びその周辺構造の部分拡大の斜視図であり、図17(b)は図17(a)に示すA-A線に沿った切断端面図である。
図18】第9実施形態の変形例におけるカバー部及びその周辺構造を示す図であり、図17(a)に示すB-B線に沿った切断端面図である。
図19図19(a)は第10実施形態におけるフック部及びその周辺構造の部分拡大の斜視図であり、図19(b)は図19(a)に示すA-A線に沿った切断端面図である。
図20】第11実施形態におけるバスバー及びその周辺構造の部分拡大の斜視図である。
図21】第12実施形態におけるバスバー及びその周辺構造の部分拡大の斜視図である。
図22】第13実施形態におけるバスバー及びその周辺構造の部分拡大の斜視図である。
図23】第14実施形態に係るバッテリユニットの平面図である。
図24】第15実施形態に係るバッテリユニットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0011】
〔第1実施形態〕
先ず、図1から図8(b)を用いて第1実施形態を説明する。
【0012】
図1から図8(b)のいずれかに示すように、本実施形態に係る電圧監視モジュール100は、積層された複数のバッテリセル210を備えるバッテリパック200の電圧の状態を監視する電圧監視モジュールであって、複数の配線51を有するフレキシブルプリント基板10を備えている。
フレキシブルプリント基板10は、第1方向(本実施形態の場合、図1等に示すX方向)に延在する本体部11と、それぞれ本体部11から分岐し、第1方向において間欠的に配置されている複数の分岐部20と、を備えている。
分岐部20は、その先端側の部位に、バッテリセル210の端子であるセル端子220に接続される接続端子55(図8(a)参照)を有する。
複数の分岐部20のうち、第1方向において基準位置510(図2参照)からより遠くに位置する分岐部20の方が、当該分岐部20の基端から接続端子55までの当該分岐部20の長さ寸法が大きい。
なお、ここでいう第1方向とは、本体部11の長手方向である。
また、本発明において、複数の分岐部20のうち、少なくとも2つの分岐部20について、第1方向において基準位置からより遠くに位置する分岐部20の方が、当該分岐部20の基端から接続端子55までの当該分岐部20の長さ寸法が大きい関係となっていればよい。好ましくは、後述するように、複数の分岐部20のうち、第1方向において基準位置からより遠くに位置する分岐部20ほど、当該分岐部20の基端から接続端子55までの当該分岐部20の長さ寸法が大きい。
【0013】
ここで、電圧監視モジュール100は、本体部11の長手方向(すなわち第1方向)がバッテリセル210の積層方向に沿うようにバッテリパック200に取り付けられ、各接続端子55は対応するセル端子220に接続される。
本実施形態の場合、電圧監視モジュール100がバッテリパック200に取り付けられた状態において、当該バッテリパック200の積層方向(第1方向)における中央位置が、基準位置510である。
図4(a)に示すように、バッテリパック200の放電時には、複数のバッテリセル210の各々は、基準位置510(バッテリパック200の中央位置)を基準として内側に収縮する。複数のバッテリセル210の収縮に伴って、各セル端子220は、第1方向において、基準位置510に近づく方向に移動する。また、セル端子220に接続される接続端子55も、当該セル端子220に追従して基準位置510に近づく方向に移動する。この際の接続端子55の可動範囲は、当該接続端子55を有する分岐部20の長さ寸法に応じて規定される。より詳細には、接続端子55の長さ寸法が大きい方が、当該接続端子55の可動範囲は広くなる。また、複数のセル端子220のうち、第1方向において基準位置510からより遠くに位置するセル端子220及び当該セル端子220に接続されている接続端子55の方が、その第1方向における移動量が大きくなる。
また、バッテリパック200の充電時には、複数のバッテリセル210の各々は、基準位置510(バッテリパック200の中央位置)を基準として外側に膨張する。複数のバッテリセル210の膨張に伴って、各セル端子220は、第1方向において、基準位置510から遠ざかる方向に移動する。また、セル端子220に接続される接続端子55も、当該セル端子220に追従して基準位置510から遠ざかる方向に移動する。この際の接続端子55の可動範囲は、当該接続端子55を有する分岐部20の長さ寸法に応じて規定される。より詳細には、接続端子55の長さ寸法が大きい方が、当該接続端子55の可動範囲は広くなる。また、複数のセル端子220のうち、第1方向において基準位置510からより遠くに位置するセル端子220及び当該セル端子220に接続されている接続端子55の方が、その第1方向における移動量が大きくなる。
【0014】
ここで、本実施形態によれば、複数の分岐部20のうち、第1方向において基準位置510からより遠くに位置する分岐部20の方が、当該分岐部20の基端から接続端子55までの当該分岐部20の長さ寸法が大きい。
これにより、複数のセル端子220のうち、第1方向において基準位置510からより遠くに位置するセル端子220に接続される接続端子55において、基準位置510に近づく方向への可動範囲、及び、基準位置510から遠ざかる方向への可動範囲をより広く確保することができる。よって、基準位置510からより遠くに位置しており、その移動量が大きいセル端子220に接続された接続端子55であっても、当該セル端子220の移動に良好に追従することができる。
このように、本実施形態によれば、バッテリセル210の収縮又は膨張に伴うセル端子220の移動量が大きい場合であっても、接続端子55は当該セル端子220の移動に良好に追従することができる。
【0015】
また、本実施形態に係るバッテリユニット300は、本実施形態の電圧監視モジュール100と、バッテリパック200と、を備えている。
フレキシブルプリント基板10の各接続端子55は、バッテリパック200の対応するセル端子220に対して接続されている。
【0016】
本実施形態によれば、上述のように、電圧監視モジュール100が備える複数の分岐部20のうち、第1方向において基準位置510からより遠くに位置する分岐部20の方が、当該分岐部20の基端から接続端子55までの当該分岐部20の長さ寸法が大きい。
このため、バッテリセル210の収縮又は膨張に伴うセル端子220の移動量が大きい場合であっても、接続端子55は当該セル端子220の移動に良好に追従することができる。
【0017】
以下では、電圧監視モジュール100及びバッテリユニット300の各構成要素同士の位置関係などを説明するに際し、第1方向における一方を右(右方)と称し、他方を左(左方)と称する。また、本体部11の法線方向と第1方向との双方に対して直交する第2方向(図1及び図2等に示すY方向)における一方を前(前方)と称し、他方を後(後方)と称する。また、第1方向と第2方向との双方に対して直交する方向を上下方向と称し、上下方向における一方を上(上方)と称し、他方を下(下方)と称する。また、上下方向に対して直交する向き(方向)を水平(水平方向)と称し、上下方向に沿う向き(方向)を鉛直(鉛直方向)と称する。
更に、第1方向において、積層方向におけるバッテリパック200の中央位置がある側を内方(内側)と称し、内方とは反対側を外方(外側)と称する場合がある。同様に、第2方向において、本体部11の法線方向と積層方向との双方に対して直交する方向におけるバッテリパック200の中央位置がある側を内方(内側)と称し、内方とは反対側を外方(外側)と称する場合がある。
また、電圧監視モジュール100及びバッテリユニット300の各部の位置関係及び形状は、特に断りが無い限り、バッテリパック200の放電時の位置関係及び形状を説明したものである。
【0018】
フレキシブルプリント基板10は、例えばコネクタが取り付けられており、各種制御を行う測定装置に対してコネクタを介して接続され、電圧監視が可能となっている。
フレキシブルプリント基板10は、例えば、複数のバッテリセル210を接続するバスバー70(詳細後述)に配線51を繋ぐことで、電圧を監視するために用いられるものである。
図1から図3(a)に示すように、フレキシブルプリント基板10の本体部11の形状は、特に限定されないが、例えば、平面視において第1方向に長尺な略長方形状に形成されている。
【0019】
図2及び図3(a)に示すように、分岐部20は、例えば、第1方向に延在する第1方向延在部22を含む。
複数の分岐部20のうち、第1方向において基準位置510からより遠くに位置する分岐部20の方が、第1方向延在部22の長さ寸法が大きい。
これにより、複数のセル端子220のうち、第1方向において基準位置510からより遠くに位置するセル端子220に接続される接続端子55において、基準位置510に近づく方向への可動範囲、及び、基準位置510から遠ざかる方向への可動範囲を十分に確保することができる。よって、バッテリセル210の収縮又は膨張に伴うセル端子220の移動量が大きい場合であっても、接続端子55は当該セル端子220の移動に良好に追従することができる。
【0020】
より詳細には、分岐部20は、本体部11の法線方向と第1方向(X方向)との双方に対して直交する第2方向(図2等に示すY方向)に本体部11から突出している突出部26と、突出部26の先端部から第1方向に延出している第1方向延在部22と、第1方向延在部22の先端部(突出部26側とは反対側の端部)から第2方向に突出している先端突出部28と、を有する。そして、図8(a)に示すように、先端突出部28が接続端子55を有する。なお、図8(a)以外の図においては、接続端子55の図示を適宜省略している。
第1方向延在部22、突出部26及び先端突出部28の各々は、平面視において直線状に延在している。
本実施形態の場合、図4(b)又は図6に示すように、バッテリパック200の充電時に、第1方向において、各接続端子55が対応するセル端子220に追従して基準位置510から遠ざかる方向に移動すると、分岐部20の先端突出部28も、セル端子220に牽引されて基準位置510から遠ざかる方向に移動する。この際、第1方向において、先端突出部28は、突出部26よりも外方に移動することができる。このため、先端突出部28ひいては接続端子55は、第1方向延在部22の長さ寸法よりも広い範囲内において、基準位置510から遠ざかる方向に移動することができる。本実施形態の場合、一例として、接続端子55の可動範囲は、第1方向延在部22の長さ寸法の1倍以上2倍未満である。なお、先端突出部28ひいては接続端子55が移動する際には、その高さ位置は一定に保たれ、水平に移動する。また、図6に示すように、第1方向延在部22の一部分は、第1方向において内側から外側に向けて湾曲しつつ折り返された形状に変形する。より詳細には、第1方向延在部22の一部分の平面同士が、上下方向において互いに対向した状態となる。そして、先端突出部28が基準位置510から遠ざかる方向に移動するにつれて、第1方向延在部22の折り返しの起点も同方向に移動する。この際、第1方向延在部22において、下側に位置する部分の寸法は徐々に減少し、上側に位置する部分の寸法は徐々に増加する。
また、図4(a)又は図5に示すように、バッテリパック200の放電時に、第1方向において、各接続端子55が対応するセル端子220に追従して内方に移動すると、分岐部20の先端突出部28も、セル端子220に牽引されて基準位置510に近づく方向に移動する。この際、第1方向において、先端突出部28は、突出部26よりも内方に移動することができる。このため、先端突出部28ひいては接続端子55は、第1方向延在部22の長さ寸法よりも広い範囲内において、基準位置510に近づく方向に移動することができる。本実施形態の場合、一例として、接続端子55の可動範囲は、第1方向延在部22の長さ寸法の1倍以上2倍未満である。なお、先端突出部28ひいては接続端子55が移動する際には、その高さ位置は一定に保たれ、水平に移動する。そして、先端突出部28が基準位置510に近づく方向に移動するにつれて、第1方向延在部22の折り返しの起点も同方向に移動する。この際、第1方向延在部22において、下側に位置する部分の寸法は徐々に増加し、上側に位置する部分の寸法は徐々に減少する。よって、図5に示すように、第1方向延在部22の一部分は、折り返された形状(図6参照)から略平坦に延在した形状に変形(復帰)する。
【0021】
また、分岐部20は、本体部11の法線方向と第1方向との双方に対して交差する軸AX(図8(a)参照)周りに折り曲げられて、第1方向に延在する第1部分35と、接続端子55を有するとともに第1部分35から起立している第2部分37と、を有する形態となっている。なお、図8(a)において、軸AXを二点鎖線で図示している。また、本実施形態の場合、軸AXは、本体部11の法線方向(上下方向)と第1方向との双方に対して直交しており、当該軸AXの軸方向は第2方向である。ただし、本発明において、軸AXは、少なくとも本体部11の法線方向と第1方向との双方に対して交差していればよく、必ずしも本体部11の法線方向と第1方向との双方に対して直交していなくてもよい。
これにより、分岐部20の一部分(第2部分37)が予め起立しており、この起立した部分が接続端子55を有する構成となる。このため、バッテリパック200の充電時には、第1方向延在部22は、第1方向において、内側から外側に向けて折り返された形状にスムーズに変形することができる。すなわち、接続端子55は、セル端子220の移動に追従して基準位置510から遠ざかる方向にスムーズに移動することができる。
より詳細には、本実施形態の場合、第1方向延在部22の先端部及び先端突出部28が第2部分37を構成しており、第1方向延在部22の先端部における第2部分37を除いた部位が第1部分35を構成している。
図5及び図7に示すように、第1部分35は、例えば、略水平に延在しており、本体部11と面一に配置されている。第2部分37は、第1部分35の先端から上方に向けて軸AX回りに約90度湾曲しつつ折り曲げられている。第2部分37の先端部の板面は第1方向を向いて配置されている。図5及び図6に示すように、第1方向において接続端子55がセル端子220に追従して外方に移動する際、第2部分37の先端部の板面は第1方向を向いた状態に維持される。
【0022】
本実施形態の場合、複数の分岐部20の各々が、突出部26と、第1方向延在部22と、先端突出部28と、を含む。そして、複数の分岐部20のうち、第1方向において基準位置510からより遠くに位置する分岐部20の第1方向延在部22ほど、その長さ寸法が大きくなっている。なお、図2及び図3(a)に示すように、第1方向において同じ位置に配置されている分岐部20の第1方向延在部22同士は、その長さ寸法が互いに等しい。
また、複数の分岐部20の各々が、本体部11の法線方向と第1方向との双方に対して交差する軸AX周りに折り曲げられて、第1方向に延在する第1部分35と、接続端子55を有するとともに第1部分35から起立している第2部分37と、を有する形態となっている。
【0023】
また、複数の分岐部20には、本体部11の法線方向(本実施形態の場合、図1に示すZ方向)と第1方向(X方向)との双方に対して直交する第2方向(Y方向)において他の分岐部20に対してオフセットされているオフセット分岐部24(図3(b)参照)が含まれる。そして、第2方向に視たときに、オフセット分岐部24と他の分岐部20との一部分同士が重なっている。
このような構成によれば、第1方向において、オフセット分岐部24が有する接続端子55の可動範囲と他の分岐部20が有する接続端子55の可動範囲とが重なっている場合であっても、セル端子220に追従して移動する際に、オフセット分岐部24の接続端子55と他の分岐部20の接続端子55とが互いに干渉してしまうことを抑制できる。
【0024】
複数の分岐部20のうち、一部の分岐部20(本実施形態の場合、オフセット分岐部24)の一部分は、平面視において、本体部11に外接する矩形410(図3(a)及び図3(b)参照)に収まっている。なお、図3(a)及び図3(b)において、矩形410を二点鎖線で示している。
これにより、オフセット分岐部24の接続端子55と他の分岐部20の接続端子55とが互いに干渉してしまうことをより確実に抑制できる。
より詳細には、本実施形態の場合、本体部11の後縁部には、前方に向けて窪んだスリット11aが形成されている。一部の分岐部20(オフセット分岐部24)の突出部26及び第1方向延在部22は、平面視において、それぞれスリット11aの内側に配置されている。一方、一部の分岐部20(オフセット分岐部24)の先端突出部28の先端部は、平面視において、スリット11aの外側に突出している。
なお、図3(a)及び図3(b)においては、矩形410の形状をわかりやすくするため、便宜的に、矩形410の各辺を対応する本体部11の各辺よりも僅かに外側にオフセットして図示している。
【0025】
図2及び図3(a)に示すように、複数の分岐部20(ただし、オフセット分岐部24及び当該オフセット分岐部24と第2方向において重なっている分岐部20は除く)は、例えば、本体部11の中心を通るとともに第2方向に延在する仮想線502を基準として、前後対称に配置されているとともに、前後対称形状に形成されている。
複数の分岐部20のうち、基準位置510を基準として、左側に位置する複数の分岐部20の各々の第1方向延在部22は、対応する突出部26を起点として左側から右側に向けて延在しており、右側に位置する複数の分岐部20の各々の第1方向延在部22は、対応する突出部26を起点として右側から左側に向けて延在している。すなわち、基準位置510を基準として、互いに反対方向に位置する複数の分岐部20の各々の第1方向延在部22は、対応する突出部26を起点としてそれぞれ反対方向に延在している。
また、図2及び図3(a)に示すように、複数の分岐部20は、例えば、本体部11の前縁からそれぞれ分岐している複数の第1分岐部21aと、本体部11の後縁からそれぞれ分岐している複数の第2分岐部21bと、を含む。
本実施形態の場合、複数の第2分岐部21bのうち、もっとも左側に位置している第2分岐部21bがオフセット分岐部24となっている。より詳細には、オフセット分岐部24の左隣の第2分岐部21bの第1方向延在部22及び先端突出部28が、第2方向において、オフセット分岐部24の第1方向延在部22及び突出部26と重なっている。
複数の第1分岐部21aの各々の突出部26は、本体部11の前縁から前方に向けて延出しており、複数の第2分岐部21bの各々の突出部26は、本体部11の後縁から後方に向けて延出している。
複数の第1分岐部21aの各々の先端突出部28は、対応する第1方向延在部22の先端部から前方に向けて延出しており、複数の第2分岐部21bの各々の先端突出部28は、対応する第1方向延在部22の先端部から後方に向けて延出している。
【0026】
なお、本発明において、必ずしも本体部11の両側縁(本実施形態の場合、前縁及び後縁)にそれぞれ複数の分岐部20が形成されていなくてもよく、例えば、本体部11の一方の縁(本実施形態の場合、前縁又は後縁)から選択的にそれぞれ複数の分岐部20が分岐していてもよい。
【0027】
複数の配線51は、本体部11内から各分岐部20の先端突出部28に亘ってそれぞれ延在している。例えば、個々の分岐部20毎に1本ずつの配線51が配置されている。各先端突出部28には、1つずつの接続端子55が形成されており、各配線51の先端が対応する接続端子55に接続されている。接続端子55は、例えば、先端突出部28の表面に露出している。
【0028】
図1に示すように、電圧監視モジュール100は、例えば、フレキシブルプリント基板10と複数のバスバー70を備えており、これらバスバー70によって複数のバッテリセル210を直列接続している。ただし、本発明において、バスバー70は、例えば、複数のバッテリセル210の一部を並列接続していてもよい。
バスバー70は、セル端子220に重ねて配置され当該セル端子220に対して接続(例えば、レーザー溶接)されている。なお、図2図4(a)及び図4(b)においては、バスバー70の図示を省略している。
バスバー70は、平板状の金属部材が複数回折り曲げられて形成されている。バスバー70の形状は特に限定されないが、一例として、正面視略M字状に形成されている。
より詳細には、バスバー70は、左右一対の外脚部72と、左右一対の外脚部72に跨がって配置されている主部74と、を含む。
左右一対の外脚部72は、鉛直に起立しており、その各々の板面は、第1方向を向いている。図5及び図6に示すように、各外脚部72が、セル端子220に重ねて配置されるとともに当該セル端子220に対して接続(例えば、レーザー溶接)されている。より詳細には、第1方向において互いに隣り合って配置される2つのバッテリセル210のうち、左側のバッテリセル210のセル端子220に対して左側の外脚部72が接続され、右側のバッテリセル210のセル端子220に対して右側の外脚部72が接続されている。
主部74は、例えば、平面視において、第1方向に長尺な略矩形状に形成されている。主部74の左端部は、左側の外脚部72の上端と接続されており、主部74の右端部は、右側の外脚部72の上端と接続されている。主部74の両端部は、それぞれ水平に配置されている。
一方、主部74の中間部(両端部を除いた部分)は、例えば、下方に向けて窪んでいる湾曲部76となっている。湾曲部76は、例えば、正面視略U字状に湾曲しており、上方に向けて開口している。
【0029】
図1及び図2に示すように、電圧監視モジュール100は、本体部11が取り付けられたリジッドな板状部材60を更に備えている。
板状部材60は、水平に配置されており、その板面は平坦に形成されている。本体部11は、板状部材60の上面上に積層されている。
板状部材60の形状は特に限定されないが、一例として、図2に示すように、第1方向に長尺な略長方形状に形成されている。
図2に示すように、板状部材60の長さ寸法は、例えば、本体部11の長さ寸法よりも大きい。また、板状部材60の幅寸法(第2方向における寸法)は、例えば、本体部11の幅寸法(第2方向における寸法)よりも僅かに大きい。そして、平面視において、本体部11の全体が、板状部材60の外形線の内側に収まっている。
一方、各分岐部20の一部分及び各接続端子55は、板状部材60の外形線よりも外側に張り出している。
板状部材60は、一例として、硬質な樹脂材料によってその全体が一体成形されている。
本実施形態の場合、一例として、本体部11は、板状部材60に対して熱カシメによって固定されている。より詳細には、一例として、本体部11の中央部には熱カシメ部18が形成されており、当該熱カシメ部18によって、本体部11は板状部材60に対して固定されている。より詳細には、板状部材60の上面には突起部(不図示)が形成されており、本体部11において当該突起部と対応する部位には貫通孔(不図示)が形成されている。そして、本体部11の貫通孔に板状部材60の突起部を挿入した状態で、当該突起部の先端部を熱カシメで押し潰し、その外径を貫通孔の内径よりも大きくする。これにより、熱カシメ部18が形成され、本体部11に対して板状部材60の突起部が抜け止めされる。
なお、本発明において、「本体部11が板状部材60に対して固定されている」とは、少なくとも板状部材60に対する本体部11の振動が抑制されている状態を意味しており、必ずしも本体部11は板状部材60に対して接着又は接合又は直に押さえ付けて固定されていなくてもよい。
また、本発明において、本体部11を板状部材60に対して固定する手法はこの例に限定されない(詳細後述)。
また、図2等では、熱カシメ部18が一箇所に形成されている例を示しているが、本発明において、熱カシメ部18の数は限定されず、例えば、第1方向における複数箇所に熱カシメ部18が形成されていてもよい。
【0030】
図2に示すように、本実施形態の場合、バッテリユニット300は、例えば、バッテリパック200を収容する筐体310と、複数のバッテリセル210を基準位置510側に向けて付勢する緩衝材320と、を備えている。なお、図2図4(a)及び図4(b)においては、筐体310及び緩衝材320を二点鎖線で図示している。
筐体310は、例えば、上方に向けて開口している箱状に形成されており、左右一対の側壁部312、314と、前壁部315と、後壁部316と、底面部と、を含む。筐体310の形状は特に限定されないが、例えば、一例として、平面視において第1方向に長尺な略長方形状に形成されている。
図2に示すように、バッテリパック200の全体が、筐体310内に収容されている。なお、図2等に示す例では、隣り合うバッテリセル210同士の板面が互いに面接触している状態を図示しているが、本発明はこの例に限定されず、隣り合うバッテリセル210同士の間には、例えば、不図示のスペーサーが配置されていてもよい。この場合、スペーサーは、バッテリセル210の膨張及び収縮に伴って、第1方向に伸縮可能となっていることが好ましい。
なお、本発明において、バッテリユニット300は、バッテリパック200の温度を検出するためのサーミスタ(不図示)と、当該サーミスタと各種制御を行う測定装置とを接続する配線(不図示)と、を備えていてもよい。
【0031】
ここで、筐体310の左側壁部312と、左端に配置されているバッテリセル210と、の間には間隙が形成されており、当該間隙に緩衝材320が配置されている。同様に、筐体310の右側壁部314と、右端に配置されているバッテリセル210と、の間には間隙が形成されており、当該間隙に緩衝材320が配置されている。
左側の緩衝材320は、複数のバッテリセル210を右方に向けて付勢しており、右側の緩衝材320は、複数のバッテリセル210を左方に向けて付勢している。すなわち、バッテリパック200は、左右一対の緩衝材320によって左右両側から内方に向けて付勢されている。そして、図4(a)及び図4(b)に示すように、バッテリセル210の膨張及び収縮に伴って、左右一対の緩衝材320は、それぞれ第1方向に伸縮可能となっている。より詳細には、バッテリパック200の充電時には、緩衝材320は、バッテリセル210に押圧されてその弾性復元力に抗して第1方向に圧縮される。バッテリパック200の放電時には、緩衝材320は、弾性復元し第1方向に伸長する。このため、バッテリセル210が膨張と収縮を繰り返したとしても、左右一対の緩衝材320によって、バッテリパック200の中央位置(基準位置510)が筐体310に対して相対的に変位してしまうことを抑制できる。
本実施形態の場合、上述のように、バッテリパック200の第1方向における中央位置が、基準位置510である。複数のバッテリセル210の各々は、基準位置510(バッテリパック200の中央位置)を基準として、外側に膨張又は内側に収縮する。また、第1方向において、本体部11の中央は、バッテリパック200の中央(すなわち基準位置510)と同じ位置に配置されている。
緩衝材320としては、特に限定されないが、本実施形態の場合、一例として、クッション部材を用いることができる。
ただし、本発明において、緩衝材320は、バッテリセル210を基準位置510側に向けて付勢するバネ部材等であってもよい。
【0032】
複数のバッテリセル210の各々は、二次電池である。
図1に示すように、複数のバッテリセル210の各々は、側面視矩形状の平板状に形成されている。複数のバッテリセル210の各々は、互いに同一形状及び同一寸法に設定されている。
複数のバッテリセル210の各々は、例えば、前後一対のセル端子220を有する。前後一対のセル端子220の各々は、例えば、対応するバッテリセル210の上端面から上方に向けて起立している。
セル端子220の形状は特に限定されないが、一例として、側面視略矩形状の平板状に形成されており、その板面は第1方向を向いている。
各接続端子55には、1つずつのセル端子220が接続されている。
【0033】
図8(a)に示すように、本実施形態の場合、接続端子55は、本体部11に対して直交する姿勢でセル端子220に対して接続されている。なお、図8(a)及び図8(b)においては、セル端子220を二点鎖線で図示している。
これにより、第1方向において、接続端子55は、セル端子220の移動に追従して基準位置510から遠ざかる方向にスムーズに移動することができる。
【0034】
本実施形態の場合、図8(a)に示すように、接続端子55は、例えば、溶接板40を介してセル端子220に対して接続されている。
溶接板40の形状は特に限定されないが、一例として、図8(a)及び図8(b)に示すように、側面視略矩形状の平板状に形成されており、その板面は第1方向を向いている。
溶接板40は、セル端子220の一方の面に重ねて配置され、当該一方の面に対して溶接によって接合されている。図8(a)及び図8(b)に示すように、溶接板40における分岐部20側の側端部は、セル端子220から分岐部20側に向けてはみ出している。分岐部20の先端突出部28、ひいては接続端子55は、溶接板40におけるセル端子220からはみ出した部分に対して接続されている。より詳細には、先端突出部28の先端部は、例えば、溶接板40におけるセル端子220側の面に重ねて配置され、当該セル端子220側の面に対してはんだ接合されている。
このようにして、接続端子55は、本体部11に対して直交する姿勢でセル端子220に対して電気的に接続されている。
ただし、本発明において、セル端子220に対して接続端子55を接続する手法はこの例に限定されず、接続端子55は、例えば、溶接板40を介さずにセル端子220に対して直接的に接続されていてもよい。
また、図5及び図6に示すように、セル端子220における、溶接板40側とは反対側の面には、上記のバスバー70の外脚部72が重ねて配置されるとともに当該反対側の面に対して接合されている。
なお、本発明において、必ずしもすべてのセル端子220に対してバスバー70がそれぞれ接続されていなくてもよい。本実施形態の場合、複数のセル端子220のうち、最も左側に位置するセル端子220、及び、最も右側に位置するセル端子220には、それぞれバスバー70は接続されていない。
【0035】
本実施形態の場合、一例として、電圧監視モジュール100は、筐体310の左側壁部312と右側壁部314との間に架設されて、バッテリパック200の上方に配置されている。
より詳細には、板状部材60の左端部は、筐体310の左側壁部312の上端に対して固定されており、当該板状部材60の右端部は、筐体310の右側壁部314の上端に対して固定されている。このようにして、板状部材60ひいては電圧監視モジュール100は、左側壁部312と右側壁部314との間に架設されて、バッテリパック200の上方に配置されている。この状態において、上述のように、電圧監視モジュール100は、本体部11の長手方向(第1方向)がバッテリセル210の積層方向に沿うように取り付けられている。
図2に示すように、本体部11は、各前後一対のセル端子220の間で第1方向に延在している。そして、本体部11の前縁から分岐している複数の第1分岐部21aの各々の接続端子55は、対応する前側のセル端子220と接続され、本体部11の後縁から分岐している複数の第2分岐部21bの各々の接続端子55は、対応する後側のセル端子220と接続される。
【0036】
以下、図4(a)~図6を用いてバッテリユニット300の放電時及び充電時の動作の一例をより詳細に説明する。
上述のように、バッテリパック200の放電時には、複数のバッテリセル210の各々は、基準位置510(バッテリパック200の中央位置)を基準として内側に収縮する。複数のバッテリセル210の収縮に伴って、各セル端子220は、第1方向において、基準位置510に近づく方向に移動する。
バッテリパック200の充電時には、複数のバッテリセル210の各々は、基準位置510(バッテリパック200の中央位置)を基準として外側に膨張する。複数のバッテリセル210の膨張に伴って、各セル端子220は、第1方向において、基準位置510から遠ざかる方向に移動する。
より詳細には、バッテリパック200の充電時には、基準位置510を基準として、左側に位置している各バッテリセル210のセル端子220は左方に移動し、当該セル端子220に接続されている各接続端子55も追従して左方に移動する。また、基準位置510を基準として、右側に位置している各バッテリセル210のセル端子220は右方に移動し、当該セル端子220に接続されている各接続端子55も追従して右方に移動する(図4(b)参照)。この際、接続端子55は、その高さ位置を一定に保ちつつ水平に移動する。また、図6に示す例では、第1方向延在部22の一部分は、上述のように基準位置510側から当該基準位置510の反対側に向けて湾曲し折り返された形状に変形する。また、図6に示すように、各バスバー70の湾曲部76は、その開口幅が第1方向において広がるように変形する。これにより、各バスバー70は、セル端子220の移動に良好に追従することができる。
バッテリパック200の放電時には、基準位置510を基準として、左側に位置している各バッテリセル210のセル端子220は右方に移動し、当該セル端子220に接続されている各接続端子55も追従して右方に移動する。また、基準位置510を基準として、右側に位置している各バッテリセル210のセル端子220は左方に移動し、当該セル端子220に接続されている各接続端子55も追従して左方に移動する(図4(a)参照)。この際、接続端子55は、その高さ位置を一定に保ちつつ水平に移動する。また、図5に示す例では、第1方向延在部22の一部分は、折り返された形状(図6参照)から略平坦に延在した形状に変形(復帰)する。また、図5に示すように、各バスバー70の湾曲部76は、その開口幅が第1方向において狭まるように変形する。これにより、各バスバー70は、セル端子220の移動に良好に追従することができる。
ここで、複数のセル端子220のうち、基準位置510からより遠くに位置するセル端子220ほど、その移動量が大きくなる。上述のように、本実施形態の場合、複数の分岐部20のうち、基準位置510からより遠くに位置する分岐部20ほど、その長さ寸法(第1方向延在部22の長さ寸法)が大きくなっている。
このため、基準位置510からより遠くに位置するセル端子220と接続されている接続端子55も、当該セル端子220の移動に良好に追従することができる。
【0037】
〔第2実施形態〕
次に、図9を用いて第2実施形態を説明する。なお、図9は、接続端子55及びその周辺構造を拡大して図示している。図9においては、配線51の図示を省略している。
本実施形態に係る電圧監視モジュール100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る電圧監視モジュール100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係る電圧監視モジュール100と同様に構成されている。
【0038】
上記の第1実施形態では、分岐部20の第2部分37が、上方に向けて軸AX回りに約90度折り曲げられている例を説明したが、本発明において、第2部分37は、例えば、図9に示すように、下方に向けて軸AX回りに約90度折り曲げられていてもよい。このようにすることによって、例えば、セル端子220の一部分が本体部11の下方に配置されている場合であっても、当該セル端子220に対して接続端子55を良好に接続することができる。
【0039】
〔第3実施形態〕
次に、図10を用いて第3実施形態を説明する。なお、図10は、本体蛇行部13及びその周辺構造を拡大して図示している。図10においては、配線51の図示を省略している。
本実施形態に係る電圧監視モジュール100は、以下に説明する点で、上記の第1、2実施形態に係る電圧監視モジュール100と相違しており、その他の点では、上記の第1、2実施形態に係る電圧監視モジュール100と同様に構成されている。
【0040】
図10に示すように、本実施形態の場合、本体部11の一部分は、蛇行しつつ第1方向に延在する本体蛇行部13となっている。
このような構成によれば、本体蛇行部13が伸縮することによって、本体部11が、第1方向において、セル端子220の移動に追従して伸縮することができる。このため、第1実施形態と比較して、本体部11が第1方向において伸縮可能な分、セル端子220に追従する接続端子55の可動範囲をより広げることができる。
平面視において、本体蛇行部13は、第2方向における一方に向けて凸の円弧状に形成されている。また、本体部11において、本体蛇行部13の両端側の部分は、それぞれ直線状に延在する直線部13aとなっている。
本体蛇行部13及び直線部13aの各々は、本体部11におけるその他の部分よりも細幅に形成されている。また、平面視において、本体蛇行部13は、本体部11に外接する矩形に収まっている。
バッテリパック200の充電時には、本体蛇行部13の一端13bと他端13cとの第1方向における離間距離が拡大し、当該本体蛇行部13の突出量が減少する形状に変形することによって、第1方向において本体部11の寸法が拡大する。
バッテリパック200の放電時には、本体蛇行部13の一端13bと他端13cとの第1方向における離間距離が縮小し、当該本体蛇行部13の突出量が増加する形状に変形することによって、第1方向において本体部11の寸法が縮小する。
なお、本実施形態の場合、熱カシメ部18は、第1方向において、本体蛇行部13よりも内側(基準位置510側)に形成されていることが好ましい。また、本体部11において、本体蛇行部13よりも外側の部分は、板状部材60に対して非接合となっていることが好ましい。
また、本発明において、本体蛇行部13の形状はこの例に限定されず、例えば、平面視において、曲線波形状に形成されていてもよいし、略矩形波状に形成されていてもよい。
また、本発明において、本体部11の全体が本体蛇行部13となっていてもよい。
【0041】
〔第4実施形態〕
次に、図11(a)及び図11(b)を用いて第4実施形態を説明する。なお、図11(a)及び図11(b)は、湾曲部15及びその周辺構造を拡大して図示している。図11(a)においては、配線51の図示を省略している。
本実施形態に係る電圧監視モジュール100は、以下に説明する点で、上記の第1~3実施形態に係る電圧監視モジュール100と相違しており、その他の点では、上記の第1~3実施形態に係る電圧監視モジュール100と同様に構成されている。
【0042】
図11(a)及び図11(b)に示すように、本実施形態の場合、本体部11の一部分は、当該本体部11における他部に対して面直方向(他部の面直方向)に湾曲した湾曲部15となっている。
このような構成によれば、分岐部20に加えて本体部11も、セル端子220の移動に追従して変形することができる。
より詳細には、湾曲部15は、例えば、正面視において上方に向けて凸の円弧状に形成されている。
湾曲部15の幅寸法は、本体部11におけるその他の部分の幅寸法と同等の寸法に設定されている。
バッテリパック200の充電時には、湾曲部15の一端15aと他端15bとの第1方向における離間距離が拡大し、当該湾曲部15の突出量が減少する形状に変形することによって、第1方向において本体部11の寸法が拡大する。
また、バッテリパック200の放電時には、湾曲部15の一端15aと他端15bとの第1方向における離間距離が縮小し、当該湾曲部15の突出量が増加する形状に変形することによって、第1方向において本体部11の寸法が縮小する。
なお、本実施形態の場合、熱カシメ部18は、第1方向において、湾曲部15よりも内側(基準位置510側)に形成されていることが好ましい。また、本体部11において、湾曲部15よりも外側の部分は、板状部材60に対して非接合となっていることが好ましい。
【0043】
〔第5実施形態〕
次に、図12(a)から図13(b)を用いて第5実施形態を説明する。なお、図12(a)は、開口部62及びその周辺構造を拡大して図示している。
本実施形態に係る電圧監視モジュール100は、以下に説明する点で、上記の第1~4実施形態に係る電圧監視モジュール100と相違しており、その他の点では、上記の第1~4実施形態に係る電圧監視モジュール100と同様に構成されている。
【0044】
本実施形態の場合も、上記の各実施形態と同様に、板状部材60の一方の面(例えば、上面)に沿って本体部11が配置されている。ただし、本実施形態の場合、図13(a)及び図13(b)に示すように、第1方向における本体部11の一部分と対応する開口部62が板状部材60に形成されている。なお、ここで「本体部11の一部分と対応する」とは、平面視において、少なくとも第1方向における本体部11の一部分が開口部62の一部分と重なっていることを意味している。
そして、図13(a)及び図13(b)に示すように、第1方向において本体部11の寸法が縮小した場合に、本体部11の一部分が湾曲し開口部62を介して突出可能である。
このような構成によっても、分岐部20に加えて本体部11も、セル端子220の移動に追従して伸縮することができる。
より詳細には、図13(a)に示すように、バッテリパック200の放電時には、本体部11の一部分は、湾曲し開口部62を介して下方に向けて突出した突出状態になる。これにより、第1方向において本体部11の寸法が縮小する。
一方、バッテリパック200の充電時には、本体部11の一部分は、図13(a)に示す状態と比較して平坦な形状に変形し、開口部62を介して突出していない非突出状態となる。これにより、第1方向において本体部11の寸法が拡大する。
ここで、図12(b)に示すように、開口部62の上方には、本体部11の一部分を間に介して押さえ部64が配置されている。図13(a)及び図13(b)に示すように、押さえ部64は、平坦な平板状に形成されているとともに、水平に配置されている。平面視において略矩形状に形成されている。押さえ部64の後端部は、例えば、連結部66を介して板状部材60の後縁部と接続されている。
このように、開口部62の上方には押さえ部64が配置されているので、当該開口部62と対応する本体部11の一部分が非突出状態(図13(b)参照)から突出状態(図13(a))に変形する際に、当該一部分が開口部62とは反対側(上方)に突出してしまうことを規制できる。
なお、本実施形態の場合、熱カシメ部18は、第1方向において、開口部62よりも内側(基準位置510側)に形成されていることが好ましい。また、本体部11において、開口部62よりも外側の部分は、板状部材60に対して非接合となっていることが好ましい。
また、本発明において、本体部11の一部分の突出方向は下方に限定されず、例えば、本体部11の一部分の開口部62を介して上方に突出可能となっていてもよい。この場合、押さえ部64は、開口部62の下方に配置される。
また、本発明において、例えば、本体部11の一部分は、バッテリパック200の放電時においても、開口部62を介して突出しており、バッテリセル210の膨張及び収縮に伴って、その突出量が変化するように構成されていてもよい。
【0045】
〔第6実施形態〕
次に、図14を用いて第6実施形態を説明する。なお、図14は、蛇行延在部23及びその周辺構造を拡大して図示している。また、図14においては、配線51の図示を省略している。
本実施形態に係る電圧監視モジュール100は、以下に説明する点で、上記の第1~5実施形態に係る電圧監視モジュール100と相違しており、その他の点では、上記の第1~5実施形態に係る電圧監視モジュール100と同様に構成されている。
【0046】
図14に示すように、本実施形態の場合、第1方向延在部22の一部分は、蛇行しつつ第1方向に延在している蛇行延在部23となっている。
このような構成によれば、第1方向延在部22の長さ寸法を十分に確保できるので、接続端子55の可動範囲を十分に確保することができる。
より詳細には、図14に示すように、本実施形態の場合、第1方向延在部22の中間部が蛇行延在部23となっている。一方、第1方向延在部22の両端部(一端部23a及び他端部23b)は、第1方向に直線状に延在している。
第1方向延在部22の他端部23bは、例えば、一端部23aの延長線上に配置されている。蛇行延在部23は、例えば、一端部23aの先端から他端部23bの基端に向けてUターンして延在している。
蛇行延在部23は、例えば、平面視において、略U字形状に形成されている。
また、本体部11において、蛇行延在部23と対応する部位には、切欠形状部11bが形成されている。切欠形状部11bは、本体部11を上下に貫通しているとともに、後方に向けて開放している。平面視において、蛇行延在部23の一部分は、切欠形状部11bの内側に収まっている。すなわち、蛇行延在部23の一部分は、突出部26よりも本体部11側に入り込んでいる。
バッテリパック200の膨張時には、接続端子55がセル端子220の移動に追従するのに伴って、蛇行延在部23は第1方向に伸長するので、当該接続端子55の可動範囲を良好に確保することができる。
【0047】
〔第7実施形態〕
次に、図15を用いて第7実施形態を説明する。なお、図15は、2つの分岐部20及びその周辺構造を拡大して示している。また、図15においては、接続端子55及び配線51の図示を省略している。
本実施形態に係る電圧監視モジュール100は、以下に説明する点で、上記の第1~6実施形態に係る電圧監視モジュール100と相違しており、その他の点では、上記の第1~6実施形態に係る電圧監視モジュール100と同様に構成されている。
【0048】
図15に示すように、本実施形態の場合、第1方向における一端側(本実施形態の場合、左端側)に位置する分岐部20は、第1方向における本体部11の一端から第1方向に突出している突出部26aと、本体部11の法線方向と第1方向との双方に対して直交する第2方向(本実施形態の場合、後方)に突出部26aの先端部から延出している一次延出部31と、一次延出部31の先端部から突出部26の突出方向とは反対方向に延出している第1方向延在部22aと、第1方向延在部22aの先端部から第2方向に突出している先端突出部28aと、を有する。そして、先端突出部28aが接続端子55を有する。
このように、本発明において、分岐部20は、バッテリセル210の膨張時のセル端子220の移動方向と同じ方向から配索されてもよい。このような構成によっても、接続端子55は、バッテリセル210の収縮又は膨張に伴うセル端子220の移動に良好に追従することができる。
〔第8実施形態〕
次に、図16を用いて第8実施形態を説明する。なお、図16は、2つの分岐部20及びその周辺構造を拡大して示している。また、図16においては、接続端子55及び配線51の図示を省略している。
本実施形態に係る電圧監視モジュール100は、以下に説明する点で、上記の第1~7実施形態に係る電圧監視モジュール100と相違しており、その他の点では、上記の第1~7実施形態に係る電圧監視モジュール100と同様に構成されている。
【0049】
図16に示すように、本実施形態の場合、第1方向における一端側(本実施形態の場合、左端側)に位置する分岐部20は、本体部11の法線方向と第1方向との双方に対して直交する第2方向(本実施形態の場合、後方)に本体部11から突出している突出部26bと、突出部26bの先端部から第1方向における本体部11の一端(本実施形態の場合、左端)を超えて第1方向に延出している一次延出部31aと、一次延出部31aの先端部から、突出部26bの突出方向とは反対方向(本実施形態の場合、前方)に、第2方向における本体部11の縁(本実施形態の場合、後縁)を越えて延出している二次延出部33と、二次延出部33の先端部から一次延出部31aの延出方向とは反対方向に延出している第1方向延在部22bと、第1方向延在部22bの先端部から突出部の突出方向とは反対方向へ突出している先端突出部28bと、を有する。そして、先端突出部28bが接続端子55を有する。
このように、本発明において、分岐部20は、本体部11の一端部を迂回して配索されてもよい。このような構成によっても、接続端子55は、バッテリセル210の収縮又は膨張に伴うセル端子220の移動に良好に追従することができる。
なお、ここでいう、第1方向における一端側(本実施形態の場合、左端側)に位置する分岐部20とは、複数の分岐部20のうち、最も一端側に位置する分岐部20を意味している。
【0050】
〔第9実施形態〕
次に、図17(a)及び図17(b)を用いて第9実施形態を説明する。なお、図17(a)はカバー部67及びその周辺構造を拡大して示している。
本実施形態に係る電圧監視モジュール100は、以下に説明する点で、上記の第1~8実施形態に係る電圧監視モジュール100と相違しており、その他の点では、上記の第1~8実施形態に係る電圧監視モジュール100と同様に構成されている。
【0051】
上記の第1実施形態では、本体部11が板状部材60に対して熱カシメによって固定されている例を説明したが、本発明において、本体部11を板状部材60に対して固定する手法はこの例に限定されない。
例えば、図17(a)及び図17(b)に示すように、本実施形態の場合、電圧監視モジュール100は、板状部材60に加えて、第1方向における本体部11の一部分の上方に配置されるカバー部67を備え、当該カバー部67は下方に向けて突出している突条部68を有する。そして、第1方向における本体部11の一部分は、板状部材60と、突条部68と、によって上下に挟み込まれて当該板状部材60に対して固定されている。
より詳細には、カバー部67は、平坦な平板状に形成されており、水平に配置されている。カバー部67は、例えば、板状部材60の上方に配置された状態で筐体310に対して固定されている。
カバー部67の下面には、例えば、1又は複数の突条部68が形成されている。突条部68の各々は、下方に向けて突出しているとともに、第2方向に延在している。突条部68の下面は平坦に形成されており、水平に配置されている。上下方向において、突条部68の下面は本体部11の上面と対向している。また、図17(b)に示すように、上下方向において、突条部68の下面と本体部11の上面との間には僅かな間隙が形成されている。なお、上下方向における突条部68の下面と本体部11の上面との間の間隙は、例えば、板状部材60の厚み寸法よりも小さいことが好ましい。
このような構成によれば、第1方向における本体部11の一部分を板状部材60に対して良好に固定することができる。
なお、本発明において、第1方向における本体部11の複数個所がこのようにして板状部材60に対して固定されていてもよい。すなわち、電圧監視モジュール100は、第1方向に並ぶ複数のカバー部67を備え、板状部材60と、複数のカバー部67の各々の突条部68と、によって、第1方向における本体部11の複数個所を当該板状部材60に対して固定していてもよい。
【0052】
<第9実施形態の変形例>
次に、図18を用いて第9実施形態の変形例を説明する。
本実施形態に係る電圧監視モジュール100は、以下に説明する点で、上記の第9実施形態に係る電圧監視モジュール100と相違しており、その他の点では、上記の第9実施形態に係る電圧監視モジュール100と同様に構成されている。
【0053】
図18に示すように、本変形例の場合、カバー部67は、板状部材60の一部分によって構成されている。
より詳細には、本変形例の場合、板状部材60は、本体部11が配置される主部61と、第1方向における主部61の一部分の上方に配置されているカバー部67と、主部61とカバー部67とを連結している連結部66aと、を含む。
図18に示す例では、連結部66aは、主部61の後縁部とカバー部67の後縁部とを連結している。
【0054】
〔第10実施形態〕
次に、図19(a)及び図19(b)を用いて第10実施形態を説明する。なお、図19(a)はフック部69及びその周辺構造を拡大して示している。図19(a)及び図19(b)においては、複数の分岐部20及び配線51の図示を省略している。
本実施形態に係る電圧監視モジュール100は、以下に説明する点で、上記の第1~9実施形態に係る電圧監視モジュール100と相違しており、その他の点では、上記の第1~9実施形態に係る電圧監視モジュール100と同様に構成されている。
【0055】
図19(a)及び図19(b)に示すように、本実施形態の場合、板状部材60は、本体部11が配置される主部61と、主部61の上面に形成されているフック部69と、を備え、フック部69の少なくとも一部分が本体部11の上方に配置されている。そして、第1方向における本体部11の一部分は、主部61と、フック部69と、によって上下に挟み込まれて当該板状部材60に対して固定されている。
より詳細には、フック部69は、例えば、板状部材60の上面から上方に向けて僅かに突出している第1部分69aと、第1部分69aの先端から第2方向に延出している第2部分69bと、を含む。第2部分69bは、例えば、第2方向に長尺な略直方体形状に形成されており、その先端部の下端は面取り形状となっている。このため、フック部69の先端側から、当該フック部69と主部61との間に本体部11を容易に差し込むことができる。
図19(a)に示すように、第2部分69bは、本体部11の上方に配置されており、当該本体部11の後縁から前縁に亘って延在している。第2部分69bの下面は、平坦に形成されているとともに水平に配置されている。図19(b)に示すように、上下方向において、第2部分69bの下面は、本体部11の一部分の上面と対向しており、当該第2部分69bの下面と本体部11の一部分の上面との間には僅かな間隙が形成されている。なお、上下方向におけるフック部69の下面と本体部11の上面との間の間隙は、例えば、板状部材60の厚み寸法よりも小さいことが好ましい。
【0056】
〔第11実施形態〕
次に、図20を用いて第11実施形態を説明する。なお、図20は、1つのバスバー70とその周辺構造を拡大して示している。図20においては、接続端子55及び配線51の図示を省略している。
本実施形態に係る電圧監視モジュール100は、以下に説明する点で、上記の第1~10実施形態に係る電圧監視モジュール100と相違しており、その他の点では、上記の第1~10実施形態に係る電圧監視モジュール100と同様に構成されている。
【0057】
上記の第1実施形態において、バスバー70が、正面視略M字状に形成されている例を説明したが、本発明において、バスバー70の形状はこの例に限定されない。例えば、図20に示すように、本実施形態の場合、バスバー70は、上方に向けて凸の形状に形成されている。
より詳細には、本実施形態の場合、左右一対の外脚部72の板面は、それぞれ上下方向を向いて配置されている。また、本実施形態の場合、セル端子220は、側面視において、L字を上下反転した形状に形成されており、板面が上下方向を向いている水平部と、板面が第1方向を向いている鉛直部と、を含む。そして、外脚部72は、セル端子220の水平部上に積層されている。また、本実施形態の場合、接続端子55は、外脚部72の上面上に水平に配置されている。
主部74は、上方に向けて凸の形状に折り曲げ形成されている。更に詳細には、主部74の両端部は、それぞれ当該主部74の中間部(両端部を除いた部分)に向けて上り傾斜した傾斜部78となっている。
バッテリパック200の放電時には、バスバー70は、傾斜部78の傾斜角度が大きくなるように変形することによって、対応するセル端子220の移動に追従する。
バッテリセル210が充電時には、バスバー70は、傾斜部78の傾斜角度が小さくなるように変形することによって、対応するセル端子220の移動に追従する。
すなわち、このような構成によっても、バスバー70は、対応するセル端子220の移動に追従して良好に変形することができる。
【0058】
また、図20に示すように、本実施形態の場合、分岐部20は、第1方向に延在する第1部分35aと、第1部分35aから起立している第2部分37aと、接続端子55を有するとともに本体部の法線方向と第1方向との双方に対して交差する軸AX周りに第2部分37aから折り曲げられている第3部分39aと、を有する形態となっている。そして、第3部分39aが存在する平面が、本体部11が存在する平面に対して対向した状態で、接続端子55がセル端子220に対して接続されている。
より詳細には、例えば、第2部分37aは、第1部分35aの先端部から上方に向けて湾曲しつつ起立しており、第3部分39aは、第2部分37aの先端から内方に向けて、第2方向に延在する軸AX周りに略90度折り曲げられている。
このような構成によれば、水平に配置されている接続端子55に対して分岐部20の先端突出部28を良好に接続することができる。
ただし、本発明において、第2部分37aは、第1部分35aの先端部から下方に向けて湾曲しつつ起立していてもよい。このようにすることによって、バスバー70及びセル端子220が本体部11の下方に配置されている場合であっても、当該セル端子220に対して接続端子55を良好に接続することができる。
【0059】
〔第12実施形態〕
次に、図21を用いて第12実施形態を説明する。なお、図21は、1つのバスバー70とその周辺構造を拡大して示している。図21においては、接続端子55及び配線51の図示を省略している。
本実施形態に係る電圧監視モジュール100は、以下に説明する点で、上記の第11実施形態に係る電圧監視モジュール100と相違しており、その他の点では、上記の第11実施形態に係る電圧監視モジュール100と同様に構成されている。
【0060】
図21に示すように、本実施形態の場合、分岐部20は、第1方向に延在する第1部分35aと、第1部分35aから起立している第2部分37aと、接続端子55を有するとともに第2部分37aから折り返されている第3部分39aと、を有する形態となっている。そして、第3部分39aが存在する平面が、本体部11が存在する平面に対して対向した状態で、接続端子55がセル端子220に対して接続されている。
より詳細には、例えば、第2部分37aは、第1部分35aの先端部から上方に向けて円弧状に起立しており、第3部分39aは、第2部分37aの先端から外方に向けて、第2方向に延在する軸AX周りに略90度折り返されている。
このような構成によっても、水平に配置されている接続端子55に対して分岐部20の先端突出部28を良好に接続することができる。
なお、図21に示す例では溶接板40はバスバーの外脚部72に接合されている状態を示しているが、溶接板40は、例えば、バスバーの主部74に接合されていてもよい。
ただし、本発明において、第2部分37aは、第1部分35aの先端部から下方に向けて円弧状に起立していてもよい。このようにすることによって、バスバー70及びセル端子220が本体部11の下方に配置されている場合も、当該セル端子220に対して接続端子55を良好に接続することができる。
【0061】
〔第13実施形態〕
次に、図22を用いて第13実施形態を説明する。なお、図22は、1つのバスバー70とその周辺構造を拡大して示している。図22においては、接続端子55及び配線51の図示を省略している。
本実施形態に係る電圧監視モジュール100は、以下に説明する点で、上記の第11、12実施形態に係る電圧監視モジュール100と相違しており、その他の点では、上記の第11、12実施形態に係る電圧監視モジュール100と同様に構成されている。
【0062】
図22に示すように、本実施形態の場合、分岐部20は、第1方向に延在する第1部分35aと、第1部分35aから起立している第2部分37aと、第2部分37aから折り返されている第3部分39bと、第3部分39bから垂下している第4部分39cと、接続端子55を有するとともに第4部分39cから折り返されている第5部分39dと、を有する形態となっている。そして、第3部分39bが存在する平面が、本体部11が存在する平面に対して対向した状態、且つ、第2部分37aが存在する平面の一部分が、第4部分39cが存在する平面に対して対向した状態で、接続端子55がセル端子220に対して接続されている。
より詳細には、例えば、第2部分37aは、第1部分35aの先端部から上方に向けて円弧状に起立しており、第3部分39bは、第2部分37aの先端から外方に向けて、第2方向に延在する軸AX周りに略90度折り返されている。更に、第4部分39cは、第3部分39bの先端部から下方に向けて円弧状に垂下しており、第5部分39dは、第4部分39cの先端から内方に向けて、第2方向に延在する軸AX周りに略90度折り返されている。
このような構成によっても、水平に配置されている接続端子55に対して分岐部20の先端突出部28を良好に接続することができる。
ただし、本発明において、第2部分37aは、第1部分35aの先端部から下方に向けて円弧状に起立していてもよい。この場合、第4部分39cは、例えば、第3部分39bの先端部から上方に向けて円弧状に起立している。このようにすることによって、バスバー70及びセル端子220が本体部11の下方に配置されている場合も、当該セル端子220に対して接続端子55を良好に接続することができる。
【0063】
〔第14実施形態〕
次に、図23を用いて第14実施形態を説明する。なお、図23においては、配線51及びバスバー70の図示を省略している。また、図23において、筐体310及び緩衝材320を二点鎖線で図示している。
本実施形態に係る電圧監視モジュール100は、以下に説明する点で、上記の第1~13実施形態に係る電圧監視モジュール100と相違しており、その他の点では、上記の第1~13実施形態に係る電圧監視モジュール100と同様に構成されている。
【0064】
上記の第1実施形態においては、基準位置510が、第1方向におけるバッテリパック200の中央である例を説明したが、図23に示すように、本発明において、基準位置510は、第1方向におけるバッテリパック200の一端であってもよい。
この場合、バッテリパック200の放電に伴い各バッテリセル210が収縮することによって、各セル端子220は、バッテリパック200の他端側から一端側(本実施形態の場合、右側から左側)に移動する。
一方、バッテリパック200の充電に伴い各バッテリセル210が膨張することによって、各セル端子220は、バッテリパック200の一端側から他端側(本実施形態の場合、左側から右側)に移動する。
このような構成であっても、接続端子55は、バッテリセル210の収縮又は膨張に伴うセル端子220の移動に良好に追従することができる。
なお、本実施形態の場合、緩衝材320は、バッテリパック200を基準として、第1方向における基準位置510側とは反対側にのみ配置される。
【0065】
〔第15実施形態〕
次に、図24を用いて第15実施形態を説明する。なお、図24において、筐体310及び緩衝材320を二点鎖線で図示している。
本実施形態に係る電圧監視モジュール100は、以下に説明する点で、上記の第1~14実施形態に係る電圧監視モジュール100と相違しており、その他の点では、上記の第1~14実施形態に係る電圧監視モジュール100と同様に構成されている。
【0066】
本実施形態の場合、図24に示すように、板状部材60は、例えば、本体部11が配置される主部61と、主部61の外周囲を囲んでいる枠状部65と、を含む。
枠状部65は、例えば、平面視において、第1方向に長尺な略矩形環状に形成されており、左右一対の短辺部65aと、前後一対の長辺部65bと、を含む。左右一対の短辺部65aは、互いに平行に第2方向に延在しており、前後一対の長辺部65bは、互いに平行に第1方向に延在している。
第1方向において、枠状部65の長さ寸法は、例えば、筐体310の長さ寸法よりも僅かに大きく、当該枠状部65の両端部は、例えば、筐体310から外側に張り出している。
主部61は、例えば、第1方向において、左側の短辺部65aから右側の短辺部65aに亘って直線状に延在している。また、主部61は、例えば、第2方向における枠状部65の中央部に配置されている。
本実施形態の場合、主部61の上面上に本体部11が配置される。また、平面視において、各分岐部20を含むフレキシブルプリント基板10の全体が、枠状部65の内周縁の内側に収まっている。
【0067】
また、本実施形態の場合、一例として、板状部材60は、例えば、筐体310の前壁部315と後壁部316とにそれぞれ固定される。より詳細には、前側の長辺部65bは、前壁部315の中央部(長手方向における中央部)の上端に対して固定され、後側の長辺部65bは、後壁部316の中央部(同上)の上端に対して固定される。この場合、本体部11の両端は、第1方向において、それぞれ筐体310の左右一対の側壁部312、314の内側で終端していてもよいし、当該側壁部312、314の外側で終端していてもよい。
このように、本発明において、第1方向における板状部材60の終端位置は、筐体310の外側であってもよいし、当該筐体310の内側であってもよい。また、板状部材60の一端は筐体310の外側で終端している一方で、板状部材60の他端は筐体310の内側で終端していてもよい。また、上記の第1実施形態のように、第1方向において、板状部材60の一端は、筐体310の一端(左側壁部312)と略同等の位置で終端しており、板状部材60の他端は、筐体310の他端(右側壁部314)と略同等の位置で終端していてもよい。
【0068】
以上、図面を参照して各実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0069】
例えば、上記においては、セル端子220が平板状に形成されている例を説明したが、本発明において、セル端子220の形状はこの例に限定されず、例えば、円柱状に形成されていてもよい。
【0070】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)積層された複数のバッテリセルを備えるバッテリパックの電圧の状態を監視する電圧監視モジュールであって、
複数の配線を有するフレキシブルプリント基板を備え、
前記フレキシブルプリント基板は、
第1方向に延在する本体部と、
それぞれ前記本体部から分岐し、前記第1方向において間欠的に配置されている複数の分岐部と、
を備え、
前記分岐部は、その先端側の部位に、前記バッテリセルの端子であるセル端子に接続される接続端子を有し、
前記複数の分岐部のうち、前記第1方向において基準位置からより遠くに位置する分岐部の方が、当該分岐部の基端から前記接続端子までの当該分岐部の長さ寸法が大きい電圧監視モジュール。
(2)前記分岐部は、前記第1方向に延在する第1方向延在部を含み、
前記複数の分岐部のうち、前記第1方向において基準位置からより遠くに位置する分岐部の方が、前記第1方向延在部の長さ寸法が大きい(1)に記載の電圧監視モジュール。
(3)前記複数の分岐部には、前記本体部の法線方向と前記第1方向との双方に対して直交する第2方向において他の分岐部に対してオフセットされているオフセット分岐部が含まれ、
前記第2方向に視たときに、前記オフセット分岐部と前記他の分岐部との一部分同士が重なっている(1)又は(2)に記載の電圧監視モジュール。
(4)前記複数の分岐部のうち、一部の分岐部の一部分は、平面視において、前記本体部に外接する矩形に収まっている(1)から(3)のいずれかに記載の電圧監視モジュール。
(5)前記本体部の一部分は、蛇行しつつ前記第1方向に延在する本体蛇行部となっている(1)から(4)のいずれかに記載の電圧監視モジュール。
(6)前記本体部の一部分は、当該本体部における他部に対して面直方向に湾曲した湾曲部となっている(1)から(5)のいずれかに記載の電圧監視モジュール。
(7)前記分岐部は、
前記本体部の法線方向と前記第1方向との双方に対して直交する第2方向に前記本体部から突出している突出部と、
前記突出部の先端部から前記第1方向に延出している前記第1方向延在部と、
前記第1方向延在部の先端部から前記第2方向に突出している先端突出部と、
を有し、
前記先端突出部が前記接続端子を有する(2)に記載の電圧監視モジュール。
(8)前記第1方向における一端側に位置する前記分岐部は、
前記第1方向における前記本体部の一端から前記第1方向に突出している突出部と、
前記本体部の法線方向と前記第1方向との双方に対して直交する第2方向に前記突出部の先端部から延出している一次延出部と、
前記一次延出部の先端部から前記突出部の突出方向とは反対方向に延出している前記第1方向延在部と、
前記第1方向延在部の先端部から前記第2方向に突出している先端突出部と、
を有し、
前記先端突出部が前記接続端子を有する(2)に記載の電圧監視モジュール。
(9)前記第1方向における一端側に位置する前記分岐部は、
前記本体部の法線方向と前記第1方向との双方に対して直交する第2方向に前記本体部から突出している突出部と、
前記突出部の先端部から前記第1方向における前記本体部の一端を超えて前記第1方向に延出している一次延出部と、
前記一次延出部の先端部から、前記突出部の突出方向とは反対方向に、前記第2方向における前記本体部の縁を越えて延出している二次延出部と、
前記二次延出部の先端部から前記一次延出部の延出方向とは反対方向に延出している前記第1方向延在部と、
前記第1方向延在部の先端部から前記突出部の突出方向とは反対方向へ突出している先端突出部と、
を有し、
前記先端突出部が前記接続端子を有する(2)に記載の電圧監視モジュール。
(10)前記第1方向延在部の一部分は、蛇行しつつ前記第1方向に延在している蛇行延在部となっている(2)に記載の電圧監視モジュール。
(11)前記本体部が取り付けられたリジッドな板状部材を備える(1)から(10)のいずれかに記載の電圧監視モジュール。
(12)前記板状部材の一方の面に沿って前記本体部が配置され、
前記第1方向における前記本体部の一部分と対応する開口部が前記板状部材に形成されており、
前記第1方向において前記本体部の寸法が縮小した場合に、前記本体部の一部分が湾曲し前記開口部を介して突出可能である(11)に記載の電圧監視モジュール。
(13)(1)から(12)のいずれかに記載の電圧監視モジュールと、
前記バッテリパックと、
を備え、
前記フレキシブルプリント基板の各接続端子が、前記バッテリパックの対応する前記セル端子に対して接続されているバッテリユニット。
(14)前記分岐部は、
前記本体部の法線方向と前記第1方向との双方に対して交差する軸周りに折り曲げられて、前記第1方向に延在する第1部分と、前記接続端子を有するとともに前記第1部分から起立している第2部分と、を有する形態となっている(13)に記載のバッテリユニット。
(15)前記接続端子は、前記本体部に対して直交する姿勢で前記セル端子に対して接続されている(14)に記載のバッテリユニット。
(16)前記分岐部は、前記第1方向に延在する第1部分と、前記第1部分から起立している第2部分と、前記接続端子を有するとともに第2部分から折り返されている第3部分と、を有する形態となっており、
前記第3部分が存在する平面が、前記本体部が存在する平面に対して対向した状態で、前記接続端子が前記セル端子に対して接続されている(13)に記載のバッテリユニット。
【符号の説明】
【0071】
10 フレキシブルプリント基板
11 本体部
11a スリット
11b 切欠形状部
13 本体蛇行部
13a 直線部
13b 一端
13c 他端
15 湾曲部
15a 一端
15b 他端
18 熱カシメ部
20 分岐部
21a 第1分岐部
21b 第2分岐部
22、22a、22b 第1方向延在部
23 蛇行延在部
23a 一端部
23b 他端部
24 オフセット分岐部
26、26a、26b 突出部
28、28a、28b 先端突出部
31、31a 一次延出部
33 二次延出部
35、35a 第1部分
37、37a 第2部分
39、39a、39b 第3部分
39c 第4部分
39d 第5部分
40 溶接板
51 配線
55 接続端子
60 板状部材
61 主部
62 開口部
64 押さえ部
65 枠状部
65a 左右一対の短辺部
65b 前後一対の長辺部
66、66a 連結部
67 カバー部
68 突条部
69 フック部
69a 第1部分
69b 第2部分
70 バスバー
72 外脚部
74 主部
76 湾曲部
78 傾斜部
100 電圧監視モジュール
200 バッテリパック
210 バッテリセル
220 セル端子
300 バッテリユニット
310 筐体
312 左側壁部
314 右側壁部
315 前壁部
316 後壁部
320 緩衝材
410 矩形
502 仮想線
510 二点鎖線(基準位置)
AX 軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【手続補正書】
【提出日】2023-09-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
ここで、電圧監視モジュール100は、本体部11の長手方向(すなわち第1方向)がバッテリセル210の積層方向に沿うようにバッテリパック200に取り付けられ、各接続端子55は対応するセル端子220に接続される。
本実施形態の場合、電圧監視モジュール100がバッテリパック200に取り付けられた状態において、当該バッテリパック200の積層方向(第1方向)における中央位置が、基準位置510である。
図4(a)に示すように、バッテリパック200の放電時には、複数のバッテリセル210の各々は、基準位置510(バッテリパック200の中央位置)を基準として内側に収縮する。複数のバッテリセル210の収縮に伴って、各セル端子220は、第1方向において、基準位置510に近づく方向に移動する。また、セル端子220に接続される接続端子55も、当該セル端子220に追従して基準位置510に近づく方向に移動する。この際の接続端子55の可動範囲は、当該接続端子55を有する分岐部20の長さ寸法に応じて規定される。より詳細には、分岐部20の長さ寸法が大きい方が、当該接続端子55の可動範囲は広くなる。また、複数のセル端子220のうち、第1方向において基準位置510からより遠くに位置するセル端子220及び当該セル端子220に接続されている接続端子55の方が、その第1方向における移動量が大きくなる。
また、バッテリパック200の充電時には、複数のバッテリセル210の各々は、基準位置510(バッテリパック200の中央位置)を基準として外側に膨張する。複数のバッテリセル210の膨張に伴って、各セル端子220は、第1方向において、基準位置510から遠ざかる方向に移動する。また、セル端子220に接続される接続端子55も、当該セル端子220に追従して基準位置510から遠ざかる方向に移動する。この際の接続端子55の可動範囲は、当該接続端子55を有する分岐部20の長さ寸法に応じて規定される。より詳細には、分岐部20の長さ寸法が大きい方が、当該接続端子55の可動範囲は広くなる。また、複数のセル端子220のうち、第1方向において基準位置510からより遠くに位置するセル端子220及び当該セル端子220に接続されている接続端子55の方が、その第1方向における移動量が大きくなる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
図10に示すように、本実施形態の場合、本体部11の一部分は、蛇行しつつ第1方向に延在する本体蛇行部13となっている。
このような構成によれば、本体蛇行部13が伸縮することによって、本体部11が、第1方向において、セル端子220の移動に追従して伸縮することができる。このため、第1実施形態と比較して、本体部11が第1方向において伸縮可能な分、セル端子220に追従する接続端子55の可動範囲をより広げることができる。
平面視において、本体蛇行部13は、第2方向における一方に向けて凸の円弧状に形成されている。また、本体部11において、本体蛇行部13の両端側の部分は、それぞれ直線状に延在する直線部13aとなっている。
本体蛇行部13及び直線部13aの各々は、本体部11におけるその他の部分よりも細幅に形成されている。また、平面視において、本体蛇行部13は、本体部11に外接する矩形に収まっている。
バッテリパック200の充電時には、本体蛇行部13の一端13bと他端13cとの第1方向における離隔距離が拡大し、当該本体蛇行部13の突出量が減少する形状に変形することによって、第1方向において本体部11の寸法が拡大する。
バッテリパック200の放電時には、本体蛇行部13の一端13bと他端13cとの第1方向における離隔距離が縮小し、当該本体蛇行部13の突出量が増加する形状に変形することによって、第1方向において本体部11の寸法が縮小する。
なお、本実施形態の場合、熱カシメ部18は、第1方向において、本体蛇行部13よりも内側(基準位置510側)に形成されていることが好ましい。また、本体部11において、本体蛇行部13よりも外側の部分は、板状部材60に対して非接合となっていることが好ましい。
また、本発明において、本体蛇行部13の形状はこの例に限定されず、例えば、平面視において、曲線波形状に形成されていてもよいし、略矩形波状に形成されていてもよい。
また、本発明において、本体部11の全体が本体蛇行部13となっていてもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
図11(a)及び図11(b)に示すように、本実施形態の場合、本体部11の一部分は、当該本体部11における他部に対して面直方向(他部の面直方向)に湾曲した湾曲部15となっている。
このような構成によれば、分岐部20に加えて本体部11も、セル端子220の移動に追従して変形することができる。
より詳細には、湾曲部15は、例えば、正面視において上方に向けて凸の円弧状に形成されている。
湾曲部15の幅寸法は、本体部11におけるその他の部分の幅寸法と同等の寸法に設定されている。
バッテリパック200の充電時には、湾曲部15の一端15aと他端15bとの第1方向における離隔距離が拡大し、当該湾曲部15の突出量が減少する形状に変形することによって、第1方向において本体部11の寸法が拡大する。
また、バッテリパック200の放電時には、湾曲部15の一端15aと他端15bとの第1方向における離隔距離が縮小し、当該湾曲部15の突出量が増加する形状に変形することによって、第1方向において本体部11の寸法が縮小する。
なお、本実施形態の場合、熱カシメ部18は、第1方向において、湾曲部15よりも内側(基準位置510側)に形成されていることが好ましい。また、本体部11において、湾曲部15よりも外側の部分は、板状部材60に対して非接合となっていることが好ましい。