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特開2024-80464オンライン学習支援プログラム及びオンライン学習支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080464
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】オンライン学習支援プログラム及びオンライン学習支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20240606BHJP
【FI】
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193675
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】521264545
【氏名又は名称】株式会社イノビオット
(74)【代理人】
【識別番号】100121658
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌義
(72)【発明者】
【氏名】福田 紘也
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】      (修正有)
【課題】学習進捗管理を可能とし、さらに1対1授業に対応してより効果的なオンライン学習を支援するオンライン学習支援プログラム及び方法を提供する。
【解決手段】オンライン学習支援プログラムは、コンピュータに、講師データを記録するステップ、授業種別データ及び学習進捗データを含む複数の生徒データを記録するステップ、授業開設スケジュールデータを記録するステップ、授業開設スケジュールデータに対して、授業生徒数データ及び講師データを記録するステップ及び生徒データに対応する授業予約データを記録するステップを実行させる。授業種別データは、講師1人に対して1人の生徒を充てる1対1授業であることの情報を含む1対1授業データ及び講師1人に対して複数の生徒を充てる1対N授業であることの情報を含む1対N授業データを含む。授業生徒数データは、1対1授業データ及び1対N授業データの少なくとも何れかに基づき定められる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
講師データを記録するステップ、
授業種別データ及び学習進捗データを含む複数の生徒データを記録するステップ、
授業開設スケジュールデータを記録するステップ、
前記授業開設スケジュールデータに対して、授業生徒数データ及び前記講師データを記録するステップ、
前記生徒データに対応する授業予約データを記録するステップ、を実行させるためのオンライン学習支援プログラムであって、
前記授業種別データは、講師1人に対して1人の生徒を充てる1対1授業であることの情報を含む1対1授業データ、及び、講師1人に対して複数の生徒を充てる1対N授業であることの情報を含む1対N授業データを含み、
前記授業生徒数データは、前記1対1授業データ及び前記1対N授業データの少なくともいずれかに基づき定められるオンライン学習支援プログラム。
【請求項2】
オンライン授業のための授業アクセスデータを記録する請求項1記載のオンライン学習支援プログラム。
【請求項3】
前記複数の生徒データ間の友達関係に関する情報を含む友達データを記録するステップ、も実行させるための請求項1記載のオンライン学習支援プログラム。
【請求項4】
前記生徒データは、ポイントデータを含む請求項1記載のオンライン学習支援プログラム。
【請求項5】
前記生徒データは、称号データを含む請求項1記載のオンライン学習支援プログラム。
【請求項6】
講師データを記録するステップ、
授業種別データ及び学習進捗データを含む複数の生徒データを記録するステップ、
授業開設スケジュールデータを記録するステップ、
前記授業開設スケジュールデータに対して、授業生徒数データ及び前記講師データを記録するステップ、
前記生徒データに対応する授業予約データを記録するステップ、を実行させるためのオンライン学習支援方法であって、
前記授業種別データは、講師1人に対して1人の生徒を充てる1対1授業であることの情報を含む1対1授業データ、及び、講師1人に対して複数の生徒を充てる1対N授業であることの情報を含む1対N授業データを含み、
前記授業生徒数データは、前記1対1授業データ及び前記1対N授業データの少なくともいずれかに基づき定められるオンライン学習支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンライン学習支援プログラム及びオンライン学習支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のインターネット環境の発達及び新型感染症の拡大を背景に、インターネットを用いて遠隔で会議を行うシステム(以下「オンライン会議システム」という。)が急速に広まりつつある。
【0003】
そして、このオンライン会議システムは、会議だけでなく、学校や、国語や算数等の教科を学校外の施設にて教える学習塾や、ピアノやプログラムを教える教室等(以下「教室等」)のシステムにも適用されてきている。
【0004】
ところで、上記の教室等のシステムに関連しては、例えば下記特許文献1に、授業を提供する授業提供者端末と、授業を予約する学生が操作する利用者端末と、を仲介する予約仲介方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3974387号公報
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は、単に大学等の授業の予約を行うシステムに過ぎず、オンライン授業を想定したものではなく、これ以外の機能、具体的には学習進捗管理等の機能等は開示しておらず、特に、オンライン授業で効果的である講師1人に対して1人の生徒を充てる1対1授業を想定したものでもない。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、学習進捗管理を可能とし、さらに1対1授業に対応してより効果的なオンライン学習を支援するためのオンライン学習支援プログラム及びオンライン学習支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明の一観点にかかるオンライン学習支援プログラムは、コンピュータに、講師データを記録するステップ、授業種別データ及び学習進捗データを含む複数の生徒データを記録するステップ、授業開設スケジュールデータを記録するステップ、授業開設スケジュールデータに対して、授業生徒数データ及び講師データを記録するステップ、生徒データに対応する授業予約データを記録するステップ、を実行させるためのものであって、授業種別データは、講師1人に対して1人の生徒を充てる1対1授業であることの情報を含む1対1授業データ、及び、講師1人に対して複数の生徒を充てる1対N授業であることの情報を含む1対N授業データを含み、授業生徒数データは、1対1授業データ及び1対N授業データの少なくともいずれかに基づき定められるものである。
【0010】
また、本観点においては、限定されるわけではないが、オンライン授業のための授業アクセスデータを記録するものであることが好ましい。
【0011】
また、本観点においては、限定されるわけではないが、複数の生徒データ間の友達関係に関する情報を含む友達データを記録するステップ、も実行させるためのものであることが好ましい。
【0012】
また、本観点においては、限定されるわけではないが、生徒データは、ポイントデータを含むものであることが好ましい。
【0013】
また、本観点においては、限定されるわけではないが、生徒データは、称号データを含むものであることが好ましい。
【0014】
また、本発明の他の一観点にかかるオンライン学習支援方法は、講師データを記録するステップ、授業種別データ及び学習進捗データを含む複数の生徒データを記録するステップ、授業開設スケジュールデータを記録するステップ、授業開設スケジュールデータに対して、授業生徒数データ及び講師データを記録するステップ、生徒データに対応する授業予約データを記録するステップ、を実行させるためのオンライン学習支援方法であって、授業種別データは、講師1人に対して1人の生徒を充てる1対1授業であることの情報を含む1対1授業データ、及び、講師1人に対して複数の生徒を充てる1対N授業であることの情報を含む1対N授業データを含み、授業生徒数データは、1対1授業データ及び1対N授業データの少なくともいずれかに基づき定められるものである。
【発明の効果】
【0015】
以上、本発明によって、学習進捗管理を可能とし、さらに1対1授業に対応してより効果的なオンライン学習を支援するためのオンライン学習支援プログラム及びオンライン学習支援方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態にかかるオンライン学習支援プログラムの処理の流れの概略を示す図である。
図2】実施形態にかかるオンライン学習支援システムの概略を示す図である。
図3】実施形態にかかるオンライン学習支援システムにおける生徒データを示すイメージ図である。
図4】実施形態にかかるオンライン学習支援システムにおける称号データを示すイメージ図である。
図5】実施形態にかかるオンライン学習支援システムにおける授業開設スケジュールを示すイメージ図である。
図6】実施形態にかかるオンライン学習支援システムにおける生徒ページを示すイメージ図である。
図7】実施形態に係るオンライン学習支援プログラムにより実行されるステップの概略を示す図である。
図8】実施形態に係るオンライン学習支援プログラムにおいて表示される画面の例を示す図である。
図9】実施形態に係るオンライン学習支援プログラムにおいて表示される画面の例を示す図である。
図10】実施形態に係るオンライン学習支援プログラムにおいて表示される画面の例を示す図である。
図11】実施形態に係るオンライン学習支援プログラムにおいて表示される画面の例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態における具体的な例示にのみ示すわけではない。
【0018】
(オンライン学習支援プログラム)
本実施形態に係るオンライン学習支援プログラム(以下「本学習支援プログラム」という。)は、コンピュータに、(S1)講師データを記録するステップ、(S2)授業種別データ及び学習進捗データを含む複数の生徒データを記録するステップ、(S3)授業開設スケジュールデータを記録するステップ、(S4)授業開設スケジュールデータに対して、授業生徒数データ及び講師データを記録するステップ、(S5)生徒データに対応する授業予約データを記録するステップ、を実行させるためのものであって、授業種別データは、講師1人に対して1人の生徒を充てる1対1授業であることの情報を含む1対1授業データ、及び、講師1人に対して複数の生徒を充てる1対N授業であることの情報を含む1対N授業データを含み、授業生徒数データは、1対1授業データ及び1対N授業データの少なくともいずれかに基づき定められるものである。図1に、本実施形態にかかるオンライン学習支援プログラムが実行する処理の流れ(フロー)を示しておく。
【0019】
(オンライン学習支援方法)
本学習支援プログラムは、情報処理装置すなわちコンピュータによって実行されるものであり、具体的にはコンピュータのハードディスク等の記録媒体に格納され、必要に応じてメモリ等の揮発性記録媒体に読み込まれ、実行されることになる。すなわち、本学習支援プログラムは、コンピュータにおいて実行されることにより、上記図で示す(S1)講師データを記録するステップ、(S2)授業種別データ及び学習進捗データを含む複数の生徒データを記録するステップ、(S3)授業開設スケジュールデータを記録するステップ、(S4)授業開設スケジュールデータに対して、授業生徒数データ及び講師データを記録するステップ、(S5)生徒データに対応する授業予約データを記録するステップ、を有するオンライン学習支援方法(以下、本実施形態に係るオンライン学習支援方法を単に「本方法」という。)を実現することができる。
【0020】
なお本学習支援プログラムを実行するために用いられるコンピュータは、上記の機能を有する限りにおいて限定されるわけではないが、例えば一般的なコンピュータの構成要素である中央演算装置(CPU)、ハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性の記録媒体、メモリ等の揮発性の記録媒体、これらを接続するバス、キーボードやマウス等の入力装置、モニタ等の表示装置等を含むことが好ましいがこれに限定されない。
【0021】
上記コンピュータは、いわゆるノートパソコンやデスクトップパソコンであってもよいが、近年普及が進んでいる携帯情報端末、具体的にはいわゆるスマートフォンやタブレット端末であってもよい。一般的な携帯情報端末は、一つのカバーの中に上記CPUや表示装置等の部品を収納して一体化させたものとなっており、しかも表示装置上にセンサを配置しいわゆるタッチパネルとしておくことで入力装置としても機能させることができ、非常に取り扱いやすいものとなっており好ましい。また携帯情報端末の場合、当該携帯情報端末において本方法を実行するプログラムをいわゆるアプリとして記録、表示させておき、このアプリを起動することで容易に本方法を実行することができる。
【0022】
(オンライン学習支援システム)
ところで、本方法は、上記のとおり複数のコンピュータが組み合わされたシステムによって運用されることになる。図2に、本方法を実現するオンライン学習支援システム(以下「本システム」という。)Sの概略の一例を示す。
【0023】
本図で示すように、本システムSは、インターネット等の電気通信を介して実現することが可能である。具体的には、複数のコンピュータを電気通信を介して接続し、本方法のステップをこれら異なるコンピュータにより実行させることが可能である。具体的に本図で示す本システムSは、管理者用コンピュータMと、生徒用コンピュータPと、講師用コンピュータTと、を備えており、これらが電気通信回線Nを介して接続されている。なお、管理者用コンピュータM、生徒用コンピュータP、講師用コンピュータTは、その構造自体は同じ構造を採用することができるが、その主たる操作者が異なる点が違いとなる。具体的に管理者用コンピュータMは、本システムSを運営する管理者が主として保有し、操作するコンピュータであり、生徒用コンピュータPは、主として生徒が保有し操作するコンピュータであり、講師用コンピュータTは、主として講師が保有し操作するコンピュータである。
【0024】
そして、本システムSでは、本方法のステップをそれぞれいずれかのコンピュータによって処理し、互いにデータを送受信することにより本方法全体を実行することができる。
【0025】
詳細については以下の記載から明らかとなっていくが、本システムSを用いることで、オンライン学習支援を効率的に行うことができる。具体的に説明すると、オンラインで、効率的に生徒が講師から指導を受ける(オンライン授業を行う)ことが可能となる。さらに具体的には、この本システムSを用いることで、オンライン授業において、指導スタイルが講師1人に対して生徒1人を充てる1対1授業である場合と、講師1人に対して複数の生徒を充てる1対N(Nは2以上の整数)授業であることの情報を含む1対N授業である場合、の両方を並行して進めることができるようになる。
【0026】
まず、本方法では、(S1)講師データを記録するステップを有する。これにより講師に関する情報をまず記録することが可能となる。ここで、「講師データ」とは、講師毎に作成され、講師に関する情報を含むデータであって、講師データには、例えば講師の氏名に関する情報を含む「講師氏名データ」、講師の識別番号に関する情報を含む「講師識別番号データ」、講師の電話番号やメールアドレス等の連絡先に関する情報を含む「講師連絡先データ」等を含むがこれに限定されない。なお、講師データは講師の人数分作成されるため、講師データは複数記録されることになる。
【0027】
また講師データは、典型的には、講師用コンピュータTによって作成され、電気通信回線Nを介して管理者用コンピュータMに送信され、管理者用コンピュータMの記録媒体に記録される。なおこの場合、講師データについては統一されたフォーマットのデータであることが効率的な処理の観点から重要であるため、講師データ入力用フォームはあらかじめ管理者用コンピュータMの記録媒体に記録しておき、この講師データ入力用フォームを講師用コンピュータTの要求に応じて管理者用コンピュータMが電気通信回線Nを通じて送信し、これを受信した講師用コンピュータTで講師データを入力作成させるようにすることが好ましい。ただし、講師データについては、講師用コンピュータTではなく、管理者側が管理者用コンピュータMを用いて作成するようにしてもよい。ただいずれにおいても、講師データは管理者用コンピュータMに記録されることが好ましい。
【0028】
また、本方法では、次に、(S2)授業種別データ及び学習進捗データを含む複数の生徒データを記録するステップを有する。生徒データを記録することで、オンラインで授業を受ける生徒に関する情報を確保することが可能となる。
【0029】
ここで「生徒データ」とは、生徒の情報を含むデータであって、これには、生徒の氏名に関する情報を含む「生徒氏名データ」、生徒の識別番号に関する情報を含む「生徒識別番号データ」、生徒の電話番号やメールアドレス等の連絡先に関する情報を含む「生徒連絡先データ」を含むが、さらに、生徒のニックネームに関する情報を含む生徒ニックネームデータを含ませることも好ましい。
【0030】
また、「生徒データ」は、上記講師データと同じように、生徒用コンピュータPによって作成され、電気通信回線Nを介して管理者用コンピュータMに送信され、管理者用コンピュータMの記録媒体に記録されることとしてもよいが、管理者があらかじめ生徒の情報をもらった上で、管理者用コンピュータMにおいて作成することとしてもよい。ただいずれの場合であっても、生徒データ(下記で改めて詳述する各種データを含む。)は管理者用コンピュータMに記録されることが好ましい。
【0031】
また、「生徒データ」には、上記の各データのほか、「授業種別データ」及び「学習進捗データ」が含まれる。例えば図3に、ある生徒と、その授業種別との関係を示しておく。
【0032】
ここで「授業種別データ」とは、授業の形態に関する種別の情報を含むデータであり、例えば、講師1人に対して1人の生徒を充てる1対1授業であることの情報を含む「1対1授業データ」、及び、講師1人に対して複数(N人)の生徒を充てる1対N授業であることの情報を含む「1対N授業データ」を含む。なお、この「授業種別データ」は、どの講師がどの生徒とどのような授業を行ったのかを把握することが重要であるため、上記の講師データにも含ませることが好ましい。
【0033】
また、「1対1授業データ」には、上記の情報だけではなく、単位期間におけるその授業の回数、より具体的には1月に1対1授業を何回受けるのかといった情報を含む回数データが含まれる。すなわち、1対1授業データには、1対1授業データであるということを示す情報を含むとともに、その授業形態を月に何回行うかといった情報を含ませることができる。なお、ここでは説明のため単位期間として月を用いているが年や週であってもよい。
【0034】
また、「1対N授業データ」にも、上記の情報だけでなく、その授業の回数、より具体的には1月に1対N授業を何回受けるのかといった情報を含む回数データが含まれる。なお「1対N授業データ」のNは、上記の通り講師1人に対して生徒をN人一度に授業を受けるようにするというものであるため、Nは2以上の自然数であれば特に限定されず、5以上、10以上とすることにしてもよい。すなわち、1対N授業データには、1対N授業データであるということを示す情報を含むとともに、Nの値、その授業形態を月に何回行うかといった情報を含ませることができる。なお、ここでは説明のため単位期間として月を用いているが年や週であってもよい。
【0035】
すなわち、本図の例では、例えばある生徒は、ある時点において1対1授業を月に4回受け、これを一定期間継続しているが、その後のある時点において1対1授業を月2回とし、残りを自習回とするよう授業形態を変更し、さらにその一定期間後、1対1授業を2回、1対N授業を2回受けることとした場合のイメージを示している。なお、自習回は生徒が自分自身で学習を進める回であって、1対1授業でも1対N授業でもないため、授業種別データに「自習データ」を含ませ、この自習データに、自習の回数に関する情報を含む自習回数データを含ませてもよい。
【0036】
また、「生徒データ」には、上記の通り「学習進捗データ」が含まれるが、この「学習進捗データ」とは、その生徒の学習に関する進捗の情報を含むデータであり、この学習進捗データを更新していくことでその生徒の学習進捗管理を行うことが可能となる。
【0037】
本実施形態に係るオンライン学習支援システムでは、本学習支援プログラムとは別に、学習コンテンツプログラムを記録してあり、生徒及び講師はオンラインで必要に応じてこのコンテンツプログラムをコンピュータ上で実行し、その実行により実現されるコンテンツに含まれる指示に基づき作業を行うことで、様々な知識や技術の習得が可能である。そしてこのコンテンツプログラムは複数の段階・レベル(以下単に「レベル」という。)のコンテンツプログラムを含んでおり、その生徒のレベルにあったコンテンツプログラムを実行・受講する。すなわち、その生徒がどのレベルを受講しているか否かの情報を含む学習進捗データを得ておくことで、生徒自身は自分のレベルを認識できるようにし、講師には生徒に対する適切なアドバイスを行わせることができるようになる。
【0038】
また、「生徒データ」には、さらに、「ポイントデータ」及び「称号データ」の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
【0039】
またここで「ポイントデータ」とは、生徒が授業の進捗やその成果等によって得られる獲得ポイントに関する情報を含むデータであり、生徒はこの獲得ポイントを振り分けることにより、例えば下記の称号データやその他様々な報酬を受け取ることができるようになる。これにより生徒に対するインセンティブを高めることができるといった利点がある。このインセンティブとしては、例えば景品であってもよく、また下記で示す称号であってもよい。
【0040】
また、「称号データ」とは、生徒に対して与えられる称号に関する情報を含むデータである。生徒に称号を付することで、その生徒の学習の進捗だけでは測ることができない評価指標を称号として他の生徒や講師等に公開し、やる気を出させやすくできるといった利点がある。ここで図4に、ある生徒が保有するポイントデータや称号データの対応のイメージについて示しておく。
【0041】
また、本方法では、(S3)授業開設スケジュールデータを記録するステップを有する。具体的には、本ステップを実行することで、授業を設置して講師と生徒のスケジュールを合わせることが可能となる。なお図5に、生徒用コンピュータ、講師用コンピュータ、管理者用コンピュータの表示装置に表示される授業スケジュールのイメージ図を示しておく。
【0042】
ここで「授業開設スケジュールデータ」は、上記の記載からも明らかなように、開設する授業のスケジュール(授業開設スケジュール)に関する情報を含むデータであって、これには開設する授業それぞれを識別するための識別番号に関する情報を含む授業識別番号データと、これに対応し、開設する授業の日時の情報を含む「授業日時データ」、および、授業時間に関する情報を含む「授業時間データ」を含む。
【0043】
なお、授業開設スケジュールデータは、上記の通り授業開設のスケジュールに関する情報であり、これを決定するのは管理者である。そのため、授業開設スケジュールデータは管理者用コンピュータにおいて作成・記録され、生徒や講師の要求に応じ、生徒用コンピュータや講師用コンピュータに送信される。
【0044】
また、本方法では、(S4)授業開設スケジュールデータに対して、授業生徒数データ及び講師データを記録するステップを有する。本方法では、本ステップを実行することにより、講師と生徒とのマッチングを行うことができるようになる。
【0045】
まず、上記の通り、授業開設スケジュールデータには講師データが対応付けられて記録される。1つの授業には講師が必ず1人割り当てられるため、開設される授業それぞれに対応、より具体的には、授業識別番号データそれぞれに対応して講師データが対応付けられる。
【0046】
また「授業生徒数データ」とは、授業を受けることができる生徒数の情報を含むデータである。この授業生徒数データは、「授業種別データ」によって定められる。具体的には、授業種別データが1対1授業データである場合は、1つの授業に対して1人の講師が割り当てられ、1人の講師に対して1人であるため、授業生徒数データは1の値となる。また、授業種別データが1対N授業データである場合は、1つの授業に対し1人の講師が割り当てられ、1人の講師に対してN人であるため、授業生徒数データはNの値となる。
【0047】
以上の通り、本ステップでは、開設する授業ごとにその担当する講師と、授業を受ける生徒数を設置することで、授業開設スケジュールを定めることが可能となる。
【0048】
また、本方法では、(S5)生徒データに対応する授業予約データを記録するステップを有する。本ステップを実行することで、生徒が授業の予約を行うことができるようになる。
【0049】
具体的に説明すると、上記(S4)のステップでは、授業開設スケジュールデータに授業生徒数データを対応付けて記録することで、その授業生徒数データに対応した生徒数だけ生徒を受け入れることが可能となるが、本ステップではさらに進んで、「授業生徒数データ」に基づき、その授業(より具体的には授業識別番号データ)に対して生徒データを対応付けて記録する。これにより、その授業に対して授業を受ける生徒を設定・特定することが可能となる。一方で、生徒データの観点から考えると、生徒データに対して、授業予約に関する情報を含むデータすなわち授業予約データが記録されることになる。なおこの「授業予約データ」とは、その生徒がどの授業を予約したのかを示す情報を含むデータであり、具体的にはその予約した授業の授業識別番号データを含むことが好ましく、より好ましくは授業日時データ等の各データやその担当する講師データ等を含ませることが好ましい。
【0050】
また、本方法では、さらに、限定されるわけではないが、(S6)オンライン授業のための授業アクセスデータを記録するステップを有することが好ましい。
【0051】
本方法では、特にオンラインによる授業をより円滑にすることが重要であり、オンライン授業を行うためには、講師と生徒がその授業の日時にオンラインで対面し、講師と生徒の間で様々なやり取りを可能とするアクセス先に関する情報を含む授業アクセスデータ(例えばミーティング用のURL等に関する情報を含むデータ)を記録しておくことが好ましい。すなわち、生徒及び講師は、その授業の日時になったとき、その授業アクセスデータを用いて授業に参加することが可能となる。なお、この授業アクセスデータは、授業ごとに設定することが好ましいが、単一の授業アクセスデータを設定しておき、講師と生徒がそのアクセス先にコンタクトしたことが確認できた後、例えば管理者が管理者用コンピュータを操作することで、担当する講師と生徒とを個別にマッチングさせて授業を開始させるようにしてもよい。
【0052】
なお、上記の記載から明らかであるが、管理者用コンピュータには生徒データが記録されており、生徒の要求に応じて、見やすい所定のフォーマットで生徒用コンピュータに生徒データを表示させること、より具体的には生徒ページを表示させることが好ましい。これにより、生徒自身の情報を変更することもでき、また、授業の予約等の処理が可能となる。図6に、生徒用コンピュータの表示装置に表示される生徒ページのイメージ図について示しておく。
【0053】
また上記の生徒ページと同様に、各講師に対しても、講師データが記録されているため、講師の要求に応じて、見やすい所定のフォーマットで講師用コンピュータに講師データを表示させること、より具体的には講師ページを表示させることが好ましく、また、場合によっては、授業を受ける生徒の必要な生徒データを見ることができるようにすることが好ましい。これにより、講師自身の情報を変更することができ、また、授業を受ける生徒に対してより適切なアドバイスを行うことができるようになるといった効果が期待される。
【0054】
また、本方法では、(S7)複数の生徒データ間の友達関係に関する情報を含む友達データを記録するステップも有することが好ましい。
【0055】
本方法により実現される学習支援システムを用いた授業では、生徒は講師から知識の教授を受けるため、原則として講師とのコミュニケーションを行うことで十分である。しかしながら、生徒としては他の生徒と競いあうことによってより高い学習効果が得られる場合もある。そのため、複数の生徒同士の間で友達関係を築くことが重要である。そのため、生徒間の友達関係に関する情報を含むデータを「友達データ」として記録しておくことで、より高い学習効果を得ることができると考えられる。
【0056】
ところで、本方法では、上記に加えて、生徒が作成した作品等の情報を含むデータである「作品データ」を記録しておくことも好ましい。作品データを記録しておくと、生徒自身がどのような作品を作ったのかを視覚的かつ分かりやすく確認することが可能となるといった利点がある。なおこの作品データについては、生徒用コンピュータに保存させてもよいが、講師に送信した場合は講師用コンピュータ、管理者用コンピュータに記録させてもよい。
【0057】
以上、本発明によって、学習進捗管理を可能とし、さらに1対1授業に対応してより効果的なオンライン学習を支援するためのオンライン学習支援プログラム及びオンライン学習支援方法を提供することが可能となる。
【0058】
(プログラム教育支援用プログラム)
ところで、本発明では、コンテンツとしては様々なものを対象とすることができるが、典型的な例としては、プログラム教室が考えられる。このプログラム教室におけるコンテンツプログラムについても特徴的で効率的な学習支援が可能であるため、ここで一例としてプログラム教育支援用プログラム(以下「本教育プログラム」という。)について説明する。
【0059】
本教育プログラムは、管理者用コンピュータに記録されており、レベルに応じて複数記録されており、生徒はその学習進捗に応じて適切なレベルの本教育プログラムをダウンロードして実行し、学習を行う。
【0060】
具体的に、本教育プログラムは、コンピュータに、(K1)生徒の画面上に課題を表示させるステップ、(K2)生徒の画面上に課題に対応した未完コードを表示させるステップ、(K3)生徒からの未完コードの修正を受け付けるステップ、(K4)修正された未完コードを実行するステップ、を備えることが好ましい。
【0061】
また、本教育プログラムでは、未完コードの実行による課題の成否を判定するステップ、を備えることが好ましい。
【0062】
また、本教育プログラムでは、課題を複数備え、課題毎に課題の成否を判定するステップを実行することが好ましい。
【0063】
また、本教育プログラムでは、複数の生徒情報と、生徒情報に対応した課題進捗情報を記録することが好ましい。
【0064】
以下、本教育プログラムについて説明する。図7は、本教育プログラムにより実行されるステップの概略を示す図である。
【0065】
本図で示すように、本教育プログラムは、コンピュータに、(K1)生徒の画面上に課題を表示させるステップ、(K2)生徒の画面上に課題に対応した未完コードを表示させるステップ、(K3)生徒からの未完コードの修正を受け付けるステップ、(K4)修正された未完コードを実行するステップ、(K5)未完コードの実行による課題の成否を判定するステップ、を備える。
【0066】
また、本教育プログラムを実行するために用いられるコンピュータの物理的な構成については上記の学習支援プログラムと同様である。
【0067】
また本教育プログラムは、情報処理装置すなわちコンピュータによって実行されるものであり、具体的にはコンピュータのハードディスク等の記録媒体に格納され、必要に応じてメモリ等の揮発性記録媒体に読み込まれ、実行されることになる。すなわち、本教育プログラムは、コンピュータにおいて実行されることにより、上記図で示す(K1)生徒の画面上に課題を表示させるステップ、(K2)生徒の画面上に課題に対応した未完コードを表示させるステップ、(K3)生徒からの未完コードの修正を受け付けるステップ、(K4)修正された未完コードを実行するステップ、(K5)未完コードの実行による課題の成否を判定するステップ、を有するプログラム教育支援方法(以下単に「本教育方法」という。)を実現することができる。
【0068】
次に、本教育プログラムによって実行される本方法の各ステップについて詳細に説明していく。本教育方法は、限定されるわけではないが、上記の通り、オンラインによるプログラム教室において有効に活用することができる。具体的には、教師のコンピュータを、インターネット通信を介して複数の生徒のコンピュータと接続し、本教育プログラムを実行させることでプログラム教室の運営が可能となる。なお授業の際は、講師用コンピュータと生徒用コンピュータを接続させておくことが好ましいが、自習時においては、講師用コンピュータを生徒用コンピュータと接続しなくてもよい。
【0069】
図8に、まず、本教育プログラムの実行が開始されたときに表示される画面の一例である。この画面は、上記の通り、いわゆるプログラミングスクールで指導の対象となるユーザーである生徒が見ることができる画面であり、生徒はこの画面に基づき学習することが可能となる。なおここで生徒は、小中学生を主たる対象とするが、プログラミングを学ぶ者であればこれに限られず、小中学生未満の者であっても、高校生以上、成人であっても指導の対象となる限りにおいて含まれる。
【0070】
まず、本教育プログラムでは、コンピュータに(K1)生徒の画面上に課題を表示させるステップを実行させる。より具体的には、生徒が操作する生徒用コンピュータにおける表示装置に表示される画面上に課題が表示される。
【0071】
本ステップにおいて「課題」とは、生徒に対して与える課題であり、より具体的にはこの課題とともにコンピュータの表示装置に表示される後述の未完コードに存在し、生徒に解決させたい課題をいう。
【0072】
また課題は、課題データに基づき、コンピュータが所定の処理を行うことで生徒の表示装置に画面として表示されるものである。この課題データは、あらかじめ生徒用コンピュータの記録媒体に記録させてもよいが、管理者用コンピュータに記録させておき、生徒用コンピュータの要求に応じて課題データを送付するようにしても良い。
【0073】
さらに具体的に課題データに含まれる情報としては、例えば、「表示するサボテンを飛び越えてゴールする」「表示されるケーキの色を変える」等の具体的な指示をいう。
【0074】
また、本教育プログラムでは、コンピュータに(K2)生徒の画面上に課題に対応した未完コードを表示させるステップを実行させる。
【0075】
この「未完コード」とは、上記の通り、課題に対応したコードをいう。「コード」とは、所定のプログラム言語を用いて記述されたものであって、プログラムコードとも呼ばれる。ここで、「未完」としているのは、解決されるべき上記課題を含んでいるため、いまだ完成していないという意味において未完の文字を付しているものであるが、これを修正したコードと区別するために用いる形容詞であり、この意味以外に特別な技術的意味は含まない。
【0076】
また未完コードは、未完コードデータに基づき、コンピュータが所定の処理を行うことで生徒の表示装置における画面に表示されるものである。この未完コードデータは、あらかじめ生徒用コンピュータの記録媒体に記録させてもよいが、管理者用コンピュータに記録させておき、生徒用コンピュータの要求に応じて未完コードデータを送付するようにしても良い。
【0077】
また、本ステップにおいては、(K2-1)表示された未完コードの一部を隠すステップ、を備えていることが好ましい。
【0078】
プログラム教育には、プログラムが実際に実行され動作することが重要である。一方で、プログラムを実行させるためにはプログラムの実行のために必要なすべての命令を記載する必要がある。しかしながら、未完コード全てを表示させてしまう場合、教育においてポイントとする事項をクローズアップすることが困難となり、解決すべき課題、すなわち教育のポイントがわかりにくくなってしまう。そこで、本ステップにおいて、プログラミング教育には必要でない、あまり重要ではない部分を隠すステップが存在することで、教育のポイントを明確にさせることができる。また、この場合において、隠すためのシールを画面に表示させておくことが好ましいが、このシールは生徒の操作により移動させることができるようになっているのが好ましい。このようにすることで、より知識を深めたい生徒にとっては簡単に残りのコード部分を確認することができる。
【0079】
上記のようにコードの一部を隠すためには、上記の未完コードを、検討中心コード部分と、正常コード部分に分け、検討中心コード部分を隠さず表示させ、正常コード部分を隠すようにしておくことが好ましい。検討中心コード部分と正常コード部分はコード全体としては一体化されているもののあらかじめ管理者用コンピュータの記録媒体に記録されており、生徒用コンピュータの画面に表示された後、上記のようにシールによって隠しておくことが好ましい。このようにすることで生徒は検討中心コード部分のみを検討するだけで課題を解決することが可能となり、コード全体の実行に必要であるが検討する必要のないコード部分を隠すこととなり、生徒が検討すべき点が明確になり、学習効率を向上させることができる。なお、正常コード部分を完全に消すのではなく、生徒の意思によってシールを移動させてみることができるようにすることは、生徒の知識や技術向上に応じて確認できるようにすることであり、非常に重要なことである。
【0080】
また、本教育プログラムでは、コンピュータに(K3)生徒からの未完コードの修正を受け付けるステップを実行させる。
【0081】
上記ステップ(K1)、(K2)が生徒用コンピュータにおける表示装置の画面に表示されると、生徒は、課題に基づき、その未完コードに内在する課題をクリアしようと未完コードを修正することになる。本ステップは、この修正を受け付けるステップである。この修正された未完コードは、修正された未完コードデータ(以下「修正コード」ともいう。)となり、別途生徒用コンピュータにおける記録媒体、又は、電気通信回線を通じて接続される管理者用コンピュータの記録媒体に記録される。
【0082】
また、本教育プログラムでは、コンピュータに(K4)修正された未完コードを実行するステップを実行させる。すなわち修正コードを実行する。
【0083】
本ステップでは、上記(K3)で修正された未完コードを実行することで、上記(K1)で示された課題がクリアされているかを確認することができる。課題がクリアされていればこの課題は終了であり、課題がクリアできていなければ改めて上記(K3)に戻り、未完コードを再び修正し、課題のクリアに取り組むことになる。
【0084】
また、本教育プログラムでは、コンピュータに(K5)未完コードの実行による課題の成否を判定するステップ、を備える。この成否は生徒本人が判定することもあるが、コンピュータによって自動的に成否を判定するようにしてもよい。例えば課された課題が「表示するサボテンを飛び越えてゴールする」の場合は、ゴールできたか否かが課題を解決できたか否かの判定基準となるためコンピュータによる処理により自動的に成否を判定することができる。
【0085】
なお、上記ステップでは、明確に課題がクリアされているか否かを所定の基準によって判断できる課題の場合は、本ステップを設けておくことでその課題のクリアを明確に判断可能であるが、独自に判断が可能である課題もある。そのため、本ステップ(K5)を設けずに、自身で課題を解決したとするボタンを表示させて、生徒がこのボタンを押して課題を解決したことを宣誓することで課題解決であると処理することも可能である。
【0086】
ところで、上記(K1)から(K5)のステップは、複数繰り返しさせることが好ましい。コンピュータプログラム教育においては、最初の方は簡単な課題を表示させて解決させていく一方、徐々に理解が深まるため難しい課題を表示させて解決させていくことでプログラムに対する知識及び技量が向上することになる。すなわち、異なる課題を複数解決させていくことが重要である。
【0087】
また、この場合において、上記の繰り返しは、単純に、徐々に難しくなる異なる課題を提示することとしてもよいが、所定の数の課題を1セットとし、この課題のセットごとに生徒に提供することとしてもよい。これにより、延々と連続的に続く課題とするのではなく、課題のセットごとにテーマを変えることが可能となる。特に、この課題のセットの中に、上記(K1)から(K5)のステップの組を複数含ませるとともに、導入データと解説データ等を含ませることができる。ここで「導入データ」とは、これから生徒に解決してもらいたい課題等を生徒に示すために用いる導入説明のための情報を含むデータであり、例えば画像データであってもよく、また動画データであってもよい。生徒はこれを確認することでこのセットの中でどのような課題を解決するのかといった全体像を把握することが可能となる。また「解説データ」は、生徒がこのセットの中の複数の課題をすべて解決した後で、ここで行った課題解決による技術及び知識の向上の具体的な狙いについて解説する情報を含むデータであり、上記導入データと同様、例えば画像データであっても、動画データであってもよい。この場合において、生徒の画面に表示される画面のイメージを図9に示しておく。すなわち、この場合、コンピュータには、上記(K1)から(K5)、少なくとも(K1)から(K4)のステップを実行するプログラムを複数有する組と、導入データ及び解説データの少なくともいずれかを含むことが好ましい。
【0088】
またこの場合、生徒の課題解決の進捗を確認するため、生徒がどのくらい課題を解決しているのかをカウントするステップ、すなわち(K6)生徒が解決した課題の数データ(以下「解決課題数データ」ともいう。)を記録するステップ、を備えておくことが好ましい。これにより生徒の進捗を確認することができるとともに、進捗に応じた教育を提供することができるようになる。この生徒管理に関し管理者用コンピュータの画面に表示されるイメージ図を図10に示しておく。なおこの場合、管理者用コンピュータは、生徒データと、この生徒データに対応した解決課題数データの組を有していることが好ましい。
【0089】
さらにこの場合において、生徒が解決した数データに基づき、(K6-1)投稿データを受け付けるステップを設けてもよい。生徒がある程度の数だけ課題を解決した場合、作品を制作する実力が付いたと判断することが可能であり、解決した課題の数に応じて生徒に投稿データを投稿させる手順を設けておくことが好ましい。この場合のイメージを図11に示しておく。
【0090】
この投稿データは、写真データであってもよく、また画像データや動画データであってもよいが、コードデータであってもよい。上記の通り、生徒が課題に取り組み修正した修正コードが非常に優れたものであると生徒自身が考えた場合、投稿データとして投稿することで他の生徒に見せることが可能となる。これにより他者に見てもらうことによるインセンティブ向上に寄与する。
【0091】
以上、本実施形態によって、オンラインであっても少人数で十分対応可能なプログラム教育支援用プログラム及びプログラム教育支援方法を提供することができる。本教育プログラムによると、単に作成するプログラムを指示して一からプログラムを作成させるプログラム教育ではなく、解決すべき課題を具体的に示すとともにその解決すべき課題を内在させた未完成のコードを表示させることで、生徒が具体的にどこを修正すべきか検討する部分を明確にすることができる。さらに、この場合において、検討すべきところ(検討中心)と、検討しなくてもよいところ(正常部分)に切り分け、検討しなくてもよいところをシール等によって隠すことでより検討すべき部分に集中させることが可能となる。
【0092】
以上、本発明によって、学習進捗管理を可能とし、さらに1対1授業に対応してより効果的なオンライン学習を支援するためのオンライン学習支援プログラム及びオンライン学習支援方法を提供することが可能となるとともに、上記のように少人数で十分対応可能なプログラム教育支援が可能となる。



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11