(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080468
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】ブックエンドの設置方法及びブックエンド
(51)【国際特許分類】
A47B 65/00 20060101AFI20240606BHJP
【FI】
A47B65/00 603Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193686
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】522471043
【氏名又は名称】田中 博
(74)【代理人】
【識別番号】100136180
【弁理士】
【氏名又は名称】羽立 章二
(72)【発明者】
【氏名】田中 博
(57)【要約】
【課題】 棚の端などであっても使用することに適したブックエンドの設置方法等を提案する。
【解決手段】 ブックエンド1は、床部と、床部から垂直に起立する起立部7を備える。ブックエンド1は、床部において、第1手曲げ構造9と、第2手曲げ構造11を備える。手曲げ構造は、設置するときに、手で曲げることができる構造である。ブックエンド1を設置するときには、床部を一つ又は複数の箇所で曲げて設置する。曲げる方向は、表面側であっても、裏面側であってもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床部と、前記床部から垂直に起立する起立部を備えるブックエンドの設置方法であって、
前記床部が、一つ又は複数の箇所で曲げられる底部曲げステップと、
前記床部が曲げられた状態で前記ブックエンドを設置する設置ステップを含むブックエンドの設置方法。
【請求項2】
前記底部曲げステップにおいて、前記床部は、前記起立部が起立する側とは反対側に曲げられ、
前記設置ステップにおいて、前記床部の一方の端は前記起立部が置かれる棚の上面に存在し、他方の端は前記棚の下面に存在する、請求項1記載のブックエンドの設置方法。
【請求項3】
前記底部曲げステップにおいて、前記床部は、平面状から前記起立部が起立する側に曲げられる、請求項1記載のブックエンドの設置方法。
【請求項4】
前記床部は、一つ又は複数の箇所に手曲げ構造を備える、請求項1記載のブックエンドの設置方法。
【請求項5】
当該ブックエンドは、第1部材と、前記第1部材とは異なる部材である第2部材を備え、
前記第1部材は、前記床部の一部である第1床部と、部材固定部を備え、
前記第2部材は、前記床部の残部である第2床部と、前記第2床部から起立する前記起立部を備え、
前記底部曲げステップにおいて、前記第1床部は、一つ又は複数の箇所で曲げられ、前記第2床部は曲げられず、
前記設置ステップにおいて、前記部材固定部と、前記第2床部及び/又は前記起立部とは、留め具によって固定される、請求項1記載のブックエンドの設置方法。
【請求項6】
前記設置ステップにおいて、前記第1床部の少なくとも一部は、前記起立部が置かれる棚の下面に固定される、請求項5記載のブックエンドの設置方法。
【請求項7】
床部と、前記床部から垂直に起立する起立部を備えるブックエンドであって、
前記床部が一つ又は複数の箇所で曲げられる、ブックエンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ブックエンドの設置方法及びブックエンドに関し、特に、床部と、前記床部から垂直に起立する起立部を備えるブックエンドの設置方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
ブックエンドは、立てて並べた書物の両側又は片側にあてがって、書物が倒れるのを防ぐ道具である(特許文献1参照)。ブックエンドの多くは、L字型、逆T字型に加工されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、L字型のブックエンドは、上部にのみ力が加わったときなどに、十分な強度を発揮しない場合がある。
【0005】
また、逆T字型のブックエンドでは、床部を置くために広いスペースが必要となる。そのため、棚の端などで使用することが難しい。
【0006】
そこで、本願発明は、棚の端などであっても使用することに適したブックエンドの設置方法等を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の第1の側面は、床部と、前記床部から垂直に起立する起立部を備えるブックエンドの設置方法であって、前記床部が、一つ又は複数の箇所で曲げられる底部曲げステップと、前記床部が曲げられた状態で前記ブックエンドを設置する設置ステップを含む。
【0008】
本願発明の第2の側面は、第1の側面のブックエンドの設置方法であって、前記底部曲げステップにおいて、前記床部は、前記起立部が起立する側とは反対側に曲げられ、前記設置ステップにおいて、前記床部の一方の端は前記起立部が置かれる棚の上面に存在し、他方の端は前記棚の下面に存在する。
【0009】
本願発明の第3の側面は、第1の側面のブックエンドの設置方法であって、前記底部曲げステップにおいて、前記床部は、平面状から前記起立部が起立する側に曲げられる。
【0010】
本願発明の第4の側面は、第1から第3のいずれかの側面のブックエンドの設置方法であって、前記床部は、一つ又は複数の箇所に手曲げ構造を備える。
【0011】
本願発明の第5の側面は、第1から第4のいずれかの側面のブックエンドの設置方法であって、当該ブックエンドは、第1部材と、前記第1部材とは異なる部材である第2部材を備え、前記第1部材は、前記床部の一部である第1床部と、部材固定部を備え、前記第2部材は、前記床部の残部である第2床部と、前記第2床部から起立する前記起立部を備え、前記底部曲げステップにおいて、前記第1床部は、一つ又は複数の箇所で曲げられ、前記第2床部は曲げられず、前記設置ステップにおいて、前記部材固定部と、前記第2床部及び/又は前記起立部とは、留め具によって固定される。
【0012】
本願発明の第6の側面は、第5の側面のブックエンドの設置方法であって、前記設置ステップにおいて、前記第1床部の少なくとも一部は、前記起立部が置かれる棚の下面に固定される。
【0013】
本願発明の第7の側面は、床部と、前記床部から垂直に起立する起立部を備えるブックエンドであって、前記床部が一つ又は複数の箇所で曲げられる。
【発明の効果】
【0014】
本願発明の各側面によれば、床部を曲げることにより、スペースが小さい場所でも、ブックエンドを適切に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本願発明の実施の形態に係るブックエンドの構成の一例を示す図である。
【
図2】第1手曲げ構造9を表面側に曲げた状態を示す図である。
【
図3】第2手曲げ構造11を表面側に曲げた状態を示す図である。
【
図4】第2手曲げ構造11を裏面側に曲げた状態を示す図である。
【
図5】第1手曲げ構造9及び第2手曲げ構造11を裏面側に曲げた状態を示す第1図である。
【
図6】第1手曲げ構造9及び第2手曲げ構造11を裏面側に曲げた状態を示す第2図である。
【
図7】ネジ18で第1床辺部13及び固定床部3を棚16に固定する状態を示す図である。
【
図8】第1床辺部13が押圧機構20を備える例を示す図である。
【
図9】本願発明の実施の形態に係るブックエンドの構成の他の一例を示す図である。
【
図10】ブックエンド21の設置ステップについて説明するための図である。
【
図11】本願発明の実施の形態に係るブックエンドの構成のさらに他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、図面を参照して、本願発明の実施例について説明する。なお、本願発明は、この実施例に限定されるものではない。
【実施例0017】
図1は、本願発明の実施の形態に係るブックエンドの構成の一例を示す図である。
【0018】
ブックエンド1は、床部と、床部から垂直に起立する起立部7を備える。床部において、起立部7が起立する側の面(
図1では上側の面)を表面といい、反対側の面(
図1では下側の面)を裏面という。起立部7は、平面状である。例えば、金属製の薄い板を型抜きし、起立部7の部分を立ち上げて作成することができる。
図1の例では、起立部7は、床部の一つの辺から、これに向かい合う辺に至るまでの部分で起立している。以下では、ブックエンド1を棚に設置して使用する場合について説明する。
【0019】
床部は、起立部7が起立する位置を基準にして、起立部7の一方の面の側に固定床部3があり、他方の面の側に可折床部5がある。
【0020】
可折床部5は、一つ又は複数の箇所に手曲げ構造を備える。手曲げ構造は、手で曲げることができる構造である。例えば、スリットや穴が連続して形成されたもの、折り曲げ線に沿って溝が形成されたもの、折り曲げ線の両端が最も狭くなるように加工されたもの、などである。
図1では、可折床部5は、第1手曲げ構造9と、第2手曲げ構造11を備える。可折床部5において、端から第1手曲げ構造9までの間を第1床辺部13、第1手曲げ構造9と第2手曲げ構造11との間を第2床辺部15、第2手曲げ構造11と起立部7が起立する位置との間を第3床辺部17という。
【0021】
固定床部3は、手曲げ構造を備えない。固定床部3は、手曲げせずに、平面状のままで棚に設置される。
【0022】
ブックエンド1は、例えば棚の中央などで使用する場合には、起立部7の両側に十分なスペースがある。そのため、手曲げ構造で手曲げせずに、床部全体を平面状にして使用することができる。
【0023】
他方、ブックエンド1を棚の端の近くで利用する場合には、棚の端と起立部7との間に十分なスペースがないことがある。特に棚の端に側壁がある場合、可折床部5が邪魔をして、起立部7を側壁に十分近づけることができない場合がある。
【0024】
そこで、
図2にあるように、第1手曲げ構造9を表面側に(すなわち、起立部7が起立する側に)曲げて、第1床辺部13を上に起立させる。そうすると、起立部7を側壁に近づかせて設置することができる。
【0025】
また、
図3にあるように、第1手曲げ構造9は曲げず、第2手曲げ構造11を表面側に曲げて、第1床辺部13及び第2床辺部15を上に起立させる。そうすると、起立部7を側壁にさらに近づかせて設置することができる。
【0026】
また、棚の端に側壁がない場合がある。このような場合には、ブックエンドを棚の端で使用すると、床部が棚からはみ出して不安定になり、書物の出し入れにともなってブックエンドが移動したり、落ちたりしてしまう。そのため、一般に、床部を棚の上面に固定することが行われているが、ブックエンドを設置する必要がなくなったときには、その固定した跡が棚の上面に残されることとなる。
【0027】
図4にあるように、第2手曲げ構造11を裏面側に(すなわち、起立部7が起立する側とは反対側に)曲げて、第1床辺部13及び第2床辺部15を下に向けることにより、第1床辺部13及び第2床辺部15を用いて棚の側面を利用して固定することができる。同様に、第2手曲げ構造11は曲げず、第1手曲げ構造9を下に曲げて、第1床辺部13を下に向けることにより、第1床辺部13を用いて棚の側面を利用して固定することができる。
【0028】
また、
図5及び
図6にあるように、第1手曲げ構造9及び第2手曲げ構造11を裏面側に曲げることにより、第1床辺部13、第2床辺部15及び第3床辺部17が「コ」の形状となる。
図6(b)にあるように、固定床部3及び第3床辺部17を棚16の上面に設置し、第2床辺部15を棚16の側面に位置させ、第1床辺部13を棚16の下面に位置させることにより、棚16の端を包むように設置することができる。これにより、床部が棚をはみ出さず、安定して設置することができる。
【0029】
さらに、第2床辺部15を棚16の側面に固定したり、第1床辺部13を棚16の下面に固定したりすることができる。また、必要であれば、固定床部3及び第3床辺部17を棚16の上面に固定してもよい。
図7は、
図5及び
図6の状態で固定する一例を示す。この例では、ネジ18で第1床辺部13を棚16の下面に固定している。接着剤や粘着剤などを利用して固定してもよい。
図8は、第1床辺部13が押圧機構20を備え、押圧機構20が棚16の下面を押圧する例を示す。
【0030】
なお、
図1~
図8の例では、可折床部5が、一つ又は複数の箇所に手曲げ構造を備えるものの例であったが、これに代えて/加えて、プレス加工などによって一つ又は複数の箇所で予め曲げたものとしてもよい。
【0031】
図9は、本願発明の実施の形態に係るブックエンドの構成の他の一例を示す図である。
【0032】
ブックエンド21は、第1部材と、第1部材とは異なる部材である第2部材から構成される。
【0033】
第1部材は、可折床部27と、部材固定部39を備える。第2部材は、固定床部23と、固定床部23から起立する起立部25を備える。可折床部27と固定床部23が、床部を構成する。
【0034】
起立部25と部材固定部39とは、対応する位置に穴が設けられており、留め具41及び43(例えばネジなど)によって固定することができる。なお、留め具41及び43は、第1部材と第2部材を固定すればよく、留め具41及び43は、部材固定部39と固定床部23を固定するものであってもよい。
【0035】
可折床部27は、一つ又は複数の箇所に手曲げ構造を備える。
図9では、可折床部27は、第1手曲げ構造29と、第2手曲げ構造31を備える。可折床部27において、端から第1手曲げ構造29までの間を第1床辺部33、第1手曲げ構造29と第2手曲げ構造31との間を第2床辺部35、第2手曲げ構造31と部材固定部39との間を第3床辺部37という。
【0036】
固定床部23は、手曲げ構造を備えない。固定床部23は、手曲げせずに、平面状のままで棚45に設置される。
【0037】
図10は、ブックエンド21の設置ステップについて説明するための図である。第1手曲げ構造29及び第2手曲げ構造31を裏面側に曲げることにより、第1床辺部33、第2床辺部35及び第3床辺部37が「コ」の形状となる。
図10(a)にあるように、第3床辺部37を棚45の上面に設置し、第2床辺部35を棚45の側面に位置させ、第1床辺部33を棚45の下面に位置させることにより、棚45の端を包むように設置することができる。そして、起立部25と部材固定部39とを、留め具41及び43によって固定する。なお、第1床辺部33、第2床辺部35及び第3床辺部37は、必要に応じて棚45に固定してもよい。
【0038】
なお、
図9及び
図10の例で、可折床部27は、一つ又は複数の箇所に手曲げ構造を備えることに代えて/加えて、プレス加工などによって一つ又は複数の箇所で予め曲げたものとしてもよい。
【0039】
図11は、本願発明の実施の形態に係るブックエンドの構成のさらに他の一例を示す図である。
【0040】
ブックエンド51は、第1部材と、第1部材とは異なる部材である第2部材から構成される。
【0041】
第1部材は、可折床部を備える。第2部材は、固定床部59と、固定床部59から起立する起立部61を備える。
【0042】
起立部61と可折床部とは、対応する位置に穴が設けられており、留め具63によって固定することができる。
【0043】
可折床部は、一つ又は複数の箇所に手曲げ構造を備える。
図11では、可折床部は、手曲げ構造53を備える。可折床部において、手曲げ構造53を基準として留め具63によって留められる側を第2床辺部57といい、反対側を第1床辺部55という。
【0044】
固定床部59は、手曲げ構造を備えない。固定床部59は、手曲げせずに、平面状のままで棚65に設置される。
【0045】
手曲げ構造53を裏面側に曲げることにより、第1床辺部55及び第2床辺部57が「L」の形状となる。第2床辺部57を棚65の側面に位置させ、第1床辺部55を棚65の下面に位置させる。そして、起立部61と第2床辺部57とを、留め具63によって固定する。これにより、棚65の端を包むように設置することができる。なお、第1床辺部55、第2床辺部57及び固定床部59は、必要に応じて棚65に固定してもよい。
【0046】
なお、
図11の例で、可折床部は、一つ又は複数の箇所に手曲げ構造を備えることに代えて/加えて、プレス加工などによって一つ又は複数の箇所で予め曲げたものとしてもよい。