(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008048
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】蒸気回収装置および加熱装置ユニット
(51)【国際特許分類】
F24C 15/20 20060101AFI20240112BHJP
F24C 1/00 20060101ALI20240112BHJP
B01F 23/10 20220101ALI20240112BHJP
【FI】
F24C15/20 C
F24C1/00 310C
B01F23/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109555
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000237374
【氏名又は名称】富士工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 裕樹
【テーマコード(参考)】
4G035
【Fターム(参考)】
4G035AB02
4G035AE13
(57)【要約】
【課題】簡単な機構で、外部の空気および排出された蒸気を好適に混合させて凝縮を促進させることができ、これにより蒸気凝縮部の領域を小さくして筐体胴部内の設計自由度を上げることができる蒸気回収装置を提供する。
【解決手段】
蒸気回収装置1の吸気部80は、筐体本体10に形成される吸気口31と、吸気口の下流で筐体胴部20に形成される本体開口部21Aと、本体開口部の上流に吸気口から取り込まれた外部の空気が流入するフード部30と、本体開口部に流入する外部の空気および蒸気の混合を促進する混合部110と、を有し、混合部は、外部の空気および蒸気の混合気体の流れを少なくとも2方向に整流する整流板111と、整流板によって整流された気流が互いに衝突する方向に流れる気流衝突領域112と、を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体本体を備えるとともに、加熱装置から生じる蒸気や油煙を回収する蒸気回収装置であって、
前記筐体本体は、
前記筐体本体の周囲の外部の空気を吸気する吸気部と、
前記吸気部において吸気された前記外部の空気を排気する排気部と、
前記吸気部から前記排気部へ向かう前記外部の空気が通過する本体風路と、
前記筐体本体の一部を構成して送風機を収容する筐体胴部と、を有し、
前記吸気部は、
前記筐体本体に形成される吸気口と、
前記吸気口の下流で前記筐体胴部に形成される本体開口部と、
前記本体開口部の上流に前記吸気口から取り込まれた前記外部の空気が流入するフード部と、
前記本体開口部に流入する前記外部の空気および前記蒸気の混合を促進する混合部と、を有し、
前記混合部は、
前記外部の空気および前記蒸気の混合気体の流れを少なくとも2方向に整流する整流板と、
前記整流板によって整流された気流が互いに衝突する方向に流れる気流衝突領域と、を有する、蒸気回収装置。
【請求項2】
前記吸気口は、
第一吸気口と、
前記第一吸気口とは異なる方向から前記外部の空気を流入させる第二吸気口と、を有する請求項1に記載の蒸気回収装置。
【請求項3】
前記加熱装置の内部で発生した前記蒸気の一部を前記加熱装置の外に排出するために、前記加熱装置に設けられる蒸気排出口と接続される接続部と、
前記本体風路と区画され、入口端である前記接続部から取り込まれた前記蒸気が出口端に向かう通路を形成する蒸気通路部と、をさらに有し、
前記蒸気通路部の前記出口端を前記気流衝突領域の上流、かつ前記吸気口の下流に接続したことを特徴とする、請求項1または2に記載の蒸気回収装置。
【請求項4】
前記筐体本体は、
前記本体風路と区画され前記筐体本体の取込口から取り込まれた前記筐体本体の周囲の空気が流通する流通部と、
前記流通部と連通し、前記吸気部において前記本体開口部よりも前記吸気口に近い位置に設けられる二次吸気口と、をさらに有する、請求項1または2に記載の蒸気回収装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の蒸気回収装置と、
前記加熱装置と、を有する加熱装置ユニット。
【請求項6】
前記加熱装置は、加熱庫の開口部に開閉自在なドアを有する、請求項5に記載の加熱装置ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気回収装置および加熱装置ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
水蒸気を使用して食材を調理するスチームコンベクションオーブン(以下、加熱装置と称する)が知られている。加熱装置は、食材を水蒸気と熱風で加熱して調理するものである。加熱装置には、調理によって発生した水蒸気や熱風を排出する蒸気排出口が、装置の天面に設けられている。
【0003】
調理中に加熱装置の蒸気排出口から排出される蒸気、または調理後に加熱装置のドア開放によって排出される蒸気は、厨房空間に排出されるため、加熱装置は換気設備の直下、あるいは近傍に配置されることが望ましい。しかしながら、厨房環境によっては、このような場所に加熱装置を設置できない場合がある。このとき、排出される蒸気によって、施設の天井等において結露を発生させてしまい、厨房環境を悪化させてしまうという問題がある。このため、蒸気を回収することが求められている。
【0004】
これに関連して、例えば下記の特許文献1には、加熱装置の上方に換気装置を接続して、加熱装置から排出される蒸気を回収する蒸気回収装置が開示されている。特許文献1の構成では、排出フード内に複数のバッフルが傾斜または垂直に配置されて蒸気通路部を形成し、蒸気は蒸気通路部で凝縮され、排出空気として出口開口から排出される。
【0005】
特許文献1に開示された蒸気回収装置は、フード入口近傍から排気ファンの直前まで複数のバッフル板をラビリンス構造に多数配置して構成される蒸気凝縮部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の蒸気回収装置であれば、調理装置のドア開放により生じる水蒸気や熱気を捕集し装置内で水蒸気を回収できるが、蒸気凝縮するための部材が多数必要になり部材コストが上昇する。さらに、蒸気凝縮部の領域が多くの面積を占めることで装置内部に配置する送風機や電気部品のサイズ、配置に制限がかかるといった課題もある。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために発明されたものであり、簡単な機構で、外部の空気および排出された蒸気を好適に混合させて凝縮を促進させることができ、これにより蒸気凝縮部の領域を小さくして筐体胴部内の設計自由度を上げることができる蒸気回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0010】
(1)
筐体本体を備えるとともに、加熱装置から生じる蒸気や油煙を回収する蒸気回収装置であって、
前記筐体本体は、
前記筐体本体の周囲の外部の空気を吸気する吸気部と、
前記吸気部において吸気された前記外部の空気を排気する排気部と、
前記吸気部から前記排気部へ向かう前記外部の空気が通過する本体風路と、
前記筐体本体の一部を構成して送風機を収容する筐体胴部と、を有し、
前記吸気部は、
前記筐体本体に形成される吸気口と、
前記吸気口の下流で前記筐体胴部に形成される本体開口部と、
前記本体開口部の上流に前記吸気口から取り込まれた前記外部の空気が流入するフード部と、
前記本体開口部に流入する前記外部の空気および蒸気の混合を促進する混合部と、を有し、
前記混合部は、
前記外部の空気および前記蒸気の混合気体の流れを少なくとも2方向に整流する整流板と、
前記整流板によって整流された気流が互いに衝突する方向に流れる気流衝突領域と、を有する、蒸気回収装置。
【0011】
(2)
前記吸気口は、
第一吸気口と、
前記第一吸気口とは異なる方向から前記外部の空気を流入させる第二吸気口と、を有する(1)に記載の蒸気回収装置。
【0012】
(3)
前記加熱装置の内部で発生した蒸気の一部を前記加熱装置の外に排出するために、前記加熱装置に設けられる蒸気排出口と接続される接続部と、
前記本体風路と区画され、入口端である前記接続部から取り込まれた前記蒸気が出口端に向かう通路を形成する蒸気通路部と、をさらに有し、
前記蒸気通路部の前記出口端を前記気流衝突領域の上流、かつ前記吸気口の下流に接続したことを特徴とする、(1)または(2)に記載の蒸気回収装置。
【0013】
(4)
前記筐体本体は、
前記本体風路と区画され前記筐体本体の取込口から取り込まれた前記筐体本体の周囲の空気が流通する流通部と、
前記流通部と連通し、前記吸気部において前記本体開口部よりも前記吸気口に近い位置に設けられる二次吸気口と、をさらに有する、(1)~(3)のいずれか1つに記載の蒸気回収装置。
【0014】
(5)
(1)~(4)のいずれか1つに記載の蒸気回収装置と、
前記加熱装置と、を有する加熱装置ユニット。
【0015】
(6)
前記加熱装置は、加熱庫の開口部に開閉自在なドアを有する、(5)に記載の加熱装置ユニット。
【発明の効果】
【0016】
上記のように構成された蒸気回収装置によれば、簡便な機構で、混合部において、調理によって排出された蒸気に対して外部の空気を混合して、蒸気の凝縮を促進させることができる。さらに、混合部は、本体開口部近傍に配置されるため、筐体本体の内部スペースを占有しない。以上から、外部の空気および排出された蒸気を好適に混合させて凝縮を促進させることができ、これにより蒸気凝縮部の領域を小さくして筐体胴部内の設計自由度を上げることができる蒸気回収装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る加熱装置ユニットを示す斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る蒸気回収装置を示す斜視図である。
【
図3】本実施形態に係る蒸気回収装置を示す正面図である。
【
図8】本実施形態に係る蒸気回収装置を後方から視たときの斜視図である。
【
図9】本実施形態に係る蒸気回収装置から右側面パネルを取り外したときの
図8に対応する図である。
【
図10】本実施形態に係る加熱装置ユニットを左側面から視たときの斜視図である。
【
図11】本実施形態に係る蒸気回収装置から左側面パネルを取り外したときの
図10に対応する図である。
【
図12】本実施形態に係る蒸気回収装置の蒸気凝縮部の構成を説明するための図である。
【
図13】解析シミュレーション結果を示す図である。
【
図14】変形例1に係る蒸気回収装置を示す側断面図である。
【
図15】変形例2に係る蒸気回収装置を示す正面図である。
【
図16】変形例3に係る蒸気回収装置を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、
図1~
図12を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る加熱装置ユニット5を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係る蒸気回収装置1を示す斜視図である。
図3は、本実施形態に係る蒸気回収装置1を示す正面図である。
図4は、
図3の4-4線に沿う斜視断面図である。
図5は、
図3の5-5線に沿う断面図である。
図6は、
図3の6-6線に沿う斜視断面図である。
図7は、本実施形態に係る蒸気回収装置1を後方から視たときの斜視図である。
図8は、本実施形態に係る蒸気回収装置1から右側面パネル22を取り外したときの
図7に対応する図である。
図9は、本実施形態に係る加熱装置ユニット5を左側面から視たときの斜視図である。
図10は、本実施形態に係る蒸気回収装置1から左側面パネル23を取り外したときの
図9に対応する図である。
図11は、本実施形態に係る蒸気回収装置1の蒸気凝縮部60の構成を説明するための図である。
図12は、本実施形態に係る蒸気回収装置1の蒸気凝縮部60の構成を説明するための図である。
【0020】
以下の説明において、加熱装置90のドア91を正面から視て左右方向をX方向と称し、加熱装置ユニット5の奥行方向をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する(
図1参照)。また、以下の説明において、吸気部80から吸気される空気を「外部の空気A1」と称し、筐体本体10の取込口22Hから流通部29に取り込まれる空気を「周囲の空気A2」と称して、それぞれ区別する。厳密には区別できるものではないが、第一吸気口32から吸気される「外部の空気」は、加熱装置90から距離が離れているため、蒸気の割合が比較的少ない室温空気である。第二吸気口33から吸気される「外部の空気」は、加熱装置90から距離が近いため、蒸気の割合が比較的多い室温空気である。筐体本体10の取込口22Hから流通部29に取り込まれる「周囲の空気」は、加熱装置90のドア91から生じる蒸気が吸気される流路から離れているため、蒸気の割合が最も少ない室温空気である。
【0021】
本実施形態に係る加熱装置ユニット5は、
図1に示すように、加熱装置90と、蒸気回収装置1と、を有する。以下、加熱装置90の構成について説明するが、以下の説明は一例であって、加熱装置90の構成は、以下の構成に限定されるものではない。
【0022】
加熱装置90は、食材を水蒸気と熱風で加熱して調理するものである。加熱装置90は、開閉自在なドア91と、調理によって発生した水蒸気や熱風を排出する蒸気排出口92(
図11、
図12参照)と、を有する。蒸気排出口92は、蒸気回収装置1の接続部62(
図12参照)と接続される。
【0023】
ドア91は、加熱装置ユニット5の正面側の開口部90Hに設けられる。蒸気排出口92は、加熱装置90の天面に設けられている。
【0024】
加熱装置90内での調理中において、加熱装置90内の蒸気S1は、蒸気排出口92および接続部62を介して、後述する蒸気凝縮部60(
図11、
図12参照)に流入する。また加熱装置90の調理後において、ドア91を開放することによって排出される加熱装置90内の蒸気S2(
図4参照)は、開口部90HからZ方向のプラス側に移動して、後述するフード部30に流入する。
【0025】
蒸気回収装置1は、
図1~
図12に示すように、筐体本体10と、筐体本体10の内部に配置される送風機40と、送風機40の上流に配置される捕集フィルタ50と、捕集フィルタ50を高速回転させるモーターMと、を有する。以下、各構成について説明する。
【0026】
<筐体本体10>
筐体本体10は、
図1~
図12に示すように、送風機40を収容する筐体胴部20と、筐体胴部20のY方向の手前側に隣り合うように配置されるフード部30と、を有し、筐体胴部20の内部には、蒸気凝縮部60および捕集フィルタ50が設けられる。
【0027】
<筐体胴部20>
筐体胴部20は、
図1~
図11に示すように、正面側に設けられる正面パネル21と、正面側から視て右側に設けられる右側面パネル22と、正面側から視て左側に設けられる左側面パネル23と、背面側に設けられる背面パネル24と、天面に設けられる天面パネル25と、下面に設けられる下面パネル26と、下面パネル26の上方に設けられる傾斜パネル27と、筐体胴部20の内部に設けられ、外部の空気が吸気部80から排気部25Hへ向かう本体風路28と、を有する。
【0028】
正面パネル21には、
図4、
図5に示すように、筐体本体10の周囲の外部の空気A1を吸気する吸気部80を構成する本体開口部21Aが形成されている。
【0029】
また、正面パネル21は、
図5に示すように、X方向のプラス側から視たときに、Y方向のプラス側に延在する一対の縦壁部21Bを有する。下側の縦壁部21Bには、
図5に示すように、貫通孔21H(
図5では5つ)が形成されており、貫通孔21Hを介して、本体風路28、および後述する蒸気凝縮部60の蒸気通路部61が連通されている。貫通孔21Hは、蒸気通路部61の出口端61Eに相当する。
【0030】
正面パネル21の近傍には、
図5に示すように、吸気部80から吸気される外部の空気A1、筐体本体10の取込口22Hから流通部29に取り込まれる周囲の空気A2、および加熱装置90から排出される蒸気Sの混合を促進する混合部110が設けられる。混合部110において、蒸気Sは外部の空気A1および周囲の空気A2と混合されることによって温度が低下して、蒸気S2が凝縮される。
【0031】
ここで蒸気Sには、調理中に発生して、蒸気排出口92、蒸気凝縮部60、貫通孔21Hを介して、混合部110近傍まで流れる蒸気S1(
図11、
図12参照)と、調理後にドア91を開放した際に、フード部30の吸気部80を介して、混合部110近傍まで流れる蒸気S2(
図4、
図5参照)が存在する。
【0032】
混合部110は、
図5に示すように、外部の空気A1および蒸気Sの混合気体の流れをZ方向のプラス側およびマイナス側2方向に整流する整流板111と、整流板111によって整流された混合気体が互いに衝突する方向に流れる気流衝突領域112と、を有する。気流衝突領域112は、
図5に示すように、整流板111に対してY方向の奥側に配置される一対の板部材113によって構成される。ここで気流衝突領域112をより具体的に説明する。混合部110における構成部材は、空気の流れの上流から整流板111、Y方向のプラス側に延在する一対の縦壁部21B、縦壁部21BのY方向の端部からZ方向のプラス側またはマイナス側に延在する板部材113の順に配置されており、Z方向のプラス側に延在する板部材113とZ方向のマイナス側に延在する板部材113との間には混合気体が筐体胴部20の内に流入するための空間が形成されている。ここで気流衝突領域112における混合気体の流れを詳述すると、混合気体が整流板111によってZ方向のプラス側およびマイナス側2方向に整流された後、縦壁部21Bに衝突することによりY方向のプラス側に進路が変更され、その後、板部材113に衝突することにより再びZ方向に進路が変更される。すなわち、整流板111によりZ方向のプラス側に整流された混合気体は板部材113によりZ方向のマイナス側に進路が変更され、整流板によりZ方向のマイナス側に整流された混合気体は板部材113によりZ方向のプラス側に進路が変更され、気流衝突領域112において衝突して混合が促進される。
このように、混合部110は、筐体本体10の正面パネル21の入口近傍に配置されるため、筐体本体10の内部にバッフル板を多数配置する必要など蒸気の凝縮構造を設ける必要がなく筐体本体10の内部スペースを占有しない。また、縦壁部21Bと板部材113があることによって、吸込み隙間を狭めることができているので、この隙間を通過する混合気体の流速は高くなる。このため混合気体が気流衝突領域112において衝突する際に激しい衝突になり混合が促進される。また、流速が高くなることにより混合気体をもらさず筐体胴部20の中に取り込むことが可能となる。したがって、簡便な機構で外部の空気および蒸気の混合を促進させることができ、筐体本体10の内部の設計自由度が確保される。
【0033】
正面パネル21の下方には、
図4、
図6、
図7に示すように、二次吸気口21Xが形成される。二次吸気口21Xは、後述する流通部29と連通する。二次吸気口21Xは、本体風路28において送風機40よりも上流側に設けられる。本体風路28は、フード部30の吸気口31から排気部25Hの間に設けられる。二次吸気口21Xは、フード部30内に形成される本体風路28に設けられる。ここで、送風機40によって生じる空気の流れ(外部の空気A1および蒸気S2の流れ)を、
図4を用いて説明する。送風機40が作動すると、外部の空気A1や蒸気S2は、上流である吸気口31から本体開口部21Aに形成された混合部110を経て筐体胴部20の内部へ流入する。筐体胴部20の内部を通過する外部の空気A1や蒸気S2は捕集フィルタ50、送風機40のファン41を通過して蒸気回収装置1の本体風路28における最下流である排気部25Hへ到達する。従って、本体風路28における送風機40よりも上流側とは、ここで説明した空気の流れにおける送風機40よりも上流側の範囲を指す。すなわち、本体風路28における空気の流れの最上流である吸気口31(吸気部)から送風機40までの範囲を指すものである。そして、本体風路28よりも上流側とは、本体風路28を構成する吸気部よりも上流側、具体的には、
図14に示す吸気部(本体開口部21A)よりも蒸気回収装置1における空気の流れの上流側の範囲(例えば、121Xの位置)を指すものである。
【0034】
二次吸気口21Xは、本体風路28において後述する第二吸気口33よりも下流側かつ本体開口部21Aよりも上流側に設けられる。すなわち、二次吸気口21Xは、第二吸気口33よりもZ方向のプラス側に設けられ、本体開口部21AよりもZ方向のマイナス側に設けられる。第二吸気口33から吸気された外部の空気A1は、二次吸気口21X近傍をZ方向のプラス側に向けて通過しつつ、本体開口部21Aに到達する。この構成によれば、筐体胴部20の内部に高温の蒸気S2が入る前に、二次吸気口21Xを介してフード部30に取り込まれた周囲の空気A2によって蒸気S2を冷却できるため、筐体胴部20の内部を通過する温度が下がることで相対湿度が上がり、筐体胴部20の内部で蒸気を回収することができる。
【0035】
また、二次吸気口21Xは、
図4、
図6、
図7に示すように、本体開口部21Aよりも後述する第二吸気口33に近い位置に設けられる。この構成によれば、加熱装置90のドア91を開放した際に発生する蒸気S2を好適に冷却し、本体開口部21Aから筐体胴部20の内部に蒸気S2が入る前に、一定の冷却が可能となる。より具体的には、フード部30のZ方向のマイナス側の入口部分に第二吸気口33およびその近傍に二次吸気口21Xが形成される(加熱装置90のドア91(蒸気の発生源)に近い位置に形成される)一方、本体開口部21Aはこの入口部分からZ方向のプラス側に離間して正面パネル21の上方に形成される。このため入口部分でドア91から発生する蒸気S2に対して、二次吸気口21Xを介して周囲の空気A2を供給し、周囲の空気A2と蒸気S2が所定の混合時間を経て本体開口部21Aに到達することになる。このため、加熱装置90のドア91を開放した際に発生する蒸気S2を好適に冷却することが可能となる。
【0036】
右側面パネル22には、
図8に示すように、流通部29に筐体本体10の周囲の空気を取り込むための取込口22Hが形成されている。右側面パネル22に設けられる取込口22Hから取り込まれた周囲の空気A2は、
図4に示すように、流通部29および二次吸気口21Xを介してフード部30に取り込まれる。
【0037】
図8では、取込口22Hは10個配置され、1つの取込口22Hは横長に形成されているが、個数や形状は特に限定されない。取込口22Hは、流通部29に連通する高さ(箇所)に形成されている。取込口22Hは、本体開口部21Aが形成される正面パネル21とは異なる右側面パネル22に形成される。この構成によれば、取込口22Hが、吸気部80から離れた場所に形成されているため、冷却用の周囲の空気A2を好適に流通部29に流通させることができる。
【0038】
左側面パネル23には、
図10に示すように、蒸気凝縮部60に筐体本体10の周囲の空気を取り込むための取込口23Hが複数形成されている。取込口23Hは、Z方向のプラス側およびマイナス側にそれぞれ設けられる。上方の取込口23Hから取り込まれた周囲の空気は、蒸気凝縮部60に形成されたスリット(不図示)を介して蒸気凝縮部60に供給され、下方の取込口23Hから取り込まれた周囲の空気は、流通部29に供給される。なお、取込口23Hの設けられる個数、形状、位置は特に限定されない。この構成によれば、調理中に加熱装置90から発生する蒸気S1に周囲の空気を供給することができるため、蒸気凝縮部60において、より好適に蒸気を凝縮することができる。
【0039】
天面パネル25には、
図1等に示すように、吸気部80において吸気された外部の空気を排気する排気部25Hが設けられる。排気部25Hは、送風機40の略上方に配置される。排気部25Hから排気される空気は、蒸気凝縮部60における凝縮、混合部110における混合、捕集フィルタ50による蒸気捕集を経た空気であるため、施設の天井等に結露を生じさせにくい。
【0040】
傾斜パネル27は、
図6に示すように、Y方向のマイナス側に連れて上方となるように傾斜して配置される。この構成によれば、筐体胴部20内で生じた結露水を排水できる。詳細に説明すると、傾斜パネル27は、流下した結露水が奥行方向に流れるように傾斜するとともに、奥行方向から接続部62の方向へ流れるように傾斜するように構成されている。このため、筐体胴部20内で生じた結露水は、奥行方向に流れた後に、接続部62の方向へ流れ、最終的に接続部62から加熱装置90の蒸気排出口92へ排出され、蒸気排出口92と連通している排水口から、加熱装置外部の施設の排水溝へ排水されることになる。なお、同様に、蒸気凝縮部60で生じた結露水は、傾斜パネル27を流下して接続部62から排出される。
【0041】
下面パネル26および傾斜パネル27の間には、流通部29が形成される。流通部29は、本体風路28と区画して形成される。流通部29は、筐体本体10の取込口22Hから取り込まれた周囲の空気A2が流通する。
図6に示すように、流通部29は、筐体本体10のうち加熱装置90側に設けられる。この構成によれば、筐体本体10の底部近傍に流通部29が形成される。このため、流通部29が断熱スペーサーとして機能して、加熱装置90から筐体本体10への熱伝達を抑制し、筐体本体10の温度が上昇して冷却効果が低減することを好適に抑制できる。
【0042】
<フード部30>
フード部30は、吸気口31から取り込まれた外部の空気A1が流入する。フード部30は、筐体胴部20に固定される。フード部30の筐体胴部20に対する固定方法は、特に限定されない。フード部30は、外部の空気A1を吸気する吸気部80を構成する吸気口31を有する。
【0043】
吸気口31は、
図4に示すように、フード部30の上方に設けられる第一吸気口32と、第一吸気口32とは異なる方向から外部の空気を流入させる第二吸気口33と、を有する。第二吸気口33は、加熱装置90に設置された状態で、加熱装置90の近い位置に設けられるとともに蒸気が排出する方向に開口しているため、ドア91開放時の蒸気を吸気する。一方、第一吸気口32は、フード部30の上方で主に外部の空気を吸気する。具体的には、第二吸気口33は、
図4に示すように、フード部30のZ方向のマイナス側に設けられる。このとき、第二吸気口33から比較的温度が高い蒸気が流入し、第一吸気口32から比較的温度が低い蒸気が流入する。この結果、フード部30内部の空間においては、温度の異なる外部の空気および蒸気がまだらに存在する状態となり、このまだらに分布する外部の空気および蒸気が混合部110において混合されるため、混合部110における外部の空気および蒸気の混合がより促進される。
【0044】
加熱装置90において調理が行われた後に、ドア91を開放することによって、ドア91から排出された蒸気S2は、第一吸気口32および第二吸気口33を介して、フード部30内の吸気部80に流入する。
【0045】
<蒸気凝縮部60>
蒸気凝縮部60は、調理中に加熱装置90の蒸気排出口92から排出される蒸気S1を凝縮する。蒸気凝縮部60は、
図11、
図12に示すように、蒸気通路部61と、加熱装置90の蒸気排出口92に接続される接続部62と、を有する。
【0046】
蒸気通路部61は、
図11、
図12に示すように、本体風路28と区画され、入口端である接続部62から取り込まれた蒸気S1が出口端61Eに向かう通路を形成する。蒸気通路部61は、Y方向に隣り合う複数のバッフル板63がZ方向に位置ずれするように蛇行状に配置されて、構成される。
【0047】
本実施形態において、バッフル板63は5枚配置されるが、これに限定されない。また、バッフル板63が互い違いに配置される方向にZ方向に限定されない。調理中に加熱装置90の蒸気排出口92から排出された蒸気S1は、接続部62を介して、蒸気回収装置1の蒸気凝縮部60に流入する。流入した蒸気S1は、バッフル板63に衝突しつつ出口端61Eに向かう。蒸気S1は、バッフル板63に衝突することによって、蒸気S1に含まれる湯気、油煙が慣性衝突によって捕集される。
【0048】
蒸気通路部61の出口端61Eは、気流衝突領域112の上流であって、かつ第一吸気口32および第二吸気口33の下流に接続されている。この構成によれば、蒸気通路部61を流れる蒸気S1も混合部110において、外部の空気A1および周囲の空気A2と混合されて冷却される。
【0049】
<送風機40>
送風機40は、
図4、
図6に示すように、筐体本体10内に配置される。送風機40は、ファン41と、ファンモーター42と、ケーシング43と、を有する。
【0050】
調理中において送風機40は、加熱装置90の蒸気排出口92から排出される蒸気S1、第一吸気口32および第二吸気口33から外部の空気A1、および取込口22Hから周囲の空気A2をそれぞれ吸引する。そして、送風機40は、混合部110において、蒸気S1、外部の空気A1、および周囲の空気A2を混合させて、捕集フィルタ50を介して取り込んだ後に、筐体胴部20の排気部25Hから外部に排出する。
【0051】
調理中または調理後においてドア91を開放した際に、送風機40は、吸気部80を介してドア91から流出する蒸気S1、S2、第一吸気口32および第二吸気口33から外部の空気A1、および取込口22Hから周囲の空気A2をそれぞれ吸引する。そして、送風機40は、混合部110において、蒸気S2、外部の空気A1、および周囲の空気A2を混合させて、捕集フィルタ50を介して取り込んだ後に、筐体胴部20の排気部25Hから外部に排出する。
【0052】
<捕集フィルタ50>
捕集フィルタ50は、
図4、
図6に示すように、送風機40の手前側に設けられる。捕集フィルタ50は、モーターMの軸に着脱可能に取り付けられる。捕集フィルタ50は、孔を備える円盤が高速回転することにより、加熱装置90において生じた油煙を含む排空気から油を捕集する。捕集フィルタ50に設けられる孔の直径は、例えば0.75~5mmである。孔の形状は円形状に限定されず、三角形、正方形、正多角形などの形状であってもよい。
【0053】
<モーターM>
モーターMは、捕集フィルタ50を高速回転させる。モーターMが、捕集フィルタ50を高速回転させる速度は、例えば230rpm(Rotation Per Minute)以上であることが好ましい。
【0054】
<三次吸気口150>
三次吸気口150は、
図7、
図9に示すように、流通部29と連通するように構成されている。三次吸気口150は、筐体胴部20の内部に周囲の空気A2を供給する。この構成によれば、筐体胴部20の内部に周囲の空気A2が供給されるため、筐体胴部20内の蒸気を冷却して結露させて、排気部25Hから排出される蒸気量を低減できる。また、捕集フィルタ50のモーターMや送風機40のファンモーター42に周囲の空気A2が供給されるため、モーターを冷却することができる。具体的には、三次吸気口150は、
図8、
図9に示すように、右側面パネル22を外した際に、筐体胴部20の内側に配置されており、ファンモーター42には、直方形状のモーターカバー(不図示)が取り付けられており、モーターカバーおよび三次吸気口150が連通されているため、三次吸気口150およびモーターカバーを介して、モーターに周囲の空気A2が供給されることで、モーターが冷却される。
【0055】
<回収方法>
次に、本実施形態に係る蒸気回収装置1によって蒸気を回収する回収方法について説明する。以下、調理中に加熱装置90の蒸気排出口92から排出される蒸気S1および調理後にドア91を開放した際に排出される蒸気S2の回収方法について、それぞれ説明する。
【0056】
調理中において、加熱装置90の蒸気排出口92から排出される蒸気S1は、蒸気凝縮部60の蒸気通路部61において、複数のバッフル板63に衝突して捕集される。その後、蒸気S1は、混合部110において、外部の空気A1および周囲の空気A2と混合されて冷却される。その後、蒸気S1は、捕集フィルタ50によって捕集されて、蒸気回収装置1の排気部25Hから排気される。
【0057】
調理中または調理後においてドア91を開放した際に排出される蒸気S2は、フード部30の吸気口31において捕集される。その後、蒸気S2は、混合部110において、外部の空気A1および周囲の空気A2と混合されて冷却される。その後、蒸気S2は、捕集フィルタ50によって捕集されて、蒸気回収装置1の排気部25Hから排気される。
【0058】
なお、通常、加熱装置90のドア91の開放は小開放して高温蒸気を排出後、食材を取り出すための開放が行われる。このため高温蒸気は加熱装置90から広範囲に放出されるというよりも、小開放により生じた狭い領域を通じて放出される。このため狭い領域を通過する蒸気を効果的に冷却することが求められる。そこで、本発明では、二次吸気口21Xによってドア91直上で冷却用の外気を供給した後、本体開口部21Aに到達するまでに蒸気と外気が混合される混合部110を設け、蒸気と外気がコアンダ効果で筐体胴部20の閉塞面を進むことで混合冷却が行われて、冷却効果を高めている。
【0059】
以上説明したように、本実施形態に係る蒸気回収装置1は、筐体本体10を備えるとともに、加熱装置90から生じる蒸気や油煙を回収する蒸気回収装置1である。筐体本体10は、筐体本体10の周囲の外部の空気A1を吸気する吸気部80と、吸気部80において吸気された外部の空気A1を排気する排気部25Hと、吸気部80から排気部25Hへ向かう外部の空気A1が通過する本体風路28と、筐体本体10の一部を構成して送風機40を収容する筐体胴部20と、を有する。吸気部80は、筐体本体10に形成される吸気口31と、吸気口31の下流で筐体胴部20に形成される本体開口部21Aと、本体開口部21Aの上流に吸気口31から取り込まれた外部の空気A1が流入するフード部30と、本体開口部21Aに流入する外部の空気A1および蒸気Sの混合を促進する混合部110と、を有する。混合部110は、外部の空気A1および蒸気Sの混合気体の流れを少なくとも2方向に整流する整流板111と、整流板111によって整流された気流が互いに衝突する方向に流れる気流衝突領域112と、を有する。このように構成された蒸気回収装置1によれば、簡便な機構で、混合部110において、調理によって排出された蒸気Sに対して外部の空気A1を混合して、蒸気Sの凝縮を促進させることができる。さらに、混合部110は、本体開口部21A近傍に配置されるため、筐体本体10の内部スペースを占有しない。以上から、外部の空気A1および排出された蒸気Sを好適に混合させて凝縮を促進させることができ、これにより蒸気凝縮部の領域を小さくして筐体胴部20内の設計自由度を上げることができる蒸気回収装置1を提供することができる。
【0060】
また、吸気口31は、第一吸気口32と、第一吸気口32とは異なる方向から外部の空気A1を流入させる第二吸気口33と、を有する。このように構成された蒸気回収装置1によれば、第二吸気口33から比較的温度が高い蒸気が流入し、第一吸気口32から比較的温度が低い蒸気が流入する。この結果、温度の異なる蒸気が混合部110において混合されるため、混合部110における空気および蒸気の混合がより促進される。
【0061】
また、蒸気回収装置1は、加熱装置90の内部で発生した蒸気Sの一部を加熱装置90の外に排出するために、加熱装置90に設けられる蒸気排出口92と接続される接続部62と、本体風路28と区画され、入口端である接続部62から取り込まれた蒸気S1が出口端61Eに向かう通路を形成する蒸気通路部61と、をさらに有する。蒸気通路部61の出口端61Eを気流衝突領域112の上流、かつ吸気口31の下流に接続した。このように構成された蒸気回収装置1によれば、蒸気通路部61を流れる蒸気S1も混合部110において、外部の空気A1および周囲の空気A2と混合されて冷却される。
【0062】
また、筐体本体10は、本体風路28と区画され筐体本体10の取込口22Hから取り込まれた筐体本体10の周囲の空気A2が流通する流通部29と、流通部29と連通し、吸気部80において本体開口部21Aよりも吸気口31に近い位置に設けられる二次吸気口21Xと、をさらに有する。このように構成された蒸気回収装置1によれば、簡単な機構で、調理によって排出された蒸気に対して、二次吸気口21Xを介して周囲の空気A2を混合して、蒸気の凝縮を促進させることができるとともにフード部30の入口部分でフード部30に流入する蒸気を冷却することができる。例えば、加熱装置90のドア91を開放した際に発生する蒸気S2を入口部分で好適に冷却し、本体開口部21Aから筐体胴部20の内部に蒸気S2が入る前に、一定の冷却が可能となる。より具体的には、フード部30のZ方向のマイナス側の入口部分に第二吸気口33およびその近傍に二次吸気口21Xが形成される(加熱装置90のドア91(蒸気の発生源)に近い位置に形成される)一方、本体開口部21Aはこの入口部分からZ方向のプラス側に離間して正面パネル21の上方に形成される。このため入口部分でドア91から発生する蒸気S2に対して、二次吸気口21Xを介して周囲の空気A2を供給し、周囲の空気A2と蒸気S2が所定の混合時間を経て本体開口部21Aに到達することになる。このため、加熱装置90のドア91を開放した際に発生する蒸気S2を好適に冷却することが可能となる。
【0063】
<シミュレーション>
本発明に係る蒸気回収装置1の二次吸気口21Xによる効果を確認するために流体解析シミュレーションを行った。以下、その解析結果について説明する。
【0064】
送風機40のファン条件としては、300m
3/hとした。加熱装置90のドア91を開いた際に排出される蒸気S2のフード部30に流れ込む温度を105℃とし、また二次吸気口21Xを介してフード部30に流れ込む蒸気回収装置の周囲の温度を25℃とした。解析結果を
図13に示す。
【0065】
図13において、白色側は温度が高く、黒色側に近づくにつれて、温度が低下することを示す。
図13に示すように、二次吸気口21Xを介して周囲の空気A2をフード部30に流れ込ませることによって、周囲の空気A2と蒸気S2を好適に混合させて凝縮を促進させることができる。
【0066】
以上、実施形態および変形例を通じて本発明に係る蒸気回収装置1の構成について説明したが、本発明は上述した実施形態および変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変することができる。
【0067】
例えば、上述した実施形態では、二次吸気口21Xは、本体風路28において送風機40よりも上流側に設けられた。しかしながら、
図14に示すように、フード部が設けられない蒸気回収装置2の場合、二次吸気口121Xは、本体風路128よりも上流側に設けられる。
【0068】
また、上述した実施形態では、二次吸気口21Xは、本体開口部21Aよりも第二吸気口33に近い位置に設けられた。しかしながら、二次吸気口は、第二吸気口よりも本体開口部に近い位置に設けられてもよい。
【0069】
また、上述した実施形態では、蒸気回収装置1は三次吸気口150を有したが、三次吸気口150が設けられなくてもよい。
【0070】
また、上述した実施形態では、流通部29は、筐体本体10のうち加熱装置90側に設けられたが、流通部は、筐体本体のうち加熱装置側と反対側に設けられてもよい。また、加熱装置側でなければ右側面、左側面、背面であってもよい。
【0071】
また、上述した実施形態では、二次吸気口21Xは、正面パネル21に設けられたが、二次吸気口221Xは、
図15に示すように、右側面パネル22および/または左側面パネル23に設けられてもよい。
【0072】
また、二次吸気口321Xは、
図16に示すように、送風機40よりも本体風路28における上流側で本体開口部21Aよりも下流側にあってもよい。
【0073】
また、上述した実施形態では、蒸気回収装置1は、流通部29と連通する二次吸気口21Xが設けられたが、二次吸気口が設けられなくてもよい。
【0074】
また、上述した実施形態では、吸気口31は、第一吸気口32および第二吸気口33を有したが、吸気口31は、第一吸気口32および第二吸気口33のいずれか一方が設けられてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1、2 蒸気回収装置、
5 加熱装置ユニット、
10 筐体本体、
20 筐体胴部、
21 正面パネル、
21A 本体開口部、
21X、121X、221X、321X 二次吸気口、
22 右側面パネル、
22H 取込口、
25H 排気部、
28、128 本体通路、
29 流通部、
30 フード部、
31 吸気口、
32 第一吸気口、
33 第二吸気口、
40 送風機、
50 捕集フィルタ、
60 蒸気凝縮部、
61 蒸気通路部、
61E 蒸気通路部の出口端、
62 接続部、
63 バッフル板、
80 吸気部、
90 加熱装置、
90H 開口部、
91 ドア、
92 蒸気排出口、
110 混合部、
111 整流部、
112 気流衝突領域、
150 三次吸気口、
A1 外部の空気、
A2 周囲の空気、
S 蒸気。