(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080515
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】紙製容器
(51)【国際特許分類】
B65D 43/06 20060101AFI20240606BHJP
B65D 3/00 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
B65D43/06 200
B65D3/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193775
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】594097594
【氏名又は名称】藤徳紙器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】藤木 徳典
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 亮介
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA13
3E084AA34
3E084BA02
3E084CA02
3E084CC07
3E084DA02
3E084DB13
3E084DC07
3E084FA09
3E084FC01
3E084GA08
3E084GB12
(57)【要約】
【課題】蓋体の意図しない脱落を防止でき、かつ、従来構成に比べて美観に優れる紙製容器を提供する。
【解決手段】蓋体3の外周壁部22の内方に、下方に膨出するリブ30を形成する。そして、リブ30を、蓋体3の装着状態で、平面視において、容器本体2の開口縁15と略直交する方向に配置し、その端部を、容器本体2の開口縁15に内側から近接させる。そして、リブ30の端部に、側面視において当該端部の上側の端縁よりも外側に突出して、蓋体3の装着状態で、開口縁15に内向きに形成されたカール部13の下方に配置される係合凸部35を設けるとともに、係合凸部35に、側面視において、最も外側に突出する先端部36から、上下両方向に向かって内側に傾斜する傾斜案内部37,38を形成する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状の容器本体と、前記容器本体の上部に脱着される蓋体とを備えた紙製容器にあって、
前記容器本体の上部開口の開口縁には、端縁を内向きにカールさせてなる、内側に膨出するカール部が形成されており、
前記蓋体は、前記上部開口を塞ぐ天板部と、前記容器本体の上部に外嵌する外周壁部を具備する有蓋筒状をなし、
前記蓋体には、外周壁部の内方に、下方に膨出するリブが形成されており、
前記リブは、前記蓋体の装着状態で、平面視において、前記開口縁と略直交する方向に配置され、その端部を、前記容器本体の前記開口縁に内側から近接させるよう構成されており、
前記リブの前記端部は、側面視において当該端部の上側の端縁よりも外側に突出して、前記蓋体の装着状態で、前記開口縁の前記カール部の下方に配置される係合凸部を備え、
前記係合凸部は、側面視において、最も外側に突出する先端部から、上下両方向に向かって内側に傾斜する傾斜案内部を備えることを特徴とする紙製容器。
【請求項2】
前記容器本体は楕円筒状をなしており、
前記リブは、前記蓋体の装着状態で、平面視において、前記容器本体の短径に沿って配置されることを特徴とする請求項1に記載の紙製容器。
【請求項3】
前記蓋体は、
前記天板部と前記外周壁部とを有する蓋本体と、
一片の紙製のブランクを折り曲げてなり、前記蓋本体の内側に組み付けられる付属片と
を備え、
前記外周壁部の下縁には、端縁を内向きにカールさせてなる、内側に膨出するカール部が形成されており、
前記付属片は、
前記リブと、
前記リブの両側に配設されて、前記天板部の下面に被着する一対の被着片部と、
前記被着片部の周縁に配設されて、前記リブの端部の近傍で、前記外周壁部の下縁の前記カール部と係合する略垂直な係合縁部と
を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の紙製容器。
【請求項4】
前記リブは、前記ブランクを平行な複数の折り線で屈曲させてなり、
前記係合縁部は、前記被着片部の周縁で前記ブランクを略直角に屈曲させてなるものであり、
対をなす一方の前記被着片部の周縁に配設された少なくとも一つの前記係合縁部と、対をなす他方の前記被着片部の周縁に配設された少なくとも一つの前記係合縁部とが、かみ合わせによって前記リブと略直交する方向に相互接続されていることを特徴とする請求項3に記載の紙製容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱着可能な蓋体を上部に備えた筒状の紙製容器に関する。
【背景技術】
【0002】
有底筒状の容器本体と、容器本体上部に外嵌する短筒状の蓋体を備えた紙製容器にあって、容器本体上部の開口縁に外側に膨出するカール部を形成するとともに、蓋体の下縁に内側に膨出するカール部を形成して、蓋体の装着状態で、開口縁と蓋体下縁のカール部を相互に係合させることにより、蓋体が意図せず脱落するのを防止するようにした紙製容器が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来構成の紙製容器は、蓋体を取り外した状態で、カール部が容器本体の上部開口縁の外側に膨出するため、美観を損ねるという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、上記従来構成と同様に蓋体が意図せず脱落するのを防止でき、かつ、上記従来構成に比べて美観に優れる紙製容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、有底筒状の容器本体と、前記容器本体の上部に脱着される蓋体とを備えた紙製容器にあって、前記容器本体の上部開口の開口縁には、端縁を内向きにカールさせてなる、内側に膨出するカール部が形成されており、前記蓋体は、前記上部開口を塞ぐ天板部と、前記容器本体の上部に外嵌する外周壁部を具備する有蓋筒状をなし、前記蓋体には、外周壁部の内方に、下方に膨出するリブが形成されており、前記リブは、前記蓋体の装着状態で、平面視において、前記開口縁と略直交する方向に配置され、その端部を、前記容器本体の前記開口縁に内側から近接させるよう構成されており、前記リブの前記端部は、側面視において当該端部の上側の端縁よりも外側に突出して、前記蓋体の装着状態で、前記開口縁の前記カール部の下方に配置される係合凸部を備え、前記係合凸部は、側面視において、最も外側に突出する先端部から、上下両方向に向かって内側に傾斜する傾斜案内部を備えることを特徴とする紙製容器である。
【0007】
かかる構成によれば、蓋体の装着状態で、リブの係合凸部と開口縁のカール部が係合することによって、意図しない蓋体の脱落が防止される。なお、かかる係合は、脱着方向に一定以上の力を加えれば、係合凸部の傾斜案内部とカール部の案内作用によって、紙製のリブと開口縁が撓んで係合・解除が可能であるため、蓋体の脱着に支障は生じない。一方、かかる構成では、容器本体の開口縁に配設されるカール部は、内側に膨出しているため、蓋体を外した状態でも目立ち難く、上記従来構成に比べて、美観を向上させることができる。
【0008】
本発明にあって、前記容器本体は楕円筒状をなしており、前記リブは、前記蓋体の装着状態で、平面視において、前記容器本体の短径に沿って配置される構成が提案される。
【0009】
一般的に、楕円筒状の紙製容器は、短径方向からの圧力によって、容器本体の開口縁が変形し易いという欠点があるが、かかる構成とすれば、短径方向から圧力が加わった際に、容器本体の開口縁がリブによって内側から支持されるため、リブを利用して、開口縁の変形を防止可能となる。
【0010】
また、本発明にあって、前記蓋体は、前記天板部と前記外周壁部とを有する蓋本体と、一片の紙製のブランクを折り曲げてなり、前記蓋本体の内側に組み付けられる付属片とを備え、前記外周壁部の下縁には、端縁を内向きにカールさせてなる、内側に膨出するカール部が形成されており、前記付属片は、前記リブと、前記リブの両側に配設されて、前記天板部の下面に被着する一対の被着片部と、前記被着片部の周縁に配設されて、前記リブの端部の近傍で、前記外周壁部の下縁の前記カール部と係合する略垂直な係合縁部とを備える構成が提案される。
【0011】
かかる構成によれば、蓋体にリブを比較的容易に配設できる。特に、リブの端部近傍で、係合縁部を外周壁部のカール部と係合させることにより、リブの端部が蓋本体に強固に組み付けられるため、かかる構成では、蓋体を取り外す際に、リブが蓋本体から脱落するおそれがない。
【0012】
また、上記構成にあって、前記リブは、前記ブランクを平行な複数の折り線で屈曲させてなり、前記係合縁部は、前記被着片部の周縁で前記ブランクを略直角に屈曲させてなるものであり、対をなす一方の前記被着片部の周縁に配設された少なくとも一つの前記係合縁部と、対をなす他方の前記被着片部の周縁に配設された少なくとも一つの前記係合縁部とが、かみ合わせによって前記リブと略直交する方向に相互接続されている構成が提案される。
【0013】
かかる構成にあっては、相互接続した係合縁部によって、リブを形成する折り線の曲げ伸ばしが制限されて、リブの立体形状が保持されるため、付属片を蓋本体に容易に組み付け可能となる。特に、かかる構成のように、蓋本体と係合させる係合縁部を、リブの立体形状を保持するのに利用すれば、付属片を簡素化できる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、意図しない蓋体の脱落を防止でき、かつ、従来構成に比べて美観に優れる紙製容器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】容器本体2と蓋体3を分離して示す実施例の紙製容器1の斜視図である。
【
図2】(A)蓋体3を前後に切断した中央縦断面図である。(B)容器本体2を前後に切断した中央縦断面図である。
【
図3】(A)蓋体3を左右に切断した中央縦断面図である。(B)容器本体2を左右に切断した中央縦断面図である。
【
図4】(A)蓋本体20と付属片21を分離した状態の、下方からの斜視図である。(B)蓋本体20に付属片21を組み付けた状態の、下方からの斜視図である。
【
図6】(A)
図5中のX-X線断面図である。(B)
図5中のY-Y線断面図である。
【
図7】(A)展開状態の付属片21の斜視図である。(B)組立状態の付属片21の下方からの斜視図である。
【
図8】紙製容器1を前後に切断した中央縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
【0017】
本実施例の紙製容器1は、
図1に示すように、楕円筒状をなす有底の容器本体2と、容器本体2の上部に脱着可能に外嵌する蓋体3とを備えてなる。紙製容器1に収容する収容物は特に限定されないが、好適な収容物として菓子類が挙げられる。なお、以下の説明では、便宜上、紙製容器1の平面視における短手方向を前後方向、平面視における長手方向を左右方向として説明する。
【0018】
図1,2(B),3(B)に示すように、容器本体2は、楕円筒状の胴部11と、胴部11の底を塞ぐ底板部12とで構成される。胴部11は、帯状紙片を筒状に巻いて両端を接着し、楕円形状に成形してなるものである。容器本体2の上部開口10は、胴部11の上端部に形成される。上部開口10の開口縁15には、胴部11の上側の端縁を内向きにカールさせることにより、内側に膨出するカール部13が全周に亘って形成される。また、胴部11の下側にも、端縁を内向きにカールさせることにより、内側に膨出するカール部14が形成される。底板部12は、楕円形状の平坦な紙片からなり、胴部11の底側の開口部を閉塞した状態で、その外周部を胴部11のカール部14に接着される。
【0019】
図1,2(A),3(A)に示すように、蓋体3は、容器本体2の上部に略隙間なく外嵌し得る平面視楕円形の有蓋短筒状をなしている。具体的には、蓋体3は、容器本体2の上部開口10を塞ぐ天板部23と、天板部23の周囲に配設されて、容器本体2の上部に外嵌する楕円筒状の外周壁部22とを備えている。外周壁部22は、帯状紙片を筒状に巻いて両端を接着し、楕円形状に成形してなるものである。外周壁部22の上縁と下縁には、端縁を内向きにカールさせることにより、内側に膨出するカール部27,28が全周に亘って形成される。天板部23は、楕円形状の平坦な紙片からなり、外周壁部22の上側の開口部を閉塞した状態で、その外周縁を外周壁部22の上側のカール部27に接着される。
【0020】
図4(A),4(B)に示すように、蓋体3は、外周壁部22と天板部23とを接着して一体化してなる蓋本体20と、蓋本体20の内側に組み付けられる付属片21とにより構成される。付属片21は、平面視が天板部23と略同一の楕円形状をなしており、蓋本体20の底部から内部に嵌め込むようにして組み付けられる。付属片21は、下方に膨隆するリブ30と、リブ30の両側に配設される一対の被着片部31と、被着片部31の周縁から下方に延出する略垂直な係合縁部32とで構成される。
【0021】
図4~6に示すように、リブ30は、下方に略V字状に膨出しており、付属片21を左右に二分するように前後方向に沿って形成される。被着片部31は、リブ30の左右両縁から略水平に延出しており、リブ30を中心に左右対称な半楕円形状をなしている。係合縁部32は、各被着片部31の前縁と後縁に夫々配設されて、リブ30の両端部の近傍に配置される。付属片21は、
図4に示すように、被着片部31を天板部23の下面に被着させるとともに、各係合縁部32を外周壁部22の内側面に当接させて、リブ30の両端部の近傍で、各係合縁部32を外周壁部22の下縁のカール部28と上下に係合させることにより、蓋本体20から脱落困難に組み付けられる。
【0022】
図7に示すように、付属片21は、一片の紙製のブランク48を折り曲げることにより製造される。具体的には、中央部に形成された前後方向の3本の平行な折り線49aでブランク48を屈曲させることにより、リブ30が形成される。また、左右の被着片部31は、リブ30の左右両側に連接する一対の平坦部分により形成される。
【0023】
図7に示すように、係合縁部32は、ブランク48の、被着片部31の前後両縁から延出する部分を、折り線49bで略直角に屈曲させて、下方に延出させることにより形成される。ここで、一方の被着片部31の周縁に配設される係合縁部32aと、他方の被着片部31の周縁に配設される係合縁部32bは、相互に近接する方向に夫々延出しており、付属片21の組立状態で、夫々に形成された切込み50を介して、かみ合わせにより相互接続される。かかる係合縁部32a,32bの接続方向(左右方向)は、リブ30の延出方向(前後方向)と略直交しているため、かかる相互接続により、リブ30を形成する折り線49aの曲げ伸ばしが規制され、リブ30の立体形状が保持される。
【0024】
図2(A),4(B)に示すように、リブ30は、外周壁部22の内方で、蓋体3を短手方向に横切るように配置され、天板部23の下方に膨出している。リブ30の両端部は、外周壁部22と当接せず、両者の間には、容器本体2の開口縁15を嵌入させ得る隙間34が形成される。また、
図2(A),6(A)に示すように、リブ30の両端部には、側面視において、上側の端縁よりも外側に突出する係合凸部35が形成される。後述するように、蓋体3の装着状態で、かかる係合凸部35が容器本体2の開口縁15と係合することにより、蓋体3の脱落が防止される。
【0025】
また、係合凸部35は、側面視において、最も外側に突出する先端部36から、上下両方向に向かって内側に滑らかに傾斜する略円弧状の傾斜案内部37,38を備える。蓋体3の脱着時には、かかる傾斜案内部37,38が案内作用を発揮することによって、係合凸部35を容器本体2の開口縁15に係脱可能となる。
【0026】
図8,9に示すように、容器本体2に蓋体3を装着した状態では、容器本体2の開口縁15が、蓋本体20の外周壁部22とリブ30の端部の間の隙間34に嵌入する。そして、これに伴い、リブ30は、平面視において、容器本体2の短径に沿って開口縁15と直交する方向に配置され、リブ30の両端部は、内側から開口縁15に近接して、両端部の係合凸部35を開口縁15のカール部13の下方に配置させる。これにより、蓋体3の装着状態では、開口縁15のカール部13と、リブ30の係合凸部35が上下に係合し、蓋体3の意図しない脱落が防止される。
【0027】
蓋体3を容器本体2の上方に一定以上の力で引っ張ると、開口縁15のカール部13と、リブ30の係合凸部35の係合が解除され、蓋体3を取り外すことができる。具体的には、開口縁15のカール部13と、係合凸部35の上側の傾斜案内部37とを圧接させて、下方の先端部36に向かって外側に傾斜する傾斜案内部37の案内作用によって、開口縁15とリブ30が撓ませることにより、係合凸部35をカール部13の上方に引き抜いて、係合を解除することができる。
【0028】
一方、取り外した蓋体3を容器本体2の上に載せて、一定以上の力で押し下げれば、開口縁15のカール部13とリブ30の係合凸部35が係合し、蓋体3が容器本体2に装着される。具体的には、開口縁15のカール部13と、係合凸部35の下側の傾斜案内部38とを圧接させて、上方の先端部36に向かって外側に傾斜する傾斜案内部38の案内作用によって、開口縁15とリブ30が撓ませることにより、係合凸部35をカール部13の下方に圧入して、両者を係合させることができる。また、かかる装着時には、開口縁15のカール部13が、係合凸部35の先端部36の脇を通過する際に、蓋体3の抵抗が大きく低下するため、蓋体3を完全に装着したことを手応えで把握できる。
【0029】
以上のように、本実施例の紙製容器1は、リブ30の係合凸部35と、開口縁15のカール部13との係合によって、蓋体3が意図せず容器本体2から脱落するのを防止できる。また、
図1に示すように、蓋体3を取り外した状態で、開口縁15のカール部13は外側に膨出せず、また、リブ30も蓋体3の内側に隠れるため、従来構成に比べて美観に優れる。
【0030】
また、リブ30の係合凸部35は、側面視において、最も外側に突出する先端部36から、上下両方向に向かって内側に傾斜する傾斜案内部37,38を備えるため、一定以上の力を加えて、開口縁15やリブ30を撓ませることにより、係合凸部35を開口縁15に係脱させることができる。また、係合凸部35を開口縁15に係合させる際には、手応えが得られるため、蓋体3を容器本体2に正しく装着したことを手応えにより確認できるという利点もある。
【0031】
また、本実施例では、
図9に示すように、蓋体3の装着状態で、リブ30が、平面視において、楕円筒状の容器本体2の短径に沿って配置される。容器本体2の開口縁15は楕円形状であるため、短径方向からの圧力によって変形し易いが、かかる構成とすれば、容器本体2の開口縁15が、リブ30によって内側から短径方向に支持されるため、短径方向からの圧力による開口縁15の変形を防止可能となる。
【0032】
また、本実施例では、蓋本体20に付属片21を組み付けるだけで、蓋体3の内側に、リブ30を容易に配設できるという利点がある。特に、本実施例では、リブ30の両端部の近傍で、係合縁部32を外周壁部22のカール部28と上下に係合させることにより、リブ30の両端部を、蓋本体20に強固に組み付けできるため、付属片21が蓋本体20に接着されていなくても、蓋体3を取り外す際に、リブ30が蓋本体20から脱落するおそれはない。
【0033】
また、本実施例では、左側の被着片部31の前後両縁に配設された係合縁部32a,32bと、右側の被着片部31の前後両縁に配設された係合縁部32a,32bとが、かみ合わせによって、リブ30と略直交する方向に相互接続されるため、付属片21の組立状態では、リブ30を形成する折り線49aの曲げ伸ばしが制限され、リブ30の立体形状が保持される。したがって、かかる構成では、付属片21を蓋本体20に組み付ける際に、付属片21の形状が崩れ難く、組付作業を容易に行うことができる。また、かかる構成のように、蓋本体20と係合させるための係合縁部32を、リブ30の立体形状を保持するのに利用すれば、付属片21を簡素化できるという利点もある。
【0034】
なお、本発明の紙製容器は、上記実施例の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、本発明の紙製容器は、楕円筒状に限らず、円筒状などであってもよい。
また、上記実施例に係るリブ30は、断面V字状に膨隆しているが、本発明に係るリブは、断面U字状や断面コ字状であってもよい。
また、上記実施例に係るリブ30は、蓋体3の内部を縦断するように連続的に配設されるが、本発明に係るリブは、一部が欠落していてもよい。
また、上記実施例に係る傾斜案内部37,38は、側面視が略円弧状に湾曲しているが、本発明に係る傾斜案内部は、側面視が直線状に傾斜するものであってもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 紙製容器
2 容器本体
3 蓋体
10 上部開口
11 胴部
12 底板部
13,14,27,28 カール部
15 開口縁
20 蓋本体
21 付属片
22 外周壁部
23 天板部
30 リブ
31 被着片部
32 係合縁部
34 隙間
35 係合凸部
36 先端部
37,38 傾斜案内部
48 ブランク
49a,49b 折り線
50 切込み