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特開2024-80521クーポン情報サイトの経済価値と求人情報サイトの経済価値とを交換して相互に経済価値を循環させるためのシステム、プログラム、情報処理装置、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080521
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】クーポン情報サイトの経済価値と求人情報サイトの経済価値とを交換して相互に経済価値を循環させるためのシステム、プログラム、情報処理装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20240606BHJP
【FI】
G06Q30/0207
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193794
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】516389787
【氏名又は名称】株式会社Bizcareer
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 和豊
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】クーポン発行者からクーポン利用者に移転する経済価値が毀損しないクーポン情報サイトと、アグリゲートサイトに依存しない、求職者との一次接点となる求人情報サイトとを提供する。
【解決手段】システムは、第1ユーザ識別情報に紐づけられる情報処理装置の操作に基づいて発行される第1経済価値が記憶される第1情報サイトと、第1ユーザ情報に紐づけられる情報処理装置の操作に基づいて出稿・掲載される第2経済価値が記憶される第2情報サイトとにおいて、第1ユーザ識別情報と第2ユーザ識別情報とに紐付けられる価値交換媒がユーザ識別情報間を移転する、サーバを介して通信可能に接続された複数の情報処理装置を含む。第1経済価値は、第2ユーザ識別情報に紐づけて取得される対価としての価値交換媒体の数量、又は率で表す数量が第1ユーザによって設定され、当該第1ユーザ識別情報に紐づけられて無償で発行される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明の一態様に係るシステムは、第1ユーザ識別情報に紐づけられる情報処理装置の操作に基づいて発行される第1経済価値が記憶される第1情報サイトと、第1ユーザ情報に紐づけられる情報処理装置の操作に基づいて出稿・掲載される第2経済価値が記憶される第2情報サイトとにおいて、第1ユーザ識別情報と第2ユーザ識別情報とに紐付けられる価値交換媒がユーザ識別情報間を移転する、サーバを介して通信可能に接続された複数の情報処理装置を含むシステムであって、第1経済価値は、第2ユーザ識別情報に紐づけて取得される対価としての価値交換媒体の数量、又は率で表す数量が第1ユーザによって設定され、当該第1ユーザ識別情報に紐づけられて無償で発行され、価値交換媒体は、第2経済価値を取得する第2ユーザ識別情報に紐づけられる情報処理装置の動作情報に基づいて第2ユーザ識別情報に紐づけられて発行され、価値交換媒体は、第1経済価値が第2ユーザ識別情報に紐づけられて取得される対価として、前記設定された数量、又は率で表す数量が第2ユーザ識別情報から第1ユーザ識別情報に移転され、価値交換媒体は、他のユーザ識別情報に紐づけられて移転されることなく保有期間が所定期間に達すると消滅し、情報処理装置は、一覧表示時、第1ユーザ識別情報に紐づけられた価値交換媒体の数量に基づいて第1経済価値の表示順位を決定し、情報処理装置は、所定地域、及び所定期間の第1ユーザ情報に紐づけられた価値交換媒体の消滅数量、及び第2情報サイトの広告収入に基づいて第1ユーザ識別情報に紐づけられ得る売上還元金額を算出し、情報処理装置は、第1ユーザ識別情報に紐づけられ得る売上還元金額を、第1ユーザ識別情報に紐づけられる情報処理装置に表示し、情報処理装置は、所定地域における過去所定期間(例えば過去1ヶ月間)の第2ユーザ識別情報に紐づけられた第1経済価値の対価としての価値交換媒体の消費傾向から利用されやすく効果的な第1経済価値のタイプを算出し、第1経済価値を発行しようとする第1ユーザ識別情報に紐づけられた情報処理装置のディスプレイに効果的な第1経済価値のタイプを表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーポン情報サイトの経済価値と求人情報サイトの経済価値とを交換して相互に経済価値を循環させるためのシステム、プログラム、情報処理装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クーポン情報サイト等のクーポンを発行するプラットフォームサービス(以下「クーポン情報サイト」という)では、クーポンを発行する事業者(以下「クーポン発行者」という)が発行に関するコストを負担している。当然に、プラットフォームサービスを提供する事業者(以下「プラットフォーマー」という)は、クーポン発行者から収入を得て事業を行っている。
【0003】
また、従来、IndeedやGoogleしごと検索等の求人情報のアグリゲートサイトが求職者との一次接点となることが多く、求人情報を取り扱う求人者と求職者のための情報交換サイト(以下「求人情報サイト」という)が求職者との一次接点となることが少ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、本来的にはクーポン発行者がクーポン発行に伴い放棄した、得られる予定であった経済価値を、直接(言わば100%)クーポンを利用する顧客(以下「クーポン利用者」という)に移転させるべきであるところ、プラットフォーマーに支払う『クーポン発行コスト』があるためクーポンを介した顧客との経済価値の移転が適切に行われているとは言えず、マーケティング効果を含むクーポン価値が毀損している。総じて、事業者がクーポンを発行しにくく、顧客がクーポンを利用しにくいという問題がある。
【0005】
また、そのため、従来の求人情報サイトは、アグリゲートサイトに多大な広告宣伝費を支払い、アグリゲートサイトへの露出を増やすことで求人情報サイトへの求職者の流入を図っており、求人情報サイトのオウンドメディアとしての価値が毀損している(母集団を形成しにくくなっている)と共に、求人情報サイトはもとよりエンドユーザーである求人企業の人材採用マーケティングコストも増加しているという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、クーポン発行者からクーポン利用者に移転する経済価値が毀損しないクーポン情報サイトと、アグリゲートサイトに依存しない、求職者との一次接点となる求人情報サイトとを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るシステムは、第1ユーザ識別情報に紐づけられる情報処理装置の操作に基づいて発行される第1経済価値が記憶される第1情報サイトと、第1ユーザ情報に紐づけられる情報処理装置の操作に基づいて出稿・掲載される第2経済価値が記憶される第2情報サイトとにおいて、第1ユーザ識別情報と第2ユーザ識別情報とに紐付けられる価値交換媒がユーザ識別情報間を移転する、サーバを介して通信可能に接続された複数の情報処理装置を含むシステムであって、
第1経済価値は、第2ユーザ識別情報に紐づけて取得される対価としての価値交換媒体の数量、又は率で表す数量が第1ユーザによって設定され、当該第1ユーザ識別情報に紐づけられて無償で発行され、
価値交換媒体は、第2経済価値を取得する第2ユーザ識別情報に紐づけられる情報処理装置の動作情報に基づいて第2ユーザ識別情報に紐づけられて発行され、
価値交換媒体は、第1経済価値が第2ユーザ識別情報に紐づけられて取得される対価として、前記設定された数量、又は率で表す数量が第2ユーザ識別情報から第1ユーザ識別情報に移転され、
価値交換媒体は、他のユーザ識別情報に紐づけられて移転されることなく保有期間が所定期間に達すると消滅し、
情報処理装置は、一覧表示時、第1ユーザ識別情報に紐づけられた価値交換媒体の数量に基づいて第1経済価値の表示順位を決定する。
【0008】
この態様によれば、一方で第1情報サイトを利用する第1ユーザは、第1経済価値を無償で第2ユーザに提供できるようになり、他方で第1経済価値を取得したい第2ユーザは、第2情報サイトにおいて第2経済価値を閲覧等して無償で価値交換媒体を獲得するため第2情報サイトの利用が促進され、さらに第2ユーザへのマーケティング効果を高めたい第1ユーザの価値交換媒体獲得意欲の高まりとともに、これらが一連の循環システムとしてユーザの相互利用を促進する。
【0009】
さらに、本発明の一態様に係る情報処理装置は、所定地域、及び所定期間の第1ユーザ情報に紐づけられた価値交換媒体の消滅数量、及び第2情報サイトの広告収入に基づいて第1ユーザ識別情報に紐づけられ得る売上還元金額を算出してもよい。
【0010】
この態様によれば、さらに、第1経済価値の発行に伴い第1ユーザに生じた逸失利益(第2ユーザに無償で移転した経済価値)の一部または全部を第1ユーザが回収できるようになり、第1ユーザの第1経済価値発行意欲、及び価値交換媒体獲得意欲がさらに高まり、結果的に第2ユーザの第2情報サイトの利用がさらに促進される。
【0011】
さらに、本発明の一態様に係る情報処理装置は、第1ユーザ識別情報に紐づけられ得る売上還元金額を、第1ユーザ識別情報に紐づけられる情報処理装置に表示してもよい。
【0012】
この態様によれば、第1ユーザにおける第1経済価値の発行意欲がさらに高まり、また第1経済価値の大きさがさらに増加し、また価値交換媒体獲得意欲がさらに高まり、結果的に第2ユーザの第2情報サイトの利用がさらに促進される。
【0013】
さらに、本発明の一態様に係る情報処理装置は、所定地域における過去所定期間(例えば過去1ヶ月間)の第2ユーザ識別情報に紐づけられた第1経済価値の対価としての価値交換媒体の消費傾向から利用されやすく効果的な第1経済価値のタイプを算出し、第1経済価値を発行しようとする第1ユーザ識別情報に紐づけられた情報処理装置のディスプレイに効果的な第1経済価値のタイプを表示してもよい。
【0014】
この態様によれば、さらに、第2ユーザによる第1経済価値の利用が増加し、併せて価値交換媒体を獲得するための第2ユーザによる第2情報サイトの利用意欲がさらに高まる。
【0015】
本発明の一態様に係るシステムは、事業ユーザアカウントに紐づけられる情報処理装置の操作に基づいて発行されるクーポンが記憶されるクーポン情報サイトと、事業ユーザアカウントに紐づけられる情報処理装置の操作に基づいて出稿(掲載)される求人情報が記憶される求人情報サイトとにおいて、事業ユーザアカウントと個人ユーザアカウントとに紐付けられるポイントがアカウント間を移転する、サーバを介して通信可能に接続された複数の情報処理装置を含むシステムであって、
クーポンは、個人ユーザアカウントに紐づけて取得される対価としてのポイントの数量、又は率で表す数量が事業ユーザによって設定され、当該事業ユーザアカウントに紐づけられて無償で発行され、
ポイントは、求人情報を取得する個人ユーザアカウントに紐づけられる情報処理装置の動作情報に基づいて個人ユーザアカウントに紐づけられて発行され、
ポイントは、クーポンが個人ユーザアカウントに紐づけられて取得される対価として、前記設定された数量、又は率で表す数量が個人ユーザアカウントから事業ユーザアカウントに移転され、
ポイントは、他のユーザアカウントに紐づけられて移転されることなく保有期間が所定期間に達すると消滅し、
情報処理装置は、一覧表示時、事業ユーザアカウントに紐づけられたポイントの数量に基づいてクーポンの表示順位を決定する。
【0016】
この態様によれば、一方でクーポン情報サイトを利用する事業ユーザは、クーポンを無償で個人ユーザに提供できるようになり、他方でクーポンを取得したい個人ユーザは、求人情報サイトにおいて求人情報を閲覧等して無償でポイントを獲得するため求人情報サイトの利用が促進され、さらに個人ユーザへのマーケティング効果を高めたい事業ユーザのポイント獲得意欲の高まりとともに、これらが一連の循環システムとしてユーザの相互利用を促進する。
【0017】
さらに、本発明の一態様に係る情報処理装置は、所定地域、及び所定期間の事業ユーザアカウントに紐づけられたポイントの消滅数量、及び求人情報サイトの広告収入に基づいて事業ユーザアカウントに紐づけられ得る売上還元金額を算出してもよい。
【0018】
この態様によれば、さらに、クーポンの発行に伴い事業ユーザに生じた逸失利益(個人ユーザに無償で移転した経済価値)の一部または全部を事業ユーザが回収できるようになり、事業ユーザのクーポン発行意欲、及びポイント獲得意欲がさらに高まり、結果的に個人ユーザの求人情報サイトの利用がさらに促進される。
【0019】
さらに、本発明の一態様に係る情報処理装置は、事業ユーザアカウントに紐づけられ得る売上還元金額を、事業ユーザアカウントに紐づけられる情報処理装置に表示してもよい。
【0020】
この態様によれば、事業ユーザにおけるクーポンの発行意欲がさらに高まり、またクーポンを利用する個人ユーザに移転する経済価値の大きさ(具体的には、例えば、「クーポンによる割引率の大きさ」)がさらに増加し、またポイント獲得意欲がさらに高まり、結果的に個人ユーザの求人情報サイトの利用がさらに促進される。
【0021】
さらに、本発明の一態様に係る情報処理装置は、所定地域における過去所定期間(例えば過去1ヶ月間)の個人ユーザアカウントに紐づけられたクーポンの対価としてのポイントの消費傾向から利用されやすく効果的なクーポンのタイプを算出し、クーポンを発行しようとする事業ユーザアカウントに紐づけられた情報処理装置のディスプレイに効果的なクーポンのタイプを表示してもよい。
【0022】
この態様によれば、さらに、個人ユーザによるクーポンの利用が増加し、併せてポイントを獲得するための個人ユーザによる求人情報サイトの利用意欲がさらに高まる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、クーポン発行者からクーポン利用者に移転する経済価値が毀損しないクーポン情報サイトと、アグリゲートサイトに依存しない、求職者との一次接点となる求人情報サイトとを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係る経済価値循環システム1の概要を説明するための図である。
図2】本発明の一実施形態に係るユーザ管理画面を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
発明を実施するための形態を説明する前に本発明の概要を説明する。
【0026】
本発明は、システムの一部の領域である『求人情報サイトにおける個人ユーザの利用に関する価値A』からポイントを個人ユーザに対して随時生成・発行し続け、発行されたポイント及び取得した個人ユーザを介してシステムの別の一部の領域である『クーポン情報サイトにおける個人ユーザの利用に関する価値B』と『求人情報サイトにおける個人ユーザの利用に関する価値A』とを循環させる。
【0027】
本発明により、負荷ゼロ(換言すると「抵抗ゼロ」)で機能する、一方のオウンドメディアであるクーポン情報サイトのマーケティング価値を、他の一方のオウンドメディアである求人情報サイトに移転させることができるようになる。また本発明により、従来の求人情報サイトからIndeedやGoogleしごと検索等のアグリゲートサイトに流出する経済価値をクーポン情報サイトに移転させることができるようになる。
【0028】
換言すると、本発明により、システム外部(求人情報サイト、及びクーポン情報サイトの外部)のマーケティングコストである経済価値をシステム内部(求人情報サイト、及びクーポン情報サイトの内部)に取り込み、マーケティングコストとして情報サイト外部(各情報サイトの外部)に流出する経済価値をシステム内部にとどめ、ユーザ間で経済価値と情報とを効率的に循環させることができるようになる。
【0029】
また、本発明を用いたシステムを実装しサービスを提供する主体は、システム外部からのマーケティングコストである経済価値をキャッシュポイントとして有する募集情報等提供事業者(又は有料職業紹介事業)が好適である。すなわち本発明は、ある地域における企業の人材採用マーケティングコストを、当該地域における店舗型事業者、及び消費者(地域住民)に還元し、地域経済の発展を図るとともに、地域内における生産性の高まりやすい、人材の流動性向上を図る事業のコア・アルゴリズムと解釈し得る。すなわち、プラットフォームサービスとしてのキャッシュポイントは求人情報サイト側にあり、本発明を介して無償のクーポン情報サイトを運営するビジネスモデルと言い得る。
【0030】
例えば本発明により、居酒屋は無償でクーポン情報サイトを利用でき、随時任意にクーポンを発行することができるようになるため、客入りの少ない平日の19:00に割引率50%の当日限定クーポンを発行して、捨ててしまうことになる食材を新規個人ユーザ、又は既存個人ユーザに安く提供することができるようになる。
【0031】
また例えば本発明により、求職者との一次接点を増やし母集団を形成したい求人情報サイトの運営者、及び求人情報サイトを利用する求人者は、求人情報サイトの利用(検索・閲覧・お気に入り登録・応募等)に基づき発行されるポイントを取得したい個人ユーザ(顕在化した求職者に限らず潜在的な将来の求職者予備軍も含むすべての個人ユーザ)との一次接点を増やすことができるようになり、より大きな母集団を形成することができるようになる。
【0032】
さらに、本発明について異なる表現を用いて概略を説明する。本発明は、個人ユーザによるクーポン利用時に、クーポン発行者に単に料金を割り引かせる等させるものではなく、『クーポンにより割り引かせる経済価値』の対価として、クーポン発行者に対して個人ユーザに『ポイント』を支払わせクーポン利用(消費)させるものである。また本発明は、個人ユーザが『ポイント』を取得する(稼ぐ)ための手段をクーポン情報サイト内(同一サイト内)ではなく求人情報サイト(別サイト)側に設け、クーポン情報サイトと求人情報サイトとをポイント、及び個人ユーザを介して経済的に一体運用しているところに特徴がある。さらに個人ユーザのクーポン利用に伴いクーポン発行者が取得した『ポイント』は、クーポン発行者にとっての経済価値を高める手段として、一覧表示時の表示順位の算出根拠に用いられる。結果、本発明により、対価を必要としない『負荷ゼロ』の無償クーポン情報サイトが出来上がり、併せて求人情報サイトの利用(検索・閲覧・お気に入り登録・応募行為等)をクーポン情報サイト利用者(クーポン発行者、及びクーポンを利用する個人ユーザ)に強度に促す環境が提供される。
【0033】
なお、本発明を用いた募集情報等提供事業としての求人情報サイトのキャッシュポイントは、事業ユーザによる求人が求人情報サイトに掲載されてから掲載終了までの間に複数パターン生じ得る。例えば本発明を用いた情報サイトを運営する募集情報等提供事業者は、『応募課金型』を選択し得る。選択された課金手段によってシステム外部からシステム内部に流入する売り上げとしての経済価値を、本発明により、複数のユーザ間で効率的に循環させることもできるようになる。さらに、募集情報等提供事業に有料職業紹介事業を付加してキャッシュポイントを追加してもよい。この場合、有料職業紹介事業としてクライアント各社から『成功報酬型(成功課金型)』として受理した求人は、求職者の応募先を有料職業紹介事業者に設定したうえで職業紹介案件として求人情報サイトに掲載するとよい。こうすることで、事業ユーザは、『応募課金型』としての対価の支払いを受け入れ、求人を自らで求人情報サイトに掲載してもよく、『成功報酬型(成功課金型)』としての対価の支払いを受け入れ、求人手続き一式を有料職業紹介事業者に外注してもよく、このようなキャッシュポイントの増加は、システム外部から流入する経済価値を増加させる効果を奏し、システム内部で循環する経済価値を増加させる効果を奏する。
【0034】
なお、広域的(例えば日本全国)に本発明を用いたプラットフォームを展開する場合は、運営者は募集情報等提供事業者としてプラットフォームを構築し、フランチャイザーとなって各地(例えばハローワーク単位)の有料職業紹介事業者をフランチャイジーとしてプラットフォームに加盟させるとよい。こうすることで、運営者は加盟店が取得する人材紹介手数料の一部をロイヤリティーとして取得することができるようになり、運営者が『応募課金型』の募集情報等提供事業者として事業ユーザから取得する売り上げのすべて(又は大半)を、クーポンを発行し個人ユーザに利用されポイントを獲得した事業ユーザに効果的に還元(配分)できるようになる。すなわち、クーポン発行コストがゼロではなく、マイナスになり(クーポンを発行すればするほど売り上げが増え)、クーポン情報サイト側の経済価値の循環量が増加し、これに伴い求人情報サイトの利用量(Page view)も増加し、フランチャイジーである有料職業紹介事業者への相談件数、及び有料職業紹介事業者が取得する紹介手数料も増加し、フランチャイザーである運営者が取得するロイヤリティーも増加し、すべてがシナジーをもった好循環が生じ得る。
【0035】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。(なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0036】
図1は、本発明の一実施形態に係る経済価値循環システム1の概要を説明するための図である。
【0037】
経済価値循環システム1は、例えば、インターネット等の通信ネットワークNを介して互いに情報を送受信可能に接続されたサーバ10と、ユーザ端末20と、ユーザ端末30とを含んで構成される。サーバ10は例えばシステム管理者が、ユーザ端末20は例えば事業ユーザが、ユーザ端末30は例えば個人ユーザが、それぞれ利用する情報処理装置である。
【0038】
ユーザ端末20は、例えば、事業ユーザの操作に基づき、求人をサーバ10の求人データベースに記憶させる。このときサーバ10は、例えば、ユーザ端末20を操作して求人をサーバ10の求人データベースに記憶させた事業ユーザアカウントに対して直ちに課金することなく、直ちに(早急に)ユーザ端末30に表示可能な処理を行う。なおユーザ端末30により、サーバ10の求人データベースに記憶された求人への応募処理が実行された場合、サーバ10は、当該応募処理が実行された求人に紐づけられた事業ユーザアカウントに対する課金処理を行う。このときサーバ10は、例えば、『応募課金型募集情報等提供事業』として、<ユーザ端末30による応募処理1回あたり、応募対象となる事業ユーザアカウントに対して10,000円を課金する>等の課金処理を行うとよい。
【0039】
ユーザ端末20は、例えば、事業ユーザの操作に基づき、対価として必要な数量、又は率で表す数量を設定したクーポンをサーバ10のクーポンデータベースに記憶させる。このときサーバ10は、例えば、ユーザ端末20を操作してクーポンをサーバ10のクーポンデータベースに記憶させた事業ユーザアカウントに対して課金せず、直ちに(早急に)ユーザ端末30に表示可能な処理を行う。なおユーザ端末30により、サーバ10のクーポンデータベースに記憶されたクーポンが利用された場合、サーバ10は、例えば、当該利用されたクーポンに紐づけられた事業ユーザアカウントに対する課金処理を行わなくてよい。
【0040】
サーバ10は、例えば、価値交換媒体としての機能を有するポイントを、ユーザ端末30による求人情報サイト利用動作(閲覧・検索・お気に入り登録・応募等)に基づき生成し、生成したポイントを、ユーザ端末30を操作する個人ユーザアカウント(サインインしているアカウント)に紐づけて発行(ポイント管理台帳に加算記録)する。
【0041】
経済価値循環システム1においては、例えば、個人ユーザはユーザ端末30を用いて保有するポイントを対価に事業ユーザアカウントに紐づけられるクーポンを利用することができる。このときサーバ10は、例えば、ユーザ端末30によるクーポン利用動作に基づき、個人ユーザアカウントに紐づけられるポイントから、クーポン利用対価として設定された数量のポイントを、利用したクーポンに紐づけられた事業ユーザアカウントに移転させる処理(ポイント管理台帳に、個人ユーザアカウント側は減算記録、及び事業ユーザアカウント側は加算記録)を行う。
【0042】
サーバ10は、例えば、ポイント管理台帳を参照し、保有期間(1つのユーザアカウントに紐づけられた保有期間)が所定期間に達したポイントを消滅(消却)させる。ここで所定期間とは、あらかじめシステム管理者によってサーバ10に記憶された「30日」等の設定値である。
【0043】
サーバ10は、例えば、ユーザ端末30によるクーポンデータベースの一覧参照要求に対して、ユーザ端末30のディスプレイに一覧表示させるクーポンの順位を制御する。このときサーバ10は、ポイント管理台帳を参照して、一覧参照要求の対象となるクーポンに紐づけられた事業ユーザアカウントの保有するポイント数量(ユーザ端末30によるクーポン利用の対価として取得したポイント数量。保有期間が所定期間に達し消滅したポイントは対象外)が多い順に、ユーザ端末30のディスプレイに一覧表示させる。
【0044】
サーバ10は、例えば、ユーザ端末30による事業ユーザアカウントの属性に関する一覧参照要求に対して、ユーザ端末30のディスプレイに一覧表示させる事業ユーザアカウントの順位を制御する。このときサーバ10は、ポイント管理台帳を参照して、一覧参照要求の対象となる事業ユーザアカウントの保有するポイント数量(ユーザ端末30によるクーポン利用の対価として取得した、事業ユーザアカウントに紐づけられたポイント数量。保有期間が所定期間に達し消滅したポイントは対象外)が多い順に、ユーザ端末30のディスプレイに一覧表示させる。
【0045】
サーバ10は、例えば、1か月等の所定期間ごと(具体的には、例えば、毎月1日00:00)にポイント管理台帳を参照して、所定期間(具体的には、例えば、前月1日00:00から現在(1日00:00)まで)の、所定地域(具体的には、例えば、愛媛県四国中央市)に属する事業ユーザアカウントに紐づけられたポイントの消滅数量の総数に対する、当該所定地域に属する各事業ユーザアカウントのポイント消滅数量の割合を算出する。
【0046】
続けてサーバ10は、例えば、サーバ10によるポイント消滅数量の割合を算出する根拠となった、消滅したポイントを事業ユーザアカウントが取得した期間である<「消滅数量をカウントする所定期間+消滅に至る保有期間である所定期間」前(具体的には、例えば、2か月前)>から<「消滅数量をカウントする所定期間」前(具体的には、例えば、1か月前)>の、当該所定地域に属する事業ユーザアカウントに対する課金総額(具体的には、例えば、ユーザ端末30による当該所定地域に属する事業ユーザアカウントに紐づけられた求人への応募処理に伴う課金総額)を算出する。
【0047】
続けてサーバ10は、例えば、所定地域毎に算出された課金総額に、当該所定地域において事業ユーザアカウント毎に算出されたポイント消滅数量の割合を乗じた金額を算出し、算出された金額をサーバ10の売上還元通帳に記録する。なおサーバ10は、例えば、売上還元通帳に算出された金額を記録する処理を行う直前に、あらかじめシステム管理者によって設定された係数(具体的には、例えば、「0.5」)を、算出された「所定地域毎に算出された課金総額に、当該所定地域において事業ユーザアカウント毎に算出されたポイント消滅数量の割合を乗じた金額」に乗じて、係数を乗じた金額を売上還元通帳に記録してもよい。
【0048】
サーバ10は、例えば、ユーザ端末20による最新(直近)の売上還元金額の参照要求に対して、売上還元通帳に記録された最新(直近)の金額をユーザ端末20のディスプレイに表示させてもよい。またサーバ10は、例えば、ユーザ端末20による次回の売上還元予測金額の参照要求に対して、所定の計算式を用いた次回の売上還元予測金額をユーザ端末20のディスプレイに表示させてもよい。なおサーバ10は、例えば、所定の計算式を用いた次回の売上還元予測金額をユーザ端末20のディスプレイに表示させる処理を行う直前に、あらかじめシステム管理者によって設定された係数(具体的には、例えば、「0.5」)を、所定の計算式を用いた次回の売上還元予測金額に乗じて、係数を乗じた金額をユーザ端末20のディスプレイに表示させてもよい。
※[0047]と[0048]に『係数』の説明が記載されているが、例えば、これらの『係数』は同一であるとよい。
【0049】
ここで所定の計算式について、サーバ10は、例えば、前回(直近)のポイント消滅数量のカウント期間中に、所定地域(具体的には、例えば、愛媛県四国中央市)に属する事業ユーザアカウントが個人ユーザアカウントから新たに獲得した(所定地域に属する事業ユーザアカウントに新たに紐づけられた)ポイントの総数に対する、当該所定地域に属する各事業ユーザアカウントのポイント獲得数量の割合を算出する。続けてサーバ10は、例えば、前回(直近)の売上還元金額の根拠となった、所定地域(具体的には、例えば、愛媛県四国中央市)に属する事業ユーザアカウントに対する課金総額の算出期間の次の期間(具体的には、例えば、「前月」)の、当該所定地域に属する事業ユーザアカウントに対する課金総額に、当該所定地域に属する各事業ユーザアカウントのポイント獲得数量の割合を乗じて次回の売上還元予測金額を算出する。こうすることで、ユーザ端末20には、例えば、前回の売上還元金額と次回の売上還元予測金額とが表示されるようになり、事業ユーザのクーポン発行意欲がさらに高まる。
【0050】
所定地域における過去所定期間(例えば過去1ヶ月間)の個人ユーザアカウントに紐づけられたクーポンの対価としてのポイントの消費傾向から利用されやすく効果的なクーポンのタイプを算出し、クーポンを発行しようとする事業ユーザアカウントに紐づけられた情報処理装置のディスプレイに効果的なクーポンのタイプを表示してもよい。
【0051】
サーバ10は、例えば、ユーザ端末20を操作する事業ユーザが発行しようとするクーポンのタイプを選択するとき(ユーザ端末20のディスプレイに、事業ユーザが発行しようとするクーポンのタイプを選択させるラジオボタン等を表示するとき)、所定の計算式を用いて、ユーザ端末20のディスプレイに個人ユーザに利用されやすい効果的なクーポンのタイプを表示(具体的には、例えば、ランキング表示、グラフ表示、又はおすすめ表示)してもよい。ここで所定の計算式について、例えば、サーバ10には、記憶領域に記憶される各種のデータテーブル(具体的には、例えば、ポイント管理台帳やクーポンテーブル)に記録されるデータを参照させ、ユーザ端末20に紐づけられる事業ユーザアカウントの属する地域における過去所定期間(具体的には、例えば、「30日」)のデータを抽出させ、当該地域に属する個人ユーザアカウントに紐づけられた、クーポンの対価としてのポイントの消費傾向(具体的には、例えば、「愛媛県四国中央市の同一サービスカテゴリ(具体的には、例えば、「居酒屋」)における過去30日間の利用回数、利用率、及び利用額(クーポン利用対価として支払ったポイント数量)に基づくクーポンタイプの点数付け」)に基づく利用されやすく効果的なクーポンのタイプを導出させるよう、あらかじめシステム管理者による計算式を設定、又は機械学習機能を設けるとよい。
【0052】
サーバ10は、例えば、ユーザ端末30に紐づかれる個人ユーザアカウントによって記憶領域に記憶される求人データベースが参照され、ユーザ端末30のディスプレイに参照データが表示されたとき(具体的には、例えば、「検索・閲覧・お気に入り登録・応募」を想定)、ポイント管理台帳に新規に当該ユーザアカウントに紐づけて所定数量のポイントを記録(新規発行)する。ここで所定数量について、サーバ10には、ユーザ端末30による種々の行為に対して個人ユーザアカウントに紐づいて発行されるポイント数量を、あらかじめ記憶(具体的には、例えば、システム管理者が設定)しておくとよい。
【0053】
図2は、本発明の一実施形態に係るユーザ管理画面を説明するための図である。
【0054】
事業ユーザは、例えば、ユーザ端末20にインストールされたアプリケーションソフトウェア、又はウェブブラウザを介して、自身のユーザアカウントに紐付けられたポイント、求人、クーポン、及びメッセージを管理することができ、個人ユーザは、例えば、ユーザ端末30にインストールされたアプリケーションソフトウェア、又はウェブブラウザを介して、自身のユーザアカウントに紐付けられたポイント、求人、及びクーポンに関する情報、並びにメッセージを管理することができる。また事業ユーザは、例えば、ユーザ端末20にインストールされたアプリケーションソフトウェア、又はウェブブラウザを介して、自身のユーザアカウントに紐付けられた、クーポン発行(及びクーポン価値の増加)のインセンティブである売上還元金額を参照できるようにしてもよい。
【0055】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。また、本発明の各種の機能部の処理ステップは、上述した実施形態の態様に限られるものではなく、様々な組み合わせによって本発明の効果を発揮することが可能である。また、例えば、当業者によって従来から知られた技術を機能部の一部に含めることによって、上述した実施形態で例示した各処理ステップに修正を加えて本発明の効果を発揮してもよい。また、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。また、各処理ステップ間に他のステップを追加してもよい。また、各処理ステップから任意のステップを除外して実行してもよい。また、1ステップとして記載されているステップを、複数ステップに分けて実行してもよいし、複数ステップに分けて記載されているものを、1ステップとして把握することもできる。
図1
図2