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特開2024-80530容器ホルダのホルダ本体の製造方法、及び成形型
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080530
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】容器ホルダのホルダ本体の製造方法、及び成形型
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/44 20060101AFI20240606BHJP
   B29C 61/02 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
B29C33/44
B29C61/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193809
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】000238005
【氏名又は名称】株式会社フジシールインターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】西田 隼也
(72)【発明者】
【氏名】楫 大輝
【テーマコード(参考)】
4F202
4F210
【Fターム(参考)】
4F202AA24
4F202AH55
4F202CA17
4F202CB01
4F202CK42
4F202CK53
4F202CK82
4F202CM90
4F210AH55
4F210QG02
4F210RA01
(57)【要約】
【課題】筒状のホルダ本体を成形型から容易に離型すること。
【解決手段】ホルダ本体(22)を成形した後に、複数の分割型(34)のうちの少なくとも2つの分割型(34)間の距離が小さくなるように、複数の分割型(34)のうちの少なくとも1つの分割型(34)を変位させて、ホルダ本体(22)を成形型(32)から離型する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱収縮性の筒状体を用いて容器ホルダのホルダ本体を製造する方法であって、
前記ホルダ本体の内表面に対応した成形面を有し、かつ少なくとも一部分が、放射状又は半割状に分割された複数の分割型により構成された成形型に、前記筒状体をセットするセット工程と、
前記セット工程の後に、前記筒状体を前記成形型の前記成形面に沿うように熱収縮させて前記ホルダ本体を成形する成形工程と、
前記成形工程の後に、前記複数の分割型のうちの少なくとも2つの分割型間の距離が小さくなるように、前記複数の分割型のうちの少なくとも1つの分割型を変位させて、前記ホルダ本体を前記成形型から離型する離型工程と、を含む、容器ホルダのホルダ本体の製造方法。
【請求項2】
前記成形型は、その第1端部側に第1フランジ部を有しており、
前記セット工程では、前記筒状体の一方の端部が前記第1フランジ部に当接するように、前記筒状体を前記成形型にセットする、請求項1に記載の容器ホルダのホルダ本体の製造方法。
【請求項3】
前記成形工程の前に、前記複数の分割型間に係合するように前記成形型に治具を装着すると共に、前記成形工程の後に、前記成形型から前記治具を離脱させる治具着脱工程を更に含む、請求項1又は2に記載の容器ホルダのホルダ本体の製造方法。
【請求項4】
前記複数の分割型は、それぞれ、当該分割型の第2端部側に第2フランジ部を有しており、
前記成形工程では、前記筒状体の他方の端部を前記第2フランジ部に沿うように熱収縮させる、請求項1又は2に記載の容器ホルダのホルダ本体の製造方法。
【請求項5】
熱収縮性の筒状体を用いて容器ホルダのホルダ本体を成形するための成形型であって、
前記ホルダ本体の内表面に対応した成形面を有し、少なくとも一部分が、放射状又は半割状に分割された複数の分割型により構成され、前記複数の分割型のうちの少なくとも2つの分割型間の距離が小さくなるように、前記複数の分割型のうちの少なくとも1つの分割型を変位できるように構成されている、成形型。
【請求項6】
第1端部側に、前記筒状体の一方の端部を当接させるための第1フランジ部を有する、請求項5に記載の成形型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱収縮性の筒状体を用いて容器ホルダのホルダ本体を製造する方法、及び熱収縮性の筒状体を用いて容器ホルダのホルダ本体を成形するための成形型に関する。
【背景技術】
【0002】
パウチ等の軟包材容器の取扱性を高めるために、軟包材容器を保持する容器ホルダを用いることがある(特許文献1参照)。特許文献1に記載の容器ホルダは、射出成形によって成形された成形品である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-47928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の容器ホルダは射出成形によって成形されているため、容器ホルダの製造に用いる合成樹脂(プラスチック)の使用量が多くなる。それゆえ、容器ホルダの製造に用いる合成樹脂の使用量を減らすために、熱収縮性の筒状体を用いて容器ホルダのホルダ本体を成形することが検討されている。一方、熱収縮性の筒状体を成形型の成形面に沿うように熱収縮させて筒状のホルダ本体を成形した後に、ホルダ本体を成形型から離型することが困難な場合がある。
【0005】
そこで、本開示の一態様は、筒状のホルダ本体を成形型から容易に離型することができる、容器ホルダのホルダ本体の製造方法及び成形型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するため、本開示の一態様に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法は、熱収縮性の筒状体を用いて容器ホルダのホルダ本体を製造する方法であって、前記ホルダ本体の内表面に対応した成形面を有しかつ少なくとも一部分が、放射状又は半割状に分割された複数の分割型により構成された成形型に、前記筒状体をセットするセット工程と、前記セット工程の後に、前記筒状体を前記成形型の前記成形面に沿うように熱収縮させて前記ホルダ本体を成形する成形工程と、前記成形工程の後に、前記複数の分割型のうちの少なくとも2つの分割型間の距離が小さくなるように、前記複数の分割型のうちの少なくとも1つの分割型を変位させて、前記ホルダ本体を前記成形型から離型する離型工程と、を含む。
【0007】
また、前述の課題を解決するため、本開示の一態様に係る成形型は、熱収縮性の筒状体を用いて容器ホルダのホルダ本体を成形するための成形型であって、前記ホルダ本体の内表面に対応した成形面を有し、少なくとも一部分が放射状又は半割状に分割された複数の分割型により構成され、前記複数の分割型のうちの少なくとも2つの分割型間の距離が小さくなるように、前記複数の分割型のうちの少なくとも1つの分割型を変位できるように構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、筒状のホルダ本体を成形型から容易に離型することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1に係る容器ホルダがパウチを保持した状態を示す模式図である。
図2】実施形態1に係る容器ホルダを示す模式図である。
図3】実施形態1に係る容器ホルダの天板を説明する模式図である。
図4】実施形態1に係る成形型を示す模式図である。
図5】実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法におけるセット工程及び治具着脱工程の装着工程を説明する模式図である。
図6】実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法における成形工程を説明する模式図である。
図7】実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法における離型工程及び治具着脱工程の離脱工程を説明する模式図である。
図8】実施形態2に係る容器ホルダがパウチを保持した状態を示す模式図である。
図9】実施形態2に係る容器ホルダを示す模式図である。
図10】実施形態2に係る成形型を示す模式図である。
図11】実施形態2に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法におけるセット工程及び治具着脱工程の装着工程を説明する模式図である。
図12】実施形態2に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法における成形工程を説明する模式図である。
図13】実施形態2に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法における離型工程及び治具着脱工程の離脱工程を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、明細書において、「下限値XXX~上限値YYY」で表される数値範囲は、下限値XXX以上、上限値YYY以下を意味する。
【0011】
〔実施形態1〕
図1から図4を参照して、実施形態1に係る容器ホルダ10及びパウチ12について説明する。図1の110は、実施形態1に係る容器ホルダ10がパウチ12を保持した状態を示す模式的な平面図である。図1の120は、実施形態1に係る容器ホルダ10がパウチ12を保持した状態を示す模式的な縦断面図である。図2の210は、実施形態1に係る容器ホルダ10の模式的な平面図である。図2の220は、実施形態1に係る容器ホルダ10の模式的な縦断面図である。図3の310は、実施形態1に係る容器ホルダ10の天板26の模式的な斜視図である。図3の320は、実施形態1に係る容器ホルダ10の天板26の模式的な平面図である。図4の410は、実施形態1に係る成形型32の模式的な平面図である。図4の420は、実施形態1に係る成形型32の模式的な縦断面図である。
【0012】
(容器ホルダ10、パウチ12)
図1の110と120に示すように、実施形態1に係る容器ホルダ10は、内容物を収容する軟包材容器の一例としてのパウチ12を保持する。容器ホルダ10は、パウチ12に装着される容器カバーとしての機能を有する。容器ホルダ10の構成について説明する前に、パウチ12の構成について簡単に説明する。
【0013】
パウチ12は、内容物の収容(充填)によって自立可能になっている。パウチ12に収容される内容物は、特に限定するものではないが、シャンプー、リンス、液体石鹸、液体洗剤、食用油、液体調味料、流動性食品等の液状物、粉粒体等の固形物、ゼリー状、ゲル状の半固形物が含まれる。
【0014】
(パウチ本体14)
図1の120及び図2の220に示すように、パウチ12は、容器本体としてのパウチ本体14を備えており、パウチ本体14は、前面シート14aと、前面シート14aに対向する後面シート14bとを有している。前面シート14aの幅方向の一端部と後面シート14bの幅方向の一端部は、ヒートシールによって接合されている。前面シート14aの幅方向の他端部と後面シート14bの幅方向の他端部は、ヒートシールによって接合されている。また、パウチ本体14は、前面シート14aの下端部と後面シート14bの下端部との間に襠を形成するようにヒートシールによって接合された底面シート14cを有している。パウチ本体14は、前面シート14aの上端部と後面シート14bの上端部との間に襠を形成するようにヒートシールによって接合された天面シート14dを有している。
【0015】
図1の120及び図2の220に示すように、前面シート14a、後面シート14b、底面シート14c、及び天面シート14dは、それぞれ、樹脂フィルムから構成されている。前面シート14a、後面シート14b、底面シート14c、及び天面シート14dは、それぞれ、ベースフィルム層と、ヒートシール性を持ったシーラント層とを有する複層シートであってもよい。ベースフィルム層とシーラント層との間には、ガスバリア層、補強層、遮光層等を設けてもよい。なお、パウチ12は、天面シート14dを省略した所謂スタンディングパウチでもよく、天面シート14dや底面シート14cに襠が無く、側面に襠を設けた所謂サイドガゼットパウチでもよい。
【0016】
(注出部16)
図1の120に示すように、パウチ本体14の天面シート14dの中央部には、内容物を注出するための注出部16が設けられている。注出部16は、パウチ本体14の天面シート14dの中央部に接合したスパウト18を有しており、スパウト18は、パウチ本体14の内部に連通している。前記スタンディングパウチや前記サイドガゼットパウチの場合には、スパウト18は、前面シート14aの上部と後面シート14bの上部との間に接合される。スパウト18は、ポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂からなる。注出部16は、スパウト18に螺合して設けられたキャップ20を有しており、キャップ20は、スパウト18の開口を塞ぐ。キャップ20は、スパウト18と同様に、合成樹脂からなる。キャップ20は、ヒンジ型のキャップであってもよく、ポンプディスペンサを有していてもよい。
【0017】
続いて、実施形態1に係る容器ホルダ10の構成について説明する。
【0018】
(ホルダ本体22)
図1の120、及び図2の210と220に示すように、容器ホルダ10は、パウチ12を保持するものである。容器ホルダ10は、上下方向(軸方向)に延びた筒状のホルダ本体22を備えており、ホルダ本体22は、熱収縮性の筒状体24(図5参照)から成形される成形品である。筒状体24は、内層としての筒状のシート部材24Aと、筒状のシート部材24Aの外側に配置された外層としての筒状のシュリンク部材24Bとから構成されている(図5の520参照)。シュリンク部材24Bは、熱収縮性を有している。シート部材24Aは、シュリンク部材24Bの熱収縮力によって所望の形状に変形するものであってもよい。シート部材24Aは、例えば、合成樹脂、紙、合成紙又はそれらの積層体であり、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。ホルダ本体22の上縁部は、ホルダ本体22の第1端部であり、ホルダ本体22の下縁部は、ホルダ本体22の第2端部である。
【0019】
ホルダ本体22は、上下方向に延びた周壁部22pと、周壁部22pの下縁部側に形成されかつ載置面に載置する環状の底面部22bとを有している。ホルダ本体22は、その内側に、パウチ12を収納するための収納空間22sを有している。ホルダ本体22の周壁部22pは、くびれ形状になっており、上方向に向かって拡径する順テーパ部22psと、下方向に向かって拡径する逆テーパ部22prとを有している。ホルダ本体22の周壁部22pは、全体的にくびれ形状になっているが、部分的にくびれ形状になっていてもよい。ホルダ本体22の平面視形状は、円形状であるが、四角形状等の多角形状又は長円形状であってもよい。
【0020】
(筒状体24)
筒状体24のシート部材24Aの厚みは、特に限定するものではないが、例えば、100μm~500μm、好ましくは、200μm~400μmである。筒状体24のシュリンク部材24Bの厚みは、特に限定するものではないが、例えば、10μm~120μm、好ましくは、12μm~60μmである。筒状体24は、その周方向の一部に、軸方向に沿った接合部を有してもよい。
【0021】
筒状体24の内表面又は内表面に、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、又はスクリーン印刷等の印刷を施してもよい。筒状体24の内表面又は外表面に印刷を施すことにより、パウチ12の前面シート14a又は後面シート14bに直接印刷を施す場合と比較して、容器ホルダ10に保持されたパウチ12の加飾性(デザイン性)を向上させることができる。
【0022】
(筒状体24のシュリンク部材24B)
図2の220に示すように、筒状体24のシュリンク部材24Bは、少なくとも第1方向に熱収縮するフィルム部材である。第1方向とは、筒状体24の面内における1つの方向のことである。例えば、第1方向とは、筒状体24の周方向のことである。熱収縮性のフィルム部材とは、室温下(例えば、23℃)では収縮しないが、熱収縮温度(例えば、80℃~100℃)に加熱されると少なくとも第1方向において収縮する性質を有するフィルム部材のことをいう。温度90℃の熱水に10秒間浸漬して測定したフィルム部材の第1方向の熱収縮率は、例えば、15%~90%であり、好ましくは30%~85%である。また、同条件で測定したフィルム部材の第1方向に直交する方向(高さ方向)の熱収縮率は、例えば、-5%~20%であり、好ましくは-1%~10%である。
【0023】
筒状体24のシュリンク部材24Bは、前述の熱的性質を有することを条件として、様々なフィルムを用いることができる。シュリンク部材24Bとして、例えば、一軸延伸又は二軸延伸された合成樹脂フィルム又は発泡合成樹脂製フィルムを使用することができる。特に、前述の熱収縮率を有する実質的に一軸延伸された合成樹脂フィルムが好ましい。また、筒状体24のシュリンク部材24Bは、単層の合成樹脂フィルム又は複層の合成樹脂フィルムであってよい。単層の合成樹脂フィルムとは、単一の合成樹脂層からなるフィルムのことであり、複層の合成樹脂フィルムとは、2つ以上の合成樹脂層が積層された積層フィルムのことである。また、筒状体24のシュリンク部材24Bとして、熱収縮性の合成樹脂製フィルムに不織布等の他のフィルムやシートを積層した積層フィルムを用いてもよい。積層フィルムは、全体として熱収縮性を有することを条件として、実質的に熱収縮性を有さないフィルムと熱収縮性を有するフィルムとの積層物であってもよいが、積層する場合は熱収縮性を有する複数のフィルムとの積層物であることが好ましい。
【0024】
合成樹脂フィルム又は合成樹脂層を構成する合成樹脂は、特に限定するものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート,ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン,ポリプロピレン,環状オレフィン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン,スチレン-ブタジエン共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂等から選ばれる1種の樹脂、又は2種以上の混合物等が挙げられる。特に、剛性を有し収縮率も得やすいポリエチレンテレフタレートを主成分としたものが好ましい。発泡樹脂フィルムとしては、前記合成樹脂に各種発泡剤を用いて化学発泡や炭酸ガス等を用いた物理発泡を行ったものが挙げられる。
【0025】
(天板26)
図2の210と220及び図3の310と320に示すように、容器ホルダ10は、ホルダ本体22の第1端部側に設けられた略環状の天板26を備えている。天板26は、半割状に分割された2つの分割天板28を有しており、各分割天板28は、略半環状に形成されている。各分割天板28は、射出成形によって成形される成形品であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン等の合成樹脂により構成されている。2つの分割天板28の基端部同士は、連結部材30によって連結されている。連結部材30は、例えば、板バネ等の弾性体により構成されており、2つの分割天板28の先端部同士を離反するように付勢する。
【0026】
天板26は、2つの分割天板28の先端部同士を連結部材30の付勢力に抗して接近させた状態で、ホルダ本体22の第1端部側に装着される。各分割天板28は、ホルダ本体22の第1端部側の開口部内に挿入される挿入部28aを有している。また、2つの分割天板28は、パウチ12の注出部16(図1の120参照)を挟持可能である。天板26は、2つの分割天板28の挟持によってパウチ12の注出部16に係止可能である。各分割天板28は、ホルダ本体22の第1端部側に超音波溶着等の溶着又は接着によって接合されてもよい。なお、天板26の形状は、略環状に限るのでなく、例えば、C字状又はU字状等の適宜の形状に変更してもよい。
【0027】
図4及び図5を参照して、実施形態1に係る成形型32等について説明する。図4の410は、実施形態1に係る成形型の模式的な平面図である。図4の420は、実施形態1に係る成形型の模式的な縦断面図である。図5の510は、図5の520を上から見た図である。図5の520は、熱収縮性の筒状体を成形型にセットしかつ治具を成形型の頂部に装着した状態を示す模式的な縦断面図である。
【0028】
(成形型32、第1フランジ部32f)
図4の410と420に示すように、実施形態1に係る成形型32は、熱収縮性の筒状体24を用いて容器ホルダ10のホルダ本体22を成形するための成形型である。成形型32は、ホルダ本体22の内表面に対応した成形面32mを有しており、例えば合成樹脂、金属、セラミックからなる。成形型32の裾側は、成形型32の第1端部側であり、成形型32の肩側は、成形型32の第2端部側である。
【0029】
成形型32は、その裾側である第1端部側に、筒状体24の一方の端部を当接させるための環状の第1フランジ部32fを有しており、第1フランジ部32fは、径方向外側に突出している。第1フランジ部32fは、連続した環状であるが、不連続な環状であってもよい。成形型32の平面視形状(平面視したときの輪郭形状)は、ホルダ本体22の平面視形状に対応して円形状である。ホルダ本体22の平面形状を四角形状等の多角形状又は長円形状に変更した場合には、成形型32の平面視形状をその変更に対応して多角形状又は長円形状にする。
【0030】
(分割型34)
図4の410と420に示すように、成形型32の一部分である、成形型32のうち第1フランジ部32fを除く部位は、複数の縦溝32gによって放射状に分割された複数の分割型34により構成されている。各分割型34の外側面は、成形型32の成形面32mの一部を構成する。また、成形型32は、複数の分割型34のうちの少なくとも2つの分割型34間の距離が小さくなるように、複数の分割型34のうちの少なくとも1つの分割型34を成形型32の軸心に向かう方向へ変位できるように構成されている。具体的には、成形型32は、複数の分割型34を弾性変形によって成形型32の軸心に向かう方向(径方向内側)へ変位できるように構成されている。
【0031】
実施形態1においては、複数の分割型34の数は、4つであるが、2つ、3つ、5つ以上であってもよい。複数の分割型34の数が2つの場合には、成形型32のうち第1フランジ部32fを除く部位は、半割状に分割された2つの分割型34に構成されることになる。また、複数の縦溝32gの軸方向の長さを短くして、成形型32の上側部分(例えば上半分)のみが複数の分割型34により構成されてもよい。また、複数の分割型34が互いに対応関係にある成形面32mの一部を有していれば、複数の分割型34の形状は同一でなくてもよい。
【0032】
(治具36)
図5の510と520に示すように、実施形態1に係る治具36は、ホルダ本体22を製造するために用いられるものである。治具36は、成形型32の頂部側において複数の分割型34間に係合する複数の係合爪38を有している。治具36は、その上面の中央部に、摘み部40を有している。なお、治具36は、成形型32と共に、成形ユニットの一部を構成する。
【0033】
続いて、図5から図7を参照して、実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法について説明する。図5は、実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法におけるセット工程及び治具着脱工程の装着工程を説明する模式図である。図5の510は、図5の520を上から見た図である。図5の520は、熱収縮性の筒状体を成形型にセットし、かつ治具を成形型の頂部に装着した状態を示す模式的な縦断面図である。図6は、実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法における成形工程を説明する模式図である。図6の610は、図6の620を上から見た図である。図6の620は、筒状体を熱収縮させた状態を示す模式的な縦断面図である。図7は、実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法における離型工程及び治具着脱工程の離脱工程を説明する模式図である。図7の710は、図7の720を上から見た図である。図7の720は、ホルダ本体を成形型から離型する途中の状態を示す模式的な縦断面図である。
【0034】
(容器ホルダのホルダ本体の製造方法の概要)
図5から図7に示すように、実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法は、容器ホルダ10のホルダ本体22を製造するための方法である。実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法は、セット工程と、成形工程と、治具着脱工程と、離型工程とを含む。治具着脱工程は、装着工程と、離脱工程とからなる。そして、実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法における各工程の具体的な内容は、次の通りである。
【0035】
(セット工程)
図5の510と520に示すように、熱収縮性の筒状体24が成形型32の成形面32mを囲むと共に、筒状体24の一方の端部が成形型32の第1フランジ部32fに当接するように、筒状体24を成形型32にセットする。筒状体24を成形型32にセットしたときに、筒状体24のシート部材24Aの他方の端部は、成形型32の頂部と同じ高さに位置している。筒状体24のシュリンク部材24Bの他方の端部は、成形型32の頂部に対して上方向に突出している。
【0036】
(治具着脱工程の装着工程)
図5の510と520に示すように、成形工程の前に、複数の係合爪38がそれぞれ隣接する分割型34同士間に係合するように、成形型32の頂部に治具36を装着する。これにより、成形工程中に、複数の分割型34を成形型32の軸心に向かう方向へ変位不能にすることができる。
【0037】
(成形工程)
図6の610と620に示すように、セット工程の後に、適宜の加熱手法によって筒状体24を加熱する。すると、筒状体24を成形型32の成形面32mに沿うように熱収縮させて、ホルダ本体22を成形することができる。このとき、筒状体24のシュリンク部材24Bによってホルダ本体22の底面部22bが形成される。加熱手法としては、例えば、熱風、スチーム、過熱水蒸気、赤外線等の輻射熱、又は特定波長のLED照射等を用いた手法が挙げられる。
【0038】
ここで、成形工程中に、シュリンク部材24Bを含む筒状体24は、周方向に収縮する。そのため、成形工程中に、筒状体24の一部が周方向に隣接する分割型34間の縦溝32gに入り込むことがなく、ホルダ本体22を安定的に成形することができる。
【0039】
(治具着脱工程の離脱工程)
図7の710と720に示すように、成形工程の後に、複数の係合爪38の係合状態を解除して、治具36を成形型32の頂部から離脱させる。これにより、複数の分割型34を成形型32の軸心に向かう方向へ変位可能にすることができる。
【0040】
(離型工程)
図7の710と720に示すように、治具着脱工程の離脱工程の後に、複数の分割型34のうちの少なくとも2つの分割型34間の距離が小さくなるように、複数の分割型34のうちの少なくとも1つの分割型34を変位させる。具体的には、例えば、成形型32の外側(径方向外側)からの外力によって複数の分割型34を成形型32の軸心に向かう方向へ変位させて、成形型32の少なくとも一部を収縮させる。そして、成形型32の一部を収縮させた状態で、ホルダ本体22を成形型32から離型する。
【0041】
第1フランジ部32fを含む成形型32全体が放射状に分割された複数の分割型(不図示)により構成されてもよい。この場合には、成形型32を構成する複数の分割型は、完全に分離されており、シリンダ又は電動モータ等のアクチュエータ(不図示)の駆動により拡縮する方向へ同期して移動する。
【0042】
実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法における前述の複数の工程を経ることにより、ホルダ本体22を成形して、成形型32から取り出すことができる。なお、実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法から治具着脱工程を省略してもよい。
【0043】
続いて、実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法の作用効果、及び実施形態1に係る成形型32の作用効果について説明する。
【0044】
(容器ホルダのホルダ本体の製造方法の作用効果)
実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法においては、前述のように、ホルダ本体22を成形型32から離型する前に、複数の分割型34のうちの少なくとも1つを変位させて、少なくとも2つの分割型34間の距離を小さくしている。そのため、実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法によれば、例えば、成形型32の少なくとも一部を細くして、ホルダ本体22を成形型32から容易に離型することができる。
【0045】
特に、成形型32の成形面32m側からエアを噴出させなくても、ホルダ本体22を成形型32から容易に離型することができる。そのため、実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法によれば、エアを供給するエア供給回路を成形型32の構成から省くことができ、成形型32の構成の複雑化を抑えつつ、ホルダ本体22の製造コストを低減することができる。
【0046】
また、実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法においては、前述のように、筒状体24の一方の端部が第1フランジ部32fに当接するように、筒状体24を成形型32にセットする。そのため、実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法によれば、筒状体24を成形型32に対して正確に位置決めして、成形後のホルダ本体22の上縁部側である第1端部側の開口部の形状及び大きさのバラツキを抑えることができる。
【0047】
更に、実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法においては、前述のように、成形工程の前に、複数の係合爪38がそれぞれ隣接する分割型34同士間に係合するように、成形型32の頂部に治具36を装着する。そのため、実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法によれば、ホルダ本体22を成形中に、複数の分割型34が筒状体24の熱収縮に伴って成形型32の軸心に向かう方向へ変位することがなく、容器ホルダの12形状品質を安定させることができる。
【0048】
(成形型32の作用効果)
成形型32の少なくとも一部は、放射状又は半割状に分割された複数の分割型34により構成されている。また、成形型32は、複数の分割型34のうちの少なくとも2つの分割型34間の距離が小さくなるように、複数の分割型34のうちの少なくとも1つの分割型34を変位できるように構成されている。そのため、ホルダ本体22を成形型32から離型する前に、複数の分割型34のうちの少なくとも1つの分割型34を変位させて、少なくとも2つの分割型34間の距離を小さくすることができる。これにより、実施形態1に係る成形型32によれば、成形型32の少なくとも一部を細くして、ホルダ本体22を成形型32から容易に離型することができる。
【0049】
特に、成形型32の成形面32m側からエアを噴出させなくても、ホルダ本体22を成形型32から容易に離型することができる。そのため、実施形態1に係る成形型32によれば、エアを供給するエア供給回路を成形型32の構成から省くことができ、成形型32の構成の複雑化を抑えつつ、ホルダ本体22の製造コストを低減することができる。
【0050】
また、実施形態1に係る成形型32においては、前述のように、成形型32はその第1端部側に第1フランジ部32fを有している。そのため、筒状体24の一方の端部が成形型32の第1フランジ部32fに当接するように、筒状体24を成形型32にセットすることができる。これにより、実施形態1に係る成形型32によれば、筒状体24を成形型32に対して正確に位置決めして、成形後のホルダ本体22の上縁部側である第1端部側の開口部の形状及び大きさのバラツキを抑えることができる。
【0051】
〔実施形態2〕
図8及び図9を参照して、実施形態2に係る容器ホルダ42について説明する。図8の810は、実施形態2に係る容器ホルダ42がパウチ12を保持した状態を示す模式的な平面図である。図8の820は、実施形態2に係る容器ホルダ42がパウチ12を保持した状態を示す模式的な縦断面図である。図9の910は、実施形態2に係る容器ホルダ42の模式的な平面図である。図9の920は、実施形態2に係る容器ホルダ42の模式的な縦断面図である。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0052】
(容器ホルダ42)
図8の810と820に示すように、実施形態2に係る容器ホルダ42は、実施形態1に係る容器ホルダ10(図1参照)と同様に、内容物を収容する軟包材容器の一例としてのパウチ12を保持する。容器ホルダ42は、パウチ12に装着される容器カバーとしての機能を有する。容器ホルダ42は、上下方向(軸方向)に延びた筒状のホルダ本体44を備えており、ホルダ本体44は、実施形態1に係る容器ホルダ10のホルダ本体22(図1参照)と同様に、熱収縮性の筒状体24(図11参照)から成形される成形品である。筒状体24は、内層としての筒状のシート部材24Aと、筒状のシート部材24Aの外側に配置された外層としての筒状のシュリンク部材24Bとから構成されている(図11の1120参照)。ホルダ本体44の上縁部は、ホルダ本体44の第1端部であり、ホルダ本体44の下縁部は、ホルダ本体44の第2端部である。
【0053】
図8の820、及び図9の910と920に示すように、ホルダ本体44は、上下方向に延びた周壁部44pと、周壁部44pの下縁部側に形成されかつ径方向外側に張り出した断面横U字状の張出部44fと、張出部44fに形成された環状の底面部44bとを有している。ホルダ本体44は、その内側に、パウチ12を収納するための収納空間44sを有している。ホルダ本体44の周壁部44pは、軸方向に沿って略同径(略同じ太さ)になっている。ホルダ本体44の平面視形状は、円形状であるが、四角形状等の多角形状又は長円形状であってもよい。
【0054】
また、容器ホルダ42は、容器ホルダ10と同様に、ホルダ本体44の第1端部側に設けられた略環状の天板26を備えている。天板26の各分割天板28は、ホルダ本体44の第1端部側に超音波溶着等の溶着又は接着によって接合されてもよい。
【0055】
図10を参照して、実施形態2に係る成形型46について説明する。図10の1010は、実施形態2に係る成形型の模式的な平面図である。図10の1020は、実施形態2に係る成形型の模式的な縦断面図である。
【0056】
(成形型46)
図10に示すように、実施形態2に係る成形型46は、熱収縮性の筒状体24を用いて容器ホルダ42のホルダ本体44を成形するための成形型である。成形型46は、ホルダ本体44の内表面に対応した成形面46mを有しており、例えば合成樹脂、金属、セラミックからなる。成形型46の裾側は、成形型46の第1端部側であり、成形型46の肩側は、成形型46の第2端部側である。
【0057】
成形型46は、その裾側である第1端部側に、筒状体24の一方の端部を当接させるための環状の第1フランジ部46fを有しており、第1フランジ部46fは、径方向外側に突出している。第1フランジ部46fは、連続した環状であるが、不連続な環状であってもよい。成形型46の平面視形状は、ホルダ本体44の平面視形状に対応して円形状である。ホルダ本体44の平面形状を四角形状等の多角形状又は長円形状に変更した場合には、成形型46の平面視形状をその変更に対応して多角形状又は長円形状にする。
【0058】
(分割型48)
図10の1010と1020に示すように、成形型46の一部分である、成形型46のうち第1フランジ部46fを除く部位は、複数の縦溝46gによって放射状に分割された複数の分割型48により構成されている。各分割型48の外側面は、成形型46の成形面46mの一部を構成する。複数の分割型48は、それぞれ、当該分割型48の第2端部側に円弧状の第2フランジ部48fを有している。また、成形型46は、複数の分割型48のうちの少なくとも2つの分割型48間の距離が小さくなるように、複数の分割型48のうちの少なくとも1つの分割型48を成形型46の軸心に向かう方向へ変位できるように構成されている。具体的には、成形型46は、複数の分割型48を弾性変形によって成形型46の軸心に向かう方向(径方向内側)へ変位できるように構成されている。
【0059】
実施形態2においては、複数の分割型48の数は、4つであるが、2つ、3つ、5つ以上であってもよい。複数の分割型48の数が2つの場合には、成形型46のうち第1フランジ部46fを除く部位は、半割状に分割された2つの分割型48に構成されることになる。また、複数の縦溝46gの軸方向の長さを短くして、成形型46の上側部分(例えば上半分)のみが複数の分割型48により構成されてもよい。また、複数の分割型48が互いに対応関係にある成形面46mの一部を有していれば、複数の分割型48の形状は同一でなくてもよい。
【0060】
続いて、図11から図13を参照して、実施形態2に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法について説明する。図11は、実施形態2に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法におけるセット工程及び治具着脱工程の装着工程を説明する模式図である。図11の1110は、図11の1120を上から見た図である。図11の1120は、熱収縮性の筒状体を成形型にセットしかつ治具を成形型の頂部に装着した状態を示す模式的な縦断面図である。図12は、実施形態2に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法における成形工程を説明する模式図である。図12の1210は、図12の1220を上から見た図である。図12の1220は、筒状体を熱収縮させた状態を示す模式的な縦断面図である。図13は、実施形態2に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法における離型工程及び治具着脱工程の離脱工程を説明する模式図である。図13の1310は、図13の1320を上から見た図である。図13の1320は、ホルダ本体を成形型から離型する途中の状態を示す模式的な縦断面図である。
【0061】
(容器ホルダのホルダ本体の製造方法の概要)
図11から図13に示すように、実施形態2に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法は、容器ホルダ42のホルダ本体44を製造するための方法である。実施形態2に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法は、セット工程と、成形工程と、治具着脱工程と、離型工程とを含む。治具着脱工程は、装着工程と、離脱工程とからなる。そして、実施形態2に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法における各工程の具体的な内容は、次の通りである。
【0062】
(セット工程)
図11の1110と1120に示すように、熱収縮性の筒状体24が成形型46の成形面46mを囲むと共に、筒状体24の一方の端部が成形型46の第1フランジ部46fに当接するように、筒状体24を成形型46にセットする。筒状体24を成形型46にセットしたときに、筒状体24のシート部材24Aの他方の端部は、成形型46の頂部と同じ高さに位置している。筒状体24のシュリンク部材24Bの他方の端部は、成形型46の頂部に対して上方向に突出している。
【0063】
(治具着脱工程の装着工程)
図11の1110と1120に示すように、成形工程の前に、複数の係合爪38がそれぞれ隣接する分割型48同士間に係合するように、成形型46の頂部に治具36を装着する。これにより、成形工程中に、複数の分割型48を成形型46の軸心に向かう方向へ変位不能にすることができる。
【0064】
(成形工程)
図12の1210と1220に示すように、セット工程の後に、適宜の加熱手法によって筒状体24を加熱する。すると、筒状体24の他方の端部を複数の分割型48の第2フランジ部48fに沿うように熱収縮させると共に、筒状体24における他方の端部以外の部位を成形型46の成形面46mに沿うように熱収縮させる。これにより、張出部44fを有したホルダ本体44を成形することができる。このとき、筒状体24のシュリンク部材24Bによってホルダ本体44の底面部44bが形成される。
【0065】
ここで、成形工程中に、シュリンク部材24Bを含む筒状体24は、周方向に収縮する。そのため、成形工程中に、筒状体24の一部が周方向に隣接する分割型48間の縦溝46gに入り込むことがなく、ホルダ本体44を安定的に成形することができる。
【0066】
(治具着脱工程の離脱工程)
図13の1310と1320に示すように、成形工程の後に、複数の係合爪38の係合状態を解除して、治具36を成形型46の頂部から離脱させる。これにより、複数の分割型48を成形型46の軸心に向かう方向へ変位可能にすることができる。
【0067】
(離型工程)
図13の1310と1320に示すように、治具着脱工程の離脱工程の後に、複数の分割型48のうちの少なくとも2つの分割型48間の距離が小さくなるように、複数の分割型48のうちの少なくとも1つの分割型48を変位させる。具体的には、例えば、成形型46の外側(径方向外側)からの外力によって複数の分割型48を成形型46の軸心に向かう方向へ変位させて、成形型46の少なくとも一部を収縮させる。そして、成形型46の一部を収縮させた状態で、ホルダ本体44を成形型46から離型する。
【0068】
第1フランジ部46fを含む成形型46全体が放射状に分割された複数の分割型(不図示)により構成されてもよい。この場合には、成形型32を構成する複数の分割型は、完全に分離されており、シリンダ又は電動モータ等のアクチュエータ(不図示)の駆動により拡縮する方向へ同期して移動する。
【0069】
実施形態2に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法における前述の複数の工程を経ることにより、ホルダ本体44を成形して、成形型46から取り出すことができる。なお、実施形態2に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法から治具着脱工程を省略してもよい。
【0070】
続いて、実施形態2に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法の作用効果、及び実施形態2に係る成形型46の作用効果について説明する。
【0071】
(容器ホルダのホルダ本体の製造方法の作用効果)
実施形態2に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法においては、前述の実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法と同様の構成を有している。そのため、実施形態2に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法においても、実施形態1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法と同様の作用効果を奏する。
【0072】
また、実施形態2に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法においては、前述のように、ホルダ本体44を成形する際に、筒状体24の他方の端部を複数の分割型48の第2フランジ部48fに沿うように熱収縮させている。そのため、ホルダ本体44の他方の端部である底部に複数の分割型48の第2フランジ部48fに対応した張出部44fを形成することができる。これにより、実施形態2に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法によれば、ホルダ本体44の自立性を高めることができ、容器ホルダ42に保持されたパウチ12の自立性を高めることができる。
【0073】
(実施形態2に係る成形型46の作用効果)
実施形態2に係る成形型46においては、前述の実施形態1に係る成形型32と同様の構成を有している。そのため、実施形態2に係る成形型46においても、実施形態1に係る成形型32と同様の作用効果を奏する。
【0074】
また、実施形態2に係る成形型46においては、前述のように、複数の分割型48は、それぞれ、当該分割型48の第2端部側に円弧状の第2フランジ部48fを有している。そのため、ホルダ本体44を成形する際に、筒状体24の他方の端部を複数の分割型48の第2フランジ部48fに沿うように熱収縮させて、ホルダ本体44の他方の端部である底部に複数の分割型48の第2フランジ部48fに対応した張出部44fを形成することができる。これにより、実施形態2に係る成形型46によれば、ホルダ本体44の自立性を高めることができ、容器ホルダ42に保持されたパウチ12の自立性を高めることができる。
【0075】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法は、熱収縮性の筒状体を用いて容器ホルダのホルダ本体を製造する方法であって、前記ホルダ本体の内表面に対応した成形面を有しかつ少なくとも一部分が、放射状又は半割状に分割された複数の分割型により構成された成形型に、前記筒状体をセットするセット工程と、前記セット工程の後に、前記筒状体を前記成形型の前記成形面に沿うように熱収縮させて前記ホルダ本体を成形する成形工程と、前記成形工程の後に、前記複数の分割型のうちの少なくとも2つの分割型間の距離が小さくなるように、前記複数の分割型のうちの少なくとも1つの分割型を変位させて、前記ホルダ本体を前記成形型から離型する離型工程と、を含む。
【0076】
前記の構成によれば、前記ホルダ本体を前記成形型から離型する前に、前記複数の分割型のうちの少なくとも1つの分割型を変位させて、少なくとも2つの分割型間の距離を小さくする。これにより、前記成形型の少なくとも一部を細くして、前記ホルダ本体を前記成形型から容易に離型することができる。
【0077】
本開示の態様2に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法は、前記態様1において、前記成形型は、その第1端部側に第1フランジ部を有しており、前記セット工程では、前記筒状体の一方の端部が前記第1フランジ部に当接するように、前記筒状体を前記成形型にセットしてもよい。
【0078】
前記の構成によれば、前記筒状体を前記成形型に対して正確に位置決めすることができ、前記ホルダ本体の一方の端部側の開口部の形状及び大きさのバラツキを抑えることができる。
【0079】
本開示の態様3に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法は、前記態様1又は2において、前記成形工程の前に、前記複数の分割型間に係合するように前記成形型に治具を装着すると共に、前記成形工程の後に、前記成形型から前記治具を離脱させる治具着脱工程を更に含んでもよい。
【0080】
前記の構成によれば、前記ホルダ本体を成形中に、前記複数の分割型が筒状体の熱収縮に伴って前記成形型の軸心に向かう方向へ変位することがなく、前記容器ホルダの形状品質を安定させることができる。
【0081】
本開示の態様4に係る容器ホルダのホルダ本体の製造方法は、前記態様1~3のいずれか1つにおいて、前記複数の分割型のそれぞれは、当該分割型の第2端部側に第2フランジ部を有しており、前記成形工程では、前記筒状体の他方の端部を前記第2フランジ部に沿うように熱収縮させてもよい。
【0082】
前記の構成によれば、前記ホルダ本体の他方の端部に、前記第2フランジ部に対応した前記張出部を形成することができる。これにより、前記ホルダ本体の自立性を高めることができ、前記容器ホルダに保持された軟包材容器の自立性を高めることができる。
【0083】
本開示の態様5に係る成形型は、熱収縮性の筒状体を用いて容器ホルダのホルダ本体を成形するための成形型であって、前記ホルダ本体の内表面に対応した成形面を有し、少なくとも一部分が放射状又は半割状に分割された複数の分割型により構成され、前記複数の分割型のうちの少なくとも2つの分割型間の距離が小さくなるように、前記複数の分割型のうちの少なくとも1つの分割型を変位できるように構成されている。
【0084】
前記の構成によれば、前記成形型の少なくとも一部は、放射状又は半割状に分割された前記複数の分割型により構成されている。また、前記成形型は、前記複数の分割型のうちの少なくとも2つの分割型間の距離が小さくなるように前記複数の分割型のうちの少なくとも1つの分割型を変位できるように構成されている。そのため、前記ホルダ本体を前記成形型から離型する前に、前記複数の分割型のうちの少なくとも1つの分割型を変位させて、少なくとも2つの分割型間の距離を小さくすることができる。これにより、前記成形型の少なくとも一部を細くして、前記ホルダ本体を前記成形型から容易に離型することができる。
【0085】
本開示の態様6に係る成形型は、前記態様5において、前記複数の分割型は、それぞれ、前記筒状体の一方の端部を当接させるための第1フランジ部を有してもよい。
【0086】
前記の構成によれば、前記筒状体の一方の端部が前記成形型の前記第1フランジ部に当接するように、前記筒状体を前記成形型にセットすることができる。これにより、前記筒状体を前記成形型に対して正確に位置決めすることができ、前記ホルダ本体の一方の端部側の開口部の形状及び大きさのバラツキを抑えることができる。
【0087】
〔付記事項〕
本開示は前述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0088】
10 容器ホルダ
12 パウチ(軟包材容器)
14 パウチ本体
16 注出部
22 ホルダ本体
22p 周壁部
22ps 順テーパ部
22pr 逆テーパ部
22b 底面部
24 筒状体
24A シート部材
24Bシュリンク部材
26 天板
32 成形型
32m 成形面
32f 第1フランジ部
32g 縦溝
34 分割型
36 治具
38 係合爪
40 摘み部
42 容器ホルダ
44 ホルダ本体
44p 周壁部
44b 底面部
44f 張出部
46 成形型
46f 第1フランジ部
46g 縦溝
48 分割型
48f 第2フランジ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13