(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080543
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】駐車支援制御装置、駐車支援制御方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20240606BHJP
B60W 50/10 20120101ALI20240606BHJP
B60W 40/06 20120101ALI20240606BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240606BHJP
B60R 99/00 20090101ALI20240606BHJP
G08G 1/14 20060101ALI20240606BHJP
B62D 6/00 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W50/10
B60W40/06
G08G1/16 C
B60R99/00 340
B60R99/00 330
G08G1/14 A
B62D6/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193846
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】坂口 克至
(72)【発明者】
【氏名】牧瀬 猛司
【テーマコード(参考)】
3D232
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D232CC20
3D232DA04
3D232DA09
3D232DA23
3D232DA76
3D232DA88
3D232DA90
3D232DA92
3D232DA93
3D232DA95
3D232DE09
3D232EA01
3D232EB04
3D232EC23
3D232FF01
3D232FF02
3D232FF07
3D232GG01
3D241BA21
3D241BA57
3D241BB03
3D241DC34Z
3D241DC41Z
3D241DD11Z
5H181AA01
5H181CC03
5H181CC14
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】駐車支援制御による駐車スペース内での駐車目標位置にユーザの意思を反映させる。
【解決手段】駐車スペースへの車両(1)の駐車を支援する駐車支援制御装置(30)は、一つ又は複数の駐車スペースを検出する駐車スペース検出部(41)と、駐車スペース内での駐車目標位置を指示する情報に基づいて駐車目標位置を設定する駐車目標位置設定部(43)と、駐車目標位置に基づいて少なくとも車両(1)の操舵角を制御し車両(1)を駐車目標位置へ移動させる駐車支援制御部(45)と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車スペースへの車両(1)の駐車を支援する駐車支援制御装置(30)において、
一つ又は複数の駐車スペースを検出する駐車スペース検出部(41)と、
前記駐車スペース内での駐車目標位置を指示する情報に基づいて前記駐車目標位置を設定する駐車目標位置設定部(43)と、
前記駐車目標位置に基づいて少なくとも前記車両(1)の操舵角を制御し前記車両(1)を前記駐車目標位置へ移動させる駐車支援制御部(45)と、
を備える、駐車支援制御装置。
【請求項2】
前記駐車目標位置設定部(43)は、
前記駐車スペース内での複数の前記駐車位置候補を提示し、ユーザにより選択された前記駐車位置候補を前記駐車目標位置に設定する、
請求項1に記載の駐車支援制御装置。
【請求項3】
前記駐車目標位置設定部(43)は、
前記ユーザにより選択された前記駐車位置候補がない場合、あらかじめ設定された基準位置を前記駐車目標位置に設定する、
請求項2に記載の駐車支援制御装置。
【請求項4】
前記駐車支援制御部(45)は、
前記車両(1)が前記駐車目標位置へ移動した後、駐車位置の調整の要否を確認するための情報を提示し、ユーザによる前記駐車位置の調整が必要であることを示す入力を受けた場合、前記駐車目標位置を調整し、前記車両を調整後の前記駐車目標位置へ移動させる、
請求項1に記載の駐車支援制御装置。
【請求項5】
駐車スペースへの車両(1)の駐車を支援する駐車支援制御方法において、
コンピュータ(30)が、
一つ又は複数の駐車スペースを検出することと、
前記駐車スペース内での駐車目標位置を指示する情報に基づいて前記駐車目標位置を設定することと、
前記駐車目標位置に基づいて少なくとも前記車両(1)の操舵角を制御し前記車両(1)を前記駐車目標位置へ移動させることと、
を実行する、駐車支援制御方法。
【請求項6】
コンピュータ(30)に、
一つ又は複数の駐車スペースを検出することと、
前記駐車スペース内での駐車目標位置を指示する情報に基づいて前記駐車目標位置を設定することと、
前記駐車目標位置に基づいて少なくとも前記車両(1)の操舵角を制御し前記車両(1)を前記駐車目標位置へ移動させることと、
を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車支援制御装置、駐車支援制御方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両を駐車する際に、ドライバの運転操作を支援する駐車支援制御装置が実用化されている。例えば特許文献1には、車両の現在位置から目標駐車位置に至る目標走行経路を取得しかつ車両が目標走行経路を走行することを支援する走行支援処理を実行する駐車支援装置であって、走行支援処理の実行中に車両が物標と接近して運転者が違和感を覚えることを回避するために、車両が目標走行経路を走行するときに車両と物標との距離が閾値距離よりも小さくならないように目標走行経路を取得する駐車支援装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の駐車支援制御装置では、最終的な駐車位置は、あらかじめ設定されたパラメータによってコンピュータにより決定される。このため、例えば駐車スペースが狭く、ユーザが駐車位置を意図的にずらしたいと考える場合であっても、そのような駐車目標位置を設定することはできない。
【0005】
本発明は、駐車支援制御による駐車スペース内での駐車目標位置にユーザの意思を反映可能な駐車支援制御装置、駐車支援方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、駐車スペースへの車両の駐車を支援する駐車支援制御装置であって、一つ又は複数の駐車スペースを検出する駐車スペース検出部と、上記駐車スペース内での駐車目標位置を指示する情報に基づいて上記駐車目標位置を設定する駐車目標位置設定部と、上記駐車目標位置に基づいて少なくとも上記車両の操舵角を制御し上記車両を上記駐車目標位置へ移動させる駐車支援制御部と、を備える、駐車支援制御装置が提供される。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、駐車スペースへの車両の駐車を支援する駐車支援制御方法であって、コンピュータが、一つ又は複数の駐車スペースを検出することと、上記駐車スペース内での駐車目標位置を指示する情報に基づいて上記駐車目標位置を設定することと、上記駐車目標位置に基づいて少なくとも上記車両の操舵角を制御し上記車両を上記駐車目標位置へ移動させることと、を実行する、駐車支援制御方法が提供される。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明のさらに別の観点によれば、コンピュータに、一つ又は複数の駐車スペースを検出することと、上記駐車スペース内での駐車目標位置を指示する情報に基づいて上記駐車目標位置を設定することと、上記駐車目標位置に基づいて少なくとも上記車両の操舵角を制御し上記車両を上記駐車目標位置へ移動させることと、を実行させるコンピュータプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本発明によれば、駐車支援制御による駐車スペース内での駐車目標位置にユーザの意思を反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態に係る駐車支援制御装置を搭載した車両の構成例を示す説明図である。
【
図2】本実施形態に係る駐車支援制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る駐車支援制御装置による処理動作の概略を示すフローチャートである。
【
図4】本実施形態に係る駐車支援制御装置による処理動作の具体例を示すフローチャートである。
【
図5】本実施形態に係る駐車支援制御装置による駐車支援の適用場面を示す説明図である。
【
図6】本実施形態に係る駐車支援制御装置により提示される複数の駐車位置候補を示す説明図である。
【
図7】本実施形態に係る駐車支援制御装置の変形例による処理動作の概略を示すフローチャートである。
【
図8】本実施形態に係る駐車支援制御装置の変形例による処理動作の具体例を示すフローチャートである。
【
図9】本実施形態に係る駐車支援制御装置の変形例による駐車支援の適用場面を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
<1.車両の全体構成>
まず、本実施形態に係る運転支援制御装置を適用した車両の構成例を説明する。
図1は、車両1の構成例を示す模式図である。
図1に示した車両1は、測距センサ3a~3l(以下、特に区別を要しない場合「測距センサ3」と総称する)、動力源11、変速装置13、電動ステアリング装置15、ブレーキ液圧制御ユニット17、HMI(Human Machine Interface)19及び駐車支援制御装置を備えている。
【0013】
測距センサ3は、車両1のフロント部分及びリヤ部分に設けられた複数の超音波センサにより構成されている。測距センサ3のセンサ信号は、駐車支援制御装置に出力される。ただし、測距センサ3の数及び配置位置は、
図1に示した例に限られない。また、測距センサ3は、車両1の周囲の障害物や物体等を検出し、車両1からこれらの障害物等までの距離を計測可能なセンサであれば超音波センサに限定されるものではない。例えば測距センサ3は、レーザ光を照射するLiDAR(Light Detection And Ranging)であってもよく、マイクロ波やミリ波、サブミリ波を放射するレーダセンサであってもよい。あるいは、測距センサ3は、複数の異なるセンサにより構成されていてもよい。
【0014】
動力源11は、車両制御装置20によって駆動制御され、車両1の駆動力を出力する。動力源11は、代表的には内燃機関又は駆動用モータが例示されるが、これらに限定されるものではない。車両1は、動力源11として内燃機関を備えた車両であってもよく、動力源11として駆動用モータを備えた電気自動車であってもよく、動力源11として内燃機関及び駆動用モータをともに備えたハイブリッド電気自動車であってもよい。
【0015】
変速装置13は、車両制御装置20によって駆動制御され、動力源11から出力される回転トルクを変速して駆動輪に伝達する。また、変速装置13は、駆動輪に伝達する回転トルクの回転方向を前進方向又は後退方向に切り替える。本実施形態では、動力源11が内燃機関であり、変速装置13が有段式又は無段式の変速装置である例を説明する。ただし、車両1が、動力源11として駆動用モータを備えた電気自動車である場合、変速装置13は、前進又は後退を切り替える機能のみを有していてもよく、あるいは、変速装置13が搭載されていなくてもよい。
【0016】
電動ステアリング装置15は、前輪の舵角を自動で調節する。例えば電動ステアリング装置15は、電動モータを備え、車両制御装置20から出力される指令信号に基づいて電動モータが回転駆動されることにより、前輪の舵角を調節する。
【0017】
ブレーキ液圧制御ユニット17は、前後左右の車輪のブレーキ圧を調節し、車両1の制動力を発生させる。ブレーキ液圧制御ユニット17は、ポンプ及び複数の電磁弁を備え、車両制御装置20から出力される指令信号に基づいてポンプ及び複数の電磁弁が駆動されることにより、各車輪のホイールシリンダへのブレーキ液の供給及び排出を制御する。車両1が、動力源11として駆動用モータを備えた電気自動車又はハイブリッド電気自動車である場合、ブレーキ液圧制御ユニット17は、駆動用モータによる回生ブレーキと併用されてもよい。
【0018】
HMI19は、ドライバを含む乗員(以下、「ユーザ」ともいう)との間で情報をやり取りするためのシステムであり、一つ又は複数の機器を含んで構成される。例えばHMI19は、画像表示パネルを有し、駐車支援制御装置から送信される指令信号に基づいて種々の情報を表示する。また、HMI19は、スピーカーを有し、駐車支援制御装置から送信される指令信号に基づいて音声や音を出力する。ただし、ユーザに情報を提示する手段は、上記の例に限られない。
【0019】
また、HMI19は、ユーザの操作入力を受け付ける機能を有する。例えば画像表示パネルがタッチパッド等の位置入力機器を備える場合、画像表示パネルは、画面上の表示を押下することによるユーザの操作入力を受け付ける。ただし、HMI19は、ユーザの操作入力を受け付ける機能として、ダイヤル式、ボタン式、ハンドル式、音声入力式等の他の形式の操作入力部を備えていてもよい。
【0020】
車両制御装置20は、車両1の走行を制御する一つ又は複数の電子制御装置により構成される。車両制御装置20は、動力源11、変速装置13、電動ステアリング装置15及びブレーキ液圧制御ユニット17の駆動を制御することにより、車両1の自動運転制御を実行可能に構成されている。本実施形態では、車両制御装置20は、駐車支援制御装置から送信される信号を取得可能に構成され、駐車支援制御装置と協働して車両1の駐車を支援する。
【0021】
駐車支援制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置を含むマイクロコンピュータを備えて構成され、マイクロコンピュータによるコンピュータプログラムの実行により、車両1の駐車を支援する処理を実行する。駐車支援制御装置30は、少なくとも車両1の操舵角を制御する指令信号を車両制御装置20へ送信する。車両制御装置20は、受信した指令信号に基づいて車両1の自動運転制御を実行する。
【0022】
<2.運転支援制御装置>
続いて、本実施形態に係る運転支援制御装置の構成例を説明する。
図2は、駐車支援制御装置の機能構成を示すブロック図である。駐車支援制御装置30は、CPU等の演算処理装置を含むマイクロコンピュータとして構成されている。駐車支援制御装置30の一部又は全部は、ファームウェア等の更新可能なもので構成されていてもよく、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。
【0023】
駐車支援制御装置は、通信部31、処理部33及び記憶部35を備える。通信部31は、測距センサ3、HMI19及び車両制御装置20との間で信号あるいはメッセージを送受信するためのインタフェースである。通信部31は、CAN(Controller Area Network)又はLIN(Local Inter Net)等の一つ又は複数の通信プロトコルの規格に適合する構成を有する。
【0024】
処理部33は、演算処理装置及び周辺部品を含んで構成され、種々の演算処理を実行する。記憶部35は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶素子、あるいは、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記録媒体を含んで構成される。記憶部35は、処理部33により実行されるコンピュータプログラムや、演算処理に用いられる種々のパラメータ及び参照データ、測距センサ3から取得された情報、処理部33による演算処理結果等のデータを記憶する。
【0025】
図2に示したように、処理部33は、駐車スペース検出部41、駐車目標位置設定部43及び駐車支援制御部45を備えている。駐車スペース検出部41、駐車目標位置設定部43及び駐車支援制御部45は、一つ又は複数の演算処理装置によるコンピュータプログラムの実行により実現される機能である。ただし、駐車スペース検出部41、駐車目標位置設定部43及び駐車支援制御部45の一部が、アナログ回路等を用いて構成されていてもよい。
【0026】
(駐車スペース検出部)
駐車スペース検出部41は、一つ又は複数の駐車可能スペースを検出し、HMI19によりユーザに駐車可能スペースの情報を提示する処理を実行する。具体的に、駐車スペース検出部41は、測距センサ3により検出される車両1の周囲の情報に基づいて一つ又は複数の駐車可能スペースを検出する。また、駐車スペース検出部41は、提示した駐車可能スペースのなかからユーザにより選択された駐車可能スペースの情報を取得し、当該駐車可能スペースを、車両1を駐車させる駐車スペースとして設定する。なお、「駐車可能スペース」とは、車両1が駐車可能な駐車スペースの候補を意味する。
【0027】
(駐車目標位置設定部)
駐車目標位置設定部43は、ユーザが選択した駐車スペース内での車両1の駐車目標位置を指示する情報に基づいて車両1の駐車目標位置を設定する処理を実行する。具体的に、駐車目標位置設定部43は、駐車スペース内での複数の駐車位置候補をユーザに提示し、ユーザにより選択された駐車位置候補を駐車目標位置に設定する。提示する駐車位置候補のうちのいずれかの駐車候補位置は基準位置として設定されており、駐車目標位置設定部43は、ユーザにより選択された駐車位置候補がない場合、つまりユーザが駐車位置候補の選択をしなかった場合、基準位置を駐車目標位置に設定する。
【0028】
(駐車支援制御部)
駐車支援制御部45は、設定された駐車目標位置に基づいて少なくとも車両1の操舵角を制御し、車両1を駐車目標位置へ移動させる処理を実行する。本実施形態では、駐車支援制御部45は、車両1の操舵角だけでなく、前進及び後退の切り替え及び加減速を制御し、車両1を自動で駐車目標位置へ移動させる。
【0029】
<3.駐車支援制御方法>
ここまで、本実施形態に係る駐車支援制御装置30の構成例を説明した。続いて、適宜図面を参照しつつ、駐車支援制御装置30によって実行される駐車支援制御方法について詳しく説明する。以下、車両を横方向(車幅方向)に並べて駐車する並列駐車の場面を例に採って説明する。
【0030】
図3は、駐車支援制御装置30による処理動作の概略を示すフローチャートである。
図4は、駐車支援制御装置30による処理動作の具体例を示すフローチャートである。
【0031】
駐車支援制御装置30の処理部33は、駐車支援制御装置30が起動中であり、かつ、車速が所定の閾値未満である場合に駐車支援機能の開始の指示を受けると、駐車支援制御処理を開始する(ステップS1/ステップS11)。処理部33は、HMI19を介して入力されるユーザの操作入力に基づいて、駐車支援機能の開始の指示を検知する。ユーザの操作入力は、タッチパネルや操作入力部への入力操作であってもよく、音声による駐車支援機能の開始の入力であってもよい。
【0032】
次いで、駐車スペース検出部41は、一つ又は複数の駐車可能スペースを検出する処理を実行する(ステップS3)。具体的に、
図4に示すように、駐車スペース検出部41は、測距センサ3のセンサ信号に基づいて車両1が駐車可能な駐車可能スペースを検出する(ステップS13)。駐車スペース検出部41は、HMI19を駆動して、検出した駐車可能スペースの情報をユーザに提示する(ステップS15)。駐車スペース検出部41は、駐車可能スペースの情報を画像表示又はテキスト表示してもよく、音声により出力してもよい。
【0033】
次いで、駐車スペース検出部41は、ユーザが、提示した駐車可能スペースを駐車スペースとして選択したか否かを判定する(ステップS17)。例えば駐車スペース検出部41は、HMI19に提示された駐車可能スペースを駐車スペースとして決定する入力操作や音声入力を、ユーザが所定時間以内に行ったことを検知したときに、ユーザが、提示した駐車可能スペースを駐車スペースとして選択したと判定する。また、駐車スペース検出部41は、HMI19に提示された駐車可能スペースを駐車スペースとして決定しない入力操作や音声入力をユーザが行ったことを検知したとき、あるいは、提示された駐車可能スペースを駐車スペースとして決定する入力操作や音声入力をユーザが所定時間以内又は所定の走行距離以内に行わなかったときに、ユーザが、提示した駐車可能スペースを駐車スペースとして選択しなかったと判定する。
【0034】
駐車スペース検出部41は、ユーザが、提示した駐車可能スペースを駐車スペースとして選択した場合(S17/Yes)、当該駐車可能スペースを駐車スペースとして設定する。一方、駐車スペース検出部41は、ユーザが、提示した駐車可能スペースを駐車スペースとして選択しない場合(S17/No)、ステップS13に戻り、他の駐車可能スペースの検出及び提示を行い、ユーザが、提示した駐車可能スペースを駐車スペースとして選択したか否かの判定を繰り返す。
【0035】
図5は、駐車可能スペースを検出し、ユーザに駐車可能スペースの情報を提示する場面を示す説明図である。モータプールには、3台の他車両81,83,85が駐車しており、3つの駐車可能スペース71,73,75が空いている。車両1が矢印Xの方向に移動する間に、駐車スペース検出部41は、測距センサ3のセンサ信号に基づいて駐車可能スペース71を検出する。また、駐車スペース検出部41は、車両1の現在位置と、駐車可能スペース71の位置及びサイズと、周囲の他車両等の障害物の情報とに基づいて、車両1を駐車可能スペース71へ移動させるための移動経路の軌道を計算する。
【0036】
駐車スペース検出部41は、駐車可能スペース71が、車両1を駐車するのに十分なサイズであるか否か、及び、駐車可能スペース71までの移動経路の軌道の計算結果が成立するか否かを判定する。駐車可能スペース71までの移動経路の軌道の計算結果が成立するか否かは、車両1が周囲の障害物に接触することなく駐車可能スペース71まで移動できるか否かにより判定される。駐車スペース検出部41は、駐車可能スペース71が十分なサイズであり、かつ、移動経路の軌道の計算結果が成立すると判定した場合、当該駐車可能スペース71をユーザに提示する。
【0037】
駐車スペース検出部41は、例えば駐車可能スペース71の幅(他車両81,83の車幅方向に沿った長さ)が車両1の車幅に所定の係数をかけたサイズ以上であり、かつ、駐車可能スペース71の奥行きが車両1の前後方向の長さに所定の係数をかけたサイズ以上である場合に、駐車可能スペース71が車両1を駐車するのに十分なサイズであると判定する。ユーザが、駐車可能スペース71を駐車スペースとして選択した場合、駐車スペース検出部41は、駐車可能スペース71を駐車スペースとして設定する。
【0038】
一方、ユーザが、駐車可能スペース71を駐車スペースとして選択しない場合、さらに車両1が矢印Yの方向に移動する間に、駐車スペース検出部41は、測距センサ3のセンサ信号に基づいて駐車可能スペース73,75を検出する。駐車スペース検出部41は、他車両83と他車両85との間に、車両1を駐車するのに十分なサイズの2台分の駐車可能スペース73,75が存在すると判定し、当該駐車可能スペース73,75をユーザに提示する。ユーザが、いずれかの駐車可能スペース73,75を駐車スペースとして選択した場合、駐車スペース検出部41は、選択された駐車可能スペース73,75を駐車スペースとして設定する。
【0039】
図3に戻り、駐車スペース検出部41が駐車スペースを設定した後、駐車目標位置設定部43は、駐車スペース内での駐車目標位置を指示する情報に基づいて車両1の駐車目標位置を設定する(ステップS5)。具体的に、
図4に示すように、駐車目標位置設定部43は、HMI19により、駐車スペース内での複数の駐車位置候補をユーザに提示する(ステップS19)。これにより、ユーザは、駐車スペースの隣の区画に存在する他車両等の障害物の有無や、隣の区画に他車両が停車した場合のドアの開閉の利便性などを考慮して、任意の駐車目標位置を選択可能になる。
【0040】
図6は、本実施形態の駐車目標位置設定部43により提示される複数の駐車位置候補を示す説明図である。本実施形態では、駐車目標位置設定部43は、車両1を駐車スペースに駐車させたときに、車両1の左右に生じる空間(駐車スペースの余白)の幅が均等になる「中央位置A」とするか(破線)、車両1の左側に生じる空間の幅が右側に生じる空間の幅よりも狭くなる「左寄せB」とするか(一点鎖線)、車両1の右側に生じる空間の幅が左側に生じる空間の幅よりも狭くなる「右寄せC」とするか(二点鎖線)をユーザに提示する。駐車目標位置設定部43は、
図6に例示した複数の駐車位置候補を表す画像をHMI19により表示してもよく、音声により駐車位置候補を通知してもよい。
【0041】
次いで、駐車目標位置設定部43は、駐車支援制御処理を中断する入力があったか否かを判定する(ステップS21)。駐車目標位置設定部43は、駐車支援制御処理を中断する入力があった場合(S21/Yes)、駐車支援制御処理を中止させる。例えばユーザが、駐車スペースを変更しようと考えた場合や、ドライバが手動運転により駐車動作を行おうと考えた場合など、ユーザがHMI19により駐車支援機能の停止を入力することにより、駐車目標位置設定部43は駐車支援制御処理を停止する。あるいは、駐車目標位置設定部43は、ドライバにより操舵角、前進又は後退の切り替え、あるいは加減速の操作が行われたことを検知した場合に、駐車支援制御処理を停止してもよい。
【0042】
一方、駐車目標位置設定部43は、駐車支援制御処理を中断する入力がない場合(S21/No)、駐車目標位置設定部43は、ユーザが、提示した複数の駐車位置候補のうちのいずれかを選択したか否かを判定する(ステップS23)。例えば駐車目標位置設定部43は、HMI19に提示された駐車位置候補のうちのいずれかをユーザが選択する入力操作や音声入力が所定時間以内に検知されたか否かを判定する。駐車目標位置設定部43は、ユーザが、提示した複数の駐車位置候補のうちのいずれかを選択したと判定した場合(S23/Yes)、選択した駐車位置候補を駐車目標位置として設定する(ステップS25)。
【0043】
具体的に、駐車目標位置設定部43は、「中央位置A」を駐車目標位置として設定した場合、車両1を駐車スペースに駐車した際に生じる左右の空間(駐車スペースの余白)の幅の比率を1:1に設定する。また、駐車目標位置設定部43は、「左寄せB」又は「右寄せC」を駐車目標位置として設定した場合、車両1を駐車スペースに駐車した際に車両1の左側に生じる空間の幅と右側に生じる空間の幅との比率をあらかじめ設定した比率(例えば7:3又は3:7)に設定する。
【0044】
なお、本実施形態の駐車目標位置設定部43は、車両1を並列駐車する場合の車幅方向に沿った駐車目標位置をユーザが選択可能な構成を有しており、車両1の前後方向に沿った駐車目標位置は「中央位置A」、「左寄せB」又は「右寄せC」にかかわらず一定に設定される。例えば駐車目標位置設定部43は、車両1を駐車スペースに駐車した際に生じる前後の空間(駐車スペースの余白)の長さの比率を1:1に設定してもよく、車両1を駐車スペースに駐車した際に前方又は後方に生じる空間(駐車スペースの余白)の長さを一定の長さに設定してもよい。
【0045】
一方、駐車目標位置設定部43は、ユーザが、提示した複数の駐車位置候補のうちのすべてを所定時間内に選択しなかった場合(S23/No)、駐車目標位置設定部43は、あらかじめ設定された基準位置を駐車目標位置として設定する(ステップS27)。例えば複数の駐車位置候補のうちの「中央位置A」があらかじめ基準位置として設定され、駐車目標位置設定部43は、ユーザにより選択された駐車位置候補がない場合、つまりユーザが駐車位置候補の選択をしなかった場合、「中央位置A」を駐車目標位置として設定する。
【0046】
なお、基準位置は「中央位置A」に限定されるものではなく、「左寄せB」又は「右寄せC」が基準位置に設定されていてもよい。また、基準位置は、あらかじめ設定されていなくてもよく、同一のユーザが過去に駐車目標位置として設定した駐車位置の記録に基づいて設定されてもよい。
【0047】
図3に戻り、駐車目標位置設定部43が駐車目標位置を設定した後、駐車支援制御部45は、駐車目標位置に基づいて少なくとも車両1の操舵角を制御し車両1を駐車目標位置へ移動させる(ステップS7)。本実施形態の駐車支援制御装置30では、駐車支援制御部45は、車両1の操舵角だけでなく、前進又は後退の切り替え及び加減速を制御し、車両1を駐車目標位置へ移動させる。
【0048】
具体的に、
図4に示すように、駐車支援制御部45は、車両制御装置20に対して操舵角又は操舵角速度の指示信号、前進又は後退の切り替えの指示信号、及び加減速度の指示信号を送信し、車両1の自動運転を制御する(ステップS29)。駐車支援制御部45は、車両1を移動させる間、設定された移動経路の軌道の曲率半径に基づいて目標操舵角又は目標操舵角速度を設定し、車両制御装置20に対して指示信号を送信する。駐車動作の支援であるため、前進時及び後退時の車速は、所定の車速を超えない範囲で一定であってもよく、適宜調節されてもよい。前進時及び後退時の車速が所定の車速以下であることにより、操舵角が安定し、設定した移動経路の軌道に沿って正確に車両1を駐車目標位置へ移動させることができる。
【0049】
次いで、駐車支援制御部45は、駐車支援制御処理を中断する入力があったか否かを判定する(ステップS31)。駐車支援制御部45は、駐車支援制御処理を中断する入力があった場合(S31/Yes)、駐車支援制御処理を中止させる。例えばユーザが、駐車スペースを変更しようと考えた場合や、ドライバが手動運転により駐車動作を行おうと考えた場合など、ユーザがHMI19により駐車支援機能の停止を入力することにより、駐車支援制御部45は駐車支援制御処理を停止する。あるいは、駐車支援制御部45は、ドライバにより操舵角が変更されたことを検知した場合に、駐車支援制御処理を停止してもよい。また、駐車支援制御装置30が、前進又は後退及び加減速を制御している場合、駐車支援制御部45は、ドライバにより操舵角、前進又は後退の切り替え、あるいは加減速の操作が行われたことを検知した場合に、駐車支援制御処理を停止してもよい。
【0050】
一方、駐車支援制御部45は、駐車支援制御処理を中断する入力がない場合(S31/No)、駐車目標位置への車両1の移動が完了したか否かを判定する(ステップS33)。例えば駐車支援制御部45は、測距センサ3のセンサ信号に基づいて、車両1が駐車目標位置に位置しているか否かを判定してもよく、車両1の移動の軌跡を計算するオドメトリ情報に基づいて車両1が駐車目標位置まで移動したか否かを判定してもよい。
【0051】
駐車支援制御部45は、駐車目標位置への車両1の移動が完了したと判定しない場合(S33/No)、ステップS29に戻って、車両1の自動運転の制御を継続する。一方、駐車支援制御部45は、駐車目標位置への車両1の移動が完了したと判定した場合(S33/Yes)、駐車支援機能を終了する。
【0052】
以上説明した駐車支援制御装置30によれば、駐車スペース内での駐車目標位置を指示する情報に基づいて駐車目標位置を設定し、車両1を駐車目標位置へ移動させる処理が実行される。このため、ユーザの志向や周囲の障害物等の状況によってユーザが駐車位置をずらしたい場合に、ユーザの意思を反映した駐車目標位置が設定され、ユーザにとって好ましい位置へ車両1を駐車させることができる。
【0053】
また、本実施形態に係る駐車支援制御装置30は、駐車スペース内での複数の駐車位置候補をユーザに提示し、ユーザにより選択された駐車位置候補を駐車目標位置に設定する。このため、ユーザは、提示にしたがって駐車目標位置を選択することができ、駐車目標位置の設定タイミングを逃すことを回避することができる。また、ユーザは、容易に駐車目標位置を設定することができる。
【0054】
また、本実施形態に係る駐車支援制御装置30は、ユーザにより選択された駐車位置候補がない場合、あらかじめ設定された基準位置を駐車目標位置に設定する。このため、ユーザは、毎回同じ駐車目標位置を指定する場合に、入力操作の手間を省くことができる。また、ユーザが駐車目標位置を選択しない場合であっても、駐車支援制御処理を継続させることができる。
【0055】
<4.変形例>
ここまで、本実施形態に係る駐車支援制御装置30を説明したが、上記実施形態に係る駐車支援制御装置30は種々の変形が可能である。以下、駐車支援制御装置30の変形例を説明する。
【0056】
図7は、駐車支援制御装置30の変形例による処理動作の概略を示すフローチャートである。変形例による処理動作は、
図3に示した上記実施形態による処理動作のステップS7の後に、車両1の駐車位置を調整するステップS9を有している。
【0057】
図8は、ステップS9の具体的な処理動作を示すフローチャートである。
図4に示したステップS33において、駐車支援制御部45は、駐車目標位置への車両1の移動が完了したと判定した場合(S33/Yes)、車両1の駐車位置を調整可能な余裕があるか否かを判定する(ステップS41)。例えば駐車支援制御部45は、測距センサ3のセンサ信号に基づいて、駐車した車両1の左右にあらかじめ設定されたサイズ以上の空間が存在するか否かを判定する。
【0058】
図9は、車両1の駐車位置を調整可能な状況を示す説明図である。駐車支援制御装置30が、ユーザによる「左寄せ」の指示にしたがって、車両1を駐車スペース77に左寄り(図中の実線で示す位置E)に駐車させたとする。このとき、駐車スペース77の左隣の区画79に他車両87が駐車しており、当該他車両87が、区画79内の右寄りに駐車している。車両1と他車両87とが接近した状態となったため、ユーザは、車両1の駐車位置を少し右(図中の破線で示す位置F)へ移動させたいと考えることがあり得る。この
図9に示した例では、駐車支援制御部45は、駐車スペース77に左寄りに駐車させた車両1の左側の空間の幅(駐車スペースの余白)に余裕がない一方、車両1の右側の空間の幅に余裕があると判断する。
【0059】
駐車支援制御部45は、車両1の駐車位置を調整可能な余裕があると判定しない場合(S41/No)、駐車支援機能を終了させる。一方、駐車支援制御部45は、車両1の駐車位置を調整可能な余裕があると判定した場合(S41/Yes)、駐車支援制御部45は、HMI19により、駐車位置の調整の要否を確認するための情報を提示する(ステップS43)。例えば駐車支援制御部45は、車両1の駐車位置を右側にずらす余裕があること、及び、車両1の駐車位置を右側へ調整することの要否をHMI19により提示する。駐車支援制御部45は、車両1の駐車位置を調整する場合の距離(ずらし幅)をユーザに提示してもよい。
【0060】
次いで、駐車支援制御部45は、ユーザによる駐車位置の調整が必要であることを示す入力を受けたか否かを判定する(ステップS45)。例えば駐車支援制御部45は、ユーザが、HMI19により、駐車位置の調整を希望する操作入力を行った場合に、ユーザによる駐車位置の調整が必要であることを示す入力を受けたと判定する。駐車支援制御部45は、ユーザによる駐車位置の調整が必要であることを示す入力を所定時間内に受けたと判定しない場合(S45/No)、駐車支援機能を終了させる。
【0061】
一方、駐車支援制御部45は、ユーザによる駐車位置の調整が必要であることを示す入力を受けたと判定した場合(S45/Yes)、駐車支援制御部45は、駐車目標位置を調整して新たな駐車目標位置を設定する(ステップS47)。駐車支援制御部45は、現在の駐車位置から一定の距離ずらした位置に新たな駐車目標位置を設定してもよく、ユーザによる指示にしたがって新たな駐車目標位置を設定してもよい。また、駐車支援制御部45は、基準位置あるいは中央位置に駐車目標位置を設定するか否かをユーザに確認してもよい。
【0062】
駐車支援制御部45は、調整後の駐車目標位置を設定した後、ステップS29(ステップS7)に戻って、少なくとも車両1の操舵角を制御し、車両1を調整後の駐車目標位置へと移動させる。
【0063】
以上説明した変形例による駐車支援制御装置30は、ユーザにより選択された駐車目標位置へ車両1を移動させた後、ユーザに駐車位置の調整の要否を確認する情報を提示する。そして、駐車支援制御装置30は、ユーザが駐車位置を調整する指示入力を行った場合、車両1の駐車目標位置を調整し、再び車両1を駐車目標位置へ移動させる制御を実行する。これにより、ユーザが納得するまで、ユーザの意思を反映した駐車位置へと車両1の移動を繰り返すことができる。
【0064】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが本発明はこのような例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0065】
例えば上記実施形態では、超音波センサ、LiDAR及びミリ波レーダ等の測距センサを用いて主として他車両等の障害物を検知して駐車可能スペースを検出する構成を説明したが、本発明は、上記の例に限定されない。例えば車両1の周囲の環境を検出する装置として、撮像素子を有するカメラを備えていてもよい。カメラは、例えば車両1の前方及び後方を撮影可能に設けられ、カメラにより生成された画像データは、駐車支援制御装置に出力される。カメラは、単眼カメラであってもよくステレオカメラであってもよい。車両1に搭載されたカメラを用いることにより、駐車区画の境界線を識別することができ、駐車可能スペースの検出精度を高めることができる。
【0066】
また、上記実施形態では、車両1を並列駐車する場合を例に採って説明したが、本発明は、車両を縦方向(前後方向)に並べて駐車する縦列駐車の場面にも適用することができる。この場合、駐車スペース検出部は、車両1の前後方向の長さを超える所定サイズの駐車可能スペースをユーザに提示する。また、駐車目標位置設定部は、主として車両1の前後方向の空間の幅(駐車スペースの余白)を異ならせた複数の駐車位置候補をユーザに提示する。これにより、車両1を縦列駐車させる場合であっても、ユーザの意思を反映した駐車位置へと車両1を移動させることができる。
【0067】
なお、本開示の技術は、上記の駐車支援制御装置の形態だけでなく、駐車支援制御方法及びコンピュータプログラムの形態によっても実現することができる。さらに、本開示の技術は、上記のコンピュータプログラムを記録した非一時的な有形の記録媒体の形態によっても実現することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 :車両
3 :測距センサ
11 :動力源
13 :変速装置
15 :電動ステアリング装置
17 :ブレーキ液圧制御ユニット
20 :車両制御装置
30 :駐車支援制御装置
31 :通信部
33 :処理部
35 :記憶部
41 :駐車スペース検出部
43 :駐車目標位置設定部
45 :駐車支援制御部
71・73・75 :駐車可能スペース
77 :駐車スペース
79 :区画
81・83・85・87 :他車両