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特開2024-80558秋刀魚の干物およびその製造方法並びに販売方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080558
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】秋刀魚の干物およびその製造方法並びに販売方法
(51)【国際特許分類】
   A23B 4/03 20060101AFI20240606BHJP
   A23L 17/00 20160101ALI20240606BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20240606BHJP
【FI】
A23B4/03 501A
A23L17/00 F
A23L17/00 A
A23B4/03 502B
A23L5/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022204962
(22)【出願日】2022-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】518454807
【氏名又は名称】キム,ドン スル
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドン スル
【テーマコード(参考)】
4B035
4B042
【Fターム(参考)】
4B035LC02
4B035LE20
4B035LG01
4B035LG15
4B035LG19
4B035LG42
4B035LP24
4B035LP26
4B042AC01
4B042AD05
4B042AG27
4B042AG68
4B042AH01
4B042AK01
4B042AK08
4B042AP17
4B042AP19
4B042AP26
4B042AT10
(57)【要約】
【課題】オゾンを利用して秋刀魚を殺菌環境下で十分に乾燥して、臭みを削除した秋刀魚の干物および製造方法を得ることを課題とする。
【解決手段】秋刀魚の干物および製造方法において、原材料の秋刀魚の臭みをとり旨みを熟成させる工程で、(1)秋刀魚を開きにし、整形する。(2)自然換気の寒い環境で干す。(3)寒暖の繰り返しにより、秋刀魚の中の脂が全体に広がる。(4)化学反応を起こし有益な成分を析出する。(5)脂が干物全体の表面まで広がり美味さをも増加する。(6)結果として焼かずにそのまま生で刺身同様に食べられる。秋刀魚の干物が得られる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
さんま、いわしその他の生魚を塩分の含んだイオン水で水洗いし、別にイオン水に塩を加え、海水と同程度の塩分濃度とした塩漬し液を用意し、塩分を含んだイオン水で水洗いした生魚を3時間以上漬け込み、生魚に塩分がしみ込んだら水魚を取や出し、再びイオン水で数回水洗いして、オゾン発生器から発生するイオンを乾燥庫内に導入して乾燥庫内で乾燥することを特徴とする干物の製造方法。
【請求項2】
ワタを取り除いて開いたアジ、ホッケ、サバ、サンマ、イカに代表される各種魚介類の表面に、塩水を介して魚鱗由来の低分子コラーゲンを均一に付着させ、これを乾燥定着させて低分子コラーゲンを主体とした被膜を魚介類の表面に形成したことを特徴とする魚介類の干物。
【請求項3】
ワタを取り除いて開いたアジ、ホッケ、サバ、サンマ、イカに代表される各種魚介類の表面に、塩水を介して魚鱗由来の低分子コラーゲンおよびトレハロースを均一に付着させ、これを乾燥定着させて低分子コラーゲンおよびトレハロースを主体とした被膜を魚介類の表面に形成したことを特徴とする魚介類の干物。
【請求項4】
内側に内部空間に天井壁、側壁、底壁によって形成される干物乾燥庫内などに設置して、空気流を受ける位置に、リチウム電池に接続されたオゾン発生器を取り付けによって、オゾン化された空気流を低温庫内に循環させるようにしたことを特徴とする干物乾燥庫内の殺菌・脱臭・鮮度保持機器。
【請求項5】
魚介類の手巻きに食するに適した販売用にパック包装された請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の食材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アジ、ホッケ、サバ、サンマ、イカ等魚介類の干物に係り、特に魚介の旨味を増強すると共に、製品の表面に良好なツヤを与え、且つ干物製品特有の臭いを低減した魚介類の干物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、魚介類の干物は、アジ、ホッケ、サバ、サンマ、イワシ、イカ等適宜の小魚類のワタを除去して開き、腹の内部及び表面の汚れを水で洗浄した後、所定濃度の塩汁中に漬け込み、所定時間の浸漬後、塩汁中から取り出して、網または棚に並べ、冷風、熱風又は天日、その他の乾燥手段を経て、必要に応じ真空包装あるいは急速冷凍状態にて出荷される。
【0003】
上記した方法により製造された干物製品は、生鮮魚介類と較べて保存性が良く、食味も良好で、蛋白質や各種ミネラル類を豊富に含むので健康維持の観点からも積極的に摂取すべきものである。
【0004】
しかしながら、魚介類の干物製品には魚介類特有の臭いがあり、これが消費量の拡大の阻害要因となっている面も否定できない。このため、干物用塩漬け汁に工夫を加え、魚介類特有の臭いを低減させる技術が下記の特許文献1に開示されている。
【0005】
特許文献1に開示された従来技術は、干物製品特有の臭みを薄めるようにしたものである。更に、完全な殺菌とともに鮮度維持機能とを併せて発揮する機器は、従来知られていなかった。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これを解決するために、本発明は、殺菌機能を高めつつ、脱臭機能を高めたることによって、食品の鮮度保持を図り得るところの乾燥庫内の殺菌・脱臭・鮮度保持機器を同時に果たし得る方法と機器を提供しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許公報 特許2769998号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記した従来の技術の問題点を解決するためのもので、その目的は、乾燥庫内の殺菌・脱臭・鮮度保持機器を同時に果たし得る機器を提供しようとすることにある。
【0009】
第一の手段として、さんま、いわしその他の生魚を塩分の含んだイオン水で水洗いし、別にイオン水に塩を加え、海水と同程度の塩分濃度とした塩漬け液を用意し、塩分を含んだイオン水で水洗いした生魚を3時間以上漬け込み、生魚に塩分がしみ込んだら魚を取り出し、再びイオン水で数回水洗いして、オゾン発生器から発生するイオンを乾燥庫内に導入して乾燥庫内で乾燥することを特徴とする干物の製造方法である。
【0010】
第二の手段として、ワタを取り除いて開いたアジ、ホッケ、サバ、サンマ、イカに代表される各種魚介類の表面に、塩水を介して魚鱗由来の低分子コラーゲンを均一に付着させ、これを乾燥定着させて低分子コラーゲンを主体とした被膜を魚介類の表面に形成したことを特徴とする魚介類の干物。
【0011】
第三の手段として、ワタを取り除いて開いたアジ、ホッケ、サバ、サンマ、イカに代表される各種魚介類の表面に、塩水を介して魚鱗由来の低分子コラーゲンおよびトレハロースを均一に付着させ、これを乾燥定着させて低分子コラーゲンおよびトレハロースを主体とした被膜を魚介類の表面に形成したことを特徴とする魚介類の干物。
【0012】
本発明は、第四の手段として、乾燥庫内の空気流を活用するために、好適には、天井壁または、それに近い位置にオゾン発生器を取り付け、リチュウム電池に接続して、オゾンを発生させてなるものである。また上記した従来技術の問題点を解決し、干物が本来有する旨味成分を増強すると共に、干物特有の臭いを低減し、且つ干物製品の表面に良好な色ツヤを与えて商品価値を高めた魚介類の干物を提供することを目的とするものである。
【0013】
本発明は、第五の手段として、上記第1手段ないし第四手段で得た魚介類の手巻きに食するに適した販売用にパック包装された食材とした。
【0014】
上記課題を解決するための本発明の構成を詳述すれば、請求項1に係る発明は、ワタを取り除いて開いたアジ、ホッケ、サバ、サンマ、イカに代表される各種魚介類の表面に、塩水を介して乾燥定着させて低分子コラーゲンを主体とした被膜を魚介類の表面に形成したことを特徴とする魚介類の干物である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る乾燥庫内の殺菌・脱臭・鮮度保持機器には、次の効果がある。本発明の機器によれば、庫内の食品等の冷蔵物は、オゾンによる浄化の作用を受け、しかもオゾンは、庫内の隅々まで達するから、従来の手段に較べて数倍の殺菌効果を上げることが出来る。
【0016】
また、干物製品の全体が、コラーゲンを主体とした被膜によって覆われるので、干物製品の表面に良好なツヤを与え商品価値を従来品より一層高めることができるものである。
【0017】
なお、干物用塩汁中に、魚鱗由来の低分子コラーゲンと共に、トレハロースを配合した場合には、得られる干物製品の表面に、低分子コラーゲンおよびトレハロースを主体とした被膜が形成され、当該被膜によって干物製品特有の臭いを閉じ込めることができる。
【0018】
さらに、魚鱗由来のコラーゲン単独または魚鱗由来のコラーゲンとトレハロースによる被膜が干物製品全体を覆うことにより、ドリップの生成を抑止することができると共に、物流時における冷凍・解凍の際のダメージを抑えることができ、且つ温度、光による変色・退色を軽減でき、鮮度保持効果により賞味期限を従来品より延長させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の乾燥庫内の殺菌・脱臭・鮮度保持機器の一実施形態を示す斜視図である。
図2】本発明のオゾン発生器の表面図である。
図3】本発明に係る干物の乾燥状態の一実施形態を示す斜視図である。
図4】本発明の干物を中心にした手巻き用の海苔・野菜及び調味料の配置図である。
図5】本発明の干物や野菜を手巻き用のサンチュで手巻きしている実態図である。
図6】本発明の干物を手巻き食材とセット販売用にしたパック包装品の実態図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を例示的な図面によって詳しく説明する。
本発明は、乾燥庫内の殺菌・脱臭・鮮度保持機器(以下「殺菌・脱臭・鮮度保持機器」という)に関するもので、電源であるところの内設されたリチウム電池(図示せず)から供給された電流によって、オゾン発生装置を駆動する。
【0021】
本発明は魚類の加工方法に係るものであり、更に詳しくいえば本発明は、いわし、さんま、さばなどのオレイン酸等酸化しやすい不飽和脂肪分の多い魚類からくさみのない美味な干物を得る加工方法に係るものである。
【0022】
さんま、さばは多量の脂肪分を含むので、これを通常の方法即ち熱風乾燥、天日乾燥し、酸化して非常にいやなくさみ、味のものとなるので、さんま、さばなどもくさみのない美味な開き生干は作られていない、本発明はこれらの脂肪分の多い魚類から臭みのないしかも情味な生干を作ることを目的とするものであって、鮮度の良いいわし、さんま、さげなどの魚類の内臓を除去したのちに、湿度の低い乾燥空気を用いて徐々に乾燥して所望の乾燥度の干物の加工方法に関するものである。
図1は、本発明の殺菌・脱臭・鮮度保持機能を有する乾燥庫の斜視図である。
【0023】
本発明は、オゾン発生器から発生するオゾンを干物、乾物の製造工程で利用することにより従来品より色、艶がよく、長期保存のきく干物・乾物を得ることを目的としてなされたものである。このオゾン化空気流によって、庫内の食品等は、隅々まで殺菌され脱臭される。
【0024】
より具体的には、秋刀魚の干物および製造方法において、原材料の秋刀魚の臭みをとり旨みを熟成させる工程で、
(1)秋刀魚を開きにし、整形する。
(2)自然換気の寒い環境で干す。
(3)寒暖の繰り返しにより、秋刀魚の中の脂が全体に広がる。
(4)化学反応を起こし有益な成分を析出する。
(5)脂が干物全体の表面まで広がり美味さをも増加する。
(6)結果として焼かずにそのまま生で刺身同様に食べられる。秋刀魚の干物が得られる。
【符号の説明】
【0025】
2 開き秋刀魚乾燥装置乾燥庫
10 オゾン発生器
15 表示灯
16 操作ボタン
20a 筐体用型板
21 鉛直軸
21A 軸受
22 棚
22b 棚用型板
22ba 棚用型板の貫通孔
23 対流用羽根体
25 オゾン発生器
30 秋刀魚の干物
31 カットした海苔
32 韓国料理の焼肉用野菜のサンチュ
33 調味用のたれ
40 セット販売用にしたパック包装品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-12-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
【図面の簡単な説明】
図1本発明の乾燥庫内の殺菌・脱臭・鮮度保持機器の一実施形態を示す斜視図である。
図2本発明のオゾン発生器の表面図である。
図3本発明に係る干物の乾燥状態の一実施形態を示す斜視図である。
図4本発明の干物を中心にした手巻き用の海苔・野菜及び調味料の配置図である。
図5本発明の干物や野菜を手巻き用のサンチュで手巻きしている実態図である。
図6本発明の干物を手巻き食材とセット販売用にしたパック包装品の実態図である