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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080563
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】タッチモジュール及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240606BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
G06F3/041 422
G06F3/044 127
G06F3/044 122
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010512
(22)【出願日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】202211539813.9
(32)【優先日】2022-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519308156
【氏名又は名称】ティーピーケイ アドバンスド ソリューションズ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】TPK ADVANCED SOLUTIONS INC
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】チェン シャンメイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン タイシー
(72)【発明者】
【氏名】リー リエンシン
(72)【発明者】
【氏名】リウ リアン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】モアレ効果を低減し、寄生容量を低減するタッチモジュールを提供する。
【解決手段】タッチモジュールは、それぞれ第1、第2の不規則メッシュパターンを有する第1、第2のメッシュ電極層を含む。第1の不規則メッシュパターンの線分は、平行移動によって第1の交点C1を有する第1の放射状パターン122を形成する。第1の放射状パターンの線分密度の上位X%の領域は、Xが少なくとも10である第1の密集領域D1として定義される。第2の不規則メッシュパターンの線分は、平行移動によって第2の交点C2を有する第2の放射状パターン132を形成する。第2の放射状パターンの線分密度の上位X%の領域は、第2の密集領域D2として定義される。第1の放射状パターンと第2の放射状パターンを、第1の交点と第2の交点が一致するように平行移動させると、第1の密集領域と第2の密集領域とは重ならない。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチモジュールであって、
第1の不規則メッシュパターンを有する第1のメッシュ電極層と、
第2の不規則メッシュパターンを有する第2のメッシュ電極層と、を備え、
前記第1の不規則メッシュパターンは、平行移動により第1の交点を有する第1の放射状パターンを形成するように構成された複数の線分を含み、前記第1の放射状パターンにおける線分密度の上位X%の領域が第1の密集領域として定義され、Xは少なくとも10であり、
前記第2の不規則メッシュパターンは、平行移動により第2の交点を有する第2の放射状パターンを形成するように構成された複数の線分を含み、前記第2の放射状パターンにおける線分密度の上位X%の領域が第2の密集領域として定義され、
前記第1の放射状パターンと前記第2の放射状パターンとを、前記第1の交点と前記第2の交点とが一致するように平行移動させたとき、前記第1の密集領域と前記第2の密集領域とは投影方向において重ならない、
タッチモジュール。
【請求項2】
Xが15、20、又は30である、請求項1に記載のタッチモジュール。
【請求項3】
前記第1の放射状パターンの前記線分と前記第2の放射状パターンの前記線分は、それぞれ前記第1の交点と前記第2の交点に対して360度放射状である、請求項1に記載のタッチモジュール。
【請求項4】
前記第1の放射状パターンの前記線分と前記第2の放射状パターンの前記線分は、それぞれ前記第1の交点と前記第2の交点に対して180度の放射状である、請求項1に記載のタッチモジュール。
【請求項5】
前記第1の放射状パターンの前記線分の数と前記第2の放射状パターンの前記線分の数が300以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載のタッチモジュール。
【請求項6】
前記第1の放射状パターンの前記線分は前記第1の不規則メッシュパターンの複数のグリッドから得られ、前記第2の放射状パターンの前記線分は前記第2の不規則メッシュパターンの複数のグリッドから得られる、請求項1~4のいずれか一項に記載のタッチモジュール。
【請求項7】
前記第1の不規則メッシュパターンの前記グリッドは、前記第1の不規則メッシュパターンの別々の領域に位置し、前記第2の不規則メッシュパターンの前記グリッドは、前記第2の不規則メッシュパターンの別々の領域に位置する、請求項6に記載のタッチモジュール。
【請求項8】
前記第1の不規則メッシュパターンの前記別々の領域の数と前記第2の不規則メッシュパターンの前記別々の領域の数が5以上である、請求項7に記載のタッチモジュール。
【請求項9】
タッチモジュールの製造方法であって、
第1の不規則メッシュパターンと第2の不規則メッシュパターンを生成することと、
前記第1の不規則メッシュパターンの複数の線分を平行移動し、第1の交点を有する第1の放射状パターンを形成することと、
ここで、前記第1の放射状パターンの線分密度の上位X%の領域は第1の密集領域として定義され、Xは少なくとも10であり、
前記第2の不規則メッシュパターンの複数の線分を平行移動し、第2の交点を有する第2の放射状パターンを形成することと、
ここで、前記第2の放射状パターンの線分密度の上位X%の領域は第2の密集領域として定義され、
前記第1の交点と前記第2の交点とが一致するように、前記第1の放射状パターンと前記第2の放射状パターンとを平行移動することと、
前記第1の密集領域と前記第2の密集領域が重ならないように、前記第2の交点を中心として回転方向に沿った所定の角度で前記第2の放射状パターンを回転することと、
前記回転方向に沿った前記角度で回転した前記第1の不規則メッシュパターンと前記第2の不規則メッシュパターンの重ね合わせ配置により、第1のメッシュ電極層と第2のメッシュ電極層とをそれぞれ形成することと、を含む、
タッチモジュールの製造方法。
【請求項10】
Xが15、20又は30である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の放射状パターンの前記線分は前記第1の不規則メッシュパターンの複数のグリッドから得られ、前記第2の放射状パターンの前記線分は前記第2の不規則メッシュパターンの複数のグリッドから得られる、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記グリッドの各々の前記線分の各々が配置方向に沿って始点と終点を有し、前記第1の不規則メッシュパターンの前記線分を平行移動することにより、前記第1の不規則メッシュパターンの前記線分の前記始点が前記第1の交点と一致し、前記第2の不規則メッシュパターンの前記線分を平行移動することにより、前記第2の不規則メッシュパターンの前記線分の前記始点が前記第2の交点と一致する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の不規則メッシュパターンの前記線分を平行移動することにより、前記第1の放射状パターンの前記線分を前記第1の交点に対して360度放射状とし、前記第2の不規則メッシュパターンの前記線分を平行移動することにより、前記第2の放射状パターンの前記線分を前記第2の交点に対して360度放射状とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記グリッドの各々の前記線分の各々は、配置方向に沿って始点と終点を有し、
前記第1の不規則メッシュパターンの前記線分を平行移動することは、
前記第1の不規則メッシュパターンの前記線分の前記始点を前記第1の交点に一致させることと、
前記第1の交点を通る第1の基準線に基づいて、前記第1の不規則メッシュパターンの前記線分を第1のグループと第2のグループに分割することと、
前記第1の不規則メッシュパターンの前記第1のグループと回転させた前記第2のグループとが前記第1の放射状パターンを形成するように、前記第1の不規則メッシュパターンの前記第2のグループを、前記第1の交点を中心として前記回転方向に沿って180度回転させることと、を含み、
前記第2の不規則メッシュパターンの前記線分を平行移動することは、
前記第2の不規則メッシュパターンの前記線分の前記始点を前記第2の交点に一致させることと、
前記第2の交点を通る第2の基準線に基づいて、前記第2の不規則メッシュパターンの前記線分を第1のグループと第2のグループに分割することと、
前記第2の不規則メッシュパターンの前記第1のグループと回転させた前記第2のグループとが前記第2の放射状パターンを形成するように、前記第2の不規則メッシュパターンの前記第2のグループを、前記第2の交点を中心として前記回転方向に沿って180度回転させることと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の不規則メッシュパターンの前記線分を平行移動することにより、前記第1の放射状パターンの前記線分を前記第1の交点に対して180度の放射状とし、前記第2の不規則メッシュパターンの前記線分を平行移動することにより、前記第2の放射状パターンの前記線分を前記第2の交点に対して180度の放射状とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の不規則メッシュパターンの前記グリッドは、前記第1の不規則メッシュパターンの別々の領域に位置し、前記第2の不規則メッシュパターンの前記グリッドは、前記第2の不規則メッシュパターンの別々の領域に位置する、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の不規則メッシュパターンの前記別々の領域の数と、前記第2の不規則メッシュパターンの前記別々の領域の数とが5以上である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の放射状パターンの前記線分の数と、前記第2の放射状パターンの前記線分の数とが300以上である、請求項9又は10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タッチモジュール及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電極層に金属メッシュを用いたタッチモジュールでは、モアレパターン効果を低減するために、2つの電極層を重ね合わせる際にランダムな金属メッシュの設計が一般的に使用される。しかし、既存の設計では、2つの金属メッシュのメッシュラインが多数重なり合っていることが多い。この現象は、二層のタッチパネルを形成する際に、2つの金属メッシュの寄生容量(Cm)を大幅に増加させる。すなわち、金属層間の重なり合う領域に寄生容量が形成される。重なり合う領域が大きいほど寄生容量が大きくなり、抵抗-容量(RC)負荷が大きくなり、リフレッシュレートが低下する。タッチディスプレイデバイスの応答速度とリフレッシュレートがますます必要とされている中、タッチモジュールの2つの電極層間の寄生容量を効果的に減少させることができなければ、寄生容量がタッチセンシングの妨げとなる。例えば、中国特許出願公開第107710122号明細書には、タッチパネルに使用される導電性フィルムのメッシュパターン設計方法が開示されている。提案された技術的解決策は寄生容量を低減することはできるが、モアレ問題を解決することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許出願公開第107710122号明細書
【0004】
したがって、上述のような問題を解決するタッチモジュール及びその製造方法をいかに提供するかが、当業界の重要な課題となっている。
【0005】
<概要>
本開示の一側面は、上述の課題を効率的に解決することができるタッチモジュール及びその製造方法を提供することである。
【0006】
本開示の一実施形態によると、タッチモジュールは、第1のメッシュ電極層と第2のメッシュ電極層とを含む。第1のメッシュ電極層は、第1の不規則メッシュパターンを有する。第1の不規則メッシュパターンは、平行移動により第1の交点を有する第1の放射状パターンを形成するように構成された複数の線分を含む。第1の放射状パターンにおける線分密度の上位X%の領域は、Xが少なくとも10である第1の密集領域として定義される。第2のメッシュ電極層は第2の不規則メッシュパターンを有する。第2の不規則メッシュパターンは、平行移動により第2の交点を有する第2の放射状パターンを形成するように構成された複数の線分を含む。第2の放射状パターンにおける線分密度の上位X%の領域は、第2の密集領域として定義される。第1の放射状パターンと第2の放射状パターンとを、第1の交点と第2の交点とが一致するように平行移動させたとき、第1の密集領域と第2の密集領域は投影方向において重ならない。
【0007】
本開示の一実施形態では、Xは15、20、又は30である。
【0008】
本開示の一実施形態では、第1の放射状パターンの線分と第2の放射状パターンの線分は、それぞれ第1の交点と第2の交点に対して360度放射状である。
【0009】
本開示の一実施形態では、第1の放射状パターンの線分と第2の放射状パターンの線分は、それぞれ第1の交点と第2の交点に対して180度の放射状である。
【0010】
本開示の一実施形態では、第1の放射状パターンの線分の数と第2の放射状パターンの線分の数が300以上である。
【0011】
本開示の一実施形態では、第1の放射状パターンの線分は、第1の不規則メッシュパターンの複数のグリッドから得られる。第2の放射状パターンの線分は、第2の不規則メッシュパターンの複数のグリッドから得られる。
【0012】
本開示の一実施形態では、第1の不規則メッシュパターンのグリッドは、第1の不規則メッシュパターンの別々の領域に位置する。第2の不規則メッシュパターンのグリッドは、第2の不規則メッシュパターンの別々の領域に位置する。
【0013】
本開示の一実施形態では、第1の不規則メッシュパターンの別々の領域の数と第2の不規則メッシュパターンの別々の領域の数が5以上である。
【0014】
本開示の一実施形態によると、タッチモジュールの製造方法は、第1の不規則メッシュパターンと第2の不規則メッシュパターンを生成することと;第1の不規則メッシュパターンの複数の線分を平行移動し、第1の交点を有する第1の放射状パターンを形成することと、ここで、第1の放射状パターンの線分密度の上位X%の領域は第1の密集領域として定義され、Xは少なくとも10であり;第2の不規則メッシュパターンの複数の線分を平行移動し、第2の交点を有する第2の放射状パターンを形成することと、ここで、第2の放射状パターンの線分密度の上位X%の領域は第2の密集領域として定義され;第1の交点と第2の交点とを一致させるように、第1の放射状パターンと第2の放射状パターンとを平行移動することと;第1の密集領域と第2の密集領域が重ならないように、第2の放射状パターンを第2の交点を中心として回転方向に沿った所定の角度で回転することと;回転方向に沿った角度で回転した第1の不規則メッシュパターンと第2の不規則メッシュパターンの重ね合わせ配置により、第1のメッシュ電極層と第2のメッシュ電極層とをそれぞれ形成することと、を含む。
【0015】
本開示の一実施形態では、Xが15、20、又は30である。
【0016】
本開示の一実施形態では、第1の放射状パターンの線分は、第1の不規則メッシュパターンの複数のグリッドから得られる。第2の放射状パターンの線分は、第2の不規則メッシュパターンの複数のグリッドから得られる。
【0017】
本開示の一実施形態では、各グリッドの各線分は、配置方向に沿って始点と終点を有する。第1の不規則メッシュパターンの線分を平行移動することにより、第1の不規則メッシュパターンの線分の始点が第1の交点と一致する。第2の不規則メッシュパターンの線分を平行移動することにより、第2の不規則メッシュパターンの線分の始点が第2の交点と一致する。
【0018】
本開示の一実施形態では、第1の不規則メッシュパターンの線分を平行移動することにより、第1の放射状パターンの線分は、第1の交点に対して360度放射状となる。第2の不規則メッシュパターンの線分を平行移動することにより、第2の放射状パターンの線分は、第2の交点に対して360度放射状となる。
【0019】
本開示の一実施形態では、各グリッドの各線分は、配置方向に沿って始点と終点を有する。第1の不規則メッシュパターンの線分を平行移動することは:第1の不規則メッシュパターンの線分の始点を第1の交点に一致させることと;第1の交点を通る第1の基準線に基づいて、第1の不規則メッシュパターンの線分を第1のグループと第2のグループに分割することと;第1の不規則メッシュパターンの第1のグループと回転した第2のグループが第1の放射状パターンを形成するように、第1の不規則メッシュパターンの第2のグループを、第1の交点を中心として回転方向に沿って180度回転させることと、を含む。第2の不規則メッシュパターンの線分を平行移動することは:第2の不規則メッシュパターンの線分の始点を第2の交点に一致させることと;第2の交点を通る第2の基準線に基づいて、第2の不規則メッシュパターンの線分を第1のグループと第2のグループに分割することと;第2の不規則メッシュパターンの第1のグループと回転した第2のグループが第2の放射状パターンを形成するように、第2の不規則メッシュパターンの第2のグループを、第2の交点を中心として回転方向に沿って180度回転させることと、を含む。
【0020】
本開示の一実施形態では、第1の不規則メッシュパターンの線分を平行移動することにより、第1の放射状パターンの線分を、第1の交点に対して180度の放射状とする。第2の不規則メッシュパターンの線分を平行移動することにより、第2の放射状パターンの線分を、第2の交点に対して180度の放射状とする。
【0021】
本開示の一実施形態では、第1の不規則メッシュパターンのグリッドは、第1の不規則メッシュパターンの別々の領域に位置する。第2の不規則メッシュパターンのグリッドは、第2の不規則メッシュパターンの別々の領域に位置する。
【0022】
本開示の一実施形態では、第1の不規則メッシュパターンの別々の領域の数と、第2の不規則メッシュパターンの別々の領域の数とが5以上である。
【0023】
本開示の一実施形態では、第1の放射状パターンの線分の数と第2の放射状パターンの線分の数が300以上である。
【0024】
したがって、本開示のタッチモジュール及びその製造方法では、第1のメッシュ電極層から得られた第1の放射状パターンと第2のメッシュ電極層から得られた第2の放射状パターンとを、第1の放射状パターンの第1の交点と第2の放射状パターンの第2の交点が一致するように平行移動させると、第1の放射状パターンの第1の密集領域と第2の放射状パターンの第2の密集領域とが投影方向において重ならない。このように、タッチモジュールのモアレ効果を効果的に解決し、寄生容量を低減することができる。
【0025】
上述の一般的な説明及び以下の詳細な説明はいずれも例によるものであり、請求項に記載の開示の更なる説明を提供することを意図していると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示は、以下の添付図面を参照して、以下の実施形態の詳細な説明を読むことによって、より完全に理解することができる。
図1】本開示の一実施形態に係るタッチモジュールの透視図である。
図2図1における第1のメッシュ電極層の第1の不規則メッシュパターンの領域の平面図である。
図3】本開示の一実施形態に係る第1の不規則メッシュパターンと第2の不規則メッシュパターンの重複を示す部分概略図である。
図4】本開示の一実施形態に係る第1の不規則メッシュパターンのグリッドの一つを示す概略図である。
図5図4のグリッドの線分の平行移動を示す概略図である。
図6】本開示の一実施形態に係る第1の放射状パターンの概略図である。
図7】本開示の一実施形態に係る第2の放射状パターンの概略図である。
図8】第1の放射状パターンと第2の放射状パターンの重複を示す概略図である。
図9】本開示の一実施形態に係るタッチモジュールの製造方法を示すフローチャートである。
図10】本開示の他の実施形態に係る第1の放射状パターンの概略図である。
図11】本開示の他の実施形態に係る第2の放射状パターンの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<詳細な説明>
ここで、本開示の本実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に例示する。可能な限り、図面と明細書において同じ参照番号が、同じ又は同様の部品を参照するために使用される。しかしながら、本明細書に開示された特定の構造及び機能の詳細は、例示的な実施形態を説明する目的のための代表的なものにすぎず、したがって、多くの代替形式で具体化することができ、本明細書に記載されている例示的な実施形態のみに限定して解釈されるべきではない。したがって、例示的な実施形態を開示された特定の形態に限定する意図はないが、逆に、例示的な実施形態は、開示の範囲内にあるすべての変更、同等物及び代替物を対象とするものであることを理解されるべきである。
【0028】
図1を参照する。図1は、本開示の一実施形態に係るタッチモジュール100の透視図である。図1に示すように、本実施形態において、タッチモジュール100は、第1のメッシュ電極層120、第2のメッシュ電極層130、及び絶縁層110を含む。絶縁層110は、第1のメッシュ電極層120と第2のメッシュ電極層130との間に配置され、第1のメッシュ電極層120を第2のメッシュ電極層130から絶縁する。第1のメッシュ電極層120は、互いに離間した複数の第1軸電極(不図示)を含むように切断される。第2のメッシュ電極層130は、互いに離間した複数の第2軸電極(不図示)を含むように切断される。前述の「第1軸」と「第2軸」は、例えばそれぞれX方向およびY方向に沿って延在することを指す。換言すると、第1軸電極はX方向に沿って延び、間隔を置いて配置された導電性の線である。第2軸電極はY方向に沿って延び、間隔を置いて配置された導電性の線である。
【0029】
図2を参照する。図2は、図1における第1のメッシュ電極層120の第1の不規則メッシュパターン121の領域Aの平面図である。図2及び図3に示すように、本実施形態において、第1のメッシュ電極層120は第1の不規則メッシュパターン121を有する。第1の不規則メッシュパターン121は複数のグリッドを含む。各グリッドは複数の線分からなる。
【0030】
いくつかの実施形態では、各グリッドは6つの線分から構成されるが、本開示はこの点に関して限定されるものではない。
【0031】
図3を参照する。図3は、本開示の一実施形態に係る第1の不規則メッシュパターン121と第2の不規則メッシュパターン131の重複を示す部分概略図である。図3に示すように、本実施形態では、第1の不規則メッシュパターン121の線分は、第2の不規則メッシュパターン131の線分と大きく重複しないため、寄生容量を効果的に低減することができる。さらに、第1の不規則メッシュパターン121の線分と第2の不規則メッシュパターン131の線分は、明確で規則的な平行現象が無いため、モアレ効果を効果的に低減することができる。
【0032】
図4及び図5を参照する。図4は、本開示の一実施形態に係る第1の不規則メッシュパターン121のグリッドのうちの一つを示す概略図である。図5は、図4のグリッドの線分の平行移動を示す概略図である。本実施形態では、図6に示すように、第1の不規則メッシュパターン121の線分を平行移動させて、第1の交点C1を有する第1の放射状パターン122を形成することができる(統計的に有意な少なくとも300の線分)。詳細には、第1の放射状パターン122は、第1の不規則メッシュパターン121の複数の別々の領域に位置するグリッドの線分(例えば、領域Aで接続されていない別々の領域を任意に選択)を積層して構成されてもよい。例えば、領域Aにおいて、少なくとも300の線分を有する5つの別々の領域の集まりは、統計的に有意で有り得る。換言すると、第1の不規則メッシュパターン121のすべての線分によって第1の放射状パターン122が形成されるわけではない。第1の不規則メッシュパターン121上で、前述の別々の領域を一様に選択することができる。
【0033】
具体的には、図4に示すように、線分L1、L2、L3、L4、L5、L6を端点P1、P2、P3、P4、P5、P6に順次接続した単一のグリッドを分解して説明する。線分L1、L2、L3、L4、L5、L6は、それぞれ配置方向に沿って始点と終点がある。例えば、線分L1、L2、L3、L4、L5、L6の始点と終点を時計回りに交互に接続した場合、線分L1の始点と終点はそれぞれ点P1、P2である。同様に、線分L2の始点と終点はそれぞれ点P2とP3である。線分L3の始点と終点はそれぞれ点P3とP4である。線分L4の始点と終点はそれぞれ点P4とP5である。線分L5の始点と終点はそれぞれ点P5とP6である。線分L6の始点と終点はそれぞれ点P6とP1である。配置方向が時計回りの場合、図4の線分L1,L2,L3,L4,L5,L6を始点が第1の交点C1と一致するように平行移動すると、図5に示すパターンを得ることができる。
【0034】
図6及び図7を参照する。図6は、本開示の一実施形態に係る第1の放射状パターン122の概略図である。図7は、本開示の一実施形態に係る第2の放射状パターン132の概略図である。
【0035】
図4及び図5に対応するグリッドの線分の平行移動方法によると、第1の不規則メッシュパターン121の複数の別々の領域のグリッドのすべての線分を平行移動させた後に、図6に示す第1の放射状パターン122を得ることができる。さらに、いくつかの実施形態では、図7に示す第2の放射状パターン132も、第1の放射状パターン122が形成されるのと同様に、第2の不規則メッシュパターン131の線分によって形成することができる。
【0036】
図6及び図7に示すように、いくつかの実施形態では、第1の放射状パターン122における線分密度の上位X%の領域を、Xが少なくとも10である第1の密集領域D1と定義する。第2の放射状パターン132における線分密度の上位X%の領域を第2の密集領域D2と定義する。
【0037】
いくつかの実施形態では、Xは15、20、又は30であるが、本開示はこの点に関して限定されるものではない。Xが適切な値になるように調整することで、第1の密集領域D1と第2の密集領域D2の領域を適切なサイズにすることができ、その後のパターンの回転処理に便利である。実際、図4及び図5によると、基準円中心(例えば、第1の交点C1と第2の交点C2)を重ね合わせることにより、第1の不規則メッシュパターン121及び第2の不規則メッシュパターン131の統計的な方向分布を得ることができる。したがって、その後の寄生容量の低減の検討では、回転中に可能な限り第1の不規則メッシュパターン121の第1の密集領域D1を第2の不規則メッシュパターン131の第2の密集領域D2からずらして配置する。
【0038】
いくつかの実施形態では、グリッドの線分の方向分布を反映する統計的有意性を得るために、第1の放射状パターン122の線分の数と第2の放射状パターン132の線分の数は300以上であるが、本開示はこの点に関して限定されるものではない。線分の数を制限することにより、第1の放射状パターン122と第2の放射状パターン132は、それぞれ第1の不規則メッシュパターン121と第2の不規則メッシュパターン131の線分分布をより正確に示すことに役立つ。
【0039】
いくつかの実施形態では、第1の不規則メッシュパターン121の別々の領域の数と第2の不規則メッシュパターン131の別々の領域の数は5以上であるが、本開示はこの点に関して限定されるものではない。例えば、各メッシュパターン上で5つの領域が円で囲まれており、各領域が300を超える線分を得るためには、少なくとも10の六角形グリッド(合計60の線分)が必要である。別々の領域の数を制限することによって、第1の放射状パターン122と第2の放射状パターン132が、それぞれ第1の不規則メッシュパターン121と第2の不規則メッシュパターン131の線分分布をより正確に示すことにも役立つ。
【0040】
図8を参照する。図8は第1の放射状パターン122と第2の放射状パターン132の重なりを示す模式図である。図6及び図7に示すように、第1の交点C1と第2の交点C2が一致するように第1の放射状パターン122と第2の放射状パターン132を直接平行移動したとき、第1の放射状パターン122の第1の密集領域D1と第2の放射状パターン132の第2の密集領域D2が垂直投影方向に少なくとも部分的に重なる。図8に示すように、第2の放射状パターン132を回転方向(例えば時計回りの方向)に沿って第2の交点C2を中心に角度θだけ回転させた後は、第1の放射状パターン122の第1の密集領域D1と第2の放射状パターン132の第2の密集領域D2が垂直投影方向に重なることはない。そのため、2つのメッシュパターンの密集領域を調整した後、一方のメッシュパターンの密集領域が他方のメッシュパターンの密集領域から実際にずれるように回転させることができ、寄生容量を効果的に低減させることができる。
【0041】
なお、第1のメッシュ電極層120の第1の不規則メッシュパターン121は、図6及び図8の第1の放射状パターン122に相当し、第2のメッシュ電極層130の第2の不規則メッシュパターン131は、図8における角度θだけ回転した第2の放射状パターン132に相当する。
【0042】
図9を参照する。図9は、本開示の一実施形態に係るタッチモジュールの製造方法のフローチャートである。図9に示すように、タッチモジュールの製造方法はステップS101からS106を含み、図1から図8を参照してもよい。ステップS101からステップS106までの詳細は以下の通りである。
【0043】
ステップS101:第1の不規則メッシュパターン121と第2の不規則メッシュパターン131を生成する。
【0044】
ステップS102:第1の不規則メッシュパターン121の複数の線分を平行移動し、第1の交点C1を有する第1の放射状パターン122を形成する。ここで、第1の放射状パターン122の線分密度の上位X%の領域を第1の密集領域D1と定義し、Xは少なくとも10である。
【0045】
いくつかの実施形態では、ステップS102は、第1の不規則メッシュパターン121の線分の始点を第1の交点C1に一致させる。
【0046】
ステップS103:第2の不規則メッシュパターン131の複数の線分を平行移動し、第2の交点C2を有する第2の放射状パターン132を形成する。ここで、第2の放射状パターン132の線分密度の上位X%の領域を第2の密集領域D2と定義する。
【0047】
いくつかの実施形態では、ステップS103で第2の不規則メッシュパターン131の線分の始点を第2の交点C2に一致させる。
【0048】
ステップS104:第1の交点C1と第2の交点C2が一致するように、第1の放射状パターン122と第2の放射状パターン132を平行移動する。
【0049】
ステップS105:第1の密集領域D1と第2の密集領域D2が重ならないように、第2の交点C2を中心として回転方向(例えば時計回りの方向)に沿って第2の放射状パターン132を角度θだけ回転する。
【0050】
ステップS106:回転方向に沿って角度θだけ回転した第1の不規則メッシュパターン121と第2の不規則メッシュパターン131の重ね合わせ配置により、第1のメッシュ電極層120と第2のメッシュ電極層130をそれぞれ形成する。
【0051】
いくつか実施形態では、図6及び図7に示すように、ステップS102で第1の放射状パターン122の線分を第1の交点C1に対して360度放射状とし、ステップS103で第2の放射状パターン132の線分を第2の交点C2に対して360度放射状とする。ただし、本開示はこの点に関して限定されるものではない。
【0052】
図10及び図11を参照する。図10は、本開示の別の実施形態に係る第1の放射状パターン122’の概略図である。図11は、本開示の別の実施形態に係る第2の放射状パターン132’の概略図である。図10及び11に示すように、第1の放射状パターン122’の線分及び第2の放射状パターン132’の線分は、それぞれ第1の交点C1及び第2の交点C2に対して180度放射状である。
【0053】
図10に示す第1の放射状パターン122’を得るために、いくつかの実施形態では、ステップS102はステップS102aからステップS102cを含んでもよく、図6及び図10を参照することができる。ステップS102aからステップS102cの詳細を以下に説明する。
【0054】
ステップS102a:第1の不規則メッシュパターン121の線分の始点を第1の交点C1と一致させる。
【0055】
ステップS102b:第1の交点C1を通る第1基準線R1を基準として、第1の不規則メッシュパターン121の線分を第1グループG11と第2グループG12に分割する。
【0056】
ステップS102c:第1の不規則メッシュパターン121の第2グループG12を、第1の交点C1を中心として回転方向(例えば時計回りの方向)に180度回転させ、第1の不規則メッシュパターン121の第1グループG11と回転させた第2グループG12が、第1の密集領域D1’を有する第1の放射状パターン122’を形成する。
【0057】
同様に、図11に示す第2の放射状パターン132’を得るために、いくつかの実施形態では、ステップS103はステップS103aからステップS103cを含み、図6図7図10を参照することができる。ステップS103aからステップS103cまでの詳細は以下の通りである。
【0058】
ステップS103a:第2の不規則メッシュパターン131の線分の始点を第2の交点C2と一致させる。
【0059】
ステップS103b:第2の交点C2を通る第2基準線R2を基準として、第2の不規則メッシュパターン131の線分を第1グループG21と第2グループG22に分割する。
【0060】
ステップS103c:第2の不規則メッシュパターン131の第2グループG22を第2の交点C2を中心として回転方向(例えば時計回りの方向)に180度回転させ、第2の不規則メッシュパターン131の第1グループG21と回転させた第2グループG22が第2の密集領域D2’を有する第2の放射状パターン132’を形成する。
【0061】
上記の本開示の実施形態の説明によると、本開示のタッチモジュール及びその製造方法において、第1のメッシュ電極層から得られた第1の放射状パターンと第2のメッシュ電極層から得られた第2の放射状パターンを、第1の放射状パターンの第1の交点と第2の放射状パターンの第2の交点が一致するように平行移動させると、第1の放射状パターンの第1の密集領域と第2の放射状パターンの第2の密集領域が投影方向において重ならないことがわかる。このようにして、タッチモジュールのモアレ効果を効果的に解決し、寄生容量を低減することができる。
【0062】
本開示は、その特定の実施形態を参照してかなり詳細に説明されているが、他の実施形態も可能である。したがって、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲は、本明細書に含まれる実施形態の説明に限定されるべきではない。
【0063】
本開示の範囲又は精神から逸脱することなく、本開示の構造に様々な修正及び変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。上記の観点から、本開示は、以下の請求項の範囲に該当することを条件として、本開示の修正及び変更を対象とすることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11