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特開2024-80565再生炭素繊維パッドの製造方法及び再生炭素繊維パッドを有する再生炭素繊維アーチインソール
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  • 特開-再生炭素繊維パッドの製造方法及び再生炭素繊維パッドを有する再生炭素繊維アーチインソール 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080565
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】再生炭素繊維パッドの製造方法及び再生炭素繊維パッドを有する再生炭素繊維アーチインソール
(51)【国際特許分類】
   A43B 17/00 20060101AFI20240606BHJP
   A43B 7/1415 20220101ALI20240606BHJP
【FI】
A43B17/00 A
A43B7/1415
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025973
(22)【出願日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】111146104
(32)【優先日】2022-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】517068368
【氏名又は名称】達特富科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 維政
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050EA13
4F050HA23
4F050HA60
4F050HA71
4F050KA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】再生炭素繊維パッドを有する再生炭素繊維アーチインソール及び、再生炭素繊維パッドの製造方法に関する。
【解決手段】再生炭素繊維材料と、ナイロン又は複合プラスチックとを混合すると共に弾力性を有する再生炭素繊維の粒子射出材料を形成し、射出プロセス条件によって、再生炭素繊維の粒子射出材料を射出形成して再生炭素繊維パッドになる再生炭素繊維パッドの製造方法を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生炭素繊維材料を提供するステップと、
ナイロン又は複合プラスチックを提供するステップと、
前記再生炭素繊維材料と、前記ナイロン又は複合プラスチックとを混合すると共に弾力性を有する再生炭素繊維の粒子射出材料を形成するステップと、
射出プロセス条件によって、前記再生炭素繊維の粒子射出材料を射出形成して再生炭素繊維パッドになるステップと、を含み、
前記再生炭素繊維材料は、第一含量百分比及び第一重量百分比を有し、
前記ナイロン又は複合プラスチックは、第二含量百分比及び第二重量百分比を有し、前記第二含量百分比と前記第一含量百分比との合計は、百分の百であり、前記第二重量百分比と前記第一重量百分比との合計は、百分の百であり、
前記射出プロセス条件は、デフォルト型温、デフォルト冷却時間、デフォルトスクリュー回転速度、デフォルト射出時間及びデフォルト型内ゾーン温度のうちの少なくとも1つを含む、
再生炭素繊維パッドの製造方法。
【請求項2】
前記第一含量百分比は、10%乃至30%であり、前記第二含量百分比は、70%乃至90%である、
請求項1に記載の再生炭素繊維パッドの製造方法。
【請求項3】
前記第一重量百分比は、50%であり、前記第二重量百分比は、50%である、
請求項1に記載の再生炭素繊維パッドの製造方法。
【請求項4】
前記再生炭素繊維材料は、0.1mm乃至0.5mmの短繊維粉末である、
請求項1に記載の再生炭素繊維パッドの製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の再生炭素繊維パッドの製造方法により製造される再生炭素繊維パッドを含む、
再生炭素繊維アーチインソール。
【請求項6】
前記再生炭素繊維パッドに重畳される第一クッション層をさらに含む、
請求項5に記載の再生炭素繊維アーチインソール。
【請求項7】
前記第一クッション層を全足長により定義し、かつ前記再生炭素繊維パッドの長さは前記全足長の四分の三である、
請求項6に記載の再生炭素繊維アーチインソール。
【請求項8】
前記再生炭素繊維パッドと前記第一クッション層との間に挟まれる少なくとも一枚の第二クッション層をさらに含む、
請求項6に記載の再生炭素繊維アーチインソール。
【請求項9】
前記再生炭素繊維パッドは、特定輪郭を有し、
かつ前記特定輪郭は、データベースにおける複数の対応する輪郭統計値によって決まり、
前記複数の対応する輪郭統計値は、足部正中長さに対応する輪郭統計値、足部内側長さに対応する輪郭統計値、足部外側長さに対応する輪郭統計値、足部足先幅に対応する輪郭統計値、足部アーチ幅に対応する輪郭統計値、足部踵幅に対応する輪郭統計値、足部内足アーチ高さに対応する輪郭統計値、足部内アーチ位置に対応する輪郭統計値、足部外足アーチ高さに対応する輪郭統計値及び足部外アーチ位置に対応する輪郭統計値を含む、
請求項5に記載の再生炭素繊維アーチインソール。
【請求項10】
前記特定輪郭は、アーチ高さ及び幅を有し、前記アーチ高さは低めのアーチ高さ、標準のアーチ高さ及び高めのアーチ高さを含み、
前記幅は、狭めの幅、標準の幅及び広めの幅を含む、
請求項9に記載の再生炭素繊維アーチインソール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴類に用いられるアーチインソールの技術分野に関するものであり、特に、再生炭素繊維パッドを有する再生炭素繊維アーチインソールに関するものである。本発明は、再生炭素繊維パッドの製造方法に関するものでもある。
【背景技術】
【0002】
人々は、一般的に靴の中にアーチインソールを敷くことにより、歩行時やランニング時にストレスの軽減や振動の軽減をして、快適さを向上させている。特に、ポストコロナ時代において、特に健康が重視され、医療や保健類の力学アーチ機能のインソールに対するニーズも日に日に増加している。
【0003】
伝統的なアーチインソールは、主に純炭素繊維、PP、PE、TPUなどのプラスチック及び樹脂炭素繊維複合材等石油化学類プラスチック材料で製造される。これらは、製造形成が比較的困難であり、かつ弾力性がないため(例えば、過度に硬い、過度に厚い)、使用機能性が悪かった。
【0004】
さらに、炭素繊維材料は靴類又はその他の用途に広く使用されているが、依然として材料が過度に硬く弾力性がないという問題があった。前記材料はいずれもリサイクルできず、環境汚染及び百年残り続けるごみの問題を生じさせやすいため、徐々に成熟した炭素繊維の材料回収技術を通じて減量を回収して開発応用する必要があり、その問題を改善させ、再生エコ製品の循環を創造することにより、製造工程及び製品の炭素排出量を減少させる目標を達成する。
【0005】
また、現在、市販のアーチインソールの種類は非常に多く、医療効果機能があるといわれる多数のものは、いずれも実際に人間工学又は医学力学のデザイン及び実際の医学認証があるものでないと同時に、既存のアーチインソールは通常内側のアーチサポート性が不足しており、横のアーチパッドのサポート形状の設計エラーがあるため、需要者はそれを試して使用した結果、金銭を無駄にしたり、騙されることになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記伝統的なアーチインソールの各種問題を解決するために、本発明は、再生炭素繊維パッドの製造方法を提供すると共に、前記製造方法により製造された再生炭素繊維パッドが含まれる、再生炭素繊維アーチインソールを提案する。現在、再生製造プロセスは、1トンの再生炭素繊維RCFが4乃至4.5トンのCO2を生成して排出することを計算しており、現在業界における炭素繊維製造プロセスは、1トン炭素繊維CFを生成すると、20トンCO2の排出を生成することに比べて、再生炭素繊維材料を使用するのは炭素排出を80%近くまで有効に低下させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記再生炭素繊維パッドの製造方法は、再生炭素繊維材料を提供するステップと、ナイロン又は複合プラスチックを提供するステップと、前記再生炭素繊維材料と、前記ナイロン又は複合プラスチックとを混合すると共に弾力性を有する再生炭素繊維の粒子射出材料を形成するステップと、射出プロセス条件によって、前記再生炭素繊維の粒子射出材料を射出形成して再生炭素繊維パッドになるステップと、を含み、前記再生炭素繊維材料は、第一含量百分比及び第一重量百分比を有し、前記ナイロン又は複合プラスチックは、第二含量百分比及び第二重量百分比を有し、前記第二含量百分比と前記第一含量百分比との合計は、百分の百であり、前記第二重量百分比と前記第一重量百分比との合計は、百分の百であり、前記射出プロセス条件は、デフォルト型温、デフォルト冷却時間、デフォルトスクリュー回転速度、デフォルト射出時間及びデフォルト型内ゾーン温度のうちの少なくとも1つを含む。
【0008】
限定性ではない実施例において、前記第一含量百分比は、10%乃至30%であり、前記第二含量百分比は、70%乃至90%である。
【0009】
限定性ではない実施例において、前記第一重量百分比は、50%であり、前記第二重量百分比は、50%である。
【0010】
限定性ではない実施例において、前記再生炭素繊維材料は、0.1mm乃至0.5mmの短繊維粉末である。
【0011】
限定性ではない実施例において、前記ナイロン又は複合プラスチックは、PA6レベルナイロン及びPA12レベルナイロンのいずれか1つである。
【0012】
限定性ではない実施例において、前記デフォルト型温は、70℃である。
【0013】
限定性ではない実施例において、前記デフォルト冷却時間は、15秒である。
【0014】
限定性ではない実施例において、前記デフォルトスクリュー回転速度は、88rpmである。
【0015】
限定性ではない実施例において、前記デフォルト射出時間は、1.5秒である。
【0016】
限定性ではない実施例において、前記デフォルト型内ゾーン温度は、第一ゾーン温度の260℃乃至第五ゾーン温度の225℃である。
【0017】
前記再生炭素繊維アーチインソールは、再生炭素繊維パッドを含み、前記再生炭素繊維パッドは、前記再生炭素繊維パッドの製造方法により製造される。
【0018】
限定性ではない実施例において、前記再生炭素繊維アーチインソールは、前記再生炭素繊維パッドに重畳される第一クッション層をさらに含む。
【0019】
限定性ではない実施例において、前記第一クッション層を全足長により定義し、かつ前記再生炭素繊維パッドの長さは前記全足長の四分の三である。
【0020】
限定性ではない実施例において、前記再生炭素繊維アーチインソールは、前記第一クッション層に重畳されるグラフェンパッドをさらに含む。
【0021】
限定性ではない実施例において、前記グラフェンパッドの長さは前記全足長に等しい。
【0022】
限定性ではない実施例において、前記グラフェンパッドは92%のグラフェン糸と8%の弾性糸とを混合したメリヤスによりなる。
【0023】
限定性ではない実施例において、前記グラフェンパッドの表面には蜂巣状グラフェン材料がさらに印刷されている。
【0024】
限定性ではない実施例において、前記再生炭素繊維アーチインソールは、前記再生炭素繊維パッドと前記第一クッション層との間に挟まれる少なくとも一枚の第二クッション層をさらに含む。
【0025】
限定性ではない実施例において、前記第一クッション層は発泡材であり、前記少なくとも一枚の第二クッション層はゴムシートである。
【0026】
限定性ではない実施例において、前記再生炭素繊維パッドは特定輪郭を有し、かつ前記特定輪郭は、データベースにおける複数の対応する輪郭統計値によって決まる。
【0027】
限定性ではない実施例において、前記複数に対応する輪郭統計値は、足部正中長さに対応する輪郭統計値、足部内側長さに対応する輪郭統計値、足部外側長さに対応する輪郭統計値、足部足先幅に対応する輪郭統計値、足部アーチ幅に対応する輪郭統計値、足部踵幅に対応する輪郭統計値、足部内足アーチ高さに対応する輪郭統計値、足部内アーチ位置に対応する輪郭統計値、足部外足アーチ高さに対応する輪郭統計値及び足部外アーチ位置に対応する輪郭統計値を含む。
【0028】
限定性ではない実施例において、前記特定輪郭は、アーチ高さ及び幅を有し、前記アーチ高さは、低めのアーチ高さ、標準のアーチ高さ及び高めのアーチ高さを含み、前記幅は、狭めの幅、標準の幅及び広めの幅を含む。
【0029】
前記の通り、伝統的なプラスチック材料の代わりに再生炭素繊維材料を使用し、再生炭素繊維パッド及び再生炭素繊維パッドを含む再生炭素繊維アーチインソールを製造することにより、回收再生再利用をして環境ニーズに合わせる効果を有効に達することができ、かつ、例えば、軽量、高弾性、耐疲労、製造容易性、高強度及び靱性、並びに、変形しにくい等の再生炭素繊維材料自体が有する特性により再生炭素繊維アーチインソールの使用性を向上させることができる。
【0030】
そして、再生炭素繊維パッドの輪郭は、ビッグデータを利用し、様々な足型条件に基づいて設計を変化させ様々な異なるサイズとすることができるので、異なるニーズを満たすことができる。そのため、オーダーメイドを行うこともできるので、使用上の多様性を向上させることもできる。さらに、グラフェン材料の遠赤外線の健康機能を利用し、再生炭素繊維アーチインソールに健康効果を有させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の好適な実施例である再生炭素繊維アーチインソールの分解斜視図である。
図2】本発明の好適な実施例である再生炭素繊維パッドの製造方法の工程図である。
図3】本発明の好適な実施例である足型定義の1つのサンプル模式図である。
図4】本発明の好適な実施例である足型定義の別のサンプル模式図である。
図5】本発明の好適な実施例である再生炭素繊維パッドの輪郭変化の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の目的、特徴及び効果を十分に理解するために、添付した図面を参照して本発明の好適な実施例を説明する。
【0033】
図1を参照されたい。図1は、本発明の好適な実施例である再生炭素繊維アーチインソールの分解斜視図である。図1において、靴の中(図示せず)に設置可能の再生炭素繊維アーチインソール1が示されており、この再生炭素繊維アーチインソール1は、主に再生炭素繊維パッド11及び第一クッション層12を含み、かつ図1に示すように、本実施例において、再生炭素繊維アーチインソール1は、一枚のグラフェンパッド13及び二枚の第二クッション層14をさらに含み、第一クッション層12は再生炭素繊維パッド11に重畳され、グラフェンパッド13は第一クッション層12に重畳され、二枚の第二クッション層14はそれぞれ再生炭素繊維パッド11と第一クッション層12との間に挟まれる。
【0034】
第一クッション層12は発泡材であり、二枚の第二クッション層14は、それぞれゴムシートであり、これらはストレスや振動の軽減をするのに用いられることができ、人々が再生炭素繊維アーチインソール1を使用する(足踏みの)快適感を向上させる。もちろん、第一クッション層12と第二クッション層14とを反対に設計してもよい。
【0035】
即ち、第一クッション層12はゴムシートであってもよく、第二クッション層14は発泡材であってもよい。そして、第二クッション層14の数量は、図1に示される二枚に限定されず、一枚、三枚又は他の数量であってもよく、かつその形状、長さ幅高さのサイズ、設置位置等は実際のニーズに応じて変更してもよい。例えば、異なるアーチ高、足幅、足長等に応じて異なる設計にしてもよい。
【0036】
前記グラフェンパッド13(グラフェン表布と呼んでもよい)は、本実施例において92%のグラフェン糸と8%の弾性糸とを混合したメリヤスによりなり、かつグラフェンパッド13の表面には蜂巣状グラフェン材料131が印刷されている。このように、グラフェンの含量をさらに増やすことができる。グラフェンは、例えば、足裏の血液循環のほう助、血流速の向上等の保健効果を有する。
【0037】
公証機関の認証テストによって、前記方法で設計されたグラフェンパッド13は、遠赤外線放射率が0.83以上に達することができ、再生炭素繊維アーチインソールを一時間使用すると、手足温度上昇テストで13℃向上し、血流量が+11%向上し、指先血中酸素濃度が+1.0向上し、肌実感温度が+9℃向上するのをほう助できる効果を有する。
【0038】
また、前記のように、再生炭素繊維アーチインソール1は、再生炭素繊維パッド11を含む、即ち、伝統的なプラスチック材料の代わりに再生炭素繊維材料でパッドを製造する。これにより、回收再生をして環境ニーズに合わせる効果を有効に達することができる。
【0039】
また、再生炭素繊維材料自体は、例えば、軽量、薄化、高弾性、耐疲労、製造容易性、高強度及び靱性、並びに変形しにくい等多くの特性を有するので、再生炭素繊維材料でパッドを製造すると共に、そのパッドを再生炭素繊維アーチインソール1に用いることにより、再生炭素繊維アーチインソール1の使用性を増加させることができる。以下にて再生炭素繊維パッド11の製造方法を説明する。
【0040】
図2を参照されたい。図2は、本発明の好適な実施例である再生炭素繊維パッドの製造方法の工程図であり、工程図において再生炭素繊維アーチインソール1に含まれる再生炭素繊維パッド11の製造方法のステップが示され、図1を合わせて参照されたい。
【0041】
再生炭素繊維パッド11の製造方法のステップにおいて、まず、再生炭素繊維材料を提供する。この再生炭素繊維材料は、第一含量百分比及び第一重量百分比を有する(ステップS01)。本実施例において、前記再生炭素繊維材料の第一含量百分比は、10%乃至30%であり、例えば、10%、15%、20%、25%、30%等であり、かつ第一重量百分比は、50%である。
【0042】
続いて、ナイロン又は複合プラスチックを提供する。このナイロン又は複合プラスチックは、第二含量百分比及び第二重量百分比を有し、かつナイロン又は複合プラスチックの第二含量百分比と再生炭素繊維材料の第一含量百分比との合計は、百分の百であり、ナイロン又は複合プラスチックの第二重量百分比と再生炭素繊維材料の第一重量百分比との合計は、百分の百である(ステップS02)。本実施例において、前記ナイロン又は複合プラスチックの第二含量百分比は、70%乃至90%であり、かつ第二重量百分比は、50%である。
【0043】
前記再生炭素繊維材料の第一含量百分比とナイロン又は複合プラスチックの第二含量百分比について、例えば、第一含量百分比が10%であるとき、第二含量百分比は90%であり、第一含量百分比が15%であるとき、第二含量百分比は85%であり、第一含量百分比が20%であるとき、第二含量百分比は80%であり、第一含量百分比が25%であるとき、第二含量百分比は75%であり、第一含量百分比が30%であるとき、第二含量百分比は70%である等の比率がある。
【0044】
もちろん、第一含量百分比が12%であれば、第二含量百分比が88%であり、第一含量百分比が13%であれば、第二含量百分比が87%であり、第一含量百分比が16%であれば、第二含量百分比が84%であり、第一含量百分比が18%であれば、第二含量百分比が82%である等の変化があってもよく、実際の製造ニーズに合わせ変化させてもよい。
【0045】
その後、再生炭素繊維材料とナイロン又は複合プラスチックとを混合すると共に弾力性を有する再生炭素繊維の粒子射出材料を形成する(ステップS03)。これは混料プロセスといわれる。
【0046】
そして、射出プロセス条件によって、再生炭素繊維の粒子射出材料を射出形成して再生炭素繊維パッド11になり、かつ射出プロセス条件は、デフォルト型温、デフォルト冷却時間、デフォルトスクリュー回転速度、デフォルト射出時間及びデフォルト型内ゾーン温度のうちの少なくとも1つを含む(ステップS04)。
【0047】
前記ステップS04において、射出プロセス条件に含まれる各種パラメーターは、再生炭素繊維材料の第一含量百分比と第一重量百分比の比率、及び、ナイロン又は複合プラスチックの対応する第二含量百分比と第二重量百分比の比率に基いて、その中の少なくとも1つを設定してもよい。
【0048】
例えば、再生炭素繊維材料の第一含量百分比が15%であり、第一重量百分比は50%であり、ナイロン又は複合プラスチックの対応する第二含量百分比が85%であり、第二重量百分比は50%である場合、射出プロセス条件は、デフォルト型温が70℃であり、デフォルト冷却時間が15秒であり、デフォルトスクリュー回転速度が88rpmであり、デフォルト射出時間が1.5秒であり、デフォルト型内ゾーン温度が第一ゾーンの温度の260℃乃至第五ゾーンの温度の225℃であることを含む。
【0049】
前記射出プロセス条件に含まれる各種パラメーターの設定を個別に調整して、異なる含量比及び重量比の条件で必要とされる再生炭素繊維パッド11を製造することができ、例えば、のび強度が125±10MPaであり、湾曲強度が192±10MPaであり、曲げ弾性率が6.6±2Gpaである再生炭素繊維パッド11が得られる。
【0050】
前記再生炭素繊維材料は、例えば、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm等の0.1mm乃至0.5mmの短繊維粉末であってもよく、かつナイロン又は複合プラスチックは、PA6レベルナイロン及びPA12レベルナイロンのいずれか1つであってもよく、もちろん他の複合プラスチックを使用してもよい。同様に、前記射出プロセス条件に含まれる各種パラメーターは、前記再生炭素繊維材料と、ナイロン又は複合プラスチックとの異なる型式に基いて、その中の少なくとも1つを設定してもよく、それにより、例えば、前記各種テスト条件を満たす再生炭素繊維パッド11を得ることができる。
【0051】
改めて、図1を参照されたい。上述のように、再生炭素繊維アーチインソール1は、互いに重畳される再生炭素繊維パッド11、第二クッション層14、第一クッション層12及びグラフェンパッド13を含み、第一クッション層12を全足長により定義し、即ち、足板全体の踵乃至足指先の長さであり、かつグラフェンパッド13の長さは、全足長に等しい、即ち、グラフェンパッド13と第一クッション層12とは同様の長さを有する。図1からわかるように、グラフェンパッド13と第一クッション層12とは、同一の外型輪郭を有する。もちろん、グラフェンパッド13と第一クッション層12との両者は異なる長さ、異なる外型輪郭に設計してもよい。
【0052】
そして、再生炭素繊維パッド11の長さは、全足長の四分の三であり、踵骨(後足部)及び中足骨(中足部)の範囲、即ち、四分の三アーチインソール骨組設計を含む。詳細に説明すると、再生炭素繊維パッド11は、特定輪郭を有し、かつこの特定輪郭は、データベースにおける複数の対応する輪郭統計値によって決まり、データベースは、ヒトの足型のデータベースであり、例えば、関連するアーチインソール製品の長年の販売を通じて一般の業者が蓄積した顧客の足型形状データであってもよく、関連する医学研究機関が様々な足型(例えば、低め、標準、高めの三種の異なるアーチ高さの足型)を研究し、蓄積した被験者の足型のデジタルデータであってもよく、かつデータベースは、さらに人種別の足型のデジタルデータに分別してもよい。
【0053】
例えば、前記再生炭素繊維パッド11の特定輪郭は、37500人のアジア成人の足型、業者がアーチインソール製品の長年の販売を通じて蓄積することによって得られた(ビッグ)データベースによって決まってもよい。
【0054】
図3及び図4を同時に参照されたい。図3は、本発明の好適な実施例である足型定義の1つのサンプル模式図であり、図4は、本発明の好適な実施例である足型定義の別のサンプル模式図であり、図3及び図4は、参考として用いられるに過ぎず、この分野における足型の定義を例示するものである。
【0055】
図3及び図4を合わせて参考にされたい。前記複数の対応する輪郭統計値は、足部正中長さに対応する輪郭統計値、足部内側長さに対応する輪郭統計値、足部外側長さに対応する輪郭統計値、足部足先幅に対応する輪郭統計値、足部アーチ幅に対応する輪郭統計値、足部踵幅に対応する輪郭統計値、足部内足アーチ高さに対応する輪郭統計値、足部内アーチ位置に対応する輪郭統計値、足部外足アーチ高さに対応する輪郭統計値及び足部外アーチ位置に対応する輪郭統計値を含む。
【0056】
したがって、再生炭素繊維パッド11の四分の三アーチインソール骨組設計の特定輪郭は、前記ビッグデータの統計値によって設計して得られることができ(即ち、いわゆる人間工学)、かつこれにより、製造される再生炭素繊維パッド11は人体力学に適合する。
【0057】
図5を参照されたい。図5は、本発明の好適な実施例である再生炭素繊維パッドの輪郭変化模式図である。上述の同様に、再生炭素繊維パッド11の特定輪郭は、ビッグデータを利用して様々な足型条件に基いて設計を変化させ数多くの異なるサイズにしてもよく、例えば、特定輪郭はアーチ高さ及び幅を有することにより、異なるニーズを満たすことができる。
【0058】
したがって、オーダーメイド(例えば、日常活動の使用、激しい運動の使用、矯正サポートの使用等)を行うこともでき、使用上の多様性を向上させることができる。
【0059】
例を挙げると、図5に示すように、左から右に表示される低め、標準、高めのアーチ高さ(即ち、低めのアーチ高さ、標準のアーチ高さ及び高めのアーチ高さ)に合わせ、かつそれぞれのアーチ高さの設計は、現在の靴の種類において多くの応用ニーズに対応して、狭めの、標準の及び広めのサイズ(即ち、狭めの幅、標準の幅及び広めの幅)があり、再生炭素繊維パッド11の四分の三アーチインソール骨組設計の特定輪郭は、前記ビッグデータにより前記異なる状況に対して設計が変化されてもよい。この通り、異なるニーズに合うように、数多くの変化するサイズを得ることができる。
【0060】
本発明は、上述においてより好適な実施例を示したが、当業者にとって前記の実施例は、本発明を説明するために用いられるものに過ぎず、本発明の範囲を制限するものと解釈すべきではない。要注意すべきなのは、前記実施例の等価変更や置換のいずれも発明の範疇に含まれるものと理解すべきである。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で定義するものに準ずる。
【符号の説明】
【0061】
1 再生炭素繊維アーチインソール
11 再生炭素繊維パッド
12 第一クッション層
13 グラフェンパッド
131 蜂巣状グラフェン材料
14 第二クッション層
S01 ステップ
S02 ステップ
S03 ステップ
S04 ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-02-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生炭素繊維材料を提供するステップと、
ナイロン又はTPUの複合プラスチックを提供するステップと、
前記再生炭素繊維材料と、前記ナイロンとを混合すると共に射出材料を形成し、又は前記再生炭素繊維材料と前記TPUの複合プラスチックとを混合すると共に射出材料を形成するステップと、
射出プロセス条件によって、前記射出材料を射出形成して弾力性を有する再生炭素繊維パッドになるステップとを含み、
前記再生炭素繊維材料は、第一含量百分比及び第一重量百分比を有し、
前記ナイロン又は前記TPUの複合プラスチックは、第二含量百分比及び第二重量百分比を有し、前記第二含量百分比と前記第一含量百分比との合計は、百分の百であり、前記第二重量百分比と前記第一重量百分比との合計は、百分の百であり、
前記射出プロセス条件は、デフォルト冷却時間が15秒であり、デフォルトスクリュー回転速度が88RPMであり、デフォルト射出時間が1.5秒である
再生炭素繊維パッドの製造方法。
【請求項2】
前記第一含量百分比は、10%乃至30%であり、前記第二含量百分比は、70%乃至90%である、
請求項1に記載の再生炭素繊維パッドの製造方法。
【請求項3】
前記第一重量百分比は、50%であり、前記第二重量百分比は、50%である、
請求項1に記載の再生炭素繊維パッドの製造方法。
【請求項4】
前記再生炭素繊維材料は、0.1mm乃至0.5mmの短繊維粉末である、
請求項1に記載の再生炭素繊維パッドの製造方法。
【請求項5】
再生炭素繊維パッドとグラフェンパッドとを含み、
前記再生炭素繊維パッドは、再生炭素繊維材料と、ナイロンとを混合すると共に射出材料を形成し、又は再生炭素繊維材料とTPUの複合プラスチックとを混合すると共に射出材料を形成することにより構成され、
前記再生炭素繊維材料は、第一含量百分比及び第一重量百分比を有し、
前記ナイロン又は前記TPUの複合プラスチックは、第二含量百分比及び第二重量百分比を有し、前記第二含量百分比と前記第一含量百分比との合計は、百分の百であり、前記第二重量百分比と前記第一重量百分比との合計は、百分の百であり、
前記グラフェンパッドは、前記再生炭素繊維パッドに重畳され、且つ前記グラフェンパッドの表面には、蜂巣状グラフェン材料がさらに印刷されている、
再生炭素繊維アーチインソール。
【請求項6】
前記再生炭素繊維パッドに重畳される第一クッション層をさらに含む、
請求項5に記載の再生炭素繊維アーチインソール。
【請求項7】
前記第一クッション層を全足長により定義し、かつ前記再生炭素繊維パッドの長さは前記全足長の四分の三である、
請求項6に記載の再生炭素繊維アーチインソール。
【請求項8】
前記再生炭素繊維パッドと前記第一クッション層との間に挟まれる少なくとも一枚の第二クッション層をさらに含む、
請求項6に記載の再生炭素繊維アーチインソール。
【請求項9】
前記再生炭素繊維パッドは、特定輪郭を有し、
かつ前記特定輪郭は、データベースにおける複数の対応する輪郭統計値によって決まり、
前記複数の対応する輪郭統計値は、足部正中長さに対応する輪郭統計値、足部内側長さに対応する輪郭統計値、足部外側長さに対応する輪郭統計値、足部足先幅に対応する輪郭統計値、足部アーチ幅に対応する輪郭統計値、足部踵幅に対応する輪郭統計値、足部内足アーチ高さに対応する輪郭統計値、足部内アーチ位置に対応する輪郭統計値、足部外足アーチ高さに対応する輪郭統計値及び足部外アーチ位置に対応する輪郭統計値を含む、
請求項5に記載の再生炭素繊維アーチインソール。
【請求項10】
前記特定輪郭は、アーチ高さ及び幅を有し、前記アーチ高さは低めのアーチ高さ、標準のアーチ高さ及び高めのアーチ高さを含み、
前記幅は狭めの幅、標準の幅及び広めの幅を含む、
請求項9に記載の再生炭素繊維アーチインソール。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
前記再生炭素繊維パッドの製造方法は、再生炭素繊維材料を提供するステップと、ナイロン又はTPUの複合プラスチックを提供するステップと、前記再生炭素繊維材料と、前記ナイロン又は前記TPUの複合プラスチックとを混合すると共に弾力性を有する射出材料を形成するステップと、射出プロセス条件によって、前記射出材料を射出形成して再生炭素繊維パッドになるステップとを含み、前記再生炭素繊維材料は、第一含量百分比及び第一重量百分比を有し、前記ナイロン又は前記TPUの複合プラスチックは、第二含量百分比及び第二重量百分比を有し、前記第二含量百分比と前記第一含量百分比との合計は、百分の百であり、前記第二重量百分比と前記第一重量百分比との合計は、百分の百であり、前記射出プロセス条件は、デフォルト型温、デフォルト冷却時間、デフォルトスクリュー回転速度、デフォルト射出時間及びデフォルト型内ゾーン温度のうちの少なくとも1つを含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
限定性ではない実施例において、前記ナイロンは、PA6レベルナイロン及びPA12レベルナイロンのいずれか一つである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
続いて、ナイロン又はTPUの複合プラスチックを提供する。このナイロン又はTPUの複合プラスチックは、第二含量百分比及び第二重量百分比を有し、かつナイロン又はTPUの複合プラスチックの第二含量百分比と再生炭素繊維材料の第一含量百分比との合計は、百分の百であり、ナイロン又はTPUの複合プラスチックの第二重量百分比と再生炭素繊維材料の第一重量百分比との合計は、百分の百である(ステップS02)。本実施例において、前記ナイロン又はTPUの複合プラスチックの第二含量百分比は、70%乃至90%であり、かつ第二重量百分比は、50%である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
前記再生炭素繊維材料の第一含量百分比とナイロン又はTPUの複合プラスチックの第二含量百分比について、例えば、第一含量百分比が10%であるとき、第二含量百分比は90%であり、第一含量百分比が15%であるとき、第二含量百分比は85%であり、第一含量百分比が20%であるとき、第二含量百分比は80%であり、第一含量百分比が25%であるとき、第二含量百分比は75%であり、第一含量百分比が30%であるとき、第二含量百分比は70%である等の比率がある。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
その後、再生炭素繊維材料とナイロンとを混合すると共に射出材料を形成し、又は再生炭素繊維材料とTPUの複合プラスチックとを混合すると共に射出材料を形成する(ステップS03)。これは混料プロセスといわれる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
そして、射出プロセス条件によって、射出材料を射出形成して再生炭素繊維パッド11になり、かつ射出プロセス条件は、デフォルト型温、デフォルト冷却時間、デフォルトスクリュー回転速度、デフォルト射出時間及びデフォルト型内ゾーン温度のうちの少なくとも1つを含む(ステップS04)。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
前記ステップS04において、射出プロセス条件に含まれる各種パラメーターは、再生炭素繊維材料の第一含量百分比と第一重量百分比の比率、及び、ナイロン又はTPUの複合プラスチックの対応する第二含量百分比と第二重量百分比の比率に基いて、その中の少なくとも1つを設定してもよい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
例えば、再生炭素繊維材料の第一含量百分比が15%であり、第一重量百分比は50%であり、ナイロン又はTPUの複合プラスチックの対応する第二含量百分比が85%であり、第二重量百分比は50%である場合、射出プロセス条件は、デフォルト型温が70℃であり、デフォルト冷却時間が15秒であり、デフォルトスクリュー回転速度が88rpmであり、デフォルト射出時間が1.5秒であり、デフォルト型内ゾーン温度が第一ゾーンの温度の260℃乃至第五ゾーンの温度の225℃であることを含む。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
前記再生炭素繊維材料は、例えば、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm等の0.1mm乃至0.5mmの短繊維粉末であってもよく、かつナイロンは、PA6レベルナイロン及びPA12レベルナイロンのいずれか1つであってもよく、もちろん他の複合プラスチックを使用してもよい。同様に、前記射出プロセス条件に含まれる各種パラメーターは、前記再生炭素繊維材料と、ナイロン又はTPUの複合プラスチックとの異なる型式に基いて、その中の少なくとも1つを設定してもよく、それにより、例えば、前記各種テスト条件を満たす再生炭素繊維パッド11を得ることができる。