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特開2024-80567建物情報管理システム、画像生成方法及び建物情報管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080567
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】建物情報管理システム、画像生成方法及び建物情報管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20240606BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20240606BHJP
【FI】
G06T19/00 A
G06Q50/08
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042785
(22)【出願日】2023-03-17
(62)【分割の表示】P 2022193486の分割
【原出願日】2022-12-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 刊行物(書籍、雑誌、予稿集等)等への発表による公開として、令和4年6月14日株式会社日刊建設工業新聞社により発行された建設工業新聞にて公開 ほか7件
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトを通じた公開として、令和4年2月25日空気調和・衛星工学会近畿支部学術研究発表会のウェブサイト(https://kinki-shasej.org/About_library)にて公開 ほか9件
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会(学会・セミナー・投資家や顧客向けの説明会等)での発表による公開として、令和4年2月10日名古屋竹和会で公開 ほか5件
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 展示(展示会、見本市、博覧会等)による公開として、令和4年6月1日東京ビッグサイトにおいて開催されたJFCA FAIR 2022 にて公開 ほか3件
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売、配布による公開として、令和3年12月15日姫路市中央卸売市場(契約先:株式会社竹中工務店)にて公開ほか19件
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 記者会見による公開として、令和4年6月10日株式会社竹中工務店本社において開催された記者会見にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 守秘義務のない第三者への公開として、令和3年12月11日清水建設株式会社に対して公開 ほか21件
(71)【出願人】
【識別番号】512095679
【氏名又は名称】株式会社YSLソリューション
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100224719
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 隆治
(72)【発明者】
【氏名】木幡 和哉
(72)【発明者】
【氏名】清川 光大
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 賢
【テーマコード(参考)】
5B050
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5B050AA07
5B050BA09
5B050CA07
5B050CA08
5B050EA26
5B050FA02
5B050FA05
5B050FA14
5B050FA17
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】
建物の構造要素を容易に把握可能な画像を生成する為の新規な技術を提供することを課題とする。
【解決手段】
建物の構造要素に係る画像を生成可能な建物情報管理システムであって、通り芯情報が付加された図面情報に対して、前記画像に含める対象を指定する指定情報を受け付ける受付部と、前記指定情報に基づいて拡大部分を決定し、前記通り芯情報に基づいて、前記拡大部分及び、該拡大部分を区画した通り芯情報を付与した拡大画像を生成する画像生成部と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の構造要素に係る画像を生成可能な建物情報管理システムであって、
通り芯情報が付加された図面情報に対して、前記画像に含める対象を指定する指定情報を受け付ける受付部と、
前記指定情報に基づいて拡大部分を決定し、前記通り芯情報に基づいて、前記拡大部分及び、該拡大部分を区画した通り芯情報を付与した拡大画像を生成する画像生成部と、を備えた建物情報管理システム。
【請求項2】
さらに、前記拡大画像を含んだファイルを生成するファイル生成部を備える
請求項1に記載の建物情報管理システム。
【請求項3】
前記図面情報は、3次元の構造要素モデルを含んだBIMデータであって、
前記受付部は、前記指定情報として前記構造要素モデルの指定を受け付け、
前記画像生成部は、指定されていない前記構造要素モデルを透過して前記拡大画像を生成する
請求項1に記載の建物情報管理システム。
【請求項4】
前記図面情報は、3次元の構造要素モデルを含んだBIMデータであって、
前記受付部は、前記指定情報として前記拡大部分における該構造要素モデルの位置及び視点方向の指定を受け付け、
前記画像生成部は、前記位置及び視点方向に基づいて前記拡大部分を決定する
請求項1に記載の建物情報管理システム。
【請求項5】
前記画像生成部は、前記指定情報に基づいて、前記構造要素モデルの平面図及び立面図に、前記通り芯情報を付与した拡大画像を生成する
請求項3又は請求項4に記載の建物情報管理システム。
【請求項6】
前記画像生成部は、さらに、前記通り芯情報に基づいて、前記拡大部分を決定する
請求項1に記載の建物情報管理システム。
【請求項7】
前記画像生成部は、少なくとも1つの軸方向において、前記指定情報の全体を挟んだ通り芯対によって、前記拡大部分を決定する
請求項6に記載の建物情報管理システム。
【請求項8】
前記受付部は、前記指定情報として構造要素モデルの指定を複数受け付け可能に構成され、
前記画像生成部は、
それぞれの軸方向において連続した通り芯対2組によって囲まれる1又は複数の前記構造要素モデル、若しくは、
1つの軸方向において連続した通り芯対に挟まれると共に、別の軸方向において最端の通り芯よりも更に外側に位置する1又は複数の前記構造要素モデルを、1のグループとして、
前記グループ毎に前記拡大部分を決定して複数の前記拡大画像を生成する
請求項6に記載の建物情報管理システム。
【請求項9】
前記画像生成部は、複数の前記拡大画像を生成すると共に、少なくとも全てのグループの前記指定情報を含む範囲の図面画像であって、前記通り芯情報によって区画がされると共に、前記拡大画像に対応した区画に、前記拡大画像を参照する為のアノテーション番号を付与した図面画像を生成する
請求項8に記載の建物情報管理システム。
【請求項10】
前記画像生成部は、前記通り芯情報によって区画された範囲にマージンを付加して前記拡大部分を決定する
請求項6~9の何れかに記載の建物情報管理システム。
【請求項11】
建物の構造要素に係る画像を生成する画像生成方法であって、
通り芯情報が付加された図面情報に対して、前記画像に含める対象を指定する指定情報を受け付ける受付工程と、
前記指定情報に基づいて拡大部分を決定する拡大部分決定工程と、
前記通り芯情報に基づいて、前記拡大部分及び、該拡大部分を区画した通り芯情報を付与した拡大画像を生成する画像生成工程と、を有する画像生成方法。
【請求項12】
建物の構造要素に係る画像を生成する建物情報管理プログラムであって、
コンピュータに、通り芯情報が付加された図面情報に対して、前記画像に含める対象を指定する指定情報を受け付ける受付工程と、
前記指定情報に基づいて拡大部分を決定する拡大部分決定工程と、
前記通り芯情報に基づいて、前記拡大部分及び、該拡大部分を区画した通り芯情報を付与した拡大画像を生成する画像生成工程と、を実行させる建物情報管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物情報管理システム、画像生成方法及び建物情報管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物内に配設された配管等の構造要素の調査を行う場合、状態が悪い箇所や、検査対象要素全てに対して正しく施工されているかどうか等を調査対象として、図面又は紙図面をもとに検査箇所にマークをつけながら調査を行っている。また従来、調査結果は報告書として2Dファイル及び紙に印刷することで保管されている。一方、近年では、BIM(Building Information Modeling)データ等といった3次元情報を使った図面作成が主流であり、そのような技術の一例が、例えば特許文献1において提案されている。
【0003】
特許文献1には、建設に関する図面データ、複数のエリアデータ及び複数の部材データを含む第1BIMデータを取得し、取得した第1BIMデータに基づいて、複数の部材データを一のグループにまとめた第2データを作成し、作成した第2データをアイコン化するデータ作成処理と、取得した第1BIMデータに基づいて、図面データ上に重ねて配置するレイヤデータを生成し、生成したレイヤデータに、第2データを配置し、第2データが配置されたレイヤデータが重ねられた図面データを出力するデータ配置処理と、を実行する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第7129586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のような技術においては、建物の構造要素の調査結果を表す場合に、全体からの位置、詳細な位置の把握が難しいという問題があった。
【0006】
上記事情に鑑みて、本発明は、建物の構造要素を容易に把握可能な画像を生成する為の新規な技術を提供することを、解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、建物の構造要素に係る画像を生成可能な建物情報管理システムであって、通り芯情報が付加された図面情報に対して、前記画像に含める対象を指定する指定情報を受け付ける受付部と、前記指定情報に基づいて拡大部分を決定し、前記通り芯情報に基づいて、前記拡大部分及び、該拡大部分を区画した通り芯情報を付与した拡大画像を生成する画像生成部と、を備える。
【0008】
また、本発明は、建物の構造要素に係る画像を生成する画像生成方法であって、通り芯情報が付加された図面情報に対して、前記画像に含める対象を指定する指定情報を受け付ける受付工程と、前記指定情報に基づいて拡大部分を決定する拡大部分決定工程と、前記通り芯情報に基づいて、前記拡大部分及び、該拡大部分を区画した通り芯情報を付与した拡大画像を生成する画像生成工程と、を有する。
【0009】
また、本発明は、建物の構造要素に係る画像を生成する建物情報管理プログラムであって、コンピュータに、通り芯情報が付加された図面情報に対して、前記画像に含める対象を指定する指定情報を受け付ける受付工程と、前記指定情報に基づいて拡大部分を決定する拡大部分決定工程と、前記通り芯情報に基づいて、前記拡大部分及び、該拡大部分を区画した通り芯情報を付与した拡大画像を生成する画像生成工程と、を実行させる。
【0010】
このような構成とすることで、拡大画像に通り芯情報を付与して表示することができる。これにより、拡大画像に共通の基準を表示することができ、建物の構造要素を容易に把握することができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、さらに、前記拡大画像を含んだファイルを生成するファイル生成部を備える。
【0012】
このような構成とすることで、生成した拡大画像を含むファイルを生成することができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記図面情報は、3次元の構造要素モデルを含んだBIMデータであって、前記受付部は、前記指定情報として前記構造要素モデルの指定を受け付け、前記画像生成部は、指定されていない前記構造要素モデルを透過して前記拡大画像を生成する。
【0014】
このような構成とすることで、指定した構造要素モデルが強調された拡大画像を生成することができる。これにより、指定した構造要素モデルを視認しやすくできる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記図面情報は、3次元の構造要素モデルを含んだBIMデータであって、前記受付部は、前記指定情報として前記拡大部分における該構造要素モデルの位置及び視点方向の指定を受け付け、前記画像生成部は、前記位置及び視点方向に基づいて前記拡大部分を決定する。
【0016】
このような構成とすることで、構造要素モデルの位置や視点方向を任意に変更することができる。これにより、ユーザが希望する向きや位置に構造要素モデルを配置した拡大画像を生成することができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記画像生成部は、前記指定情報に基づいて、前記構造要素モデルの平面図及び立面図に、前記通り芯情報を付与した拡大画像を生成する。
【0018】
このような構成とすることで、構造要素モデルの平面図と立面図を含む拡大画像を生成することができる。これにより、3次元の構造要素モデルの図面を含む拡大画像を生成することができる。
【0019】
本発明の好ましい形態では、前記画像生成部は、さらに、前記通り芯情報に基づいて、前記拡大部分を決定する。
【0020】
このような構成とすることで、通り芯情報を用いて、拡大部分を決定することができる。これにより、拡大部分を決定する為の基準を明確にすることができる。
【0021】
本発明の好ましい形態では、前記画像生成部は、少なくとも1つの軸方向において、前記指定情報の全体を挟んだ通り芯対によって、前記拡大部分を決定する。
【0022】
このような構成とすることで、通り芯対を用いて、指定情報の全体を含むように拡大部分を決定することができる。これにより、指定情報の全体の拡大部分を決定すると共に、通り芯情報を用いることで拡大部分の位置も把握することができる。
【0023】
本発明の好ましい形態では、前記受付部は、前記指定情報として構造要素モデルの指定を複数受け付け可能に構成され、前記画像生成部は、それぞれの軸方向において連続した通り芯対2組によって囲まれる1又は複数の前記構造要素モデル、若しくは、1つの軸方向において連続した通り芯対に挟まれると共に、別の軸方向において最端の通り芯よりも更に外側に位置する1又は複数の前記構造要素モデルを、1のグループとして、前記グループ毎に前記拡大部分を決定して複数の前記拡大画像を生成する。
【0024】
このような構成とすることで、1又は複数の構造要素モデルをグループとして、グループ毎に拡大部分を決定して、複数の拡大画像を生成することができる。これにより、大量に指定情報がある場合でも、図面上で容易に指定情報を視認することができる。
【0025】
本発明の好ましい形態では、前記画像生成部は、複数の前記拡大画像を生成すると共に、少なくとも全てのグループの前記指定情報を含む範囲の図面画像であって、前記通り芯情報によって区画がされると共に、前記拡大画像に対応した区画に、前記拡大画像を参照する為のアノテーション番号を付与した図面画像を生成する
【0026】
このような構成とすることで、通り芯情報によって図面画像を区画すると共に、図面画像内に、拡大画像に対応した区画を参照する為の番号を付与することができる。
【0027】
本発明の好ましい形態では、前記画像生成部は、前記通り芯情報によって区画された範囲にマージンを付加して前記拡大部分を決定する
【0028】
このような構成とすることで、通り芯情報によって区画された範囲にマージンを付加することができる。これにより、マージン部分に図面情報を反映させることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、建物の構造要素を容易に把握可能な画像を生成する為の新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図。
図2】一実施の形態のシステムのハードウェア構成図。
図3】一実施の形態のシステムの機能ブロック図。
図4】一実施の形態のシステムにおける処理手順の一例を示す図。
図5】一実施の形態のシステムにおける指定情報の登録を行う画面の一例を示す図。
図6】一実施の形態のシステムにおける帳票情報に含める画像の一例を示す図。
図7】一実施の形態のシステムにおける帳票情報の一例を示す図。
図8】一実施の形態のシステムにおける処理手順の一例を示す図。
図9】一実施の形態のシステムにおける指定情報の登録を行う画面の一例を示す図。
図10】一実施の形態のシステムにおける帳票情報に含める画像の一例を示す図。
図11】一実施の形態のシステムにおける帳票情報の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0032】
例えば、本実施形態では建物情報管理システムの構成、動作等について説明するが、実行される方法、装置、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態では、クライアント端末でその機能を実現する為に外部のコンピュータにおいて当該プログラムを起動させる、いわゆるサーバ・クライアント型の建物情報管理システムについて説明する。プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよい。
【0033】
<1.システム構成>
図1は、一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、建物情報管理システム0は、情報管理装置1(サーバ)及び利用者端末装置3(クライアント)を備え、これらがネットワークNWを介して通信可能に構成される。
【0034】
情報管理装置1として、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能である。利用者端末装置3として、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス等を利用することができる。利用者端末装置3は、情報管理装置1に対してリクエストを行い、レスポンスを受け取る為の情報管理装置利用プログラムを有する。
【0035】
ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0036】
<1.1.ハードウェア構成>
図2は、ハードウェア構成図である。図2(a)に示すように、情報管理装置1は、処理部101、記憶部102及び、通信部103を備える。
【0037】
処理部101は、命令セットを実行可能なCPUなどのプロセッサを有し、本発明に係る画像生成プログラム、OSやその他のアプリケーションを実行することで、情報管理装置1の動作処理全体を制御する。
記憶部102は、命令セットを記憶可能なRAMなどの揮発性メモリ、OS及び建物情報管理プログラムなどを記録可能なHDDやSSDなどの不揮発性の記録媒体を有する。
通信部103は、ネットワークに接続する為の通信インタフェース装置を有し、ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
【0038】
図2(b)に示すように端末装置90(利用者端末装置3)は、処理部901、記憶部902、通信部903、入力部904及び、表示部905を有する。
【0039】
処理部901は、命令セットを実行可能なCPUなどのプロセッサを有し、情報管理装置1を利用する為の情報管理装置利用プログラム、OSやその他のアプリケーションを実行することで、情報管理装置1の動作処理全体を制御する。
記憶部902は、命令セットを記憶可能なRAMなどの揮発性メモリ、OS及び情報管理装置利用プログラムなどを記録可能なHDDやSSDなどの不揮発性の記録媒体を有する。
通信部903は、ネットワークに接続する為の通信インタフェース装置を有し、ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
入力部904は、キーボードやタッチパネルなどの入力処理が可能な入力デバイスを有する。
表示部905は、ディスプレイなどの表示処理が可能な表示デバイスを有する。
【0040】
<1.2.情報管理装置の機能構成>
図3は、建物情報管理システム0の機能ブロック図である。図3に示すように、情報管理装置1は、配信部11と、受付部12と、ファイル生成部13と、画像生成部14と、データベース2を備える。また、利用者端末装置3は、表示処理部31及び、データ格納部32を備える。これは、ソフトウェア(記憶部102/記憶部902に記憶されている)による情報処理が、ハードウェア(処理部101/901等)によって具体的に実現されたものである。
【0041】
なお、情報管理装置1が備える各機能構成要素(部)の一部又は全部がクライアントである利用者端末装置3に備えられてもよい。例えば、利用者端末装置3が受付部12,ファイル生成部13及び画像生成部14等を備え、情報管理装置1は図面情報等の種々のデータを記録管理するクラウドストレージであってもよい。本実施形態では、建物情報管理システム0は、情報管理装置利用プログラムを実行した利用者端末装置3を介して利用されるが、利用者端末装置3に対して建物情報管理プログラムをインストールすることで、建物情報管理装置を構成してもよい。なお、装置は、ネットワークNW又は別のネットワークにより情報の送受信が可能になされた複数のコンピュータにより構成されてもよい。
【0042】
<1.3.データベース2>
データベース2は、図面情報21、測定・検査情報22、作業員マスタ23、測定・検査マスタ24、帳票情報25を格納する。
【0043】
配信部11はデータベース2に格納された種々の情報を利用者端末装置3に対して配信し、データ格納部32は配信された種々の情報を記憶部902に格納する。表示処理部31は、配信された種々の情報を表示処理し、表示処理結果を表示部905に送信することで、種々の画面が利用者端末装置3において表示される。
【0044】
<1.4.図面情報21>
配信部11は、図面情報21を利用者端末装置3に対して配信し、利用者端末装置3の表示部905は図面表示画面に図面情報21を表示させる。図面情報21は、建物の構造要素を図示する為の2次元又は3次元の図面であり、交差する2軸又は3軸方向に配置される通り芯の通り芯情報を含む。通り芯情報は、図面上において通り芯が配置される位置(座標等)及び、通り芯に付される符号の情報を有する。図面平面又は図面空間内の座標系と通り芯の配置方向は、必ずしも一致しなくてもよい。また、同じ配置方向に並べられた通り芯が交差してもよい。本実施形態では、図面情報21は、3次元のBIMデータであり、建物中の構造要素が、独立して区別可能な構造要素モデルによって表されると共に、各構造要素モデルに、壁面、床、パイプ(配管)、スリーブ、鉄筋、鋼材等の構造要素の属性情報が付与されているものとする。
【0045】
なお、情報管理装置1おいて、データベース2に格納された種々の情報を表示処理してもよく、利用者端末装置3では、送信された表示処理結果を受け取って表示部905に種々の画面を表示させてもよい。以降は説明の簡略化の為、不明にならない範囲で、配信部11、表示処理部31及びデータ格納部32の介在を省略して説明する。
【0046】
<1.5.測定・検査情報22の登録>
利用者端末装置3の受付部12は、図面表示画面等において所定の操作が行われることで、図面情報21と紐づけて、測定・検査情報22を登録する。測定・検査情報22は、構造要素についての測定又は検査に係る情報であり、測定・検査情報22の識別情報、図面の識別情報(ディレクトリ、ファイル名等)、測定・検査名称、日程、作業者、測定・検査種別に係る情報を含む。作業者は、作業員マスタ23に登録された中から選択されてもよい。測定・検査種別は、測定・検査マスタ24に登録された中から選択されてもよい。
【0047】
測定・検査マスタ24には、測定・検査種別毎に、測定項目や基準値等、測定又は検査における要求内容の初期値及び/又は帳票情報25のフォーマット情報が付されていてもよい。
【0048】
<1.6.帳票情報25の登録>
利用者端末装置3の受付部12は、図面表示画面等において所定の操作が行われることで、測定・検査情報22と紐づけて、帳票情報25を登録する。帳票情報25は、測定又は検査の帳票を示す情報であり、帳票情報25の識別情報、測定・検査情報22に含まれる測定・検査名称、作業者、及び図面情報21を含む。なお、本実施形態において帳票情報25は、測定又は検査前に、測定・検査の内容を確認する為の情報である。一方、帳票情報25は、測定・検査中に、測定・検査が完了した箇所にチェックを入力する為の情報であってもよい。また、本実施形態では、表示処理部31は、帳票情報25を表示処理して帳票入力画面を表示部905に表示させ、受付部12は、帳票入力画面を介して、帳票に対する入力を受け付ける。
【0049】
<1.7.受付部12>
受付部12は、画像に含める対象を指定する指定情報を受け付ける。図面表示画面では、所定の操作として図面中の範囲又は構造要素モデルが指定可能に構成されており、指定された範囲又は構造要素モデルを、指定情報として受け付ける。指定情報は、図面中の範囲若しくは構造要素モデル、又は構造要素モデルの位置及び視点方向の情報を含む。これにより、測定・検査対象となる図面中の範囲若しくは構造要素モデル、又は構造要素モデルの位置及び視点方向を指定することができる。
【0050】
<1.8.ファイル生成部13>
ファイル生成部13は、拡大画像を含んだファイルを生成する。本実施形態においてファイル生成部13は、拡大画像を含んだファイルとして帳票情報25を生成する。具体的にファイル生成部13は、図面表示画面において入力された、測定・検査情報22、及び測定・検査対象を指定する指定情報に基づいて、該指定情報に対応する拡大画像、及び該測定・検査情報22を含む帳票情報25を生成する。拡大画像の詳細は後述する。これにより、生成した画像を2次利用することができる。
【0051】
<1.9.画像生成部14>
画像生成部14は、指定情報に基づいて拡大部分を決定し、通り芯情報に基づいて、拡大部分及び、該拡大部分を区画した通り芯情報を付与した拡大画像を生成する。本実施形態において画像生成部14は、指定情報として指定された範囲又は構造要素モデルを含むように拡大部分を決定する。
【0052】
更に、画像生成部14は、指定情報に加え、通り芯情報に基づいて、拡大部分を決定する。本実施形態において画像生成部14は、少なくとも1つの軸方向において、指定情報の全体を挟んだ通り芯対によって、拡大部分を決定する。
【0053】
なお本実施形態において、範囲又は構造要素モデルの位置及び視点方向が指定されていない場合、画像生成部14は、指定情報により指定された範囲又は構造要素モデルが図面の中心に配置されるように拡大部分を決定して拡大画像を生成する。一方、指定情報により構造要素モデルの位置及び/又は視点方向が指定されている場合には、該位置及び/又は視点方向に基づいて、範囲又は構造要素モデルの拡大部分を決定し、拡大画像を生成する。
【0054】
<2.処理フロー(配管に関する測定・検査)>
以下、図4~9を用いて、建物情報の管理について説明する。図4は、測定・検査種別として配管に関する測定・検査が選択入力された場合の、帳票情報25の登録までの処理フローチャートを示す図である。ここで、配管に関する測定・検査としては、例えば配管圧力検査、配管排水検査が含まれる。
【0055】
まず、ステップS10(以降、単にSXXとする)において、表示処理部31は、帳票情報25の生成を行いたい図面情報21の選択入力をユーザから受け付け、該図面情報21を表示する為の図面表示画面を表示部905に表示させる。図5は、図面表示画面の一例を示す図である。図5(a)は、図面情報21を選択した場合に表示される画面であって、シーン作成部W11、グループ設定部W12、対象設定部W13A、アイソメ図確認更新部W14、測定・検査情報一覧W15、及び図面表示部W16を備える。
【0056】
本実施形態において、表示処理部31は、ユーザからシーン作成部W11の選択入力を受け付けると、測定・検査情報22の登録を受け付ける為の画面を表示部905に表示させる(不図示)。シーンとは、建物の測定や検査の種別を示すものであって、例えば、配管圧力検査、配管排水検査、区画貫通処理記録(防火)、スリーブ検査等を含む。なお、シーンによっては、後述のフェーズ毎に複数回測定や検査がされることがある。そして、受付部12は、該画面において、測定・検査情報22として測定・検査種別(配管検査)、作業予定時間、作業員、試験年月日、水圧、空気圧(高圧)、及び空気圧(低圧)を受け付けて、図面情報21と紐づけて登録する(S11)。そして、登録された測定・検査情報22は測定・検査情報一覧W15に表示される。
【0057】
次いで、受付部12は、測定・検査対象(画像に含める対象)のグループに係る情報(対象グループ情報)を受け付けて、測定・検査情報22と紐づけて登録する(S12)。本実施形態においては、表示処理部31は、グループ設定部W12の選択入力を受け付けて、対象グループ情報を登録する為の画面を表示部905に表示させる(不図示)。そして、受付部12は、対象グループ情報として、測定・検査方法、グループ名、及び構造要素モデル選択色の入力を受け付けて、登録する。そして、登録された対象グループ情報は、測定・検査情報一覧W15の下部に表示される。
【0058】
次いで、受付部12は、測定・検査対象を指定する指定情報を受け付け、対象グループ情報と紐づけて指定情報を登録する(S13)。本実施形態においては、測定・検査情報一覧W15に表示される測定・検査情報22のうち、測定・検査対象の指定を行いたい対象グループ情報の選択入力をユーザから受け付け、更に対象設定部W13Aの選択入力を受け付けると、表示処理部31は、指定情報を受け付ける為の画面を表示部905に表示させる(図5(b))。
【0059】
図5(b)は、図面表示部W16において、指定情報として測定・検査対象となる配管を受け付け可能に、S10において選択入力された図面情報21の図面が表示された画面(配管指定画面)の表示例である。本実施形態においては、配管指定画面は、1又は複数の所定の色で呈色された配管を表示する。そして、受付部12は、該図面中の範囲又は配管の指定を受け付けて、指定情報として登録する。ここで、図面中の範囲とは、構造要素モデルの一部分等を含むような領域であって、図面中の任意の領域である。なお本実施形態においては、1又は複数の配管が指定可能であり、クリック操作によって個別に指定されてもよく、ドラッグ操作によって同時に複数指定されてもよい。
【0060】
なお、本実施形態においては、指定を受け付けた構造要素モデルは、対象グループ情報の構造要素モデル選択色の示す色で呈色されて表示されるが、他の構造要素モデルと区別できるように事前に決められた色で呈色されて表示されてもよい。
【0061】
そして、画像生成部14は、受け付けた指定情報に基づいて、帳票情報25に含める拡大画像を生成する(S14)。本実施形態において画像生成部14は、指定情報として受け付けた範囲又は配管を図面の中心に配置するように拡大部分を決定し、指定された配管の立体図に、通り芯情報を付与した拡大画像を生成する。また、画像生成部14は、ある軸方向から見た指定された配管の平面図に、通り芯情報を付与した拡大画像を生成する。
【0062】
例えば図6(a)は、指定された配管のアイソメ図(いわゆる等角射影図)である。図6(b)、(c)は、少なくとも1つの軸方向において、指定情報の全体を挟んだ通り芯対によって、拡大部分が決定された拡大画像である。図6(b)は、鉛直軸(z軸)に直行する平面における、1つの軸方向(x軸又はy軸)において、指定された1の配管を挟んだ通り芯対を含む拡大画像(平面図)である。また図6(c)は、鉛直軸(z軸)に平行する平面における、1つの軸方向(z軸)において、指定された1の配管を挟んだ通り芯(フロアレベル)対を含む拡大画像(立面図)である。
【0063】
また、本実施形態において画像生成部14は、通り芯情報によって区画された範囲にマージンを付加して拡大部分を決定する。本実施形態において、画像生成部14は、通り芯情報によって区画された平面図にマージン付加して拡大部分を決定する。例えば、図6(b)、(c)では、通り芯の外側にマージンが付加され、マージンに含まれる範囲に図面情報21の図面が表示される。
【0064】
なお本実施形態において、画像生成部14は、指定されていない構造要素モデルを透過して拡大画像を生成するが、薄墨色など目立たない色で指定されていない構造要素モデルを呈色して、拡大画像を生成してもよい。
【0065】
次いで、S14以降の任意のタイミングで、アイソメ図中における構造要素モデルの位置や大きさ、視点方向を変更することができる。受付部12は、アイソメ図の変更を受け付けた場合には(S15でYES)、アイソメ図を変更して登録する(S16)。本実施形態においては、確認及び/又は変更を行いたいアイソメ図がある場合、表示処理部31は、該アイソメ図に対応する対象グループ情報の選択入力を受け付け、更にアイソメ図確認更新部W14の選択入力を受け付ける。そして、表示処理部31は、該アイソメ図を確認及び/又は変更する為の画面を表示部905に表示させる(不図示)。そして、受付部12は、指定情報として配管の位置及び視点方向を受け付け、該指定情報に基づいて、更新したアイソメ図を登録する。
【0066】
次いでS17において、受付部12は、指定された配管に対する測定・検査結果の入力を受け付け、測定・検査情報22として登録する。そして、更新した図面を含む帳票情報25の生成指示を受け付けて、次のステップに進む。なお、アイソメ図の変更を受け付けない場合には、アイソメ図を変更せずそのまま次のステップに進む。なお、本実施形態においては、拡大画像を生成した後に、測定・検査結果の入力を受け付けたが、測定・検査結果の入力を受け付けた後に、拡大画像を生成してもよい。この場合、画像生成部14は、測定・検査結果を含む拡大画像を生成してもよい。
【0067】
S18では、ファイル生成部13は、帳票を生成したい対象グループ情報の選択入力を受け付けて、帳票情報25を生成する。ファイル生成部13は、選択入力された対象グループに紐づく測定・検査情報22及び指定情報に基づいて、測定・検査情報22、及びS14又はS16で生成された図面を含む帳票情報25を生成する。図7は生成された帳票情報25の一例を示す図である。
【0068】
そしてS19では、生成された帳票情報25の指定をユーザから受け付けて、登録指示を受け付けることによって、帳票情報25が記憶部902に保存される。本実施形態においては、帳票情報25の一覧から所望の帳票情報25の指定を受け付け、ドラッグアンドドロップによって、利用者端末装置3に帳票情報25が登録される。
【0069】
以上、S10~S19により、測定・検査対象とする配管の拡大画像を含む帳票情報25を生成することができる。これにより、配信部11は、ネットワークNWを介して、生成された帳票情報25を配信し、利用者端末装置3の表示部905に帳票情報25を表示させることができる。また、データ格納部32は、生成された帳票情報25を配信部11から受け取り記憶部902に格納させることで、ネットワークNWを介して情報管理装置1と通信ができない場合であっても、表示処理部31は、利用者端末装置3の表示部905に帳票情報25を表示させることができる。
【0070】
<3.処理フロー(スリーブに関する測定・検査)>
図8は、測定・検査種別としてスリーブに関する測定・検査が選択入力された場合の、帳票情報25の登録までの処理フローチャートを示す図である。また、図9は、スリーブに関する測定・検査を行う場合の表示画面の一例を示す図である。なお、スリーブは検査対象の一例であって、他の構造要素モデルであってもよい。
【0071】
S21~S22については、配管に関する測定・検査と同じ処理手順である為省略する。なお、受付部12は、測定・検査情報22として、測定・検査種別(スリーブ検査)、測定・検査名称、作業予定時間、検査種類(床スリーブ、壁スリーブ等)を受け付けて登録する。
【0072】
そしてS23において、受付部12は、指定情報を受け付けて、測定・検査情報22と紐づけて指定情報を登録する。本実施形態においては、測定・検査情報一覧W15に表示される測定・検査情報22のうち、測定・検査対象の指定を行いたい測定・検査情報22の選択入力をユーザから受け付け、更に対象設定部W13Bの選択入力を受け付けると、表示処理部31は、指定情報を受け付ける為の画面を表示部905に表示させる(図9(b))。
【0073】
図9(b)は、図面表示部16において、指定情報として測定・検査対象となるスリーブを受け付け可能にした状態で、S21において選択入力された図面情報21の図面が表示された画面(スリーブ指定画面)の表示例である。本実施形態においてスリーブ指定画面は、鉛直に直行する平面上の通り芯情報(図示例では、アラビア数字又はアルファベットが付された直線)及び、図面情報21の構造要素モデルを表示する。そして、受付部12は、1又は複数のスリーブを受け付けて、指定情報として登録する。なお、1又は複数のスリーブは、クリック操作によって個別に指定されてもよく、ドラッグ操作によって同時に複数指定されてもよい。
【0074】
ここで、測定・検査対象の構造要素モデルが「スリーブ」の場合、スリーブ検査には、コンクリート打設前、コンクリート打設後等いくつかのタイミング(検査フェーズ)で検査が行われる為、その検査フェーズを受け付ける。
【0075】
S24において、受付部12は、対象となるスリーブの測定・検査の検査フェーズの入力を受け付け、測定・検査情報22と紐づけて検査フェーズを登録する。本実施形態においては、スリーブ指定画面が表示され、対象設定部W13Bの選択入力を受け付けると、表示処理部31は、検査フェーズの入力を受け付ける為の画面を表示部905に表示させる。そして、受付部12は、検査フェーズの選択入力を受け付ける。そして、指定情報及び検査フェーズが登録されることで、測定・検査情報一覧W15の下部において、登録された検査フェーズ及び指定情報が対応付けられて表示される。また表示処理部31は、測定・検査情報一覧W15の下部において、表示される検査フェーズの選択入力を受け付けることで、登録された全ての指定情報を図面表示部W16に表示処理するとともに、該検査フェーズに紐づく指定情報をハイライトして表示処理する。
【0076】
なお、本実施形態においては、登録された指定情報は、グループ毎に表示されるが、指定情報毎に表示されてもよい。なお、本実施形態においては、指定情報を登録した後、検査フェーズを登録するが、検査フェーズを登録した後、指定情報を登録してもよい。
【0077】
ここで、本実施形態においてグループとは、それぞれの軸方向において連続した通り芯対2組によって囲まれる1又は複数の構造要素モデル、若しくは、1つの軸方向において連続した通り芯対に挟まれると共に、別の軸方向において最端の通り芯よりも更に外側に位置する1又は複数の構造要素モデルである。
【0078】
次いで、S25において、受付部12は、指定されたスリーブに対する測定・検査結果の入力を受け付け、測定・検査情報22として登録する。そしてS26において、画像生成部14は、受け付けた指定情報に基づいて、帳票情報25に含める拡大画像を生成する。本実施形態において、画像生成部14は、グループ毎に拡大部分を決定して複数の拡大画像を生成する。また、画像生成部14は、複数の拡大画像を生成すると共に、少なくとも全てのグループの指定情報を含む範囲の図面画像であって、通り芯情報によって区画がされると共に、拡大画像に対応した区画に、拡大画像を参照する為のアノテーション番号を付与した図面画像を生成する。また、画像生成部14は、指定された指定情報毎に、測定・検査結果として測定・検査のステータスを表示した複数の拡大画像を生成する。
【0079】
なお、本実施形態において測定・検査ステータスは、生成された帳票情報25において入力されることによって、測定・検査情報22及び指定情報と紐づけて格納される。一方、測定・検査情報一覧W15に表示される作成された測定・検査情報22を選択入力することで、測定・検査ステータスを入力可能な画面が表示され、該入力された測定・検査ステータスが測定・検査情報22及び指定情報と紐づけて格納されてもよい。
【0080】
例えば、図10(a)は、指定されたスリーブのうち、z軸に直行する平面上のx、y軸方向において連続した通り芯対「2」、「3」、及び通り芯対「B」、「C」の2組によって囲まれた複数のスリーブを拡大部分として決定した拡大画像である。図10(b)は、指定されたスリーブのうち、z軸に直行する平面上のy軸(図面上下方向の軸)において連続した通り芯対「B」、「C」に挟まれると共に、x軸において図面の最端の通り芯よりも更に外側に位置するスリーブを拡大部分として決定した拡大画像である。そして、図10(a)、(b)の拡大画像では、指定された指定情報毎に、測定・検査ステータス「合格」、「未検査」、「検査中」、「不合格」が吹き出し部分に表示される。図10(c)は、指定された全てのスリーブを含む範囲の図面情報21の図面であって、通り芯「1」~「5」、「A」~「G」によって格子状に区画されると共に、指定されたスリーブを含む区画(拡大部分として決定された区画)に、拡大画像を参照する為のアノテーション番号(1)~(4)が付与された図面画像である。
【0081】
また、本実施形態において画像生成部14は、通り芯情報によって区画された範囲にマージンを付加して拡大部分を決定する。例えば、図10(a)~(c)では、通り芯の外側にマージンが付加され、マージンに含まれる範囲に図面情報21の図面が表示される。
【0082】
そして、S27において、ファイル生成部13は、帳票を生成したい測定・検査情報22、検査フェーズ、及び測定・検査ステータスの選択入力を受け付けて、帳票情報25を生成する。ファイル生成部13は、選択入力された検査フェーズ、測定・検査情報22に紐づく指定情報、測定・検査ステータスに基づいて、検査フェーズ、測定・検査情報22、及び選択入力された測定・検査ステータスが紐づくS26で生成された図面を含む帳票情報25を生成する。
【0083】
そしてS28では、生成された帳票情報25の指定をユーザから受け付けて、登録指示を受け付けることによって、帳票情報25が記憶部902に保存される。本実施形態においては、帳票情報25の一覧から所望の帳票情報25を指定して、ドラッグアンドドロップによって、利用者端末装置3に帳票情報25が登録される。図11は、生成された帳票情報25の一例を示す図である
【0084】
以上S21~S28により、全体図と一定の区画で分割したものを表す図(図10(c))、及び区画毎に拡大した図面上に測定・検査箇所を表示した図(図10(a)、(b))を組み合わせた帳票を生成することができる。これにより、1つのフロアに大量に測定・検査箇所がある場合、図面上で視認が難しくなるという問題を解消することができる。
【0085】
なお、本実施形態において図面情報21は、通り芯情報を含むBIMデータであるが、BIMデータでなくてもよく(例えば、2次元CAD(Computer Aided Design)又は3次元CAD)、その場合、手動で区画位置を指定して拡大部分を決定してもよい。なお、建物情報管理システム0は、通り芯情報を有していない図面情報に対して、通り芯情報を設定する通り芯設定部を更に備えていてもよく、通り芯設定部を介して設定された通り芯情報に基づいて、拡大画像を生成してもよい。
【符号の説明】
【0086】
0 :建物情報管理システム
1 :情報管理装置
2 :データベース
3 :利用者端末装置
101 :処理部
102 :記憶部
103 :通信部
90 :端末装置
901 :処理部
902 :記憶部
903 :通信部
904 :入力部
905 :表示部
11 :配信部
12 :受付部
13 :ファイル生成部
14 :画像生成部
21 :図面情報
22 :測定・検査情報
23 :作業員マスタ
24 :測定・検査マスタ
25 :帳票情報
31 :表示処理部
32 :データ格納部
NW :ネットワーク
W1 :図面表示画面
W11 :シーン作成部
W12 :グループ設定部
W13A :対象設定部
W13B :対象設定部
W14 :アイソメ図確認更新部
W15 :測定・検査情報一覧
W16 :図面表示部
SEM :構造要素モデル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の構造要素に係る画像を生成可能な建物情報管理システムであって、
個別に指定可能な前記構造要素を含み、通り芯情報が付加された図面情報に対して、前記画像に含める前記構造要素を指定する指定情報を受け付ける受付部と、
前記指定情報に基づいて拡大部分を決定し、前記通り芯情報に基づいて、前記拡大部分及び、該拡大部分を区画した通り芯情報を付与した拡大画像を生成する画像生成部と、を備えた建物情報管理システム。
【請求項2】
さらに、前記拡大画像を含んだファイルを生成するファイル生成部を備える
請求項1に記載の建物情報管理システム。
【請求項3】
前記図面情報は、3次元の構造要素モデルを含んだBIMデータであって、
前記受付部は、前記指定情報として前記構造要素モデルの指定を受け付け、
前記画像生成部は、指定されていない前記構造要素モデルを透過して前記拡大画像を生成する
請求項1に記載の建物情報管理システム。
【請求項4】
前記図面情報は、3次元の構造要素モデルを含んだBIMデータであって、
前記受付部は、前記指定情報として前記拡大部分における該構造要素モデルの位置及び視点方向の指定を受け付け、
前記画像生成部は、前記位置及び視点方向に基づいて前記拡大部分を決定する
請求項1に記載の建物情報管理システム。
【請求項5】
前記画像生成部は、前記指定情報に基づいて、前記構造要素モデルの平面図及び立面図に、前記通り芯情報を付与した拡大画像を生成する
請求項3又は請求項4に記載の建物情報管理システム。
【請求項6】
前記画像生成部は、さらに、前記通り芯情報に基づいて、前記拡大部分を決定する
請求項1に記載の建物情報管理システム。
【請求項7】
前記画像生成部は、少なくとも1つの軸方向において、前記指定情報の全体を挟んだ通り芯対によって、前記拡大部分を決定する
請求項6に記載の建物情報管理システム。
【請求項8】
前記画像生成部は、前記通り芯情報によって区画された範囲にマージンを付加して前記拡大部分を決定する
請求項6又は請求項7に記載の建物情報管理システム。
【請求項9】
建物の構造要素に係る画像を生成する画像生成方法であって、
コンピュータが、
個別に指定可能な前記構造要素を含み、通り芯情報が付加された図面情報に対して、前記画像に含める前記構造要素を指定する指定情報を受け付ける受付工程と、
前記指定情報に基づいて拡大部分を決定する拡大部分決定工程と、
前記通り芯情報に基づいて、前記拡大部分及び、該拡大部分を区画した通り芯情報を付与した拡大画像を生成する画像生成工程と、を実行する画像生成方法。
【請求項10】
建物の構造要素に係る画像を生成する建物情報管理プログラムであって、
コンピュータに、
個別に指定可能な前記構造要素を含み、通り芯情報が付加された図面情報に対して、前記画像に含める前記構造要素を指定する指定情報を受け付ける受付工程と、
前記指定情報に基づいて拡大部分を決定する拡大部分決定工程と、
前記通り芯情報に基づいて、前記拡大部分及び、該拡大部分を区画した通り芯情報を付与した拡大画像を生成する画像生成工程と、を実行させる建物情報管理プログラム。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の構造要素に係る画像を生成可能な建物情報管理システムであって、
り芯情報が付加された図面情報に対して、前記画像に含める前記構造要素を指定する指定情報を受け付ける受付部と、
少なくとも1つの軸方向において、前記構造要素の全体を挟んだ通り芯対の前記通り芯情報、及び前記指定情報に基づいて拡大部分を決定し、前記拡大部分及び、該拡大部分を区画した通り芯情報を付与した拡大画像を生成する画像生成部と、を備えた建物情報管理システム。
【請求項2】
前記図面情報は、個別に指定可能な3次元の前記構造要素を含み、
前記画像生成部は、アイソメ図を含む複数の前記拡大画像を生成する、請求項1に記載の建物情報管理システム。
【請求項3】
前記画像生成部は、前記指定情報に基づいて、前記構造要素の平面図及び立面図に、前記通り芯情報を付与した拡大画像を生成する
請求項2に記載の建物情報管理システム。
【請求項4】
さらに、前記拡大画像を含んだファイルを生成するファイル生成部を備える
請求項1又は請求項2に記載の建物情報管理システム。
【請求項5】
前記図面情報は、3次元の構造要素モデルを含んだBIMデータであって、
前記受付部は、前記指定情報として前記構造要素モデルの指定を受け付け、
前記画像生成部は、指定されていない前記構造要素モデルを透過して前記拡大画像を生成する
請求項1に記載の建物情報管理システム。
【請求項6】
前記図面情報は、3次元の構造要素モデルを含んだBIMデータであって、
前記受付部は、前記指定情報として前記拡大部分における該構造要素モデルの位置及び視点方向の指定を受け付け、
前記画像生成部は、前記位置及び視点方向に基づいて前記拡大部分を決定する
請求項1に記載の建物情報管理システム。
【請求項7】
前記画像生成部は、前記通り芯情報によって区画された範囲にマージンを付加して前記拡大部分を決定する
請求項又は請求項に記載の建物情報管理システム。
【請求項8】
建物の構造要素に係る画像を生成する画像生成方法であって、
コンピュータが、
り芯情報が付加された図面情報に対して、前記画像に含める前記構造要素を指定する指定情報を受け付ける受付工程と、
少なくとも1つの軸方向において、前記構造要素の全体を挟んだ通り芯対の前記通り芯情報、及び前記指定情報に基づいて拡大部分を決定する拡大部分決定工程と
記拡大部分及び、該拡大部分を区画した通り芯情報を付与した拡大画像を生成する画像生成工程と、を実行する画像生成方法。
【請求項9】
建物の構造要素に係る画像を生成する建物情報管理プログラムであって、
コンピュータに、
り芯情報が付加された図面情報に対して、前記画像に含める前記構造要素を指定する指定情報を受け付ける受付工程と、
少なくとも1つの軸方向において、前記構造要素の全体を挟んだ通り芯対の前記通り芯情報、及び前記指定情報に基づいて拡大部分を決定する拡大部分決定工程と
記拡大部分及び、該拡大部分を区画した通り芯情報を付与した拡大画像を生成する画像生成工程と、を実行させる建物情報管理プログラム。