(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080587
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】漏油検出センサー用カードリッジ
(51)【国際特許分類】
G01M 3/20 20060101AFI20240606BHJP
G01M 3/38 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
G01M3/20 N
G01M3/38 L
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023132958
(22)【出願日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】10-2022-0165575
(32)【優先日】2022-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520043763
【氏名又は名称】オートセンサーコリア カンパニー,リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】520043774
【氏名又は名称】ホ,ジ ヒョン
(71)【出願人】
【識別番号】520043785
【氏名又は名称】チェ,サン ヒョン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ホ,ジ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,サン ヒョン
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA48
2G067BB07
2G067BB15
2G067BB25
2G067CC03
2G067DD11
2G067EE05
(57)【要約】
【課題】漏油検出センサー用カートリッジを提供する。
【解決手段】本発明の漏油検出センサー用カートリッジは、内側に反応材を設置する設置空間部が設けられ、下部の開口部の周辺には漏れた油が反応材側へ移動しうる流体移動溝が一定間隔で多数設けられてなるハウジングと;流体移動溝に不透明材として挿入されており、油を吸着すると同時に吸着された油と反応して透明に変化する反応材と;ハウジングの開口部に挿入されて設置され、流体移動溝に挿入されて設置された反応材の脱去を防止する離脱防止板と;を含んでなることを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
漏油検出センサー用カートリッジにおいて、
内側に反応材を設置する設置空間部が設けられ、下部の開口部の周辺には漏れた油が反応材側へ移動しうる流体移動溝が一定間隔で多数設けられてなるハウジングと;
前記流体移動溝に不透明材として挿入されており、油を吸着すると同時に吸着された油と反応して透明に変化する反応材と;
前記ハウジングの開口部に挿入されて設置され、前記流体移動溝に挿入されて設置された反応材の脱去を防止する離脱防止板と;を含んでなることを特徴とする、漏油検出センサー用カートリッジ。
【請求項2】
前記離脱防止板は、平板のプレートに一定間隔で通孔が設けられたことを特徴とする、請求項1に記載の漏油検出センサー用カートリッジ。
【請求項3】
前記流体移動溝を中心に両側のハウジングの端部には、離脱防止板の脱去を防止するように内側に係止段部が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の漏油検出センサー用カートリッジ。
【請求項4】
前記反応材は粉末を圧着して成形したことを特徴とする、請求項1に記載の漏油検出センサー用カートリッジ。
【請求項5】
油未吸着時に透明であり、油を吸着すると同時に吸着された油と反応して不透明に状態が変換されることを特徴とする、請求項1に記載の漏油検出センサー用カートリッジ。
【請求項6】
漏油検出センサー用反応材であって、
油未吸着時に不透明状態であり、油を吸着すると同時に、吸着された油と反応して透明状態に変換され、油を除いた他の液体とは反応しないので、発光部から放出されて受光される光の量が反応材の状態に応じて変化することから漏油を検出することができるように粉末を圧着して成形したことを特徴とする、漏油検出センサー用反応材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漏油検出センサー用カートリッジに係り、より詳細には、漏油検出センサーモジュールに漏油検出の後に簡単且つ便利にカートリッジ全体を交換設置することができ、かつ、油未吸着時に不透明であり、漏れた油を吸収すると同時に吸収された油と反応して透明に状態が変換されて検出(Detection)できるため反応材のみを交換して使用することができるようにした漏油検出センサー用カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、漏水及び漏油時に漏水と漏油を検出するための多様な方式のリークセンサーが使用されているが、代表的には、ケーブル型リークセンサー、バンド型リークセンサー、及びモジュール型リークセンサーが挙げられる。
【0003】
前記ケーブル型リークセンサーは、各種液体(水、油など)の露出を検出して、液体が漏れる箇所まで正確かつ迅速に知らせるリーク検出センサーである。漏水および漏油の検出は、導線に沿って流れる電流が漏れた水または油の抵抗によって電位差が発生することを検出線で検出して、漏水および漏油を確認することが可能である。
【0004】
このようなバンド型(bend type)リーク検出センサー(leak detection sensor)は、電線を通じて電流が流れる間に水が電線に触れると、抵抗値が変化し、その抵抗値の変化に応じて漏水有無を検出することができる。
【0005】
このようなバンド型リーク検出センサーは、低コストで広い面積の漏水を検出することができ、設置が簡便ではあるが、一度使用後には全て交換しければならないという問題がある。
【0006】
一方、モジュール型リークセンサーは、プラスチックケースの内部にフォトセンサー(受光部、発光部)を位置させ、液体を検出していない状態では発光部のビーム(beam)を受光部で受け入れるが、発光部のビームが液体を検出すると、屈折率の変化によりビームが受光部に行けなくなるので、光の受光状態によって漏水を検出する。
【0007】
このようなモジュール型リークセンサーは、発光部から放出されて受光される光の量がリーク液によって変化することを検出(detection)することができるため、リーク(leak)有無を簡単かつ簡便に測定することができるようにする便利性はあるものの、全ての液体に対するリーク有無を判断することにより、特定の液体に対するリークのみのために使用することができないという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国登録特許第2029359号明細書
【特許文献2】特開2004-294164号公報
【特許文献3】特開2009-133861号公報
【特許文献4】韓国登録特許第1965866号明細書
【特許文献5】韓国登録特許第1938098号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、バンド型リーク検出センサーとモジュール型リークセンサーの欠点を一挙に解消することにより、油未吸着時に不透明であり、漏れた油を吸収すると同時に、吸収された油と反応して透明に状態が変換されて検出(Detection)できる反応材のみを簡便かつ便利に交換設置することができるか、或いは特定の液体にのみ反応する反応材付きのカートリッジ全体を漏油検出センサーモジュールに簡単かつ便利に交換設置することができる漏油検出センサー用カートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的は、漏油検出センサー用カートリッジにおいて、内側に反応材を設置する設置空間部が設けられ、下部の開口部の周辺には漏れた油が反応材側へ移動しうる流体移動溝が一定間隔で多数設けられてなるハウジングと;前記流体移動溝に不透明材として挿入されており、油を吸着すると同時に吸着された油と反応して透明に変化する反応材と;前記ハウジングの開口部に挿入されて設置され、前記流体移動溝に挿入されて設置された反応材の脱去を防止する離脱防止板と;を含んでなることを特徴とする、漏油検出センサー用カートリッジによって達成される。
【0011】
また、前記離脱防止板は、平板のプレートに一定間隔で通孔が設けられたことを特徴とする、漏油検出センサー用カートリッジによって達成される。
【0012】
また、前記流体移動溝を中心に両側のハウジングの端部には、離脱防止板の脱去を防止するように内側に係止段部が設けられることを特徴とする、漏油検出センサー用カートリッジによって達成される。
【0013】
また、前記反応材は粉末を圧着して成形したことを特徴とする、漏油検出センサー用カートリッジによって達成される。
【0014】
本発明に用いられる反応材は、油未吸着時に不透明状態であり、油を吸着すると同時に吸着された油と反応して透明状態に変換され、油を除いた他の液体とは反応しないので、発光部から放出されて受光される光の量が反応材の状態に応じて変化することから漏油を検出することができるように粉末を圧着して成形したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
このような本発明は、油未吸着時に不透明であり、漏れた油を吸収すると同時に、吸収された油と反応して透明に状態が変換されて検出(Detection)できる反応材のみを簡便かつ便利に交換設置することができるか、或いは特定の液体にのみ反応する反応材が設置されたカートリッジ全体をジュール型漏油検出センサーに漏油検出の後に簡単かつ便利に交換設置することができるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明による漏油検出センサー用カートリッジの設置状態を示す設置状態図である。
【
図2】本発明の技術が適用された漏油検出センサー用カートリッジの構造を示す斜視図である。
【
図3】本発明の技術が適用された漏油検出センサー用カートリッジの構造を示す分解斜視図である。
【
図4】本発明の技術が適用された漏油検出センサー用カートリッジの構造を示す断面図である。
【
図5】本発明の技術が適用された漏油検出センサー用カートリッジの使用状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図2は、本発明の技術が適用された漏油検出センサー用カートリッジの構造を示す斜視図であり、
図3は、本発明の技術が適用された漏油検出センサー用カートリッジの構造を示す分解斜視図であり、
図4は、本発明の技術が適用された漏油検出センサー用カートリッジの構造を示す断面図である。これらの図によれば、本発明の漏油検出センサー用カートリッジ1は、大きく、漏油検出センサーモジュールに対して着脱可能なハウジング10と、前記ハウジング10の内部に挿入設置される反応材20と、ハウジング10に設置された反応材20の脱去を防止する離脱防止板30から構成される。
【0019】
前記ハウジング10は、内側に反応材20を設ける設置空間部11が設けられ、下部の開口部の周辺には漏れた油が反応材20側へ移動しうる流体移動溝12が一定間隔で複数設けられてなる構造である。
【0020】
一方、前記流体移動溝12を中心として両側のハウジング10の端部には、脱離防止板30の脱去を防止するように内側に係止段部13が設けられる。
【0021】
前記反応材20は、油未吸着時に不透明状態であり、油を吸着すると同時に吸着された油と反応して透明状態に変換され、油を除いた他の液体とは反応しないので、発光部から放出されて受光される光の量(光量)が反応材の状態に応じて変化することから漏油を検出(Detection)することができるように粉末を圧着して成形したものである。
【0022】
成形方法は、容器に反応材20を製造するための原料粉末を入れ、高圧で加圧して成形するが、このとき、一定温度に加熱すると、成形が容易になる。
【0023】
前記反応材としては、粉末状のエアゾールを使用し、前記反応材は、粉末を圧着して成形したものである。成形する理由は、形態を持つようにして移動及び保管を容易にするためである。
【0024】
前記離脱防止板30は、金属材からなる平板のプレート31に、漏れた油が反応材20に容易に吸着できるように複数の通孔32が一定間隔で設けられた構造である。
【0025】
金属の中でも、前記離脱防止板30の製造に使用される金属材としては、錆が発生しない金属を使用することが好ましい。また、離脱防止板30の製造時に使用される金属は、油と反応しないため、離脱防止板30の安定性を実現することができ、離脱防止板53のセンサーへの装着時にエアの発生を防止することができる。
【0026】
本発明のカートリッジ1の使用は、
図1に示すように、漏油検出センサーの底面に挿入されて設置されるが、上述した本発明のカートリッジ1は、設置と分離が容易な構造である。
【0027】
上述のように設置された本発明のカートリッジ1は、
図1に示すように、漏油検出センサーモジュールの底面に着脱式で設置される。漏油検出センサーの底面に設置された本発明は、
図5に示すように、漏れた油がハウジングの下部及び側面を介して反応材に吸着される。すなわち、底面に設置された前記離脱防止板30の通孔32を介して反応材20に吸着され、かつハウジング10の側面に設けられた流体移動溝12を介して反応材20に吸着される。
【0028】
前記反応材20が油未吸着時に不透明であって、センサーに設置された光を照射する発光部から透過された光が遮断され、遮断された光は、漏油検出センサーに備えられた受光部で検出することができないので、受光部で光量を測定することができず、漏油が発生していないと判断する。
【0029】
しかし、漏れた油を反応材で吸収すると同時に、吸収された油と反応して、漏油検出(Detection)可能な状態、すなわち透明へと状態が変換され、発光部から照射された光が油により屈折され、検出された光量によって検出が可能となる。
【0030】
上記のように使用された本発明は、反応材のみを簡便かつ便利に交換設置することができるか、或いはカートリッジ全体を交換して使用することができる利便性を有する。
【0031】
一方、本発明では、反応材が不透明状態で油吸着時に油と反応して透明になると実施形態を説明しているが、反応材を、油未吸着時の透明状態から油吸着と同時に油と反応して不透明へと状態変化が発生するものに変更して使用することもできる。
【符号の説明】
【0032】
10 ハウジング
12 流体移動溝
20 反応材
30 離脱防止板
31 プレート
32 通孔