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特開2024-80590携帯型電子機器、画像撮影装置およびその組立方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080590
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】携帯型電子機器、画像撮影装置およびその組立方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/50 20230101AFI20240606BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20240606BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20240606BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20240606BHJP
   G03B 11/00 20210101ALI20240606BHJP
【FI】
H04N23/50
G03B30/00
G03B17/02
G02B7/02 Z
G03B11/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023135054
(22)【出願日】2023-08-22
(31)【優先権主張番号】111146257
(32)【優先日】2022-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】523318268
【氏名又は名称】盛泰光電科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shine Optics Technology Company Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100096921
【弁理士】
【氏名又は名称】吉元 弘
(72)【発明者】
【氏名】林潔僑
(72)【発明者】
【氏名】▲チャン▼力學
(72)【発明者】
【氏名】周鋒
(72)【発明者】
【氏名】林恭安
(72)【発明者】
【氏名】董航
【テーマコード(参考)】
2H044
2H083
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AJ06
2H083AA26
2H083AA32
2H083AA41
5C122DA09
5C122EA12
5C122FB03
5C122FB17
5C122FC01
5C122FC02
5C122GE05
5C122GE11
5C122GE18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】画像取り込み品質を向上させる携帯型電子機器、画像撮影装置及びその組立方法を提供する。
【解決手段】画像撮影装置Sにおいて、画像検知モジュールのキャリア基板1は、貫通開口1003及び凹部空間LR、RRを含み、画像検知チップ2は、キャリア基板の底端1002に配置され、キャリア基板に電気的に接続されている。フィルタ要素3は、その全部又は一部が貫通開口内に収容されるように、キャリア基板の凹部空間に配置される。レンズ組立体4は、キャリア基板の頂端1001に配置されたレンズホルダ41及びレンズホルダに担持された光学レンズ42を含む。これによって、最大粒子径が5μmから25μmの少なくとも1つの微小粒子がフィルタ要素に位置する場合、フィルタ要素と画像検知チップとの間の最短距離が30μmから200μmであるため、画像検知チップは、少なくとも1つの微小粒子の遮蔽により発生する光ムラを捕捉しない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア基板、画像検知チップ、フィルタ要素、及びレンズ組立体を含む画像撮影装置であって、
前記キャリア基板は、頂端、底端、前記頂端と前記底端の間に接続された貫通開口、及び前記貫通開口に連通された凹部空間を含み、
前記画像検知チップは、前記キャリア基板の前記底端に配置され、前記キャリア基板に電気的に接続され、
前記フィルタ要素は、前記画像検知チップに対応し、全部または一部が前記貫通開口に収容されるように、前記キャリア基板の前記凹部空間に配置され、
前記レンズ組立体は、前記画像検知チップに対応し、前記キャリア基板の頂端に配置されたレンズホルダと、前記レンズホルダによって担持される光学レンズとを含み、
最大粒子径が5μmから25μmの少なくとも1つの微小粒子が前記フィルタ要素に位置する場合、前記フィルタ要素と前記画像検知チップとの間の最短距離が30μmから200μmであるため、前記画像検知チップは、前記少なくとも1つの微小粒子の遮蔽により発生する光ムラを捕捉できないようになる、
ことを特徴とする、画像撮影装置。
【請求項2】
前記キャリア基板の前記凹部空間は、前記頂端に形成された第1の凹部空間であり、前記フィルタ要素は、前記キャリア基板の前記第1の凹部空間に配置され、
前記キャリア基板の前記頂端は、左側頂端キャリア面および右側頂端キャリア面を有し、前記左側頂端キャリア面は、高低差を有する内面および外面を有し、前記右側頂端キャリア面は、高低差を有する内面および外面を有し、
前記左側頂端キャリア面の前記内面および前記右側頂端キャリア面の前記内面は、前記フィルタ要素を担持するように構成され、前記左側頂端キャリア面の前記外面および前記右側頂端キャリア面の前記外面は、前記レンズホルダを担持するように構成され、
前記キャリア基板は、前記フィルタ要素の左側部および右側部をそれぞれ収容するための左側凹部空間および右側凹部空間を提供し、それにより、前記フィルタ要素と前記画像検出チップとの間の最短距離を短縮し、
前記キャリア基板の前記左側凹部空間は、前記キャリア基板と前記フィルタ要素の前記左側部との間に位置する左側隙間を有し、前記キャリア基板の前記右側凹部空間は、前記キャリア基板と前記フィルタ要素の前記右側部との間に位置する右側隙間を有し、
前記左側隙間は、左側非占有領域を形成するために充填されないか、または左側充填領域を形成するために第1の充填材で充填され、
前記右側隙間は、右側非占有領域を形成するために充填されないか、または右側充填領域を形成するために第2の充填材で充填される、
請求項1に記載の画像撮影装置。
【請求項3】
前記キャリア基板の前記凹部空間は、前記キャリア基板の底端に形成された第2の凹部空間であり、前記フィルタ要素は、前記キャリア基板の前記第2の凹部空間に配置され、
前記キャリア基板の前記底端は、左側底端キャリア面および右側底端キャリア面を有し、前記左側底端キャリア面は、高低差を有する内面および外面を有し、前記右側底端キャリア面は、高低差を有する内面および外面を有し、
前記左側底端キャリア面の前記内面および前記右側底端キャリア面の前記内面は、前記フィルタ要素を担持するように構成され、前記左側底端キャリア面の前記外面および前記右側底端キャリア面の前記外面は、前記画像検出チップを担持するように構成され、
前記キャリア基板は、前記フィルタ要素の左側部および右側部をそれぞれ収容するための左側凹部空間および右側凹部空間を提供し、それにより、前記フィルタ要素と前記画像検出チップとの間の最短距離を短縮する、
請求項1に記載の画像撮影装置。
【請求項4】
前記キャリア基板は、前記底端に形成され貫通開口と連通するチップ収容空間を有し、前記画像検知チップは、前記キャリア基板の前記チップ収容空間に完全にまたは部分的に配置され、
前記画像検出チップは、複数の導電性材料を介して前記キャリア基板に電気的に接続され、
前記キャリア基板の前記凹部空間の深さは、0.1mmから0.21mmであり、
前記フィルタ要素は、接着層または支持素子を介して前記キャリア基板の前記凹部空間に配置され、
前記フィルタ要素の頂端は、前記キャリア基板の前記頂端と面一であり、前記レンズ組立体の前記レンズホルダおよび前記光学レンズの少なくとも一方は、前記キャリア基板の前記頂端および前記フィルタ要素の前記頂端に配置される、
請求項1に記載の画像撮影装置。
【請求項5】
最大粒子径が5μmから25μmの間の少なくとも1つの試験用微小粒子を試験用フィルタ要素に配置し、
前記試験用フィルタ要素と前記試験用画像検知チップとの間の最短距離が30μmから200μmの範囲の基準データを得るために、前記試験用画像検知チップが前記少なくとも1つの試験用微小粒子の遮断により発生する光ムラを捕捉できなくなるまで、前記試験用フィルタ要素から前記試験用画像検知チップまでの最短距離を調整し、
前記キャリア基板は、頂端、底端、前記頂端と前記底端の間に接続された貫通開口、及び前記貫通開口に連通された凹部空間を含み、
前記画像検知チップは、前記キャリア基板の前記底端に配置され、前記キャリア基板に電気的に接続され、
前記フィルタ要素は、前記画像検知チップに対応し、全部または一部が前記貫通開口に収容されるように、前記キャリア基板の前記凹部空間に配置され、
前記レンズ組立体は前記画像検知チップに対応し、前記キャリア基板の頂端に配置されたレンズホルダと、前記レンズホルダによって担持される光学レンズとを含み、
最大粒子径が5μmから25μmの少なくとも1つの微小粒子が前記フィルタ要素に位置する場合、前記フィルタ要素と前記画像検知チップとの間の最短距離が30μmから200μmであるため、前記画像検知チップは、前記少なくとも1つの微小粒子の遮蔽により発生する光ムラを捕捉できないようになる、
ことを特徴とする、画像撮影装置の組立方法。
【請求項6】
前記キャリア基板の前記凹部空間は、前記キャリア基板の前記頂端に形成された第1の凹部空間であり、前記フィルタ要素は、前記キャリア基板の前記第1の凹部空間に配置され、
前記キャリア基板の前記頂端は、左側頂端キャリア面および右側頂端キャリア面を有し、前記左側頂端キャリア面は、高低差を有する内面および外面を有し、前記右側頂端キャリア面は、高低差を有する内面および外面を有し、
前記左側頂端キャリア面の前記内面および前記右側頂端キャリア面の前記内面は、前記フィルタ要素を担持するように構成され、前記左側頂端キャリア面の前記外面および前記右側頂端キャリア面の前記外面は、前記レンズホルダを担持するように構成され、
前記キャリア基板は、前記フィルタ要素の左側部および右側部をそれぞれ収容するための左側凹部空間および右側凹部空間を提供し、それにより、前記フィルタ要素と前記画像検出チップとの間の最短距離を短縮し、
前記キャリア基板の前記左側凹部空間は、前記キャリア基板と前記フィルタ要素の前記左側部との間に位置する左側隙間を有し、前記キャリア基板の前記右側凹部空間は、前記キャリア基板と前記フィルタ要素の前記右側部との間に位置する右側隙間を有し、
前記左側隙間は、左側非占有領域を形成するために充填されないか、または左側充填領域を形成するために第1の充填材で充填され、
前記右側隙間は、右側非占有領域を形成するために充填されないか、または右側充填領域を形成するために第2の充填材で充填され、
前記キャリア基板は、前記底端に形成され貫通開口と連通するチップ収容空間を有し、前記画像検知チップは、前記キャリア基板の前記チップ収容空間に完全にまたは部分的に配置され、
前記画像検出チップは、複数の導電性材料を介して前記キャリア基板に電気的に接続され、
前記キャリア基板の前記凹部空間の深さは、0.1mmから0.21mmであり、
前記フィルタ要素は、接着層または支持素子を介して前記キャリア基板の前記凹部空間に配置され、
前記フィルタ要素の頂端は、前記キャリア基板の前記頂端と面一であり、前記レンズ組立体の前記レンズホルダおよび前記光学レンズの少なくとも一方は、前記キャリア基板の前記頂端および前記フィルタ要素の前記頂端に配置される、
請求項5に記載の画像撮影装置の組立方法。
【請求項7】
前記キャリア基板の前記凹部空間は、前記キャリア基板の底端に形成された第2の凹部空間であり、前記フィルタ要素は、前記キャリア基板の前記第2の凹部空間に配置され、
前記キャリア基板の前記底端は、左側底端キャリア面および右側底端キャリア面を有し、前記左側底端キャリア面は、高低差を有する内面および外面を有し、前記右側底端キャリア面は、高低差を有する内面および外面を有し、
前記左側底端キャリア面の前記内面および前記右側底端キャリア面の前記内面は、前記フィルタ要素を担持するように構成され、前記左側底端キャリア面の前記外面および前記右側底端キャリア面の前記外面は、前記画像検出チップを担持するように構成され、
前記キャリア基板は、前記フィルタ要素の左側部および右側部をそれぞれ収容するための左側凹部空間および右側凹部空間を提供し、それにより、前記フィルタ要素と前記画像検出チップとの間の最短距離を短縮する、
請求項5に記載の画像撮影装置の組立方法。
【請求項8】
キャリア基板、画像検知チップ、フィルタ要素及びレンズ組立体を含む画像撮影装置に使用される、携帯型電子機器であって、
前記キャリア基板は、頂端、底端、前記頂端と前記底端の間に接続された貫通開口、及び前記貫通開口に連通された凹部空間を含み、
前記画像検知チップは、前記キャリア基板の前記底端に配置され、前記キャリア基板に電気的に接続され、
前記フィルタ要素は、前記画像検知チップに対応し、全部または一部が前記貫通開口に収容されるように、前記キャリア基板の前記凹部空間に配置され、
前記レンズ組立体は前記画像検知チップに対応し、前記キャリア基板の頂端に配置されたレンズホルダと、前記レンズホルダによって担持される光学レンズとを含み、
最大粒子径が5μmから25μmの少なくとも1つの微小粒子が前記フィルタ要素に位置する場合、前記フィルタ要素と前記画像検知チップとの間の最短距離が30μmから200μmであるため、前記画像検知チップは、前記少なくとも1つの微小粒子の遮蔽により発生する光ムラを捕捉できないようになる、
ことを特徴とする、携帯型電子機器。
【請求項9】
前記キャリア基板の前記凹部空間は、前記キャリア基板の前記頂端に形成された第1の凹部空間であり、前記フィルタ要素は、前記キャリア基板の前記第1の凹部空間に配置され、
前記キャリア基板の前記頂端は、左側頂端キャリア面および右側頂端キャリア面を有し、前記左側頂端キャリア面は、高低差を有する内面および外面を有し、前記右側頂端キャリア面は、高低差を有する内面および外面を有し、
前記左側頂端キャリア面の前記内面および前記右側頂端キャリア面の前記内面は、前記フィルタ要素を担持するように構成され、前記左側頂端キャリア面の前記外面および前記右側頂端キャリア面の前記外面は、前記レンズホルダを担持するように構成され、
前記キャリア基板は、前記フィルタ要素の左側部および右側部をそれぞれ収容するための左側凹部空間および右側凹部空間を提供し、それにより、前記フィルタ要素と前記画像検出チップとの間の最短距離を短縮し、
前記キャリア基板の前記左側凹部空間は、前記キャリア基板と前記フィルタ要素の前記左側部との間に位置する左側隙間を有し、前記キャリア基板の前記右側凹部空間は、前記キャリア基板と前記フィルタ要素の前記右側部との間に位置する右側隙間を有し、
前記左側隙間は、左側非占有領域を形成するために充填されないか、または左側充填領域を形成するために第1の充填材で充填され、
前記右側隙間は、右側非占有領域を形成するために充填されないか、または右側充填領域を形成するために第2の充填材で充填され、
前記キャリア基板は、前記底端に形成され貫通開口と連通するチップ収容空間を有し、前記画像検知チップは、前記キャリア基板の前記チップ収容空間に完全にまたは部分的に配置され、
前記画像検出チップは、複数の導電性材料を介して前記キャリア基板に電気的に接続され、
前記キャリア基板の前記凹部空間の深さは、0.1mmから0.21mmであり、
前記フィルタ要素は、接着層または支持素子を介して前記キャリア基板の前記凹部空間に配置され、
前記フィルタ要素の頂端は、前記キャリア基板の前記頂端と面一であり、前記レンズ組立体の前記レンズホルダおよび前記光学レンズの少なくとも一方は、前記キャリア基板の前記頂端および前記フィルタ要素の前記頂端に配置される、
請求項8に記載の携帯型電子機器。
【請求項10】
前記キャリア基板の前記凹部空間は、前記キャリア基板の底端に形成された第2の凹部空間であり、前記フィルタ要素は、前記キャリア基板の前記第2の凹部空間に配置され、
前記キャリア基板の前記底端は、左側底端キャリア面および右側底端キャリア面を有し、前記左側底端キャリア面は、高低差を有する内面および外面を有し、前記右側底端キャリア面は、高低差を有する内面および外面を有し、
前記左側底端キャリア面の前記内面および前記右側底端キャリア面の前記内面は、前記フィルタ要素を担持するように構成され、前記左側底端キャリア面の前記外面および前記右側底端キャリア面の前記外面は、前記画像検出チップを担持するように構成され、
前記キャリア基板は、前記フィルタ要素の左側部および右側部をそれぞれ収容するための左側凹部空間および右側凹部空間を提供し、それにより、前記フィルタ要素と前記画像検出チップとの間の最短距離を短縮する、
請求項8に記載の携帯型電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型電子機器、画像撮影装置及びその組立方法に関し、より詳細には、撮影画像の画質を向上させる携帯型電子機器、及び撮影画像の画質を向上させる画像撮影装置及びその組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の撮像装置では、フィルタ要素を複数のショートブラケットで支持して画像検知チップ上に配置するようになっている。しかし、1つのショートブラケットの安定性や複数のショートブラケットの平面度を制御することは容易ではなく、高さをあまり高くできないショートブラケットでは、フィルタ要素と画像検知チップとが接近しすぎてしまい、フィルタ要素上の微小粒子が画像検知チップに捕捉されてしまう(つまり、微小粒子の遮蔽による光ムラを画像検知チップが捕捉してしまう)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記技術的不備に対して、本発明は、画像取り込み品質を向上させる携帯型電子機器、画像撮影装置及びその組立方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、本発明が採用した技術的手段の1つは、キャリア基板、画像検知チップ、フィルタ要素、及びレンズ組立体を含む画像撮影装置を提供することである。キャリア基板は、頂端と、底端と、頂端と底端との間に接続する貫通開口と、貫通開口に連通される凹部空間とMを有する。フィルタ要素は、画像検知チップに対応し、フィルタ要素は、フィルタ要素の全部または一部が貫通開口内に収容されるように、キャリア基板の凹部空間に配置される。レンズ組立体は、画像検知チップに対応し、レンズ組立体は、キャリア基板の頂端に配置されたレンズホルダと、レンズホルダによって担持される光学レンズとを含む。最大粒子径が5μmから25μmの少なくとも1つの微小粒子がフィルタ要素に位置する場合、フィルタ要素と画像検知チップとの間の最短距離は30μmから200μmであるため、画像検知チップは、少なくとも1つの微小粒子の遮蔽により発生する光ムラを捕捉できない。
【0005】
上述の問題を解決するために、本発明が採用した技術的態様の別の1つは、画像撮影装置の組立方法を提供することであり、画像撮影装置の組立方法は以下のプロセスを含む。最大粒子径が5μmから25μmの間の少なくとも1つの試験用微小粒子を試験用フィルタ要素に配置する。試験用フィルタ要素と試験用画像検知チップとの間の最短距離が30μmから200μmの範囲の基準データを得るために、試験用画像検知チップが少なくとも1つの試験用微小粒子の遮断により発生する光ムラを捕捉できなくなるまで、試験用フィルタ要素から試験用画像検知チップまでの最短距離を調整する。基準データに従って、キャリア基板に画像検知チップ、フィルタ要素、及びレンズ組立体を配置し、なかでも、フィルタ要素と画像検知チップとの間の最短距離を30μmから200μmの範囲にしておく。キャリア基板は、頂端と、底端と、頂端と底端との間に接続される貫通開口と、貫通開口に連通した凹部空間とを有する。画像検知チップは、キャリア基板の底端に配置され、キャリア基板に電気的に接続される。フィルタ要素は、画像検知チップに対応し、かつ、フィルタ要素は、フィルタ要素の全部または一部が貫通開口内に収容されるように、キャリア基板の凹部空間に配置される。レンズ組立体は、画像検知チップに対応し、レンズ組立体は、キャリア基板の頂端に配置されたレンズホルダと、レンズホルダによって担持される光学レンズとを含む。最大粒子径が5μmから25μmの少なくとも1つの微小粒子がフィルタ要素に位置する場合、フィルタ要素と画像検知チップとの間の最短距離は30μmから200μmであるため、画像検知チップは、少なくとも1つの微小粒子の遮蔽により発生する光ムラを捕捉できない。
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明が採用した技術的態様のさらに他の1つは、画像撮影装置を用いた携帯型電子機器を提供することである。この画像撮影装置は、キャリア基板、画像検知チップ、フィルタ要素及びレンズ組立体を含む。キャリア基板は、頂端と、底端と、頂端と底端との間に接続される貫通開口と、貫通開口に連通した凹部空間とを有する。画像検知チップは、キャリア基板の底端に配置され、キャリア基板に電気的に接続される。フィルタ要素は、画像検知チップに対応し、かつ、フィルタ要素は、フィルタ要素の全部または一部が貫通開口内に収容されるように、キャリア基板の凹部空間に配置される。レンズ組立体は、画像検知チップに対応し、レンズ組立体は、キャリア基板の頂端に配置されたレンズホルダと、レンズホルダによって担持される光学レンズとを含む。なかでも、最大粒子径が5μmから25μmの少なくとも1つの微小粒子がフィルタ要素に位置する場合、フィルタ要素と画像検知チップとの間の最短距離は30μmから200μmであるため、画像検知チップは少なくとも1つの微小粒子の遮蔽により発生する光ムラを捕捉できない。
【0007】
本発明による有益な効果の1つでは、本発明が提供される画像撮影装置では、「キャリア基板は、頂端と、底端と、頂端と底端との間に接続される貫通開口と、貫通開口に連通した凹部空間とを有する」、「画像検知チップは、キャリア基板の底端に配置され、キャリア基板に電気的に接続される」、及び「フィルタ要素は、フィルタ要素の全部または一部が貫通開口内に収容されるように、キャリア基板の凹部空間に配置される」等によって、最大粒子径が5μmから25μmの少なくとも1つの微小粒子がフィルタ要素に位置する場合、フィルタ要素と画像検知チップとの間の最短距離が30μmから200μmであるため、画像検知チップは、少なくとも1つの微小粒子の遮蔽により発生する光ムラを捕捉できないため、画像撮影装置の画像撮影品質を向上させることができる。
【0008】
本発明による有益な効果の他には、さらに、本発明により提供される画像撮影装置の組立方法において、「試験用フィルタ要素に、最大粒子径が5μm~25μmの少なくとも1つの試験用微小粒子を配置する」、「試験用フィルタ要素と試験用画像検知チップとの間の最短距離が30μm~200μmの範囲の基準データを得るために、試験用画像検知チップが少なくとも1つの試験用微小粒子の遮蔽により発生する光ムラを捕捉できなくなるまで、試験用フィルタ要素から試験用画像検知チップまでの最短距離を調整する」、及び「基準データに従って、フィルタ要素と画像検知チップとの間の最短距離が30μm~200μmの範囲であることを規定するように、画像検知チップ、フィルタ要素、レンズ組立体及びをキャリア基板上に配置する」ということによって、最大粒子径が5μmから25μmの少なくとも1つの微小粒子がフィルタ要素上に位置する場合、フィルタ要素と画像検知チップとの間の最短距離が30μmから200μmであるため、画像検知チップは、少なくとも1つの微小粒子の遮蔽により発生する光ムラを捕捉することができないため、画像撮影装置の画像撮影品質を向上させることができる。
【0009】
さらに、本発明による有益な効果の他には、本発明が提供する画像撮影装置を用いた携帯型電子機器では、「キャリア基板は、頂端と、底端と、頂端と底端との間に接続される貫通開口と、貫通開口に連通した凹部空間とを有する」、「画像検知チップは、キャリア基板の底端に配置され、キャリア基板に電気的に接続される」、及び「フィルタ要素は、フィルタ要素の全部または一部が貫通開口内に収容されるように、キャリア基板の凹部空間に配置される」ということにより、最大粒子径が5μmから25μmの少なくとも1つの微小粒子がフィルタ要素上に位置する場合、フィルタ要素と画像検知チップとの間の最短距離が30μmから200μmであるため、画像検知チップは、少なくとも1つの微小粒子の遮蔽により発生する光ムラを捕捉できないため、画像撮影装置の画像撮影品質を向上させることができる。
【0010】
本発明のこれらの態様および他の態様は、以下の図面およびそれらのキャプションと併せてとられる実施形態の以下の説明から明らかになるが、本発明の新規な概念の精神および範囲から逸脱することなく、それらの変形および変更が影響を受ける可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態により提供される画像撮影装置の模式図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る画像撮影装置の組立方法における試験用微小粒子、試験用画像検知チップ及び試験用フィルタ要素の模式図である。
図3】本発明の第1の実施形態によって提供される形態型電子機器を示す斜視模式図である。
図4】本発明の第2の実施形態によって提供される画像撮影装置を示す模式図である。
図5】本発明の第3の実施形態によって提供される画像撮影装置を示す模式図である。
図6】本発明の第4の実施形態によって提供される画像撮影装置を示す模式図である。
図7】本発明の第5の実施形態によって提供される画像撮影装置を示す模式図である。
図8】本発明の第6の実施形態によって提供される画像撮影装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
下記より、具体的な実施例で本発明が開示する「携帯型電子機器、画像撮影装置およびその組立方法」に係る実施形態を説明する。当業者は本明細書の公開内容により本発明のメリット及び効果を理解し得る。本発明は他の異なる実施形態により実行又は応用できる。本明細書における各細節も様々な観点又は応用に基づいて、本発明の精神逸脱しない限りに、均等の変形と変更を行うことができる。また、本発明の図面は簡単で模式的に説明するためのものであり、実際的な寸法を示すものではない。以下の実施形態において、さらに本発明に係る技術事項を説明するが、公開された内容は本発明を限定するものではない。
【0013】
[第1の実施形態]
図1図8を参照すると、本発明の第1の実施形態は、キャリア基板1、画像感知チップ2、フィルタ要素3、及びレンズ組立体4を含む画像撮影装置Sを提供する。画像検知チップ2、フィルタ要素3およびレンズ組立体4は、可視光(例えば、普段の画像またはビデオキャプチャ機能を実現するために使用できる)および不可視光(例えば、顔認識ロック解除および覗き見防止などの機能を実現するために使用できる)を捕捉するための画像検知モジュールMを形成するために互いに協働できることに留意すべきである。
【0014】
まず、図1を参照すると、キャリア基板1は、頂端1001と、底端1002と、頂端1001と底端1002との間に接続される貫通開口1003(中空孔など)と、貫通開口1003に連通された凹部空間とを有する。例えば、キャリア基板1は、細長い回路基板であってもよく、任意の形状の回路基板であってもよい。キャリア基板1の凹部空間の深さは、0.1mmから0.21mmとすることができるが、本発明はこれに制限されない。
【0015】
さらに、図1を参照すると、画像感知チップ2は、キャリア基板1の底端1002に配置され、キャリア基板1に電気的に接続される。例えば、は可視光感光チップ(1980*1280解像度出力を使用)または赤外感光チップ(720*640解像度出力を使用)であることができる。さらに、画像感知チップ2は、複数の導電性材料(例えば、はんだボール、はんだペーストまたは任意の導体であるが、特に図示されない)を介してキャリア基板1に電気的に接続することができるが、本発明はこれに制限されない。
【0016】
また、図1を参照すると、フィルタ要素3は、光路上の画像感知チップ2に対応し、フィルタ要素3は、キャリア基板1の凹部空間に配置されることによって、フィルタ要素3の全部(すなわち、100%)または一部(30%~99%の間の任意の正の整数パーセントなど)が貫通開口1003に収容されることで、フィルタ要素32とキャリア基板1との厚み方向の重なり割合(すなわち、重なり率)を大きくすることができ、画像検知モジュールMの全体の厚みを効果的に薄くすることができる。例えば、フィルタ要素3は、可視光フィルタや赤外フィルタ(波長が850nm程度)とすることができる。より詳細には、図1に示すように、フィルタ要素3は、キャリア基板1に接続されているだけであり、画像検知チップ2とは接触しておらず、フィルタ要素3は、接着層Hまたは支持素子(図示せず、例えば、フィルタ要素3を支持するために、フィルタ要素3とキャリア基板1との間に支持素子を配置することができる)を介してキャリア基板1の凹部空間に配置することができるが、本発明はこれに制限されない。
【0017】
さらに、図1に示すように、レンズ組立体4は、光路上の画像検知チップ2に対応し、かつ、レンズ組立体4は、キャリア基板1の頂端1001に配置されたレンズホルダ41と、レンズホルダ41によって担持された光学レンズ42とを含む。光学レンズ42としては、例えば、可視光レンズや赤外レンズ(波長850nm程度)を用いることができる。また、フィルタ要素3の頂端がキャリア基板1の頂端1001と面一である場合、レンズ組立体4のレンズホルダ41および光学レンズ42の少なくとも一方は、キャリア基板1の頂端1001およびフィルタ要素3の頂端に配置される。換言すれば、レンズホルダ41は、フィルタ要素3に対して下向きに当接するか、またはフィルタ要素3から離間するように配置されてもよいが、本発明はこれに制限されない。
【0018】
また、図1に示すように、キャリア基板1の凹部空間は、キャリア基板1の頂端1001に形成された第1の凹部空間とすることができ、かつ、フィルタ要素3は、キャリア基板1の第1の凹部空間に配置される。例えば、キャリア基板1の頂端1001は、左側頂端キャリア面LTおよび右側頂端キャリア面RTを有し、左側頂端キャリア面LTは、高低差を有する内面LT11および外面LT12を有し、右側頂端キャリア面RTは、高低差を有する内側面RT11と外側面RT12とを有する。より詳細には、左側頂端キャリア面LTの内面LT11と外面LT12とが高低差を有し、右側頂端キャリア面RTの内面RT11と外面RT12とが高低差を有することにより、キャリア基板1に左側凹部空間LRと右側凹部空間RRを設けることができ、即ち、第1の凹部空間が、フィルタ要素3の左側部301および右側部302をそれぞれ収容するための左側凹部空間LRおよび右側凹部空間RRを有する。これにより、フィルタ要素3と画像検出チップ2との間の最短距離Dを短縮することができる。異なる要求に従って、左側凹部空間LRと右側凹部空間RRの両方は、互いに連通することなく互いに分離され得るか、または互いに接続されて連通され得ることに留意すべきである。
【0019】
なお、図1に示すように、キャリア基板1の左側凹部空間LRは、キャリア基板1とフィルタ要素3の左側部301との間に位置する左側隙間LGを有し、左側隙間LGは、左側非占有領域を形成するためにいかなる材料によっても充填されず、さらに、キャリア基板1の右側凹部空間RRは、キャリア基板1とフィルタ要素3の右側部302との間に位置する右側隙間RGを有し、右側隙間RGは、右側非占有領域を形成するためにいかなる材料によっても充填されていない。
【0020】
このようにして、5μmから25μmの最大粒子径(例えば、異なる環境上の考慮事項に従って、5μmから25μmの任意の正の整数、または5μmから15μm、または15μmから25μmなど、5μmから25μmの任意の2つの正の整数によって定義される間隔と考えられる)を有する少なくとも1つの微小粒子Pが、フィルタ要素32に位置するとき、フィルタ要素32と画像感知チップ2との間の最短距離Dは、30μmから200μm(例えば、異なる応用製品の考慮事項に従って、5μmから25μmの任意の正の整数とすることができる、フィルタ要素32と画像感知チップ2との間の最短距離Dが、30μmから200μm(例えば、異なる応用製品の考慮事項に従って、30μmから200μmの任意の正の整数、又は30μmから200μmの任意の2つの正の整数によって定義される間隔と考えられ、例えば、30μmと80μmとの間、または80μmと130μmとの間、または130μmと200μmとの間)であるため、これにより、画像感知チップ2は、少なくとも1つの微小粒子Pの遮蔽に起因して発生する光ムラを捕捉できないようになる。すなわち、最大粒子径が5μmから25μmの少なくとも1つの微小粒子Pは、最短距離Dの設定により、画像感知チップ2から十分な距離だけ離間されているので、画像感知チップ2が少なくとも1つの微小粒子Pの像を捕捉せず、少なくとも1つの微小粒子Pが画像感知チップ2に結像されず、画像感知チップ2の撮像品質を向上させることができる。
【0021】
より詳細には、図1及び図2を参照すると、本発明の第1の実施形態は、画像検知モジュールMを少なくとも含む画像撮影装置Sを使用する携帯電子デバイスZをさらに含む。例えば、携帯電子機器Zは、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ又はスマート携帯電話とすることができる。さらに、画像撮影装置Sは、電気コネクタ(図示せず)、環境光検知器(図示せず)、赤外線発生器(図示せず)、画像処理プロセッサ(図示せず)、および受音器(図示せず)をさらに含むが、本発明はこの例に制限されない。
【0022】
より詳細には、図1および図3を参照すると、本発明の第1の実施形態は、画像撮影装置Sの組立方法をさらに含み、この方法は、まず、図3に示すように、最大粒子径が5μm~25μmの少なくとも1つの試験用微小粒子Pt(物理的微小粒子または仮想的微小粒子など)を試験用フィルタ要素3t(物理的フィルタ要素または仮想的フィルタ要素など)上に配置し;次に、図3に示すように、試験用フィルタ要素3tから試験用画像検知チップ2tまでの最短距離Dを、試験用画像検知チップ2tが試験用フィルタ要素3を、試験用微小粒子Ptの遮蔽による光ムラを捕捉できなくなるまで調整することによって、試験用フィルタ要素3tと試験用画像検知チップ2との間の最短距離Dが30μm~200μmの範囲の基準データを得り;次いで、図1に示すように、基準データに従って、フィルタ要素32と画像感知チップ2との間の最短距離Dを30μmから200μmの範囲にするように、キャリア基板1に、画像感知チップ2、フィルタ要素3、及びレンズ組立体4を配置する。例えば、本発明の第1の実施形態が提供する撮像装置Sの組立方法は、キャリア基板1の頂端1001に、電気コネクタ(図示せず)、環境光検知器(図示せず)、赤外線発生部(図示せず)、画像処理プロセッサ(図示せず)、および受音器(図示せず)を配置して、キャリア基板1と電気的に接続することをさらに含むが、本発明はこの例に制限されない。
【0023】
[第2の実施形態]
図4を参照して、本発明の第2の実施形態は、画像撮像装置Sを提供するものであり、図4図1とをそれぞれ比較すると、第2の実施形態と第1の実施形態との主な相違点は以下の通りである。
【0024】
第2の実施形態では、キャリア基板1の左側凹部空間LRは、キャリア基板1とフィルタ要素3の左側部301との間に位置する左側隙間LGを有し、左側隙間LGは、第1の充填材F1(弾性充填材、粘性充填材または任意の充填材など)で充填されて左側充填領域を形成することができる。さらに、キャリア基板1の右側凹部空間RRは、キャリア基板1とフィルタ要素3の右側部302との間に位置する右側隙間RGを有し、右側隙間RGは、第2の充填材F2(弾性充填材、粘性充填材、または任意の充填材など)で充填されて右側充填領域を形成することができる。これにより、フィルタ要素3は、第1の充填材F1および第2の充填材F2の使用を通じて、左側凹部空間LRおよび右側凹部空間RRによって形成される第1の凹部空間により強固に配置され得る。
【0025】
[第3の実施形態]
図5を参照して、本発明の第3の実施形態に係る画像撮像装置Sを提供するものであり、図5図1とをそれぞれ比較すると、第3の実施形態と第1の実施形態との主な相違点は以下の通りである。
【0026】
第3の実施形態において、キャリア基板1は、底端1002に形成され、貫通開口1003と連通するチップ収容空間CRを有し、画像検出チップ2は、完全に(すなわち、100%)または部分的に(例えば、30%~99%の間の任意の正の整数の割合)キャリア基板1のチップ収容空間CRに配置することができる。このようにして、厚さ方向における画像検出チップ2とキャリア基板1との重なり割合(すなわち、重なり率)を増加させることができ、これにより、画像検出モジュールMの全体的な厚さを効果的に減少させることができる。
【0027】
[第4の実施形態]
図6を参照して、本発明の第4の実施形態に係る画像撮像装置Sを提供するものであり、図6図5とをそれぞれ比較すると、第4の実施形態と第3の実施形態との主な相違点は以下の通りである。第4の実施形態では、キャリア基板1の左側凹部空間LRは、キャリア基板1とフィルタ要素3の左側部301との間に位置する左側隙間LGを有し、左側隙間LGは、第1の充填材F1(弾性充填材、粘性充填材または任意の充填材など)で充填されて左側充填領域を形成することができる。さらに、キャリア基板1の右側凹部空間RRは、キャリア基板1とフィルタ要素3の右側部302との間に位置する右側隙間RGを有し、右側隙間RGは、第2の充填材F2(弾性充填材、粘性充填材、または任意の充填材など)で充填されて右側充填領域を形成することができる。これにより、フィルタ要素3は、第1の充填材F1および第2の充填材F2の使用を通じて、左側凹部空間LRおよび右側凹部空間RRによって形成される第1の凹部空間により強固に配置され得る。
【0028】
[第5の実施形態]
図7を参照して、本発明の第5の実施形態に係る画像撮像装置Sを提供するものであり、図7図1とをそれぞれ比較すると、第5の実施形態と第1の実施形態との主な相違点は以下の通りである。第5の実施形態において、キャリア基板1の凹部空間は、キャリア基板1の底端1002に形成された第2の凹部空間とすることができ、フィルタ要素3は、キャリア基板1の第2の凹部空間に配置されることにより、フィルタ要素3と画像検出チップ2との間の最短距離Dを小さくすることができる(すなわち、図7に示す最短距離Dは、図1に示す最短距離Dよりも小さくすることができる)。
【0029】
さらにくわしくは、図5に示すように、キャリア基板1の底端1002は、左側底端キャリア面LB及び右側底端キャリア面RBを有し、左側底端キャリア面LBは、高低差を有する内面LB11及び外面LB12を有し、右側底端キャリア面RBは、高低差を有する内面RB11及び外面RB12を有する。さらに、左側底端キャリア面LBの内面LB11および右側底端キャリア面RBの内面RB11は、フィルタ要素3を担持するように構成され得、左側底端キャリア面LBの外面LB12および右側底端キャリア面RBの外面RB12は、画像検知チップを担持するように構成され得る。
【0030】
より詳細には、図5に示すように、左側底端キャリア面LBの内面LB11と外面LB12は高さの差を有し、右側底端キャリア面RBの内面RB11と外面RB12は高さの差を有する。これによって、キャリア基板1は、フィルタ要素3の左側部301および右側部302をそれぞれ収容するための左側凹部空間LRおよび右側凹部空間RR(すなわち、第2凹部空間は、左側凹部空間LRおよび右側凹部空間RRを有する)を提供し、これによって、フィルタ要素3の左側部301及び右側部302をそれぞれ収容することで、フィルタ要素3と画像検出チップ2との間の最短距離Dを短縮することができる。なお、異なる要求に従って、左側凹部空間LRと右側凹部空間RRの両方は、互いに連通することなく互いに分離され得るか、または互いに接続されて連通され得ることに留意すべきであるが、本発明はこれに制限されない。
【0031】
[第6の実施形態]
図8を参照して、本発明の第6の実施形態に係る画像撮像装置Sを提供するものであり、図8図7とをそれぞれ比較すると、第6の実施形態と第5の実施形態との主な相違点は以下の通りである。第6の実施形態では、キャリア基板1の左側凹部空間LRは、キャリア基板1とフィルタ要素3の左側部301との間に位置する左側隙間LGを有し、左側隙間LGは、第1の充填材F1(弾性充填材、粘性充填材または任意の充填材など)で充填されて左側充填領域を形成することができる。さらに、キャリア基板1の右側凹部空間RRは、キャリア基板1とフィルタ要素3の右側部302との間に位置する右側隙間RGを有し、右側隙間RGは、第2の充填材F2(弾性充填材、粘性充填材、または任意の充填材など)で充填されて右側充填領域を形成することができる。これにより、フィルタ要素は、第1の充填材F1および第2の充填材F2の使用を通じて、左側凹部空間LRおよび右側凹部空間RRによって形成される第1の凹部空間により強固に配置され得る。
【0032】
[実施形態の有益な効果]。
結論として、本発明による有益な効果の1つでは、本発明が提供される画像撮影装置では、「キャリア基板1は、頂端1001と、底端1002と、頂端1001と底端1002との間に接続される貫通開口1003と、貫通開口1003に連通した凹部空間とを有する」、「画像検知チップ2は、キャリア基板1の底端1002に配置され、キャリア基板1に電気的に接続される」、及び「フィルタ要素3は、フィルタ要素3の全部または一部が貫通開口1003内に収容されるように、キャリア基板1の凹部空間に配置される」等によって、最大粒子径が5μmから25μmの少なくとも1つの微小粒子Pがフィルタ要素3に位置する場合、フィルタ要素Pと画像検知チップ2との間の最短距離が30μmから200μmであるため、画像検知チップ2は、少なくとも1つの微小粒子Pの遮蔽により発生する光ムラを捕捉できないため、画像撮影装置Sの画像撮影品質を向上させることができる。
【0033】
本発明による有益な効果の他には、さらに、本発明により提供される画像撮影装置の組立方法において、「試験用フィルタ要素3tに、最大粒子径が5μm~25μmの少なくとも1つの試験用微小粒子Ptを配置する」、「試験用フィルタ要素3tと試験用画像検知チップ2tとの間の最短距離が30μm~200μmの範囲の基準データを得るために、試験用画像検知チップ2tが少なくとも1つの試験用微小粒子Ptの遮蔽により発生する光ムラを捕捉できなくなるまで、試験用フィルタ要素3tから試験用画像検知チップ2tまでの最短距離を調整する」、及び「基準データに従って、フィルタ要素3と画像検知チップ2との間の最短距離が30μm~200μmの範囲であることを規定するように、画像検知チップ2、フィルタ要素3、レンズ組立体4及びをキャリア基板1上に配置する」ということによって、最大粒子径が5μmから25μmの少なくとも1つの微小粒子がフィルタ要素3上に位置する場合、フィルタ要素3と画像検知チップ2との間の最短距離が30μmから200μmであるため、画像検知チップ3は、少なくとも1つの微小粒子Pの遮蔽により発生する光ムラを捕捉することができないため、画像撮影装置Sの画像撮影品質を向上させることができる。
【0034】
さらに、本発明による有益な効果の他には、本発明が提供する画像撮影装置Sを用いた携帯型電子機器Zでは、「キャリア基板1は、頂端1001と、底端1002と、頂端1001と底端1002との間に接続される貫通開口1003と、貫通開口1003に連通した凹部空間とを有する」、「画像検知チップ2は、キャリア基板1の底端1002に配置され、キャリア基板1に電気的に接続される」、及び「フィルタ要素3は、フィルタ要素3の全部または一部が貫通開口1003内に収容されるように、キャリア基板1の凹部空間に配置される」ということにより、最大粒子径が5μmから25μmの少なくとも1つの微小粒子Pがフィルタ要素3上に位置する場合、フィルタ要素3と画像検知チップ2との間の最短距離が30μmから200μmであるため、画像検知チップ2は、少なくとも1つの微小粒子Pの遮蔽により発生する光ムラを捕捉できないため、画像撮影装置Sの画像撮影品質を向上させることができる。
【0035】
本発明の例示的な実施形態に関する前述の説明は、例示および説明の目的のためだけに提示されたものであり、網羅的であること、または開示された正確な形態に本発明を限定することを意図するものではない。上記の教示に照らして、多くの修正および変形が可能である。
【符号の説明】
【0036】
Z:携帯型電子機器
S:画像撮影装置
1: キャリア基板
1001:頂端
1002:底端
1003:貫通開口
LT:左側頂端キャリア面
LB:左側底端キャリア面
LT11、LB11:内面
LT12、LB12:外面
LR:左側凹部空間
LB:左側隙間
RT:右側頂端キャリア面
RB:右側底端キャリア面
RT11、RB11:内面
RT12、RB12:外面
RR:右側凹部空間
RG:右側隙間
CR:チップ収容空間
2:画像検知チップ
3:フィルタ要素
301:左側部
302:右側部
4:レンズ組立体
41:レンズホルダ
42:光学レンズ
M:画像検知モジュール
H:接着剤層
P:微小粒子
D: 最短距離
F1:第1の充填材
F2:第2の充填材
2t: 試験用画像検知チップ
3t: 試験用フィルタ要素
Pt: 試験用微小粒子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8