(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080608
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】自動調理装置の材料供給機構、自動調理装置および自動調理方法
(51)【国際特許分類】
A47J 27/14 20060101AFI20240606BHJP
A47J 36/00 20060101ALI20240606BHJP
B65G 47/46 20060101ALI20240606BHJP
B65G 65/23 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
A47J27/14 D
A47J27/14 Z
A47J27/14 Q
A47J36/00 Z
B65G47/46 A
B65G65/23
【審査請求】有
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023178086
(22)【出願日】2023-10-16
(31)【優先権主張番号】202211543225.2
(32)【優先日】2022-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523391777
【氏名又は名称】ヘスティア テクノロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100096758
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100114845
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 雅和
(74)【代理人】
【識別番号】100148781
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 友和
(72)【発明者】
【氏名】チェン, チム リー
(72)【発明者】
【氏名】リー, カ タク
(72)【発明者】
【氏名】ペン, ヤオ リン
(72)【発明者】
【氏名】ユエン, クォク ウィン
(72)【発明者】
【氏名】リー, リク チョイ
(72)【発明者】
【氏名】マク, シウ ファイ
(72)【発明者】
【氏名】フー, ヒン チョイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン, チュン キット
【テーマコード(参考)】
3F015
4B054
4B055
【Fターム(参考)】
3F015AA22
3F015FA02
4B054AA03
4B054AB01
4B054CA01
4B054CC02
4B054CD02
4B054CG01
4B055AA50
4B055BA31
(57)【要約】
【課題】自動調理装置の材料供給機構、自動調理装置および自動調理方法を提供すること。
【解決手段】該自動調理装置においては、コンベア、材料供給機構および調理アセンブリなどの操作ユニットが囲むように緊密に安置されており、占有面積を大幅に減らしている。材料供給機構の供給揺振装置は、コンベア上の食材ケースを取って、食材ケースを載置台まで押し出すことができ、材料供給機構の供給クランプ装置は、載置台上の食材ケースを取り、かつ旋回して食材ケースを調理鍋の上方まで移動させて、調理鍋内に材料を投入できる。さらに、供給クランプ装置は食材の投入が完了した空の食材ケースをごみ袋リングの上方まで旋回させ、食材ケースがごみ袋内に落下できるようにする。本自動調理装置は、各ユニット装置がコンパクトに安置され、省スペースであり、占有面積が小さく、特に小型の厨房に適用される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動調理装置の材料供給機構であって、調理作業台(5)に設置されている材料供給機構において、前記材料供給機構は、
調理作業台(5)の一側に昇降可能に設置された昇降装置(1)を含み、前記昇降装置(1)は、垂直方向に重ねられた、高さが異なる複数の載置台(11)を含み、かつ
前記載置台(11)の一側に位置し、調理作業台(5)の頂部に回動可能に設置された供給クランプ装置(2)を含むことを特徴とする、自動調理装置の材料供給機構。
【請求項2】
前記昇降装置(1)は、調理作業台(5)の一側に昇降可能に設置された直立支柱(12)を含み、載置台(11)は、前記直立支柱(12)に水平に設置されていることを特徴とする、請求項1に記載の自動調理装置の材料供給機構。
【請求項3】
前記載置台(11)は、直立支柱(12)に固設されたU形の外縁(114)を含み、前記外縁(114)のU形に開口した中央部には、前記外縁(114)に設置された第1台座(111)を有し、かつ前記U形の外縁(114)の開口部には、前記外縁(114)の開口構造に適合する第2台座(113)が設置されていることを特徴とする、請求項2に記載の自動調理装置の材料供給機構。
【請求項4】
前記外縁(114)の高さは、前記第1台座(111)および第2台座(113)の高さより高く、前記第1台座(111)、第2台座(113)および外縁(114)が囲むことにより、頂部が開口した載置スペースが形成され、前記載置スペース内に食材ケース(41)が置かれていることを特徴とする、請求項3に記載の自動調理装置の材料供給機構。
【請求項5】
前記第1台座(111)の頂部側面に、1つまたは複数の台座センサ(112)が設置されていることを特徴とする、請求項3に記載の自動調理装置の材料供給機構。
【請求項6】
前記直立支柱(12)は、垂直板(123)および接続板(124)を含み、載置台(11)は前記垂直板(123)に設置されており、前記接続板(124)はL形であり、かつL形の接続板(124)の底部末端に移動部材(121)が設置され、前記移動部材(121)は、調理作業台(5)の一側に昇降可能に設置されていることを特徴とする、請求項2に記載の自動調理装置の材料供給機構。
【請求項7】
昇降装置(1)が設置された調理作業台(5)の一側に、縦方向のスライド溝(14)が設置され、調理作業台(5)内においてスライド溝(14)に沿ってスライドアセンブリ(13)が設置され、前記スライドアセンブリ(13)は、スライド溝(14)において設置されたスクリューロッド(131)を含み、スクリューロッド(131)にはスライダ(133)がスライド可能に設置されており、スクリューロッド(131)の一側に設置された電動アクチュエータ(132)をさらに含み、前記電動アクチュエータ(132)はスライダ(133)と電気的に接続されており、前記移動部材(121)と前記スライダ(133)は、前記スライド溝(14)を介して固定接続されていることを特徴とする、請求項6に記載の自動調理装置の材料供給機構。
【請求項8】
前記供給クランプ装置(2)は、調理作業台(5)内に設置された第1回動軸駆動体(21)を含み、前記第1回動軸駆動体(21)の頂部に、クランプ第1回動軸(22)が回動可能に接続され、前記クランプ第1回動軸(22)の頂部に、旋回チャンバ(23)が連設され、前記旋回チャンバ(23)は調理作業台(5)の頂部に位置し、かつ前記旋回チャンバ(23)の水平方向に、開放型横ロッド(26)が延設されていることを特徴とする、請求項1に記載の自動調理装置の材料供給機構。
【請求項9】
前記開放型横ロッド(26)は、旋回チャンバ(23)に連設されたハンドル(261)を含み、ハンドル(261)の旋回チャンバ(23)から離れた一端に、円弧状爪(262)が設置され、前記円弧状爪(262)の内側に、円弧状の内溝(263)が設置されていることを特徴とする、請求項8に記載の自動調理装置の材料供給機構。
【請求項10】
前記旋回チャンバ(23)内に、さらにプッシュロッド第2回動軸(25)が設置され、前記プッシュロッド第2回動軸(25)は、旋回チャンバ(23)内に設置された伸縮駆動体(252)を含み、前記伸縮駆動体(252)の開放型横ロッド(26)に近い一側には、水平に伸縮可能な伸縮ロッド(254)が設置され、前記伸縮ロッド(254)は旋回チャンバ(23)の外部に延設され、伸縮ロッド(254)の伸縮駆動体(252)から離れた端部には、円弧状押し爪(251)が設置され、前記伸縮ロッド(254)の周囲には、伸縮駆動体(252)に固定接続された可動ロッド(253)が設置されており、前記開放型横ロッド(26)のハンドル(261)は、旋回チャンバ(23)の外部に位置する可動ロッド(253)に設置されていることを特徴とする、請求項9に記載の自動調理装置の材料供給機構。
【請求項11】
前記旋回チャンバ(23)内に、さらに第2回動軸駆動体(24)が設置され、前記第2回動軸駆動体(24)は、前記プッシュロッド第2回動軸(25)に回動可能に接続されていることを特徴とする、請求項10に記載の自動調理装置の材料供給機構。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の材料供給機構を含むことを特徴とする、自動調理装置。
【請求項13】
さらに調理アセンブリ(3)を含み、前記調理アセンブリ(3)は、供給クランプ装置(2)の一側の調理作業台(5)上に設置され、かつ前記調理アセンブリ(3)の高さは、供給クランプ装置(2)の高さに適合することを特徴とする、請求項12に記載の自動調理装置。
【請求項14】
前記調理アセンブリ(3)は、調理鍋(31)および反転台(32)を含み、前記調理鍋(31)は、反転台(32)に自転可能に設置され、前記反転台(32)は、前記調理作業台(5)に回動可能に設置され、前記反転台(32)の回動軸は水平軸であり、前記調理鍋(31)が自転する回動軸は、調理鍋(31)の底面に垂直な中心軸であることを特徴とする、請求項13に記載の自動調理装置。
【請求項15】
前記調理鍋(31)の底部の調理作業台(5)上に、水平回動可能な皿回動装置(9)が設置され、前記皿回動装置(9)は、調理作業台(5)の内部に設置された皿回動駆動装置(94)を含み、前記皿回動駆動装置(94)の頂部に、皿回動軸(92)が回動可能に設置され、前記皿回動軸(92)の頂部は、前記調理作業台(5)の外部に延設され、前記皿回動軸(92)には、皿回動支持具(91)が水平に連設され、前記皿回動支持具(91)の皿回動軸(92)から離れた一端にホルダ(911)が設置され、前記ホルダ(911)に盛付皿(42)が挟装され、皿回動支持具(91)が調理鍋(31)の底部に回転したとき、前記盛付皿(42)は前記調理鍋(31)の真下に位置することを特徴とする、請求項14に記載の自動調理装置。
【請求項16】
前記調理作業台(5)上に、汚水排出装置(53)が設置され、前記汚水排出装置(53)は前記調理鍋(31)の真下に位置することを特徴とする、請求項15に記載の自動調理装置。
【請求項17】
前記汚水排出装置(53)の底部に、開閉可能な装入室(51)が設置され、前記装入室(51)内に1つまたは複数の液体収容装置(511)が設置され、前記液体収容装置(511)の底部に重量計が設置されていることを特徴とする、請求項16に記載の自動調理装置。
【請求項18】
前記調理鍋(31)の頂部に、撹拌装置(6)および注加装置(7)が設置され、前記注加装置(7)は、前記液体収容装置(511)に配管接続されていることを特徴とする、請求項17に記載の自動調理装置。
【請求項19】
調理鍋(31)の供給クランプ装置(2)から離れた側の調理作業台(5)の上に、取付台(52)が設置され、前記取付台(52)には、調理鍋(31)の頂部に位置する取付筐体(521)が設置されており、前記注加装置(7)は、前記取付筐体(521)内に設置され、1つまたは複数の液体ポンプ(71)を含み、取付筐体(521)の底面に、ノズル(72)が設置され、液体収容装置(511)および液体ポンプ(71)は、いずれも配管を介してノズル(72)に接続されていることを特徴とする、請求項18に記載の自動調理装置。
【請求項20】
取付筐体(521)底面のノズル(72)の一側に、撹拌装置(6)が設置され、前記撹拌装置(6)内には、液体ポンプ(71)に接続された吸引管(64)が設置されていることを特徴とする、請求項19に記載の自動調理装置。
【請求項21】
供給クランプ装置(2)の後側の調理作業台(5)上に、さらに供給揺振装置(8)が設置され、前記供給揺振装置(8)は、調理作業台(5)の内部に設置されたトグルレバー駆動体(83)を含み、前記トグルレバー駆動体(83)の頂端に、トグルレバー回動軸(84)が回動可能に連設され、前記トグルレバー回動軸(84)の頂部は、調理作業台(5)の外部に延設され、調理作業台(5)の外部に延設されたトグルレバー回動軸(84)には、トグルレバー(81)が水平に設置されており、前記トグルレバー(81)は、載置台(11)の一側まで回動可能であることを特徴とする、請求項12に記載の自動調理装置。
【請求項22】
調理作業台(5)の後側に、貯蔵機構に接続されたコンベア(10)が設置され、前記コンベア(10)は載置台(11)の一側まで敷設され、かつ載置台(11)の一側に位置するコンベア(10)の高さは、前記トグルレバー(81)の高さに適合し、前記コンベア(10)上で食材ケース(41)が搬送され、供給揺振装置(8)の一側の調理作業台(5)上に、さらに第1ケースセンサ(54)が設置されていることを特徴とする、請求項21に記載の自動調理装置。
【請求項23】
供給クランプ装置(2)の一側の調理作業台(5)上に、さらに第2ケースセンサ(55)が設置されていることを特徴とする、請求項12に記載の自動調理装置。
【請求項24】
調理作業台(5)の昇降装置(1)が設置された一側に、ごみ袋リング(56)が設置され、前記ごみ袋リング(56)は昇降装置(1)の前側に位置することを特徴とする、請求項12に記載の自動調理装置。
【請求項25】
調理作業台(5)の前側に、人間工学的観点に合致するディスプレイ(57)がさらに設置されていることを特徴とする、請求項12に記載の自動調理装置。
【請求項26】
請求項12~25のいずれか一項に記載の自動調理装置に基づく自動調理方法において、
S1:制御システムは料理の調理指示を受信した後、対応する材料が入った食材ケース(41)を、高さが異なる載置台(11)上に搬送するステップと、
S2:制御システムは、料理に必要な順序に従って異なる材料を調理鍋(31)内に投入するように、供給クランプ装置(2)を制御するステップと、を含むことを特徴とする、自動調理方法。
【請求項27】
S3:制御システムは、用量、順番に従って対応する食用油および調味料を調理鍋(31)に加えるように注加装置(7)を制御するとともに、調理鍋(31)の自転方向、速度および調理時間を制御して調理を行うステップと、
S4:調理が完了したら、制御システムは、反転台(32)が水平軸に沿って回転し、調理鍋(31)内の完成品を調理鍋(31)底部の盛付皿(42)に空けるように制御するとともに、皿回動装置(9)の回転を制御して盛付皿(42)を引き渡すステップと、をさらに含むことを特徴とする、請求項26に記載の自動調理方法。
【請求項28】
S1において、具体的に
S1.1:制御システムは料理の調理指示を受信した後、貯蔵機構に制御指令を出力して、必要な材料が入った食材ケース(41)をコンベア(10)上に送り、食材ケース(41)はコンベア(10)に沿って昇降装置(1)の載置台(11)の一側まで搬送されるステップと、
S1.2:調理作業台(5)上の第1ケースセンサ(54)が、コンベア(10)上の食材ケース(41)が載置台(11)の一側に到達したことを感知したとき、対応する載置台(11)を同時に制御して、コンベア(10)に適合する高さまで昇降させ、さらに供給揺振装置(8)のトグルレバー(81)を制御して載置台(11)の方向へ回転させ、コンベア(10)上の食材ケース(41)を、載置台(11)の外縁(114)のU形開口部に沿って、載置台(11)の載置スペース内まで送り出し、続いてトグルレバー(81)が元の位置に戻るステップと、
S1.3:ステップS1.1~S1.2を繰り返し、異なる材料が入っている食材ケース(41)を、高さが異なる特定の載置台(11)上に搬送するステップと、を含むことを特徴とする、請求項26に記載の自動調理方法。
【請求項29】
S2において、具体的に
S2.1:加えられるべき材料がある高さの載置台(11)が、供給クランプ装置(2)の円弧状爪(262)に適合する高さまで昇降するように制御し、さらにはクランプ第1回動軸(22)の回転を制御し、開放型横ロッド(26)の円弧状爪(262)を動かして載置台(11)上の食材ケース(41)まで水平回転させ、円弧状爪(262)の内側の内溝(263)を食材ケース(41)の上部外側の縁と係合させるステップと、
S2.2:可動ロッド(253)が食材ケース(41)方向に延出するように制御し、さらに円弧状の押し爪(251)を動かして、食材ケース(41)の外壁に当接するまで前方へ移動させるステップと、
S2.3:食材ケース(41)が円弧状爪(262)および押し爪(251)に固定されたら、昇降装置(1)の下方への移動を制御し、食材ケース(41)の底部が載置スペースから離れるまで移動させた後、クランプ第1回動軸(22)の回転を制御して、開放型横ロッド(26)および円弧状爪(262)において固定された食材ケース(41)を動かして、調理鍋(31)の頂部まで水平回転させるステップと、
S2.4:さらに可動ロッド(253)の回転を制御して、円弧状爪(262)において固定された食材ケース(41)を動かし、食材ケース(41)のケース口が調理鍋(31)に面する位置まで回転させ、かつ、クランプ第1回動軸(22)が時計回りおよび反時計回りに小刻みに自転するように制御し、食材ケース(41)を動かして小刻みに遊動させ、さらに食材ケース(41)内の材料を調理鍋(31)内に空けるステップと、を含むことを特徴とする、請求項26に記載の自動調理方法。
【請求項30】
S2において、
S2.5:食材ケース(41)内の材料を調理鍋(31)内に空けた後、プッシュロッド第2回動軸(25)が逆方向に回転するように制御し、食材ケース(41)を動かして食材ケース(41)のケース口が調理鍋(31)の反対側に面する位置まで回転させるステップと、
S2.6:クランプ第1回動軸(22)の回転を制御して、開放型横ロッド(26)および円弧状爪(262)における食材ケース(41)を動かして、調理鍋(31)からごみ袋リング(56)の方向に沿って水平回転させ、ごみ袋リング(56)に吊持されたごみ袋の頂部まで移動させるステップと、
S2.7:可動ロッド(253)の収縮を制御して、押し爪(251)を食材ケース(41)の外壁から離し、かつクランプ第1回動軸(22)が時計回りおよび反時計回りに小刻みに自転するように制御し、食材ケース(41)を円弧状爪(262)から離脱させてごみ袋内に落とすステップと、
S2.8:料理に必要な材料が全て調理鍋(31)内に加えられるまで、S2.1~S2.7を繰り返すステップと、をさらに含むことを特徴とする、請求項29に記載の自動調理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は小型の厨房用調理装置および調理方法の分野に関し、特に自動調理装置の材料供給機構、自動調理装置および自動調理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の調理装置は、中国特許出願公開第109573554号明細書の自動調理装置に用いられる材料ケースの材料供給移動機構および自動調理装置のように、材料を取りやすくするため、材料が貯蔵された食材ケースを1段、調理台の横に平面的に広げているものが一般的である。そのため、材料供給機構の占める面積が大きくなり、小型の厨房およびスペースと面積の条件が厳しい場所で開業するレストランには、適用されない。また、中国特許出願公開第108354435号明細書の自動料理設備およびそれを利用して料理する方法は、食材ケースを平面的に広げることによる占有面積の大きさの課題を解決しているが、材料供給機構において材料ケースが棚に貯蔵されている。縦方向の安置により、食材ケースを異なる高さに置いているとはいえ、棚は本来、周りを囲むことによって保護する構造であり、重い上に面積を取るため、同じく小型の厨房には適用されない。しかも、棚を密閉すれば食材を適切に保護し、安全に置いておくことができるが、自動調理分野においては、どのように棚の扉を開き、食材ケースを配置し、扉を閉めるかという一連の操作が、研究開発上の困難となり得る。したがって、いかに材料供給機構の占有面積を減らし、食材ケースを安定して置くこともでき、かつ自動調理に適用できるかということは、本分野において解決すべき課題である。
【0003】
また、現在の調理装置は、人の手で材料を入れるものが多いが、中国実用新案第208692934号明細書に開示された油炒め装置の材料選択・装入機構は、食材ケースを磁気で吸引することにより材料を加えるという現在よく見られる自動装入方式である。しかしながら、調理台の一側は一般的に温度が比較的高くなるため、磁力が影響を受けて作業中に十分安定しないことが知られている。その一方で、当該装入機構は、支持アームを使用して食材を鍋に投げ込むため、食材が飛び散りやすく、作業環境の衛生状態に影響する。したがって、物理的挟持装置によって安定した材料の装入プロセスを保証する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第109573554号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第108354435号明細書
【特許文献3】中国実用新案第208692934号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、自動調理装置の材料供給機構、自動調理装置および自動調理方法を提供する。本発明の材料供給機構は開放型の垂直分散配置であり、占有面積が小さく、かつ材料を入れやすく、さらに安定載置を実現できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が用いる技術手段は以下のとおりである。
【0007】
自動調理装置の材料供給機構であって、調理作業台に設置されており、当該材料供給機構は、調理作業台の一側に昇降可能に設置された昇降装置を含み、当該昇降装置は、垂直方向に重ねられた、高さが異なる複数の載置台を含み、かつ、当該載置台の一側に位置し、調理作業台の頂部に回動可能に設置された供給クランプ装置を含む。
【0008】
好ましくは、当該昇降装置は、調理作業台の一側に昇降可能に設置された直立支柱を含み、載置台は、当該直立支柱に水平に設置されている。
【0009】
好ましくは、当該載置台は、直立支柱に固設されたU形の外縁を含み、当該外縁のU形に開口した中央部には、当該外縁に設置された第1台座を有し、かつ当該U形の外縁の開口部には、当該外縁の開口構造に適合する第2台座が設置されている。
【0010】
好ましくは、当該外縁の高さは、当該第1台座および第2台座の高さより高く、当該第1台座、第2台座および外縁が囲むことにより、頂部が開口した載置スペースが形成され、当該載置スペース内に食材ケースが置かれている。
【0011】
好ましくは、当該第1台座の頂部側面上に、1つまたは複数の台座センサが設置されている。
【0012】
好ましくは、当該直立支柱は、垂直板および接続板を含み、載置台は当該垂直板に設置されており、当該接続板はL形であり、かつL形の接続板の底部末端に移動部材が設置され、当該移動部材は、調理作業台の一側に昇降可能に設置されている。
【0013】
好ましくは、昇降装置が設置された調理作業台の一側に、縦方向のスライド溝が設置され、調理作業台内においてスライド溝に沿ってスライドアセンブリが設置され、当該スライドアセンブリは、スライド溝において設置されたスクリューロッドを含み、スクリューロッドにはスライダがスライド可能に設置されており、スクリューロッドの一側に設置された電動アクチュエータをさらに含み、当該電動アクチュエータは、スライダと電気的に接続されており、当該移動部材と当該スライダは、当該スライド溝を介して固定接続されている。
【0014】
好ましくは、当該供給クランプ装置は、調理作業台内に設置された第1回動軸駆動体を含み、当該第1回動軸駆動体の頂部に、クランプ第1回動軸が回動可能に接続され、当該クランプ第1回動軸の頂部に、旋回チャンバが連設され、当該旋回チャンバは調理作業台の頂部に位置し、かつ当該旋回チャンバの水平方向に、開放型横ロッドが延設されている。
【0015】
好ましくは、当該開放型横ロッドは、旋回チャンバに連設されたハンドルを含み、ハンドルの旋回チャンバから離れた一端に、円弧状爪が設置され、当該円弧状爪の内側に、円弧状の内溝が設置されている。
【0016】
好ましくは、当該旋回チャンバ内に、さらにプッシュロッド第2回動軸が設置され、当該プッシュロッド第2回動軸は、旋回チャンバ内に設置された伸縮駆動体を含み、当該伸縮駆動体の開放型横ロッドに近い一側には、伸縮ロッドが伸縮可能に水平に連設され、当該伸縮ロッドは、旋回チャンバの外部に延設され、伸縮ロッドの伸縮駆動体から離れた端部には、円弧状押し爪が設置され、当該伸縮ロッドの周囲には、伸縮駆動体に固定接続された可動ロッドが設置されており、当該開放型横ロッドのハンドルは、旋回チャンバの外部に位置する可動ロッドに設置されている。
【0017】
好ましくは、当該旋回チャンバ内に、さらに第2回動軸駆動体が設置され、当該第2回動軸駆動体は、当該プッシュロッド第2回動軸に回動可能に接続されている。
【0018】
自動調理装置は、上記の材料供給機構を含む。
【0019】
好ましくは、当該自動調理装置はさらに調理アセンブリを含み、当該調理アセンブリは、供給クランプ装置の一側の調理作業台上に設置され、かつ当該調理アセンブリの高さは、供給クランプ装置の高さに適合する。
【0020】
好ましくは、当該調理アセンブリは、調理鍋および反転台を含み、当該調理鍋は、反転台に自転可能に設置され、当該反転台は、当該調理作業台に回動可能に設置されており、当該反転台の回動軸は水平軸であり、当該調理鍋が自転する回動軸は、調理鍋の底面に垂直な中心軸である。
【0021】
好ましくは、当該調理鍋の底部の調理作業台上に、水平回動可能な皿回動装置が設置され、当該皿回動装置は、調理作業台の内部に設置された皿回動駆動装置を含み、当該皿回動駆動装置の頂部に、皿回動軸が回動可能に設置され、当該皿回動軸の頂部は、当該調理作業台の外部に延設され、調理作業台の外部に延設された皿回動軸には、皿回動支持具が水平に連設され、当該皿回動支持具の皿回動軸から離れた一端にホルダが設置され、当該ホルダに盛付皿が挟装され、皿回動支持具が調理鍋の底部に回転したとき、当該盛付皿は当該調理鍋の真下に位置する。
【0022】
好ましくは、調理作業台上に、汚水排出装置が設置され、当該汚水排出装置は当該調理鍋の真下に位置する。
【0023】
好ましくは、当該汚水排出装置の底部に、開閉可能な装入室が設置され、当該装入室内に、1つまたは複数の液体収容装置が設置され、当該液体収容装置の底部に、重量計が設置されている。
【0024】
好ましくは、当該調理鍋の頂部に、撹拌装置および注加装置が設置され、当該注加装置は、当該液体収容装置に配管接続されている。
【0025】
好ましくは、調理鍋の供給クランプ装置から離れた側の調理作業台の上に、取付台が設置され、当該取付台には、調理鍋の頂部に位置する取付筐体が設置されており、当該注加装置は、当該取付筐体内に設置され、1つまたは複数の液体ポンプを含み、取付筐体の底面にはノズルが設置され、液体収容装置および液体ポンプは、いずれも配管を介してノズルに接続されており、各配管にはいずれもポンプ構造が設置されている。
【0026】
好ましくは、取付筐体底面のノズルの一側に、撹拌装置が設置され、当該撹拌装置内には、液体ポンプに接続された吸引管が設置されている。
【0027】
好ましくは、供給クランプ装置の後側の調理作業台上に、さらに供給揺振装置が設置され、当該供給揺振装置は、調理作業台の内部に設置されたトグルレバー駆動体を含み、当該トグルレバー駆動体の頂端に、トグルレバー回動軸が回動可能に連設され、当該トグルレバー回動軸の頂部は、調理作業台の外部に延設され、調理作業台の外部に延設されたトグルレバー回動軸には、トグルレバーが水平に設置されており、当該トグルレバーは、載置台の一側まで回動可能である。
【0028】
好ましくは、調理作業台の後側に、貯蔵機構に接続されたコンベアが設置され、当該コンベアは載置台の一側まで敷設され、かつ載置台の一側に位置するコンベアの高さは、当該トグルレバーの高さに適合し、当該コンベア上で食材ケースが搬送され、供給揺振装置の一側の調理作業台上に、さらに第1ケースセンサが設置されている。
【0029】
好ましくは、供給クランプ装置の一側の調理作業台上に、さらに第2ケースセンサが設置されている。
【0030】
好ましくは、調理作業台の昇降装置が設置された一側に、ごみ袋リングが設置され、当該ごみ袋リングは昇降装置の前側に位置する。
【0031】
好ましくは、調理作業台の前側に、人間工学的観点に合致するディスプレイがさらに設置されている。
【0032】
上記自動調理装置に基づく自動調理方法は、以下のステップを含む。
【0033】
S1:制御システムは料理の調理指示を受信した後、対応する材料が入った食材ケースを制御して、高さが異なる載置台上に搬送するステップと、
S2:制御システムは、料理に必要な順序に従って異なる材料を調理鍋内に投入するように、供給クランプ装置を制御するステップ。
【0034】
好ましくは、さらに以下のステップを含む。
【0035】
S3:制御システムは、用量、順番に従って対応する食用油および調味料を調理鍋に加えるように注加装置を制御するとともに、調理鍋の自転方向、速度および調理時間を制御して調理を行うステップと、
S4:調理が完了したら、制御システムは反転台が水平軸に沿って回転するように制御し、調理鍋内の完成品を調理鍋底部の盛付皿に空け、皿回動装置の回転を制御して盛付皿を引き渡すステップ。
【0036】
S1においては、具体的に以下を含むことが好ましい。
【0037】
S1.1:制御システムは料理の調理指示を受信した後、貯蔵機構に制御指令を出力して、必要な材料が入った食材ケースをコンベア上に送り、食材ケースはコンベアに沿って昇降装置の載置台の一側まで輸送されるステップと、
S1.2:調理作業台上のケースセンサが、コンベア上の食材ケースが載置台の一側に到達したことを感知したとき、対応する載置台を同時に制御して、コンベアに適合する高さまで昇降させ、さらに供給揺振装置のトグルレバーを制御して載置台の方向へ回転させ、コンベア上の食材ケースを載置台の外縁のU形開口部に沿って、載置台の載置スペース内まで送り出し、続いてトグルレバーが元の位置に戻るステップと、
S1.3:S1.1~S1.2を繰り返し、異なる材料が入っている食材ケースを、高さが異なる特定の載置台上に搬送するステップ。
【0038】
S2において、具体的に以下を含むことが好ましい。
【0039】
S2.1:加えられるべき材料がある高さの載置台が、供給クランプ装置の円弧状爪に適合する高さまで昇降するように制御し、さらにはクランプ第1回動軸の回転を制御し、開放型横ロッドの円弧状爪を動かして載置台上の食材ケースまで水平回転させ、円弧状爪の内側の内溝を食材ケースの上部外側の縁と係合させるステップと、
S2.2:可動ロッドが食材ケース方向に延出するように制御し、さらに円弧状の押し爪を動かして、食材ケースの外壁に当接するまで前方へ移動させるステップと、
S2.3:食材ケースが円弧状爪および押し爪に固定されたら、昇降装置の下方への移動を制御し、食材ケースの底部が載置スペースから離れるまで移動した後、クランプ第1回動軸の回転を制御して、開放型横ロッドおよび円弧状爪において固定された食材ケースを動かして調理鍋の頂部まで水平回転させるステップと、
S2.4:さらに可動ロッドの回転を制御して、円弧状爪において固定された食材ケースを動かし、食材ケースのケース口が調理鍋に面する位置まで回転させ、かつ、クランプ第1回動軸が時計回りおよび反時計回りに小刻みに自転するように制御し、食材ケースを動かして小刻みに遊動させ、さらに食材ケース内の材料を調理鍋内に空けるステップ。
【0040】
S2において、さらに以下を含むことが好ましい。
【0041】
S2.5:食材ケース内の材料を調理鍋内に空けた後、プッシュロッド第2回動軸が逆方向に回転するように制御し、食材ケースを動かして食材ケースのケース口が調理鍋の反対側に面する位置まで回転させるステップと、
S2.6:クランプ第1回動軸の回転を制御して、開放型横ロッドおよび円弧状爪における食材ケースを動かして調理鍋からごみ袋リングの方向に沿って水平回転させ、ごみ袋リングに吊持されたごみ袋の頂部まで移動させるステップと、
S2.7:可動ロッドの収縮を制御して、押し爪を食材ケースの外壁から離し、かつクランプ第1回動軸が時計回りおよび反時計回りに小刻みに自転するように制御し、食材ケースを円弧状爪から離脱させてごみ袋内に落とすステップと、
S2.8:料理に必要な材料が全て調理鍋内に加えられるまで、S2.1~S2.7を繰り返すステップ。
【0042】
本発明は、従来技術と比較して以下の利点を有する。
【0043】
1.本発明の材料供給機構が提供する載置台は垂直に分散配置され、調理作業台の一側に昇降可能に設置されており、占有面積が小さく、特に小型の厨房に適用される。また、当該載置台は開放型であるため、食材ケースの自動載置が容易であるとともに、食材ケースの位置を好適に規制でき、食材ケースの安定載置が保証される。
【0044】
2.本発明の供給クランプ装置は、食材ケースを自動的かつ物理的に挟持可能な挟持装置を提供しており、食材ケースの安定した挟持および移動が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明の自動調理装置の全体構造の概略図である。
【
図4】昇降装置の調理作業台内部における構造概略図である。
【
図5】昇降装置が最も高い位置に移動したときの外部から見た構造概略図である。
【
図6】昇降装置が最も高い位置に移動したときの内部から見た構造概略図である。
【
図7】昇降装置が最も低い位置に移動したときの外部から見た構造概略図である。
【
図8】昇降装置が最も低い位置に移動したときの内部から見た構造概略図である。
【
図9】昇降装置の載置台の位置移動を説明する図である。
【
図10】供給クランプ装置の押し爪が食材ケースを挟持していないときの構造概略図である。
【
図12】供給クランプ装置の押し爪が食材ケースを挟持しているときの構造概略図である。
【
図14】供給クランプ装置の内部構造概略図である。
【
図15】供給クランプ装置が食材ケースを挟持して調理鍋の上方で材料を空け、食材ケースを挟持してごみ袋の上方に移動するプロセスを説明する図である。
【
図16】調理作業台底部の装入室の構造概略図である。
【
図24】コンベアと供給揺振装置の位置(食材ケースが載置台に入る前)を説明する図である。
【
図25】コンベアと供給揺振装置の位置(食材ケースが載置台に入るとき)を説明する図である。
【
図26】コンベアと供給揺振装置の位置(食材ケースが載置台に入ったとき)を説明する図である。
【
図30】調理完了後に完成品を調理鍋から盛付皿に空けるプロセスを説明する図である。
【
図31】供給クランプ装置の別の実施形態(食材ケースを挟持していないとき)の構造概略図である。
【
図32】供給クランプ装置の別の実施形態(食材ケースを挟持しているとき)の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1~9に示すように、自動調理装置の材料供給機構が提供されている。
図1の左側に示すように、当該材料供給機構は調理作業台5に設置されており、当該材料供給機構は、調理作業台5の一側に昇降可能に設置された昇降装置1を含み、
図3の平面図に示すように、当該昇降装置1は、垂直方向に重ねられた、高さが異なる複数の載置台11を含む。占用スペースが小さく、垂直に重ねた設計を用いているため、食物による汚れの減少が可能である。また、当該載置台11の一側に位置し、調理作業台5の頂部に回動可能に設置された供給クランプ装置2を含む。
【0047】
図1および
図2に示すように、当該昇降装置1は調理作業台5の一側に昇降可能に設置された直立支柱12を含み、載置台11は、当該直立支柱12に水平に設置されている。そして
図1に示すように、当該直立支柱12は、垂直板123および接続板124を含み、載置台11は当該垂直板123に設置されている。当該接続板124はL形であり、かつL形の接続板124の底部末端に移動部材121が設置され、当該移動部材121は、調理作業台5の一側に昇降可能に設置されている。このように、直立板と調理作業台5の側板との間にスペースがあり、載置台11が当該スペース内に縦方向に設置されているため、食材を保護する役割を果たすこともできる。また、本形態はL形の接続板124を用いており、調理作業台5の前方から当該スペースにおける載置台11上の材料の配置状況が見えるため、監視が容易である。また、各段の載置台11の間の中間において、さらにスペーサ122が垂直板123に連設されており、当該スペーサ122と移動部材121の設置位置によって、供給クランプ2が食材ケース41を挟持するときに食材ケース41が載置台から落ちることが少なくなるよう保証している。
【0048】
図2および
図3に示すように、当該載置台11は、直立支柱12に固設されたU形の外縁114を含み、当該外縁114のU形に開口した中央部には、当該外縁114に設置された第1台座111を有し、その面積は食材ケース41の底部の大きさであって、食材ケース41を安置するために用いられる。また、当該U形の外縁114の開口部には、当該外縁114の開口構造に適合する第2台座113が設置されている。一実施例において、第1台座111、第2台座113および外縁114は一体成形方式で製造されており、垂直板123に締結またはねじ方式で固定されている。
【0049】
好ましくは、
図2に示すように、当該外縁114の高さは、当該第1台座111および第2台座113の高さより高い。または、食材ケース41が当該外縁114のU形開口に沿って中央部の第1台座111まで移動しやすいように、さらに第1台座111の高さを第2台座113の高さより低く設定する。当該第1台座111、第2台座113および外縁114が囲むことにより、頂部が開口した載置スペースが形成され、当該載置スペース内に食材ケース41が置かれている。また、好ましくは、U形開口部の外縁114はさらにガイド縁115を有し、当該ガイド縁115によって、当該箇所における開口がより大きくなり、食材ケース41が当該箇所から第1台座111上にさらに入りやすくなる。そして当該外縁114が開口している設計により、特別な料理のため他の食材や材料を追加する必要があるときにも、人の手で交換および補充しやすい。
【0050】
ここで、
図3に示すように、当該第1台座111の頂部側面上に、1つまたは複数の台座センサ112が設置されている。当該実施例においては、複数の台座センサ112が提供され、第1台座111の上頂面上に均等分散して配置されており、食材ケース41が載置台11上に置かれているか否かを感知するとともに、食材ケース41の位置が正確に安置されているか否かということも感知できる。当該台座センサ112は、コンピュータのプログラムによるリアルタイムの監視・制御と組み合わせて、自動調理プロセスにおける食材の供給手順の正確さを確保する。
【0051】
図5に示すように、昇降装置1が設置された調理作業台5の一側に、縦方向のスライド溝14が設置され、調理作業台5内において、スライド溝14に沿って、
図4に示すスライドアセンブリ13が設置されている。当該スライドアセンブリ13は、スライド溝14において設置されたスクリューロッド131を含み、スクリューロッド131にはスライダ133がスライド可能に設置されている。また、スクリューロッド131の一側に設置された電動アクチュエータ132をさらに含み、当該電動アクチュエータ132はスライダ133と電気的に接続されており、当該移動部材121と当該スライダ133は、当該スライド溝14を介して固定接続されている。このように電動アクチュエータ132が駆動力を提供し、スライダ133がスクリューロッド131に沿って直線的に昇降運動するよう駆動かつ制御し、さらに移動部材121および直立支柱12全体を動かして昇降運動させる。当該縦方向のスクリューロッド131およびスライド溝14の設計により、載置台11が垂直移動のみを行うよう制限して、食材ケース41内の食材の飛散を効果的に減らすことが可能である。
【0052】
他の実施例において、当該スライドアセンブリは、垂直移動を正確に制御する効果を達成するために、空気駆動、ラック駆動、または本分野において一般的な他の駆動系であってよい。
【0053】
図5および
図7は、直立支柱12全体が頂部まで上昇および底部まで下降した位置の概略図である。さらに、
図9に示すように、各段の載置台11を必要な高さに到達させる。
図9において、
図9-1は、直立支柱12の最底部の載置台11が、当該載置台11上の食材ケース41がちょうど挟持され得る高さまで到達したことを説明する図である。
図9-2は、底部から数えて2番目の載置台11が、当該載置台11上の食材ケース41がちょうど挟持され得る高さまで到達したことを説明する図である。以下、
図9-3から9-7まで同様に続き、
図9-7は最上部の載置台11が、当該載置台11上の食材ケース41がちょうど挟持され得る高さまで到達したことを説明する図である。なお、当該スライドアセンブリ13は調理作業台5の内部に設置され、駆動力の支持を提供するとともに、部品が外へ漏れるのを回避し、耐久性を高めている。
【0054】
図10~14に示すように、
図14において、当該供給クランプ装置2は、調理作業台5内に設置された第1回動軸駆動体21を含み、当該第1回動軸駆動体21の頂部に、クランプ第1回動軸22が回動可能に接続されている。当然ながら、クランプ第1回動軸22の軸スリーブおよび固定台などの付属装置も、対応して設置されている。当該クランプ第1回動軸22の頂部に、旋回チャンバ23が連設され、当該旋回チャンバ23は調理作業台5の頂部に位置し、かつ当該旋回チャンバ23の水平方向に、開放型横ロッド26が延設されている。
【0055】
ここで、
図11に示すように、当該開放型横ロッド26は、旋回チャンバ23に連設されたハンドル261を含み、ハンドル261の旋回チャンバ23から離れた一端に、円弧状爪262が設置され、当該円弧状爪262の内側に、円弧状の内溝263が設置されている。好ましくは、当該円弧状爪262は半円形の円弧状であり、かつ選択した食材ケース41は上縁に上部縁突起を有しており、当該円弧状の内溝263に嵌合することで、当該円弧状爪262を介して食材ケース41をより好適に挟持できる。
【0056】
本発明で示した食材ケースはいずれも一般的に市販され、上部縁に突起部分を有するものである。しかしながら実際の応用では、当該上縁の突起部分は食材ケース全体の開口に設置されてもよいし、ケース本体に部分的に設置された突起部分であってもよい。重点は、本発明における内溝に嵌合可能であって、供給クランプ装置が食材ケースを安定して挟持できるようにすることである。
【0057】
他の実施例においては、
図31~32に示すように、当該開放型横ロッド26に電磁石264が設置され、磁性を有する食材ケースと組み合わせて使用される。当該電磁石264は、通電による着磁と断電による消磁の磁気相互作用方式によって、磁性を有する食材ケース41を吸着または解放する。同様に、通電による消磁方式を利用して、磁性を有する食材ケース41を吸着または解放できる。本実施例における電磁石264は、押し爪251、伸縮駆動体252、可動ロッド253、伸縮ロッド254および円弧状爪262の使用に代替可能であり、部品数を減らす一方で、食材ケースの変形により食材ケースが円弧状爪262から脱落するのを回避でき、食材ケース搬送の安定性を高めている。
【0058】
図11および
図14に示すように、当該旋回チャンバ23内に、さらにプッシュロッド第2回動軸25が設置され、当該プッシュロッド第2回動軸25は、旋回チャンバ23内に設置された伸縮駆動体252を含み、当該伸縮駆動体252の開放型横ロッド26に近い一側には、伸縮ロッド254が伸縮可能に水平に連設され、当該伸縮ロッド254は旋回チャンバ23の外部に延設され、伸縮ロッド254の伸縮駆動体252から離れた端部には、円弧状押し爪251が設置され、当該伸縮ロッド254の周囲には、伸縮駆動体252に固定接続された可動ロッド253が設置されている。また、当該開放型横ロッド26のハンドル261は、旋回チャンバ23の外部に位置する可動ロッド253に設置されている。このようにして、食材ケース41の上部縁が円弧状爪262の内溝263と互いに当接してから、伸縮駆動体252が伸縮ロッド254の伸長を制御し、さらに、円弧状の押し爪251が食材ケース41の上部縁の下部外壁上に当接するまで、当該押し爪251を動かして食材ケース41方向に移動させることで、円弧状爪262と連係して食材ケース41を安定して挟持する。
【0059】
また、
図14において、当該旋回チャンバ23内に、さらに第2回動軸駆動体24が設置されている。当該第2回動軸駆動体24は、当該プッシュロッド第2回動軸25と回動可能に接続され、歯車などの構造によって接続でき、好ましくは、可動ロッド253と回動可能に接続される。このようにして、第2回動軸駆動体24の駆動により、伸縮軸を回動軸としてプッシュロッド第2回動軸25全体を回動させる。さらに、挟持された食材ケース41を動かして上下に反転させて、食材ケース41内の材料を調理鍋31内に落下させることができる。
【0060】
説明の便宜上、実施例の図面において、垂直方向はy軸であり、反時計回りおよび時計回りは、平面図で見たときを基準とする。水平方向はx軸であり、反時計回りおよび時計回りは、右側面図で見たときを基準とする。
図15は、供給クランプ装置2の動作プロセス図である。
図15-1では、クランプ第1回動軸22がy軸に沿って反時計回りに回転し、このとき最底部の載置台11と載置台11上の食材ケース41とが挟持高さまで上昇する。円弧状爪262が食材ケース41まで移動し、内溝263は食材ケース41の上部縁に当接し、第2回動軸駆動体24が押し爪251を駆動して前方へ伸長させ、食材ケース41の外壁に当接した後、食材ケース41の挟持を完了する。さらに
図15-2では、クランプ第1回動軸22がy軸の時計回りに回転し、挟持している食材ケース41を動かして調理作業台5上の調理鍋31の頂部まで移動させる。続いて
図15-3では、第2回動軸駆動体24がプッシュロッド第2回動軸25を駆動してx軸の反時計回りに回転させ、食材ケース41を動かして反転させ、食材ケース41内の材料を底部の調理鍋31内に落下させる。さらに
図15-4では、食材ケース41内の材料がすべて調理鍋31内に入った後、プッシュロッド第2回動軸25が再び時計回りに回転して、食材ケース41を動かして元の位置に戻す。さらに、
図15-5では、クランプ第1回動軸22が時計回りに回転を続け、食材ケース41を回収した後、次の食材ケース41を挟持し、すべての材料が調理鍋31内に加えられるまで継続する。
【0061】
また、
図1に示すように、上記の材料供給機構を含む自動調理装置を提供する。
【0062】
そして、当該自動調理装置はさらに調理アセンブリ3を含み、当該調理アセンブリ3は、供給クランプ装置2の一側の調理作業台5上に設置され、かつ当該調理アセンブリ3の高さは、供給クランプ装置2の高さに適合する。それは、供給クランプ装置2が運ぶ食材を調理アセンブリ3内に加えやすくするためである。なお、当該調理作業台5の上段には、
図1に示すように、それぞれ左側に載置台11、中央部に供給クランプ装置2、右側に調理アセンブリ3がある。当該中央部の供給クランプ装置2がある場所は作業面であり、機能部品を設置できるとともに、調理ゾーンと材料ゾーンの分離も実行しており、材料および材料を載置する載置台11の衛生状態が保証されている。また、このようなレイアウトにより、占有面積を可能な限り小さくしている。
【0063】
図1および
図18に示すように、当該調理アセンブリ3は調理鍋31および反転台32を含み、当該調理鍋31は、反転台32に自転可能に設置され、当該反転台32は、当該調理作業台5に回動可能に設置されている。当該反転台32の回動軸は水平軸、すなわち
図18に示す水平回動軸33であり、かつ当該調理鍋31が自転する回動軸は、調理鍋31の底面に垂直な中心軸、すなわち
図18に示す自転軸34である。当該調理鍋31は自転軸34の傾斜角に沿って自転し、調理機能を実行できる。当該反転台32は、当該水平回動軸33に沿って回動し、調理鍋31を動かして回動させ、調理完了後の盛り付けおよび洗浄、傾動などの機能を実行できる。
【0064】
図1および
図17に示すように、当該調理鍋31底部の調理作業台5上に、水平回動可能な皿回動装置9が設置され、当該皿回動装置9は、調理作業台5内部に設置された皿回動駆動装置94を含み、当該皿回動駆動装置94の頂部に、皿回動軸92が回動可能に設置され、当該皿回動軸92の頂部は、当該調理作業台5の外部に延設され、前記皿回動軸92には、皿回動支持具91が水平に連設され、当該皿回動支持具91の皿回動軸92から離れた一端にホルダ911が設置され、当該ホルダ911に盛付皿42が挟装され、皿回動支持具91が調理鍋31の底部に回転したとき、当該盛付皿42は当該調理鍋31の真下に位置する。これは、調理鍋31で調理が完了した後、調理鍋31の底部で完成品を受け取り、所定の位置まで回転して皿を引き渡すのを容易にするためである。
【0065】
また、
図1に示すように、調理作業台5上に、汚水排出装置53が設置され、当該汚水排出装置53は当該調理鍋31の真下に位置する。1回の調理の終了後に、調理鍋31を洗浄し、汚水を汚水排出装置53内に空けて排出する。
【0066】
図16に示すように、当該汚水排出装置53の底部に開閉可能な装入室51が設置され、当該装入室51内には1つまたは複数の液体収容装置511が設置され、当該液体収容装置511の底部に重量計が設置されている。当該液体収容装置511は、食用油、醤油などを収容でき、好ましくは食用油を収容するために用いられ、油缶であってよい。重量計で毎回の使用分量を制御する。圧力または時間で使用量を制御するよりも、重量によって分量を計量するほうが、より精確な制御が可能である。
【0067】
また、
図1に示すように、当該調理鍋31の頂部に撹拌装置6および注加装置7が設置され、当該注加装置7は、当該液体収容装置に配管接続されている。
【0068】
ここで、調理鍋31の供給クランプ装置2から離れた側の調理作業台5の上に、取付台52が設置され、当該取付台52には、調理鍋31の頂部に位置する取付筐体521が設置されている。当該注加装置7は、当該取付筐体521内に設置され、1つまたは複数の液体ポンプ71を含む。取付筐体521の底面には1つまたは複数のノズル72が設置され、液体収容装置511および液体ポンプ71は、いずれも配管を介してノズル72に接続されている。底部においては、スペースがより大きい液体収容装置511内に、食用油または使用量が比較的多い他の液体を収容することが好ましい。取付台52の上部、例えば取付筐体521内に、比較的小さい液体収容装置を設けて、調味料、水溶きコーンスターチ、洗浄剤など使用量が比較的少ない液体も保管でき、整理が容易になる。液体以外の調味料については、それぞれの添加方法を用いてよい。対応するポンプアセンブリ、収容装置およびノズルの連設がそれぞれ可能である。
【0069】
また、
図1および
図19~20に示すように、取付筐体521の底面のノズル72の一側に、撹拌装置6が設置され、撹拌装置6は、動力装置61、容器62、撹拌棒63および吸引管64を含む。容器62は、調理の際、頻繁に使用する水溶きコーンスターチなど、沈殿物を有する液体を積載するために用いられる。動力装置61は取付筐体521内部に設置され、撹拌棒63および吸引管64は、取付筐体521内部から容器62内に延出している。動力装置61が底部の撹拌棒63の旋回を駆動し、沈殿物による配管の詰まりを回避するとともに、これらの液体の変質を防止する。動力装置61の起動頻度は定刻起動または手動駆動としてよい。吸引管64は液体ポンプ71に接続され、必要に応じて容器62内の撹拌された液体をノズル72に圧送する。
図1に示すように、本実施例における調理作業台5の右側領域では、機能ゾーンを最適化している。従来の調理装置では、調理鍋31、盛付皿42、汚水排出・注加・洗浄装置をいずれも平面的に並べて設置し、利便性を図っているが、本形態では、垂直空間に分散して配置しており、調理作業台5の右側に、垂直に分散して配置された注加装置7と、撹拌装置6と、調理鍋31と、盛付皿42と、汚水排出槽と、装入室51とを含み、占用スペースを大幅に減らしている。
【0070】
図1および
図23に示すように、供給クランプ装置2の後側の調理作業台5上に、さらに供給揺振装置8が設置されている。当該供給揺振装置8は、調理作業台5の内部に設置されたトグルレバー駆動体83を含み、当該トグルレバー駆動体83の頂端に、トグルレバー回動軸84が回動可能に連設され、当該トグルレバー回動軸84の頂部は、調理作業台5の外部に延設され、調理作業台5の外部に延設されたトグルレバー回動軸84には、トグルレバー81が水平に設置されている。ここで、当該トグルレバー81は、載置台11の一側まで回転可能である。具体的には、当該トグルレバー81は載置台11のU形に開口した一側まで回動可能であり、食材ケース41を載置台11の載置スペース内まで送り出すのに便利である。
【0071】
図24~29に示すように、調理作業台5の後側に、貯蔵機構に接続されたコンベア10が設置され、当該貯蔵機構は、冷凍庫または貯蔵庫など食材ケース41の保存に用いられる装置または作業ゾーンであってよく、料理の調理に必要な食材を送り出すために、コンベア10に連通できる。当該コンベア10は載置台11の一側まで敷設され、かつ載置台11の一側に位置するコンベア10の高さは、当該トグルレバー81の高さに適合し、当該コンベア10上で食材ケース41が搬送される。また、供給揺振装置8の一側の調理作業台5上に、第1ケースセンサ54がさらに設置されている。
図24~25に示すように、食材ケース41が載置台11のU形開口部まで搬送されたことを第1ケースセンサ54が検知したとき、トグルレバー駆動体83がトグルレバー81を駆動して載置台11方向に回転させ、
図26に示すように、食材ケース41を載置台11上まで送り出す。当然ながら、実際の操作においては、調理に必要な特定の食材に基づき、一部の食材ケース41はコンベア10経由で載置台11まで送り、他の一部の食材ケース41は人手によって載置台11に置くようにしてもよい。
【0072】
また、
図22に示すように、供給クランプ装置2の一側の調理作業台5上に、さらに第2ケースセンサ55が設置され、供給クランプ装置2が食材ケース41を挟持して旋回し、調理鍋31に向かって移動するときに用いられ、当該第2ケースセンサ55は、食材ケース41が供給クランプ装置2上に存在しているか否かを感知する。
【0073】
さらに、
図22に示すように、調理作業台5の昇降装置1が設置された一側に、ごみ袋リング56が設置されている。当該ごみ袋リング56は昇降装置1の前側に位置しており、供給クランプ装置2が材料の添加を完了した後の食材ケース41の回収が容易である。
【0074】
また、
図1に示すように、調理作業台5の前側に、人間工学的観点に合致するディスプレイ57がさらに設置されており、主制御システムに接続し、自動調理装置全体を監視制御して操作するために用いられる。
【0075】
さらに、上記自動調理装置に基づく自動調理方法を提供し、当該方法は以下のステップを含む。
【0076】
S1:制御システムは料理の調理指示を受信した後、対応する材料が入った食材ケース41を制御して、高さが異なる載置台11上に搬送するステップと、
S2:制御システムは、料理に必要な順序に従って異なる材料を調理鍋31内に投入するように、供給クランプ装置2を制御するステップ。
【0077】
さらに、以下のステップを含む。
【0078】
S3:制御システムは、用量、順番に従って対応する食用油および調味料を調理鍋31に加えるように注加装置7を制御するとともに、調理鍋31の自転方向、速度および調理時間を制御して調理を行い、ここで、食用油と調味料はそれぞれ献立に応じて液体収容装置511および液体ポンプ71から調理鍋31内に送り出されるステップと、
S4:調理が完了したら、
図30に示すように、制御システムは反転台32が水平軸に沿って回転するように制御し、調理鍋31内の完成品を調理鍋31底部の盛付皿42に空け、皿回動装置9の回転を制御して盛付皿42を引き渡すステップ。その後、操作者は盛付皿42を持っていくことができる。
【0079】
なおかつ、さらに以下のステップを含み得る。
【0080】
S5:調理鍋31内の完成品を盛付皿42に空けた後、調理鍋31は反転台32の駆動により元の位置に戻る。注加装置7を介して洗浄剤を噴出して洗浄し、洗浄完了後、反転台32の駆動により反転して汚水を汚水排出槽内に排出するステップ。
【0081】
ここで、S1において、具体的には以下を含む。
【0082】
S1.1:制御システムは料理の調理指示を受信した後、貯蔵機構に制御指令を出力して、必要な材料が入った食材ケース41をコンベア10上に送り、食材ケース41はコンベア10に沿って昇降装置1の載置台11の一側まで搬送されるステップと、
S1.2:調理作業台5上のケースセンサが、コンベア10上の食材ケース41が載置台11の一側に到達したことを感知したとき、対応する載置台11を同時に制御して、コンベア10に適合する高さまで昇降させ、さらに供給揺振装置8のトグルレバー81を制御して載置台11の方向へ回転させ、コンベア10上の食材ケース41を載置台11の外縁114のU形開口部に沿って、載置台11の載置スペース内まで送り出し、続いてトグルレバー81が元の位置に戻るステップ。当然ながら、特定の食材が必要な場合は、食材ケース41を人手で特定の載置台11上に置くこともできる。
【0083】
S1.3:S1.1~S1.2を繰り返し、異なる材料が入っている食材ケース41を、高さが異なる特定の載置台11上に搬送するステップ。
【0084】
S2においては、
図15に示すように、具体的に以下を含むことが好ましい。
【0085】
S2.1:加えられるべき材料がある高さの載置台11が、供給クランプ装置2の円弧状爪262に適合する高さまで昇降するように制御し、さらにはクランプ第1回動軸22の回転を制御し、開放型横ロッド26の円弧状爪262を動かして載置台11上の食材ケース41まで水平回転させ、円弧状爪262の内側の内溝263を食材ケース41の上部外側の縁と係合させるステップと、
S2.2:可動ロッド253が食材ケース41方向に延出するように制御し、さらに円弧状の押し爪251を動かして、食材ケース41の外壁に当接するまで前方へ移動させるステップと、
S2.3:食材ケース41が円弧状爪262および押し爪251に固定されたら、昇降装置1の下方への移動を制御し、好ましくは小刻みに少しずつ垂直に下降させることで、食材ケース41を載置台11から離脱させるときに、載置台11にぶつかって食物が勢いよく流れ出るのを回避し、食材ケース41の底部が載置スペースから離れるまで移動した後、クランプ第1回動軸22の回転を制御して、開放型横ロッド26および円弧状爪262において固定された食材ケース41を動かして調理鍋31の頂部まで水平回転させるステップと、
S2.4:さらに可動ロッド253の回転を制御して、円弧状爪262において固定された食材ケース41を動かし、食材ケース41のケース口が調理鍋31に面する位置まで回転させる、つまり、プッシュロッド第2回動軸25の自転により食材ケース41を動かして、
図15-3の位置まで反時計回りに180°回転させるとともに、クランプ第1回動軸22が時計回りおよび反時計回りに小刻みに自転するように制御し、食材ケース41を動かして小刻みに遊動させ、揺動動力を提供して、食材が食材ケース41から分離して脱落する速度を高め、さらに食材ケース41内の材料を調理鍋31内に空けるステップ。
【0086】
S2において、さらに以下を含むことが好ましい。
【0087】
S2.5:食材ケース41内の材料を調理鍋31内に空けた後、プッシュロッド第2回動軸25が180°逆方向に回転して、
図15-4に示される位置になるように制御し、食材ケース41を動かして食材ケース41のケース口が調理鍋31の反対側に面する位置まで回転させるステップと、
S2.6:クランプ第1回動軸22の回転を制御して、開放型横ロッド26および円弧状爪262における食材ケース41を動かし、調理鍋31からごみ袋リング56の方向に沿って水平回転させ、ごみ袋リング56に吊持されたごみ袋の頂部まで移動させるステップと、
S2.7:可動ロッド253の収縮を制御して、押し爪251を食材ケース41の外壁から離し、収縮して元の位置に戻すとともに、クランプ第1回動軸22が時計回りおよび反時計回りに小刻みに自転するように制御し、食材ケース41の脱落速度を高め、食材ケース41を円弧状爪262から離脱させてごみ袋内に落とすステップと、
S2.8:料理に必要な材料が全て調理鍋31内に加えられるまで、S2.1~S2.7を繰り返すステップ。
【0088】
当然ながら、当該自動調理装置において、材料供給機構と調理アセンブリ3などとの相互の連係は同時に進行し、制御システムは様々な料理に対応して、材料が調理鍋31に投入される順序、時間および調理時間の長さなどを制御する。制御システムは、操作ユニット内の油、水、水溶きコーンスターチなどの液体の投入時間と分量を制御し、調理鍋31の旋回方向、速度および調理時間を制御し、皿回動支持具91の旋回方向・料理皿の引き渡しなどを制御する。また、該調理装置においては、コンベア10装置、材料供給機構および調理アセンブリ3などの操作ユニットが囲むように緊密に安置されており、可能な限り占有面積を減らしている。材料供給機構内の供給揺振装置8は、コンベア10上の食材ケース41を取ることができればよく、かつ食材ケース41を載置台11まで押し出すことが可能である。このほか、材料供給機構の供給クランプ装置2は、載置台11上の食材ケース41を取り、かつ旋回して食材ケース41を調理鍋31の上方まで移動させて、調理鍋31内に材料を投入できる。さらには、供給クランプ装置2は、食材の投入が完了した空の食材ケース41をごみ袋リング56の上方まで旋回させ、食材ケース41がごみ袋内に落下できるようにする。
【0089】
本自動調理装置において、昇降装置1は高さスペースを利用しており、適切な高さの供給揺振装置8と組み合わせさえすれば、コンベア10を必要に応じて異なる高さに設置し、周囲のスペースによりいっそう適合させることができる。後方の一側は壁体に寄せることが可能であり、コンベア10を壁に近接させて、食物による汚れや事故を減らすとともに、日常操作時の応用およびメンテナンスにも影響しない。量産モードでは、複数台の調理装置が同時に動作し、食材をより速く搬送できる。また、調理の際に調理鍋31の熱と油煙が上方向および四方に拡散して飛散するため、多段化および前後に返す設計によって、食物間の相互汚染の回避が可能である。また、昇降装置1と供給クランプ装置2の連係(垂直および旋回方式の搬送方法)により、食材を運ぶ距離と時間が短縮されており、短時間で食材を鍋に投入でき、複雑な料理の処理がより容易になる。さらに、供給クランプ装置2の2軸設計により、材料供給時に両軸の旋回方向が連係して、さらに効果的な食材ケース41の安定が可能となる。
【符号の説明】
【0090】
1 昇降装置
11 載置台
111 第1台座
112 台座センサ
113 第2台座
114 外縁
115 ガイド縁
12 直立支柱
121 移動部材
122 スペーサ
123 垂直板
124 接続板
13 スライドアセンブリ
131 スクリューロッド
132 電動アクチュエータ
133 スライダ
14 スライド溝
2 供給クランプ装置
21 第1回動軸駆動体
22 クランプ第1回動軸
23 旋回チャンバ
24 第2回動軸駆動体
25 プッシュロッド第2回動軸
251 押し爪
252 伸縮駆動体
253 可動ロッド
254 伸縮ロッド
26 開放型横ロッド
261 ハンドル
262 円弧状爪
263 内溝
264 電磁石
3 調理アセンブリ
31 調理鍋
32 反転台
33 水平回動軸
34 自転軸
41 食材ケース
42 盛付皿
5 調理作業台
51 装入室
511 液体収容装置
52 取付台
521 取付筐体
53 汚水排出装置
54 第1ケースセンサ
55 第2ケースセンサ
56 ごみ袋リング
57 ディスプレイ
6 撹拌装置
61 動力装置
62 容器
63 撹拌棒
64 吸引管
7 注加装置
71 液体ポンプ
72 ノズル
8 供給揺振装置
81 トグルレバー
82 供給揺振取付ブラケット
83 トグルレバー駆動体
84 トグルレバー回動軸
9 皿回動装置
91 皿回動支持具
911 ホルダ
92 皿回動軸
93 皿回動取付ブラケット
94 皿回動駆動装置
10 コンベア