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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080616
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】ウエハキャリア測定装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20240606BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
H01L21/68 T
H01L21/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023190197
(22)【出願日】2023-11-07
(31)【優先権主張番号】63/429,218
(32)【優先日】2022-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506017182
【氏名又は名称】家登精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUDENG PRECISION INDUSTRIAL CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】邱 銘乾
(72)【発明者】
【氏名】荘 家和
(72)【発明者】
【氏名】李 國華
(72)【発明者】
【氏名】沈 恩年
(72)【発明者】
【氏名】呂 俊明
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 信淵
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA09
5F131CA53
5F131DA05
5F131DA33
5F131DA42
5F131GA13
5F131GA62
5F131GA82
5F131GA92
5F131JA04
5F131JA13
5F131JA23
5F131JA24
5F131JA27
5F131JA36
5F131KA06
5F131KA14
5F131KA40
5F131KA72
5F131KB12
5F131KB32
(57)【要約】
【課題】ウエハキャリア測定装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、開放端を有し、かつ少なくとも1本のガス流通管を内設したウエハキャリアを測定するための測定装置を提供する。ウエハキャリア測定装置は、ウエハキャリアを固定するための載置インターフェースを備える。前記ウエハキャリアの開放端は、測定装置の検出空間に面している。前記載置インターフェースは、ウエハキャリアの底板に連結されることで、ガスをウエハキャリアに供給する給気組立体を備える。検出空間内に、主に前記収容空間内のガス流通管からの気体の流速を測定するための測定アセンブリが配置されている。前記測定アセンブリは、第2連結部材構造に固定された複数の風速センシング素子及び複数の変位センシング素子を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開放端を有し、かつ少なくとも1本のガス流通管を内設したウエハキャリアを測定するためのウエハキャリア測定装置であって
前記ウエハキャリアを固定し、前記ウエハキャリアの収容空間に気体を供給するための載置インターフェースであって、前記収容空間が前記ガス流通管の気体流出孔と連通する載置インターフェースと、
検出空間の内に移動可能に収容される測定アセンブリであって、前記検出空間が前記開放端の位置に対応する測定アセンブリとを含み、
前記ウエハキャリアが前記載置インターフェースに固定され、かつ前記載置インターフェースが前記ウエハキャリアの前記収容空間に気体を供給した時、前記測定アセンブリは前記検出空間から前記収容空間の内に移動し、異なる水平高さで前記ガス流通管の気体流データをそれぞれ測定することができるウエハキャリア測定装置。
【請求項2】
前記測定アセンブリは、
第1連結部材と、
前記第1連結部材に連結され、垂直方向に互いに間隔をあける複数の第2連結部材と、
前記複数の第2連結部材に装着されて、前記ガス流通管の異なる水平高さからの気体流を測定するための複数の風速センシング素子と
を含む請求項1に記載のウエハキャリア測定装置。
【請求項3】
前記測定アセンブリは、前記ガス流通管の高さ及び位置を判断するように構成される少なくとも1つの変位センシング素子をさらに含む請求項1に記載のウエハキャリア測定装置。
【請求項4】
前記変位センシング素子は、撮像素子、レーザセンシング素子又は非接触式センシング素子のうちの1つである請求項3に記載のウエハキャリア測定装置。
【請求項5】
前記複数の風速センシング素子の少なくとも1つは、前記収容空間の底部に位置する前記ガス流通管からの気体流を測定するために、前記第1連結部材の底端と同じ高さにある請求項2に記載のウエハキャリア測定装置。
【請求項6】
各風速センシング素子は、センシングロッドと、センシング線とを備え、前記センシング線は加熱可能な金属線である請求項2に記載のウエハキャリア測定装置。
【請求項7】
前記載置インターフェースは、
前記ウエハキャリアを位置合わせ及び位置決めするための位置決め構造と、
気体を前記ガス流通管に供給するための給気組立体と
を含む請求項1に記載のウエハキャリア測定装置。
【請求項8】
前記位置決め構造は、前記ウエハキャリアの底板に嵌合するための一対の位置決めポストを備える請求項7に記載のウエハキャリア測定装置。
【請求項9】
前記測定アセンブリを操作し、かつ前記ガス流通管の測定状態を観察するためのユーザインターフェースをさらに含む請求項2に記載のウエハキャリア測定装置。
【請求項10】
前記測定アセンブリは、前記検出空間内の移動ユニットに連結されるものであって、前記ウエハキャリアが前記載置インターフェースに固定された時、前記測定アセンブリが前記移動ユニットの駆動により前記ウエハキャリアの前記収容空間に進入する請求項1に記載のウエハキャリア測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハキャリア測定装置に関し、特に、ウエハキャリア内のガス流通管からの気体流データを測定する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1A及び図1Bは、頂部と、底部と、背面、一対の側面とを有する筐体Hを含む既存のウエハキャリアCを示し、筐体Hは開放端OPを有する。ドアカバー(図示せず)がウエハキャリアCの開放端OPに結合した時、ドアカバーと筐体Hとが密閉された収容空間SCを形成する。前記収容空間SC内には、複数のウエハ(図示せず)を支持するための一対の支持部材SM及び筐体Hの底部に接続され、筐体Hの頂部方向に延びる少なくとも1本のガス流通管GTが配置される。
【0003】
ウエハキャリアCの底部には、設備に連結可能な底板Bも設けられることで、非反応性乾燥ガスGを底板B内に設けられたガスバルブ(図示せず)を経由して少なくとも1本の前記ガス流通管(gas tower)GT内に吹き込まれ、前記ガス流通管GTを介して収容空間SC内に拡散する。半導体製造工程の異なるプロセスにおいて、ウエハキャリアCは、真空引き、ガス交換又はガスのバックフィル等の手順を実施する必要がある。しかしながら、組立段階中又は製造工程段階後に、様々な要因により流体の流れる経路を閉塞することで、ウエハキャリアC内の気体流に影響を与える可能性がある。例えばガス流通管GTの頂端及び底端での拡散流量がばらつく。前記流量のばらつきによりガス流通管GTの総気体流出量を低下させてしまう。ガス流通管GTの組立過程中に破損又は密着性が悪いことでガス漏れが生じた場合、ウエハキャリアCにはガス流通管GTの流量がばらつくという問題が存在する可能性がある。例えばガス流通管GTが適切に取り付けられていない場合、給気する時、ガス流通管GTの底部から流出する流量が多くなる。
【0004】
上述したように、現在、ウエハキャリアCの給気機能が正常であるか否かを確認するため、ウエハキャリアCを測定する測定装置又は測定方法が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、現在ウエハキャリア内の気体流を手動測定する時に存在する測定誤差の問題を改善することである。
【0006】
本発明の第2の目的は、ウエハキャリア内のガス流通管の手動組み立ての欠陥による不均一な給気、さらにガス漏れにより給気効果が低下するという問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これ故に、本発明は、開放端を有し、かつ少なくとも1本のガス流通管を内設したウエハキャリアを測定するための測定装置を提供する。ウエハキャリア測定装置は、ウエハキャリアを固定するための載置インターフェースを備える。前記ウエハキャリアの開放端は、測定装置の検出空間に面している。前記載置インターフェースは、ウエハキャリアの底板に連結されることで、ガスをウエハキャリアに供給する給気組立体を備える。検出空間内に、主に前記収容空間内のガス流通管からの気体の流速を測定するための測定アセンブリが配置されている。前記測定アセンブリは、第2連結部材構造に固定された複数の風速センシング素子及び複数の変位センシング素子を含む。
【0008】
本発明の一実施形態において、前記測定アセンブリは、第1連結部材と、前記第1連結部材に連結された複数の第2連結部材と、前記複数の第2連結部材に装着され、前記ガス流通管の異なる水平高さからの気体流を測定するための複数の風速センシング素子とを含む。
【0009】
本発明の一実施形態において、前記測定アセンブリは、前記ガス流通管の高さ及び位置を判断するように構成される少なくとも1つの変位センシング素子をさらに含む。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記変位センシング素子は、撮像素子、レーザセンシング素子又は非接触式センシング素子のうちの1つである。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記風速センシング素子は、前記収容空間の底部に位置する前記ガス流通管からの気体流を測定するために、少なくとも前記第1連結部材の底端に配置される。
【0012】
本発明の一実施形態において、各風速センシング素子は、センシングロッドと、センシング線とを備え、前記センシング線は加熱可能な金属線である。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記載置インターフェースは、前記ウエハキャリアを位置合わせ及び位置決めするための位置決め構造と、気体を前記ガス流通管に供給するための給気組立体とを含む。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記位置決め構造は、前記ウエハキャリアの底板に嵌合するための一対の位置決めポストを備える。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記測定アセンブリを操作し、かつ前記ガス流通管の測定状態を観察するためのユーザインターフェースをさらに含む。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記測定アセンブリは、前記検出空間内の移動ユニットに連結されるものであって、前記ウエハキャリアが前記載置インターフェースに固定された時、前記測定アセンブリが前記移動ユニットの駆動により前記ウエハキャリアの前記収容空間に進入する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】従来のウエハキャリアを示す前面図である。
図1B】従来のウエハキャリアを示す背面図である。
図2】本発明のウエハキャリア測定装置を示す立体図である。
図3】本発明のウエハキャリア測定装置を示す上面図である。
図4】本発明の測定アセンブリを示す立体図である。
図5】本発明の測定アセンブリを示す前面図である。
図6】本発明の図4内の部位Aの拡大図である。
図7】本発明の測定アセンブリを示す上面図である。
図8】本発明の測定アセンブリを示す側面図である。
図9】本発明により測定されたウエハキャリア内の測定状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図2に示す本発明のウエハキャリア測定装置10を参照すると、前記ウエハキャリア測定装置10は、図1A及び図1Bに示すように開放端OPを有するウエハキャリアCを測定するために用いられる。前記ウエハキャリア測定装置10は、載置インターフェース100と、検出空間S内に配置された測定アセンブリ(measuring assembly)200と、ユーザインターフェース400とを含む。前記載置インターフェース100は、ウエハキャリアCを載置し、位置決めし、気体を前記ウエハキャリアCの収容空間SCに供給する。具体的には、載置インターフェース100には、ウエハキャリアCを位置決めするための移動制限手段及び気体を供給する複数のノズル(nozzle)が設けられ、前記移動制限手段はウエハキャリアCの底板Bに嵌合できる複数の位置決めピン(図示せず)を含み、ノズルは底板Bの気体流入モジュール或いは気体流入バルブに嵌合して気体をウエハキャリアC内のガス流通管GTに送り込むことができる。前記検出空間Sは、開口部を有し、前記開口部によって画定された平面は載置インターフェース100に対して垂直である。本実施形態の開口部は、筐体Hの垂直面に大まかに形成され、検出空間Sを載置インターフェース100上のウエハキャリアCの開放端OPに面させ、収容空間SCと連通させることができる。測定アセンブリ200は、前記検出空間S内に移動可能に収容され、前記ウエハキャリア測定装置10は前記測定アセンブリ200の変位を制御して、前記測定アセンブリ200が検出空間Sから移動してウエハキャリアCの収容空間SC内に進入するようにし、前記載置インターフェース100が気体をウエハキャリアCの収容空間SCに供給した時、前記測定アセンブリ200は各々異なる水平高さで前記収容空間SC内のガス流通管GTの異なる高さの気体流データを測定する。前記ユーザインターフェース400は、操作者が測定アセンブリ200の変位を調整し、気体測定條件を入力すること、及びガス流通管GTの組立状態と測定状態の観察、測定結果の表示のために用いられる。
【0019】
別の実施形態において、測定アセンブリ200は、移動不能に検出空間Sに収容され、載置インターフェース100は載置インターフェース100上に置かれたウエハキャリアCを検出空間Sの所定検出位置に到達するよう押進させることができる移動手段を含み得る。測定アセンブリ200の詳細に関しては、後述する。
【0020】
図3のウエハキャリア測定装置10の上面図を参照されたい。図に示すように、ウエハキャリア測定装置10の載置インターフェース100は、複数の位置決め構造110と、給気組立体130とを備え、前記位置決め構造110はウエハキャリアCの底板Bを載置インターフェース100に位置合わせして位置決めさせ、前記給気組立体130は気体をウエハキャリアC底板Bの気体流入モジュール或いは気体流入バルブに供給して収容空間SCを満たすために用いられる。給気組立体130は、基本的に底板Bの気体流入モジュールの数に対応する数のノズルを含み、例えば底板Bに当接して気密を形成できるノズルである。
【0021】
本発明の一実施形態において、前記位置決め構造110は、少なくとも一対の位置決めブロック111と、一対の位置決めポスト112とを備え、それぞれウエハキャリアCの底板Bが対応する凹部構造に嵌合することで、ウエハキャリアCが載置インターフェース100上で滑ったりずれたりすることが防止され、ウエハキャリアCの底板Bの一対の気体流入バルブが載置インターフェース100の一対の給気組立体130と位置合わせされ、ウエハキャリアCの開放端OPを検出空間Sに面させることで、ウエハキャリアCの収容空間SCを検出空間Sに連通させる。
【0022】
前記給気組立体130は、載置インターフェース100の下に埋め込まれた給気システムに接続されるため、ウエハキャリア測定装置10が給気組立体130、ウエハキャリアCの気体流入バルブ及びガス流通管GTなどの構成要素を介して気体をウエハキャリアCの収容空間SC内に供給する。前記実施形態において、位置決め構造110及び給気組立体130は、載置インターフェース100から取り外し可能であるため、ウエハキャリア測定装置10は位置決め構造110及び給気組立体130の数及び位置を増減して異なるウエハキャリアを測定することができる。図示していないが、載置インターフェース100はウエハキャリアCの収容空間SC内の気体を排出するための排気組立体も含み得る。本発明の構成によれば、測定アセンブリ200は、給気組立体130の給気操作を介して対応する検出をすることができる。
【0023】
図4及び図5の測定アセンブリ200の立体図以及び前面図を参照されたい。測定アセンブリ200は、ウエハキャリア測定装置10の検出空間S内に配置され、移動ユニット300に設けられる。前記測定アセンブリ200は、前記移動ユニット300に固結された第1連結部材210と、前記第1連結部材210に連結された複数の第2連結部材220と、第2連結部材220に対称的に連結され、ウエハキャリアCの収容空間SCに面する複数対の風速センシング素子230と、検出空間S内に装着された複数の変位センシング素子240とを備える。変位センシング素子240は、風速センシング素子230の測定に影響を与えない位置に設けられ、ウエハキャリアCの収容空間SCに面する。
【0024】
具体的には前記第1連結部材210は、主に1本以上の支柱からなる塔状構造物であり、移動ユニット300に連結される。移動ユニット300の変位により前記複数の第2連結部材220と前記複数の風速センシング素子230をx-y軸に移動させる。前記複数の第2連結部材220は、横梁構造(beam structure)で、前記第1連結部材210に連結され、かつ各第2連結部材220には少なくとも一対の風速センシング素子230が装着される。第2連結部材220と第1連結部材210は、突き合わせるように配置された位置決め構造(図示せず)を備える。例えば第2連結部材220は、第1連結部材210の位置決めポストを挿通させるための位置決め穴を有し、かつ第2連結部材220は固定手段を介して第1連結部材210の異なる垂直位置に位置決めされることができる。したがって、第2連結部材220は、風速センシング素子230の測定に必要な高さ位置に応じて適切に調整することができ、ウエハキャリアCがウエハキャリア測定装置10に載置されると、前記複数の風速センシング素子230は、移動ユニット300を介して風速センシング素子230を駆動させ、ウエハキャリアCの収容空間SC内に適切に進入させてガス流通管GTからの気体流を測定する。
【0025】
前記複数の変位センシング素子240は、測定に邪魔しない空間内に配置され、情報を取得してウエハキャリアCのガス流通管GTの取り付け高さが一致するか傾斜しているかを判断するために用いられる。変位センシング素子240は、前記収容空間SC内の頂部付近に配置されることが好ましい。前記変位センシング素子240は、撮像素子、レーザセンシング素子などの非接触式変位センシング素子により実現できるものとするが、これらに限定されない。本発明の一実施形態において、変位センシング素子240(例えば撮像素子)は、レンズと、感光素子とを備え、各撮像素子はウエハキャリアCのガス流通管GTの1つに対応し、画像認識を介して前記ガス流通管GTの位置及び高さを判断することで、各ガス流通管GTが正しく取り付けられているかどうかをさらに判断する。
【0026】
図6の本発明風速センシング素子230の立体拡大図及び図7の測定アセンブリ200の上面図を参照して、本発明の風速センシング素子を具体的に説明する。本発明の各風速センシング素子230は、第2連結部材220の一端に枢動可能に設けられ、すなわち、各第2連結部材220の両端に一対の風速センシング素子230が連結されることで、各対の風速センシング素子230をウエハキャリアC内部にある前記ガス流通管GTの異なる高さに対応させることができる。風速センシング素子230は、枢動により各対の風速センシング素子230の向き(図7)を調整することができる。前記枢動メカニズムにより、各対の風速センシング素子230を好ましい気体流の経路に位置させるため、各対の風速センシング素子230が異なる高さで各ガス流通管GTからの気体流を正確に受け取り、気体流データを測定できるようにする。
【0027】
その他の実施形態において、風速センシング素子230の設置数のニーズは、ウエハキャリアC内のガス流通管GTの設置数に応じて調整することができ、風速センシング素子230の設置数はここに限定されず、ウエハキャリアC内のガス流通管GTの異なる高さの気体流データを測定できれば、本発明の保護範囲に属する。例えばウエハキャリアCに配置されたガス流通管GTが3本の場合、第2連結部材220は適切な配置により3つの対応する風速センシング素子230を保持し、前記3つの風速センシング素子230に3本のガス流通管GTの気体流を各々受け取らせる。
【0028】
本発明の一実施形態において、風速センシング素子230は、熱線式風速計(Hot-wire anemometer)で、各風速センシング素子230はセンシングロッド231と、前記センシングロッド231の一端に配置され、露出するセンシング線232とを備え、前記センシング線232は加熱できる金属線である。前記風速センシング素子230は、ガス流通管GTから吹き出される気体の流速を異なる高さでそれぞれ測定する。その他の実施形態において、前記風速センシング素子230は、超音波風速計(Ultrasonic anemometer)、ベーン式風速計(Vane anemometer)又はレーダー風速計(Radar anemometer)などの風速計で実現されてもよい。本発明の好ましい実施形態において、ウエハキャリアCの収容空間SCの底部の構造が比較的複雑であるため、少なくとも一組の風速センシング素子230をガス流通管GTと収容空間SCの底部との間の組み立て高さに配置し、測定された風速データを介してウエハキャリアCの不適切な組み立て又は損傷による気体流入効果低下の問題の有無を判断する。その他の風速センシング素子230は、異なるウエハキャリアC或いは異なる測定条件件に応じて、風速の測定位置を調整することができ、例えば各対の風速センシング素子230の水平高さ又は各対の風速センシング素子230間の距離を調整する。
【0029】
図7の測定アセンブリ200の上面図及び図8の測定アセンブリ200の側面図を参照して、測定アセンブリ200と移動ユニット300との間の関係を具体的に説明する。前記測定アセンブリ200は、移動ユニット300に固結され、移動ユニット300を介してx軸に変位して、ウエハキャリアCの収容空間SC内に進入し、かつ前記測定アセンブリ200は移動ユニット300を介してy軸に変位して、前記収容空間SCの位置を調整する。前記移動ユニット300は、第1移動機構310と、第2移動機構320と、複数のガイドレール330とを備える。前記第1移動機構310は、主に第2移動機構320を積載し、複数のガイドレール330に沿ってy軸上に変位する。本発明の好ましい実施形態において、前記複数のガイドレール330は、第1ガイドレール331と、第2ガイドレール332とを少なくとも含み、前記第1ガイドレール331及び第2ガイドレール332は水平に並列して第1移動機構310を貫設することにより、第1移動機構310を第1ガイドレール331及び第2ガイドレール332に沿ってy軸に正確に変位させる。その他の実施形態において、本発明は、y軸上の第1移動機構310の変位を実現するために1つのみのガイドレールを使用することもできる。前記第2移動機構320は、第1移動機構310に固結され、モータ及び伝動機構により駆動され、測定アセンブリ200をウエハキャリアCの収容空間SCに対して接近又は離反させる。第2移動機構320は、第1移動機構310上のガイドレール(図示せず)に沿って測定アセンブリ200をx軸に変位させることで、測定アセンブリ200をウエハキャリアCの収容空間SC内に進入させることができる。本発明の一実施形態において、測定アセンブリ200の変位センシング素子240は、第1移動機構310に配置され、ウエハキャリアCの内部コンポーネントをセンシングするニーズに応じて、第1移動機構310の変位距離を介して、y軸上の変位センシング素子240の変位距離を同時に調整することができる。本発明のその他の実施形態において、変位センシング素子240は、第2連結部材220又は第2移動機構320に配置され、風速センシング素子230の測定を妨げることなく操作して、第2連結部材220或いは第2移動機構320とともに変位することができるため、ウエハキャリアCの内部コンポーネントをセンシングするニーズに応じてx軸、z軸上の変位距離を調整する。
【0030】
ウエハキャリア測定装置10が測定を開始する時、操作者は、操作手段(例えばボタン、ジョイスティック又はユーザインターフェース400内のアプリであるが、これらに限定されない)に基づき移動ユニット300を制御して、測定アセンブリ200を検出空間SからウエハキャリアCの収容空間SC内に移動して、風速データを測定し、同時に測定アセンブリ200の変位センシング素子240は画像認識でガス流通管GTの個々位置及び個々高さを判断する。次に図9のユーザインターフェース400に表示される風速データの概略図を参照すると、本発明の具体的実施形態において、使用者はユーザインターフェース400において空気充填時間(Air Time)を設定できることで、載置インターフェース100の給気組立体130が気体をウエハキャリアCの収容空間SCに供給する持続時間を設定し、また風速センシング素子230の測定回数(Total Insp)を設定することもでき、前記風速センシング素子230を介して収容空間SC内の位置1(P1)~位置8(P8)に対応する風速をそれぞれ測定して、ウエハキャリアC中の全体的な流れ場の分布を得、変位センシング素子240を介してガス流通管GTの個々高さ、例えば「History Result」(履歴結果)テーブル内の「Left Height」(左の高さ)と「Right Height」(右の高さ)を得る。図9に示す風速データは、3つのウエハキャリアCを測定した風速データ及びガス流通管GTの高さをそれぞれ表示し、操作者はこれに基づいてウエハキャリアCの機能の正常の有無を判断できる。本発明の他の実施形態において、操作者は、ガス流通管GTの所定の高さを予め設定でき、測定したデータが誤差範囲を超えた場合、ウエハキャリア測定装置10はウエハキャリアCの機能が異常であると自動的に判断し、操作者にガス流通管GTに異常があることを知らせる。なお、位置1(P1)と位置2(P2)の風速或いは位置7(P7)と位置8(P8)の風速の差が誤差範囲を超えた場合、ウエハキャリア測定装置10はウエハキャリアCの機能が異常であると自動的に判断し、操作者にどの位置で風速が異常であるかを知らせる。
【0031】
本発明の変形例において、図4を参照すると、測定アセンブリ200内の第2連結部材220は、第1連結部材210に昇降可能に連結することができ、風速センシング素子230は第2連結部材220に水平方向に摺動可能に連結され、枢動でき、第1連結部材210と第2連結部材220は少なくともスライドレール又はボールねじによって実現でき、風速センシング素子230の枢動は少なくとも歯車構造によって実現できる。前記第1連結部材210、第2連結部材220、風速センシング素子230、変位センシング素子240及び移動ユニット300は、いずれも処理ユニット(図示せず)に電気的に接続され、変位センシング素子240は画像認識によりウエハキャリアCの中心線を見つけ出し、より具体的に言えば、変位センシング素子240は異なる画像内のウエハキャリアCのガス流通管GT及び支持部材SMを固有値として、ウエハキャリアCの中心線を算出する。ウエハキャリアCの中心線が見つかった後、変位センシング素子240は、関連のデータを処理ユニットに送信し、処理ユニットは測定アセンブリ200が測定位置に到達するまで、xy軸上での移動ユニット300の変位を制御し、次に処理ユニットは変位センシング素子240によって認識されたガス流通管GTの位置及び高さに基づいて、各第2連結部材220の第1連結部材210における水平高さ、及び各対の風速センシング素子230の第2連結部材220における間隔を制御し、各風速センシング素子230を例えば図9に示す位置1(P1)~位置8(P8)などの正確な測定位置に移動させることができ、次にウエハキャリア測定装置10は所定の持続時間の気体をウエハキャリアCの内部に供給し、前記処理ユニットは各対の風速センシング素子230の開閉角度を制御して、風速センシング素子230の開始位置として最大風速時の開閉角度を見つける。上述の操作方法を通じて、本発明は測定アセンブリ200の測定位置を自動的に補正してウエハキャリアCを測定することができ、流量分布を効果的に測定し、ガス流通管GTの組み立て精度を観察できるだけでなく、測定結果を介して上述の異常問題を速やかに発見することで、ウエハキャリアC内のガス流通管GTの手動組み立の欠陥による気体供給の不均一、さらにガス漏れによる給気効果が悪くなるという問題を解決することができる。
【0032】
要するに、本発明で開示するウエハキャリア測定装置は、ウエハキャリア内のガス流通管の気体流の状態を簡単かつ正確に測定して、ウエハキャリアの機能の正常の有無を判断できる。
【符号の説明】
【0033】
10 ウエハキャリア測定装置
100 載置インターフェース
110 位置決め構造
111 位置決めブロック
112 位置決めポスト
130 給気組立体
200 測定アセンブリ
210 第1連結部材
220 第2連結部材
230 風速センシング素子
231 センシングロッド
232 センシング線
240 変位センシング素子
300 移動ユニット
310 第1移動機構
320 第2移動機構
330 ガイドレール
331 第1ガイドレール
332 第2ガイドレール
400 ユーザインターフェース
B 底板
C ウエハキャリア
G 気体
GT ガス流通管
H 筐体
OP 開放端
S 検出空間
C 収容空間
SM 支持部材
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9