(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008065
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】調光装置および調光装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1347 20060101AFI20240112BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20240112BHJP
G02F 1/1343 20060101ALI20240112BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
G02F1/1347
G02F1/13 505
G02F1/13 101
G02F1/1343
G02F1/1333 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109594
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 俊平
(72)【発明者】
【氏名】山口 耕平
(72)【発明者】
【氏名】井手 勝一
(72)【発明者】
【氏名】平林 幸哉
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 修
(72)【発明者】
【氏名】森本 浩也
(72)【発明者】
【氏名】長尾 康一
【テーマコード(参考)】
2H088
2H092
2H189
2H190
【Fターム(参考)】
2H088EA33
2H088FA06
2H088FA16
2H088FA19
2H088HA01
2H088HA02
2H088MA20
2H092GA03
2H092GA14
2H092GA33
2H092GA38
2H092GA44
2H092GA50
2H092RA10
2H189AA32
2H189AA35
2H189AA64
2H189DA72
2H189HA02
2H189HA16
2H189LA01
2H189LA03
2H189MA15
2H190JA11
2H190JA13
2H190LA01
(57)【要約】
【課題】パネルユニットの側部から調光パネルの角部が突き出ることがより抑制される調光装置および調光装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】調光装置は、下基板と下基板に重なる上基板とを含む多角形の調光パネルが第1方向に複数積層されて角柱の形状を有するパネルユニットを備える。複数の調光パネルのそれぞれは、第1辺と、第1辺に隣接する第2辺と、第1辺と第2辺とが交差する第1角部と、を有する。複数の調光パネルのうち第1方向に隣接する2枚の調光パネルを第1方向から見た場合に、一の調光パネルの第1角部は、他の調光パネルの縁よりも内側に位置し、且つ、他の調光パネルの第1角部は、一の調光パネルの縁よりも内側に位置する。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下基板と前記下基板に重なる上基板とを含む多角形の調光パネルが第1方向に複数積層されて角柱の形状を有するパネルユニットを備え、
複数の前記調光パネルのそれぞれは、第1辺と、当該第1辺に隣接する第2辺と、前記第1辺と前記第2辺とが交差する第1角部と、を有し、
複数の前記調光パネルのうち第1方向に隣接する2枚の前記調光パネルを第1方向から見た場合に、
一の前記調光パネルの前記第1角部は、他の前記調光パネルの縁よりも内側に位置し、且つ、前記他の前記調光パネルの前記第1角部は、前記一の前記調光パネルの縁よりも内側に位置する、
調光装置。
【請求項2】
前記調光パネルにおける前記第1角部において、
前記第1辺と前記第2辺とが交差する内角は、90度よりも大きい、
請求項1に記載の調光装置。
【請求項3】
第1方向に重ねた2枚の長方形の透光性基板の間にシール材と当該シール材の内側に充填する液晶層とを設けた基材を準備する基材準備工程と、
前記基材準備工程の後に、
前記透光性基板の端面から、当該端面に交差する方向に沿って第1の切り込みを入れたのち、前記シール材の外側に沿って前記端面に至るまで切り込みを連続して形成して、1つの辺が前記端面である多角形となる1枚の調光パネルを前記基材から切り出す調光パネル切り出し工程と、
前記調光パネル切り出し工程を繰り返し行って複数の調光パネルを作製する調光パネル作製工程と、
前記調光パネル作製工程の後、前記複数の調光パネルを第1方向に積層させる積層工程と、を含み、
前記調光パネル切り出し工程において、前記調光パネルには、前記第1の切り込みと前記端面とが交差する第1角部が形成され、
前記積層工程において、
複数の前記調光パネルのうち第1方向に隣接する2枚の前記調光パネルを第1方向から見た場合に、
一の前記調光パネルの前記第1角部は、他の前記調光パネルの縁よりも内側に位置し、且つ、前記他の前記調光パネルの前記第1角部は、前記一の前記調光パネルの縁よりも内側に位置する、
調光装置の製造方法。
【請求項4】
前記調光パネルにおける前記第1角部において、
前記第1の切り込みと前記端面とが交差する内角は、90度よりも大きい、
請求項3に記載の調光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、調光装置および調光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
調光装置は、例えば、複数の調光パネルを上下方向に積層させたパネルユニットを備える(例えば特許文献1参照)。調光パネルは、複数の基板と、これらの基板の間に封入したシール材および液晶層と、を有する。調光パネルが例えば多角形の形状を有する場合、隣接する2つの辺の交差部には、鋭利な角部が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パネルユニットの側部から調光パネルの角部が突き出る場合、当該角部は、他の部品等に干渉して損傷を受ける可能性がある。
【0005】
本開示は、前記に鑑みてなされたものであり、パネルユニットの側部から調光パネルの角部が突き出ることがより抑制される調光装置および調光装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る調光装置は、下基板と前記下基板に重なる上基板とを含む多角形の調光パネルが第1方向に複数積層されて角柱の形状を有するパネルユニットを備え、複数の前記調光パネルのそれぞれは、第1辺と、当該第1辺に隣接する第2辺と、前記第1辺と前記第2辺とが交差する第1角部と、を有し、複数の前記調光パネルのうち第1方向に隣接する2枚の前記調光パネルを第1方向から見た場合に、一の前記調光パネルの前記第1角部は、他の前記調光パネルの縁よりも内側に位置し、且つ、前記他の前記調光パネルの前記第1角部は、前記一の前記調光パネルの縁よりも内側に位置する。
【0007】
本開示の一態様に係る調光装置の製造方法は、第1方向に重ねた2枚の長方形の透光性基板の間にシール材と当該シール材の内側に充填する液晶層とを設けた基材を準備する基材準備工程と、前記基材準備工程の後に、前記透光性基板の端面から、当該端面に交差する方向に沿って第1の切り込みを入れたのち、前記シール材の外側に沿って前記端面に至るまで切り込みを連続して形成して、1つの辺が前記端面である多角形となる1枚の調光パネルを前記基材から切り出す調光パネル切り出し工程と、前記調光パネル切り出し工程を繰り返し行って複数の調光パネルを作製する調光パネル作製工程と、前記調光パネル作製工程の後、前記複数の調光パネルを第1方向に積層させる積層工程と、を含み、前記調光パネル切り出し工程において、前記調光パネルには、前記第1の切り込みと前記端面とが交差する第1角部が形成され、前記積層工程において、複数の前記調光パネルのうち第1方向に隣接する2枚の前記調光パネルを第1方向から見た場合に、一の前記調光パネルの前記第1角部は、他の前記調光パネルの縁よりも内側に位置し、且つ、前記他の前記調光パネルの前記第1角部は、前記一の前記調光パネルの縁よりも内側に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る調光パネルを上側から見た模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る下基板の表面を上側から見た模式図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る上基板を裏返して、配線が設けられる面である表面を示した模式図である。
【
図5】
図5は、実施形態の調光装置の断面を示す模式図である。
【
図7】
図7は、基材から1つの調光パネルを切り出す手順を示す模式図である。
【
図9】
図9は、調光パネルから上基板の一部を切断する手順を示す模式図である。
【
図10】
図10は、パネルユニットにおける最も上側に位置する第1の調光パネルを示す模式図である。
【
図11】
図11は、パネルユニットにおける上側から2番目に位置する第2の調光パネルを示す模式図である。
【
図12】
図12は、パネルユニットにおける上側から3番目に位置する第3の調光パネルを示す模式図である。
【
図13】
図13は、パネルユニットにおける上側から4番目に位置する第4の調光パネルを示す模式図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係るパネルユニットを上側から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0010】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
なお、図に示すXYZ座標において、X方向は、左右方向であり、X1側はX2側の反対である。X1側は左側とも称し、X2側は右側とも称する。Y方向は、前後方向であり、Y1側はY2側の反対である。Y1側は前側とも称し、Y2側は後側とも称する。Z方向は、上下方向(積層方向)である。Z1側はZ2側の反対である。Z1側は上側とも称し、Z2側は下側とも称する。また、Z方向は第1方向とも称し、X方向およびY方向は第2方向とも称する。Z2側を第1方向の一方側、Z1側を第1方向の他方側とも称する。
【0012】
[調光装置]
実施形態に係る調光装置を説明する。
図1は、実施形態に係る調光パネルを上側から見た模式図である。
図2は、実施形態に係る下基板の表面を上側から見た模式図である。
図3は、実施形態に係る上基板を裏返して、配線が設けられる面である表面を示した模式図である。
【0013】
図1に示すように、調光パネル1は、下基板2と、下基板2の上側に配置される上基板3と、を備える。調光パネル1は、平面視で略八角形であり、辺11と、辺12と、辺13と、辺14と、辺15と、辺16と、辺17と、辺18と、を有する。ここで、調光パネル1の外形をより明瞭に示すように、調光パネル1の外形に沿った仮想的な正八角形を破線で示す。破線で示す正八角形は、頂点A、B、C、D、E、F、G、Hを有する。調光パネル1の8つの角は、円弧状である。よって、調光パネル1の8つの角は、破線で示す正八角形の頂点よりも中心O側に位置する。また、調光パネル1の辺15は、正八角形におけるY2側の辺15Aに対応する。調光パネル1の辺15は、正八角形におけるY2側の辺15AよりもY1側に位置する。なお、本発明では、調光パネル1の形状は、八角形に限定されず、八角形以外の多角形も本発明に含まれる。
【0014】
辺11は、調光パネル1におけるY1側に位置する。辺11は、図中X方向と平行である。調光パネル1の辺11は、
図2に示す下基板2の辺211に一致する。これに対し、
図3に示す上基板3の辺311は、下基板2の辺211よりもY2側に位置する。従って、
図1に示すように、下基板2の上側に上基板3を積層させた状態では、下基板2のY1側の端部2cが露出する。端部2cには、第1の端子群10が設けられる。
【0015】
辺12は、調光パネル1におけるX1側に位置する。辺12は、図中Y方向と平行である。調光パネル1の辺12は、
図2に示す下基板2の辺212に一致する。これに対し、
図3に示す上基板3の辺312は、下基板2の辺212よりもX2側に位置する。従って、
図1に示すように、下基板2の上側に上基板3を積層させた状態では、下基板2のX1側の端部2dが露出する。端部2dには、第2の端子群20が設けられる。
【0016】
辺13は、X1方向とY1方向との双方に交差する。交差角は、45度である。辺13は、
図2に示す下基板2の辺213に一致する。これに対し、
図3に示す上基板3の辺313は、下基板2の辺213よりもX2且つY2側に位置する。換言すると、平面視において、上基板3の辺313は、下基板2の辺213よりも中心O側に位置する。従って、
図1に示すように、下基板2の上側に上基板3を積層させた状態では、下基板2の端部2eが露出する。
【0017】
辺14は、X1方向とY2方向との双方に交差する。交差角は、45度である。辺14は、
図2に示す下基板2の辺214および
図3に示す上基板3の辺314と重なる。
【0018】
辺15は、調光パネル1におけるY2側に位置する。辺15は、
図2に示す下基板2の辺215および
図3に示す上基板3の辺315と重なる。また、前述したように、調光パネル1の辺15は、正八角形におけるY2側の辺15AよりもY1側(中心O側)に位置する。
【0019】
辺16は、X2方向とY2方向との双方に交差する。交差角は、45度である。辺16は、
図2に示す下基板2の辺216および
図3に示す上基板3の辺316と重なる。
【0020】
辺17は、調光パネル1におけるX2側に位置する。辺17は、
図2に示す下基板2の辺217および
図3に示す上基板3の辺317と重なる。
【0021】
辺18は、X2方向とY1方向との双方に交差する。交差角は、45度である。辺18は、
図2に示す下基板2の辺218および
図3に示す上基板3の辺318と重なる。
【0022】
このように、上基板3の面積は、下基板2の面積よりも小さいため、下基板2の端部2cに設けられた第1の端子群10、および、端部2dに設けられた第2の端子群20が露出する。
【0023】
次に、
図2および
図3を参照して下基板2および上基板3を説明する。なお、
図3においては、上基板3の表面および裏面のうち、配線が設けられる面である表面3aを示した模式図である。従って、
図3の上基板3におけるX1およびX2の向きは、
図2の下基板2におけるX1およびX2の向きに対して、反対になっている。
図2には、下基板2のX方向の中央を通りY方向に延びる中心線CL1と、下基板2のY方向の中央を通りX方向に延びる中心線CL2と、が示される。
図2に示すように、下基板2の辺211に沿った端部2cにおいて、辺211の中央よりも辺212側(或いは辺213側)の第1端部21(二点鎖線で示す)には、第1の端子群10が設けられる。即ち、端部2cは、下基板2においてY1側の端部であり、端部2cの部位のうち中心線CL1よりもX1側に、二点鎖線で示す第1端部21が配置される。第1端部21に第1の端子群10が設けられる。
図2に示すように、第1の端子群10は、第1端子101と、第2端子102と、第3端子103と、第4端子104と、を含む。第1端子101、第2端子102、第3端子103および第4端子104は、X1側からX2側に向けてX方向(第4方向)に順に並んで配置される。これらの端子101、102、103、104は、辺211に平行な一対の短辺105と、辺212に平行な一対の長辺106とを備えている。
【0024】
また、
図2に示すように、下基板2の辺212に沿った端部2dにおいて、辺212の中央よりも辺211側(或いは辺213側)の第2端部22(二点鎖線で示す)には、第2の端子群20が設けられる。即ち、端部2dは、下基板2においてX1側の端部であり、端部2dの部位のうち中心線CL2よりもY1側に、二点鎖線で示す第2端部22が配置される。第2端部22に第2の端子群20が設けられる。
図2に示すように、第2の端子群20は、第5端子201と、第6端子202と、第7端子203と、第8端子204と、を含む。第5端子201、第6端子202、第7端子203および第8端子204は、Y1側からY2側に向けて前後方向(Y方向)に順に並んで配置される。これらの端子201、202、203、204は、辺211に平行な一対の長辺107と、辺212に平行な一対の短辺108とを備えている。
【0025】
次に、下基板2および上基板3の配線について説明する。なお、基板の表面および裏面のうちの表面に配線が設けられる。即ち、配線が設けられる面を表面とし、表面の反対側の面を裏面とする。
【0026】
図2に示すように、下基板2の表面2aには、配線、液晶駆動電極および接続部が設けられる。なお、下基板2の接続部C1と、上基板3の接続部C3(
図3参照)とは、導通可能な導電柱(図示せず)を介して電気的に接続される。同様に、下基板2の接続部C2と、上基板3の接続部C4(
図3参照)とは、導通可能な共通電極(図示せず)を介して電気的に接続される。
【0027】
第1端子101と第5端子201とは、配線(第1配線)241を介して電気的に接続される。配線241の途中には、分岐点242が設けられ、分岐点242から接続部C1まで配線が延びている。
【0028】
第2端子102と第6端子202とは、配線(第2配線)243、245を介して電気的に接続される。なお、配線243には、分岐点244が設けられ、分岐点244から端247まで配線246が延びている。
【0029】
第3端子103と第7端子203とは、配線(第3配線)248を介して電気的に接続される。第4端子104と第8端子204とは、配線(第4配線)249、251を介して電気的に接続される。配線249は、第4端子104からX2側に向けて分岐点250まで延びる。配線251は、分岐点250から第8端子204まで延びる。分岐点250から接続部C2まで配線が延びている。
【0030】
複数の液晶駆動電極261は、配線243、246に接続される。液晶駆動電極261は、X方向に沿って直線状に延びる。液晶駆動電極261は、Y方向に等間隔に配置される。
【0031】
複数の液晶駆動電極262は、配線248に接続される。液晶駆動電極262は、X方向に沿って直線状に延びる。液晶駆動電極262は、Y方向に等間隔に配置される。なお、液晶駆動電極261と液晶駆動電極262とはY方向に交互に配置される。
【0032】
図3に示すように、上基板3の表面3aには、配線、液晶駆動電極および接続部が設けられる。なお、
図3に示す中心線CL1、CL2は、
図2に示す中心線CL1、CL2と対応している。
【0033】
接続部C3は、分岐点341を介して、配線342、343に接続される。配線342は、端348まで延びる。配線343は、端349まで延びる。接続部C4は、分岐点344を介して、配線345、346に接続される。配線346は、端347まで延びる。
【0034】
複数の液晶駆動電極361は、配線342、343に接続される。液晶駆動電極361は、Y方向に沿って直線状に延びる。液晶駆動電極361は、X方向に等間隔に配置される。
【0035】
複数の液晶駆動電極362は、配線346に接続される。液晶駆動電極362は、Y方向に沿って直線状に延びる。液晶駆動電極362は、X方向に等間隔に配置される。なお、液晶駆動電極361と液晶駆動電極362とはX方向に交互に配置される。
【0036】
次に、調光パネル1の断面構造を簡単に説明する。
図4は、
図1のIV-IV線による断面図である。
図4に示すように、調光パネル1は、下基板2と、上基板3と、液晶層4と、を備える。
図4に示すように、上基板3は、下基板2の上側(Z1側)に配置される。上基板3と下基板2との間には、液晶層4が設けられる。即ち、下基板2の表面2aと、上基板3の表面3aとは、液晶層4を挟んで向かい合うように配置される。なお、下基板2の表面2aの反対は、裏面2bであり、上基板3の表面3aの反対は、裏面3bである。また、前述のように、上基板3の方が下基板2よりも面積が小さいため、下基板2の表面2aに設けられる第3端子103が露出する。なお、絶縁層は、2つの配線の接触を防止するために設けられるが、本実施形態に係る調光パネル1では、下基板2には、配線が重なる部分がないため、絶縁層を設けていない。
【0037】
さらに、
図4に示すように、両基板および電極には配向膜610が積層されている。具体的には、下基板2の表面2a、液晶駆動電極261、262、および第3配線248の一部の上面に配向膜610が積層されている。また、上基板3の表面3aおよび液晶駆動電極361の上面に配向膜610が積層されている。そして、下基板2と上基板3とは、有効領域を包囲するシール材600によって接着され、シール材600の内側に液晶層4が充填されている。
【0038】
次に、実施形態の調光装置について説明する。
図5は、実施形態の調光装置の断面を示す模式図である。
【0039】
図5に示すように、実施形態に係る調光装置100は、パネルユニット110と、光源620と、を備える。なお、本実施形態に係る調光装置100においては、p波偏光用の液晶セルとs波偏光用の液晶セルとを積層して組み合わせている。
【0040】
パネルユニット110は、Z方向(第1方向)に複数の調光パネル1を積層させて形成される。本実施形態では、
図1に示す調光パネル1を複数(実施形態では4つ)積層されている。具体的には、
図5に示すように、4つの調光パネル1は、上側から順に、第1の調光パネル1A、第2の調光パネル1B、第3の調光パネル1C、第4の調光パネル1Dが積層される。第1の調光パネル1Aは、4つの調光パネル1のうち最も上側に配置される。換言すると、第1の調光パネル1Aは、複数の調光パネルのうち最もZ2側に位置する。第4の調光パネル1Dは、4つの調光パネル1のうち最も下側に配置される。換言すると、第4の調光パネル1Dは、複数の調光パネルのうち最もZ1側に位置する。第1の調光パネル1Aと第4の調光パネル1Dとの間には、第2の調光パネル1Bおよび第3の調光パネル1Cが積層される。また、調光パネル1A、1B、1C、1Dは、接着層72を介して接着される。つまり、Z方向に隣接する調光パネル同士は全て、接着層72を介して接着される。フレキシブルプリント基板400は、端子に電気的に接続される。なお、調光装置100に含まれる調光パネル1の数は、4枚に限定されず、2枚以上であればよい。また、光源620は、パネルユニット110のZ1側に配置される。光源620から光621が照射される。
【0041】
次に、調光パネル1の角部を詳細に説明する。
図6は、
図1の一部を拡大した模式図である。
【0042】
図6に示すように、調光パネル1は、8角形(多角形)であり、辺14、15、16を有する。前述のように、調光パネル1の辺15は、正八角形におけるY2側の辺15Aに対応する。調光パネル1の辺15は、正八角形におけるY2側の辺15AよりもY1側に位置する。辺15と辺15Aとの距離は、距離d1である。
【0043】
ここで、辺15を第1辺とし、辺14を第2辺とすると、辺15(第1辺)と辺14(第2辺)とは隣接する。辺14の端部は、湾曲部14aを有する。辺15(第1辺)と辺14(第2辺)の湾曲部14aとが点P1において交差して第1角部80が形成される。第1角部80において、湾曲部14aと辺15とが交差する内角θ2は、90度よりも大きい。直線L1は、点P1を通る湾曲部14aの接線である。直線L1と辺15との交差角は角度θ1である。角度θ1は、90度よりも小さい。直線L2は、辺15の延長線である。破線で示す正八角形は、辺14Aを有する。辺14Aと直線L2との交点は交点R1である。点P1は、交点R1に対してX2側(中心線CL1側)に配置される。点P1と交点R1との距離は距離d2である。湾曲部14aは、点Q1から点P1まで延びる。点Q1と点P1とを結ぶ直線を直線L4とすると、湾曲部14aは、直線L4に対して中心O側に位置する。
【0044】
また、辺15を第1辺とし、辺16を第2辺とすると、辺15(第1辺)と辺16(第2辺)とは隣接する。辺16の端部は、湾曲部16aを有する。辺15(第1辺)と辺16(第2辺)の湾曲部16aとが点P2において交差して第1角部81が形成される。第1角部81において、湾曲部16aと辺15とが交差する内角θ4は、90度よりも大きい。直線L3は、点P2を通る湾曲部16aの接線である。直線L3と辺15との交差角は角度θ3である。角度θ3は、90度よりも小さい。直線L2は、辺15の延長線である。破線で示す正八角形は、辺16Aを有する。辺16Aと直線L2との交点は交点R2である。点P2は、交点R2に対してX1側(中心線CL1側)に配置される。点P2と交点R2との距離は距離d2である。湾曲部16aは、点Q2から点P2まで延びる。点Q2と点P2とを結ぶ直線を直線L5とすると、湾曲部16aは、直線L5に対して中心O側に位置する。
【0045】
なお、詳細には後述するが、
図14に示すように、実施形態に係る調光装置100においては、Z方向に隣接する2枚の調光パネル1をZ方向から見た場合に、一の調光パネル1の第1角部80、81は、他の調光パネル1の縁よりも内側(中心O側)に位置し、且つ、他の調光パネル1の第1角部80、81は、一の調光パネル1の縁よりも内側(中心O側)に位置する。また、
図1に示すように、調光パネル1には、第1角部80、81以外に、第2角部82、83、84、85、86、87が設けられる。第2角部82は、辺14と辺12とが交差する角部である。第2角部83は、辺13と辺12とが交差する角部である。第2角部84は、辺13と辺11とが交差する角部である。第2角部85は、辺11と辺18とが交差する角部である。第2角部86は、辺18と辺17とが交差する角部である。第2角部87は、辺17と辺16とが交差する角部である。第2角部82、83、84、85、86、87は、円弧状に形成される。第2角部82、83、84、85、86、87の内角は、全て同一であり、第1角部80、81よりも大きい。
【0046】
[調光装置の製造方法]
次いで、調光装置の製造方法を説明する。
図7は、基材から1つの調光パネルを切り出す手順を示す模式図である。
図8は、
図7の一部を拡大した模式図である。
図9は、調光パネルから上基板の一部を切断する手順を示す模式図である。
図10は、パネルユニットにおける最も上側に位置する第1の調光パネルを示す模式図である。
図11は、パネルユニットにおける上側から2番目に位置する第2の調光パネルを示す模式図である。
図12は、パネルユニットにおける上側から3番目に位置する第3の調光パネルを示す模式図である。
図13は、パネルユニットにおける上側から4番目に位置する第4の調光パネルを示す模式図である。
図14は、実施形態に係るパネルユニットを上側から見た模式図である。
【0047】
調光装置の製造方法は、基材準備工程と、調光パネル切り出し工程と、調光パネル作製工程と、積層工程と、を含む。
【0048】
(基材準備工程)
基材準備工程においては、基材500を準備する。
図7および
図8に示すように、基材500は、2枚に重ねた長方形の透光性基板510と、2枚の透光性基板510の間に配置したシール材600と、シール材600の内側に充填する液晶層4とを有する。透光性基板510は、X方向に延びる長方形の形状を有する。透光性基板510には、Y2側の端面501とY1側の端面502とが設けられる。
図8に示すように、シール材600は、上基板3の縁に沿って設けられる。シール材600は、Y2側の端部に注入口601を有する。注入口601から液晶がシール材600の内側に注入されて液晶層4を形成する。
【0049】
(調光パネル切り出し工程)
基材準備工程の後に、調光パネル切り出し工程が行われる。調光パネル切り出し工程は、
図7に示すように、8角形(多角形)となる1つの調光パネル1を基材500から切り出す。具体的には、調光パネル切り出し工程においては、基材500に対して、連続した切り込み511、512、513、514、515、516、517を入れることにより、調光パネル1を切り出す。切り込みは、例えばブレードなどを用いて行う。切り込み511は、第1の切り込みとも称する。切り込み(第1の切り込み)511は、透光性基板510の端面501から、端面501に交差する方向に沿って入れる切り込みである。切り込み511によって、切り込み511と端面501とが交差する角部である第1角部80が形成される。切り込み(第1の切り込み)511の方向と端面501との交差角は、角度θ1である。角度θ1は、90度よりも小さい。
図8に示すように、詳細には、切り込み(第1の切り込み)511によって、湾曲部14aを含む辺14が形成される。即ち、切り込み(第1の切り込み)511を入れた直後は、湾曲部14aを形成し、その後に、辺14のうち湾曲部14a以外の部位を直線状に沿って切断する。
【0050】
辺14の端部においてブレードの向きを変えて切り込み512を入れて辺12を形成する。以降は同様にブレードの進行および向きの変更を行って、辺13、11、18、17を形成する。そして、辺16の切り込みにおいては、
図6に示すように、湾曲部16aを形成したのち、ブレードを端面501から抜く。このように、調光パネル切り出し工程は、シール材600の外側に沿って端面501に至るまで切り込みを連続して形成する。
【0051】
(調光パネル作製工程)
調光パネル作製工程においては、前述した調光パネル切り出し工程を繰り返し行って複数(本実施形態では4枚)の調光パネル1を作製する。
【0052】
(上基板切断工程)
調光パネル作製工程の後に、上基板切断工程を行う。
図9に示すように、上基板3に対して、切り込み521、522、523を入れて切断する。これにより、上基板3の辺312、313、311が形成され、調光パネル1が複数(例えば4枚)できる。
【0053】
(積層工程)
上基板切断工程の後に、積層工程を行ってパネルユニット110を形成する。積層工程においては、複数(例えば、4枚)の調光パネル1をZ方向に積層させる。積層工程においては、Z方向で隣接する2枚の調光パネル1について、Z2側の調光パネル1は、Z1側の調光パネル1に対して、中心Oを中心として、調光パネル1を回転させた状態で配置する。以下、4枚の調光パネル1の配置を説明する。
【0054】
図10に示すように、パネルユニット110における1番上(Z2側、第1方向の一方側)に配置される調光パネル1A(第1の調光パネル)は、辺15がY2側に位置し、辺11がY1側に位置する。
【0055】
図11に示すように、パネルユニット110における上から2番目に配置される調光パネル1B(第2の調光パネル)は、調光パネル1A(第1の調光パネル)を中心Oを中心として反時計回り方向(左回り方向)に90度回転させたものである。調光パネル1B(第2の調光パネル)は、辺15がX1側に位置し、辺11がX2側に位置する。
【0056】
図12に示すように、パネルユニット110における上から3番目に配置される調光パネル1C(第3の調光パネル)は、調光パネル1B(第2の調光パネル)を中心Oを中心として反時計回り方向(左回り方向)に90度回転させたものである。調光パネル1C(第3の調光パネル)は、辺15がY1側に位置し、辺11がY2側に位置する。
【0057】
図13に示すように、パネルユニット110における上から4番目に配置される調光パネル1D(第4の調光パネル)は、調光パネル1C(第3の調光パネル)を中心Oを中心として反時計回り方向(左回り方向)に90度回転させたものである。調光パネル1D(第4の調光パネル)は、辺15がX2側に位置し、辺11がX1側に位置する。
【0058】
調光パネル1A、1B、1C、1DをZ方向に4枚積層させると、
図14に示すパネルユニット110が形成される。
図14に示すように、パネルユニット110においては、Z方向に隣接する2枚の調光パネル1をZ方向から見た場合に、一の調光パネル1の第1角部80、81は、他の調光パネル1の縁よりも内側(中心O側)に位置し、且つ、他の調光パネル1の第1角部80、81は、一の調光パネル1の縁よりも内側(中心O側)に位置する。即ち、例えば、第1の調光パネル1Aの第1角部80、81は、第2の調光パネル1Bの縁よりも内側(中心O側)に位置し、且つ、第2の調光パネル1Bの第1角部80、81は、第1の調光パネル1Aの縁よりも内側(中心O側)に位置する。このように、4枚の調光パネル1A、1B、1C、1Dの全てについて、Z方向に隣接する2枚の調光パネル1について、一の調光パネル1の第1角部80、81は、他の調光パネル1の縁よりも内側(中心O側)に位置し、且つ、他の調光パネル1の第1角部80、81は、一の調光パネル1の縁よりも内側(中心O側)に位置する。
【0059】
以上説明したように、調光装置100は、パネルユニット110を備える。パネルユニット110は、下基板2と下基板2に重なる上基板3とを含む多角形の調光パネル1がZ方向に複数積層されて角柱の形状を有する。複数の調光パネル1のそれぞれは、辺15(第1辺)と、辺15に隣接する辺14(第2辺)と、辺15と辺14とが交差する第1角部80と、を有する。Z方向に隣接する2枚の調光パネル1をZ方向から見た場合に、一の調光パネル1の第1角部80、81は、他の調光パネル1の縁よりも内側(中心O側)に位置し、且つ、他の調光パネル1の第1角部80、81は、一の調光パネル1の縁よりも内側(中心O側)に位置する。
【0060】
前述したように、特許文献1では、複数の調光パネルを上下に積層させると、パネルユニットの側部から調光パネルの角部が突き出る場合、当該角部は、他の部品等に干渉して損傷を受ける可能性がある。
【0061】
これに対して、本実施形態に係るパネルユニット110では、Z方向に隣接する2枚の調光パネル1をZ方向から見た場合に、一の調光パネル1の第1角部80、81は、他の調光パネル1の縁よりも内側(中心O側)に位置し、且つ、他の調光パネル1の第1角部80、81は、一の調光パネル1の縁よりも内側(中心O側)に位置する。従って、パネルユニット110の側部から第1角部80が突き出ることがないため、第1角部80の損傷をより抑制することができる。また、第1角部80にバリ等の成形不良がある場合でも、パネルユニット110の側部から当該バリ等が突出しないため、製造過程において作業者の手がバリ等に引っ掛かって、作業の支障になることが抑制される。
【0062】
第1の調光パネル1A(所定の調光パネル1)における第1角部80において、辺15(第1辺)と辺14(第2辺)とが交差する内角θ2は、90度よりも大きい。また、第1角部80において、切り込み511(第1の切り込み)と端面501とが交差する内角θ2は、90度よりも大きい。
【0063】
内角θ2が90度よりも小さい場合は、角部がより鋭利になる。従って、内角θ2をより大きくすることにより、当該角部の損傷をより小さくすることができる。
【0064】
調光装置の製造方法は、Z方向に重ねた2枚の長方形の透光性基板510の間にシール材600と液晶層4とを設けた基材500を準備する基材準備工程と、基材準備工程の後に、透光性基板510の端面501から、端面501に交差する方向に沿って切り込み511(第1の切り込み)を入れたのち、シール材600の外側に沿って端面501に至るまで切り込みを連続して形成して、1つの辺が端面501である多角形となる1つの調光パネル1を基材500から切り出す調光パネル切り出し工程と、調光パネル切り出し工程を繰り返し行って複数の調光パネル1を作製する調光パネル作製工程と、調光パネル作製工程の後、複数の調光パネル1をZ方向に積層させる積層工程と、を含む。積層工程において、Z方向で隣接する2枚の調光パネル1について、Z2側の調光パネル1は、Z1側の調光パネル1に対して、Z方向から調光パネル1を見た場合における調光パネル1の中心O(中央部)を中心として、調光パネル1を回転させた状態で配置する。また、積層工程によってパネルユニット110が形成される。パネルユニット110をZ方向から見た場合に、Z方向に隣接する2枚の調光パネル1をZ方向から見た場合に、一の調光パネル1の第1角部80、81は、他の調光パネル1の縁よりも内側(中心O側)に位置し、且つ、他の調光パネル1の第1角部80、81は、一の調光パネル1の縁よりも内側(中心O側)に位置する。
【0065】
従って、パネルユニット110の側部から第1角部80が突き出ることが抑制された調光装置100をより容易に製造することができる。即ち、中心Oを中心として回転させた複数の調光パネル1を上下に順に積層させるという簡単な方法により、パネルユニット110の側部から第1角部80が突き出ることを抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0066】
1 調光パネル
1A 調光パネル(第1の調光パネル)
1B 調光パネル(第2の調光パネル)
1C 調光パネル(第3の調光パネル)
1D 調光パネル(第4の調光パネル)
2 下基板
2a 表面
2b 裏面
2c 端部
2d 端部
2e 端部
3 上基板
3a 表面
3b 裏面
4 液晶層
10 第1の端子群
11、12、13 辺
14 辺(第2辺)
14a 湾曲部
15 辺(第1辺)
16 辺(第2辺)
16a 湾曲部
17、18 辺
20 第2の端子群
21 第1端部
22 第2端部
72 接着層
80、81 第1角部
82、83、84、85、86、87 第2角部
100 調光装置
101 第1端子
102 第2端子
103 第3端子
104 第4端子
105 短辺
106 長辺
107 長辺
108 短辺
110 パネルユニット
201 第5端子
202 第6端子
203 第7端子
204 第8端子
211、212、213、214、215、216、217、218 辺
241、243、245、246、248、249、251、342、343、345、346 配線
242、244、250、341、344 分岐点
247、347、348、349 端
261、262、361、362 液晶駆動電極
311、312、313、314、315、316、317、318 辺
400 フレキシブルプリント基板
500 基材
501、502 端面
510 透光性基板
511 切り込み(第1の切り込み)
512、513、514、515、516、517 切り込み
521、522、523 切り込み
600 シール材
601 注入口
610 配向膜
620 光源
621 光
C1、C2、C3、C4 接続部
CL1、CL2 中心線
O 中心