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特開2024-80669スパーのない高速ホットスイッチング結合器構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080669
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】スパーのない高速ホットスイッチング結合器構造
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/40 20150101AFI20240606BHJP
   H03H 7/48 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
H04B1/40
H03H7/48 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023202650
(22)【出願日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】63/429,274
(32)【優先日】2022-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/388,208
(32)【優先日】2023-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503031330
【氏名又は名称】スカイワークス ソリューションズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SKYWORKS SOLUTIONS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャオ-ミン・シュ
(72)【発明者】
【氏名】スリーダー・ビニール・レディ・カイプ
(72)【発明者】
【氏名】リン・チュン-チェ
【テーマコード(参考)】
5K011
【Fターム(参考)】
5K011DA01
5K011DA23
5K011DA27
5K011JA01
5K011KA04
5K011KA13
5K011KA18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】無線周波数(RF)フロントエンドシステムを提供する。
【解決手段】RFフロントエンドシステム120は、RF経路のポート間でRF信号を伝播するRF経路47と、RF経路47のポート間を伝播するRF信号の電力の一部を抽出するRF結合器74と、第1のRF結合器回路48と、を備える。第1のRF結合器回路48はRF結合器74に結合され、スイッチング過渡インピーダンスおよび電荷スパーのうちの少なくとも一方をRF経路47から分離する第1のアイソレータ48-1を含む。
【選択図】図7G
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RF経路であって、前記RF経路のポート間でRF信号を伝播するように構成されたRF経路と、
前記RF経路の前記ポート間を伝播する前記RF信号の電力の一部を抽出するように構成されたRF結合器と、
前記RF結合器に結合され、スイッチング過渡インピーダンスおよび電荷スパーのうちの少なくとも一方を前記RF経路から分離するように構成された第1のアイソレータを含む第1のRF結合器回路と
を備える無線周波数フロントエンドシステム。
【請求項2】
前記第1のアイソレータが、第1のパッシブアイソレータおよび第1のアクティブアイソレータのうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の無線周波数フロントエンドシステム。
【請求項3】
前記第1のアイソレータが、第1の減衰器を含む第1のアクティブアイソレータである、請求項2に記載の無線周波数フロントエンドシステム。
【請求項4】
前記第1のアクティブアイソレータが、第1の低雑音増幅器LNAをさらに含む、請求項3に記載の無線周波数フロントエンドシステム。
【請求項5】
前記RF経路が第1のRFモジュールに結合され、前記第1のRF結合器回路が第2のRFモジュールに結合される、請求項1に記載の無線周波数フロントエンドシステム。
【請求項6】
第1の終端インピーダンスをさらに備える、請求項1に記載の無線周波数フロントエンドシステム。
【請求項7】
前記第1の終端インピーダンスを第1の終端ポートに結合するように構成された第1の終端スイッチをさらに備える、請求項6に記載の無線周波数フロントエンドシステム。
【請求項8】
前記RF結合器に結合され、スイッチング過渡インピーダンスおよび電荷スパーのうちの少なくとも一方を前記RF経路から分離するように構成された第2のアイソレータを含む第2のRF結合器回路をさらに備える、請求項1に記載の無線周波数フロントエンドシステム。
【請求項9】
前記第2のアイソレータが、第2のパッシブアイソレータおよび第2のアクティブアイソレータのうちの少なくとも一方を含む、請求項8に記載の無線周波数フロントエンドシステム。
【請求項10】
前記第2のアイソレータが、第2の減衰器と第2の低雑音増幅器LNAとを含む第2のアクティブアイソレータである、請求項8に記載の無線周波数フロントエンドシステム。
【請求項11】
前記RF経路が第1のRFモジュールに結合され、前記第2のRF結合器回路が第2のRFモジュールに結合される、請求項8に記載の無線周波数フロントエンドシステム。
【請求項12】
第2の終端インピーダンスと、前記第2の終端インピーダンスを第2の終端ポートに結合するように構成された第2の終端スイッチとをさらに備える、請求項8に記載の無線周波数フロントエンドシステム。
【請求項13】
トランシーバと、
前記トランシーバに結合された無線周波数フロントエンドシステムであって、前記無線周波数フロントエンドシステムが、RF経路であって、前記RF経路のポート間でRF信号を伝播するように構成されたRF経路と、前記RF経路の前記ポート間を伝播する前記RF信号の電力の一部を抽出するように構成されたRF結合器と、前記RF結合器に結合され、スイッチング過渡インピーダンスおよび電荷スパーのうちの少なくとも一方を前記RF経路から分離するように構成された第1のアイソレータを含む第1のRF結合器回路とを備える、無線周波数フロントエンドシステムと
を備える無線周波数デバイス。
【請求項14】
前記第1のアイソレータが、第1のパッシブアイソレータおよび第1のアクティブアイソレータのうちの少なくとも一方を含む、請求項13に記載の無線周波数デバイス。
【請求項15】
前記第1のアイソレータが、第1の低雑音増幅器LNAに結合された第1の減衰器を含む第1のアクティブアイソレータである、請求項14に記載の無線周波数デバイス。
【請求項16】
前記RF経路が第1のRFモジュールに結合され、前記第1のRF結合器回路が第2のRFモジュールに結合される、請求項13に記載の無線周波数デバイス。
【請求項17】
第1の終端インピーダンスと、前記第1の終端インピーダンスを第1の終端ポートに結合するように構成された第1の終端スイッチとをさらに備える、請求項13に記載の無線周波数デバイス。
【請求項18】
前記RF結合器に結合され、スイッチング過渡インピーダンスおよび電荷スパーのうちの少なくとも一方を前記RF経路から分離するように構成された第2のアイソレータを含む第2のRF結合器回路をさらに備え、前記第2のアイソレータが、第2のパッシブアイソレータおよび第2のアクティブアイソレータのうちの少なくとも一方を含む、請求項13に記載の無線周波数デバイス。
【請求項19】
前記第2のアイソレータが、第2の低雑音増幅器LNAに結合された第2の減衰器を含む第2のアクティブアイソレータである、請求項18に記載の無線周波数デバイス。
【請求項20】
前記RF経路が第1のRFモジュールに結合され、前記第2のRF結合器回路が第2のRFモジュールに結合され、前記無線周波数デバイスが、第2の終端インピーダンスと、前記第2の終端インピーダンスを第2の終端ポートに結合するように構成された第2の終端スイッチとをさらに備える、請求項18に記載の無線周波数デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
分野
本開示の実施形態は、電子システムに関し、特に、無線周波数(RF)回路に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
RFシステムは、複数のRF結合器およびいくつかの電力検出器を含むことができる。そのようなRFシステムは、RF結合器の出力を受信し、かつ結合器信号を電力検出器に提供するように構成されたRF処理回路を含むことができる。
【0003】
RF結合器は、RF経路のポート間を伝播するRF信号の電力の一部を抽出することができる。RF結合器と通信する電力検出器は、RF信号の電力レベルを検出し、RF信号の電力レベルを示す出力を提供することができ、それによってRFシステムを制御するための手段を提供する。一例として、基地局からの距離に基づく動的な電力調整が挙げられ得る。
【0004】
5G規格の進歩に伴い、閉ループ電力増幅器電力制御またはアンテナ整合同調を行うために、異なる結合器モード間の高速ホットスイッチングが必要とされている。しかしながら、異なる結合器モードの高速な遷移は、深刻な受信機デセンス問題を招き、これは、高いビット誤り率(BER)等をもたらし得る。
【0005】
初期の解決策は、モード間遷移を遅くするという犠牲を払って、結合器スイッチングに起因する過渡インピーダンススパーを平滑化するために抵抗を追加する。結合器スイッチング波形の整形も試みられているが、プロセス変動、温度変動、供給電圧変動による波形整形変動により、波形整形は問題になる。
【0006】
概要
本開示のシステム、方法、およびデバイスは各々いくつかの態様を有し、そのうちの1つだけが本明細書に開示された望ましい属性を単独で担当するわけではない。
【0007】
上述の問題に対処するために、本開示の実施形態は、結合器と結合器回路(例えば、結合器マルチプレクサ)との間に分離部品を追加して、スイッチング過渡インピーダンスまたは電荷スパーが主RF経路から分離されるようにする。2つの変形例が提示されている。受動的な解決策では、従来のアイソレータが結合器と結合器マルチプレクサスイッチとの間に挿入される。能動的な解決策では、例えば50Ωのダミー抵抗を有するユニティゲインバッファが結合器終端として挿入される。ユニティゲインバッファは、過渡スパーを分離するためのアクティブアイソレータとして機能する。
【0008】
本開示の一態様によれば、無線周波数フロントエンド(RFFE)システムが提供される。RFFEシステムは、RF経路であって、RF経路のポート間でRF信号を伝播するように構成されたRF経路と、RF経路のポート間を伝播するRF信号の電力の一部を抽出するように構成されたRF結合器と、第1のRF結合器回路とを備える。第1のRF結合器回路はRF結合器に結合され、スイッチング過渡インピーダンスおよび電荷スパーのうちの少なくとも一方をRF経路から分離するように構成された第1のアイソレータを含む。
【0009】
一例によれば、第1のアイソレータは、第1のパッシブアイソレータおよび第1のアクティブアイソレータのうちの少なくとも一方を含む。一実施形態では、第1のアイソレータは、第1の減衰器を含む第1のアクティブアイソレータである。別の実施形態では、第1のアクティブアイソレータは、第1の低雑音増幅器LNAをさらに含む。
【0010】
別の例では、RF経路は第1のRFモジュールに結合され、第1のRF結合器回路は第2のRFモジュールに結合される。さらなる例では、システムは、第1の終端インピーダンスと、第1の終端インピーダンスを第1の終端ポートに結合するように構成された第1の終端スイッチとをさらに備える。
【0011】
さらなる例では、RFFEシステムは、RF結合器に結合され、スイッチング過渡インピーダンスおよび電荷スパーのうちの少なくとも一方をRF経路から分離するように構成された第2のアイソレータを含む第2のRF結合器回路をさらに備える。一実施形態では、第2のアイソレータは、第2のパッシブアイソレータおよび第2のアクティブアイソレータのうちの少なくとも一方を含む。さらなる実施形態では、第2のアイソレータは、第2の減衰器と第2の低雑音増幅器LNAとを含む第2のアクティブアイソレータである。
【0012】
またさらなる例では、RF経路は第1のRFモジュールに結合され、第2のRF結合器回路は第2のRFモジュールに結合される。この例によれば、システムは、第2の終端インピーダンスと、第2の終端インピーダンスを第2の終端ポートに結合するように構成された第2の終端スイッチとをさらに備え得る。
【0013】
本開示の別の態様によれば、無線周波数デバイスが提供される。無線周波数デバイスは、トランシーバと、トランシーバに結合された無線周波数フロントエンド(RFFE)システムとを備える。RFFEシステムは、RF経路であって、RF経路のポート間でRF信号を伝播するように構成されたRF経路と、RF経路のポート間を伝播するRF信号の電力の一部を抽出するように構成されたRF結合器と、RF結合器に結合され、スイッチング過渡インピーダンスおよび電荷スパーのうちの少なくとも一方をRF経路から分離するように構成された第1のアイソレータを含む第1のRF結合器回路とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】例による結合器回路の模式図である。
図2】例によるデイジーチェーン状に配置された結合器回路の概略図である。
図3】例による結合器回路の模式図である。
図4】例によるデイジーチェーン状に配置された結合器回路を有するRFシステムの概略図である。
図5】別の例によるデイジーチェーン状に配置された結合器回路を有するRFシステムの概略図である。
図6】別の例によるデイジーチェーン状に配置された結合器回路を有するRFシステムの概略図である。
図7A】例による結合器回路を有するRFシステムの概略図である。
図7B】別の例による結合器回路を有するRFシステムの概略図である。
図7C】別の例による結合器回路を有するRFシステムの概略図である。
図7D】別の例による結合器回路を有するRFシステムの概略図である。
図7E】別の例による結合器回路を有するRFシステムの概略図である。
図7F】別の例による結合器回路を有するRFシステムの概略図である。
図7G】本開示の一実施形態による、結合器回路を有するRFシステムの概略図である。
図7H】本開示の別の実施形態による、結合器回路を有するRFシステムの概略図である。
図7I】本開示の別の実施形態による、結合器回路を有するRFシステムの概略図である。
図7J】本開示による結合器回路に含まれ得るパッシブアイソレータ、より詳細にはフェライトサーキュレータを示す。
図7K】本開示による結合器回路に含まれ得るアクティブアイソレータ、例えば、一方向性バッファ、または低雑音増幅器に結合された減衰器を示す。
図8】本開示の一実施形態による結合器回路を含むパッケージモジュールのブロック図である。
図9】本開示の一実施形態による結合器回路を含む無線通信デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
特定の実施形態の以下の説明は、特定の実施形態の様々な説明を提示する。しかしながら、本明細書に記載された技術革新は、例えば、特許請求の範囲によって定義および包含されるように、多数の異なる方法で実施することができる。この説明では図面を参照し、同じ参照番号は同一または機能的に同様の要素を示すことができる。図に示されている要素は、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが理解されよう。さらに、特定の実施形態は、図面に示されているよりも多くの要素および/または図面に示されている要素のサブセットを含むことができることが理解されよう。さらに、いくつかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の任意の適切な組み合わせを組み込むことができる。
【0016】
本開示は、上述の問題に対処し、主RF経路からスイッチング過渡インピーダンスおよび/または電荷スパーを分離するための能動的および受動的解決策を提供する。実験室におけるシミュレーションおよび実現可能性研究は、異なる結合器モード間のホットスイッチングがデセンスなしに達成され得ることを示している。さらに、前述の解決策と比較して、モード間遷移の時間が大幅に短縮され得る。
【0017】
図1は、例による結合器回路10の模式図である。結合器回路10は、結合器信号がアクティブモジュールおよび非アクティブモジュールの両方を通って流れることを可能にするために、複数のモジュールの各々に実装することができる。複数のモジュール内の結合器回路は、デイジーチェーン状に配置することができる。結合器回路10は、直流(DC)ブロッキングコンデンサおよびRCフィルタを含み、入力ポートCPL_INにおいてDC成分と無線周波数(RF)成分とを分離し、出力ポートCPL_OUTにおいてDC成分とRF成分とを結合する。結合器回路10のDC経路内の追加の処理回路は、DC信号成分が入力ポートCPL_INから出力ポートCPL_OUTのみに流れること、または必要に応じてDC信号成分を出力ポートCPL_OUTに追加することを可能にすることができる。
【0018】
図1に示すように、結合器回路10は、入力ポートCPL_INと、出力ポートCPL_OUTと、内部結合器信号ポートInternal_CPLoutと、内部結合器バイアスイネーブルポートInternal_CPL_Bias_Enと、内部結合器イネーブルポートInternal_CPL_Enと、外部結合器選択ポートExt_CPL_Selと、スイッチM1~M7と、コンデンサC1~C4と、抵抗R1~R9とを含む。結合器回路10は、入力ポートCPL_INから出力ポートCPL_OUTまでのRF経路を含む。結合器回路10はまた、入力ポートCPL_INから出力ポートCPL_OUTまでのDC経路を含む。結合器回路10は、内部結合器信号ポートInternal_CPLoutから出力ポートCPL_OUTまでの内部RF経路を含む。結合器回路10はまた、内部結合器バイアスイネーブルポートInternal_CPL_Bias_Enから出力ポートCPL_OUTまでの内部DC経路を含む。スイッチM1~M7のいずれも、任意の適切なスイッチによって実現することができる。例えば、スイッチM1~M7は、図示のように電界効果トランジスタとすることができる。いくつかの他の例では、スイッチM1~M7のうちの1つまたは複数は、別のタイプのトランジスタまたは微小電気機械システム(MEMS)スイッチによって実現することができる。技術にかかわらず、スイッチがオンにされると、信号を通過させることができる。
【0019】
入力ポートCPL_INは、他の結合器回路の出力ポートCPL_OUTから結合器信号を受信することができる。出力ポートCPL_OUTは、結合器回路10からデイジーチェーンで下流の結合器回路の入力ポートCPL_INに結合器信号を提供することができる。出力ポートCPL_OUTは、結合器回路10から電力検出器に結合器信号を提供することができる。出力ポートCPL_OUTの結合器信号は、DC信号成分にRF信号成分を重畳することができる。
【0020】
入力電力CPL_INで受信される結合器信号は、DC成分およびRF成分を有することができる。DC成分は、結合器回路10を作動させることができる。したがって、結合器回路10は、直流制御結合器回路と呼ぶことができる。図示の結合器回路10において、入力ポートCPL_INで受信された結合器信号のDC成分は、スイッチM1をオンにして、結合器信号のRF成分を入力ポートCPL_INから出力ポートCPL_OUTに通過させることができる。結合器信号のRF成分は、RF信号経路の電力の表示とすることができる。例えば、RF成分は、無線周波数結合器の結合された出力ポートからの信号とすることができる。結合器回路10に結合器信号のRF成分を提供するように構成されたRF信号経路およびRF結合器の例示的な例が、図7A図7Fに示されている。
【0021】
本明細書における任意の結合器回路は、例えば、方向性結合器、双方向性結合器、二重方向性結合器、マルチバンド結合器(例えば、デュアルバンド結合器)などを含む任意の適切な無線周波数結合器から信号を受信することができる。一例として、無線周波数結合器は、電力入力ポート、電力出力ポート、結合された出力ポート、および分離されたポートを有する4端子デバイスとすることができる。無線周波数結合器は、電力入力ポートから電力出力ポートに伝播するRF信号の電力の一部を抽出することができる。結合された出力ポートは、電力入力ポートから電力出力ポートに伝播するRF信号の電力の一部を提供することができる。終端インピーダンスは、分離されたポートに結合することができる。
【0022】
結合器回路10は、入力ポートCPL_INから出力ポートCPL_OUTまでのRF経路を含む。結合器回路10は、RF信号を処理することができる。したがって、結合器回路10は、RF回路と呼ぶことができる。RF経路は、第1のDCブロッキングコンデンサC1、スイッチM1、および第2のDCブロッキングコンデンサC2を含む。第1のDCブロッキングコンデンサC1は、入力ポートCPL_INで受信された結合器信号のDC成分をブロックすることができる。これにより、スイッチM1は、入力ポートCPL_INで受信された結合器信号のRF信号成分を受信することができる。抵抗R1などのバイアス素子は、スイッチM1の端子に直流電圧を設定することができる。スイッチM1が電界効果トランジスタである場合、スイッチM1のドレインおよび/またはソースに直流電圧を設定することができる。図示のように、スイッチM1は、n型の電界効果トランジスタである。スイッチM1は、入力ポートCPL_INで受信された結合器信号のDC成分の信号レベルに基づいてオンにすることができる。例えば、DC成分がアサートされると(すなわち、図示されている結合器回路10内の論理1レベルにおいて)、スイッチM1はオンになり、第1のブロッキングコンデンサC1を介して受信された結合器信号のRF成分を通過させることができる。入力ポートCPL_INと、図1の電界効果トランジスタのゲートであるスイッチM1の制御端子との間には、抵抗R4を接続することができる。
【0023】
第2のDCブロッキングコンデンサC2は、結合器回路10の内部結合器信号ポートInternal_CPLoutに供給される内部結合器信号のDC成分をブロックすることができる。内部結合器信号は、結合器回路10を含むモジュールの無線周波数結合器によって提供することができる。内部結合器信号は、結合器回路10を含む同じモジュールによって生成することができる。対照的に、入力ポートCPL_INで受信された結合器信号は、結合器回路を含むモジュールの外部で生成される。
【0024】
結合器回路10は、入力ポートCPL_INから出力ポートCPL_OUTまでのDC経路を含む。DC経路は、第1のRCフィルタと、スイッチM4と、第2のRFフィルタとを含む。図1において、第1のRFフィルタは、入力ポートCPL_INで受信された結合器信号のRF成分をフィルタリングするように配置された抵抗R6およびコンデンサC3を含む。例えば、第1のRFフィルタは、結合器信号のRF成分をブロックし、結合器信号のDC成分を通過させるように構成されたローパスフィルタとすることができる。このようなローパスフィルタのコーナー周波数は、例えば、30メガヘルツ(MHz)程度とすることができる。スイッチM4は、結合器回路10が入力ポートCPL_INから出力ポートCPL_OUTに結合器信号を通過させているときに、結合器信号のDC成分を通過させることができる。スイッチM4は、結合器回路10が内部DC信号のDC成分を内部結合器バイアスイネーブルポートInternal_CPL_Bias_Enから出力ポートCPL_OUTに供給しているときにオフにすることができる。内部DC信号は、結合器回路10を含むモジュールによって提供される。スイッチM4は、図示のように、p型の電界効果トランジスタとすることができる。
【0025】
別のスイッチM5は、入力ポートCPL_INで受信された結合器信号のDC成分がアサートされている(例えば、論理1レベルに対応する)ことに応答して、スイッチM4をオンにし、および/またはスイッチM4をオン状態に維持することができる。スイッチM5は、入力ポートCPL_INで受信された結合器信号のDC成分がデアサートされる(例えば、論理0レベルに対応する)とき、スイッチM5の制御端子における信号に応答してスイッチM4がオフになることを可能にすることができる。図1において、第2のRCフィルタは、内部DC信号のRF成分をフィルタリングするように配置された抵抗R7およびコンデンサC4を含む。第2のRCフィルタは、RF成分をブロックするように構成されたローパスフィルタとすることができる。このようなローパスフィルタは、例えば、30MHz程度のコーナー周波数を有することができる。
【0026】
結合器回路10は、出力ポートCPL_OUTへの内部RF経路を含む。内部結合器信号は、内部結合器信号ポートInternal_CPLoutに提供することができる。内部結合器信号ポートInternal_CPLoutは、スイッチM1と第2のDCブロッキングコンデンサC2との間のノードに接続される。内部結合器信号は、電力増幅器の出力または電力増幅器からの送信経路の下流の信号など、送信経路内の信号の電力の表示とすることができる。内部結合器信号は、無線周波数結合器の結合された出力ポートによって提供することができ、無線周波数結合器および結合器回路10は同じモジュールに含まれる。第2のDCブロッキングコンデンサC2は、内部結合器信号のDC成分をブロックすることができる。
【0027】
結合器回路10は、内部結合器バイアスイネーブルポートInternal_CPL_Bias_Enから出力ポートCPL_OUTまでの内部DC経路を含む。内部DC経路が起動されると、内部DC信号をスイッチM3によってスイッチM4と第2のRCフィルタとの間のノードに渡すことができる。第2のRCフィルタは、内部DC信号の任意のRF成分を除去することができる。スイッチM3およびM4は通過ゲートとして共に機能することができ、スイッチM3は内部DC信号を通過させ、スイッチM4は入力ポートCPL_INで受信された結合器信号のDC信号成分を通過させる。図示のように、スイッチM3およびM4は両方ともp型の電界効果トランジスタによって実施することができる。内部結合器イネーブルポートInternal_CPL_Enで受信される内部結合器イネーブル信号は、内部DC経路をイネーブルするようにスイッチM4をオフにすることができる。図示の結合器回路10において、入力ポートCPL_INで受信された結合器信号のDC成分が論理0レベルにあるとき、スイッチM3は、内部DC信号を通過させるためにオンにすることができ、スイッチM4およびM5はオフにすることができる。したがって、図示の結合器回路10は、入力ポートCPL_INで受信された結合器信号が論理0レベルに対応するDCレベルを有するとき、内部DC信号を出力ポートCPL_OUTに渡すことができる。
【0028】
結合器回路10はまた、結合器信号を通過させるためにMIPIベースの外部制御モードと互換性がある。したがって、図示の結合器回路10は、結合器信号のDC成分レベルに基づいて結合器信号がデイジーチェーンで渡されるDCバイアスモード、またはMIPIベースのモードで動作することができる。MIPIベースのモードでは、外部結合器制御信号をスイッチM2に提供して、入力ポートCPL_INで受信されたRF成分を通過させることができる。抵抗R2およびR3は、MIPIベースのモードにおいて所望の機能を達成するのを助けることができる。スイッチM2は、外部結合器選択ポートExt_CPL_Selで受信された信号に応答してオフおよびオンにすることができる。
【0029】
結合器回路10はまた、分離および/または静電放電(ESD)保護を提供することができる。シャントスイッチM6は、入力ポートCPL_INにおける分離および/またはESD保護を提供することができる。シャントスイッチM6は、内部DCおよびRF経路が出力ポートCPL_OUTにおいてDCおよびRF成分を提供しているときにオンにすることができる。シャントスイッチM7は、出力ポートCPL_OUTにおけるESD保護を提供することができる。シャントスイッチM6およびM7は、それぞれ抵抗R8およびR9を介してそれらの制御端子で信号を受信することができる。
【0030】
結合器回路10は、特定の論理レベル(例えば、論理0または論理1)を有する信号で説明され得るが、結合器回路は、異なる(例えば、相補的)論理レベルを有する1つまたは複数の信号で実装することができる。これは、異なる導電型を有するトランジスタなどを使用することを含むことができる。
【0031】
本明細書で説明する結合器回路は、モジュールに実装することができる。モジュールは、共通のパッケージ内に含まれる処理回路を含むことができる。このようなモジュールは、パッケージ化モジュールと呼ぶことができる。パッケージ化モジュールは、半導体ダイと、共通のパッケージ内に封入されたパッケージ基板上の1つまたは複数の受動部品とを含むことができる。いくつかのそのようなパッケージ化モジュールは、マルチチップモジュールであり得る。半導体ダイは、任意の適切な処理技術を使用して製造することができる。一例として、半導体ダイは半導体・オン・インシュレータ・ダイとすることができる。別の例として、半導体ダイはガリウムヒ素ダイとすることができる。
【0032】
図2は、一例による、結合器回路10a、10b、および10cがデイジーチェーン状に配置された無線周波数システム20の概略図である。結合器回路10a、10b、および10cの各々は、図1の結合器回路10を異なるモジュールに実装することができる。特に、結合器回路10aはモジュール1に実装することができ、結合器回路10bはモジュール2に実装することができ、結合器回路10cはモジュール3に実装することができる。図示のように、結合器回路10a、10b、および10cの各々は、同じ回路トポロジを有する。これにより、これらの結合器回路を含むモジュールをデイジーチェーンで配置すること、および/または1つまたは複数の結合器回路を、1つまたは複数の他のモジュールからの1つまたは複数の結合器回路と異なるデイジーチェーン配置で含むことにおいて、柔軟性を提供することができる。異なるモジュールの結合器回路は、モジュールの接点(例えば、ピン、パッドなど)によって互いに電気的に接続することができる。結合器回路10a、10b、および10cのうちの1つのみが、RF結合器からの内部結合器信号を一度に受信することができる。DCブロッキング素子22は、デイジーチェーンの出力とトランシーバ24との間に結合することができる。DCブロッキング素子22は、デイジーチェーンの出力のDC成分をブロックするように構成されたDCブロッキングコンデンサとすることができる。トランシーバ24の電力検出器は、DC成分が取り除かれたデイジーチェーンの出力を受信し、アクティブモジュールの信号経路に関連する信号の電力の表示を提供することができる。図2に示すように、モジュール1および3は非アクティブであり、モジュール2はアクティブである。したがって、電力検出器は、図2に対応する状態でモジュール2の信号経路の電力の表示を提供することができる。
【0033】
図2において、モジュール1は非アクティブであり、結合器回路10aは非アクティブとすることができる。モジュール1の結合器回路10aは、結合器回路10aがモジュール1のRF結合器からの電力の指示を提供していないことを示す信号レベルに対応するDC成分を有する結合器信号を、モジュール2の結合器回路10bに提供することができる。例えば、図示のように、モジュール1によってモジュール2に提供される結合器信号は、論理0レベルを有するDC成分を有する。
【0034】
図2では、モジュール2はアクティブである。モジュール2の結合器回路10bは、RF結合器から内部結合器信号を受信することができる。結合器回路10bはまた、内部DC信号を受信することができる。内部結合器信号および内部DC信号は、それぞれ結合器回路10bの内部RF経路および内部DC経路を介して、結合器回路10bの出力ポートCPL_OUTで結合することができる。結合器回路10bは、結合器10bがモジュール2のRF結合器からの電力の指示を提供していることを示す信号レベルに対応するDC成分を有する結合器信号を提供することができる。結合器信号10bによって提供される結合器信号はまた、モジュール2のRF結合器からの電力の指示に対応するRF成分を有することができる。
【0035】
結合器回路10bによって結合器回路10cに提供される結合器信号は、結合器回路10cを作動させることができる。結合器回路10cは、モジュール3が他の様態で非アクティブである間に作動させることができる。結合器回路10bからの結合器信号のDC成分は、結合器回路10cのRF経路を作動させることができる。図2に示すように、結合器回路10cのRF経路のスイッチM1は、結合器回路10bによって提供される結合器信号のDC成分が論理1レベルにあることに応答してオンにすることができる。また、図2に示すように、DC経路のスイッチM4は、論理1レベルにある結合器回路10bによって提供される結合器信号のDC成分に応答してオンにするおよび/またはオンに維持することができる。結合器回路10cでは、スイッチM5は、結合器回路10bによって提供される結合器信号が論理1レベルにあることに応答してオンにすることができ、その結果、スイッチM4をオンに維持および/またはスイッチM4をオンにすることができる。RF経路およびDC経路がアクティブであることにより、結合器回路10bからの結合器信号は、結合器回路10cを通過することができる。結合器回路は、結合器回路10Cの出力ポートCPL_OUTからDCブロッキング素子22を介してトランシーバ24の電力検出器まで伝播することができる。
【0036】
図2は、同じ回路トポロジを含む3つの結合器回路10a、10b、および10cを示しているが、結合器回路のデイジーチェーン内の結合器回路の1つまたは複数は、デイジーチェーンの1つまたは複数の他の回路とは異なる回路トポロジを含むことができる。例えば、デイジーチェーンの他のすべての結合器回路が電力検出器に接続される結合器回路は、場合によってはDC経路なしで実装することができる。そのような場合、デイジーチェーンの出力と電力検出器との間でDCブロッキング素子を省略することができる。別の例として、デイジーチェーンの別の結合器回路から入力を受け取らない結合器回路は、別の結合器回路によって提供される結合器信号を処理するための回路要素を省略することができる。
【0037】
図3は、例による結合器回路30の模式図である。本明細書で説明する原理および利点のいずれかに従って、複数の結合器回路30をデイジーチェーン状に配置することができる。結合器回路30は、図1の結合器回路10のいくつかの特徴を含む。結合器回路30は、結合器回路10と同様の機能を実装することができる。
【0038】
結合器回路30は、入力ポートCPL_INから出力ポートCPL_OUTへのRF経路と、入力ポートCPL_INから出力ポートCPL_OUTへのDC経路とを含む。RF経路は、入力ポートCPL_INで受信された結合器信号のRF成分を通過させることができる。RF経路は、第1のDCブロッキング素子32、スイッチM1、および第2のDCブロッキング素子34を含む。DCブロッキング素子32は、入力ポートCPL_INで受信された結合器信号のDC成分をブロックするために、コンデンサなどの任意の適切な回路素子とすることができる。スイッチM1は、入力ポートCPL_INで受信された結合器信号のDC成分の信号レベルに基づいてオンにすることができる。
【0039】
結合器回路30のDC経路は、入力ポートCPL_INで受信された結合器信号のDC成分を通過させることができる。DC経路は、第1のRFブロッキング素子36、スイッチM4、および第2のRFブロッキング素子38を含む。RFブロッキング素子36は、入力ポートCPL_INで受信された結合器信号のRF成分をブロックするために、ローパスフィルタなどの任意の適切な回路素子とすることができる。スイッチM4は、結合器回路30を含むモジュールが非アクティブであるときにオンにすることができる。スイッチM4は、内部結合器信号ポートInternal_CPLoutがRF信号経路内の電力を示すRF結合器からの結合された出力信号を提供していないときにオンにすることができる。スイッチM4は、RF結合器がRF電力を示す結合された出力信号を提供しているかどうかを示す、内部結合器イネーブルポートInternal_CPL_Enで受信される信号に基づいて制御することができる。
【0040】
結合器回路30では、内部結合器信号は、内部結合器信号ポートInternal_CPLoutで受信され、スイッチM1とDCブロッキング素子34との間のノードに提供することができる。内部DC信号は、内部結合器バイアスイネーブルポートInternal_CPL_Bias_Enで受信され、スイッチM3を介してスイッチM4とRFブロッキング素子38との間のノードに提供することができる。
【0041】
図4は、例によるデイジーチェーン状に配置された結合器回路を有する無線周波数システム40の概略図である。RFシステム40は、キャリアアグリゲーションされた信号を送信することができる。したがって、RFシステム40は、キャリアアグリゲーションシステムと呼ぶことができる。
【0042】
図示のように、RFシステム40は、第1のモジュール41aと、第2のモジュール41bと、第3のモジュール42と、トランシーバ43と、RFスイッチ44と、ダイプレクサ45と、アンテナ46とを含む。モジュール41a,41b,42の各々は、RF信号経路47a,47b,47cをそれぞれ含む。モジュール41a、41bの各々は、結合器回路48a、48bをそれぞれ含む。結合器回路48aおよび48bは、本明細書で説明される任意の適切な原理および利点に従って実装することができる。例えば、結合器回路48aは、図1の結合器回路10または図3の結合器回路30によって実装することができる。モジュール41a、41b、42は各々、出力としてRF信号を提供することができる。RFスイッチ44は、第1のモジュール41aの出力または第2のモジュール41bの出力をダイプレクサ45に選択的に電気的に結合することができる。ダイプレクサ45は、キャリアアグリゲーションされた信号を生成するために、RFスイッチ44からの出力信号を第3のモジュール42からの出力信号と周波数多重化することができる。キャリアアグリゲーションされた信号は、アンテナ46によって送信することができる。
【0043】
RFシステム40では、第1のモジュール41aは低帯域モジュールとすることができ、第2のモジュール41bは中帯域モジュールとすることができ、第3のモジュール42は高帯域モジュールとすることができる。アンテナ46によって送信されるキャリアアグリゲーションされた信号は、(1)低帯域キャリアおよび高帯域キャリア、または(2)中帯域キャリアおよび高帯域キャリアのいずれかを含むことができる。したがって、モジュール41a、41b、および42のうちの2つのみを同時にアクティブにすることができる。この例では、第1のモジュール41aまたは第2のモジュール41bの一方のみが一時にアクティブになることができる。第1のモジュール41aと第2のモジュール41bは同時に送信していないので、これらのモジュールの一方はアクティブになることができ、他方は非アクティブになることができる。
【0044】
第1のモジュール41aおよび第2のモジュール41bのそれぞれの結合器回路48a,48bは、デイジーチェーン状に配置されている。結合器回路48aまたは48bの一方のみが、それぞれのRF信号経路47aまたは47bからアンテナ46によって送信されているキャリアの電力を示す内部結合器信号を受信することができる。結合器信号は、キャリアに関連する電力を検出するためにトランシーバ43の電力検出器49bに提供することができる。DCブロッキングコンデンサ50は、DC信号成分をブロックするために、結合器回路のデイジーチェーンと電力検出器49bとの間に結合することができる。
【0045】
図示のように、トランシーバ43は、第1の電力検出器49aおよび第2の電力検出器49bを含む。第1の電力検出器49aは、第3のモジュール42のキャリアに関連する電力を検出可能である。第2の電力検出器49bは、第1のモジュール41aまたは第2のモジュール41bのいずれがアクティブであるかに応じて、これらのモジュールに関連付けられたキャリアの電力を検出できる。トランシーバ43は、電力検出器の出力を処理し、それぞれのモジュール41a、41b、および42にフィードバック信号を送信して、検出された電力レベルに基づいて電力を調整することができる。
【0046】
図5は、別の例によるデイジーチェーン状に配置された結合器回路を有する無線周波数システム52の概略図である。無線周波数システム52は、デイジーチェーンに配置された結合器回路48a1~48n1をそれぞれ有する第1のモジュール群41a1~41n1と、別のデイジーチェーンに配置された結合器回路48a2~48m2を有する第2のモジュール群41a2~41m2とを含む。無線周波数システム52の結合器回路は、本明細書で説明する任意の適切な原理および利点に従って実装することができる。例えば、図示された結合器回路のいずれも、図1の結合器回路10または図3の結合器回路30によって実装することができる。本明細書で説明する原理および利点のいずれかに従って、任意の適切な数の結合器回路をデイジーチェーン状に配置することができる。各デイジーチェーンは、内部結合器信号を一度に受信するように1つの結合器回路のみが配置され、残りの結合器回路は非アクティブであるか、または内部結合器信号を受信している1つの結合器信号から結合器信号を通過させるように配置される結合器回路を含むことができる。任意の適切な数のデイジーチェーン結合器回路を無線周波数システムに実装することができる。RFシステム52では、トランシーバ43は、各々が異なるデイジーチェーンの出力を受信するように配置された電力検出器49aおよび49bを含む。DCブロッキングコンデンサ50aおよび50bは、それぞれのデイジーチェーンの出力とそれぞれの検出器49aおよび49bとの間に結合することができる。
【0047】
図6は、別の例によるデイジーチェーン状に配置された結合器回路を有する無線周波数システム60の概略図である。RFシステム60は、モジュール62が、結合器回路の異なるデイジーチェーンに含まれる複数の結合器回路48a1および48a2を含むことができることを示している。モジュール62のRF信号経路47aは、モジュール41cがアクティブであるときにアクティブである第1部分と、モジュール41bがアクティブであるときにアクティブである第2部分とを含むことができる。RF信号経路47aの第1部分は、内部結合器信号を第1の結合器回路48a1に提供するように構成された結合された出力ポートを有する第1のRF結合器を含むことができる。RF信号経路47aの第2部分は、内部結合器信号を第2の結合器回路48a2に提供するように構成された結合された出力ポートを有する第2のRF結合器を含むことができる。したがって、図6に示すデイジーチェーンの各々は、内部結合器信号を一度に受信するように配置された1つ以下の結合器回路を有することができる。
【0048】
図7A図7Fは、様々な例による結合器回路を有する無線周波数システムの概略図である。デイジーチェーンに配置された結合器回路を含む異なるモジュールは、図7A図7FのRFシステムの1つまたは複数の特徴を含むRF信号経路を含むことができる。異なるモジュールのRF信号経路は、異なるRF信号経路および/または同様のRF信号経路を含むことができる。図7A図7FのRFシステムは、図4図6の任意の適切なRF信号経路に実装することができるRF信号経路の例示的な例を含む。図7A図7FのRFシステムは、結合器回路48を実装することができる例示的なシステムを示す。結合器回路48は、図1の結合器回路10および/または図3の結合器回路30など、本明細書で説明する任意の結合器回路の任意の適切な原理および利点に従って実装することができる。さらに、図7A図7Fの例示的なRFシステムの特徴の任意の適切な組み合わせを互いに実装することができる。図7A図7Fの例示的なRFシステムの各々では、通過経路内の電力増幅器によって提供される増幅RF信号に関連付けられた電力の表示を結合器回路に提供することができる。
【0049】
図7Aは、RF信号を増幅するように構成された電力増幅器72と、電力増幅器72の出力に結合されたRF結合器74とを含むRFシステム70の概略図である。図示のRF結合器74は、方向性結合器と呼ぶことができる。RF結合器74は、終端ポートに結合された終端インピーダンス76(例えば、終端抵抗)を有する。RF結合器74は、結合された出力ポートにおいて電力増幅器72によって提供される増幅RF信号の電力の表示を提供するように構成される。結合器回路48は、増幅RF信号の電力の表示を内部結合器信号として受信するように構成される。内部結合器信号は、結合器回路48の内部RF経路に提供することができる。例えば、内部結合器信号は、図1の結合器回路10の内部結合器信号ポートInternal_CPLoutに対応するポートに提供することができる。
【0050】
図7Bは、電力増幅器72とRFスイッチ82との間の信号経路に結合されたRF結合器74を含むRFシステム80の概略図である。図示のRFスイッチ82は、バンド選択スイッチなどの多投スイッチである。図示のように、RF結合器74は、電力増幅器72の出力とRFスイッチ74の共通ポートとの間に結合される。
【0051】
図7Cは、電力増幅器72によって提供される増幅RF信号の電力を調整することができる閉ループを示すRFシステム85の概略図である。閉ループは、デイジーチェーンに配置された結合器回路と、デイジーチェーンの出力を受信するように配置された電力検出器49とを含むことができる。電力増幅器72への入力は、電力検出器49によって検出された検出電力レベルに基づいて調整することができる。トランシーバ86によって電力増幅器72に提供される信号は、電力検出器49の出力に基づいて調整することができる。
【0052】
図7Dは、電力増幅器72と送信/受信スイッチ92との間の信号経路に結合されたRF結合器74を含むRFシステム90の概略図である。送信/受信スイッチ92は、電力増幅器72または低雑音増幅器94を送信/受信スイッチ92の共通ポートに選択的に電気的に結合することができる。
【0053】
図7Eは、RFスイッチ102および106と、電力増幅器72とRF結合器74との間に結合されたデュプレクサ104とを含む、RFシステム100の概略図である。電力増幅器72の出力とRF結合器74に接続されたRFスイッチ106の共通ポートとの間の様々な経路は、特定のRF信号を増幅するために調整されたフィルタリングおよび/または他の処理を含むことができる。
【0054】
図7Fは、電力増幅器72とRF結合器74との間の信号経路に結合されたフィルタ112およびRFスイッチ114を含むRFシステム110の概略図である。
【0055】
図7Gは、本開示の一実施形態による、結合器回路48を有するRFシステム120の概略図である。RFシステム120は、RF経路47を備える。RF経路47は、RF経路47のポート間でRF信号を伝播するように構成される。RF経路47は、図7A図7Fに概略的に示すように、スイッチ間および/または電力増幅器とスイッチとの間に結合されてもよい。図7Gに示すRFシステム120は、図7A図7Fに示す例のいずれか1つまたは複数と組み合わせてもよい。
【0056】
RFシステム120は、RF結合器74を備える。RF結合器74は、RF経路47のポート間を伝播するRF信号の電力の一部を抽出するように構成される。RFシステム120は、終端インピーダンス76(例えば、終端抵抗)を備え得る。終端インピーダンス76は、終端ポートに結合されてもよい。終端インピーダンス76は、RF結合器74と終端ポートとの間に結合されてもよい。RFシステム120は、終端スイッチ77を備え得る。終端スイッチ77は、終端インピーダンス76に結合されてもよい。終端スイッチ77は、RF結合器74と終端インピーダンス76との間、または終端インピーダンス76と終端ポートとの間に結合されてもよい。
【0057】
結合器回路48は、スイッチング過渡インピーダンスおよび/または電荷スパーをRF経路47から分離するように構成されたアイソレータ48-1を含み得る。図7Gでは、アイソレータ48-1は、RF結合器74(例えば、RF結合器の結合されたポート)と結合器回路48の入力ポートCPL_INとの間に配置される。結合器回路48は、図1の結合器回路10または図3の結合器回路30によって実装することができる。
【0058】
アイソレータ48-1は、パッシブアイソレータ48-1-1、アクティブアイソレータ48-1-2、またはその両方を含んでもよい。一般に、パッシブアイソレータまたはアクティブアイソレータのいずれかが使用されるが、任意の受信機において送信機の影響に対する感度をさらに下げることが望まれる場合、パッシブアイソレータとアクティブアイソレータの両方が使用されてもよい。パッシブアイソレータ48-1-1は、図7Jに示すように、表面実装型のフェライトサーキュレータ161であってもよい。あるいは、アイソレータは、スイッチング過渡インピーダンスおよび/または電荷スパーをRF経路47から分離するように構成されたアクティブアイソレータ48-1-2を含んでもよい。アクティブアイソレータ48-1-2は、図7Kに示すように、一方向性バッファ162を備えてもよい。代替的または追加的に、アクティブアイソレータ48-1-2は、図7Kに示すように、減衰器164および低雑音増幅器(LNA)166を備えてもよい。LNA166は、14dB LNAであってもよい。減衰器164は、13dBまたは20dBの固定減衰器であってもよいが、可変減衰器が代わりに使用され得ることを理解されたい。
【0059】
スイッチング過渡および/または電荷スパーは、図7Gにドットで示すように、結合器回路48の後の事象から生じ得る。図7Iは、限定を暗示することなく具体例を提供する。図7Gの例示的なRFシステム120では、アイソレータ48-1は結合器回路48の一部として示されているが、アイソレータ48-1は代替的に、結合器回路48の外側の別個の要素として実装されてもよいことを理解されたい。
【0060】
図7Hは、本開示の一実施形態による、第1の結合器回路48aと第2の結合器回路48bとを有するRFシステム130の概略図である。RFシステム130は、RF経路47を備える。RF経路47は、RF経路47のポート間でRF信号を伝播するように構成される。RF経路47は、図7A図7Fに概略的に示すように、スイッチ間および/または電力増幅器とスイッチとの間に結合されてもよい。図7Gに示すRFシステム130は、図7A図7Fに示す例のいずれか1つまたは複数と組み合わせてもよい。
【0061】
RFシステム130は、RF結合器74を含む。RF結合器74は、RF経路47のポート間を伝播するRF信号の電力の一部を抽出するように構成される。RFシステム130は、第1の終端インピーダンス76a(例えば、終端抵抗)を備え得る。第1の終端インピーダンス76aは、第1の終端ポートに結合されてもよい。第1の終端インピーダンス76aは、RF結合器74と第1の終端ポートとの間に結合されてもよい。RFシステム130は、第1の終端スイッチ77aを備え得る。第1の終端スイッチ77aは、第1の終端インピーダンス76aに結合されてもよい。第1の終端スイッチ77aは、RF結合器74と第1の終端インピーダンス76aとの間、または第1の終端インピーダンス76aと第1の終端ポートとの間に結合されてもよい。
【0062】
RFシステム130は、第2の終端インピーダンス76b(例えば、終端抵抗)を備え得る。第2の終端インピーダンス76bは第2の終端ポートに結合されてもよい。第2の終端インピーダンス76bは、RF結合器74と第2の終端ポートとの間に結合されてもよい。RFシステム130は、第2の終端スイッチ77bを備え得る。第2の終端スイッチ77bは、第2の終端インピーダンス76bに結合されてもよい。第2の終端スイッチ77bは、RF結合器74と第2の終端インピーダンス76bとの間、または第2の終端インピーダンス76bと第2の終端ポートとの間に結合されてもよい。
【0063】
第1の結合器回路48aおよび/または第2の結合器回路48bは、スイッチング過渡インピーダンスおよび/または電荷スパーをRF経路47から分離するように構成されたアイソレータ48a-1および48b-1を含み得る。アイソレータ48a-1および48b-1は、パッシブアイソレータ48a-1-1、48b-1-1、アクティブアイソレータ48a-1-2、48b-1-2、またはアクティブアイソレータとパッシブアイソレータとの組み合わせであってもよい。パッシブアイソレータ48a-1-1および/または48b-1-1は、図7Jに示すように、表面実装型のフェライトサーキュレータ161であってもよい。アクティブアイソレータ48a-1-2および48b-1-2は各々、図7Kに示すように、一方向性バッファ162を備えてもよい。代替的または追加的に、アクティブアイソレータ48a-1-2および48b-1-2は各々、図7Kに示すように、減衰器164および低雑音増幅器(LNA)166を備えてもよい。LNA166は、14dB LNAであってもよい。減衰器164は、13dBまたは20dB減衰器であってもよい。
【0064】
スイッチング過渡および/または電荷スパーは、図7Hのそれぞれのドットで示すように、結合器回路48aおよび/または48bの後の1つまたは複数の事象から生じ得る。図7Hの例示的なRFシステム130では、アイソレータ48a-1、48b-1は結合器回路48a、48bの一部として示されているが、アイソレータ48a-1および/または48b-1は、代替的に、結合器回路48a、48bの外側の別個の要素として実装されてもよいことを理解されたい。
【0065】
図7Iは、RFFEシステムの第1のRFフロントエンド(RFFE)モジュール150に結合された、図7GによるRFシステム140の概略図である。RFFEシステムは、1つまたは複数のさらなるRFFEモジュールを備えてもよい。RFシステム140は、RF経路47を備える。RF経路47は、RF経路47のポート間でRF信号を伝播するように構成される。RF経路47は、図7A図7Fに概略的に示すように、スイッチ間およびまたは電力増幅器とスイッチとの間に結合されてもよい。図7Gに示すRFシステム140は、図7A図7Fに示す例のいずれか1つまたは複数と組み合わせてもよい。
【0066】
RFシステム140は、RF結合器74を備える。RF結合器74は、RF経路47のポート間を伝播するRF信号の電力の一部を抽出するように構成される。RFシステム140は、終端インピーダンス76(例えば、終端抵抗)を備え得る。終端インピーダンス76は、終端ポートに結合されてもよい。終端インピーダンス76は、RF結合器74と終端ポートとの間に結合されてもよい。RFシステム140は、終端スイッチ77(図7Iには示されていないが、図7Gには示されている)を備えてもよい。終端スイッチ77は、終端インピーダンス76に結合されてもよい。終端スイッチ77は、RF結合器74と終端インピーダンス76との間、または終端インピーダンス76と終端ポートとの間に結合されてもよい。
【0067】
結合器回路48は、スイッチング過渡インピーダンスおよび/または電荷スパーをRF経路47から分離するように構成されたアイソレータ48-1を含み得る。アイソレータ48-1は、パッシブアイソレータ48-1-1であってもよいし、アクティブアイソレータ48-1-2であってもよい。パッシブアイソレータ48-1-1は、図7Jに示すように、表面実装型のフェライトサーキュレータ161であってもよい。アクティブアイソレータ48-1-2は、図7Kに示すように、一方向性バッファ162を備えてもよい。代替的または追加的に、アクティブアイソレータ48-1-2は、図7Kに示すように、減衰器164および低雑音増幅器(LNA)166を備えてもよい。LNA166は、14dB LNAであってもよい。減衰器164は、13dBまたは20dBの固定減衰器であってもよいが、可変減衰器が代わりに使用され得ることを理解されたい。
【0068】
図7Jは、本開示による結合器回路に含まれ得るパッシブアイソレータ、より詳細にはフェライトサーキュレータを示す。図示のように、ポート1に入るエネルギーはポート2に存在し、ポート2に入るエネルギーはポート3から出る。
【0069】
図7Kは、本開示による結合器回路に含まれ得るアクティブアイソレータ、例えば、一方向性バッファ、または低雑音増幅器に結合された減衰器を示す。一方向性バッファ162は、ハイインピーダンス入力および出力を有する。減衰器164は、入力信号を受け取るための入力と、減衰された出力信号を提供するための出力とを有する。いくつかの例では、減衰器への入力信号の大きさは、出力信号の大きさ以上であってもよく、他の例では、出力の大きさは、減衰器への入力信号の大きさと同じであってもよく、またはそれより小さくてもよい。減衰器164の出力は、受信信号を増幅する低雑音増幅器(LNA)166の入力に提供される。LNAは、高インピーダンス入力を提供する。
【0070】
表1は、異なる構成における図7IのRFFEシステム150の性能を比較するための結果を要約している。
【0071】
【表1】
【0072】
構成「ベースライン」(1EVB):RFFEシステムは、スイッチング過渡インピーダンスおよび/または電荷スパーをRF経路47から分離するように構成された結合器回路48内の分離がないRFシステム140を含む。結合器回路48は第1のRFFEモジュール150に結合されている。
【0073】
構成「1アイソレータ追加」(1EVB):結合器回路48は、アイソレータを備える。結合器回路48は、図7Iに示すように第1のRFFEモジュール150に結合されている。
【0074】
構成「2アイソレータカスケード」(1EVB):結合器回路48は、カスケード接続されたアイソレータを備える。結合器回路48は第1のRFFEモジュール150に結合されている。
【0075】
構成「2アイソレータカスケード+6dB減衰器」(1EVB):結合器回路48は、カスケード接続されたアイソレータと6dB減衰器とを備える。結合器回路48は第1のRFFEモジュール150に結合されている。
【0076】
構成「2アイソレータカスケード+10dB減衰器」(1EVB):結合器回路48は、カスケード接続されたアイソレータと10dB減衰器とを備える。結合器回路48は第1のRFFEモジュール150に結合されている。
【0077】
構成「CPL→13dB減衰器+14dB LNA」(1EVB):結合器回路48は、13dB減衰器および14dB LNAを備える。結合器回路48は第1のRFFEモジュール150に結合されている。
【0078】
構成「CPL→20dB減衰器+14dB LNA」(1EVB):結合器回路48は、20dB減衰器および14dB LNAを備える。結合器回路48は第1のRFFEモジュール150に結合されている。
【0079】
構成「ベースライン」(2EVB):RFFEシステム150は、スイッチング過渡インピーダンスおよび/または電荷スパーをRF経路47から分離するように構成された結合器回路48内の分離がないRFシステム140を含む。結合器回路48は第2のRFFEモジュール(図7Iには示されていない)に結合されている。
【0080】
構成「1アイソレータ追加」(2EVB):結合器回路48は、アイソレータを備える。結合器回路48は、第2のRFFEモジュール(図7Iには示されていない)に結合されている。
【0081】
構成「2アイソレータカスケード」(2EVB):結合器回路48は、カスケード接続されたアイソレータを備える。結合器回路48は、第2のRFFEモジュール(図7Iには示されていない)に結合されている。
【0082】
構成「2アイソレータカスケード+6dB減衰器」(2EVB):結合器回路48は、カスケード接続されたアイソレータと6dB減衰器とを備える。結合器回路48は、第2のRFFEモジュール(図7Iには示されていない)に結合されている。
【0083】
表1から分かるように、パッシブアイソレータを追加することによって、約0.5μsの結合器スイッチング遷移を伴う1dB未満のデセンスが達成され得る。同じレベルのLNA出力スパーをアクティブおよびパッシブアイソレーションによって達成することができる。0.93dBのデセンスを達成するには、約20dBの逆分離が必要である。0.58dBのデセンスを達成するためには、約40~50dBの逆分離が必要である。より低いデセンスレベルが必要とされる場合に対処される必要がある2次ホットスイッチングスパー経路が存在する。
【0084】
図8は、一例による結合器回路、例えば図7A図7Iのいずれか1つによる結合器回路を含む、パッケージモジュール140のブロック図である。図示のパッケージモジュール140は、パッケージ基板142と、RF回路146と、RF結合器74と、結合器回路48とを含む。パッケージ基板142は、例えば、積層基板とすることができる。RF回路146、RF結合器74、および結合器回路48は、パッケージ基板142上に配置することができる。RF回路146は、電力増幅器を含む回路など、RF信号を提供するように構成された任意の適切な回路とすることができる。モジュール140の結合器回路48は、本明細書で説明する原理および利点のいずれかに従って、1つまたは複数の他の結合器回路とデイジーチェーン状に配置することができる。
【0085】
図9は、一例によるデイジーチェーン状に配置された結合器回路を含む無線通信デバイス150のブロック図である。結合器回路は、図7A図7Iのいずれか1つによる結合器回路のいずれか1つまたは複数であり得る。無線通信デバイス150は、任意の適切な無線通信デバイスとすることができる。例えば、無線通信デバイス150は、スマートフォンなどの携帯電話とすることができる。図示のように、無線通信デバイス150は、アンテナ151、RFフロントエンド152、トランシーバ153、プロセッサ154、およびメモリ155を含む。アンテナ151は、RFフロントエンド152によって提供されるRF信号を送信することができる。アンテナ151は、RFフロントエンド152によって提供されるキャリアアグリゲーションされた信号を送信することができる。アンテナ151は、受信したRF信号を処理のためにRFフロントエンド152に提供することができる。
【0086】
RFフロントエンド152は、1つまたは複数の電力増幅器、1つまたは複数の低雑音増幅器、RFスイッチ、受信フィルタ、送信フィルタ、二重フィルタ、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。RFフロントエンド152は、任意の適切な通信規格に関連するRF信号を送受信することができる。例えば、RFフロントエンド152は、キャリアアグリゲーションされた信号をアンテナ151に提供することができる。本明細書で説明するRF信号経路は、RFフロントエンド152に実装することができる。RFフロントエンド152は、デイジーチェーン状に配置された結合器回路を含むことができる。
【0087】
RFトランシーバ153は、増幅および/または他の処理のためにRF信号をRFフロントエンド152に提供することができる。RFトランシーバ153はまた、RFフロントエンド152の低雑音増幅器によって提供されるRF信号を処理することができる。RFトランシーバ153は、結合器回路のデイジーチェーンの出力を受信するように構成された1つまたは複数の電力検出器を含むことができる。RFトランシーバ153は、結合器回路のデイジーチェーンの出力を受信するように構成された1つまたは複数の電力検出器を含むことができる。RFトランシーバ153は、結合器回路のデイジーチェーンの出力を受信するように配置された電力検出器の出力に基づいてキャリアの電力を調整するために、送信経路に1つまたは複数の信号を提供することができる。
【0088】
RFトランシーバ153は、プロセッサ154と通信している。プロセッサ154は、ベースバンドプロセッサとすることができる。プロセッサ154は、無線通信デバイス150のための任意の適切なベースバンド処理機能を提供することができる。メモリ155には、プロセッサ154によってアクセスすることができる。メモリ155は、無線通信デバイス150のための任意の適切なデータを格納することができる。
【0089】
本明細書で説明する原理および利点のいずれも、上述したシステムだけでなく、他のシステムにも適用することができる。上述した様々な例の要素および動作を組み合わせて、さらなる例を提供することができる。上述した例のいくつかは、電力増幅器および/または無線通信デバイスに関連する例を提供した。しかしながら、例の原理および利点は、本明細書の教示のいずれかから利益を得ることができる任意の他のシステム、装置、または方法に関連して使用することができる。例えば、本明細書で説明される原理および利点のいずれも、一度に1つのみがアクティブである複数の異なる信号経路のうちの1つからの電力の検出に関連して実施することができる。本明細書で説明される原理および利点のいずれも、約30キロヘルツ(kHz)~300ギガヘルツ(GHz)の範囲、例えば約450MHz~6GHzの範囲の信号を処理するように構成されたRF回路に関連して実施することができる。
【0090】
本開示の態様は、様々な電子デバイスにおいて実施することができる。電子デバイスの例は、消費者向け電子製品、消費者向け電子製品の部品、例えばパッケージ化された無線周波数モジュール、無線周波数フィルタダイ、アップリンク無線通信デバイス、無線通信インフラ、電子試験機器などを含むことができるが、これらに限定されない。電子デバイスの例には、スマートフォンなどの携帯電話、スマートウォッチまたはイヤーピースまたはスマートアイグラスまたは仮想現実機器などのウェアラブルコンピューティングデバイス、電話、テレビ、コンピュータモニタ、コンピュータ、モデム、ハンドヘルドコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、電子レンジ、冷蔵庫、車載電子機器システムなどの車両電子機器システム、産業用ロボットなどのロボット、モノのインターネット、ステレオシステム、デジタル音楽プレーヤ、ラジオ、IoTラジオ、デジタルカメラなどのカメラ、携帯用メモリチップ、洗濯機または乾燥機などの家電機器、周辺機器、腕時計、時計などを含むことができるが、これらに限定されない。また、電子デバイスは、未完成品を含むことができる。
【0091】
文脈上別段の指示がない限り、明細書および特許請求の範囲を通して、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、「含む(include)」、「含む(including)」などの語は、排他的または網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味で一般に解釈されるべきである。すなわち、「限定されないが含む」という意味である。本明細書で使用される条件付き言語、とりわけ、「できる(can)」、「し得る(could)」、「し得る(might)」、「し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、「例えば(for example)」、「など(such as)」などは、特に明記しない限り、または使用される文脈内で他の意味で理解されない限り、一般に、特定の例は特定の特徴、要素、および/または状態を含むが、他の例は含まないことを伝えることを意図している。本明細書で一般的に使用される「結合された」という用語は、直接結合され得るか、または1つ以上の中間要素によって結合され得る2つ以上の要素を指す。同様に、本明細書で一般的に使用される「接続された」という用語は、直接接続され得るか、または1つ以上の中間要素によって接続され得る2つ以上の要素を指す。さらに、「本明細書」、「上記」、「以下」という単語、および同様の意味の単語は、本出願で使用される場合、本出願全体を指すものとし、本出願の特定の部分を指すものではない。文脈が許す場合、単数または複数の数を用いる上記の詳細な説明の単語はまた、それぞれ複数または単数を含み得る。
【0092】
特定の例を説明したが、これらの例は例として提示したにすぎず、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。実際、本明細書に記載の新規な共振器、フィルタ、マルチプレクサ、デバイス、モジュール、無線通信デバイス、装置、方法、およびシステムは、様々な他の形態で具現化されてもよい。さらに、本明細書に記載の共振器、フィルタ、マルチプレクサ、デバイス、モジュール、無線通信デバイス、装置、方法、およびシステムの形態における様々な省略、置換、および変更は、本開示の趣旨から逸脱することなく行われ得る。例えば、ブロックは所与の構成で提示されているが、代替例は、異なる構成要素および/または回路トポロジで同様の機能を実行することができ、いくつかのブロックは、削除、移動、追加、細分化、結合、および/または修正され得る。これらのブロックの各々は、様々な異なる方法で実装されてもよい。上述した様々な例の要素および/または動作の任意の適切な組み合わせを組み合わせて、さらなる例を提供することができる。添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物は、本開示の範囲および精神に含まれるような形態または修正を包含することを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I
図7J
図7K
図8
図9
【外国語明細書】