(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008067
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】フットネイル用ジェル硬化装置
(51)【国際特許分類】
A45D 29/00 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
A45D29/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109599
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】522273573
【氏名又は名称】浅井 佳美
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】浅井 佳美
(57)【要約】
【課題】ネイリストと顧客のいずれにとっても快適なネイル施術にすることを可能とする。
【解決手段】フットネイル用ジェル硬化装置10は、上方に向かって延伸する第1アーム部12と、第1アーム部12を立設させるためのベース部14と、第1アーム部12に対して可動可能に連結される第2アーム部16と、第2アーム部16に対して可動可能に連結され、足の爪に塗られたジェルネイルを硬化させるために光を照射するライト部18と、第2アーム部16とライト部18とを連結し、ライト部18を所望の角度で固定するための自由雲台部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に向かって延伸する第1アーム部と、
前記第1アーム部を立設させるためのベース部と、
前記第1アーム部に対して可動可能に連結される第2アーム部と、
前記第2アーム部に対して可動可能に連結され、足の爪に塗られたジェルネイルを硬化させるために光を照射するライト部と、
前記第2アーム部と前記ライト部とを連結し、前記ライト部を所望の角度で固定するための自由雲台部と、
を備えることを特徴とするフットネイル用ジェル硬化装置。
【請求項2】
請求項1に記載のフットネイル用ジェル硬化装置において、
前記第1アーム部は、上下方向に伸縮可能な伸縮部を備えることを特徴とするフットネイル用ジェル硬化装置。
【請求項3】
請求項1に記載のフットネイル用ジェル硬化装置において、
前記ベース部は、所望の場所に移動するためのキャスター部を備えることを特徴とするフットネイル用ジェル硬化装置。
【請求項4】
請求項1に記載のフットネイル用ジェル硬化装置において、
前記第2アーム部は、
一方端が前記第1アーム部と連結される第1延伸部と、
一方端が前記第1延伸部の他方端に対して可動可能に連結され、他方端が前記ライト部と連結される第2延伸部と、
を有することを特徴とするフットネイル用ジェル硬化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フットネイル用ジェル硬化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、指の爪や足の爪にネイルを施すことが流行している。爪にジェルを塗り、光を照射して硬化させることで形成されるジェルネイルがある。
【0003】
本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、診療椅子と、診療用無影灯と、を有する診療装置であって、波長が190nm乃至230nmのいずれかの波長の、または、前記いずれかの波長を含む遠紫外線C波発生手段を備え、前記遠紫外線C波発生手段は、前記診療用無影灯と一体的に、または、前記診療用無影灯の近傍に設けられ、前記診療用無影灯は、通常診療時に通常照明照射のみを行う通常診療モードと、感染あるいは感染の疑いのある患者に対して、通常照明照射と同時に遠紫外線C波照射の同時照射を可能にする遠紫外線C波診療モードと、を切換可能なモード切換手段を備え、前記診療装置は、歯科用診療装置であって、 前記遠紫外線C波診療モード時において、前記診療用無影灯の照射野を診察時に所定の患者の口腔領域に位置付したときに、前記遠紫外線C波発生手段は、人体に無害で目に見えない遠紫外線C波を、少なくとも患者の口腔及び鼻孔を照射可能な照射野を有していることを特徴とする診療装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、照明負荷の装着されるヘッド部と、前記照明負荷を調光点灯させる点灯回路が内装されて、机又は壁等に固定させる固定手段の設けられたベース部と、同ベース部と前記ヘッド部とを可動軸を介して接続するアーム部と、を備えてなるスタンド型照明器具において、前記可動軸内に、回転角度に対応した制御信号を送出する調光操作部を組み込み、前記点灯回路が同制御信号に基づき前記照明負荷を調光点灯するようになしたことを特徴とするスタンド型照明器具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6949394号公報
【特許文献2】特開2006-128035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ジェルネイルは、爪にジェルを塗り、ライトを30秒から60秒当てて固めていく工程が何度もあり、これらの工程を経て完成する。ジェルネイルの中でもフットネイルの時は、ネイリストが一方の爪にジェルを塗りネイルライトを手で持ちながら足の爪に光を当て、ジェルが固まるのを待ってから、他方の爪に塗る必要がある。
【0007】
ライトを当てる工程は、上記の通り30~60秒であり、左右の足に対して、これらの工程を何回も繰り返すとネイリストにとっても労力となるだけでなく、顧客にとっても負担となる。
【0008】
本発明の目的は、ネイリストと顧客のいずれにとっても快適なネイル施術にすることを可能とするフットネイル用ジェル硬化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るフットネイル用ジェル硬化装置は、上方に向かって延伸する第1アーム部と、前記第1アーム部を立設させるためのベース部と、前記第1アーム部に対して可動可能に連結される第2アーム部と、前記第2アーム部に対して可動可能に連結され、足の爪に塗られたジェルネイルを硬化させるために光を照射するライト部と、前記第2アーム部と前記ライト部とを連結し、前記ライト部を所望の角度で固定するための自由雲台部と、 を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るフットネイル用ジェル硬化装置において、前記第1アーム部は、上下方向に伸縮可能な伸縮部を備えることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係るフットネイル用ジェル硬化装置において、前記ベース部は、所望の場所に移動するためのキャスター部を備えることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係るフットネイル用ジェル硬化装置において、前記第2アーム部は、一方端が前記第1アーム部と連結される第1延伸部と、一方端が前記第1延伸部の他方端に対して可動可能に連結され、他方端が前記ライト部と連結される第2延伸部と、を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ネイリストと顧客のいずれにとっても快適なネイル施術にすることである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る実施形態のフットネイル用ジェル硬化装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0016】
図1は、本発明に係る実施形態のフットネイル用ジェル硬化装置10を示す図である。
【0017】
フットネイル用ジェル硬化装置10は、ネイリストが顧客の足の爪にジェルを塗って光を当てる場合に、ライト部18を所望の位置で所望の角度で固定するための装置である。フットネイル用ジェル硬化装置10は、第1アーム部12と、ベース部14と、第2アーム部16と、ライト部18と、自由雲台部24とを備える。
【0018】
第1アーム部12は、上方に向かって延伸する支柱部である。第1アーム部12は、上下方向に伸縮可能な伸縮部を備える。第1アーム部12は、第1支柱部12aと第2支柱部12bとを備える。
【0019】
第1支柱部12aと第2支柱部12bとは円筒形状を有しており、
図1に示されるように、第1支柱部12aに比べ第2支柱部12bの方が、径が大きいため、第1支柱部12aを第2支柱部12bに収納することが出来る。
【0020】
第1支柱部12aを第2支柱部12b内に収納する量を大きくすると第1アーム部12の長さが短くなり、第1支柱部12aを第2支柱部12b内に収納する量を少なくする、換言すれば、第2支柱部12b内から第1支柱部12aが突出している量を大きくすると、第1アーム部12の長さが伸びる。
【0021】
第1支柱部12aを第2支柱部12bに収納している量を調整して、第1アーム部12の高さを調整した後、図示しない固定機構で第1アーム部12の高さを固定する。また、第1支柱部12aと第2支柱部12bは、適度な強度を有する材質、例えば、ステンレスやアルミニウムで構成される。
【0022】
ベース部14は、第1アーム部12を立設させるための土台部である。ベース部14は、所定の厚みを有する矩形状の板材を含む。矩形状の板材は、適度な強度を有する材質、例えば、ステンレスやアルミニウムで構成される。
【0023】
ベース部14は、所望の場所に移動するためのキャスター部26を備える。キャスター部26は、矩形状の板材の底面に設けられる。
【0024】
キャスター部26は、一対の前輪部と、一対の後輪部とを備えている。キャスター部26には、一対の前輪部及び一対の後輪部の動きを規制するためのストッパー28が設けられている。
【0025】
一対の前輪部は、車輪の進行方向が変動可能な車輪であり、自在キャスターとも呼ばれている。一対の前輪部は、矩形状の板材の底面に取り付けるための板状部材である取付部と、タイヤと、タイヤを回転可能に支持する本体部とを備えている。車輪の進行方向が変動可能な前輪部は、本体部が取付部に対して周方向(360°)回転可能に連結されている。
【0026】
一対の後輪部は、車輪の進行方向が固定された車輪であり、固定キャスターとも呼ばれている。一対の後輪部は、矩形状の板材の底面に取り付けるための板状部材である取付部と、タイヤと、タイヤを回転可能に支持する本体部とを備えている。一対の前輪部が変動可能であるため、ベース部14は様々な方向に進行可能となっている。
【0027】
第2アーム部16は、第1アーム部12に対して可動可能に連結される腕部である。第2アーム部16は、第1延伸部16aと第2延伸部16bとを備える。
【0028】
第1延伸部16aは、一方端が第1アーム部12と接続され、他方端が連結部22と接続される。第2延伸部16bは、一方端が連結部22に接続され、他方端がライト部18と連結される。第1延伸部16a及び第2延伸部16bは、適度な強度を有する材質、例えば、ステンレスやアルミニウムで構成される。
【0029】
連結部22は、自由に回動可能な球体部と、球体部を保持する保持部と、球体部の動きを規制する規制部とを備える自由雲台機構を有している。連結部22は、第2延伸部16bを第1延伸部16aに対して可動可能なように第1延伸部16a及び第2延伸部16bに連結される。
【0030】
ライト部18は、第2アーム部16に対して可動可能に連結され、足の爪に塗られたジェルネイルを硬化させるために光を照射する照射部である。ジェルネイルは、ライト部18の光により硬化し、主に、ポリマー(オリゴマー)、モノマー、光重合開始剤、フィラー、その他の添加剤を含んで構成される。
【0031】
ポリマー(オリゴマー)は、主に「ウレタンアクリレート」で構成され、ジェルネイルのメインの原料になる。様々な種類が存在するが通常ポマードや水飴のように粘度高く、接着剤やコーティング剤などによく使われるベース剤である。
【0032】
モノマーは、「ウレタンアクリレート」を薄めて、柔らかく扱いやすくする役目を果たす。光重合開始剤は、光のエネルギーを受けて分子同士をつなぐ役割を担う。また、ジェルネイルが空気乾燥では硬化せず、ライトの光で硬化するのは光重合開始剤が入っているからである。
【0033】
フィラーは、主に「無水ケイ酸」などと呼ばれる粉末で、化粧品でも良く安定剤としてクリームや乳液に使われており、ジェルを扱いやすくするために、粘度を調整する目的などで添加される。
【0034】
その他添加剤は、ジェルの仕上げとして、分散剤や防腐剤など様々な添加剤が用いられる。もちろんカラージェルの場合は顔料が入る。
【0035】
ライト部18は、略半円状の曲線で構成される略U字状(
図1では、Uが上下逆向き)外形を有している。ライト部18は、365nmと405nmの波長を有するLEDライトが複数設けられている。ライト部18の外側の中央部には、
図1に示されるように、自由雲台部24が設けられている。
【0036】
ライト部18の内側には、所定の間隔をあけて上記複数のLEDライトが配置されている。ライト部18の消費電力は、36W~42Wが好ましいが、もちろん、適宜変更可能である。ネイリストは、顧客の足の爪がライト部18に照射されるように、ライト部18の内側に近づける。
【0037】
自由雲台部24は、第2アーム部16とライト部18とを連結し、ライト部18を所望の角度で固定するための角度調整機構である。自由雲台部24は、自由に回動可能な球体部と、球体部を保持する保持部と、球体部の動きを規制する規制部とを備え、カメラの三脚で用いられるような雲台である。
【0038】
続いて、上記構成のフットネイル用ジェル硬化装置10の作用について説明する。近年、ジェルネイルが流行しており、足の爪にもネイルをしてお洒落を楽しむ人が増えている。ジェルネイルを用いて、足の爪にネイルする工程は、例えば、以下のような工程がある。
【0039】
筆にベースジェルをとり、爪の中央にのせ、筆先を使いながら爪の先端へ引き根元を塗る。また、はみ出さないように注意しながら爪の生え際まわりから先端に向かって塗る。
【0040】
そして、軽い力で表面を撫でるように塗り、全体をなじませて仕上げ、斑になりそうな場合に、少量ジェルを足す等で調整する(ベースジェルの塗布工程)。
【0041】
次に、ジェルがはみ出していないかを確認し、UV/LEDライトを用いて、光を30~60秒当てて硬化させる(UV/LED硬化工程の1回目)。その後、カラージェルをウッドスティックなどで空気が入らないように底から混ぜ、爪の中央から先端部分へ伸ばすように塗る(カラージェルの塗布工程の1回目)。
【0042】
次いで、硬化前のジェルがはみ出していないか確認した後に、UV/LEDライトを用いて、光を30~60秒当てて硬化させる(UV/LED硬化工程の2回目)。次に、再び、カラージェルを塗る(カラージェルの塗布工程の2回目)。なお、カラージェルの塗布は場合によっては、1回であってよく、3回以上であってもよい。
【0043】
この後、再び、UV/LEDライトを用いて、光を30~60秒当てて硬化させる(UV/LED硬化工程の3回目)。続いて、トップジェルを取り、カラージェルをコーティングするようにベースやカラーと同じように塗る(トップジェルの塗布工程)。次に、UV/LEDライトを用いて、光を30~60秒当ててトップジェルを硬化させる(UV/LED硬化工程の4回目)。
【0044】
上記の工程は、ジェルネイルの工程の一例であるが、上記のように、足の爪にジェルを塗り、光を当てて硬化させる工程が複数回有り、これを左右の足の爪に対して行う必要がある。
【0045】
また、顧客に立膝をしてもらってジェルを塗りライトを当てて固めていくやり方もある。このような場合、ネイリストにとって負担がなく時短にもなるが、顧客は1時間以上もの間、立膝をする必要があり、負担の大きい姿勢となる。
【0046】
顧客は、癒しを求めてネイルサロンなどに来ることが多く、無理な体制での施術では癒されない。このような課題に対し、本発明に係る実施形態のフットネイル用ジェル硬化装置10は、顕著な効果を発揮する。
【0047】
フットネイル用ジェル硬化装置10によれば、ベース部14に設けられたキャスター部26により、施術を受ける顧客の足元に移動して固定することが出来る。
【0048】
そして、第1アーム部12の高さ調整機構で高さを調整しつつ、第2アーム部16は第1延伸部16aと第2延伸部16bとが連結部22により、自由自在に角度を調整することが出来るとともに、第2延伸部16bとライト部18とを連結する自由雲台部24によっても角度を自由に調整することが出来る。すなわち、フットネイル用ジェル硬化装置10によれば、所望の位置にライト部18を位置させることが出来る。
【0049】
これにより、顧客がリラックスした状態で、ライト部18をジェルの硬化にとって最適な位置とし、足の爪にライトを当てることが出来る。例えば、顧客が足を伸ばした状態でゆっくりと寝て頂きながら施術を受けることができるとともに、ネイリストも負担なく施術をすることができるという顕著な効果を奏する。
【符号の説明】
【0050】
10 フットネイル用ジェル硬化装置、12 第1アーム部、12a 第1支柱部、12b 第2支柱部、14 ベース部、16 第2アーム部、16a 第1延伸部、16b 第2延伸部、18 ライト部、22 連結部、24 自由雲台部、26 キャスター部、28 ストッパー。