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特開2024-80671自動車の測位精度を高めるための方法、装置及びコンピュータプログラム製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080671
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】自動車の測位精度を高めるための方法、装置及びコンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/28 20060101AFI20240606BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240606BHJP
   G06T 7/70 20170101ALI20240606BHJP
   G06T 7/60 20170101ALI20240606BHJP
【FI】
G01C21/28
G06T7/00 650Z
G06T7/70 A
G06T7/60 180D
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023202945
(22)【出願日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】202211532243.0
(32)【優先日】2022-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジャーリン ドン
【テーマコード(参考)】
2F129
5L096
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB33
2F129BB62
2F129BB66
2F129EE78
5L096BA04
5L096CA02
5L096FA02
5L096FA59
5L096FA69
5L096FA77
5L096JA22
(57)【要約】
【課題】自動車の測位精度を高めるための方法、装置及びコンピュータプログラム製品を提供する。
【解決手段】本開示は、自動車の測位精度を高めるための方法、装置及びコンピュータプログラム製品を提案する。自動車の実測位置が得られ得る。実測位置に対応する自動車環境特徴が検出され得る。位置補償値は、自動車環境特徴に基づいて計算され得る。位置補償値は、実測位置を補償して、自動車の測位精度を高めるために使用され得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の測位精度を高めるための方法であって、
自動車の実測位置を取得するステップと、
前記実測位置に対応する自動車環境特徴を検出するステップと、
前記自動車環境特徴に基づいて位置補償値を計算するステップと、
前記位置補償値を使用して前記実測位置を補償し、前記自動車の測位精度を高めるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記実測位置に対応する自動車環境特徴を検出する前記ステップは、
前記実測位置に対応する時間を取得するステップと、
前記自動車の周囲環境に関する、前記時間において前記自動車のセンサによって捕捉された画像を取得するステップと、
前記画像内の遮蔽物体を識別するステップと、
前記遮蔽物体の物体特徴を検出するステップであって、前記物体特徴は、前記遮蔽物体のカテゴリ、前記遮蔽物体の形状、前記遮蔽物体の大きさ、及び、前記遮蔽物体の、前記自動車に関する位置のうちの少なくとも1つを含む、ステップと、
前記物体特徴及び/又は前記時間を組み合わせて前記自動車環境特徴を形成するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像内の遮蔽物体を識別する前記ステップは、
前記画像から所定のカテゴリを有する物体を画像認識技術によって識別するステップであって、前記所定のカテゴリは、高層ビル、樹木、橋及びトンネルのうちの少なくとも1つを含む、ステップと、
前記識別された物体を前記遮蔽物体として取り扱うステップと、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
位置補償値を前記自動車環境特徴に基づいて計算する前記ステップは、
前記位置補償値を前記自動車環境特徴に基づいて補償値計算モデルによって計算するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記補償値計算モデルを訓練するステップは、
試験車両及び位置シミュレーションシステムによって訓練データセットを生成するステップと、
前記訓練データセットを使用して前記補償値計算モデルを訓練するステップと、
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
訓練データセットを試験車両及び位置シミュレーションシステムによって生成する前記ステップは、
前記試験車両の測位モジュールにより出力された実測位置サンプルセットを取得するステップと、
前記位置シミュレーションシステムにより出力された、シミュレートされた位置サンプルセットを取得するステップと、
複数のエラー位置ペアを前記実測位置サンプルセットと前記シミュレートされた位置サンプルセットによって形成するステップと、
複数の訓練サンプルを前記複数のエラー位置ペアに基づいて生成するステップと、
前記複数の訓練サンプルを組み合わせて前記訓練データセットを形成するステップと、
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記実測位置サンプルセット及び前記シミュレートされた位置サンプルセットは、同等の条件下で生成され、前記同等の条件は、同等の車両、同等の始点、同等の終点、及び、同等の走行ルートを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
複数のエラー位置ペアを前記実測位置サンプルセット及び前記シミュレートされた位置サンプルセットにより形成する前記ステップは、前記実測位置サンプルセットのうちの各実測位置サンプルについて、
前記シミュレートされた位置サンプルセットから、前記実測位置サンプルの前記時間と同等の時間を有するシミュレートされた位置サンプルを抽出するステップと、
前記実測位置サンプルと前記シミュレートされた位置サンプルとの差値を計算するステップと、
前記差値が所定の閾値を超えるか否かを特定するステップと、
前記差値が前記所定の閾値を超えると特定することに応答して、前記実測位置サンプルと前記シミュレートされた位置サンプルとを組み合わせてエラー位置ペアを形成するステップと、
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
複数の訓練サンプルを前記複数のエラー位置ペアに基づいて生成する前記ステップは、前記複数のエラー位置ペアの各々について、
前記エラー位置ペア内の実測位置サンプルに対応する自動車環境特徴サンプルを検出するステップと、
前記自動車環境特徴サンプルに対応する位置補償値ラベルを、前記エラー位置ペア内の前記実測位置サンプルとシミュレートされた位置サンプルとの差値を計算することによって生成するステップと、
前記自動車環境特徴サンプルと前記位置補償値ラベルとを組み合わせて、前記エラー位置ペアに対応する訓練サンプルを形成するステップと、
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記エラー位置ペア内の実測位置サンプルに対応する自動車環境特徴サンプルを検出する前記ステップは、
前記エラー位置ペアに対応する時間サンプルを取得するステップと、
前記試験車両の周囲環境に関する、前記時間サンプルにおいて前記試験車両のセンサにより捕捉された画像サンプルを取得するステップと、
前記画像サンプル内の遮蔽物体サンプルを識別するステップと、
前記遮蔽物体サンプルの物体特徴サンプルを検出するステップであって、前記物体特徴サンプルは、前記遮蔽物体サンプルのカテゴリ、前記遮蔽物体サンプルの形状、前記遮蔽物体サンプルの大きさ、及び、前記遮蔽物体の、前記試験車両に関する位置のうちの少なくとも1つを含む、ステップと、
前記物体特徴サンプル及び/又は前記時間サンプルを組み合わせて前記自動車環境特徴サンプルを形成するステップと、
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
自動車の測位精度を高めるための装置であって、
自動車の実測位置を取得するための実測位置取得モジュールと、
前記実測位置に対応する自動車環境特徴を検出するための自動車環境特徴検出モジュールと、
前記自動車環境特徴に基づいて位置補償値を計算するための補償値計算モジュールと、
前記位置補償値を使用して前記実測位置を補償し、前記自動車の測位精度を高めるための位置補償モジュールと、
を備える装置。
【請求項12】
前記自動車環境特徴検出モジュールは、
前記実測位置に対応する時間を取得するための時間取得モジュールと、
前記自動車の周囲環境に関する、前記時間において前記自動車のセンサによって捕捉された画像を取得するための画像取得モジュールと、
前記画像内の遮蔽物体を識別するための遮蔽物体識別モジュールと、
前記遮蔽物体の物体特徴を検出するための物体特徴検出モジュールであって、前記物体特徴は、前記遮蔽物体のカテゴリ、前記遮蔽物体の形状、前記遮蔽物体の大きさ、及び、前記遮蔽物体の、前記自動車に関する位置のうちの少なくとも1つを含む、物体特徴検出モジュールと、
前記物体特徴及び/又は前記時間を組み合わせて前記自動車環境特徴を形成するための自動車環境特徴組合せモジュールと、
を備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記補償値計算モジュールは、機械学習に基づく補償値計算モデルであり、前記補償値計算モデルを訓練するステップは、
試験車両及び位置シミュレーションシステムによって訓練データセットを生成するステップと、
前記訓練データセットを使用して前記補償値計算モデルを訓練するステップと、
を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
自動車の測位精度を高めるための装置であって、
プロセッサと、
実行されたときに、前記プロセッサに請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法を実施させるためのコンピュータ実行可能命令を記憶するメモリと、
を備える装置。
【請求項15】
自動車の測位精度を高めるためのコンピュータプログラム製品であって、プロセッサにより実行されて、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法を実施するためのコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、自動車の技術分野に関し、特に、自動車の測位精度を高めるための方法、装置及びコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の自動車は、概して、自動車位置を確認するための測位モジュールを備えている。測位モジュールは、衛星航法信号を受信することによって自動車位置を確認し、提供することができる。測位モジュールの測位精度は、自動車の周囲環境によって影響を受ける。例えば、自動車が広々とした開けた路面、例えば高速道路上を走行しているとき、測位モジュールは、通常、より精度の高い自動車位置を提供することができる。しかしながら、自動車が高層ビルの林立する都会を走行しているとき又は橋若しくはトンネルを通るとき等、測位システムにより提供される位置は不正確であることがあり、その結果、測位の精度にかなりの変動が生じる。これは、高層ビル、樹木、橋及びトンネル等の物体が衛星航法信号を遮蔽し、その結果、測位モジュールが正確な自動車位置を確認することができないからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのため、先行技術における上述の問題を解決するための改良された技術的ソリューションを提供することが望まれている。
【0004】
上述の問題に応えるために、本発明の目的は、自動車の測位精度を高めるための方法、装置及びコンピュータプログラム製品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、自動車の測位精度を高めるための方法を提供する。この方法は、自動車の実測位置を取得するステップと、実測位置に対応する自動車環境特徴を検出するステップと、自動車環境特徴に基づいて位置補償値を計算するステップと、位置補償値を使用して実測位置を補償し、自動車の測位精度を高めるステップと、を含み得る。
【0006】
ある実施形態において、実測位置に対応する自動車環境特徴を検出するステップは、実測位置に対応する時間を取得するステップと、自動車の周囲環境に関する、前記時間において自動車のセンサによって捕捉された画像を取得するステップと、画像内の遮蔽物体を識別するステップと、遮蔽物体の物体特徴を検出するステップであって、物体特徴は、遮蔽物体のカテゴリ、遮蔽物体の形状、遮蔽物体の大きさ、及び、遮蔽物体の、自動車に関する位置のうちの少なくとも1つを含む、ステップと、物体特徴及び/又は時間を組み合わせて自動車環境特徴を形成するステップと、を含み得る。
【0007】
画像内の遮蔽物体を識別するステップは、画像から所定のカテゴリを有する物体を画像認識技術によって識別するステップであって、所定のカテゴリは、高層ビル、樹木、橋及びトンネルのうちの少なくとも1つを含む、ステップと、識別された物体を遮蔽物体として取り扱うステップと、を含み得る。
【0008】
ある実施形態において、位置補償値を自動車環境特徴に基づいて計算するステップは、位置補償値を自動車環境特徴に基づいて補償値計算モデルによって計算するステップを含み得る。
【0009】
補償値計算モデルを訓練するステップは、試験車両及び位置シミュレーションシステムによって訓練データセットを生成するステップと、訓練データセットを使用して補償値計算モデルを訓練するステップと、を含み得る。
【0010】
訓練データセットを試験車両及び位置シミュレーションシステムによって生成するステップは、試験車両の測位モジュールにより出力された実測位置サンプルセットを取得するステップと、位置シミュレーションシステムにより出力された、シミュレートされた位置サンプルセットを取得するステップと、複数のエラー位置ペアを実測位置サンプルセットとシミュレートされた位置サンプルセットによって形成するステップと、複数の訓練サンプルを複数のエラー位置ペアに基づいて生成するステップと、複数の訓練サンプルを組み合わせて訓練データセットを形成するステップと、を含み得る。
【0011】
実測位置サンプルセット及びシミュレートされた位置サンプルセットは、同等の条件下で生成され得る。同等の条件は、同等の車両、同等の始点、同等の終点、及び、同等の走行ルートを含み得る。
【0012】
複数のエラー位置ペアを実測位置サンプルセット及びシミュレートされた位置サンプルセットにより形成するステップは、実測位置サンプルセットのうちの各実測位置サンプルについて、シミュレートされた位置サンプルセットから、実測位置サンプルの時間と同等の時間を有するシミュレートされた位置サンプルを抽出するステップと、その実測位置サンプルとシミュレートされた位置サンプルとの差値を計算するステップと、差値が所定の閾値を超えるか否かを特定するステップと、差値が所定の閾値を超えると特定することに応答して、実測位置サンプルとシミュレートされた位置サンプルとを組み合わせてエラー位置ペアを形成するステップと、を含み得る。
【0013】
複数の訓練サンプルを複数のエラー位置ペアに基づいて生成するステップは、複数のエラー位置ペアの各々について、エラー位置ペア内の実測位置サンプルに対応する自動車環境特徴サンプルを検出するステップと、自動車環境特徴サンプルに対応する位置補償値ラベルを、エラー位置ペア内の実測位置サンプルとシミュレーション位置サンプルとの差値を計算することによって生成するステップと、自動車環境特徴サンプルと位置補償値ラベルとを組み合わせて、エラー位置ペアに対応する訓練サンプルを形成するステップと、を含み得る。
【0014】
エラー位置ペア内の実測位置サンプルに対応する自動車環境特徴サンプルを検出するステップは、エラー位置ペアに対応する時間サンプルを取得するステップと、試験車両の周囲環境に関する、前記時間サンプルにおいて試験車両のセンサにより捕捉された画像サンプルを取得するステップと、画像サンプル内の遮蔽物体サンプルを識別するステップと、遮蔽物体サンプルの物体特徴サンプルを検出するステップであって、物体特徴サンプルは、遮蔽物体サンプルのカテゴリ、遮蔽物体サンプルの形状、遮蔽物体サンプルの大きさ、及び、遮蔽物体の、試験車両に関する位置のうちの少なくとも1つを含む、ステップと、物体特徴サンプル及び/又は時間サンプルを組み合わせて自動車環境特徴サンプルを形成するステップと、を含み得る。
【0015】
本願はさらに、自動車の測位精度を高めるための装置を提供する。装置は、自動車の実測位置を取得するための実測位置取得モジュールと、実測位置に対応する自動車環境特徴を検出するための自動車環境特徴検出モジュールと、位置補償値を自動車環境特徴に基づいて計算するための補償値計算モジュールと、位置補償値を使用して実測位置を補償し、自動車の測位精度を高めるための位置補償モジュールと、を備え得る。
【0016】
ある実施形態において、自動車環境特徴検出モジュールは、実測位置に対応する時間を取得するための時間取得モジュールと、自動車の周囲環境に関する、前記時間において自動車のセンサによって捕捉された画像を取得するための画像取得モジュールと、画像内の遮蔽物体を識別するための遮蔽物体識別モジュールと、遮蔽物体の物体特徴を検出するための物体特徴検出モジュールであって、物体特徴は、遮蔽物体のカテゴリ、遮蔽物体の形状、遮蔽物体の大きさ、及び、遮蔽物体の自動車に関する位置のうちの少なくとも1つを含む、物体特徴検出モジュールと、物体特徴及び/又は時間を組み合わせて自動車環境特徴を形成するための自動車環境特徴組合せモジュールと、を備え得る。
【0017】
ある実施形態において、補償値計算モジュールは機械学習に基づく補償値計算モデルであり得る。補償値計算モデルを訓練するステップは、訓練データセットを試験車両及び位置シミュレーションシステムによって生成するステップと、訓練データセットを使用して補償値計算モデルを訓練するステップと、を含み得る。
【0018】
本願はさらに、自動車の測位精度を高めるための装置を提供する。装置は、プロセッサと、実行されたときに、プロセッサに自動車の測位精度を高めるための前述の方法を実施させるためのコンピュータ実行可能命令を記憶するメモリと、を備え得る。
【0019】
本願はさらに、自動車の測位精度を高めるためのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、プロセッサにより実行されて、自動車の測位精度を高めるための前述の方法を実施するためのコンピュータプログラムを含む。
【0020】
本願の上述の技術的アプローチを用いて、位置補償値が自動車の実測位置に対応する自動車環境特徴に基づいて計算され得、位置補償値が実測位置を補償するために使用され得て、それによって、自動車の測位精度が高められる。
【0021】
本願の上述の及びその他の態様は、下記のような図面に関する以下の詳細な説明からよりよく理解されるであろう。図面は、明瞭に説明することを目的として異なる縮尺を有し得ることを指摘しなければならないが、これは本願の理解には影響しない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の実施形態による、自動車の測位精度を高めるための例示的なプロセスを示す。
図2】本開示の実施形態による、実測位置に対応する自動車環境特徴を検出するための例示的なプロセスを示す。
図3】本開示の実施形態による、補償値計算モデルのための訓練データを生成するための例示的なプロセスを示す。
図4】本開示の実施形態による、エラー位置ペアを形成するための例示的なプロセスを示す。
図5】本開示の実施形態による、エラー位置ペアに基づいて訓練サンプルを生成するための例示的なプロセスを示す。
図6】本開示の実施形態による、自動車の測位精度を高めるための例示的な装置を示す。
図7】本開示の実施形態による、自動車の測位精度を高めるための他の例示的な装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここで、様々な例示的実施形態に関して本開示を説明する。理解すべき点として、これらの実施形態の説明は、当業者がよりよく理解し、それによって、本開示の実施形態を実践し得るようにすることが意図されているにすぎず、本開示の範囲のいかなる限定も教示するものではない。
【0024】
本開示の実施形態を、図面を参照して以下に詳細に説明する。
【0025】
図1は、本開示の実施形態による、自動車の測位精度を高めるための例示的なプロセス100を示す。プロセス100は、自動車の走行中にリアルタイムで行われ得るものであり、それゆえ、自動車の実測位置をリアルタイムで補償して、自動車の測位精度を高めることができる。
【0026】
自動車の実測位置102が取得され得る。実測位置102は、自動車内の測位モジュールにより出力され得る。一例として、測位モジュールは、自動車モーション及び位置センサ(VMPS:vehicle motion and position sensor)であり得る。
【0027】
実測位置102に対応する自動車環境特徴104が検出され得る。自動車環境特徴104は、自動車の環境及び時間に関連付けられる特徴を含み得る。自動車環境特徴を検出するための例示的なプロセスを、図2に関して以下に説明する。
【0028】
次いで、位置補償値112は、補償値計算モデル110によって自動車環境特徴104に基づいて計算され得る。補償値計算モデル110は、機械学習モデルであり得る。補償値計算モデル110を訓練する際、訓練データセットはまず、試験車両及び位置シミュレーションシステムによって生成され得て、その後、訓練データセットが補償値計算モデル110を訓練するために使用され得る。訓練データセットを生成するための例示的なプロセスを図3乃至図5に関して以下に説明する。
【0029】
位置補償値112を計算した後、位置補償値112は、位置補償モジュール120により、実測位置102を補償して補償後の位置122を取得するために使用され得て、それによって自動車の測位精度が高められる。
【0030】
図2は、本開示の実施形態による、実測位置に対応する自動車環境特徴を検出するための例示的なプロセス200を示す。実測位置に対応する自動車環境特徴、例えば図1の自動車環境特徴104がプロセス200により取得され得る。自動車環境特徴は、位置補償値を計算するために使用され得る。
【0031】
202において、実測位置に対応する時間が取得され得る。
【0032】
204において、その時間に自動車のセンサにより捕捉された、自動車の周囲環境に関する画像が取得され得る。
【0033】
206において、画像内の遮蔽物体が識別され得る。例えば、所定のカテゴリを有する物体が画像から画像認識技術によって識別され得る。所定のカテゴリは、例えば高層ビル、樹木、橋、トンネル等を含む、衛星信号を遮蔽する可能性のある所定の物体カテゴリであり得る。識別された物体は、遮蔽物体として取り扱われ得る。
【0034】
208において、遮蔽物体の物体特徴が検出され得る。物体特徴は、例えば遮蔽物体のカテゴリ、遮蔽物体の形状、遮蔽物体の大きさ、遮蔽物体の、自動車に関する位置等を含み得る。これらの特徴は、自動車による衛星航法信号の受信に影響を与え得る要素である。例えば、遮蔽物体が自動車に関して異なる位置にあるとき、それが衛星信号を遮蔽する程度もまた変化する。自動車環境特徴に含まれる遮蔽物体の、自動車に関する位置を把握することは、より正確な補償値計算結果を得るために役立つ。
【0035】
210において、物体特徴及び/又は時間を組み合わせて自動車環境特徴を形成し得る。時間によって自動車に関する航法衛星の位置は異なり得る。それに対応して、遮蔽物体が衛星信号を遮蔽する程度も変わる。自動車環境特徴に含まれる時間を把握することは、より正確な補償値計算結果を得るために役立つ。
【0036】
プロセス100及び200は、自動車走行中にリアルタイムで行われ得るため、自動車実測位置をリアルタイムで補償し、自動車の測位精度を高めることができる。上述のプロセスにおいては、位置補償値112は、自動車の実測位置102に対応する自動車環境特徴104に基づいて計算され得て、位置補償値112は、実測位置102を補償するために使用され得て、それによって自動車の測位精度が高められる。
【0037】
理解すべき点として、図1及び図2に関して上述した自動車の測位精度を高めるためのプロセスは例にすぎない。自動車の測位精度を高めるためのプロセス中のステップは、実際の用途によるニーズに応じていずれの方法により置き換えられ又は修正されるものとしてもよく、プロセスは、より多い又は少ないステップを含み得る。例えば、物体特徴には、遮蔽物体のカテゴリ、遮蔽物体の形状、遮蔽物体の大きさ、遮蔽物体の、自動車に関する位置等が含まれるが、上述の説明においては、物体特徴は、これらの項目のうちのいずれか1つ又は複数のみを含むことも可能である。さらに、自動車環境特徴は、実測位置に対応する時間を含むものとしても又は含まないものとしてもよい。それに加えて、プロセス100及び200内のステップの特定の順序又は階層は例にすぎず、自動車の測位精度を高めるためのプロセスは、記載されているものとは異なる順序で実行されるものとしてもよい。
【0038】
図3は、本開示の実施形態による、補償値計算モデルのための訓練データセットを生成するための例示的なプロセス300を示す。プロセス300を通じて、補償値計算モデル、例えば図1の補償値計算モデル110を訓練するための訓練データセットを生成することが可能である。プロセス300においては、訓練データセットは、試験車両及び位置シミュレーションシステムにより生成され得る。
【0039】
302において、試験車両の測位モジュールにより出力された実測位置サンプルセットが得られ得る。試験車両は、様々な状況又は様々な道路条件で走行させられ得て、試験車両の測位モジュールにより出力される実測位置セットが得られ得る。
【0040】
304において、位置シミュレーションシステムにより出力される、シミュレートされた位置サンプルセットが得られ得る。好ましくは、実測位置サンプルセットとシミュレートされた位置サンプルセットは、同等の条件下で生成され得る。同等の条件には、例えば、同等の車両、同等の始点、同等の終点、同等の走行ルート等が含まれ得る。動作中、位置シミュレーションシステムは、自動車の周囲環境を広々とした開けた路面、例えば衛星航法信号を遮蔽し得るいかなる物体も存在しない路面に設定し得る。このような状況で出力されるシミュレートされた位置サンプルは、精密な真の位置であるとみなされ得る。
【0041】
306において、複数のエラー位置ペアが実測位置サンプルセット及びシミュレートされた位置サンプルセットにより形成され得る。エラー位置ペアを形成するための例示的なプロセスは、図4に関して後述する。
【0042】
308において、複数の訓練サンプルが、複数のエラー位置ペアに基づいて生成され得る。訓練サンプルを生成するための例示的なプロセスは、図5に関して後述する。
【0043】
310において、複数の訓練サンプルが組み合わせられて訓練データセットが形成され得る。
【0044】
図4は、本開示の実施形態による、エラー位置ペアを形成するための例示的なプロセス400を示す。プロセス400は、図3のステップ306に対応し得る。プロセス400は、実測位置サンプルセット402とシミュレートされた位置サンプルセット406について実行され得る。
【0045】
実測位置サンプル404は、実測位置サンプルセット402内の1つの位置サンプルであり得る。実測位置サンプル404との時間と同等の時間を有するシミュレートされた位置サンプル408は、シミュレートされた位置サンプルセット406から抽出され得る。すなわち、実測位置サンプル404とシミュレートされた位置サンプル408は、同時に生成される。
【0046】
410において、実測位置サンプル404とシミュレートされた位置サンプル408との差値が計算され得る。
【0047】
420において、差値が所定の閾値を超えるか否かを特定し得る。所定の閾値は、0.5メートルであり得る。
【0048】
420において、差値が所定の閾値を超えると特定されると、プロセス400は430に進む。430において、実測位置サンプル404とシミュレートされた位置サンプル408が組み合わせられてエラー位置ペアが形成され得る。
【0049】
420において、差値が所定の閾値を超えないと特定されると、プロセス400は440に進む。440において、プロセス400は終了する。
【0050】
プロセス400は、実測位置サンプルセット402内の各実測位置サンプルについて実行され得て、複数のエラー位置ペアが得られる。複数のエラー位置ペアは、補償値計算モデルを訓練するための複数の訓練サンプルを生成するために使用され得る。
【0051】
図5は、本開示の実施形態による、エラー位置ペアに基づいて訓練サンプルを生成するための例示的なプロセス500を示す。プロセス500は、図3のステップ308に対応し得る。
【0052】
502において、エラー位置ペア内の実測位置サンプルに対応する自動車環境特徴サンプルが検出され得る。自動車環境特徴サンプルは、図2のプロセス200に示される自動車環境特徴を検出するためのプロセスと同様のプロセスにより検出され得る。例えば、エラー位置ペアに対応する時間サンプルがまず得られ得る。次に、試験車両の周囲環境に関する、その時間サンプルに試験車両のセンサにより捕捉された画像サンプルが得られ得る。次に、画像サンプル中の遮蔽物体サンプルが識別され得る。例えば、所定のカテゴリを有する物体が画像サンプルから画像認識技術によって識別され得る。所定のカテゴリは、高層ビル、樹木、橋、トンネル等であり得る。識別された物体は、遮蔽物体サンプルでとして取り扱われ得る。遮蔽物体サンプルの物体特徴サンプルが検出され得る。物体特徴サンプルには例えば、遮蔽物体サンプルのカテゴリ、遮蔽物体サンプルの形状、遮蔽物体サンプルの大きさ、遮蔽物体サンプルの、試験車両に関する位置等が含まれ得る。最後に、物体特徴サンプル及び/又は時間サンプルが組み合わせられて自動車環境特徴サンプルが形成され得る。
【0053】
504において、自動車環境特徴サンプルに対応する位置補償値ラベルが、エラー位置ペア内の実測位置サンプルとシミュレートされた位置サンプルとの差値を計算することによって生成され得る。シミュレートされた位置サンプルは、位置シミュレーションシステムによって出力されて、精密な真の位置であるとみなされ得る。実測位置サンプルとシミュレートされた位置サンプルとの差値は、実測位置と精密な真の位置との差値とみなされ得る。それゆえ、このような差値は、位置補償値ラベルとして使用され得る。
【0054】
506において、自動車環境特徴サンプルと位置補償値ラベルが組み合わせられて、エラー位置ペアに対応する訓練サンプルが形成され得る。すなわち、訓練サンプルは、自動車環境特徴サンプルと自動車環境特徴サンプルとに対応する位置補償値ラベルを含み得る。それに対応して、このような訓練サンプルを使用して訓練された補償値計算モデルは、入力された自動車環境特徴に基づいて、自動車環境特徴に対応する位置補償値を出力し得る。
【0055】
プロセス500は、複数のエラー位置ペアの各々について実行され、複数のエラー位置ペアに対応する複数の訓練サンプルが得られ得る。複数の訓練サンプルが組み合わせられて、補償値計算モデル、例えば、図1の補償値計算モデル110を訓練するための訓練データセットが形成され得る。
【0056】
上述のプロセスにおいて、試験車両は、可能な限り多くの異なる状況又は道路条件で走行させられ得て、それによって、膨大な数の実測位置サンプルと、様々な状況及び道路条件を包含する自動車環境特徴サンプルが得られる。それに対応して、位置シミュレーションシステムは、膨大な数のシミュレートされた位置サンプルを出力させられ得る。このようにして、補償値計算モデルを訓練するための十分な量の訓練サンプルが生成され得る。十分な量の訓練サンプルを含む訓練データセットを使用して訓練された補償値計算モデルは、配備されると、正確な位置補償値を出力することができる。
【0057】
理解すべき点として、図3乃至図5に関して上述した補償値計算モデルのための訓練データセットを生成するためのプロセスは例にすぎない。訓練データセットを生成するためのプロセスのステップは、実際の用途によるニーズに応じていずれの方法により置き換えられ又は修正されるものとしてもよく、プロセスは、より多い又は少ないステップを含み得る。それに加えて、プロセス300~500のステップの特定の順序又は階層は例にすぎず、補償値計算モデルのための訓練データセットを生成するためのプロセスは、記載されたものとは異なる順序でも実行され得る。
【0058】
図6は、本開示の実施形態による、自動車の測位精度を高めるための例示的な装置600を示す。装置600は、自動車の実測位置を取得するための実測位置取得モジュール610と、実測位置に対応する自動車環境特徴を検出するための自動車環境特徴検出モジュール620と、自動車環境特徴に基づいて位置補償値を計算するための補償値計算モジュール630と、位置補償値を使用して実測位置を補償して自動車の測位精度を高めるための位置補償モジュール640と、を含み得る。それに加えて、装置600は、自動車の測位精度を高めるように構成された、本開示の上述の実施形態による他のいずれのモジュールも含み得る。
【0059】
図7は、本開示の実施形態による、自動車の測位精度を高めるための他の例示的な装置700を示す。装置700は、プロセッサ710と、コンピュータ実行可能命令を記憶するメモリ720と、を含み得る。コンピュータ実行可能命令は、実行されると、プロセッサ710に前述の自動車の測位精度を高めるための方法のいずれかの動作を実施させることができる。
【0060】
本開示の実施形態は、自動車の測位精度を高めるためのコンピュータプログラム製品を提案し、これは、プロセッサにより実行されて、前述の自動車の測位精度を高めるための方法のいずれかの動作を実施するためのコンピュータプログラムを含む。
【0061】
本開示の実施形態は、非一時的コンピュータ可読媒体で実施され得る。非一時的コンピュータ可読媒体は、実行されると、プロセッサに前述の自動車の測位精度を高めるための方法のいずれかの動作を実施させるための命令を含み得る。
【0062】
理解すべき点として、前述の装置内のモジュールは全て、様々な方法により実装され得る。これらのモジュールは、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組合せとして実装され得る。それに加えて、これらのモジュールはいずれも、機能的にサブモジュールにさらに分割され又は組み合わせられるものとしてもよい。
【0063】
プロセッサについては、各種の装置及び方法と関連して既に説明した。これらのプロセッサは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア又はそれらのいずれかの組合せとして実装され得る。これらのプロセッサがハードウェアで実装されるかソフトウェアで実装されるかは、特定の用途及びシステムに対する全体的な設計上の制約に依存する。一例として、本開示において提供されるプロセッサ、プロセッサのいずれかの部分、又は、複数のプロセッサのいずれかの組合せは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、ステートマシン、ゲートロジック、ディスクリートハードウェア回路、及び、本開示に記載された各種の機能を実行するように構成された他の適当な処理コンポーネントとして実装され得る。本開示において提供されるプロセッサ、プロセッサのいずれかの部分、又は、複数のプロセッサのいずれかの組合せの機能は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、又は、他の適当なプラットフォームにより実行されるソフトウェアとして実装され得る。
【0064】
当業者であれば理解することができるように、本発明の本質から逸脱することなく、上述の実施形態に様々な修正や変更を加えることができ、これらの修正や変更は、全て本発明の保護範囲に含められるものであり、本発明の保護範囲は特許請求項により定義されるべきである。
【符号の説明】
【0065】
100 自動車の測位精度を高めるためのプロセス
102 実測位置
104 自動車環境特徴
110 補償値計算モデル
112 位置補償値
120 位置補償モジュール
122 補償後の位置
200 自動車環境特徴を検出するためのプロセス
300 訓練データセットを生成するためのプロセス
400 エラー位置ペアを形成するためのプロセス
402 実測位置サンプルセット
404 実測位置サンプル
406 シミュレートされた位置サンプルセット
408 シミュレートされた位置サンプル
500 訓練サンプルを生成するためのプロセス
600 自動車の測位精度を高めるための装置
610 実測位置取得モジュール
620 自動車環境特徴検出モジュール
630 補償値計算モジュール
640 位置補償モジュール
700 自動車の測位精度を高めるための装置
710 プロセッサ
720 メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-03-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の測位精度を高めるための方法であって、
自動車の実測位置を取得するステップと、
前記実測位置に対応する自動車環境特徴を検出するステップと、
前記自動車環境特徴に基づいて位置補償値を計算するステップと、
前記位置補償値を使用して前記実測位置を補償し、前記自動車の測位精度を高めるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記実測位置に対応する前記自動車環境特徴を検出する前記ステップは、
前記実測位置に対応する時間を取得するステップと、
前記自動車の周囲環境に関する、前記時間において前記自動車のセンサによって捕捉された画像を取得するステップと、
前記画像内の遮蔽物体を識別するステップと、
前記遮蔽物体の物体特徴を検出するステップであって、前記物体特徴は、前記遮蔽物体のカテゴリ、前記遮蔽物体の形状、前記遮蔽物体の大きさ、及び、前記遮蔽物体の、前記自動車に関する位置のうちの少なくとも1つを含む、ステップと、
前記物体特徴及び/又は前記時間を組み合わせて前記自動車環境特徴を形成するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像内の遮蔽物体を識別する前記ステップは、
前記画像から所定のカテゴリを有する物体を画像認識技術によって識別するステップであって、前記所定のカテゴリは、高層ビル、樹木、橋及びトンネルのうちの少なくとも1つを含む、ステップと、
前記識別された物体を前記遮蔽物体として取り扱うステップと、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記位置補償値を前記自動車環境特徴に基づいて計算する前記ステップは、
前記位置補償値を前記自動車環境特徴に基づいて補償値計算モデルによって計算するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記補償値計算モデルを訓練するステップは、
試験車両及び位置シミュレーションシステムによって訓練データセットを生成するステップと、
前記訓練データセットを使用して前記補償値計算モデルを訓練するステップと、
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記訓練データセットを前記試験車両及び前記位置シミュレーションシステムによって生成する前記ステップは、
前記試験車両の測位モジュールにより出力された実測位置サンプルセットを取得するステップと、
前記位置シミュレーションシステムにより出力された、シミュレートされた位置サンプルセットを取得するステップと、
複数のエラー位置ペアを前記実測位置サンプルセットと前記シミュレートされた位置サンプルセットによって形成するステップと、
複数の訓練サンプルを前記複数のエラー位置ペアに基づいて生成するステップと、
前記複数の訓練サンプルを組み合わせて前記訓練データセットを形成するステップと、
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記実測位置サンプルセット及び前記シミュレートされた位置サンプルセットは、同等の条件下で生成され、前記同等の条件は、同等の車両、同等の始点、同等の終点、及び、同等の走行ルートを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数のエラー位置ペアを前記実測位置サンプルセット及び前記シミュレートされた位置サンプルセットにより形成する前記ステップは、前記実測位置サンプルセットのうちの各実測位置サンプルについて、
前記シミュレートされた位置サンプルセットから、前記実測位置サンプルの前記時間と同等の時間を有するシミュレートされた位置サンプルを抽出するステップと、
前記実測位置サンプルと前記シミュレートされた位置サンプルとの差値を計算するステップと、
前記差値が所定の閾値を超えるか否かを特定するステップと、
前記差値が前記所定の閾値を超えると特定することに応答して、前記実測位置サンプルと前記シミュレートされた位置サンプルとを組み合わせてエラー位置ペアを形成するステップと、
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の訓練サンプルを前記複数のエラー位置ペアに基づいて生成する前記ステップは、前記複数のエラー位置ペアの各々について、
前記エラー位置ペア内の実測位置サンプルに対応する自動車環境特徴サンプルを検出するステップと、
前記自動車環境特徴サンプルに対応する位置補償値ラベルを、前記エラー位置ペア内の前記実測位置サンプルと前記シミュレートされた位置サンプルとの差値を計算することによって生成するステップと、
前記自動車環境特徴サンプルと前記位置補償値ラベルとを組み合わせて、前記エラー位置ペアに対応する訓練サンプルを形成するステップと、
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記エラー位置ペア内の前記実測位置サンプルに対応する前記自動車環境特徴サンプルを検出する前記ステップは、
前記エラー位置ペアに対応する時間サンプルを取得するステップと、
前記試験車両の周囲環境に関する、前記時間サンプルにおいて前記試験車両のセンサにより捕捉された画像サンプルを取得するステップと、
前記画像サンプル内の遮蔽物体サンプルを識別するステップと、
前記遮蔽物体サンプルの物体特徴サンプルを検出するステップであって、前記物体特徴サンプルは、前記遮蔽物体サンプルのカテゴリ、前記遮蔽物体サンプルの形状、前記遮蔽物体サンプルの大きさ、及び、前記遮蔽物体の、前記試験車両に関する位置のうちの少なくとも1つを含む、ステップと、
前記物体特徴サンプル及び/又は前記時間サンプルを組み合わせて前記自動車環境特徴サンプルを形成するステップと、
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
自動車の測位精度を高めるための装置であって、
自動車の実測位置を取得するための実測位置取得モジュールと、
前記実測位置に対応する自動車環境特徴を検出するための自動車環境特徴検出モジュールと、
前記自動車環境特徴に基づいて位置補償値を計算するための補償値計算モジュールと、
前記位置補償値を使用して前記実測位置を補償し、前記自動車の測位精度を高めるための位置補償モジュールと、
を備える装置。
【請求項12】
前記自動車環境特徴検出モジュールは、
前記実測位置に対応する時間を取得するための時間取得モジュールと、
前記自動車の周囲環境に関する、前記時間において前記自動車のセンサによって捕捉された画像を取得するための画像取得モジュールと、
前記画像内の遮蔽物体を識別するための遮蔽物体識別モジュールと、
前記遮蔽物体の物体特徴を検出するための物体特徴検出モジュールであって、前記物体特徴は、前記遮蔽物体のカテゴリ、前記遮蔽物体の形状、前記遮蔽物体の大きさ、及び、前記遮蔽物体の、前記自動車に関する位置のうちの少なくとも1つを含む、物体特徴検出モジュールと、
前記物体特徴及び/又は前記時間を組み合わせて前記自動車環境特徴を形成するための自動車環境特徴組合せモジュールと、
を備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記補償値計算モジュールは、機械学習に基づく補償値計算モデルであり、前記補償値計算モデルを訓練するステップは、
試験車両及び位置シミュレーションシステムによって訓練データセットを生成するステップと、
前記訓練データセットを使用して前記補償値計算モデルを訓練するステップと、
を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
自動車の測位精度を高めるための装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサにより実行されたときに、前記プロセッサに請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法を実施させるためのコンピュータ実行可能命令を記憶するメモリと、
を備える装置。
【請求項15】
自動車の測位精度を高めるためのコンピュータプログラムあって、当該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されたときに前記プロセッサに請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法を実施させるためのコンピュータプログラム
【外国語明細書】