(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080674
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】リレーバイパス機構
(51)【国際特許分類】
H01H 50/00 20060101AFI20240606BHJP
H01H 33/28 20060101ALI20240606BHJP
H01H 50/54 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
H01H50/00 E
H01H33/28 B
H01H50/00 Z
H01H50/54 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023203023
(22)【出願日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】63/429,205
(32)【優先日】2022-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517094840
【氏名又は名称】ソーラーエッジ テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴァチェスラフ ガク
(72)【発明者】
【氏名】ギラド レシェフ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】スイッチ及びバイパス機構を含むスイッチデバイスと、スイッチデバイスのスイッチを手動で操作する方法と、が提供される。
【解決手段】スイッチ111は、第1の端子113aと、第2の端子113bと、第1の位置及び第2の位置にあり、第1の位置又は第2の位置のいずれかにあるときに第1の端子113aと第2の端子113bとの間に接続を形成するように構成されている接触部材115と、接触部材115の移行を容易にし、外力がない場合に接触部材115を第1の位置又は第2の位置に保持するように構成されている制御ユニット117と、を含む。バイパス機構131は、鋭角又は鈍角である第1の角度で接触部材115に接触するように構成されている第1の表面133aを有する少なくとも1つの可動部材133を含む。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
スイッチであって、
第1の端子と、
第2の端子と、
係合部を有する接触部材であって、前記接触部材は、第1の位置及び第2の位置にあり、前記第1の位置又は前記第2の位置のいずれかにあるときに前記第1の端子と前記第2の端子との間に接続を形成するように構成されている、接触部材と、
前記接触部材の移行を容易にし、外力がない場合に前記接触部材を前記第1の位置又は前記第2の位置に保持するように構成されている制御ユニットと、を備える、スイッチと、
バイパス機構であって、
前記接触部材の長手方向軸に垂直な軸に対して鋭角又は鈍角である第1の角度で前記接触部材の前記係合部に接触するように構成されている第1の表面を有する少なくとも第1の可動部材を備える、バイパス機構と、を備える、装置。
【請求項2】
前記第1の可動部材は、前記接触部材の前記係合部に向かって動き、前記第1の位置から前記第2の位置への前記接触部材の移行を容易にするために前記接触部材に力を加えるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の可動部材は、前記力が前記第1の可動部材にもはや加えられなくなると、前記接触部材の前記係合部から離れるように動くように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記バイパス機構は、前記軸に対して鋭角又は鈍角である第2の角度で前記接触部材の前記係合部に接触するように構成されている第2の表面を有する第2の可動部材を更に備え、前記第2の角度が前記第1の角度とは異なる、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第2の可動部材は、前記第2の可動部材に加えられた力に応答して前記接触部材の前記係合部に向かって動き、前記接触部材に力を加えて前記第2の位置から前記第1の位置への前記接触部材の移行を容易にするように構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第2の可動部材は、前記力が前記第2の可動部材にもはや加えられなくなると、前記接触部材の前記係合部から離れるように動くように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記バイパス機構は、前記第1の可動部材に結合された第1のアクチュエータを更に備え、前記第1の可動部材は、前記第1のアクチュエータによって伝達された前記力に応答して前記接触部材の前記係合部に向かって動くように構成されている、請求項4~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記バイパス機構が、前記第2の可動部材に結合された第2のアクチュエータを更に備え、前記第2の可動部材は、前記第2のアクチュエータによって伝達された前記力に応答して前記接触部材の前記係合部に向かって動くように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記バイパス機構は、前記第1の可動部材に結合された第1の機構を更に備え、前記第1の機構は、前記力が前記第1の可動部材にもはや加えられなくなると、前記接触部材の前記係合部から離れる前記第1の可動部材の前記動きを容易にするように構成されている、請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記バイパス機構は、前記第2の可動部材に結合された第2の機構を更に備え、前記第2の機構は、前記力が前記第2の可動部材にもはや加えられなくなると、前記接触部材の前記係合部から離れる前記第2の可動部材の前記動きを容易にするように構成されている、請求項7~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記バイパス機構は、第1の支持層及び第2の支持層を更に備え、
前記第1の可動部材は、前記第1の支持層を介して前記第1のアクチュエータに結合され、
前記第2の可動部材は、前記第2の支持層を介して前記第2のアクチュエータに結合されている、請求項8~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の可動部材は、細長い形状を有し、
前記第1の可動部材の長手方向軸は、前記第1の支持層と前記第1の表面との間に延在し、
前記第1の角度は、前記第1の支持層に対して鋭角又は鈍角であり、
前記第2の可動部材は、細長い形状を有し、
前記第2の可動部材の長手方向軸は、前記第2の支持層と前記第2の表面との間に延在し、
前記第2の角度は、前記第2の支持層に対して鋭角又は鈍角である、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の可動部材は、前記第1の支持層に加えられた力に応答して前記接触部材の前記係合部に向かって動くように構成され、
前記第1の可動部材は、前記力が前記第1の支持層にもはや加えられなくなると、前記接触部材の前記係合部から離れるように動くように構成され、
前記第2の可動部材は、前記第2の支持層に加えられた力に応答して前記接触部材の前記係合部に向かって動くように構成され、
前記第2の可動部材は、前記力が前記第2の支持層にもはや加えられなくなると、前記接触部材の前記係合部から離れるように動くように構成されている、
請求項11又は12に記載の装置。
【請求項14】
前記バイパス機構は、前記第1の支持層、前記第1の可動部材、前記第2の支持層、及び前記第2の可動部材に対して相補的な基部を更に備え、
前記第1の支持層及び前記基部は、前記力が前記第1の支持層に加えられていないときに前記第1の支持層と前記基部との間に第1の所定の距離を保持するように構成されている第1の機構を介して結合され、
前記第2の支持層及び前記基部は、前記力が前記第2の支持層に加えられていないときに前記第2の支持層と前記基部との間に第2の所定の距離を保持するように構成されている第2の機構を介して結合されている、
請求項13に記載の装置。
【請求項15】
複数のスイッチ、複数の第1の可動部材、及び複数の第2の可動部材を備え、各第1の可動部材及び前記各第1の可動部材の対応する第2の可動部材が各スイッチに対応し、前記複数の第1の可動部材が共通の第1のアクチュエータに結合され、前記複数の第2の可動部材が共通の第2のアクチュエータに結合されている、請求項4~14のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電磁スイッチ用の機械的バイパス機構に関する。
【背景技術】
【0002】
リレーは電磁的に操作されるスイッチである。これは一般に、単一又は複数の制御信号用の一組の入力端子と、一組の動作接触端子と、からなる。スイッチは、メーク接点、ブレーク接点、又はそれらの組み合わせなど、複数の接点形態の任意の数の接点を有することができる。典型的には、リレーは、コイルなどの電磁石を使用して接点を開閉するが、可動部品に依存せずに制御のために半導体特性を使用するソリッドステートリレーなど、他の動作原理に基づくリレーも存在する。
【0003】
ラッチングリレーは、コイルに電力が印加されなくてもいずれかの接点位置を無期限に維持するように構成されている二位置電気機械的スイッチである。ラッチングリレーのコイルは、リレーがスイッチオンされている間だけ電力を消費し、それによってリレーの接点位置を変化させる。コイルに供給される電力を遮断することによってスイッチが解放された後、その接点は同じ位置に留まる。ラッチングリレーの利点のうちの1つは、リレーが切り替えられている間、1つのコイルが一瞬だけ電力を消費し、リレー接点が停電の間この設定を保持することである。
【0004】
いくつかの電気用途では、電気デバイス(例えば、発電回路)は、規格及び規制に従って、自動スイッチング回路(例えば、回路遮断器)を備え得る。自動スイッチング回路は、制御回路によって検出された中断又は障害(例えば、高電流、高電圧、サブグリッド又はスタンドアロングリッドへの回路の意図しない給電)に基づいて、電力グリッド(例えば、配電グリッド、分散型発電機、又はマイクログリッド)及び負荷又は電気パネルから電気デバイスを切断し得る。バッテリエネルギー貯蔵システムからの住宅全体バックアップはまた、バックアップを可能にするために配電グリッドから住宅を切断するか、又はバッテリエネルギー貯蔵システムに十分なワット数があるときにバックアップモードから発電デバイスに切り替える自動化された手段も必要とする。ラッチングリレー又はラッチングリレーのアレイは、発電デバイス又は貯蔵デバイス、ユーザの電気パネル、及び配電グリッドの間の接続を制御するために、そのような電気用途において使用され得る。
【0005】
リレーアレイは、複数のリレーレッグと、制御回路と、を備え得る。各リレーレッグは、発電デバイス又は貯蔵デバイスの出力と電力グリッド又は負荷との間を接続することができる。リレーレッグの各々は、リレーが損傷又は非アクティブである場合であってもグリッド又は負荷の切断を確実にするように、少なくとも2つのリレーを備え得る。リレーの各々は、制御コイルによって制御され得る接触部材を備えてもよく、それにより、電流が制御コイルを通過すると、磁界が生成されて、接触部材を制御する機構(例えば、電磁石などの電気機械的機構)を作動させ、それによって接触部材の接続を形成又は遮断する(例えば、接触部材構成を変更する)ことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以下は、開示された態様の簡略化された概要を提示し、これらの態様の基本的な理解を提供する。本概要は、態様の包括的な概説ではない。本開示の鍵となる要素若しくは重要な要素を特定すること、又は本開示の範囲を定めることは、意図されていない。
【0007】
本開示の態様は、スイッチ及びバイパス機構を備える装置(本明細書では「スイッチデバイス」とも呼ばれる)に関する。スイッチは、2つの端子を接続及び切断し、外力がない場合に当該接続モード又は切断モードに留まるように構成される。バイパス機構は、例えば、当該スイッチが端子の必要とされる切断の接続を実行できない場合に、スイッチを回避することを可能にする。バイパス機構は、スイッチが接続モードに留まっているときには端子を切断し、スイッチが切断モードに留まっているときには端子を接続するために外力を加えることができる。
【0008】
スイッチは、コイルなどの電磁構成要素によって制御されるラッチングリレーの形態であってもよく、バイパス機構は、機械的に操作される部材に基づいてもよい。コイルに対する制御は、機械的に操作される部材に対する制御から切り離されてもよい。例えば、コイルは、コイルを含む電磁回路を備える制御ユニットによって制御されてもよい。機械的に操作される部材は、ユーザによって手動で制御されてもよい。
【0009】
本発明の装置は、1つ以上のエネルギー生成デバイス及び/又はエネルギー貯蔵デバイスを負荷及び/又はグリッドに接続する際に使用することができる。当該装置は、リレーが機能していない場合であっても、必要なときに、当該デバイスを別のデバイス又はグリッドから切断することを容易にするスイッチング機構を提供することができる。例えば、エネルギー生成デバイスによって供給される電力が十分でない場合、又は配電グリッドに停電がある場合、負荷をエネルギー貯蔵デバイスに接続する必要がある場合がある。不十分な電力状況が解決されると、負荷はエネルギー貯蔵デバイスから切断されてもよい。リレーが必要な動作(接続又は切断)を実行できない場合、ユーザは、バイパス機構を作動させることによって、誤動作しているリレーを回避することができる。
【0010】
スイッチは、第1の端子及び第2の端子と、第1の位置及び第2の位置にあるように構成されている接触部材とを含むことができる。接触部材は、第1の位置又は第2の位置のいずれかにあるとき、第1の端子と第2の端子との間に接続を形成する。スイッチは、接触部材の移行を容易にし、外力がない場合に接触部材を第1の位置又は第2の位置に保持するように構成されている制御ユニットを更に含むことができる。第1の位置は、例えば、第1の位置にあるとき接触部材が第1の端子と第2の端子との間に接続を形成し、第2の位置にあるとき接触部材が第1の端子と第2の端子との間に接続を形成しないように、第2の位置と異なってもよい。代替として、第2の位置にあるとき、接触部材は、第1の端子と第2の端子との間に接続を形成してもよく、第1の位置にあるとき、接触部材は、第1の端子と第2の端子との間に接続を形成しなくてもよい。代替として、第1の位置にあるとき、接触部材は、第1の端子と第2の端子との間に接続を形成し、第2の位置にあるとき、接触部材は、第3の端子と第4の端子との間に接続を形成する。
【0011】
バイパス機構は、第1の角度で接触部材の縁部に接触するように構成されている第1の表面を有する少なくとも第1の可動部材を含むことができる。第1の表面は、第1の可動部材の係合部、又は第1の係合部とも称され得る。縁部は、接触部材の係合部、縁部係合部、又は接触部材の機械的係合部とも称され得る。接触部材の機械的係合部は、接触部材の電気的係合部と同じであっても異なっていてもよい。第1の角度は、鋭角又は鈍角であってよい。第1の角度は、接触部材に垂直な軸に対して鋭角又は鈍角であってよい。軸は、接触部材の長さに対して垂直であり得るか又は直交し得る。接触部材の長さは、接触部材の長手方向軸に沿って接触部材の縁部から離れるように延在してもよい。軸は、接触部材の長手方向軸に直交し得る。軸は、第1の可動部材の長手方向軸に対して垂直であり得るか又は直交し得る。第1の可動部材が支持層を有する例では、軸は第1の可動部材の支持層に平行であってもよい。支持層は、短手方向軸に沿って延在してもよい。第1の可動部材の長手方向軸は、支持層の短手方向軸に直交し得る。縁部が丸みを帯びた表面を有する例では、軸は、丸みを帯びた表面の接線に平行であり得る。いくつかの例では、接線は、丸みを帯びた表面の最も遠い側にあってもよい。例えば、接線は、接触部材の長手方向軸の端部の点にあってもよい。縁部は、接触部材の表面の一部分であってもよい。縁部は、接触部材の長手方向軸の端部又はその近くに位置してもよい。
【0012】
バイパス機構は、第1の可動部材に結合された第1のアクチュエータを更に備えることができる。バイパス機構によるスイッチのバイパスは、第1の可動部材が接触部材の縁部に力を加えることによって実施されて、アクチュエータによって伝達された力に応答して第1の位置から第2の位置への接触部材の移行を容易にすることができる。当該力は、とりわけ、ユーザによって手動で加えられてもよい。したがって、第1の可動部材は、(スイッチの構成に応じて)第1の端子と第2の端子とを接続すること、又は第1の端子と第2の端子とを切断することのいずれかを可能にする。
【0013】
バイパス機構はまた、力がもはや加えられなくなると、第1の可動部材が接触部材の縁部から離れるように動くように構成されてもよい。当該動きは、例えば弾性部材によって容易にすることができる。
【0014】
バイパス機構は、第2の角度で接触部材の縁部に接触するように構成されている第2の表面を有する第2の可動部材を更に備えることができる。第2の表面はまた、第2の可動部材の係合部、又は第2の係合部とも称され得る。第2の角度は、鋭角又は鈍角であってよい。例えば、第2の角度は、接触部材に垂直な(例えば、接触部材の長さに垂直な)軸に対して鋭角又は鈍角であってよい。第2の角度は、第1の角度と異なっていてもよい。第2の可動部材は、接触部材の縁部に力を加えて、第2の支持層に加えられた力に応答して第2の位置から第1の位置への接触部材の移行を容易にするように構成され得る。
【0015】
したがって、第1の可動部材と第2の可動部材との組み合わせは、第1の端子と第2の端子とを接続すること、及び第1の端子と第2の端子とを切断することの両方を可能にする。換言すれば、第1の可動部材と第2の可動部材との組み合わせは、双方向バイパス機構を提供し、それぞれ、接触部材が制御ユニットによって第1の位置又は第2の位置に保持されるときに第1の端子を第2の端子に接続すること、及び接触部材が第2の位置又は第1の位置に保持されるときに、第1の端子を第2の端子から切断することを含む、制御ユニットの動作に関係なくスイッチ動作を完全に制御することを可能にする。例えば、接触部材が第1の位置にあるときに第1の端子と第2の端子との間に接続を形成する場合、双方向バイパス機構は、可動部材が第1の位置にあるときに第1の端子を第2の端子から切断することを可能にする。双方向バイパス機構は更に、接触部材が第2の位置にあるとき、第1の端子を第2の端子に接続することを可能にする。スイッチの制御ユニットの動作に依存しない双方向バイパス機構を提供することによって、本発明の原理による装置は、ユーザが、当該スイッチが付けられた任意のタイプの電気接続を動作させることを可能にする。
【0016】
本開示の更なる態様は、上記で概説したようなスイッチ及びバイパス機構を備える装置を備えるエネルギー生成及び/又は貯蔵システムに関し、スイッチは、当該システムを電力グリッド及び負荷のうちの少なくとも1つに接続するように構成され、バイパス機構は、スイッチが当該動作を実行できないときに接続を有効又は無効にするように構成される。
【0017】
第1のアクチュエータ、第2のアクチュエータ、又は両方を作動させることを含む、上記で概説された装置のスイッチを手動で操作する方法が更に提供される。
【0018】
本発明の更なる態様及び実施形態によれば、上記で概説した装置を備えるエネルギー生成及び/又は貯蔵システムを、電力グリッド及び負荷のうちの少なくとも1つから手動で切断する方法が提供され、方法は第1のアクチュエータを作動させることを含む。更に、当該エネルギー生成及び/又は貯蔵システムを、電力グリッド及び負荷のうちの少なくとも1つに手動で接続する方法が提供され、方法は第2のアクチュエータを作動させることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明のより完全な理解及びその利点は、添付の図面を考慮して以下の説明を参照することによって得ることができるが、ここでは、類似の参照番号は同様の特徴を示している。
【
図1A】本発明のいくつかの実施形態による、スイッチ及びバイパス機構を含むスイッチデバイスを示し、バイパス機構は、第1の可動部材を含む。
【
図1B】本発明のいくつかの実施形態による、スイッチ及びバイパス機構を含むスイッチデバイスを示し、バイパス機構は、第1の可動部材を含む。
【
図1C】本発明のいくつかの実施形態による、スイッチ及びバイパス機構を含むスイッチデバイスを示し、バイパス機構は、第1の可動部材を含む。
【
図1D】本発明のいくつかの実施形態による、スイッチ及びバイパス機構を含むスイッチデバイスを示し、バイパス機構は、第1の可動部材を含む。
【
図1E】本発明のいくつかの実施形態による、スイッチ及びバイパス機構を含むスイッチデバイスの例を示し、バイパス機構は、第2の可動部材を含む。
【
図1F】本発明のいくつかの実施形態による、スイッチ及びバイパス機構を含むスイッチデバイスの例を示し、バイパス機構は、第2の可動部材を含む。
【
図1G】本発明のいくつかの実施形態による、スイッチ及びバイパス機構を含むスイッチデバイスの例を示し、バイパス機構は、第2の可動部材を含む。
【
図1H】本発明のいくつかの実施形態による、スイッチ及びバイパス機構を含むスイッチデバイスの例を示し、バイパス機構は、第2の可動部材を含む。
【
図2A】本発明のいくつかの実施形態による、
図1A~
図1Dのスイッチデバイスの第1の可動部材と接触部材との間の接点の詳細図を示す。
【
図2B】本発明のいくつかの実施形態による、
図1E~
図1Hのスイッチデバイスの第2の可動部材と接触部材との間の接点の詳細図を示す。
【
図2C】本発明のいくつかの実施形態による、第1の可動部材と、
図2Aの長さとは異なる長さを有する接触部材との間の接点の詳細図を示す。
【
図2D】本発明のいくつかの実施形態による、第2の可動部材と、
図2Bの長さとは異なる長さを有する接触部材との間の接点の詳細図を示す。
【
図3A】本発明のいくつかの実施形態による、スイッチ及びバイパス機構を含むスイッチデバイスを示し、バイパス機構は、第1の可動部材及び第2の可動部材を含み、スイッチの接触部材は第1の位置にある。
【
図3B】本発明のいくつかの実施形態による、スイッチ及びバイパス機構を含むスイッチデバイスを示し、バイパス機構は、第1の可動部材及び第2の可動部材を含み、スイッチの接触部材は第2の位置にある。
【
図4A】本発明のいくつかの実施形態による、バイパス機構を示し、バイパス機構は、第1の支持層及び第2の支持層を含む。
【
図4B】本発明のいくつかの実施形態による、
図4Aのバイパス機構の分解図を示し、バイパス機構は、基部を更に含む。
【
図5A】本発明のいくつかの実施形態による、複数のスイッチ及びバイパス機構を含むスイッチを含有するスイッチデバイスの分解図を示し、バイパス機構は、複数の第1の可動部材及び第2の可動部材を含む。
【
図5D】
図5Aのスイッチデバイスの詳細図を示し、スイッチがバイパス機構に結合されている。
【
図6】本発明のいくつかの実施形態による、スイッチデバイスを示し、スイッチ及びバイパス機構を部分的に封入する内側カバーを含む。
【
図7】本発明のいくつかの実施形態による、スイッチデバイスを備えるエネルギー生成及び貯蔵システムを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0021】
本発明は、スイッチを備えるスイッチデバイスであって、当該スイッチを動作させる制御ユニットと、バイパス機構とを備え、バイパス機構は、制御ユニットの動作とは独立してスイッチを動作させるように構成される、スイッチデバイスに関する。したがって、バイパス機構は、制御ユニットがこの動作を実行できない場合であっても、スイッチを設定及びリセットすることを可能にする。バイパス機構の動作は、制御ユニットの動作から切り離されてもよい。有利には、バイパス機構は手動で操作されてもよく、電力又は複雑な回路を必要としない。これは、スイッチがラッチングリレーの形態であり、制御ユニットがスイッチを設定及びリセットするように構成されている電磁回路を備え、その動作が電力供給及び電磁回路の適切な機能に依存する場合に特に重要になり得る。
【0022】
本発明の様々な態様及び実施形態によるスイッチデバイスのスイッチは、第1の位置及び第2の位置にあるように構成されている接触部材を含み、スイッチは、第1の位置又は第2の位置のいずれかにあるときに2つの端子間を接続する。本発明の様々な態様及び実施形態によるスイッチデバイスのバイパス機構は、接触部材の縁部に接触するように構成されている表面を有する少なくとも1つの可動部材を含む。いくつかの実施形態では、バイパス機構は、第1の可動部材を含む。いくつかの実施形態では、バイパス機構は、第2の可動部材を含む。いくつかの実施形態では、バイパス機構は、第1の可動部材及び第2の可動部材を含む。
【0023】
ここで
図1A~
図1Dを参照すると、本発明のいくつかの実施形態によるスイッチデバイス101が概略的に示されている。スイッチデバイス101は、スイッチ111及びバイパス機構131を含む。スイッチ111は電磁スイッチであり、実質的に支持基部と一組の電気構成要素とから構成される。本発明に何らかの関連性を有するスイッチ111の主要な構成要素のみが、図に概略的に示され、以下に説明される。
【0024】
スイッチ111は、第1の端子113aと、第2の端子113bと、接触部材115とを含む。接触部材115は、少なくとも第1の位置及び第2の位置にあるように構成される。
図1A~
図1Bは、接触部材115が第1の位置にあること示し、
図1C~
図1Dは、接触部材115が第2の位置にあること示す。接触部材115は、第1の位置にあるとき、第1の端子113aと第2の端子113bとの間に接続を形成する。接触部材115は、第2の位置にあるとき、第1の端子113aと第2の端子113bとの間に接続はない。
【0025】
本明細書で使用される「接続」及び「接続する」という用語は、端子間の電気的接続を指す。
図1A~
図1Dは、接触部材115が第1の位置にあるときに端子113aと端子113bとを接続するスイッチデバイス101を示しているが、本発明の原理によるスイッチデバイスは、接触部材115が第2の位置にあるときに端子113aを端子113bと接続するように構成されてもよいことを理解されたい。例示の目的で、第1の端子113aが第2の端子113bと接続される第1の位置では、接触部材115は垂直に配向され、第1の端子113aが第2の端子113bと接続されない第2の位置において、接触部材115が右に傾くことが更に強調されている。しかしながら、第1の端子が第2の端子と接続されていない第2の位置において、接触部材が左に傾く、本発明の原理によるスイッチデバイスの追加の構成も本開示によって包含される。
【0026】
接触部材115は縁部115aを有する。「縁部」及び「接触部材縁部」という用語は、本明細書では互換的に使用される。縁部115aは、接触部材115の表面の一部分であってもよい。縁部115aは、接触部材115の長手方向軸の端部又はその近くに位置してもよい。縁部115aは、接触部材115が第1の位置にあるとき(
図1A~
図1Bに示すように)、第1の端子113aと接触して第1の端子113aと第2の端子113bとの間に接続を確立するように構成されてもよい。代替として、本発明の原理によるスイッチデバイスは、接触部材115が第2の位置(図示せず)にあるとき、縁部115aが第1の端子113aに接触して、第1の端子113aと第2の端子113bとの間に接続を確立するように設計されてもよい。加えて、スイッチデバイスは、接触部材115が第1の位置又は第2の位置のいずれかにあるとき、縁部115aが第2の端子113bに接触して、第1の端子113aと第2の端子113bとの間に接続を確立するように構成されてもよい。しかしながら、接触部材115が第1の位置又は第2の位置のいずれかにあるときに端子間に接続を確立するために、第1の端子113a及び第2の端子113bのいずれか一方と接触部材縁部115aとの間の物理的又は直接的な接触は必須ではないことを理解されたい。例えば、第1の端子113aは、接触部材115が第1の位置にあるときに縁部115aに電気的に接続されてもよく、それによって第1の端子113aと第2の端子113bとの間に接続を確立する。更に、接触部材115は、第1の位置にあるとき、接触部材115に結合され、接触部材115の動きに応答する機械的又は電気的機構によって、第1の端子113aと第2の端子113bとの間の電気的接続を確立することができる。電気的接続を確立する接触部材の部分は、接触部材の電気的係合部と呼ぶことができる。
【0027】
スイッチ111は、接触部材115の移行を容易にするように構成されている制御ユニット117を更に含む。例えば、制御ユニット117は、第1の位置と第2の位置との間の接触部材115の移行を容易にするように構成されてもよい。制御ユニット117は、外力がない場合に接触部材115を第1の位置又は第2の位置に保持するように更に構成される。接触部材115の移行に言及することは、接触部材115の縁部115aの移行を包含することを理解されたい。
【0028】
制御ユニット117は、当該技術分野で知られている任意の機構を使用して、接触部材115の移行を容易にすることができ、任意選択で、移行後に当該位置にそれを保持することができる。例えば、制御ユニット117は、接触部材の移行を容易にするように構成されている電磁回路を含むことができる。電磁回路は、電磁コイルを含み得る。
【0029】
接触部材115は、制御ユニットによってなされるように、第1の位置と第2の位置との間の移行を可能にし、外力がない場合に当該位置でのその保持を可能にする任意の材料から作製され得る。例えば、接触部材は、電流パルスがコイルに供給されると、接触部材と、接触部材に近接して位置するコイルとの間に電磁引力が発生し、接触部材を第1の位置から第2の位置へ、又はその逆に移行させるように、鉄又は鉄合金などであるがこれらに限定されない磁気伝導性材料で作製されてもよい。反対の極性を有する電流パルスを印加することは、コイルと接触部材との間に斥力を生成し、それによって、反対方向への(すなわち、それぞれ、第2の位置から第1の位置に戻る、又は第1の位置から第2の位置への)接触部材の移行を誘発する。換言すれば、接触部材の2つの動作位置(すなわち、第1の位置及び第2の位置)は、コイルへの通電又は非通電によって制御することができる。
【0030】
制御ユニットは、単一のコイルを含み得る。特定のそのような実施形態では、接触部材の2つの位置間での接触部材の縁部の移行を容易にするために、電流パルスがコイルに送達されるときにコイルの極性を切り替える必要がある。換言すれば、当該単一のコイルは、スイッチを設定及びリセットし、そうするために入力流れ方向が反転されることに依存する。
【0031】
制御ユニットは、2つ以上のコイルを含み得る。例えば、制御ユニットは、設定されたコイル及びリセットされたコイルを含んでもよく、電流パルスは、第1の位置と第2の位置との間での接触部材の縁部の移行を容易にするために、いずれかのコイルに印加されることができる。
【0032】
制御ユニット117は、接触部材115に結合された保持構成要素を更に含むことができ、保持構成要素は、接触部材115に加えられる外力がない場合に接触部材115を第1の位置又は第2の位置に安定して保持するように構成されている。例えば、保持構成要素は、1つ以上の磁気構成要素及び機械的構成要素を含み得る。スイッチは、接触部材が保持構成要素によって第1の位置に保持されるように設計されてもよく、接触部材は、スイッチ又はその構成要素の特定の構造に起因して、保持構成要素が第2の位置に留まること(又はその逆)を必要としない。スイッチは、接触部材を第1の位置に保持するための第1の保持構成要素と、接触部材を第2の位置に保持するための第2の保持構成要素とを更に含むことができ、第1の保持構成要素及び第2の保持構成要素の両方は、磁気保持構成要素又は機械的保持構成要素のいずれかを含むことができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、制御ユニットは、永久磁石などの磁気保持構成要素を含む。特定のそのような実施形態では、接触部材は、状態を変化させる(例えば、同じコイルへの更なる電流パルスの印加を介して、又は異なる(リセットされた)コイルに通電することによって、その磁場が磁石の磁場を打ち消す)ことによって、再び反対方向に戻る)ように強制されるまで、コイルの通電停止後、永久磁石と接触部材の磁性材料との間の電磁力によって、第1の位置又は第2の位置に保持される。永久磁石は、接触部材を第1の位置又は第2の位置から付勢する傾向がある磁界であるが、接触部材をそれぞれ第2の位置又は第1の位置に実際に動かすのに十分な力を加えない磁界を提供するように選択されるか又接触部材に対して配置されてもよい。一方、永久磁石によって提供される磁場は、次の電流パルスが制御ユニットによって印加されるまで、接触部材を電磁コイルによって移転された位置に保持するのに十分であり得る。永久磁石の磁界の強さ及びその位置は、以下に説明するように、バイパス機構の動作を妨げるべきではないことを理解されたい。換言すれば、バイパス機構は、接触部材と永久磁石との間の電磁引力に打ち勝つことができなければならない。
【0034】
いくつかの実施形態では、制御ユニットは、とりわけばね、機械的ロック、又は歯車などの機械的保持構成要素を含む。特定のそのような実施形態では、電磁回路は、第1の位置と第2の位置との間での接触部材の移行を容易にし、機械的保持構成要素は、移行に続いて接触部材を当該第1又は第2の位置に保持する。このような機械的保持構成要素は、以下に説明するように、バイパス機構の動作を妨げるべきではないことが強調されるべきである。例えば、機械的保持構成要素は、バイパス機構の第1の可動部材及び/又は第2の可動部材が接触部材の縁部に力を加えるときに、第1の位置と第2の位置との間での接触部材の移行を防止してはならない。
【0035】
接触部材は、第1の位置又は第2の位置にあるときに第1の端子と第2の端子との間の接続を可能にする、当該技術分野で知られている任意の形状を有することができる。接触部材は、ストリップ、ピン、ロッド、プレートなどの細長い形状を有することができる。接触部材の形状は、以下に詳細に説明するように、可動部材によって加えられた力に応答して第1の位置と第2の位置との間で接触部材が移行することを更に可能にするべきである。接触部材及び1つ以上の可動部材は、深さを有してもよい。例えば、深さは、接触部材の長手方向軸及び1つ以上の可動部材の長手方向軸に直交する平面又は軸に沿って延在してもよい。例えば、接触部材は、斜めに切られていてもよく、接触部材の縁部に係合するように構成されている平坦な表面を有してもよく、これら2つの間の接触が可動部材の表面の深さ及び接触部材の係合部の表面の深さに沿ってなされるようになっている。接触部材の深さは、複数の可動部材が、接触部材の深さの異なる部分で同じ接触部材に係合するように構成され得るような深さであってもよい。接触部材は、接触部材の深さに沿って複数の係合部を有してもよく、各係合部は、複数の可動部材のうちの1つ以上の1つ以上の関連する表面と係合するように構成される。
【0036】
本明細書で使用される「細長い形状」又は「長さ」という用語は、いくつかの実施形態では、第1の方向の寸法が、第1の方向とは異なる第2の方向の寸法よりも長い形状を指す。例えば、細長い形状又は長さを有する物体は、その任意の他の軸よりも長手方向軸を有し得る。
【0037】
接触部材の縁部は、任意の適切な形状を有することができる。縁部は、丸みを帯び、傾斜し、面取りされ、とがった、などの形状であり得る。理論又は作用機構に束縛されることを望むものではないが、丸みを帯びた形状は、接触部材と少なくとも1つの可動部材との間の接触時の摩擦を低減することが企図される。接触部材の縁部と可動部材の表面との間に形成される角度に言及する場合、角度は、可動部材の表面と縁部に対する接線との間で測定されてもよく、当該接線は、可動部材の長手方向軸に直交する。例えば、接線は、接触部材の長手方向軸の端部の点にあってもよい。支持層は、接触部材がその位置の少なくとも1つにあるとき、接触部材に対して垂直(例えば、接触部材の長さに対して垂直)であってもよい。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、スイッチはラッチングリレーである。ラッチングリレーは、磁気ラッチングリレー(すなわち、電磁保持構成要素を含む)又は機械ラッチングリレー(すなわち、機械的保持構成要素を含む)であってもよい。ラッチングリレーのスイッチング動作は、例えば、単一の回路を完成又は遮断するように、又は2つの別個の回路間で電力を切り替える方法として設定されてもよい。
【0039】
図1A~
図1Dは、制御ユニットの概略図を含み、接触部材並びに第1の端子及び第2の端子に対する制御ユニットの形態及び位置は、スイッチデバイス101の構造的特徴とみなされるべきではないことを理解されたい。更に、スイッチの制御ユニットを介してなされる第1の端子と第2の端子との間の概略的な接続は、例示の目的のためだけに示されており、任意のタイプの電気回路を、制御部材が第1の位置又は第2の位置のいずれかにあるときにそれら電気回路の間の電気的接続を提供するために、使用することができる。
【0040】
スイッチデバイス101は、例えば、
図1A~
図1Dに示されるように、バイパス機構131を更に含む。バイパス機構131は、第1の表面133aを有する第1の可動部材133を含む。第1の可動部材133は、接触部材115の縁部115aを第1の可動部材133の第1の表面133aと接触させるように構成される。第1の可動部材133は、接触部材115に向かって動くように更に構成される。第1の可動部材は、接触部材115から離れるように動くように更に構成される。第1の可動部材は加えて、接触部材115を第1の位置(
図1A~
図1Bに示す)から第2の位置(
図1C~
図1Dに示す)に移行させるように構成される。第1の位置から第2の位置への接触部材115の移行は、第1の可動部材133によって接触部材115に、特に接触部材115の縁部115aに加えられた力によって可能になる。
【0041】
図1A~
図1Dは、接触部材115に対する第1の可動部材133の様々な位置を示す。
図1Aは、接触部材115に向かって動き始める前の載置位置にある第1の可動部材133を示す。上記で説明したように、接触部材は、スイッチの特定の構造又は制御ユニットのいずれかによって第1の位置に保持されてもよい。励磁の目的で、
図1Aでは、接触部材115は、スイッチ111及び/又は接触部材115の構造的構成によって第1の位置に保持されると仮定することができる。
図1Bは、依然として第1の位置に保持されている接触部材115に最初に接触するときの第1の可動部材133を示す。接触は、第1の可動部材133の第1の表面133aと接触部材115の縁部115aとの間である。
図1Cは、接触部材115に向かって動きながら接触部材115の縁部115aに接触し続ける第1の可動部材133を示す。第1の可動部材133は、接触部材115に力を加える。第1の可動部材133によって加えられた力に応答して接触部材115が第1の端子113aから離れるように動くと、縁部115aが第1の可動部材133の第1の表面133aにわたって摺動することが分かる。その結果、接触部材115は、第1の位置から第2の位置に移行し、それによって、第1の端子113aと第2の端子113bとの間の電気的接続を遮断する。第1の位置から第2の位置への接触部材115の当該移行は、制御ユニット117によってなされないことが強調されるべきである。代わりに、移行は、第1の可動部材133によって容易にされる。
図1Dは、接触部材115の縁部115aから離れるように動き、その載置位置に戻る第1の可動部材133を示す。
図1Dでは、第1の可動部材133は、接触部材115の縁部115aに接触せず、接触部材115に力を加えない。それにもかかわらず、第1の可動部材133は、制御ユニット117によって第2の位置に保持され、例えば、永久磁石によって電磁的に引き付けられるか、又は機械的ロック(図示せず)によって物理的に保持される。
【0042】
後退特徴(すなわち、バイパス機構によって容易にされる、第1の位置から第2の位置又はその逆へのその移行に続いて、接触部材から離れるように動くことができる可動部材)を有するバイパス機構は、スイッチの機能に干渉しないため、特に有用であり得る。例えば、一時的なスイッチ故障があり、スイッチを設定するためにバイパス機構を使用することが必要とされる場合、後退特徴は、バイパス機構の代わりにスイッチの制御ユニットを使用することによって、スイッチが通常の機能に戻るときにスイッチをリセットすることを可能にする。可動部材は、握りこぶし位置から第2の位置に、又はその逆に移行するとすぐに接触部材から離れるように動くので、可動部材は、制御ユニットによって作動されたときに、接触部材が第2の位置又は第1の位置にそれぞれ戻ることを物理的に妨げない。
【0043】
ここで
図1E~
図1Hを参照すると、本発明のいくつかの実施形態によるスイッチデバイス1101が概略的に示されている。スイッチデバイス1101は、スイッチ1111及びバイパス機構1131を含む。スイッチ1111は電磁スイッチであり、実質的に支持基部と一組の電気構成要素(図示せず)とから構成される。本発明に何らかの関連性を有するスイッチ1111の主要な構成要素のみが、図に概略的に示され、以下に説明される。
【0044】
スイッチ1111は、
図1A~
図1Dに関連して説明したスイッチ111と同一であってもよい。
【0045】
スイッチ1111は、第1の端子1113aと、第2の端子1113bと、接触部材1115とを含む。接触部材1115は、少なくとも第1の位置及び第2の位置にあるように構成される。
図1E~
図1Fは、接触部材1115が第1の位置にあること示し、
図1G~
図1Hは、接触部材1115が第2の位置にあること示す。接触部材1115は、第1の位置にあるとき、第1の端子1113aと第2の端子1113bとの間に接続を形成する。接触部材1115が第2の位置にあるとき、第1の端子1113aと第2の端子1113bとの間に接続はない。
【0046】
図1G~
図1Hは、接触部材1115が第1の位置にあるときに端子1113aと端子1113bとを接続するスイッチデバイス1101を示しているが、本発明の原理によるスイッチデバイスは、接触部材1115が第2の位置にあるときに端子1113aを端子1113bと接続するように構成されてもよいことを更に理解されたい。
【0047】
接触部材1115は縁部1115aを有する。縁部1115aは、接触部材1115が第1の位置にあるとき(
図1G~
図1Hに示すように)、第1の端子1113aと接触して第1の端子1113aと第2の端子113bとの間に接続を確立するように構成されてもよい。
【0048】
スイッチ1111は、接触部材1115の移行を容易にするように構成されている制御ユニット1117を更に含む。例えば、制御ユニット1117は、第1の位置と第2の位置との間の接触部材1115の移行を容易にするように構成されてもよい。制御ユニット1117は、外力がない場合に接触部材1115を第1の位置又は第2の位置に保持するように更に構成される。接触部材1115の移行に言及することは、接触部材1115の縁部1115aの移行を包含することを理解されたい。
【0049】
制御ユニット1117は、
図1A~
図1Dに関連して説明した制御ユニット117と同一であってもよい。
【0050】
図1E~
図1Hは、制御ユニットの概略図を含み、接触部材並びに第1の端子及び第2の端子に対する制御部材の形態及び位置は、スイッチデバイス1101の構造的特徴とみなされるべきではないことを理解されたい。更に、スイッチの制御ユニットを介してなされる第1の端子と第2の端子との間の電気的な接続は、例示の目的のためだけになされており、任意のタイプの電気回路を、制御部材が第1の位置又は第2の位置のいずれかにあるときにそれら電気回路の間の電気的接続を提供するために、使用することができる。
【0051】
スイッチデバイス1101は、例えば、
図1E~
図1Hに示されるように、バイパス機構1131を更に含む。バイパス機構1131は、第2の表面1133aを有する第2の可動部材1133を含む。第2の可動部材は、接触部材1115の縁部1115aを第2の可動部材の第2の表面1133aと接触させるように構成される。第2の可動部材は、接触部材1115に向かって動くように更に構成される。第2の可動部材は、接触部材1115から離れるように動くように更に構成される。第2の可動部材は加えて、接触部材1115を、制御ユニット1117によって保持される第2の位置(
図1E~
図1Fに示す)から第1の位置(
図1G~
図1Hに示す)に移行させるように更に構成される。第2の位置から第1の位置への接触部材1115の移行は、第2の可動部材1133によって接触部材1115に、特に接触部材1115の縁部1115aに加えられた力によって可能になる。
【0052】
図1E~
図1Hは、接触部材1115に対する第2の可動部材1133の様々な位置を示す。
図1Eは、接触部材1115に向かって動く前の、載置位置にある第2の可動部材1133を示す。上記で説明したように、接触部材は、スイッチの特定の構造又は制御ユニットのいずれかによって第1の位置に保持されてもよい。例示の目的で、
図1Eでは、接触部材1115は、制御ユニット1117によって第2の位置に保持され、例えば、永久磁石によって電磁的に引き付けられるか、又は機械的ロック(図示せず)によって物理的に保持されると仮定することができる。
図1Fは、依然として第2の位置に保持されている接触部材1115に最初に接触するときの第2の可動部材1133を示す。接触は、可動部材1133の第2の表面1133aと接触部材1115の縁部1115aとの間である。
図1Gは、接触部材1115に向かって動きながら、接触部材1115の縁部1115aに接触し続ける第2の可動部材1133を示す。第2の可動部材1133は、接触部材1115に力を加える。第2の可動部材1133によって加えられた力に応答して接触部材1115が第1の端子1113aに向かって動くと、縁部1115aが可動部材1133の第2の表面1133aにわたって摺動することが分かる。その結果、接触部材1115は、第2の位置から第1の位置に移行し、それによって、第1の端子1113aと第2の端子1113bとの間の電気的接続を確立する。第2の位置から第1の位置への接触部材1115の当該移行は、制御ユニット1117によってなされないことが強調されるべきである。代わりに、移行は、第2の可動部材1133によって容易にされる。
図1Hは、接触部材1115の縁部1115aから離れるように動き、その載置位置に戻る第2の可動部材1133を示す。
図1Hでは、可動部材1115は、接触部材1115の縁部1115aに接触せず、接触部材1115に力を加えない。それにもかかわらず、第2の可動部材1133は、スイッチ1111及び/又は接触部材1115の構造的構成によって第1の位置に保持される。電気的接続を確立する接触部材の部分は、接触部材の電気的係合部と呼ぶことができる。
【0053】
ここで
図2Aを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、スイッチデバイス101の接触部材115及び第1の可動部材133が概略的に示されている。
図2Aは、
図1Bの一部分の詳細図であり、第1の位置に保持されている接触部材115に最初に接触するときの第1の可動部材133を示す。第1の可動部材133の第1の表面133aが接触部材115の縁部115aに接触するとき、第1の可動部材133の第1の表面133aと接触部材115の縁部115aとの間に第1の角度151が存在する。
【0054】
本明細書で使用される「第1の角度」という用語は、第1の可動部材が接触部材と接触したときに、接触部材の縁部と第1の可動部材の第1の表面との間に形成される角度を指し、接触部材は、
図2Aに示されるように、第1の可動部材の長手方向軸に平行である。例えば、
図1A~
図1Dでは、「第1の角度」という用語は、接触部材が依然として第1の位置にあり、接触部材が可動部材に接触するときに形成される角度を指す(
図1B)。
【0055】
作用機構に拘束されることを望むものではないが、第1の可動部材によって接触部材に加えられた力に応答して第1の位置と第2の位置との間での接触部材の移行を可能にするために、第1の角度は鋭角又は鈍角であるべきであることが企図される。「鋭角」及び「鈍角」という用語は、角度が測定される可動部材及び/又は接触部材の側に応じて、補角を指す場合があることを理解されたい。いくつかの例では、角度は、接触部材に垂直な(例えば、接触部材の長さに垂直な)軸に対して測定されてもよい。
【0056】
作用機構に拘束されることを更に望むものではないが、接触部材115を第1の位置から第2の位置に移転させるために、
図1A~
図1Dに示すように、第1の角度151は、
図2Aに示すように、鋭角であるべきであることが企図される。鋭角を形成するそのような接触時に、接触部材115の縁部115aは、右に(第1の端子113aから離れるように)動く。例えば、第1の角度151は、接触部材115に垂直な(例えば、接触部材の長さに直交する)軸119に対して測定することができる。軸119は、接触部材115の長手方向軸に直交してもよく、接触部材115の深さの軸に直交してもよい。軸119は、接触部材115の幅に沿って延在し得る。軸119は、接触部材115の短手方向軸とも称され得る。
【0057】
ここで
図2Bを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、スイッチデバイス1101の接触部材1115及び第2の可動部材1133が概略的に示されている。
図2Bは、
図1Gの一部分の詳細図であり、第2の可動部材1133によって接触部材1115に加えられた力を受けて接触部材1115が第2の位置から第1の位置に移行した後に、接触部材1115の縁部1115aに接触し続ける第2の可動部材1133を示す。第2の可動部材1133の表面1113aが接触部材1133の縁部1115aに接触するとき、第2の可動部材1133の第2の表面1133aと接触部材1115の縁部1115aとの間に第2の角度1151が存在する。
【0058】
本明細書で使用される「第2の角度」という用語は、第2の可動部材が接触部材と接触したときに、接触部材の縁部と第2の可動部材の第2の表面との間に形成される角度を指し、接触部材は、
図2Bに示されるように、第2の可動部材の長手方向軸に平行である。例えば、
図1E~
図1Hでは、「角度」という用語は、接触部材が第1の位置から移転された後に第1の位置にあり、依然として可動部材に接触しているときに形成される角度を指す(
図1G)。
【0059】
作用機構に拘束されることを望むものではないが、第2の可動部材によって接触部材に加えられた力に応答して第2の位置と第1の位置との間での接触部材の移行を可能にするために、第2の角度は鋭角又は鈍角であるべきであることが企図される。いくつかの例では、第2の角度は、接触部材に垂直な(例えば、接触部材の長さに垂直な)軸に対して測定されてもよい。
【0060】
作用機構に拘束されることを更に望むものではないが、接触部材1115を第2の位置から第1の位置に移転させるために、
図1E~
図1Hに示すように、第2の角度1151は、
図2Bに示すように、鈍角であるべきであることが企図される。鈍角を形成するそのような接触時に、接触部材1115の縁部1115aは、左に(第2の端子1113bに向かって)動く。
【0061】
2つ以上の可動部材を有し、各可動部材と接触部材との間に形成される2つ以上の角度、すなわち、第1の角度及び第2の角度を参照する場合、角度は、接触部材の縁部に対する接線に対して測定され得る。接線は、接触部材の長手方向軸の端部の点にあってもよい。接線は、接触部材の長手方向軸に対して垂直であり得るか又は直交し得る。例えば、第1の角度は、第1の可動部材の第1の表面と接触部材の縁部に対する接線との間で測定されてもよい。第2の角度は、第2の可動部材の第2の表面と接触部材の縁部に対する接線との間で測定されてもよい。接線は、
図2A~
図2Dに示される軸119と実質的に同一又は類似であってもよい。
【0062】
第1の可動部材は、スイッチの双方向バイパスを可能にするために、すなわち、制御ユニットを作動させることなく第1の端子及び第2の端子を接続及び切断することによってスイッチを設定及びリセットすることを可能にするために、単一のバイパス機構において第2の可動部材と組み合わされてもよい。第1の可動部材は、接触部材の第1の位置から第2の位置への移行を可能にするが、第2の可動部材は、同じ接触部材の第2の位置から第1の位置への移行を可能にする。理論又は作用機構に拘束されることを望むものではないが、そのような双方向バイパスを可能にするために、第1の角度は第2の角度と異なるべきであることが企図される。例えば、単一のバイパス機構において、
図2Aに示すような第1の可動部材133と、
図2Bに示すような第2の可動部材1133とを組み合わせる場合、第1の角度151は鋭角であってもよく、第2の角度1151は鈍角であってよい。そのような場合、接触部材115は、第1の可動部材133によって接触部材115に加えられた力に応答して第1の位置から第2の位置にシフトし(すなわち、接触部材115の縁部115aは、第1の端子から離れるように右に動く)、接触部材115は、第2の可動部材1133によって接触部材115に加えられた力に応答して第2の位置から第1の位置にシフトする(すなわち、接触部材115の縁部115aは、第1の端子に向かって左に動く)。いくつかの例では、角度は、接触部材に垂直な(例えば、接触部材の長さに垂直な)軸に対して測定されてもよい。
【0063】
第1の角度及び第2の角度の各々は、個別に、約5°~約85°又は約95°~約175°の範囲であってもよい。例えば、第1の角度は、約10°~約80°の範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の角度は約15°~約60°の範囲である。更なる実施形態では、第1の角度は約20°~約40°の範囲である。特定の実施形態では、第1の角度は約30°である。いくつかの実施形態では、第1の角度は約100°~約170°の範囲である。いくつかの実施形態では、第1の角度は、約120°~約165°の範囲である。更なる実施形態では、第1の角度は、約140°~約160°の範囲である。特定の実施形態では、第1の角度は約150°である。
【0064】
第2の角度は、約100°~約170°の範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の角度は約120°~約165°の範囲である。更なる実施形態では、第2の角度は約140°~約160°の範囲である。特定の実施形態では、第2の角度は約150°である。いくつかの実施形態では、第2の角度は約10°~約80°の範囲である。いくつかの実施形態では、第2の角度は約15°~約60°の範囲である。更なる実施形態では、第2の角度は約20°~約40°の範囲である。特定の実施形態では、第2の角度は約30°である。
【0065】
いくつかの実施形態では、第1の角度は約20°~約40°の範囲であり、第2の角度は約140°~約160°の範囲である。いくつかの実施形態では、第1の角度及び第2の角度は補角である。
【0066】
第1の角度及び第2の角度は、接触部材の長さ、及び/又は接触部材の縁部が第1の位置と第2の位置との間でシフトするために移動しなければならない距離に従って選択されてもよい。第1の角度及び第2の角度の値は、接触部材が受ける機械的応力に影響を及ぼし得、それによって、接触部材の動き、例えば、接触部材の縁部が移動し得る距離に影響を及ぼし得る。例えば、同じ量の力が、異なる第1の角度を有する第1の可動部材に加えられるとき、各第1の可動部材との接触時に接触部材が受ける応力は異なり得るので、加えられる力及び/又は第1の可動部材の長さを調整する必要なく、第1の表面の傾斜を選択することによって接触部材の縁部の動きを制御することができる。同じバイパス機構は、異なる長さの接触部材を有するスイッチを収容するために、異なる値の第1の角度を有する複数の第1の可動部材及び/又は異なる値の第2の角度を有する複数の第2の可動部材を含んでもよい。
【0067】
ここで
図2Cを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、接触部材2115及び第1の可動部材2133が概略的に示されている。接触部材2115は、
図2Aの接触部材115よりも長く、第1の表面2133aと接触部材2115との間に形成される第1の角度2151は、
図2Aの第1の角度151よりも小さいことが分かる。第1の可動部材2133は、第1の可動部材133によって接触部材115に加えられる応力よりも高い応力を接触部材2115に加え、それによって、接触部材115と比較して、接触部材2115のより大きな移動距離を可能にする。このようにして、第1の表面2133a及び133aの異なる傾斜を使用して、スイッチを、異なる接触部材長さと、第1の位置と第2の位置との間の異なる移動距離とに適合させる。同様に、接触部材は、
図2Aの接触部材115より短くてもよく、第1の表面と接触部材との間に形成される第1の角度は、
図2Aの第1の角度151より大きくてもよい。第1の可動部材は、第1の可動部材133によって接触部材115に加えられる応力よりも少ない応力を接触部材に加え、それによって、接触部材115と比較して、接触部材のより短い移動距離を可能にする。
【0068】
ここで
図2Dを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、接触部材3115及び第2の可動部材3133が概略的に示されている。接触部材3115は、
図2Bの接触部材1115よりも長く、第1の表面3133aと接触部材3115との間に形成される第2の角度3151は、
図2Aの第2の角度1151よりも大きいことが分かる。第2の可動部材3133は、第2の可動部材1133によって接触部材1115に加えられる応力よりも高い応力を接触部材3115に加え、それによって、接触部材1115と比較して、接触部材3115のより大きな移動距離を可能にする。このようにして、第2の表面3133a及び1133aの異なる傾斜をために使用して、スイッチを、異なる接触部材長さと、第1の位置と第2の位置との間の異なる移動距離とに適合させる。同様に、接触部材は、
図2Bの接触部材1115より短くてもよく、第1の表面と接触部材との間に形成される第2の角度は、
図2Aの第2の角度1151より小さくてもよい。第2の可動部材は、第2の可動部材1133によって接触部材1115に加えられる応力よりも少ない応力を接触部材に加え、それによって、接触部材1115と比較して、接触部材のより短い移動距離を可能にする。
【0069】
上記で説明したように、可動部材の表面と接触部材との間に形成された鋭角又は鈍角は、可動部材が接触部材を第1の位置又は第2の位置から解放し、それを第2の位置又は第1の位置にそれぞれ移転させることを可能にする。いくつかの例では、角度は、接触部材に垂直な(例えば、接触部材の長さに垂直な)軸に対して測定されてもよい。例えば、角度は、可動部材の表面と接触部材に対する軸との間で測定されてもよい。バイパス機構の効率に影響を及ぼし得る可動部材の別の特徴は、接触部材の縁部の長さに対する可動部材の第1の表面の長さである。第1の表面の長さは、接触部材の縁部の長さよりも大きくてもよい。例えば、第1の表面の長さと接触部材の縁部の長さとの間の比は、少なくとも約1.5:1であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の表面の長さと接触部材の縁部の長さとの間の比は、少なくとも約2:1、少なくとも約3:1、又は少なくとも約5:1である。第2の表面の長さと接触部材の縁部の長さとの間の比もまた、少なくとも約1.5:1であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の表面の長さと接触部材の縁部の長さとの間の比は、少なくとも約2:1、少なくとも約3:1、又は少なくとも約5:1である。第1の表面の長さはまた、可動部材によって接触部材に加えられた力を受けて接触部材の縁部が移動し得る距離にも影響を及ぼし得る。
【0070】
第1の可動部材及び第2の可動部材の長手方向軸の長さはまた、可動部材によって接触部材に加えられた力を受けて接触部材の縁部が移動し得る距離を制御するように調整されてもよい。
【0071】
ここで
図3A~
図3Bを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、スイッチ211及びバイパス機構231を含むスイッチデバイス201が概略的に示されている。スイッチ211は、第1の端子213aと、第2の端子213bと、接触部材215と、制御ユニット217とを含む。接触部材215は、少なくとも、
図3Aに示されるような第1の位置及び
図3Bに示されるような第2の位置にあるように構成される。接触部材215は、第1の位置にあるとき、第1の端子213aと第2の端子213bとの間に接続を形成する。接触部材215が第2の位置にあるとき、第1の端子213aと第2の端子213bとの間に接続はない。
【0072】
バイパス機構231は、第1の表面233aを有する第1の可動部材233と、第2の表面235aを有する第2の可動部材235とを含む。第1の可動部材233は、接触部材215の縁部215aを第1の可動部材233の第1の表面233aと接触させるように構成される。第1の可動部材233は、接触部材215に向かって動いて、接触部材215を第1の位置(
図3Aに示す)から第2の位置(
図3Bに示す)に移行させるように更に構成される。第1の位置から第2の位置への接触部材215の移行は、第1の可動部材233によって接触部材215に、特に可動部材215の縁部215aに加えられた力によって可能になる。第1の可動部材233は、接触部材が第1の位置から第2の位置にシフトした後に接触部材215から離れるように動くように更に構成される。接触部材215は、外力、例えば、制御ユニット217によって加えられる電磁力又はバイパス機構231の第2の可動部材235によって加えられる機械力がない場合に、上で詳細に説明したように、第2の位置に留まるように構成され、制御ユニット217によって第2の位置に保持される。
【0073】
第2の可動部材235は、接触部材215の縁部215aを第2の可動部材235の第2の表面235aと接触させるように構成される。第2の可動部材235は、接触部材215に向かって動いて、接触部材215を第2の位置(
図3Bに示す)から第1の位置(
図3Aに示す)に移行させるように更に構成される。第2の位置から第1の位置への接触部材215の移行は、第2の可動部材235によって接触部材215に、特に可動部材215の縁部215aに加えられた力によって可能になる。第2の可動部材235は、接触部材が第2の位置から第1の位置にシフトした後に接触部材215から離れるように動くように更に構成される。接触部材215は、外力、例えば、制御ユニット217によって加えられる電磁力又はバイパス機構231の第1の可動部材233によって加えられる機械力がない場合に、上で詳細に説明したように、第1の位置に留まるように構成され、スイッチ211及び/又は接触部材215の構造的構成によって第1の位置に保持される。
【0074】
図3A~
図3Bから分かるように、第1の可動部材233の第1の表面233aは、接触部材215の縁部215aに、縁部215aと第2の可動部材235の第2の表面235aとの間に形成される角度とは異なる角度で接触する。上記で説明したように、第1の角度は第2の角度と異なっていてもよい。第1の角度が第2の角度とは異なることは、単一のバイパス機構231によって、第1の位置から第2の位置への、及び第2の位置から第1の位置への接触部材215の移行を可能にするのに役立ち得る。
【0075】
バイパス機構は支持層を更に含んでもよく、可動部材は支持層に結合されてもよい。バイパス機構は、第1の可動部材に結合された第1の支持層を含むことができる。バイパス機構は、第2の可動部材に結合された第2の支持層を含むことができる。いくつかの実施形態では、バイパス機構は、第1の可動部材に結合された第1の支持層と、第2の可動部材に結合された第2の支持層とを含む。
【0076】
バイパス機構231は、第1の支持層237を更に含む。第1の可動部材233は、第1の支持層237に結合される。第1の可動部材233及び第1の支持層237は、単一の要素として、又は限定はしないが、接着剤又はばねなど、当該技術分野で知られている任意の適切な手段によって接続された2つの異なる要素として作製することができる。第1の可動部材233は、第1の可動部材233の長手方向軸が第1の支持層237と第1の表面233aとの間に延在するように、細長い形状を有する。第1の可動部材233は、第1の可動部材233の第1の位置にあり、第1の支持層237が接触部材215に直交するときに、第1の可動部材233の長手方向軸が接触部材215に平行になるように配置されてもよい。
【0077】
バイパス機構231は、第2の支持層239を更に含む。第2の可動部材235は、第2の支持層239に結合される。第2の可動部材235及び第2の支持層239はまた、単一の要素であってもよく、又は任意の適切な手段によって接続された2つの異なる要素であってもよい。第2の可動部材235は、第2の可動部材235の長手方向軸が第2の支持層239と第2の表面235aとの間に延在するように、細長い形状を有する。第2の可動部材235は、第2の可動部材235の第1の位置にあり、第2の支持層239が接触部材215に直交するときに、第2の可動部材235の長手方向軸が接触部材215に平行になるように配置されてもよい。
【0078】
可動部材が接触部材の縁部に鋭角又は鈍角で接触するように構成されているバイパス機構構造を提供するために、可動部材は、第1の支持層に平行でない、及び/又は可動部材の長手方向軸に直交しない接触面を有することができる。可動部材の長手方向軸が接触部材の長手方向軸に平行であるとき、可動部材の第1の表面は接触部材の縁部に平行でなくてもよく、それらの間に鋭角又は鈍角が形成されてもよい。例えば、
図3A~
図3Bから分かるように、第1の表面233aは第1の支持層237と鋭角又は鈍角を形成し、第2の表面235aは第2の支持層239と鋭角又は鈍角を形成する。いくつかの例では、角度は、支持層に対して測定され得る。支持層は、接触部材に対して垂直(例えば、接触部材の長さに対して垂直)であってもよい。支持層は、接触部材の長手方向軸に垂直な短手方向軸を有してもよい。支持層の短手方向軸は、可動部材の長手方向軸に対して垂直であり得るか又は直交し得る。いくつかの例では、角度は、接触部材に垂直な(例えば、接触部材の長さに垂直な)軸に対して測定されてもよい。例えば、角度は、可動部材の第1の表面と接触部材の縁部に対する軸との間で測定されてもよい。
【0079】
上述したように、第1の可動部材233は、接触部材215の縁部215aに向かって動くように構成されている。当該動きは、第1の支持層237に加えられた力によって誘発され得る。第2の可動部材235もまた、第2の支持層239に加えられた力に応答して接触部材215の縁部215aに向かって動くように構成される。第1の支持層237は、第2の支持層239に隣接して配設されてもよいが、それらは、第1の可動部材233及び第2の可動部材235の個々の運動を可能にするために、独立して動くことが可能であるべきである。
【0080】
いくつかの実施形態では、第1の支持層及び第2の支持層に力が加えられていないとき、第1の支持層は第2の支持層に隣接して配設される。いくつかの実施形態では、第1の支持層及び第2の支持層に力が加えられていないとき、第1の可動部材は第2の可動部材に隣接して配設される。
【0081】
支持層に力が加えられると、支持層は可動部材とともに接触部材に向かって動くことができる。支持層は、支持層に力が加えられず、可動部材と接触部材との間に接触がない支持層の載置位置と、支持層に力が加えられ、可動部材が接触部材に向かってそれ以上動くことができない位置との間でシフトすることができる。代替として、支持層は、当該力を可動部材に移転し、接触部材に向かう可動部材の運動を誘発する間、定位置に留まることができる。
【0082】
第1の支持層237に力が加えられ、第1の可動部材233が接触部材215に向かって動くとき、第1の可動部材233が接触部材215の縁部215aに力を加えて、第1の位置から第2の位置への接触部材215の移行を容易にする。第1の可動部材233は、接触部材215の縁部215aに対して第1の支持層237上に位置してもよく、それにより、力が第1の支持層237に加えられたとき、第1の可動部材233と縁部215aとの間の接触時に、縁部215aが第1の可動部材233の第1の表面233aに沿って第1の端子213aから離れるように摺動し、それによって第1の位置から第2の位置にシフトする。
【0083】
第2の支持層239に力が加えられ、第2の可動部材235が接触部材215に向かって動くとき、第2の可動部材235が接触部材215の縁部215aに力を加えて、第2の位置から第1の位置への接触部材215の移行を容易にする。第2の可動部材235は、接触部材215の縁部215aに対して第2の支持層239上に位置してもよく、それにより、力が第2の支持層239に加えられたとき、第2の可動部材235と縁部215aとの間の接触時に、縁部215aが第2の可動部材235の第2の表面235aに沿って第1の端子213aに向かって摺動し、それによって第2の位置から第1の位置にシフトする。
【0084】
バイパス機構は、支持層に結合されたアクチュエータを更に含むことができる。アクチュエータは、支持層を介して可動部材に結合されてもよい。バイパス機構は、第1の支持層に結合された第1のアクチュエータを含むことができる。バイパス機構は、第2の支持層に結合された第2のアクチュエータを含むことができる。いくつかの実施形態では、バイパス機構は、第1の支持層に結合された第1のアクチュエータと、第2の支持層に結合された第2のアクチュエータとを含む。
【0085】
いくつかの例では、第1の位置は1つの端子への接続であってよく、第2の位置は別の端子への接続であってよい。いくつかの例では、第1の位置は端子への接続でなくてもよく、第2の位置は端子への接続であってもよい。
【0086】
ここで
図4A~
図4Bを参照すると、本発明のいくつかの実施形態によるバイパス機構331が概略的に示されている。バイパス機構331は、上記の様々な実施形態で説明したようにスイッチに結合されてもよい。バイパス機構331は、第1の可動部材333及び第1の支持層337を含み、第1の可動部材333は、第1の支持層337に結合される。第1の可動部材333は、第1の位置から第2の位置への接触部材の移行を容易にするために、スイッチの接触部材に接触するように構成されている第1の表面を有する。バイパス機構331は、第2の可動部材335及び第2の支持層339を更に含み、第2の可動部材335は、第2の支持層339に結合される。第2の可動部材335は、第2の位置から第1の位置への接触部材の移行を容易にするために、スイッチの接触部材に接触するように構成されている第2の表面を有する。
【0087】
バイパス機構331は、第1の支持層337に結合された第1のアクチュエータ341を更に含む。第1のアクチュエータ341は、第1の支持層337を介して第1の可動部材333に更に結合される。第1のアクチュエータ341は、ユーザから受信した信号に応答して第1の支持層337に力を加えるように構成されてもよい。第1のアクチュエータ341は、当該信号に応答して第1の可動部材333の動きを容易にするように更に構成されてもよい。
【0088】
バイパス機構331は、第2の支持層339に結合された第2のアクチュエータ343を更に含む。第2のアクチュエータ343は、第2の支持層339を介して第2の可動部材335に更に結合される。第2のアクチュエータ343は、ユーザから受信した信号に応答して第2の支持層339に力を加えるように構成されてもよい。第2のアクチュエータ343は、当該信号に応答して第2の可動部材335の動きを容易にするように更に構成されてもよい。
【0089】
アクチュエータは、接触部材との接触に続いて接触部材から離れる可動部材の動きを可能にするように更に構成されてもよい。接触部材から離れる可動部材の動きは、接触部材に向かう可動部材の動きを容易にするユーザからの信号が停止すると開始することができる。例えば、アクチュエータが押しボタンを含む場合、ユーザがそれを押すのを止めると、可動部材は接触部材から離れるように動き、その載置位置に戻ることができる。アクチュエータは、ユーザからの信号が停止した後であっても、可動部材が接触部材に接触して第1の位置から第2の位置へ、又はその逆に移転するまで、接触部材に向かう可動部材の動きを容易にするように更に構成されてもよい。いくつかの例では、接触部材から離れる可動部材の動きは、第2の信号の受信時に開始してもよい。
【0090】
アクチュエータ及び支持層は、単一の要素であってもよく、又は当該技術分野で知られている任意の適切な手段によって接続された2つの異なる要素であってもよい。当該手段は、ユーザから受信した信号を支持層上に加えられる力に変換するように更に構成されてもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータ、支持層、及び可動部材は、モノリシック構造である。
【0091】
好適なアクチュエータの非限定的な例としては、押しボタン、圧力センサ、タッチパッド、電気アクチュエータ、油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの例では、アクチュエータは、受信されたワイヤレス信号又は受信されたワイヤード信号に基づいて動作するように構成され得る。例えば、信号は、アクチュエータとは異なる場所に位置する送信機から受信されてもよい。
【0092】
例えば、第1のアクチュエータ341及び第2のアクチュエータ343は、
図4Aに示されるように、押しボタンを含んでもよい。特定のそのような実施形態では、ユーザから受信される信号は、ユーザによって押しボタンに加えられる力である。押しボタンを含む第1のアクチュエータ341は、第1の支持層337の一体部分であり、押しボタンを含む第2のアクチュエータ343は、第2の支持層339の一体部分である。押しボタンは、押しボタンに力が加わることでそれぞれの支持層をその載置位置から変位させ、接触部材に向かうそれぞれの可動部材の動きを容易にするように構成されてもよい。押しボタンは、支持層及び可動部材とともに動くことができる。ユーザが押しボタンを作動させるのを止める(すなわち、押しボタンに力を加えるのを止める)と、それぞれの支持層はその載置位置に戻ることができ、それぞれの可動部材は接触部材から離れるように動く。押しボタンは、押しボタンに加えられる力の量にかかわらず、接触部材に接触し、接触部材を第1の位置から第2の位置に、又はその逆に移転させるのに十分な力を可動部材に加えるように更に構成されてもよい。
【0093】
バイパス機構は、第1の支持層及び第1の可動部材に対して相補的な基部を更に含むことができる。基部は、第2の支持層及び第2の可動部材に対して更に相補的であってもよい。
【0094】
図4Bは、バイパス機構331の一部であり、第1の可動部材333、第2の可動部材335、第1の支持層337、及び第2の支持層339に対して相補的である基部351を更に示す。基部351は、第1の可動部材333及び第2の可動部材335の断面に対応する開口部353を有し、第1の可動部材333及び第2の可動部材335が開口部353を通るように構成される。
【0095】
支持層及び基部は、支持層に力が加えられていないときに支持層と基部との間に所定の距離を保持するように構成されている第1の機構を介して結合されてもよい。機構は、力が支持層にもはや加えられなくなると、可動部材を接触部材から離れるように動くように更に構成されてもよい。当該機構は、弾性的に圧縮可能な部材、膨張可能な部材、油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、及び磁気アクチュエータのうちの少なくとも1つを含んでもよい。いくつかの実施形態では、機構は、ばねである弾性的に圧縮可能な部材を含む。
【0096】
例えば、
図4Bは、力が第1の支持層337に加えられていないとき(すなわち、第1の支持層がその載置位置にあるとき)に第1の支持層337と基部351との間に第1の所定の距離を保持し、力が第1の支持層337にもはや加えられなくなると第1の可動部材333を接触部材(図示せず)から離れるように動かすように構成されている第1の機構を介して第1の支持層337に結合された基部351を、バイパス機構が含むことを示す。第1の機構は、第1の支持層337と基部351との間に配設された2つの第1のばね355を含む。基部351は、基部351の長手方向軸に対する位置が第1のばね355の位置に対応する2つの第1のピン359を含む。各第1のピン359は、各第1のピン359の対応する第1のばね355にばねの一端で接触するように構成される。第1の支持層337は、第1の支持層337の長手方向軸に対する位置が第1のばね355及び第1のピン359の位置に対応する2つの第1のレセプタクル345を含む。各第1のレセプタクル345は、各第1のレセプタクル345の対応する第1のばね355にばねの他端で接触するように構成される。第1のピン359の少なくとも第1の部分は、第1のピン359の対応する第1のレセプタクル345に挿入されるように構成される。第1のピン359の少なくとも第2の部分は、力が第1の支持層337に加えられると、第1のピン359の対応する第1のレセプタクル345に挿入されるように構成される。第2の部分は第1の部分よりも大きくてよい。いくつかの実施形態では、第1のピン359は、力が第1の支持層337に加えられると、第1のピン359の対応する第1のレセプタクル345に完全に挿入されるように構成される。いくつかの例では、第1の支持層337に力が加えられていないとき、第1のピン359のどの部分も、第1のピン359の対応する第1のレセプタクル345に挿入されるように構成されておらず、第1の支持層337に力が加えられているとき、第1のピン359の少なくとも一部分が、第1のピン359の対応する第1のレセプタクル345に挿入されるように構成され得る。
【0097】
例えば、第1の支持層337に力が加えられていないとき、第1のばね355はその第1の状態にあり、第1のピン359の第1の部分は第1のレセプタクル345に挿入されてもよく、第1の支持層337は第1の機構によってその載置位置に保持される。載置位置では、第1の支持層は、基部351から第1の所定の距離に位置する。第1の支持層に力が加えられると(例えば、ユーザが押しボタンを押すなど、第1のアクチュエータ341によって送信された信号に応答して)、第1の支持層337は基部351に向かって動き、第1のばね355に力を加えて第1のばね355を圧縮させる。第1のピン359の第2の部分は、第1のばね355がその第2の状態に圧縮されると、第1のレセプタクル345に挿入されてもよく、当該第2の部分は、第1の部分より大きくてもよい。当該位置において、第1の可動部材333は、接触部材(図示せず)に接触してもよく、接触部材を第1の位置から第2の位置に、又はその逆に移転させてもよい。力が第1の支持層337、したがって第1のばね355にもはや加えられなくなると(例えば、ユーザが押しボタンを押すのを止めると)、第1のばね355が弛緩し、第1の支持層337が基部351から離れて第1の支持層337の載置位置に向かう動きを開始する。第1の支持層337の動きの結果として、第1の可動部材333は、接触部材から離れるように動く。第1の状態では、ばね355は弛緩していても圧縮されていてもよい。ばね355がその第1の状態で圧縮されるとき、ばね355の圧縮は、第2の状態よりも低い。
【0098】
基部351は、
図4Bに示されるように、力が第2の支持層339に加えられていないときに第2の支持層339と基部351との間に第2の所定の距離を保持し、力が第2の支持層339にもはや加えられなくなると第2の可動部材335を接触部材(図示せず)から離れるように動かすように構成されている第2の機構を介して、第2の支持層339に更に結合される。第2の既定の距離は、第1の既定の距離と本質的に同じであってもよい。第2の機構は、第2の支持層339と基部351との間に配設された2つの第2のばね357を含む。基部351は、基部351の長手方向軸に対する位置が第2のばね357の位置に対応する2つの第2のピン361を含む。各第2のピン361は、各第2のピン361の対応する第2のばね357にばねの一端で接触するように構成される。第2の支持層339は、第2の支持層339の長手方向軸に対する位置が第2のばね357及び第2のピン361の位置に対応する2つの第2のレセプタクル347を含む。各第2のレセプタクル347は、各第2のレセプタクル347の対応する第2のばね357にばねの他端で接触するように構成される。第2のピン361の少なくとも第1の部分は、第2のピン361の対応する第2のレセプタクル347に挿入されるように構成される。第2のピン361の少なくとも第2の部分は、力が第2の支持層339に加えられると、第2のピン361の対応する第2のレセプタクル347に挿入されるように構成される。第2の部分は第1の部分よりも大きくてよい。いくつかの実施形態では、第2のピン361は、力が第2の支持層339に加えられると、第2のピン361の対応する第2のレセプタクル347に完全に挿入されるように構成される。第2の機構の動作原理は、上記で詳述したように、第1の機構と本質的に同じであってもよい。いくつかの例では、第2の支持層339に力が加えられていないとき、第2のピン361のどの部分も、第2のピン361の対応する第2のレセプタクル347に挿入されるように構成されておらず、第2の支持層339に力が加えられているとき、第2のピン361の少なくとも一部分が、第2のピン361の対応する第2のレセプタクル347に挿入されるように構成され得る。
【0099】
支持層と基部とを結合する機構は、基部と第1の支持層との間の距離が所定の距離を超えて増大することを防止するように構成されているロック部材を更に含むことができる。上記で説明したように、支持層は、基部と支持層との間に所定の距離をおいてその載置位置にあり、ばねは、弛緩又は圧縮され得るその第1の状態にある。ばねが第1の状態で圧縮されるとき、力が加えられていないときに支持層をその載置位置に保持するためにロック部材を含むことが機構にとって特に重要であり得る。
【0100】
基部351は、
図4Bに示すように、第1の支持層337が第1の所定の距離を超えて基部351から離れるように動くことを防止するように構成されている2つのロック部材363を含む。ロック部材363は、垂直延在部分及び水平延在部分を有し、水平延在部分は、基部351の反対側で第1の支持層337に接触するように構成され、それによって、基部351から離れるその動きを防止する。
【0101】
基部351は、第2の支持層339が第2の所定の距離を超えて基部351から離れるように動くことを防止するように構成されている2つのロック部材365を更に含む。ロック部材365は、垂直延在部分及び水平延在部分を有し、水平延在部分は、基部351の反対側で第2の支持層339に接触するように構成され、それによって、基部351から離れるその動きを防止する。
【0102】
基部は、アクチュエータのうちの少なくとも1つに加えられる過剰な力からバイパス機構を保護するように構成されているストッパ機構を更に備えることができる。加えて、ストッパ機構は、力がアクチュエータに直接加えられていないときにバイパス機構を保護することができる。例えば、本発明のスイッチデバイスは、バイパス機構を少なくとも部分的に封入する内側カバーを含むことができ、それにより、第1のアクチュエータ、第2のアクチュエータ、又は両方が内側カバーを越えて延在する。特定のそのような実施形態では、ストッパ機構は、過剰な力が第1のアクチュエータ、第2のアクチュエータ、若しくは両方に加えられるとき、又は力が内側カバーに加えられるとき、内側カバーの屈曲を防止するように構成されてもよい。
【0103】
基部351は、
図4Bに示されるように、基部351から第1の支持層337及び第2の支持層339に向かって延在する2つのピン367を含むストッパ機構を含む。ピン367は、第2のアクチュエータ343に近接して基部351の長手方向軸に沿って位置する。追加のピンが、第1のアクチュエータ341に近接して位置してもよい。第2の支持層343は、第2の支持層が基部351に向かって動くときにピン367が通るように構成されている対応する開口部を含む。ピン367は、内側カバー(図示せず)に向かって延在するが、第1のアクチュエータ341及び第2のアクチュエータ343の高さを超えて延在はせず、したがって、それらの動作に干渉しない。例えば、第1のアクチュエータ341及び第2のアクチュエータ343が押しボタンを備える場合、ピン367は、ユーザがブッシュボタンを押すことを妨げず、第1の支持層337及び第2の支持層339が基部351に向かって動くことを妨げない。しかしながら、ユーザが、押しボタンを押すことに加えて、又はその代わりに内側カバーを押す場合、押しボタンに近接して位置するピン367は、内側カバーが基部351に向かって屈曲することを防止する。
【0104】
バイパスデバイスの基部は、スイッチに結合され得る。例えば、スイッチは、少なくとも1つのコネクタ要素を含んでもよい。バイパスデバイスの基部は、例えば締結具によって、少なくとも1つのコネクタ要素上に設置されてもよいか、又は少なくとも1つのコネクタ要素に接続されてもよい。加えて、又は代替として、バイパスデバイスの基部は、バイパスデバイスの基部が、いかなる締結手段も伴わずに、少なくとも1つのコネクタ要素上に設置されるか、又は少なくとも1つのコネクタ要素に接続され得るように、少なくとも1つのコネクタ要素の形状に相補的である形状を有してもよい。バイパスデバイスの基部のスイッチへの結合は、バイパス機構の動作中に可動部材と接触部材との間の接触を可能にすることができる。バイパス機構は、スイッチへのバイパス機構の結合を改善し、接触部材に対する可動部材の位置合わせを向上させ、より容易な組み立てを提供するために、1つ以上の設置ピンを更に含むことができる。設置ピンは、第1の支持層、第2の支持層、及び基部のうちの少なくとも1つの一部であってもよく、又はそれに接続されてもよい。
【0105】
スイッチは、第1の端子、第2の端子及び接触部材が位置する基部を含むことができる。スイッチは、スイッチの接触部材に対する第1の支持層、第2の支持層、又は両方の動きを方向付けるように構成されている1つ以上の先導部材を更に含むことができる。例えば、先導部材は、第1の可動部材及び/又は第2の可動部材が接触部材に向かって動くときに、第1の支持層及び/又は第2の支持層の下方への動きをそれぞれ方向付けることによって、第1の可動部材及び/又は第2の可動部材が実際に接触部材に接触するように、第1の可動部材及び/又は第2の可動部材の設置を補助することができる。先導部材は、スイッチ基部から第1の可動部材及び/又は第2の可動部材に向かって延在してもよい。
【0106】
スイッチは、複数のスイッチ、すなわち、第1の端子及び第2の端子からなる複数の端子対と、複数の接触部材とを含んでいてもよい。バイパス機構は、複数の可動部材(又は第1の可動部材及び第2の可動部材の対)を含むことができ、各可動部材(又は各対)は、各端子対及び各それぞれの接触部材に対応する。そのようなスイッチを使用することにより、複数の電気回路を制御すること、又は単一の回路の設定又はリセットの信頼性を向上させることが可能になる。例えば、スイッチは、スイッチが電気回路を開閉するために、スイッチの接触部材のうちの少なくとも2つが、第1の位置又は第2の位置のいずれかにあるべきであるように設計され得る。いくつかの実施形態において、スイッチは、スイッチが電気回路を開閉するために、スイッチの接触部材のうちの少なくとも3つが、第1の位置又は第2の位置のいずれかにあるべきであるように設計される。更なる実施形態では、スイッチは、スイッチが電気回路を開閉するために、スイッチの接触部材のうちの少なくとも4つが、第1の位置又は第2の位置のいずれかにあるように設計される。加えて、複数のスイッチの端子対は、接触部材が、第1の位置にあるときに垂直に配向される一方で、第2の位置にシフトするために、いくつかのスイッチの接触部材が一方の側に向かって動き、他のスイッチの接触部材が反対側に向かって動くように構成されてもよい。複数の可動部材の第1の表面及び第2の表面は、端子対の当該配置を収容するように設計されてもよい。例えば、各可動部材の第1の表面は、接触部材を意図された方向に動かし第1の位置から第2の位置に移転させることを可能にする、各可動部材の対応する接触部材と第1の角度を形成するように設計されてもよい。同様に、各可動部材の第2の表面は、接触部材を意図された方向に動かし第2の位置から第1の位置に移転させることを可能にする、各可動部材の対応する接触部材と第2の角度を形成するように設計されてもよい。したがって、複数の第1の可動部材の第1の角度は互いに異なっていてもよく、複数の第2の可動部材の第2角度も互いに異なっていてもよい。加えて、複数の第1の可動部材の第1表面の長さは異なっていてもよく、複数の第2の可動部材の第2表面の長さも異なっていてもよい。しかしながら、バイパス機構による複数のスイッチの同時作動を可能にするために、全ての第1の可動部材(第1の位置から第2の位置への接触部材の移行を容易にする)は、第1のアクチュエータに結合されるべきであり、全ての第2の可動部材(第2の位置から第1の位置への接触部材の移行を容易にする)は、第2のアクチュエータに結合されるべきである。
【0107】
ここで
図5Aを参照すると、複数のスイッチを備えるスイッチ411と、複数の第1の可動部材及び第2の可動部材を備えるバイパス機構431と、を含むスイッチデバイス401の分解図が概略的に示されている。スイッチ411は、複数のスイッチ411a、411b、411c、411d、及び411eを含み、各スイッチは、端子対を備える。複数のスイッチの端子対の端子は、スイッチ411a、411b、411c、及び411dの接触部材が第1の位置から第2の位置にシフトするために一方の側に移行するように構成され、スイッチ411eの接触部材が第1の位置から第2の位置にシフトするために反対側に移行するように構成されるように配置される。
【0108】
バイパス機構431は、複数の第1の可動部材433及び第2の可動部材435を含み、各第1の可動部材433及びその隣接する第2の可動部材435は、それらのそれぞれの端子対に対応する(
図5Aでは、1つの第1の可動部材433e及び1つの第2の可動部材435eのみを見ることができ、他は遮蔽されている)。バイパス機構は、第1の支持層437と、第2の支持層439と、基部451とを含む。複数の第1の可動部材は共通の第1の支持層437に結合され、複数の第2の可動部材は共通の第2の支持層439に結合されている。加えて、複数の第1の可動部材は、共通の第1のアクチュエータ441に結合され、複数の第2の可動部材は、共通の第2のアクチュエータ443に結合されている。したがって、単一の押しボタンを押すこと(すなわち、第1のアクチュエータ441を作動させること)で、複数の第1の可動部材433を同時に作動させることを可能にし、別の押しボタンを押すこと(すなわち、第2のアクチュエータ443を作動させること)で、複数の第2の可動部材435を同時に作動させることを可能にする。いくつかの例では、別個のアクチュエータが、第1の可動部材のうちの2つ以上又は第2の可動部材のうちの2つ以上に提供されてもよい。例えば、各可動部材は、それ自体のアクチュエータを有してもよい。異なる第1の可動部材及び異なる第2の可動部材の長さは、同じであっても異なっていてもよい。第1の表面及び第2の表面の長さは、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの例では、単一のスイッチは、接触部材を動かすことができる複数の第1の可動部材又は複数の第2の可動部材を有してもよい。いくつかの例では、単一のアクチュエータを使用して、1つ以上の第1の可動部材及び1つ以上の第2の可動部材を動かすことができる。いくつかの例では、1つ以上の第1の可動部材は、1つ以上の第2の可動部材と同時に作動されてもよい。
【0109】
図5B及び
図5Cを更に参照すると、バイパス機構431に結合されたスイッチ411の断面が示されている。
図5Bは、接触部材415a並びに接触部材415aの対応する第1の可動部材433a及び第2の可動部材435aを示しており、接触部材415aは第1の位置にある。第1の可動部材433aの第1の表面は、接触部材415aの縁部と第1の角度を形成するように構成されており、接触すると、第1の可動部材433aが接触部材415aの縁部に力を加えて、接触部材415aを左に動かし、それによって接触部材415aを第1の位置から第2の位置にシフトさせる。第1の可動部材433aは、第1の支持層437及び第1のアクチュエータ441に結合される。第2の可動部材435aの第2の表面は、接触部材415aの縁部と第2の角度を形成するように構成されており、接触すると、第2の可動部材435aが接触部材415aの縁部に力を加えて、接触部材415aを右に動かし、それによって接触部材415aを第1の位置から第2の位置に戻すようにシフトさせる。第2の可動部材435aは、第2の支持層439及び第2のアクチュエータ443に結合される。上述のように、第1の可動部材及び第2の可動部材の長さは、同じであっても異なっていてもよい。上述のように、第1の表面及び第2の表面の長さは、同じであっても異なっていてもよい。
【0110】
図5Cは、接触部材415e並びに接触部材415eの対応する第1の可動部材433e及び第2の可動部材435eを示しており、接触部材415eは第1の位置にある。第1の可動部材433eの第1の表面は、接触部材415eの縁部と第1の角度を形成するように構成されており、接触すると、第1の可動部材433eが接触部材415eの縁部に力を加えて、接触部材415eを右に動かし、それによって接触部材415eを第1の位置から第2の位置にシフトさせる。第1の可動部材433eは、第1の支持層437及び第1のアクチュエータに結合される。第2の可動部材435eの第2の表面は、接触部材415eの縁部と第2の角度を形成するように構成されており、接触すると、第2の可動部材435eが接触部材415aの縁部に力を加えて、接触部材415aを左に動かし、それによって接触部材415eを第1の位置から第2の位置に戻すようにシフトさせる。第2の可動部材435eは、第2の支持層439及び第2のアクチュエータに結合される。
【0111】
第1の可動部材415aの第1の角度は、第1の可動角度415eの第1の角度とは異なる。当該角度は補角であってもよい。第1の表面の向きが異なる第1の可動部材を使用することにより、単一の第1のアクチュエータを備える単一のバイパス機構によって、端子の配置が異なるスイッチを操作することが可能になる。第2の可動部材415aの第2の角度は、第2の可動角度415eの第2の角度とは異なる。当該角度は補角であってもよい。第2の表面の向きが異なる第2の可動部材を使用することにより、単一の第2のアクチュエータを備える単一のバイパス機構によって、端子の配置が異なるスイッチを操作することが可能になる。
【0112】
スイッチ411は、
図5Aに示すように、バイパス機構431の取り付けのために構成されている複数の接続要素471を更に含む。バイパス機構431は、基部451及び接続要素471を介してスイッチ411に取り付けられる。第1の支持層437及び第2の支持層439は、スイッチ411とバイパス機構431との間の結合を改善するように構成されている設置ピン473を更に含む。
【0113】
図5Dを更に参照すると、バイパス機構431に結合されたスイッチ411の詳細図が示されている。スイッチ411は、スイッチ411の接触部材に対して第1の支持層437、第2の支持層439、又は両方の動きを方向付けるように構成されている先導部材481を含む。
【0114】
ここで
図6を参照すると、内側カバー591によって部分的に封入されたスイッチデバイス501が概略的に示されている。内側カバー591は、バイパス機構及びスイッチデバイス501のスイッチを周囲雰囲気から隔離し、ユーザをスイッチの電気回路から保護するように構成され得る。しかしながら、第1のアクチュエータ541の少なくとも一部分及び第2のアクチュエータ543の一部分は、内側カバー591を越えて延在しており、ユーザは、必要なときに第1のアクチュエータ541及び第2のアクチュエータ543を作動させ得る。
【0115】
本発明のスイッチデバイスは、スイッチ及びバイパス機構を全体的に封入する取り外し可能な外側カバーを更に含むことができる。取り外し可能な外側カバーは、バイパス機構の少なくとも1つのアクチュエータにアクセスするために取り外されてもよい。
【0116】
とりわけ可動部材、支持層、及び基部を含むバイパス機構の構成要素は、所望の構造に形成され得る任意の材料、例えば、ポリマー又は金属から作製され得る。材料は、コイル又は永久磁石などのスイッチの特定の構成要素との干渉を回避するために、磁気伝導性でなくてもよい。
【0117】
上記で詳細に説明したように、本発明の様々な実施形態による少なくとも1つのスイッチデバイスを備えるエネルギー生成及び/又は貯蔵システムが更に提供される。エネルギー生成及び/又は貯蔵システムは、電源及び電力貯蔵ユニットのうちの少なくとも1つを含んでもよい。適切な電源の非限定的な例としては、ソーラーパネル、風力タービン、地熱発電機、燃料電池及び燃焼発電機が挙げられる。適切な電力貯蔵ユニットの非限定的な例としては、電池(例えば、二次電池)、フローセル、電解槽、コンデンサ、圧縮空気貯蔵システム、油圧アキュムレータ、及びフライホイールが挙げられる。スイッチデバイスのスイッチは、当該システムを電力グリッド及び負荷のうちの少なくとも1つに接続するように構成されてもよく、バイパス機構は、スイッチが接続に失敗したときに接続を可能にするように構成されてもよい。加えて、又は代替として、スイッチは、当該システムを電力グリッド及び負荷のうちの少なくとも1つから切断するように構成されてもよく、バイパス機構は、スイッチが切断に失敗したときに切断を可能にするように構成されてもよい。
【0118】
エネルギー生成及び/又は貯蔵システムは、システムの電源から電力を受け取り、直流(direct current、DC)電力を交流(alternating current、AC)に変換するように構成されている少なくとも1つのインバータを含むことができ、当該インバータは、当該スイッチを介して電源に電気的に接続される。インバータは、当該スイッチを介して電力貯蔵ユニットに更に電気的に接続されてもよい。
【0119】
ここで
図7を参照すると、本発明のいくつかの実施形態によるエネルギー生成及び貯蔵システムが概略的に示されている。システムは、
図6に詳述されるように、エネルギー生成デバイス701、エネルギー貯蔵デバイス702、及びスイッチデバイス501を含み、エネルギー生成デバイス701及びエネルギー貯蔵デバイス702は、スイッチデバイス501を介して電力グリッド703及び負荷704に接続される。エネルギー生成デバイス701とエネルギー貯蔵デバイス702との間の接続はまた、スイッチデバイス501を介して実施されてもよい。
【0120】
上記で詳述した様々な実施形態によるスイッチデバイスのスイッチを手動で操作する方法が更に提供される。方法は、バイパス機構を作動させることを含む。例えば、方法は、バイパス機構の少なくとも1つのアクチュエータを作動させることを含んでもよい。少なくとも1つのアクチュエータが押しボタンを含む場合、スイッチを手動で操作する方法は、押しボタンを押すことを含む。方法は、スイッチの第1の端子と第2の端子とを接続するために使用され得る。方法は、当該第1の端末を第2の端末から切断するために更に使用されてもよい。
【0121】
本発明のスイッチデバイスは、1つ以上のエネルギー生成及び/又はエネルギー貯蔵デバイス又はシステムを負荷及び/又はグリッドに接続する際に使用することができる。当該スイッチデバイスは、スイッチが機能していない場合であっても、必要なときに、当該デバイスを別のデバイス又はグリッドから切断することを容易にするスイッチング機構を提供することができる。スイッチが必要な動作(接続又は切断)を実行できない場合、バイパス機構を作動させることによって誤動作しているスイッチを回避するために、スイッチデバイスのスイッチを手動で操作する方法を使用することができる。したがって、本発明は、上記の様々な実施形態によるスイッチデバイスを備えるエネルギー生成及び/又は貯蔵システムの、電力グリッド及び負荷のうちの少なくとも1つへの接続を制御する方法を更に提供し、方法は、スイッチデバイスのバイパス機構を作動させることを含む。例えば、方法は、バイパス機構の少なくとも1つのアクチュエータを作動させることを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、エネルギー生成及び/又は貯蔵システムを、電力グリッド及び負荷のうちの少なくとも1つから手動で切断することを含み、バイパス機構の第1のアクチュエータを作動させることを含む。加えて、又は代替として、方法は、エネルギー生成及び/又は貯蔵システムを、電力グリッド及び負荷のうちの少なくとも1つに手動で接続することを含み得、バイパス機構の第2のアクチュエータを作動させることを含む。いくつかの例では、バイパス機構は、第1のデバイスの第1の端子の接続を第2のデバイスの第2の端子への接続に変更することを容易にすることができる。例えば、バイパス機構のアクチュエータを作動させることにより、スイッチをエネルギー生成デバイスの端子への接続からエネルギー貯蔵デバイスの端子への接続に、又はその逆に変更することができる。
【0122】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「a」、「an」、及び「the」の単数形はまた、内容が明確に指示をしない限り、複数形の参照を含む。したがって、例えば、「スイッチ(a switch)」への言及は、複数のそのようなスイッチ及び当業者に知られているその等価物などを含む。用語「及び(and)」又は用語「又は(or)」は、内容が明確に指示をしない限り、一般に「及び/又は(and/or)」を含む意味で使用されることに留意されたい。
【0123】
本明細書で使用される場合、「複数」という用語は、2つ以上を意味する。
【0124】
本明細書で使用される場合、用語「約」は、量、持続時間などの測定可能な値を指す場合、指定された値から+/-10%、より好ましくは+/-5%、更により好ましくは+/-1%、更により好ましくは+/-0.1%の変動を包含することを意味し、そのような変動は、開示される方法を実行するのに適切である。
【0125】
本出願はまた、以下の条項の主題を開示する。
【0126】
条項1:装置であって、
スイッチであって、
第1の端子と、
第2の端子と、
縁部を有する接触部材であって、接触部材は、第1の位置及び第2の位置にあり、第1の位置又は第2の位置のいずれかにあるときに第1の端子と第2の端子との間に接続を形成するように構成されている、接触部材と、
接触部材の移行を容易にし、外力がない場合に接触部材を第1の位置又は第2の位置に保持するように構成されている制御ユニットと、を備える、スイッチと、
バイパス機構であって、
鋭角又は鈍角である第1の角度で接触部材の縁部に接触するように構成されている第1の表面を有する少なくとも1つの可動部材を備える、バイパス機構と、を備える、装置。
【0127】
条項2:第1の可動部材は、接触部材の縁部に向かって動き、第1の位置から第2の位置への接触部材の移行を容易にするために接触部材に力を加えるように構成されている、条項1に記載の装置。
【0128】
条項3:第1の可動部材は、力が第1の可動部材にもはや加えられなくなると、接触部材の縁部から離れるように動くように構成されている、条項2に記載の装置。
【0129】
条項4:バイパス機構は、鋭角又は鈍角である第2の角度で接触部材の縁部に接触するように構成されている第2の表面を有する第2の可動部材を更に備え、第2の角度が第1の角度とは異なる、条項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【0130】
条項5:第2の可動部材は、第2の可動部材に加えられた力に応答して接触部材の縁部に向かって動き、接触部材に力を加えて第2の位置から第1の位置への接触部材の移行を容易にするように構成されている、条項4に記載の装置。
【0131】
条項6:第2の可動部材は、力が第2の可動部材にもはや加えられなくなると、接触部材の縁部から離れるように動くように構成されている、条項5に記載の装置。
【0132】
条項7:バイパス機構は、第1の可動部材に結合された第1のアクチュエータを更に備え、第1の可動部材は、第1のアクチュエータによって伝達された力に応答して接触部材の縁部に向かって動くように構成されている、条項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【0133】
条項8:バイパス機構が、第2の可動部材に結合された第2のアクチュエータを更に備え、第2の可動部材は、第2のアクチュエータによって伝達された力に応答して接触部材の縁部に向かって動くように構成されている、条項4~7のいずれか一項に記載の装置。
【0134】
条項9:バイパス機構は、第1の可動部材に結合された第1の機構を更に備え、第1の機構は、もはや力が第1の可動部材にもはや加えられなくなると、接触部材の縁部から離れる第1の可動部材の動きを容易にするように構成されている、条項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【0135】
条項10:バイパス機構は、第2の可動部材に結合された第2の機構を更に備え、第2の機構は、力が第2の可動部材にもはや加えられなくなると、接触部材の縁部から離れる第2の可動部材の動きを容易にするように構成されている、条項4~9のいずれか一項に記載の装置。
【0136】
条項11:バイパス機構は、第1の支持層を更に備え、第1の可動部材は、第1の支持層を介して第1のアクチュエータに結合される、条項7~10のいずれか一項に記載の装置。
【0137】
条項12:第1の可動部材が細長い形状を有し、第1の可動部材の長手方向軸は、第1の支持層と第1の表面との間に延在し、第1の表面は第1の支持層と鋭角又は鈍角を形成する、条項11に記載の装置。
【0138】
条項13:バイパス機構は、第2の支持層を更に備え、第2の可動部材は、第2の支持層を介して第2のアクチュエータに結合される、条項8~12のいずれか一項に記載の装置。
【0139】
条項14:第2の可動部材が細長い形状を有し、第2の可動部材の長手方向軸は、第2の支持層と第2の表面との間に延在し、第2の表面は第2の支持層と鋭角又は鈍角を形成する、条項13に記載の装置。
【0140】
条項15:第1の可動部材は、第1の支持層に加えられた力に応答して接触部材の縁部に向かって動くように構成されている、条項11~14のいずれか一項に記載の装置。
【0141】
条項16:第1の可動部材は、力が第1の支持層にもはや加えられなくなると、接触部材の縁部から離れるように動くように構成されている、条項15に記載の装置。
【0142】
条項17:第2の可動部材は、第2の支持層に加えられた力に応答して接触部材の縁部に向かって動くように構成されている、条項13~16のいずれか一項に記載の装置。
【0143】
条項18:第2の可動部材は、力が第2の支持層にもはや加えられなくなると、接触部材の縁部から離れるように動くように構成されている、条項17に記載の装置。
【0144】
条項19:力が第1の支持層及び第2の支持層に加えられていないとき、第1の支持層は第2の支持層に隣接して配置され、第1の可動部材は第2の可動部材に隣接して配設される、条項13~18のいずれか一項に記載の装置。
【0145】
条項20:第1の角度及び第2の角度の各々は、個別に、約10°~約80°又は約100°~約170°の範囲である、条項4~19のいずれか一項に記載の装置。
【0146】
条項21:第1の角度及び第2の角度が、補角である、条項4~20のいずれか一項に記載の装置。
【0147】
条項22:第1の表面の長さと接触部材の縁部の長さとの間の比は、少なくとも1.5:1である、条項1~21のいずれか一項に記載の装置。
【0148】
条項23:第2の表面の長さと接触部材の縁部の長さとの間の比は、少なくとも約1.5:1である、条項4~22のいずれか一項に記載の装置。
【0149】
条項24:第1のアクチュエータは、ユーザから受信した信号に応答して第1の可動部材の動きを容易にするように構成されている、条項7~23のいずれか一項に記載の装置。
【0150】
条項25:第2のアクチュエータは、ユーザから受信した信号に応答して第2の可動部材の動きを容易にするように構成されている、条項10~24のいずれか一項に記載の装置。
【0151】
条項26:第1のアクチュエータ、第2のアクチュエータ、又は両方は、押しボタン、圧力センサ、タッチパッド、電気アクチュエータ、油圧アクチュエータ、及び空気圧アクチュエータのうちの少なくとも1つを備える、条項10~25のいずれか一項に記載の装置。
【0152】
条項27:第1のアクチュエータは第1の押しボタンを備え、当該第1の押しボタンは第1の支持層の一体部分であり、第1の押しボタンに力が加わることで、第1の支持層をその載置位置から変位させ、接触部材に向かう第1の可動部材の動きを容易にする、条項26に記載の装置。
【0153】
条項28:第2のアクチュエータは第2の押しボタンを備え、当該第2の押しボタンは第2の支持層の一体部分であり、第2の押しボタンに力が加わることで、第2の支持層をその載置位置から変位させ、接触部材に向かう第2の可動部材の動きを容易にする、条項26又は27に記載の装置。
【0154】
条項29:バイパス機構は、第1の支持層及び第1の可動部材に対して相補的な基部を更に備える、条項11~28のいずれか一項に記載の装置。
【0155】
条項30:基部は、第2の支持層及び第2の可動部材に対して更に相補的である、条項13~29のいずれか一項に記載の装置。
【0156】
条項31:第1の支持層及び基部は、力が第1の支持層に加えられていないときに第1の支持層と基部との間に第1に所定の距離を保持するように構成されている第1の機構を介して結合されている、条項29又は30に記載の装置。
【0157】
条項32:第2の支持層及び基部は、力が第2の支持層に加えられていないときに第2の支持層と基部との間に第2に所定の距離を保持するように構成されている第2の機構を介して結合されている、条項29~31のいずれか一項に記載の装置。
【0158】
条項33:第1の機構、第2の機構、又は両方は、弾性的に圧縮可能な部材、膨張可能な部材、油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、及び磁気アクチュエータのうちの少なくとも1つを備える、条項9、10、31、及び32のいずれか一項に記載の装置。
【0159】
条項34:第1の機構は、基部と第1の支持層との間の距離が第1の所定の距離を超えて増加することを防止するように構成されているロック部材を更に備える、条項31~33のいずれか一項に記載の装置。
【0160】
条項35:第2の機構は、基部と第2の支持層との間の距離が第2の所定の距離を超えて増加することを防止するように構成されているロック部材を更に備える、条項32~34のいずれか一項に記載の装置。
【0161】
条項36:バイパス機構を部分的に封入する内側カバーを更に備え、それにより、第1のアクチュエータ、第2のアクチュエータ、又は両方が内側カバーを越えて延在する、条項8~35のいずれか一項に記載の装置。
【0162】
条項37:基部が、過剰な力が第1のアクチュエータ、第2のアクチュエータ、若しくは両方に加えられたとき、又は力が内側カバーに加えられたとき、内側カバーの屈曲を防止するように構成されているストッパ機構を更に備える、条項36に記載の装置。
【0163】
条項38:ストッパ機構は、基部から延在し、第1のアクチュエータ、第2のアクチュエータ、又は両方に近接して位置する1つ以上のピンを備える、条項36又は37に記載の装置。
【0164】
条項39:基部は、スイッチに結合されている、条項29~38のいずれか一項に記載の装置。
【0165】
条項40:スイッチは、第1の端子及び第2の端子を備える複数の端子対を備え、バイパス機構は、複数の第1の可動部材を備え、各第1の可動部材は、各端子対に対応する、条項1~39のいずれか一項に記載の装置。
【0166】
条項41:バイパス機構は、複数の第2の可動部材に隣接して配設された複数の第2の可動部材を更に備え、各第1の可動部材及びその隣接する第2の可動部材は、各端子対に対応する、条項40に記載の装置。
【0167】
条項42:複数のスイッチ、複数の第1の可動部材、及び複数の第2の可動部材を備え、各第1の可動部材及び各第1の可動部材の対応する第2の可動部材が各スイッチに対応し、複数の第1の可動部材が共通の第1のアクチュエータに結合され、複数の第2の可動部材が共通の第2のアクチュエータに結合されている、条項5~37のいずれか一項に記載の装置。
【0168】
条項43:制御ユニットは、接触部材の移行を容易にするように構成されている電磁回路を備える、条項1~42のいずれか一項に記載の装置。
【0169】
条項44:制御ユニットは、接触部材に結合された保持構成要素を更に備え、保持構成要素は、接触部材に加えられる外力がない場合に接触部材を第1の位置又は第2の位置に安定して保持するように構成されている、条項1~43のいずれか一項に記載の装置。
【0170】
条項45:保持構成要素は、電磁構成要素又は機械的構成要素から選択される、条項44に記載の装置。
【0171】
条項46:スイッチは、ラッチングリレーである、条項1~45のいずれか一項に記載の装置。
【0172】
条項47:スイッチ及びバイパス機構を全体的に封入する取り外し可能な外側カバーを更に備える、条項1~46のいずれか一項に記載の装置。
【0173】
条項48:条項1~47のいずれか一項に記載の装置を備えるエネルギー生成及び/又は貯蔵システムであって、スイッチは、当該システムを電力グリッド及び負荷のうちの少なくとも1つに接続するように構成され、バイパス機構は、スイッチが接続に失敗したときに接続を可能にするように構成されている、エネルギー生成及び/又は貯蔵システム。
【0174】
条項49:条項1~48のいずれか一項に記載の装置を備えるエネルギー生成及び/又は貯蔵システムであって、スイッチは、当該システムを電力グリッド及び負荷のうちの少なくとも1つから切断するように構成され、バイパス機構は、スイッチが切断に失敗したときに切断を可能にするように構成されている、エネルギー生成及び/又は貯蔵システム。
【0175】
条項50:条項1~49のいずれか一項に記載の装置を備えるエネルギー生成及び/又は貯蔵システムであって、スイッチは、当該システムを電力グリッド及び負荷のうちの少なくとも1つに接続し、そこから当該システムを切断するように構成され、バイパス機構は、スイッチが接続に失敗したときに接続を可能にし、スイッチが切断に失敗したときに切断を可能にするように構成されている、エネルギー生成及び/又は貯蔵システム。
【0176】
条項51:当該システムは、システムの電源から電力を受け取り、直流(DC)電力を交流(AC)に変換するように構成されている少なくとも1つのインバータを備え、当該インバータは、スイッチに電気的に接続されている、条項48~50のいずれか一項に記載のエネルギー生成及び/又は貯蔵システム。
【0177】
条項52:条項8~47のいずれか一項に記載の装置のスイッチを手動で操作する方法であって、第1のアクチュエータ、第2のアクチュエータ、又は両方を作動させることを含む、方法。
【0178】
条項53:条項7~47のいずれか一項に記載の装置を備えるエネルギー生成及び/又は貯蔵システムを電力グリッド及び負荷のうちの少なくとも1つから切断する方法であって、第1のアクチュエータを作動させることを含む、方法。
【0179】
条項54:条項8~47のいずれか一項に記載の装置を備えるエネルギー生成及び/又は貯蔵システムを電力グリッド及び負荷のうちの少なくとも1つに接続する方法であって、第2のアクチュエータを作動させることを含む、方法。
【0180】
条項55:装置であって、
スイッチであって、
第1の端子と、
第2の端子と、
係合部を有する接触部材であって、接触部材は、第1の位置及び第2の位置にあり、第1の位置又は第2の位置のいずれかにあるときに第1の端子と第2の端子との間に接続を形成するように構成されている、接触部材と、
接触部材の移行を容易にし、外力がない場合に接触部材を第1の位置又は第2の位置に保持するように構成されている制御ユニットと、を備える、スイッチと、
バイパス機構であって、
係合部を有し、接触部材に向かって第1の方向に動くように構成されている第1の可動部材であって、第1の可動部材の係合部が接触部材の係合部に接触し、第1の位置から第2の位置への接触部材の移行を容易にする、第1の方向とは異なる第2の方向に力の成分を接触部材に加える、第1の可動部材、を備える、バイパス機構と、を備える、装置。
【0181】
条項56:接触部材は、接触部材の係合部を構成する縁部によって接続された第1及び第2の主面を備える、条項55に記載の装置。
【0182】
条項57:第1の可動部材の係合部は、接触部材の長手方向軸に垂直な軸に対して鋭角又は鈍角である第1の角度で接触部材の係合部に接触する、条項56に記載の装置。
【0183】
条項58:接触部材は、接触部材の係合部を構成する端部を有するロッドを備える、条項55に記載の装置。
【0184】
本発明を具体的に説明してきたが、当業者であれば、多くの変形及び修正が可能であることを理解するであろう。したがって、本発明は、具体的に説明された実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、本発明の範囲及び概念は、以下の特許請求の範囲を参照することによってより容易に理解されるであろう。
【外国語明細書】