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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080680
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】空中画像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 30/56 20200101AFI20240606BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20240606BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240606BHJP
   G09F 19/12 20060101ALI20240606BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240606BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240606BHJP
【FI】
G02B30/56
F21V5/04 650
F21V5/04 350
F21S2/00 330
F21S2/00 350
G09F19/12 Z
G09F19/12 F
G09F9/00 357
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023203577
(22)【出願日】2023-12-01
(31)【優先権主張番号】111146352
(32)【優先日】2022-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】517313512
【氏名又は名称】達運精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DARWIN PRECISIONS CORPORATION
【住所又は居所原語表記】No.20-1, Guangfu N. Rd., Hukou Township, Hsinchu County, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】張軒維
(72)【発明者】
【氏名】徐智平
(72)【発明者】
【氏名】柯雅涵
【テーマコード(参考)】
2H199
5G435
【Fターム(参考)】
2H199BA32
2H199BB05
2H199BB06
2H199BB67
2H199BB68
5G435AA01
5G435BB04
5G435EE49
5G435FF07
5G435GG05
5G435HH02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】空中画像を鮮明にし、側面視野角からの二次画像の干渉を軽減することができる空中画像装置を提供する。
【解決手段】空中画像装置10は、コリメート光学部品12と、光源部品14と、結像ユニット16と、マイクロレンズアレイ18とを含む。光源部品は、コリメート光学部品に対応し、ビームL1をコリメート光学部品に射出するように構成され、ビームは、コリメート光学部品によって平行ビームL2に変換され、強度の半分での平行ビームの広がり角は±15度未満である。結像ユニットは、コリメート光学部品が光源部品と結像ユニットとの間に位置するように、コリメート光学部品の光源部品から離れた側に設けられ、平行ビームは、結像ユニットを平行に通過して画像ビームL3に変換されるように適合される。マイクロレンズアレイは、結像ユニットのコリメート光学部品から離れた側に設けられ、画像ビームを集束させて空中画像20として投影する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コリメート光学部品と、
前記コリメート光学部品に対応し、ビームを前記コリメート光学部品に射出するように構成された光源部品であって、前記ビームが前記コリメート光学部品によって平行ビームに変換され、強度の半分での前記平行ビームの広がり角が±15度未満である、光源部品と、
前記コリメート光学部品が前記光源部品と結像ユニットとの間に位置するように、前記コリメート光学部品の前記光源部品から離れた側に設けられた結像ユニットであって、前記平行ビームが、前記結像ユニットを平行に通過して画像ビームに変換されるように適合される、結像ユニットと、
前記結像ユニットの前記コリメート光学部品から離れた側に設けられ、前記画像ビームを集束させて空中画像として投影するマイクロレンズアレイとを備える、空中画像装置。
【請求項2】
前記光源部品の数は複数であり、前記コリメート光学部品の数は複数であり、前記コリメート光学部品の数は前記光源部品の数に対応し、かつ前記コリメート光学部品はそれぞれ、前記光源部品に1つずつ対応する、請求項1に記載の空中画像装置。
【請求項3】
前記コリメート光学部品又は前記光源部品の配置は、マトリックス配置、六角形配置、又は多角形配置である、請求項2に記載の空中画像装置。
【請求項4】
空中タッチモジュールを更に含み、前記空中画像は、予め設定された画像表示領域に位置し、前記空中タッチモジュールは、前記マイクロレンズアレイと前記画像表示領域との間に配置され、また、前記空中タッチモジュールは空中タッチ感知領域を有し、前記空中タッチ感知領域は前記画像表示領域をカバーする、請求項1に記載の空中画像装置。
【請求項5】
前記空中タッチ感知領域は、前記空中タッチモジュールの上方0~10センチメートルの範囲内にある、請求項4に記載の空中画像装置。
【請求項6】
前記コリメート光学部品と前記光源部品との間の距離は0ミリメートル~50ミリメートルである、請求項1に記載の空中画像装置。
【請求項7】
前記光源部品は発光ダイオードを含む、請求項1に記載の空中画像装置。
【請求項8】
前記コリメート光学部品は、基板と、複数の微細構造とを含み、前記基板は、対向する上面及び下面を含み、前記上面は前記結像ユニットに面しており、前記複数の微細構造は前記上面と前記下面のいずれか又は両方に形成される、請求項1に記載の空中画像装置。
【請求項9】
前記複数の微細構造は、複数のV字型溝を含み、前記複数のV字型溝は、等間隔及び等深さのいずれか又は両方で配置される、請求項8に記載の空中画像装置。
【請求項10】
隣接する前記複数のV字型溝の間の距離は10ミクロン~500ミクロンであり、前記複数のV字型溝の深さは10ミクロン~500ミクロンである、請求項8に記載の空中画像装置。
【請求項11】
前記基板の材料は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はポリカーボネート(PC)である、請求項8に記載の空中画像装置。
【請求項12】
前記コリメート光学部品は、紫外線インプリント、射出又は熱平坦化プロセスを通じて形成される、請求項8に記載の空中画像装置。
【請求項13】
前記コリメート光学部品はフレネルレンズである、請求項1に記載の空中画像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空中画像装置に関し、特に空中画像を鮮明にすることができる空中画像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物理的な機械式ボタンは操作中にボタン本体に直接接触する必要があるため、長期間使用すると磨耗が避けられず、耐用年数が短くなる。また、物理的な機械式ボタンを公共の場に設置すると、多くの人が接触するため、ウイルスや細菌などの感染性病原体の付着など、衛生面での懸念が生じやすい。接触によって引き起こされる可能性のある上記の欠陥及び/又はリスクを低減又は回避するために、識別及び更に対応する操作のために予め設定された空中画像を形成する技術がそれに応じて開発されてきた。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、空中画像を鮮明にし、側面視野角からの二次画像の干渉を軽減することができる空中画像装置を提供する。
【0004】
本発明により提供される空中画像装置は、コリメート光学部品と、光源部品と、結像ユニットと、マイクロレンズアレイとを含む。光源部品は、コリメート光学部品に対応し、ビームをコリメート光学部品に射出するように構成され、ビームは、コリメート光学部品によって平行ビームに変換され、強度の半分での平行ビームの広がり角は±15度未満である。結像ユニットは、コリメート光学部品が光源部品と結像ユニットとの間に位置するように、コリメート光学部品の光源部品から離れた側に設けられ、平行ビームは、結像ユニットを平行に通過して画像ビームに変換されるように適合される。マイクロレンズアレイは、結像ユニットのコリメート光学部品から離れた側に設けられ、画像ビームを集束させて空中画像として投影する。
【0005】
本発明の一実施形態では、上記光源部品の数は複数であり、コリメート光学部品の数は複数であり、コリメート光学部品の数は光源部品の数に対応し、かつコリメート光学部品はそれぞれ、光源部品に1つずつ対応する。
【0006】
本発明の一実施形態では、上記コリメート光学部品又は光源部品の配置は、マトリックス配置、六角形配置、又は多角形配置であってもよい。
【0007】
本発明の一実施形態では、上記空中画像装置は、空中タッチモジュールを更に含み、空中画像は、予め設定された画像表示領域に位置し、空中タッチモジュールは、マイクロレンズアレイと画像表示領域との間に配置され、また、空中タッチモジュールは空中タッチ感知領域を有し、空中タッチ感知領域は画像表示領域をカバーする。
【0008】
本発明の一実施形態では、上記空中タッチ感知領域は、空中タッチモジュールの上方0~10センチメートルの範囲内である。
【0009】
本発明の一実施形態では、上記コリメート光学部品と光源部品との間の距離は0ミリメートル~50ミリメートルである。
【0010】
本発明の一実施形態では、上記光源部品は発光ダイオードを含む。
【0011】
本発明の一実施形態では、上記コリメート光学部品は、基板と、複数の微細構造とを含み、基板は、対向する上面及び下面を含み、上面は結像ユニットに面しており、微細構造は上面と下面のいずれか又は両方に形成される。
【0012】
本発明の一実施形態では、上記微細構造は、複数のV字型溝を含み、V字型溝は、等間隔及び等深さのいずれか又は両方で配置される。
【0013】
本発明の一実施形態では、隣接するV字型溝の間の距離は10ミクロン~500ミクロンであり、V字型溝の深さは10ミクロン~500ミクロンである。
【0014】
本発明の一実施形態では、上記基板の材料は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はポリカーボネート(PC)である。
【0015】
本発明の一実施形態では、上記コリメート光学部品は、紫外線インプリント、射出又は熱平坦化プロセスを通じて形成される。
【0016】
本発明の一実施形態では、上記コリメート光学部品はフレネルレンズである。
【0017】
本発明は、コリメート光学部品を使用して、光源部品から発散された光源を均一面の平行光源に変換するため、結像フィルムを通過した画像ビームを対応するマイクロレンズアレイに正確に入射させることができ、空中画像装置の画像を鮮明にし、側面視野角からの二次画像の干渉を軽減する。
【0018】
本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下に実施形態を示し、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態による空中画像装置の概略図である。
図2】本発明の一実施形態による平行ビームの輝度対視野角の分布を示す概略図である。
図3】本発明の一実施形態によるコリメート光学部品の断面構造概略図である。
図4】本発明の一実施形態による光源部品及びコリメート光学部品の構成概略図である。
図5】本発明の一実施形態による空中画像装置の応用例を示す概略図である。
図6】本発明の一実施形態による、空中表示タッチボタンとして使用される空中画像装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の一実施形態による空中画像装置の概略図である。図1に示すように、空中画像装置10は、コリメート光学部品12と、光源部品14と、結像ユニット16と、マイクロレンズアレイ18とを含む。光源部品14は、コリメート光学部品12に対応し、ビームL1をコリメート光学部品12に射出するように構成され、ビームL1は、コリメート光学部品12によって平行ビームL2に変換され、強度の半分での平行ビームL2の広がり角は±15度未満である。図2は、本発明の一実施形態による平行ビームの輝度対視野角の分布を示す概略図である。図2に示すように、0度方向の輝度を100%とした場合、輝度50%のときの視野角は±15度未満となる。
【0021】
上記の説明を続けると、図1に示すように、結像ユニット16は、コリメート光学部品12の光源部品14から離れた側に設けられ、マイクロレンズアレイ18は、結像ユニット16のコリメート光学部品12から離れた側に設けられ、すなわち、光源部品14、コリメート光学部品12、結像ユニット16、及びマイクロレンズアレイ18は順に配置される。コリメート光学部品12は、光源部品14と結像ユニット16との間に位置し、平行ビームL2は、結像ユニット16を平行に通過して画像ビームL3に変換されるように適合される。マイクロレンズアレイ18は、画像ビームL3を集束させて空中画像20として投影する。一実施形態では、結像ユニット16は、予め設定されたパターンを有するネガフィルム、フォトマスク、又はコーティングフィルムであってもよい。マイクロレンズアレイ18は、両凸レンズアレイであってもよいが、これに限定されず、平凸レンズアレイであってもよい。
【0022】
コリメート光学部品12は、基板22と、複数の微細構造24とを含む。図3は本発明の一実施形態によるコリメート光学部品の断面構造概略図である。図1及び図3に示すように、基板22は、対向する上面221及び下面222を含み、下面222は光源部品14に面しており、上面221は結像ユニット16に面しており、微細構造24は上面221に形成されるが、これに限定されない。図示されていない実施形態では、微細構造24は下面222に形成されてもよく、又は上面221と下面222の両方に微細構造24が形成されてもよい。一実施形態では、微細構造24は、複数のV字型溝241を含み、V字型溝241は、例えば円形に囲んでおり、複数のV字型溝241は、例えば、等間隔ではなく等深さで配置されてもよいし、等深さではなく等間隔で配置されてもよいし、等深さかつ等間隔で配置されてもよい。図3は、複数のV字型溝241が等間隔ではなく等深さで配置された例を示す。一実施形態では、隣接するV字型溝241の間の距離D1は10ミクロン~500ミクロンであり、V字型溝241の深さD2は10ミクロン~500ミクロンである。基板22の材料は、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はポリカーボネート(PC)である。一実施形態では、コリメート光学部品12は、紫外線インプリント(UV imprinting)、射出又は熱平坦化プロセスを通じて形成することができる。別の実施形態では、コリメート光学部品12はフレネルレンズであってもよい。
【0023】
図4は、本発明の一実施形態による光源部品及びコリメート光学部品の構成概略図である。図4に示すように、一実施形態では、光源部品14の数は複数であり、コリメート光学部品12の数は複数であり、コリメート光学部品12の数は光源部品14の数に対応し、かつコリメート光学部品12はそれぞれ、光源部品14に1つずつ対応する。一実施形態では、コリメート光学部品12/光源部品14の配置は、マトリックス配置、六角形配置、又は多角形配置であってもよい。更に、一実施形態では、コリメート光学部品12と光源部品14との間の距離D3は、0ミリメートル~50ミリメートルであってもよく、すなわち、光源部品14は、コリメート光学部品12に密着していてもよく、又はコリメート光学部品12から50ミリメートル未満の距離だけ離れていてもよい。
【0024】
図5は、本発明の一実施形態による空中画像装置の応用例を示す概略図である。ここで、空中画像装置10は、収容キャビティ30内に配置されている。光源部品14は、例えば、発光ダイオード(LED)141、回路基板142、及び接続構造143を含み、回路基板142は、収容キャビティ30の底部に配置され、発光ダイオード141は回路基板142上に配置され、接続構造143は回路基板142に電気的に接続され、また外部の電源、制御装置又は他の装置に接続される。
また、空中画像20は、収容キャビティ30の外側の予め設定された画像表示領域32に表示される。
【0025】
引き続き図5を参照すると、空中画像装置10は、マイクロレンズアレイ18と画像表示領域32との間に配置された空中タッチモジュール34を更に含む。具体的には、フレーム36を使用して収容キャビティ30の壁301を画定し、壁301は、画像表示領域32に面する開口部302を画定することができる。空中タッチモジュール34は開口部302の上に配置され、空中タッチモジュール34は空中タッチ感知領域38を有し、空中タッチ感知領域38は、例えば、空中タッチモジュール34の真上に位置し、かつ画像表示領域32をカバーする。一実施形態では、空中タッチ感知領域38は、例えば、空中タッチモジュール34の上方0~10センチメートルの範囲内であり、すなわち、空中タッチ感知領域38の最高点と空中タッチモジュール34との間の距離D4は、0センチメートル~10センチメートルである。更に図5に示すように、一実施形態では、フレーム36は、画像ビームL3を通過させる透明カバープレート40を更に含み、この透明カバーは、収容キャビティ30の開口部302及び空中タッチモジュール34を覆い、美観及び保護などの効果を達成する。
【0026】
図6は、本発明の一実施形態による、空中表示タッチボタンとして使用される空中画像装置の概略図である。図6に示すように、空中画像装置10は、空中表示タッチボタンとして、例えばエレベータ又は現金自動預け払い機(ATM)のキーパネル42上に配置され、エレベータ/現金自動預け払い機の既存のスイッチモジュールの外観に適合し、かつエレベータ/現金自動預け払い機の電気信号に対応し、ここで、空中画像装置10のフレーム36はキーパネル42に収容され、デジタル画像などの空中画像20はキーパネル42の上方に浮いて現れる。
【0027】
上記によれば、本発明の空中画像装置の一実施形態では、コリメート光学部品を使用して、光源部品から発散された光源を均一面の平行光源に変換することにより、結像フィルムを通過した画像ビームを対応するマイクロレンズアレイに正確に入射させることができ、空中画像装置の画像を鮮明にし、側面視野角からの二次画像の干渉を軽減する。
【0028】
以上、実施形態を通じて本発明を開示したが、これらは本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、いくつかの変更及び修正を行うことができる。したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定されるものとする。
【符号の説明】
【0029】
10:空中画像装置
12:コリメート光学部品
14:光源部品
141:発光ダイオード
142:回路基板
143:接続構造
16:結像ユニット
18:マイクロレンズアレイ
L1:ビーム
L2:平行ビーム
L3:画像ビーム
20:空中画像
22:基板
221:上面
222:下面
24:微細構造
241:V字型溝
D1:距離
D2:深さ
D3、D4:距離
30:収容キャビティ
301:壁
302:開口部
32:画像表示領域
34:空中タッチモジュール
36:フレーム
38:空中タッチ感知領域
40:透明カバープレート
42:キーパネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6