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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080683
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】電気モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/173 20060101AFI20240606BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
H02K5/173 A
B25F5/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】64
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023203641
(22)【出願日】2023-12-01
(31)【優先権主張番号】63/385,884
(32)【優先日】2022-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】598073073
【氏名又は名称】ミルウォーキー エレクトリック ツール コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ウッド、ジェイコブ ジー.
(72)【発明者】
【氏名】イプマ、カーター エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ジルシンガー、ジョーダン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】クジョースキー、クリストファー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】バトケ、ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ベイヤール、アンドリュー ティー.
(72)【発明者】
【氏名】エマーソン、リネア
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー、マシュー アール.
(72)【発明者】
【氏名】ヘッセンバーガー、ジェフリー シー.
【テーマコード(参考)】
3C064
5H605
【Fターム(参考)】
3C064AA02
3C064AA03
3C064AB02
3C064AC02
3C064BA40
3C064BB01
3C064BB72
3C064CA03
3C064CA06
3C064CA09
3C064CA10
3C064CA11
3C064CA24
3C064CA27
3C064CA36
3C064CA53
3C064CA80
3C064CB32
3C064CB62
3C064CB71
5H605BB05
5H605BB19
5H605CC04
5H605EB10
5H605EB17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】アウターロータ型電気モータを提供する。
【解決手段】電気モータ14が、ロータシャフト、ロータシャフトに固定連結されたロータ本体、及びロータ本体に連結された複数の磁石を含むロータアセンブリ22を含む。ロータ本体の中に少なくとも部分的に受けられるステータアセンブリ20を含む。ステータアセンブリは、ステータ支持部及びモータ支持部を含むステータマウント26を含む。また、ステータマウントによって固定支持されたステータコアアセンブリ28を含み、ステータコアアセンブリが、ロータシャフト及びステータ支持部を受ける中央ボアを画成する。外輪及び内輪を有するベアリング64を含み、外輪は、ステータコアアセンブリによって支持され、内輪が、ステータアセンブリに対する回転のためにロータシャフトを支持する。ステータコアアセンブリは、中央ボアに隣接するベアリングポケットをさらに画成する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータであって、
ロータシャフト、前記ロータシャフトに固定連結されたロータ本体、及び前記ロータ本体に連結された複数の磁石を含むロータアセンブリと、
前記ロータ本体の中に少なくとも部分的に受けられるステータアセンブリであって、前記ステータアセンブリが、
ステータ支持部及びモータ支持部を含むステータマウント、並びに
前記ステータマウントによって固定支持されたステータコアアセンブリであって、前記ステータコアアセンブリが、前記ロータシャフト及び前記ステータ支持部を受ける中央ボアを画成する、ステータコアアセンブリ
を含む、ステータアセンブリと、
外輪及び内輪を有するベアリングであって、前記外輪が、前記ステータコアアセンブリによって支持され、前記内輪が、前記ステータアセンブリに対する回転のために前記ロータシャフトを支持する、ベアリングと、
を備え、
前記ステータコアアセンブリが、前記中央ボアに隣接し且つ前記ベアリングの前記外輪を受けるように構成された、ベアリングポケットをさらに画成し、
前記ベアリングポケットが前記中央ボアに移行する場所に段差が形成される、
電気モータ。
【請求項2】
前記中央ボアが、第1の直径を有し、前記ベアリングポケットが、前記第1の直径より大きい第2の直径を有する、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項3】
前記段差が、前記ベアリングの軸方向の位置を固定する、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項4】
前記ベアリングポケットが、第2のベアリングポケットであり、前記ベアリングが、第2のベアリングであり、前記第1のベアリングの内輪が前記ステータアセンブリに対する回転のために前記ロータシャフトを支持するように、前記モータ支持部が、第1のベアリングを受けるように構成された第1のベアリングポケットを画成する、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項5】
前記ステータコアアセンブリが、ステータコアと、前記ステータコアに連結された絶縁体と、を含み、前記電気モータが、前記絶縁体に固着されたプリント回路基板アセンブリ(PCBA)をさらに備える、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項6】
前記PCBAが、軸方向に前記ロータ本体と前記モータ支持部との間に配置される、請求項5に記載の電気モータ。
【請求項7】
前記絶縁体が、前記ステータコアから軸方向に離れて突出する複数の支持棒を画成し、前記PCBAが、前記複数の支持棒を受けて前記PCBAを前記絶縁体に固定するように構成される複数の貫通穴を画成する回路基板を含む、請求項5に記載の電気モータ。
【請求項8】
前記複数の支持棒の各支持棒の遠位端が、前記複数の貫通穴の各貫通穴の直径より大きな直径を有するフランジを画成する、請求項7に記載の電気モータ。
【請求項9】
前記絶縁体が、前記ステータコアから軸方向に離れて突出する複数の柱をさらに画成し、前記複数の支持棒の各支持棒が、前記複数の柱の各柱から突出する、請求項8に記載の電気モータ。
【請求項10】
前記複数の支持棒の各支持棒と前記複数の柱の各柱との間に、肩部が画成され、前記肩部が、前記回路基板の表面に当接する、請求項9に記載の電気モータ。
【請求項11】
前記回路基板が、各肩部と各フランジとの間に取り込まれる、請求項10に記載の電気モータ。
【請求項12】
前記モータ支持部が、ピンを受けるように構成された開口部を画成し、前記ピンが、前記モータ支持部をギアケースに固定する、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項13】
電動工具であって、
ハウジングと、
電気モータであって、
ロータシャフト、前記ロータシャフトに固定連結されたロータ本体、及び前記ロータ本体に連結された複数の磁石を含むロータアセンブリ、並びに
前記ロータアセンブリの中に少なくとも部分的に受けられるステータアセンブリであって、前記ステータアセンブリが、
ステータ支持部及びモータ支持部を有するステータマウント、並びに
前記ステータマウントによって固定支持されたステータコアアセンブリであって、前記ステータコアアセンブリが、前記ロータシャフト及び前記ステータ支持部を受ける中央ボアを画成する、ステータコアアセンブリ
を含む、ステータアセンブリ
を含む、電気モータと、
前記モータ支持部に固定連結するように構成されたアダプタであって、前記アダプタが、第1のカプラを含む、アダプタと、
前記第1のカプラによって受けられて、ギアケースに前記アダプタを着脱可能に連結するように構成された第2のカプラを含む、前記ギアケースと、
を備える、電動工具。
【請求項14】
前記アダプタが、ベースプレートをさらに含み、前記第1のカプラが、前記ベースプレートから突出し且つスロットを画成する、バヨネットカプラを含み、前記第2のカプラが、前記スロット内に受けられるように構成されたタブを含む、請求項13に記載の電動工具。
【請求項15】
前記モータ支持部が、タブを含み、前記タブ及び前記ベースプレートのうちの一方が、ネジボスを含み、前記電動工具が、前記タブ及び前記ベースプレートのうちの他方に挿入され且つ前記ネジボスに締結されるネジをさらに含む、請求項14に記載の電動工具。
【請求項16】
電気モータであって、
ロータシャフト、前記ロータシャフトに固定連結されたロータ本体、及び前記ロータ本体に連結された複数の磁石を含むロータアセンブリと、
前記ロータ本体の中に少なくとも部分的に受けられるステータアセンブリであって、前記ステータアセンブリが、
ステータ支持部及びモータ支持部を含むステータマウント、
前記ステータマウントによって固定支持されたステータコアアセンブリであって、前記ステータコアアセンブリが、ステータコア及び前記ステータコアに連結された絶縁体を含み、前記ステータコアが、前記ロータシャフト及び前記ステータ支持部を受ける中央ボアを画成する、ステータコアアセンブリ、並びに
前記ステータコアアセンブリ上に支持される複数のコイルを画成する、複数の巻線
を含む、ステータアセンブリと、
前記絶縁体に固着されたプリント回路基板アセンブリ(PCBA)と、
を備え、
前記絶縁体が、前記ステータコアから軸方向に離れて突出する複数の支持棒を画成し、
前記PCBAが、前記複数の支持棒を受けて前記PCBAを前記絶縁体に固定するように構成される複数の貫通穴を画成する回路基板を含む、
電気モータ。
【請求項17】
前記複数の支持棒の各支持棒の遠位端が、前記複数の貫通穴の各貫通穴の直径より大きな直径を有するフランジを画成する、請求項16に記載の電気モータ。
【請求項18】
前記絶縁体が、前記ステータコアから軸方向に離れて突出する複数の柱をさらに画成し、前記複数の支持棒の各支持棒が、前記複数の柱の各柱から突出する、請求項17に記載の電気モータ。
【請求項19】
前記複数の支持棒の各支持棒と前記複数の柱の各柱との間に、肩部が画成され、前記肩部が、前記回路基板の表面に当接する、請求項18に記載の電気モータ。
【請求項20】
前記回路基板が、各肩部と各フランジとの間に取り込まれる、請求項19に記載の電気モータ。
【請求項21】
前記複数の貫通穴が、前記絶縁体に対して前記PCBAの一方向にのみ前記複数の支持棒を受けるようにさらに構成される、請求項16に記載の電気モータ。
【請求項22】
前記PCBAが、複数の位置センサをさらに含む、請求項16に記載の電気モータ。
【請求項23】
前記回路基板が、円弧形状を有する、請求項22に記載の電気モータ。
【請求項24】
前記ロータアセンブリが、軸を中心に回転するように構成され、前記回路基板が、前記軸を中心に180度未満に延びる、請求項22に記載の電気モータ。
【請求項25】
電気モータであって、
ロータシャフト、前記ロータシャフトに固定連結されたロータ本体、及び前記ロータ本体に連結された複数の磁石を含むロータアセンブリと、
前記ロータ本体の中に少なくとも部分的に受けられるステータアセンブリであって、前記ステータアセンブリが、
ステータ支持部及びモータ支持部を含むステータマウント、
前記ステータマウントによって固定支持され、複数の歯を画成するステータコアアセンブリであって、前記ステータコアアセンブリが、ステータコア及び前記ステータコアに連結された絶縁体を含み、前記ステータコアが、前記ロータシャフト及び前記ステータ支持部を受ける中央ボアを画成する、ステータコアアセンブリ、
前記複数の歯の上に支持される複数のコイルを画成する、複数の巻線、並びに
前記複数の巻線に機械的且つ電気的に接続するように構成された複数の端子を含む、端子構成であって、前記複数の端子が、前記絶縁体の内周において前記絶縁体から軸方向に突出した円筒端壁上に支持される、端子構成
を含む、ステータアセンブリと、
を備える、電気モータ。
【請求項26】
前記円筒端壁が、前記複数の歯から径方向内側に位置する、請求項25に記載の電気モータ。
【請求項27】
各端子が、前記円筒端壁に固着された環状マウントに固着される、請求項25に記載の電気モータ。
【請求項28】
各端子が、前記複数の巻線の少なくとも1つの巻線に機械的且つ電気的に接続するように構成されたタングと、前記少なくとも1つの巻線に電力を供給するための電源線に機械的且つ電気的に接続するように構成された接続部と、を含む、請求項25に記載の電気モータ。
【請求項29】
各接続部が、前記モータ支持部に向かって軸方向に突出する、請求項28に記載の電気モータ。
【請求項30】
前記モータ支持部が、複数の凹部を画成し、各凹部がそれぞれ、各接続部の少なくとも一部を受ける、請求項29に記載の電気モータ。
【請求項31】
各接続部が、前記電気モータの軸方向を横断する横方向に突出する、請求項28に記載の電気モータ。
【請求項32】
前記タングが、第1のタングであり、各端子が、第2のタングをさらに含む、請求項28に記載の電気モータ。
【請求項33】
前記絶縁体に固着されたプリント回路基板アセンブリ(PCBA)をさらに備え、前記PCBAが、円弧形状を有し且つ前記複数の端子から径方向外側に配置される回路基板を含む、請求項25に記載の電気モータ。
【請求項34】
前記回路基板が、前記複数の端子のうちの2つの端子の周囲に延びる、請求項33に記載の電気モータ。
【請求項35】
電気モータであって、
ロータシャフト、前記ロータシャフトに固定連結されたロータ本体、及び前記ロータ本体に連結された複数の磁石を含むロータアセンブリと、
前記ロータ本体の中に少なくとも部分的に受けられるステータアセンブリであって、前記ステータアセンブリが、
ステータ支持部及びモータ支持部を含むステータマウント、
前記ステータマウントによって固定支持され、複数の歯を画成するステータコアアセンブリであって、前記ステータコアアセンブリが、ステータコア及び前記ステータコアに連結された絶縁体を含み、前記ステータコアが、前記ロータシャフト及び前記ステータ支持部を受ける中央ボアを画成し、前記絶縁体が、前記絶縁体の内周において前記ステータコアから軸方向に突出する円筒端壁を画成する、ステータコアアセンブリ、
前記複数の歯の上に支持される複数のコイルを画成する、複数の巻線、並びに
複数の絶縁部によって互いから角度的に離隔された複数の端子を有する整流子リングを含む端子構成であって、前記整流子リングが、前記円筒端壁の周囲に支持され、前記複数の端子が、前記複数の巻線に機械的且つ電気的に接続するように構成される、端子構成
を含む、ステータアセンブリと、
を備える、電気モータ。
【請求項36】
前記円筒端壁が、前記複数の歯から径方向内側に位置する、請求項35に記載の電気モータ。
【請求項37】
各端子が、前記複数の巻線の少なくとも1つの巻線に機械的且つ電気的に接続するように構成されたタングと、前記少なくとも1つの巻線に電力を供給するためのバスバーに機械的且つ電気的に接続するように構成された接続部と、を含む、請求項35に記載の電気モータ。
【請求項38】
各接続部が、前記モータ支持部に向かって軸方向に突出する、請求項37に記載の電気モータ。
【請求項39】
円弧形状を有し、前記複数の端子のうちの第1の端子を前記複数の端子のうちの第2の端子と電気的に接続する、バスバーをさらに備える、請求項35に記載の電気モータ。
【請求項40】
前記バスバーが、電源線に機械的且つ電気的に接続するように構成された電源コネクタを含む、請求項39に記載の電気モータ。
【請求項41】
前記バスバーが、貫通穴を画成する端子コネクタを含み、前記複数の端子の少なくとも1つの端子が、前記貫通穴に受け入れられる接続部を含む、請求項39に記載の電気モータ。
【請求項42】
前記バスバーが、軸方向に突出し且つ前記複数の端子の少なくとも1つの端子に接触する、端子コネクタを含む、請求項39に記載の電気モータ。
【請求項43】
前記絶縁体に固着されたプリント回路基板アセンブリ(PCBA)をさらに備え、前記PCBAが、環形状を有し且つ前記整流子リングから径方向外側に配置される回路基板を含む、請求項35に記載の電気モータ。
【請求項44】
前記回路基板が、前記複数の端子のうちの2つの端子の周囲に延びる、請求項43に記載の電気モータ。
【請求項45】
電気モータであって、
ロータシャフト、前記ロータシャフトに固定連結されたロータ本体、及び前記ロータ本体に連結された複数の磁石を含むロータアセンブリと、
前記ロータ本体の中に少なくとも部分的に受けられるステータアセンブリであって、前記ステータアセンブリが、
ステータ支持部及びモータ支持部を含むステータマウント、
前記ステータマウントによって固定支持され、複数の歯を画成するステータコアアセンブリであって、前記ステータコアアセンブリが、ステータコア及び前記ステータコアに連結された絶縁体を含み、前記ステータコアが、前記ロータシャフト及び前記ステータ支持部を受ける中央ボアを画成する、ステータコアアセンブリ、
前記複数の歯の上に支持される複数のコイルを画成する、複数の巻線、並びに
複数の絶縁部によって互いから角度的に離隔された複数の端子を有する整流子リングを含む端子構成であって、前記複数の端子が、前記複数の巻線に機械的且つ電気的に接続するように構成される、端子構成
を含む、ステータアセンブリと、
前記絶縁体に固着されたプリント回路基板アセンブリ(PCBA)と、
を備え、
前記整流子リングが、前記PCBAによって前記ステータコアアセンブリの周囲に支持される、
電気モータ。
【請求項46】
各端子が、前記電気モータの軸方向に延びる接続部を含み、前記PCBAが、円弧形状を有し且つ複数の貫通穴を画成する回路基板を含み、各接続部が、前記複数の貫通穴の対応する貫通穴内に受け入れられる、請求項45に記載の電気モータ。
【請求項47】
各接続部が、前記PCBAに機械的且つ電気的に接続される、請求項46に記載の電気モータ。
【請求項48】
各端子が、前記複数の巻線の少なくとも1つの巻線に機械的且つ電気的に接続するように構成されたタングを含む、請求項46に記載の電気モータ。
【請求項49】
前記タングが、第1のタングであり、各端子が、第2のタングをさらに含む、請求項48に記載の電気モータ。
【請求項50】
前記タングが、前記少なくとも1つの巻線のリード部を受けるスロットを画成する、請求項48に記載の電気モータ。
【請求項51】
前記整流子リングが、前記ステータコアアセンブリの外周を取り囲む、請求項45に記載の電気モータ。
【請求項52】
前記ステータコアアセンブリの外径が、前記整流子リングの内径より小さい、請求項51に記載の電気モータ。
【請求項53】
前記PCBAが、円弧形状を有する回路基板を含み、前記整流子リングの外径が、前記回路基板の外径以下である、請求項45に記載の電気モータ。
【請求項54】
前記整流子リングが、前記PCBAに固着される、請求項45に記載の電気モータ。
【請求項55】
電気モータであって、
ロータシャフト、前記ロータシャフトに固定連結されたロータ本体、及び前記ロータ本体に連結された複数の磁石を含むロータアセンブリと、
前記ロータ本体の中に少なくとも部分的に受けられるステータアセンブリであって、前記ステータアセンブリが、
ステータ支持部及びモータ支持部を含むステータマウント、
前記ステータマウントによって固定支持され、複数の歯を画成するステータコアアセンブリであって、前記ステータコアアセンブリが、ステータコア及び前記ステータコアに連結された絶縁体を含み、前記ステータコアが、前記ロータシャフト及び前記ステータ支持部を受ける中央ボアを画成する、ステータコアアセンブリ、
前記複数の歯の上に支持される複数のコイルを画成する、複数の巻線、並びに
前記絶縁体に固着されたプリント回路基板アセンブリ(PCBA)であって、前記PCBAが、環状形状を有し且つ径方向に内周及び外周を含む回路基板を含み、前記回路基板が、前記内周に位置し且つ径方向内側に突出する複数のホーンをさらに含み、各ホーンが、導電パッドを支持する、プリント回路基板アセンブリ
を含む、ステータアセンブリと、
を備え、
前記複数のホーンが、前記複数の巻線に機械的且つ電気的に接続するように構成される、電気モータ。
【請求項56】
前記複数の巻線が、前記複数のホーンの各導電パッドに半田付けされる、請求項55に記載の電気モータ。
【請求項57】
前記PCBAが、複数の電源線コネクタ、及び各ホーンの前記導電パッドと前記複数の電源線コネクタとの間に延びる複数の導電トレースを含む、請求項55に記載の電気モータ。
【請求項58】
前記PCBAが、軸方向に前記ロータ本体と前記モータ支持部との間に配置される、請求項55に記載の電気モータ。
【請求項59】
前記絶縁体が、前記ステータコアから軸方向に離れて突出する複数の支持棒を画成し、前記回路基板が、前記複数の支持棒を受けて前記PCBAを前記絶縁体に固定するように構成される複数の貫通穴を画成する、請求項58に記載の電気モータ。
【請求項60】
前記複数の支持棒の各支持棒の遠位端が、前記複数の貫通穴の各貫通穴の直径より大きな直径を有するフランジを画成する、請求項59に記載の電気モータ。
【請求項61】
前記絶縁体が、前記ステータコアから軸方向に離れて突出する複数の柱をさらに画成し、前記複数の支持棒の各支持棒が、前記複数の柱の各柱から突出する、請求項60に記載の電気モータ。
【請求項62】
前記複数の支持棒の各支持棒と前記複数の柱の各柱との間に、肩部が画成され、前記肩部が、前記回路基板の表面に当接する、請求項61に記載の電気モータ。
【請求項63】
前記回路基板が、各肩部と各フランジとの間に取り込まれる、請求項62に記載の電気モータ。
【請求項64】
前記複数の貫通穴が、前記絶縁体に対して前記PCBAの一方向にのみ前記複数の支持棒を受けるようにさらに構成される、請求項59に記載の電気モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年12月2日に出願された米国仮特許出願第63/385,884号への優先権を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、電気モータに関し、より具体的には、アウターロータ型電気モータに関する。
【背景技術】
【0003】
電気モータは、典型的には、定常場又はステータ、及び回転可能な電機子又はロータを含む。ステータは、周辺モータ支持構造によって固定的に保持されたままである。ロータは、ステータ及び周辺モータ支持構造に対して回転可能に支持されている。動作中、ロータは、ステータに対して回転して、モータのトルク出力をもたらす。
【0004】
アウターロータ型モータ設計では、ロータの少なくとも一部が、ステータの径方向外側に位置し、ステータを取り囲む。ステータは、概してロータの内側又はロータの中に存在し、ロータに対して且つ周辺モータ支持構造に対して固定支持されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、一態様において、ロータシャフト、ロータシャフトに固定連結されたロータ本体、及びロータ本体に連結された複数の磁石を含むロータアセンブリを含む、電気モータを提供する。電気モータは、また、ロータ本体の中に少なくとも部分的に受けられるステータアセンブリを含む。ステータアセンブリは、ステータ支持部及びモータ支持部を含むステータマウントを含む。ステータアセンブリは、また、ステータマウントによって固定支持されたステータコアアセンブリを含み、ステータコアアセンブリが、ロータシャフト及びステータ支持部を受ける中央ボアを画成する。電気モータは、また、外輪及び内輪を有するベアリングを含み、外輪は、ステータコアアセンブリによって支持され、内輪が、ステータアセンブリに対する回転のためにロータシャフトを支持する。ステータコアアセンブリは、中央ボアに隣接し且つベアリングの外輪を受けるように構成された、ベアリングポケットをさらに画成する。ベアリングポケットが中央ボアに移行する場所に段差が形成される。
【0006】
本開示は、別の態様において、ハウジング及び電気モータを含む電動工具を提供する。電気モータは、ロータシャフト、ロータシャフトに固定連結されたロータ本体、及びロータ本体に連結された複数の磁石を含むロータアセンブリを含む。電気モータは、また、ロータアセンブリの中に少なくとも部分的に受けられるステータアセンブリを含む。ステータアセンブリは、ステータ支持部及びモータ支持部を有するステータマウントを含む。ステータアセンブリは、また、ステータマウントによって固定支持されたステータコアアセンブリを含み、ステータコアアセンブリが、ロータシャフト及びステータ支持部を受ける中央ボアを画成する。電動工具は、また、モータ支持部に固定連結するように構成されたアダプタを含み、アダプタは、第1のカプラを含む。電動工具は、第1のカプラによって受けられて、ギアケースにアダプタを着脱可能に連結するように構成された第2のカプラを含む、ギアケースをさらに含む。
【0007】
本開示は、別の態様において、ロータシャフト、ロータシャフトに固定連結されたロータ本体、及びロータ本体に連結された複数の磁石を含むロータアセンブリを含む、電気モータを提供する。電気モータは、また、ロータ本体の中に少なくとも部分的に受けられるステータアセンブリを含む。ステータアセンブリは、ステータ支持部及びモータ支持部を含むステータマウントを含む。ステータアセンブリは、また、ステータマウントによって固定支持されたステータコアアセンブリを含み、ステータコアアセンブリは、ステータコア及びステータコアに連結された絶縁体を含み、ステータコアは、ロータシャフト及びステータ支持部を受ける中央ボアを画成する。ステータアセンブリは、ステータコアアセンブリ上に支持される複数のコイルを画成する、複数の巻線をさらに含む。電気モータは、また、絶縁体に固着されたプリント回路基板アセンブリ(PCBA)を含む。絶縁体は、ステータコアから軸方向に離れて突出する複数の支持棒を画成する。PCBAは、複数の支持棒を受けてPCBAを絶縁体に固定するように構成される複数の貫通穴を画成する回路基板を含む。
【0008】
本開示は、別の態様において、ロータシャフト、ロータシャフトに固定連結されたロータ本体、及びロータ本体に連結された複数の磁石を含むロータアセンブリを含む、電気モータを提供する。電気モータは、また、ロータ本体の中に少なくとも部分的に受けられるステータアセンブリを含む。ステータアセンブリは、ステータ支持部及びモータ支持部を含むステータマウントを含む。ステータアセンブリは、また、ステータマウントによって固定支持され、複数の歯を画成するステータコアアセンブリを含み、ステータコアアセンブリは、ステータコア及びステータコアに連結された絶縁体を含み、ステータコアは、ロータシャフト及びステータ支持部を受ける中央ボアを画成する。ステータアセンブリは、また、複数の歯の上に支持される複数のコイルを画成する、複数の巻線を含む。ステータアセンブリは、複数の巻線に機械的且つ電気的に接続するように構成された複数の端子を含む、端子構成であって、複数の端子が、絶縁体の内周において絶縁体から軸方向に突出した円筒端壁上に支持される、端子構成をさらに含む。
【0009】
本開示は、別の態様において、ロータシャフト、ロータシャフトに固定連結されたロータ本体、及びロータ本体に連結された複数の磁石を含むロータアセンブリを含む、電気モータを提供する。電気モータは、また、ロータ本体の中に少なくとも部分的に受けられるステータアセンブリを含む。ステータアセンブリは、ステータ支持部及びモータ支持部を含むステータマウントを含む。ステータアセンブリは、また、ステータマウントによって固定支持され、複数の歯を画成するステータコアアセンブリを含み、ステータコアアセンブリが、ステータコア及びステータコアに連結された絶縁体を含み、ステータコアが、ロータシャフト及びステータ支持部を受ける中央ボアを画成し、絶縁体が、絶縁体の内周においてステータコアから軸方向に突出する円筒端壁を画成する。ステータアセンブリは、複数の歯の上に支持される複数のコイルを画成する、複数の巻線をさらに含む。ステータアセンブリは、また、複数の絶縁部によって互いから角度的に離隔された複数の端子を有する整流子リングを含む端子構成を含み、整流子リングが、円筒端壁の周囲に支持され、複数の端子が、複数の巻線に機械的且つ電気的に接続するように構成される。
【0010】
本開示は、別の態様において、ロータシャフト、ロータシャフトに固定連結されたロータ本体、及びロータ本体に連結された複数の磁石を含むロータアセンブリを含む、電気モータを提供する。電気モータは、また、ロータ本体の中に少なくとも部分的に受けられるステータアセンブリを含む。ステータアセンブリは、ステータ支持部及びモータ支持部を含むステータマウントを含む。ステータアセンブリは、また、ステータマウントによって固定支持され、複数の歯を画成するステータコアアセンブリを含み、ステータコアアセンブリは、ステータコア及びステータコアに連結された絶縁体を含み、ステータコアは、ロータシャフト及びステータ支持部を受ける中央ボアを画成する。ステータアセンブリは、複数の歯の上に支持される複数のコイルを画成する、複数の巻線をさらに含む。ステータアセンブリは、また、複数の絶縁部によって互いから角度的に離隔された複数の端子を有する整流子リングを含む端子構成を含み、複数の端子が、複数の巻線に機械的且つ電気的に接続するように構成される。電気モータは、また、絶縁体に固着されたプリント回路基板アセンブリ(PCBA)を含む。整流子リングは、PCBAによってステータコアアセンブリの周囲に支持される。
【0011】
本開示は、別の態様において、ロータシャフト、ロータシャフトに固定連結されたロータ本体、及びロータ本体に連結された複数の磁石を含むロータアセンブリを含む、電気モータを提供する。電気モータは、また、ロータ本体の中に少なくとも部分的に受けられるステータアセンブリを含む。ステータアセンブリは、ステータ支持部及びモータ支持部を含むステータマウントを含む。ステータアセンブリは、また、ステータマウントによって固定支持され、複数の歯を画成するステータコアアセンブリを含み、ステータコアアセンブリは、ステータコア及びステータコアに連結された絶縁体を含み、ステータコアは、ロータシャフト及びステータ支持部を受ける中央ボアを画成する。ステータアセンブリは、複数の歯の上に支持される複数のコイルを画成する、複数の巻線をさらに含む。電気モータは、また、絶縁体に固着されたプリント回路基板アセンブリ(PCBA)を含み、PCBAが、環状形状を有し且つ径方向に内周及び外周を含む回路基板を含み、回路基板が、内周に位置し且つ径方向内側に突出する複数のホーンをさらに含み、各ホーンが、導電パッドを支持する。複数のホーンは、複数の巻線に機械的且つ電気的に接続するように構成される。
【0012】
本開示の他の特徴及び態様は、以下の詳細な説明及び添付の図面を検討すれば明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の一実施形態による電動工具の概略図である。
図2図1の電動工具の電気モータの斜視図である。
図3図1の電動工具の電気モータの斜視図である。
図4図2の電気モータの部分爆発斜視図である。
図5図2の電気モータの部分爆発斜視図である。
図6図2の電気モータのステータの斜視図である。
図7図2の電気モータのステータの斜視図である。
図8図7のステータの部分爆発斜視図である。
図9図2の電気モータのロータの斜視図である。
図10図2の電気モータのロータの斜視図である。
図11図9のロータの正面図である。
図12図9のロータの部分爆発斜視図である。
図12A】別の実施形態による図9のロータのロータフレームの斜視図である。
図13図2の線13-13に沿って取られた図2の電気モータの断面図である。
図14図7のステータの一部の部分爆発斜視図である。
図15A】別の実施形態による電気モータの斜視図である。
図15B図15Aの線15-15に沿って取られた図15Aの電気モータの断面図である。
図16A】別の実施形態による電気モータの斜視図である。
図16B図16Aの線16-16に沿って取られた図16Aの電気モータの断面図である。
図17図2の電気モータ、ギアケース、及びアダプタプレートの部分爆発斜視図である。
図18A】は、図2の電気モータに連結された図17のアダプタプレート及び図17のギアケースを示す斜視図である。
図18B】は、図2の電気モータに連結された図17のアダプタプレート及び図17のギアケースを示す斜視図である。
図19】別の実施形態による、電気モータ及びギアケースの部分爆発斜視図である。
図20A】は、互いに連結された図19の電気モータ及びギアケースの斜視図である。
図20B】は、互いに連結された図19の電気モータ及びギアケースの斜視図である。
図21】プリント回路基板アセンブリ(PCBA)を図7のステータに連結する方法を示す斜視図である。
図22A図21のPCBAの正面図である。
図22B】別の実施形態によるPCBAの正面図である。
図23】別の実施形態によるPCBAの正面図である。
図24A】別の実施形態によるPCBAの、それぞれ正面図及び背面図である。
図24B】別の実施形態によるPCBAの、それぞれ正面図及び背面図である。
図25】別の実施形態によるPCBAの背面図である。
図26図7のステータの巻線構成を示す概略図である。
図27図7のステータの端子構成の斜視図である。
図28図7のステータのステータマウントの斜視図である。
図29図7のステータの部分斜視図である。
図30図27の端子構成の端子の、それぞれ側面図及び斜視図である。
図31図27の端子構成の端子の、それぞれ側面図及び斜視図である。
図32】別の実施形態による図27の端子構成の端子の斜視図である。
図33】別の実施形態による図7のステータの端子構成の部分側面図である。
図34図33の端子構成の上面図である。
図35図33の端子構成の端子の斜視図である。
図36】別の実施形態による図7のステータの端子構成の斜視図である。
図37図36の端子構成の端子の斜視図である。
図38図36の端子構成の端子の斜視図である。
図39】別の実施形態による図36の端子構成の端子の斜視図である。
図40】別の実施形態による図7のステータの端子構成の斜視図である。
図41】別の実施形態による図7のステータの端子構成の斜視図である。
図42】別の実施形態による図7のステータの端子構成の斜視図である。
図43図40~42の端子構成のバスバーの斜視図である。
図44】別の実施形態による図7のステータの端子構成の斜視図である。
図45】別の実施形態による図7のステータの端子構成の斜視図である。
図46】別の実施形態による図7のステータの端子構成の斜視図である。
図47】別の実施形態による図7のステータの端子構成の斜視図である。
図48図47の端子構成のPCBAの一部の部分斜視図である。
図49図47の端子構成のPCBAの一部の部分斜視図である。
図50】別の実施形態による図7のステータの端子構成の斜視図である。
図51図50の端子構成の整流子リングの斜視図である。
図52図50の端子構成の一部の部分斜視図である。
図53図2の電気モータのための校正方法を示すフローチャートである。
図54】別の実施形態による図7のステータのステータコアアセンブリの斜視図である。
図55】別の実施形態による図7のステータのステータコアアセンブリの斜視図である。
図56】別の実施形態による図7のステータのステータコアアセンブリの斜視図である。
図57】別の実施形態による図7のステータのステータコアアセンブリの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示のいずれかの実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、その適用において、以下の記述で説明されるか又は以下の図面に図示される構造の詳細及び構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実践又は実行することが可能である。本明細書で使用される語法及び専門用語は、説明を目的としたものであり、限定するものとみなすべきではないことも理解されたい。
【0015】
図1は、例えばドリル、インパクト回転工具などの、電動工具10を示す。電動工具10は、ハウジング12及び電気モータ14を含む。電動工具10は、ハウジング12の下端部に位置するバッテリ容器18に着脱可能に連結されたバッテリパック16で動作可能である。バッテリパック16は、バッテリパック16の所望の出力(例えば、公称電圧、電流容量など)を提供するために電気接続された、複数のバッテリセル(図示せず)を含む。バッテリパック16がバッテリ容器18に連結されているとき、電気モータ14は、バッテリパック16から電力を受信する。
【0016】
いくつかの実施形態では、電動工具10は、AC電源にモータ14を電気接続するための電源コードを含んでもよい。しかしながら、コードレス電動工具は、他の電源が利用できない場所で使用可能であるため、バッテリパック16は、電動工具10に電力供給するための好適な手段である。
【0017】
図2図5を参照すると、図示したモータ14は、ステータ20及び軸24を中心としてステータ20に対して回転可能なロータ22を有するブラシレス直流(「BLDC」)電気モータである。BLDC電気モータ14は、ロータ22が概してステータ20を取り囲む「アウターロータ」BLDC電気モータである。したがって、ロータ22は、アウターロータ22であり、ステータ20は、アウターロータ22の中に少なくとも部分的に受けられ、概してアウターロータ22によって取り囲まれる、インナーステータ20である。
【0018】
図6図9を参照すると、ステータ20は、ステータマウント26と、ステータマウント26によって固定支持されるステータコアアセンブリ28と、複数のコイル32を画成する複数のワイヤ又はステータ巻線30と、を含む(図12)。ステータコアアセンブリ28は、図示された構造において、大量の積層により形成されたステータコア34と、コア34に成形された絶縁体36と、を含む。ステータコア34は、中央コアバック38と、コアバック38から外側に突出する複数の歯40と、を含む。コイル32は、歯40の周囲に形成され、絶縁体36によってそこから絶縁される。コアバック38は、それを通って長手方向に延びるコア中央ボア42を画成する。ステータマウント26は、細長いステータ支持部44と、ステータ支持部44の1つの長手方向端に位置するモータ支持部46と、を含む。ステータ支持部44は、形状が管状であり、ステータコアアセンブリ28を支持する。より具体的には、ステータコアアセンブリ28がステータ支持部44の周囲に強固に支持されるように、ステータコア34のコア中央ボア42が、ステータ支持部44を受ける。いくつかの実施例では、ステータコア34は、プレス嵌め又は締まり嵌めによってステータ支持部44を受け得る。他の実施例では、ステータ支持部44は、成形工程によってステータコア34に固着され得る。ステータマウント26は、ステータ支持部44及びモータ支持部46の両方を通って含む、それを通って長手方向に延びるマウント中央ボア48をさらに画成する。
【0019】
図9図12を参照すると、ロータ22は、中央ロータシャフト50と、ロータフレーム52と、管状ロータ本体54と、複数の永久磁石56と、を含む。ロータフレーム52は、形状が環状であり、ロータシャフト50に固着された中央部57Aを含む。ロータフレーム52の外周部57Bが、ロータ本体54に固着される。したがって、ロータフレーム52は、ロータ本体54を、共に回転するためにロータシャフト50に固着する。複数の径方向及び軸方向に延びるブレード57Cは、中央部57Aと外周部57Bとの間に延び、中央部57Aを外周部57Bに接続し、複数の気流開口57Dが、隣接するブレード57Cの各対の間に画成される。ブレード57Cは、気流開口を通過する気流を発生させるためのファンとして動作し、それにより、電気モータ14を冷却する。
【0020】
いくつかの実施形態では、ロータフレーム52は、例えば、亜鉛又は鋼鉄などの金属又は金属合金から形成され得る。他の実施形態では、フレーム52は、樹脂材料から成形されてもよい。
【0021】
ロータ本体54は、形状が管状であり、中央キャビティ60を画成する径方向内側面58を有する。永久磁石56は、ロータ本体54の径方向内側面58上に固定支持される。
【0022】
図13に示されるように、ロータ本体54は、ステータ20から径方向外側に位置し、ステータコアアセンブリ28、コイル32、及びステータマウント26の一部を含む、ステータ20の一部を取り囲む。ステータコアアセンブリ28の全て又は概して大半を含む、ステータ20の一部が、ロータ本体54の中央キャビティ60内に受け入れられる。
【0023】
続けて図13を参照すると、ロータシャフト50は、第1のベアリング62及び第2のベアリング64を含む2つのベアリングによって、ステータ20に対して回転可能に支持されている。したがって、ロータ22(即ち、ロータシャフト50、ロータフレーム52、ロータ本体54、及び磁石56を含む)は、ステータ20に対して回転する。モータ14が、電動工具10のハウジング12(図1)の中に支持されているとき、ロータ22は、ハウジング12及びステータ20の両方に対して回転可能であり、一方、ステータ20は、ハウジング12に対して回転しない。ロータシャフト50は、コア中央ボア42及びマウント中央ボア48の両方を通り、ステータ20の中心を通って延びる。
【0024】
図12Aは、ロータフレーム52の代わりにロータ22(図6及び図7)において利用され得る、修正ロータフレーム52’を示す。修正ロータフレーム52’は、ロータフレーム52と比較して、実質的に軸方向に伸長する。ロータフレーム52’の中央部57A’は、非円形断面形状を有する凹部68’を画成する。凹部68’は、電動工具10(図1)の伝達コンポーネント(図示せず)の非円形突起を(例えば、公称滑り嵌めによって)受けることが可能である。突起が凹部68’内に挿入されると、ロータフレーム52’自体が、伝達コンポーネントにトルクを伝達するように機能し得る。他の実施形態(図示せず)では、ロータフレーム52’は、代替として非円形突起を含んでもよく、伝達コンポーネントは、間にトルクを伝達するために、突起を受けるように構成された非円形凹部を含み得る。
【0025】
図3を再び参照すると、モータ14は、以下でさらに詳細に説明するように、ステータ20の絶縁体36に固着された環状のプリント回路基板アセンブリ(PCBA)66をさらに含む。PCBA66は、ロータ22の永久磁石56の位置を検出するように動作可能な、ホール効果センサなどの少なくとも1つの位置センサを含み得る。加えて、又は代替として、PCBA66は、モータ14を電気的に整流するように動作可能な複数のスイッチング回路(例えば、電界効果トランジスタ(FET))を含み得る。
【0026】
図3にさらに示されるように、ロータシャフト50は、図示された実施形態において、ステータマウント26のモータ支持部46を超えて突出する出力端70を含む。出力端70は、図15Aに示されるピニオンギア72Aなどの、出力部材(例えば、ピニオンギア)に固定連結し得る。ピニオンギア72Aは、ロータシャフト50の出力端70上に位置して、ステータマウント26に隣接しロータフレーム52から遠位のモータ14に回転出力を提供し得る。他の実施形態では、モータは、代替として、本明細書にさらに説明するように、ロータマウントに隣接する回転出力を提供するように構成され得る。
【0027】
動作中、コイル32は、ロータ22をステータ20に対して回転させるために通電される。ロータシャフト50、フレーム52、及びロータ本体54は、共に回転し、ステータ20及びPCBA66に対して回転する。
【0028】
図8及び図13を参照すると、第1のベアリング62は、ステータマウント26のモータ支持部46に画成された第1のベアリングポケット74内に受け入れられる。第1のベアリング62の外輪は、第1のベアリングポケット74の中で、モータ支持部46によって固定保持され、第1のベアリング62の内輪は、ロータシャフト50を回転可能に支持する。
【0029】
図13及び図14を参照すると、図示される実施形態において、第2のベアリング64は、ステータコア34に画成された第2のベアリングポケット76内に受け入れられる。第2のベアリングポケット76は、ステータコア34の軸端に画成され、コア中央ボア42に隣接して位置する。第2のベアリングポケット76及びコア中央ボア42の両方が、円形断面形状を有する。図示される実施形態において、第2のベアリングポケット76は、コア中央ボアよりも大きな直径を有し、それによって、肩部又は段差78がその間に画成される。第2のベアリング64の外輪は、第2のベアリングポケット76の中でステータコア34によって固定保持される。第2のベアリング64の内輪は、ロータシャフト50を回転可能に支持する。段差78が第2のベアリング64の軸方向の位置を固定するように、第2のベアリング64の外輪は、段差78に当接し得る。
【0030】
図15A及び図15Bは、ステータマウントに隣接するのではなくロータフレームに隣接して回転出力を提供する、モータ14Aの代替実施形態を示す。具体的には、モータ14Aが、ロータフレーム52Aを超えて突出する出力端70Aを有するロータシャフト50Aを有する修正ロータ22Aを含むことを除いて、モータ14Aは、本明細書に記載したモータ14に実質的に類似している。出力端70Aは、図示されたピニオンギア72Aなどの出力部材に固定連結し得る。
【0031】
図16A及び図16Bは、ステータマウントに隣接するのではなくロータフレームに隣接して回転出力を提供する、モータ14Aのようなモータ14Bの別の代替実施形態を示す。モータ14Bが、ステータコア34Bの中に位置しない第2のベアリング64Bを含むことを除いて、モータ14Bは、本明細書に記載したモータ14Aに実質的に類似し、本明細書に記載したモータ14に概して類似している。その代わりに、第2のベアリング64Bの内輪は、出力部材又はピニオンギア72Bの外径の周囲に配置される。第2のベアリング64Bの外輪は、例えば、ハウジング12、ギアケースなどの電動工具10(図1)の別の特徴によって固定支持され得る。
【0032】
図17を参照し、本明細書に記載した電気モータ14を再び参照すると、モータ支持部46は、図示される実施形態において、軸24を中心として互いに反対側に位置する2つの径方向に突出するタブ80と、タブ80上に形成された2つの対応ネジボス82と、を含む。ネジボス82は、ネジ(図示せず)を受けて、ステータマウント26を別個のモータ支持構造に直接固定しそれによりモータ14を支持し得る。
【0033】
図17図18Bを参照すると、モータ14は、また、ステータマウント26のモータ支持部46に(例えば、締結用ねじによって)着脱可能に連結するモジュール式アダプタプレート84を含み得る。アダプタプレート84は、図17に示されるギアケース86などの静止コンポーネントに着脱可能に連結するようにさらに構成される。アダプタプレート84は、ベースプレート87と、ベースプレート87の周辺に形成され、且つ軸24に対して互いに概して反対側に位置する2つの環状外側バヨネットカプラ88と、を含む。ベースプレート87は、ロータシャフト50の一部を通過可能にする中央開口90を画成する。ベースプレート87は、また、図示される実施形態において、ステータマウント26上に形成された2つのネジボス82に対応する2つの締結具開口92を画成する。外側バヨネットカプラ88は、スロット94を画成する。ギアケース86は、2つのバヨネットカプラ88に対応する2つの外側に突出するタブ96を含む。バヨネットカプラ88のスロット94は、ギアケース86のタブ96を受けて、アダプタプレート84をギアケース86に固定し、それによりステータマウント26をギアケース86に連結する。
【0034】
図19図20Bを参照すると、モータ14の代替実施形態は、修正モータ支持部46Aを有する修正ステータマウント26Aを含み得る。即ち、修正ステータマウント26Aは、異なる手段によって代替ギアケース86Aに取り付けるように構成された修正モータ支持部46Aを除いて、ステータマウント26のそれと同一のステータ支持部44を含み得る。モータ支持部46Aは、ディスク形状であり、図示される実施形態において、軸24を横断して延びる、互いに平行な2つの開口98Aを含む。2つの開口98Aは、その中に2つの対応ピン100Aを受ける。いくつかの実施形態では、ピン100Aは、抜き差し可能であり、且つその長さに沿って延長可能であるスプリングピン100Aであってもよい。ギアケース86Aは、ディスク形状のモータ支持部46Aを(例えば、公称滑り嵌めによって)受ける正面開口102Aを含む。ギアケース86Aは、ピン100Aの端部を受けるように成型され、配置される、ピンボス104Aをさらに含む。ピン100Aは、開口98Aを通りピンボス104A内に延びて、モータ支持部46Aをギアケース86Aに解放可能に固定する。
【0035】
図21は、ステータコアアセンブリ28の絶縁体36にPCBA66を固定するための2段階工程を示す。図21に示され、図8にも示されるように、絶縁体36は、その第1の軸端108において突出する複数の軸方向に延びる柱又は支持棒106(例えば、図示される実施形態では5つの支持棒106)を含む。即ち、ステータコアアセンブリ28は、第1の軸端108及び第1の軸端108から反対側に位置する第2の軸端110(図8)を含み、PCBA66が第1の軸端108に連結される。PCBA66は、絶縁体36の支持棒106を受ける、複数の対応する貫通穴114(例えば、図示される実施形態では5つの貫通穴114)を有する回路基板112を含む。支持棒106は、絶縁体36の最外周に位置し、支持棒106より直径が大きい柱116から延びる。したがって、肩部117(図8及び図27)は、支持棒106と柱116との間に画成される。肩部117は、PCBA66の第1の面に当接して、絶縁体36に対してPCBA66を軸方向に位置させる。図21に示すように、組立て中に、PCBA66は、まず、支持棒106が貫通穴114を通りPCBA66の反対側の第2の面を超えて延びた、絶縁体36の上に置かれ得る。その後、支持棒106の突出端が、PCBA66の第2の面に対して変形するように、続いて圧縮又はパンチされ得る。支持棒106の変形した端部は、PCBA66を絶縁体36に対して定位置に保持するように、貫通穴114よりも直径が大きいフランジになる。貫通穴114が、絶縁体36に対してPCBA66のただ1つの可能な向きで支持棒106を受けるように、支持棒106及び対応する貫通穴114は、あるパターン(例えば、非対称パターン)で方向付けられ得る。支持棒106及び貫通穴114のそのようなパターン構成は、組立て中の適切な設置を確実にするために、絶縁体36に対してPCBA66を記録する。
【0036】
図22Aを参照すると、一実施形態では、PCBA66の回路基板112は、環状で、その原点を中心に又はPCBA66がステータ20に連結されるときは軸24を中心に約315度に延び、中心が開いた円弧形状を有する。PCBA66は、また、回路基板112の第1の面上に設けられ、且つ機械角120度の等間隔で互いから角度的に離隔された、3つの位置センサ118(例えば、ホール効果センサなどの磁気センサ)を含む。5つの貫通穴114は、また、非対称パターンで回路基板112を通って延びる。
【0037】
図22Bは、図22AのPCBA66に実質的に類似しているが、PCBA66と比較して位置センサ118’の位置に関して異なる、PCBA66’の別の実施形態を示す。具体的には、位置センサ118’は、位置センサ118と比較して、又は貫通穴114’に対して機械角3度だけシフトされる。モータ14のステータ20は、12個のコイル32及び3つの位相を含むため、位置センサ118’のこの機械角3度のシフトは、15度の電気位相シフトと等価である。
【0038】
図23は、モータ14と共に動作可能なPCBA66’’の別の実施形態を示す。PCBA66’’は、環状で、その原点を中心に又はPCBA66’’がステータ20に連結されるときは軸24を中心に約170度に延び、円弧形状の回路基板112’’を含む。PCBA66’’は、また、約60度の間隔で互いから角度的に離隔された3つの位置センサ118’’と、貫通穴114’’と、を含む。
【0039】
図24A及び図24Bは、モータ14と共に動作可能なPCBA66’’’の別の実施形態を示す。PCBA66’’’は、環状で、その原点を中心に又はPCBA66’’’がステータ20に連結されるときは軸24を中心に約115度に延び、円弧形状の回路基板112’’’を含む。他の実施形態では、PCBA66’’’は、コンパクトな構成を維持するために軸24を中心として180度未満に延び得る。PCBA66’’’は、また、第1の側面上に位置し(図24A)、機械角約24度の間隔で互いから角度的に離隔された3つの位置センサ118’’’を含む。加えて、回路基板112’’’は、支持棒106(図21)のうちの2つを受ける2つの貫通穴114’’’を含む。回路基板112’’’の比較的短い角度範囲に起因して、本明細書に記載した回路基板112、112’、及び112’’’と比較して空間が制約される。したがって、回路基板112’’’は、電圧、接地、及び/又は信号線を受信及び接続するための、図22A図23に示したような半田付けパッドを含まない。図24Bを参照すると、回路基板112’’’の第2の側面は、別個のワイヤに接続するための複数の半田付けスルーホール(SMT)パッド120’’’(例えば、図示される実施形態では5つのSMTパッド120’’’)を含む。
【0040】
図25は、PCBA66’’’に実質的に類似しているが、その第2の側面上にSMTパッドを含まない、代替のPCBA66’’’’の第2の側面を示す。その代わりに、PCBA66’’’’は、対応するワイヤコネクタ(図示せず)に選択的且つ着脱可能に連結し得る、回路基板112’’’’の第2の側面に連結されたSMTコネクタ120A’’’’を含む。
【0041】
図26は、本開示の実施形態によるステータ20のための3相巻線構成121を概略的に示す。12の歯40のそれぞれには、反時計回りの順番で1~12の参照番号が割り当てられており、それは、それぞれの歯の周囲に形成されたコイル32(図8)を表す。図26に示されるように、歯1が、コイル1を支持し、歯2が、コイル2を支持し、以下同様にして、歯12が、コイル12を支持する。12のコイル1~12は、3つの巻線W1、W2、及びW3によって形成され、各巻線W1~W3はそれぞれ、コイル1~12の4つのコイルを形成する。例えば、コイル1、2、7、及び8はそれぞれ、歯1、2、7、及び8上に配置され、全て第1の巻線W1によって形成されている。巻線W1は、開始リードUにおいて始まり、コイル8、7、2、及び1を連続的且つ継続的に形成し、その後終了リードU’において終端する、連続絶縁ワイヤの1つ又は複数の撚り線を表す。同様に、巻線W2は、開始リードVにおいて始まり、コイル4、3、10、及び9を継続的に形成し、その後終了リードV’において終端する。巻線W3は、開始リードWにおいて始まり、コイル12、11、6、及び5を継続的に形成し、その後終了リードW’において終端する。巻線W1~W3のそれぞれが、ステータ20の一部の周囲に周方向に延びて、反対側に位置するコイルに接続する、いくつかの接続セグメント又は渡り線部分C1~C3をそれぞれ含む。例えば、巻線W1は、ステータ20の内周の一部の周囲に延びて、コイル7をコイル2と接続する、渡り線部分C1を含む。
【0042】
図示される実施形態において、各巻線W1~W3は、それぞれのコイル1~12を形成するときに、本質的に互いの側、又は上/下を通る連続ワイヤの2つの撚り線によって、実際に形成されている。例えば、巻線W1は、2つのワイヤによって形成され、2つのワイヤのそれぞれが、別個に、しかし連続的に延びて、コイル8、コイル7、渡り線部分C1、コイル2、及びコイル1を形成する。したがって、開始リードUは、実際には、2つの連続撚線のそれぞれの、2つのワイヤ端部又はリードを含み、終了リードU’は、同様に2つの区画のリードを含む。したがって、図26に示したステータ20のための巻線構成121全体が、開始リードU及び終了リードV’、開始リードV及び終了リードW’、並びに開始リードW及び終了リードU’に対して4つずつの、12のリードを含む。2つの別個の、連続した撚線を利用して各巻線W1~W3を形成することによって、小さな直径のワイヤを使用することができ、それによって、歯40の間及び歯40の周囲の空間がより効率的に利用可能となる。
【0043】
図27図29を参照すると、ステータ20は、1つ又は複数の電力源に、図26に示された開始及び終了リードU、U’、V、V’、W、及びW’を含むコイル32を接続するための、端子構成122を含み得る。端子構成122は、ステータコアアセンブリ28の第1の軸端108において絶縁体36によって支持される3つの導電端子124を含む。
【0044】
図30及び図31を参照すると、各端子124は、導電材料(例えば、金属又は金属合金)から形成され、基部128と、基部128から突出するタング130と、基部128から延びる接続部132と、を含む。いくつかの実施形態では、端子124は、金属板からスタンピングカットとして形成され、形状に屈曲され得る。各接続部132は、基部128から軸方向に離れて延び、各タング130は、ステータ20上に配置されるときに基部128から軸方向及び径方向の両方に離れて延びる。各端子124は、約0.6ミリメートル(mm)の厚さを含んでもよく、各タングは、約3.0mmの長さを含んでもよい。
【0045】
図27に示されるように、ステータコアアセンブリ28の絶縁体36は、絶縁体36の内周の周囲に延び且つ第1の軸端108において軸方向外側に突出する、円筒端壁126を含む。端壁126は、歯40から径方向内側に配置され、端子124を支持し、端子124は、端壁126に取り付けられている。図示される実施形態では、各端子124の基部128は、環状マウント140に固着され、マウント140は、端壁126のある区画に固着される。他の実施形態(図示せず)では、端子124は、例えば、成形工程によって、端壁126自体に直接取り付けられてもよい。
【0046】
図26に関連して説明するように、各巻線W1~W3は、巻線W1~W3毎に全部で4つのリード及び巻線構成121において合計12のリードに対して、それぞれが開始リード及び終了リードを有する2つの連続ワイヤを含む。各端子124のタング130は、巻線W1~W3の4つのそれぞれのリードを受け、電気接続する。
【0047】
図28及び図29を参照すると、端子124は、端壁126を超えて軸方向外側に、且つステータマウント26のモータ支持部46に向かって突出する。したがって、モータ支持部46は、端子124の軸方向の範囲に対してクリアランスを与えるために、端子124の位置に対応する複数の切り欠き134を含み得る。図29に示されるように、電源線136は、概して切り欠き134の中の領域において端子124の接続部132に電気接続され得る。図29にさらに示されるように、PCBA66の回路基板112は、形状が環状であり、軸24の周囲に延びる。回路基板112は、端子124から径方向外側に配置される。加えて、回路基板112は、少なくとも2つの端子124の周囲に延びる。
【0048】
図32は、端子124の代わりに端子構成122において使用され得る、端子124’の代替実施形態を示す。端子124’は、基部128’及びタング130’を有し、端子124に類似しているが、軸方向に離れてではなく、基部128’から横方向外側に突出する接続部132’を含む。加えて、接続部132’は、電源線への半田付けを容易にするために、電源線136(図29)などの電源線のワイヤ端を受け得る貫通穴138’を含む。
【0049】
図33~35は、コイル32を1つ又は複数の電力源に接続するための端子構成122aの別の実施形態を示す。端子構成122aは、端子構成122に類似しているが、3つの端子124aの形状に関して異なる。即ち、各端子124aは、1つではなく2つの基部128aを含み、タング130aが、端子124a毎に全部で2つのタング130aに対して各基部128aから離れて延びる。各端子124aが接続部132aを1つだけ含むように、接続部132aは、2つの基部128aのうちの1つのみから軸方向に離れて延びる。2つの基部128aは、ブリッジ部142aによって互いに接続される。3つの端子124aは、端子構成122に関して上述したものに類似のやり方で、絶縁体36の端壁126に取り付けられている。
【0050】
各端子124aは、端子構成122aにおける全部で6つのタング130aに対して、2つのタング130aを含む。したがって、図26に示される巻線構成121を実現するために、端子構成122aにおける各タング130aは、巻線W1~W3のそれぞれの2つのリードを受け、電気的に接続する。これにより、タング130a毎に必要なリード接続がより少なくなることによって、端子構成122と比較して巻線工程が簡略化される。
【0051】
図36及び図37は、コイル32を1つ又は複数の電力源に接続するための端子構成122bの別の実施形態を示す。端子構成122bは、端子構成122aに類似しているが、3つの端子124bの形状に関して異なる。具体的には、各端子124bは、基部128bと、最初は基部128bから軸方向下向きに突出し、次いで遠位端において終端する前に径方向外側及び軸方向上向きの両方に屈曲する、2つのタング130bと、を含む。端子124bはそれぞれ、タング130bから反対側の基部128bから軸方向上向きに延びる単一接続部132bをさらに含む。3つの端子124bは、端子構成122に関して上述したものに類似のやり方で、絶縁体36の端壁126に取り付けられている。
【0052】
各端子124bは、端子構成122bにおいて全部で6つのタング130bに対して、2つのタング130bを含む。したがって、図26に示される巻線構成121を実現するために、端子構成122bにおける各タング130bは、巻線W1~W3のそれぞれの2つのリードを受け、電気的に接続する。これにより、タング130b毎に必要なリード接続がより少なくなることによって、端子構成122と比較して巻線工程が簡略化される。
【0053】
図38は、シートメタルから切断され、その後形状に屈曲されて、図37に示された端子124bを形成し得る、スタンピング144bを示す。具体的には、スタンピング144bの足146bは、図38に示される矢印方向に屈曲されて、タング130bを形成し得る。
【0054】
図39は、端子構成122bの中で端子124bの代わりに用いられ得る、端子124b’の代替実施形態を示す。端子124b’は、接続部132b’が接続部132bより大きく、電源線への半田付けを容易にするために電源線136(図29)などの電源線のワイヤ端を受け得る貫通穴138b’を画成するという点で、端子124bとは異なる。
【0055】
図40図43は、コイル32を1つ又は複数の電力源に接続するための端子構成122cの別の実施形態を示す。端子構成122cは、リング構造の中に配置され且つ等間隔で互いから離隔された複数の端子124cを含む、整流子リング148cを含む。具体的には、端子124c及び絶縁セグメント150cが共にリング形状を形成するように、整流子リング148cは、12の絶縁セグメント150cによって互いに接続される、12の端子124cを含む。他の実施形態(図示せず)では、端子Aは、連続成形されたリングによって支持されてもよく、又は代替として、端子124cは、端壁126自体によって支持されてもよい。図示される実施形態では、整流子リング148cは、各端子124cが対応する歯40と整列されて、端壁126の外表面に固着される。図40図43には示されていないが、PCBA66が絶縁体36に連結されるとき、回路基板112は、端子124cを含む整流子リング148cから径方向外側に配置される。加えて、回路基板112は、少なくとも2つの端子124cの周囲に延びる。
【0056】
各端子124cは、隣接する絶縁セグメント150cに連結された基部128cと、タング130cと、を含む。タング130cは、最初は基部128cから軸方向下向きに突出し、次いでその遠位端において終端する前に、径方向外側及び軸方向上向きの両方に屈曲する。いくつかの実施形態では、図41に示されるように、端子124cはそれぞれ、タング130cから反対側の基部128cから軸方向上向きに延びる単一接続部132cをさらに含む。
【0057】
合計で、整流子リング148cは、12のタング130cを含む。したがって、図26に示される巻線構成121を実現するために、端子構成122cにおける各タング130cは、巻線W1~W3の1つのそれぞれのリードを受け、電気的に接続する。これにより、タング130c毎に必要なリード接続がより少なくなることによって、端子構成122と比較して巻線工程が簡略化される。
【0058】
図41は、また、端子構成122cのバスバー152cを示す。バスバー152cは、円弧形状であり、端子124cのうちの4つのそれぞれの接続部132cにそれぞれ接続する、4つの端子コネクタ154cを含む。具体的には、端子コネクタ154cのうちの2つが、整流子リング148cの一側上に互いに隣接して位置する2つの端子124cに接続し、他の2つの端子コネクタ154cが、互いに隣接し且つ中心軸24に対して最初の2つの端子124cから反対側に位置する2つの反対側の端子124cに接続する。図41にはバスバー152cが1つだけ示されているが、図42は、端子構成122cが3つのバスバー152cを含み、各バスバー152が端子124cの2つの反対側の対を含む4つの端子124cに接続することを概略的に示している。図41は、バスバー152cの各端子コネクタ154cが、中央円弧セグメント156cから径方向外側に突出し、貫通穴138cを含むことをさらに示している。貫通穴138cは、対応する端子124cの接続部132cを受けて、端子124cとバスバー152cとの間に電気接続を形成する。各バスバー152cは、円弧セグメント156cから径方向外側に突出し、且つ電力貫通穴159cを画成する、電力コネクタ158cをさらに含む。電力貫通穴159cは、電源線への半田付けを容易にするために、電源線136(図29)などの電源線のワイヤ端を受け得る。
【0059】
図43は、図40に示される整流子リング148cと共に動作可能なバスバー152c’の別の実施形態を示す。バスバー152c’は、図42のバスバー152cに類似しているが、貫通穴を含まない修正端子コネクタ154c’を含む。その代わりに、バスバー152c’が整流子リング148cに連結されるときに、端子コネクタ154c’が整流子リング148cの対応する端子124cの基部128cと面接触するように、端子コネクタ154c’は軸方向に突出する。各バスバー152c’は、円弧セグメント156c’から径方向外側に突出し、且つ電力貫通穴159c’を画成する、電力コネクタ158c’をさらに含む。
【0060】
図44は、端子構成122c’の代替実施形態を示す。端子構成122c’は、端子構成122cに実質的に類似しており、同一整流子リング148cを利用する。しかしながら、端子構成122c’は、ステータコアアセンブリ28の歯40に対する端子124cの向きに関して端子構成122cとは異なる。即ち、端子構成122c’において、端子構成122c’の端子124cがそれぞれ2つの隣接する歯40の間に整列されるように、整流子リング148cは、端子構成122cに対して回転シフトされる。即ち、端子124cは、2つの隣接する歯40の間に画成されたスロット空間と整列される。これにより、端子構成122cと比較すると、端子構成122c’を利用するときのステータ20のための巻線工程が簡略化され、コイル32を収容するための空間がより多く与えられる。
【0061】
図45及び図46は、コイル32を1つ又は複数の電力源に接続するための端子構成122dの別の実施形態を示す。端子構成122dは、図27図31に示される端子構成122に類似しており、同一の端子124を利用する。しかしながら、端子構成122dは、端壁126の周囲の異なる相対位置に端子124を位置させることによって、端子構成122とは異なる。具体的には、端子構成122dにおける3つの端子124は、概して端壁126の1つの側面上のグループに位置し、互いから比較的狭い間隔で離隔されている。例えば、端子124は、軸24に対して互いから約20度離隔され得る。この構成により、端子124、絶縁体36、及びステータマウント26の間にPCBA66を収容するために、モータ14のための空間が比較的多く与えられる。特に、図23図25Bに関連して本明細書に記載したPCBA66’’、66’’’、及び66’’’’は、端子124と全く干渉することなく、この構成では端子124から概して反対側に位置し得る。
【0062】
図47図49は、コイル32を1つ又は複数の電力源に接続するための端子構成122eの別の実施形態を示す。端子構成122eは、端壁126に固着される別個の端子を含まない。その代わりに、端子構成122eは、概して環状又はリング形状の回路基板162eが3つの一体形成された端子構造又はホーン164eを有する、PCBA160eを含む。ホーン164eは、回路基板162eの径方向内周に向かって突出し、導電パッド166eが、ホーン164e上に位置する。図48に示されるように、巻線W1~W3が、ホーン164eの周囲に巻かれて、巻線をホーン164e上のパッド166eに電気接続し得る。図49に示されるように、巻線W1~W3は、さらに、パッド166eに半田付けされて、パッド166eとの機械的接続及び電気的接続の両方を形成し得る。PCBA160eは、パッド166eと回路基板162e上にも位置する電源線コネクタ170eとの間に延びるトレース168eをさらに含む。したがって、PCBA160e自体が、パッド166e、トレース168e、及び電源線コネクタ170eを介してコイル32を電力源に電気接続する。これによって、離隔して形成される端子の必要がなくなり、それにより電気モータ14の全体の長さが減少する。
【0063】
図50図52は、コイル32を1つ又は複数の電力源に接続するための端子構成122fの別の実施形態を示す。端子構成122fは、リング構造の中に配置され且つ等間隔で互いから離隔された複数の端子124fを含む、整流子リング148fを含む。具体的には、整流子リング148fは、端子124f及び絶縁セグメント150fが共にリング形状の構造を形成するように、3つの絶縁セグメント150fによって互いに接続された3つの端子124fを含む。他の実施形態(図示せず)では、端子124fは、連続成形されたリングによって支持され得る。図示される実施形態では、整流子リング148fは、図22Aに関して本明細書に記載されたPCBA66に固着される。各端子124fは、基部128fと、基部128fの2つの反対側面から概して横方向に延びる2つのタング130fと、基部128fから軸方向に離れて延びる接続部132fと、を含む。各端子124fの接続部132fは、PCBA66に形成された対応する貫通穴172f内に受け入れられて、端子124fをPCBA66に機械的且つ電気的に接続する。したがって、整流子リング148fは、PCBA66自体に直接固着されており、絶縁体36によって直接支持されない。
【0064】
各タング130fは、巻線W1~W3のそれぞれの2つのリードを受けて、巻線W1~W3を端子124fに電気的に接続する、スロット174fを画成する。これにより、タング130f毎に必要なリード接続がより少なくなることによって、本明細書に記載された端子構成122と比較して巻線工程が簡略化される。加えて、整流子リング148fの内径は、ステータコアアセンブリ28の外径より大きく、それによって、整流子リング148fは、ステータコアアセンブリ28の第1の軸端108の周囲に配置される。即ち、整流子リング148fは、ステータコアアセンブリ28の第1の軸端108を取り囲むか、又はステータコアアセンブリ28の外周を取り囲む。これによって、整流子リング148fがステータコアアセンブリ28とPCBA66との間に嵌る必要がないため、空間が節約される。加えて、整流子リング148fの外径は、PCBA66の外径以下であり、それによって、組立て後のモータ14の全体の外径は、整流子リング148fによって増加しない。
【0065】
図53は、モータ毎にモータ14を校正する方法1000を示す。モータ14に関するトレランスの積み重ねが、PCBA66の位置センサ118とロータ22の永久磁石56との間の過剰な角度ずれを引き起こし得るリスクがある。これは、電力及び効率性に影響を与える、不適当な整流を引き起こし得る。校正方法1000は、製造トレランスに起因するこれらの角度ずれを測定し、モータ毎にそれらを補償し得る。
【0066】
方法1000のステップ1001において、モータ14が完全に組立てられる。ステップ1002において、モータ14には、特定のQRコードが割り当てられる。ステップ1003において、モータ14は、別個のモータ、スコープ、電源、デルタワイ抵抗ブリッジ、モータ14の各巻線相及び位置センサ信号のためのコネクタ、QRコードスキャナ、及びコンピュータを含むフィクスチャ(図示せず)上に置かれる。ステップ1003の間に、特定のモータ14のQRコードがスキャンされる。次に、フィクスチャがモータ14をスピンさせ、校正値のセットを生成及び記憶する(ステップ1004)。次いで、事前プログラムされたPCBA(図示せず)が、モータ14に設置される(ステップ1005)。ステップ1006において、オペレータは、事前プログラムされたPCBAに(例えば、コンピュータ及びアダプタを介して)接続し、QRコードをスキャンする。最後に、ステップ1007において、QRコードに基づいて、コンピュータは、ステップ1004からの対応する校正値をPCBA内にロードする。
【0067】
図54は、ステータコアアセンブリ28及びステータマウント26(図8及び図9)の両方の代わりにモータ14(図2)において利用され得る、ステータコアアセンブリ28’の代替実施形態を示す。ステータコアアセンブリ28’は、ステータコアアセンブリ28と同一のステータコア34を含むが、絶縁体36とは異なる、上述したステータマウント26を置き換える、成形された絶縁体マウント176’を含む。成形された絶縁体マウント176’は、例えば、成形工程によって、全て一体成型された、絶縁体部178’、ステータ支持部44’、及びモータ支持部46’を含む。言い換えると、成形された絶縁体マウント176’は、これまで説明された絶縁体36及びステータマウント26の両方の構造を含む、一体成型部品である。したがって、絶縁体部178’は、図8及び図9の絶縁体36に実質的に類似し、ステータ支持部44’は、ステータ支持部44に実質的に類似し、モータ支持部46’は、モータ支持部46に実質的に類似している。成形された絶縁体マウント176’は、成形工程(例えば、射出成形)によって形成されてもよく、巻線の前又は後に成形されてもよい。さらに、成形された絶縁体マウント176’は、2段階成形工程によって形成されてもよい。絶縁体部178’及びステータ支持部44’は、第1の成形ステップによって形成されてもよく、次いでモータ支持部46’は、後続の第2の成形ステップの間にステータ支持部44’に成形されてもよい。これによって、第1の成形ステップの後且つ第2の成形ステップの前にステータコアアセンブリ28’の巻線が行われることが可能となる。
【0068】
図55は、ステータコアアセンブリ28及びステータマウント26(図8及び図9)の両方の代わりにモータ14(図2)において利用され得る、ステータコアアセンブリ28’’の別の実施形態を示す。ステータコアアセンブリ28’’が、モータ支持部46’とは異なるモータ支持部46’’を含むことを除いて、ステータコアアセンブリ28’’は、ステータコアアセンブリ28’(図54)に類似している。モータ支持部46’’は、ネジボスを有するタブを含まない。その代わりに、モータ支持部46’’は、第1のベアリングポケット74’’を画成する略円筒体180’’を含み、ねじ付き外表面182’’を含む。ねじ付き外表面182’’は、ギアケースなどの雌ネジ付き支持構造(図示せず)に差し込んで、モータ14を支持し得る。
【0069】
図56及び図57は、ステータコアアセンブリ28及びステータマウント26(図8及び図9)の両方の代わりにモータ14(図2)において利用され得る、ステータコアアセンブリ28’’’の別の実施形態を示す。ステータコアアセンブリ28’’’が、モータ支持部46’とは異なるモータ支持部46’’’を含むことを除いて、ステータコアアセンブリ28’’’は、ステータコアアセンブリ28’(図54)に類似している。特に、モータ支持部46’’’は、ステータ支持部44’’’及び絶縁体部178’’’と共に一体形成された第1の部分184’’’と、第1の部分184’’’から分離して形成された第2の部分186’’’と、を含む。第1の部分184’’’は、第1のベアリングポケット74’’’を画成する。第2の部分186’’’は、モータ支持部46’’’を外部取付構造に固定するためのタブ80’’’及びネジボス82’’’を含む。第1の部分184’’’は、第1の成形ステップの間に形成されてもよく、次いで、第2の部分186’’’は、後続の第2の成形ステップの間に、形成され第1の部分184’’’に連結されてもよい。
【0070】
本開示を、特定の好適な実施形態を参照して詳細に説明してきたが、記載されている本開示の1つ又は複数の独立態様の範囲及び趣旨内に変形形態及び修正形態が存在する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図12A
図13
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図17
図18A
図18B
図19
図20A
図20B
図21
図22A
図22B
図23
図24A
図24B
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
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図39
図40
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図57
【外国語明細書】