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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080692
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】医療機器及び再処理方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3205 20060101AFI20240606BHJP
   A61B 18/14 20060101ALI20240606BHJP
   A61B 17/94 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
A61B17/3205
A61B18/14
A61B17/94
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023204011
(22)【出願日】2023-12-01
(31)【優先権主張番号】63/429,590
(32)【優先日】2022-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/365,502
(32)【優先日】2023-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ ベイカー
(72)【発明者】
【氏名】ケスター バチェラー
(72)【発明者】
【氏名】テオドール ブラス
(72)【発明者】
【氏名】ジョーイ ディー.マグノ,ジュニア.
(72)【発明者】
【氏名】ジェイク テッラヴェッキア
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー ホルトン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF23
4C160HH20
4C160KK03
4C160KK06
4C160KK12
4C160KK39
4C160MM32
4C160NN03
4C160NN09
4C160NN10
(57)【要約】
【課題】直径を小さくすることによって、子宮頸部の拡張をより小さくし、かつ、麻酔をより少なくできるのと同時に、標的部位の後壁で組織を除去し、かつ標的部位で凝固させること。
【解決手段】医療機器には、管腔を画定する細長部材、並びに、細長部材の管腔を通って延在する、切除要素を含めることができる。この細長部材には、遠位部分に側部ウィンドウを含めることができ、細長部材の遠位端には、側部ウィンドウに近接して、前部ウィンドウを含めることができる。この前部ウィンドウは、細長部材の遠位端に開口部を画定することができる。切除要素は、細長部材の管腔内で可動自在であり、切除要素の遠位端を、前部ウィンドウで露出させることができる。切除要素は、細長部材の側部ウィンドウと位置合わせすることのできる、側部ウィンドウを有することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位部分にある側部ウィンドウと、遠位端に開口部を画定する前部ウィンドウとを有し、管腔を画定する細長部材と、
前記細長部材の管腔を通って、前記細長部材の遠位端まで延在する切除要素とを備え、
前記切除要素は、前記細長部材の管腔内で可動自在であり、前記細長部材の側部ウィンドウと位置合わせすることのできる側部ウィンドウを有し、前記切除要素の遠位端に切断要素を含む、医療機器。
【請求項2】
前記切断要素は、電気的にアクティブな電極であり、前記細長部材が、リターン電極を画定する、請求項1に記載の医療機器。
【請求項3】
前記切除要素が、前記細長部材の前部ウィンドウに開口部を画定し、前記切除要素の開口部を横切って延在する横断部を備える、請求項2に記載の医療機器。
【請求項4】
前記横断部の一部が、前記アクティブな電極の一部を形成する、請求項3に記載の医療機器。
【請求項5】
前記切除要素が、前記細長部材の管腔内で、回転自在かつ摺動自在である、請求項2に記載の医療機器。
【請求項6】
前記前部ウィンドウが、開位置と閉位置との間で可動自在であり、前記前部ウィンドウが前記開位置にあるとき、前記切除要素が前端から露出される、請求項1に記載の医療機器。
【請求項7】
前記前部ウィンドウが開位置にあるとき、前記側部ウィンドウが閉位置にあり、前記前部ウィンドウが閉位置にあるとき、前記側部ウィンドウが開位置にある、請求項6に記載の医療機器。
【請求項8】
前記切除要素は、前記細長部材の管腔に対する第1の位置と、前記細長部材の管腔に対する第2の位置との間で、前記細長部材の管腔内を摺動自在である、請求項1に記載の医療機器。
【請求項9】
前記細長部材は、前記前部ウィンドウを覆うエンドキャップを含む、請求項8に記載の医療機器。
【請求項10】
前記エンドキャップは、前記細長部材に結合され、閉位置と開位置との間を移動し、前記切除要素が前記第1の位置にあるときに、前記エンドキャップが前記閉位置にあり、前記切除要素が前記第2の位置にあるときに、前記エンドキャップが前記開位置にある、請求項9に記載の医療機器。
【請求項11】
前記切除要素は、前記細長部材の管腔に対する第1の位置と、前記細長部材の管腔に対する第2の位置との間で、前記細長部材の管腔内で回転自在である、請求項1に記載の医療機器。
【請求項12】
前記細長部材は、エンドキャップを含み、前記細長部材の遠位端にある第1の部分が、前記エンドキャップで覆われ、前記細長部材の第2の部分が、前記前部ウィンドウによって画定された前記開口部を含むように、前記エンドキャップが、前記細長部材の遠位端を部分的に覆う、請求項11に記載の医療機器。
【請求項13】
前記切除要素の第1の部分が、前記切除要素が前記第1の位置にあるときに、前記エンドキャップによって覆われるアクティブ電極を含み、前記切除要素が前記第2の位置にあるときに、前記アクティブ電極が前記開口部と位置合わせされる、請求項12に記載の医療機器。
【請求項14】
前記切除要素の前記側部ウィンドウが、アクティブ電極を画定する、請求項1に記載の医療機器。
【請求項15】
前記細長部材と前記切除要素との間に配置された絶縁体を更に備え、前記絶縁体が、前記前部ウィンドウ、並びに、前記細長部材の側部ウィンドウ、及び前記切除要素の側部ウィンドウと位置合わせすることのできる側部ウィンドウに、開口部を画定する、請求項1に記載の医療機器。
【請求項16】
前記切除要素が、前記細長部材の管腔内に配置された内管を画定し、前記内管と前記細長部材との間に配置された、中間管を更に備える、請求項1に記載の医療機器。
【請求項17】
前記切除要素が、前記前部ウィンドウから遠位方向の外側に伸長自在である、請求項1に記載の医療機器。
【請求項18】
医療機器を再処理するための再処理方法であって、
前記医療機器は、
遠位部分にある側部ウィンドウと、遠位端に開口部を画定する前部ウィンドウとを有し、管腔を画定する細長部材と、
前記細長部材の管腔を通って、前記細長部材の遠位端まで延在する切除要素とを備え、
前記切除要素は、前記切除要素の遠位端が前記前部ウィンドウで露出しており、前記細長部材の管腔内で可動自在であり、前記細長部材の側部ウィンドウと位置合わせすることのできる側部ウィンドウを有し、前記切除要素の遠位端に切断要素を含み、
前記再処理方法は、
前記医療機器を滅菌するステップと、
前記医療機器を滅菌容器に保存するステップとを含む、再処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年12月2日に出願された米国仮特許出願第63/429590号の優先権の利益を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
この文献は、限定するものではないが、概して、様々な外科処置に使用することができる医療機器に関する。より具体的には、限定するものではないが、本出願は、女性患者の生殖系を治療するために使用することができる医療機器に関する。また、本出願は、当該医療機器を再処理するための再処理方法に関する。
【背景技術】
【0003】
子宮内膜には、腫瘍が発生することがある。これは不快感を引き起こし、治療せずに放置した場合、月経及び妊孕性を妨げるおそれがある。腫瘍とは、ポリープ及び筋腫などである。子宮ポリープは、子宮内膜に形成される腫瘍である。子宮内膜組織の過成長が発生すると、子宮ポリープが形成される。このポリープは子宮内膜に付着し、次いで子宮内に及ぶことがある。
【0004】
筋腫は、子宮壁で発達することのある、非がん性の腫瘍である。筋腫には、壁内筋腫、粘膜下筋腫、漿膜下筋腫、及び有茎筋腫など、様々なタイプのものがある。壁内筋腫は、子宮の筋肉壁内に発生することがあり、重度の出血を引き起こすおそれのあるものである。粘膜下筋腫は、子宮内腔に発生することがあり、又は、子宮内腔に当接するおそれのあるものである。粘膜下筋腫も、重度の出血を引き起こすおそれのあるものである。漿膜下筋腫は、子宮外壁に発生することがあり、巨大化し、圧迫症状を引き起こすおそれのあるものである。有茎筋腫は、肉茎と呼ばれる茎のような腫瘍が、子宮壁に付着するおそれのあるものである。
【0005】
患者に粘膜下筋腫がある場合、子宮内を検査し、切除によって筋腫を除去するために、処置を行うことができる。腟、及び子宮頸部の自然開口を通じて、モルセレータを挿入することができる。通常、モルセレータの直径のために、子宮頸部を拡張しなければならない。これは痛みを与えることがあるため、患者を全身麻酔下におくことが必要となる。その結果、手術室が必要となり、かつ、拡張したことによって、回復期間が長くなるおそれがある。
【0006】
更に、現在のモルセレータには、その側面に配置された刃しかなく、このことが、いくつかの問題を引き起こすおそれがある。第1に、モルセレータの側面に刃が配置されているために、子宮後壁から組織を切除するための、モルセレータの能力が制限される。その代わりに、別の装置を使用して組織を後壁から切除しなければならず、追加の作業器具が必要となる。これにより、モルセレータの全体的なサイズが増大する。第2に、刃しかないために、別の凝固手段が標的部位に提供されるまで、組織切除時には凝固が起こり得ない。このように、凝固のために別の装置を使用しなければならず、これもまた、モルセレータの全体的なサイズを増加させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第11147588号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、直径を小さくすることによって、子宮頸部の拡張をより小さくし、かつ、麻酔をより少なくできるのと同時に、標的部位の後壁で組織を除去し、かつ標的部位で凝固させることのできる医療機器、及び医療機器の処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、遠位先端部に前部ウィンドウを含む細長部材を有する2モード式モルセレータ(医療機器)によって、解決される。この細長部材によって、切除要素を延長することができる管腔を画定することができる。第2の位置では、組織を切除するために、切除要素を前部ウィンドウから延長することができる。細長部材によって、リターン電極を画定することができ、かつ、切除要素によって、リターン電極と共に通電時に標的部位から組織を切除するように動作することができる、アクティブ電極を画定することができる。切除中に、切除要素は、切除中の標的部位の組織を凝固させるように機能することができる。また、細長部材によって、遠位端及び前部ウィンドウに近接するその遠位端に、側部ウィンドウを画定することができる。切除要素によって、第1の位置で細長部材の側部ウィンドウと位置合わせすることができる、側部ウィンドウを画定することができる。切除要素の側部ウィンドウには、細長部材内を切除要素が往復運動する間に、組織を切除するように機能することができる、刃先を含めることができる。
【0010】
切除要素には、切除要素によって画定された開口部を横切る、クロスメンバ(横断部)を含めることができる。クロスメンバの一部、又はクロスメンバ全体によって、切除要素に通電し、回転させたときに、リターン要素と協働して組織を標的部位から切除することができる、アクティブ要素を画定することができる。
【0011】
細長部材の遠位端には、前部ウィンドウに近接する、エンドキャップも含めることができる。このエンドキャップは、前部ウィンドウを部分的に囲むことができ、又は、前部ウィンドウを完全に囲むことができる。エンドキャップは、閉位置と開位置との間で可動自在に、細長部材と結合することができる。その開位置では、標的部位で組織を切除するために、切除要素を前部ウィンドウから延長させることができる。
【0012】
考えられる利点は、子宮頸部の拡張及び患者の麻酔の量を低減できることである。より具体的には、子宮後壁で組織を切除し、組織を凝固させることができるモルセレータを提供することによって、モルセレータの全体的な横方向サイズを低減することができ、それによって子宮頸部を拡張すべき量が低減され、モルセレータ処置に必要な麻酔の量も、場合によって低減される。
【0013】
更に考えられる利点は、大きな筋腫又は大きなポリープといった組織の大部分を除去できる上に、サイズが小さいために、小さな領域で動作することができる装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】切除アセンブリを有する、モルセレータを示す図である。
図2】切除アセンブリの斜視図である。
図3】第1の位置にある、図2の切除アセンブリの上面図である。
図4】第2の位置にある、図2の切除アセンブリの上面図である。
図5A】標的部位からの組織の切除を示す図である。
図5B】標的部位からの組織の切除を示す図である。
図6】切除アセンブリの、別の実施例の斜視図である。
図7】切除アセンブリの、別の実施例の斜視図である。
図8】切除アセンブリの、別の実施例の斜視図である。
図9】切除アセンブリの、別の実施例の斜視図である。
図10A】切除アセンブリの、別の実施例の斜視図である。
図10B】切除アセンブリの、別の実施例の斜視図である。
図11】切除アセンブリの、別の実施例の斜視図である。
図12】切除アセンブリの、別の実施例を示す図である。
図13】切除アセンブリの、側面図である。
図14】切除アセンブリの、側面図である。
図15図12の切除アセンブリの、別の実施例を示す図である。
図16】切除アセンブリの、別の実施例を示す図である。
図17図16の切除アセンブリの、上面図である。
図18】切除アセンブリの、別の実施例を示す図である。
図19】切除アセンブリの、別の実施例を示す図である。
図20図1のモルセレータの再処理方法を示す、フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
モルセレータには、遠位先端部に前部ウィンドウを含む細長部材を含めることができる。この細長部材によって、切除要素を延長することができる管腔を画定することができる。第2の位置では、組織を切除するために、切除要素を前部ウィンドウから延長することができる。細長部材によって、リターン電極を画定することができ、かつ、切除要素によって、リターン電極と共に通電時に標的部位から組織を切除するように動作することができる、アクティブ電極を画定することができる。切除中に、切除要素は、切除中の標的部位の組織を凝固させるように機能することができる。また、細長部材によって、遠位端及び前部ウィンドウに近接するその遠位端に、側部ウィンドウを画定することができる。切除要素によって、第1の位置で細長部材の側部ウィンドウと位置合わせすることができる、側部ウィンドウを画定することができる。切除要素の側部ウィンドウには、細長部材内を切除要素が往復運動する間に、組織を切除するように機能することができる、刃先を含めることができる。
【0016】
図1は、切除アセンブリ102を有する、モルセレータ100の実施例を示す。モルセレータ100は、本発明に係る医療機器に相当する。モルセレータ100には、ハウジング104を含めることができる。このハウジング104は、モルセレータ100の様々な構成要素を受け入れる役割を果たす。そのような構成要素の例には、内視鏡、光源、流入経路、及び流出経路があるが、これらに限定されない。モルセレータ100には、ハウジング104から延出する、細長部材106を含めることができる。細長部材106には、吸引源接続部110を有する、側方吸引孔108を含めることができる。吸引源接続部110によって、側方吸引孔108と、側方吸引孔108から流体を排出することができる吸引源との、流体結合を容易にすることができる。したがって、側方吸引孔108を介して、標的部位及びモルセレータ100から、流体、及び、標的部位から除去された物質などのデブリを除去することができる。具体的には、流体及びデブリは、吸引孔の頸部112に沿って、側方吸引孔108から吸引源まで移動することができる。側方吸引孔108で、吸引が発生するものとして説明されているが、吸引は細長部材106の異なる部分で発生してもよい。例えば、加えて、又はその代わりに、細長部材106は、細長部材106の近位端114に近接して配置された、吸引孔を有することができる。
【0017】
モルセレータ100による切除処置中に、標的部位から切除されたデブリを除去するために、側方吸引孔108を使用することができる。細長部材の近位端114に位置する灌注孔116で、細長部材106に提供された灌注剤を除去するために、側方吸引孔を使用することもできる。灌注孔116に連結することができる灌注源(図示せず)から、細長部材に灌注剤を提供することができる。灌注剤は、切除アセンブリ102を介して、標的部位に提供することができる。
【0018】
細長部材106によって、それを通って切除要素202が延在することのできる、管腔200を画定することができる。更に、管腔200内で、細長部材106と切除要素202との間に、内管204が延在することができる。モルセレータ100は、切除要素202がアクティブ電極として機能することができ、細長部材106がリターン電極として機能することができる、バイポーラ装置とすることができる。切除要素202は、導体とすることができ、モルセレータ100の電源(図示せず)から、細長部材106の遠位端118(図6)まで延在することができる。細長部材106は、導体とすることができ、アースに接続することもできる。細長部材106及び切除要素202に使用することができる材料の例として、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、又はその他の導電性材料がある。モルセレータ100がバイポーラ構成である場合、内管204を、細長部材106と切除要素202との間に配置された、絶縁体とすることができる。内管204は、セラミック、任意のタイプのポリマー、ゴムなどの、任意のタイプの電気絶縁材料から形成することができる。
【0019】
細長部材106は、遠位先端部208に前部ウィンドウ206を有することができ、ここで、切除要素202の遠位端210が、細長部材106の前部ウィンドウ206から露出している。切除要素202は、第1の位置と第2の位置との間で、細長部材106の管腔200に対して摺動自在である。第1の位置では、切除要素202の遠位端210の表面300は、図3に示すように、細長部材106の遠位先端部208と同一平面上にある。ハンドル120(図1)によって、方向Xに沿って、切除要素202を、図4に示す第2の位置まで動かすことができる。第2の位置では、切除要素202の表面300は、細長部材106の前部ウィンドウ206から、距離400だけ突出している。距離400は、0.01ミリメートルから約5ミリメートルの範囲とすることができる。切除要素202が、図4の第2の位置にあるとき、標的部位で組織を切除するために、切除要素202の表面300を使用することができる。
【0020】
切除要素202によって、細長部材106の遠位先端部208に位置する、開口部212を画定することができ、ここでは、切除要素202の開口部212を横切って、クロスメンバ214が延在することができる。切除要素202のクロスメンバ214、及び、切除要素202の遠位端210は、切除要素202と協働して、アクティブ電極を形成することができる。更に、いくつかの実施例では、切除要素202のクロスメンバ214のみがアクティブ電極を形成することができ、切除要素202の遠位端210は、アクティブ電極の一部を形成しない。更に、切除要素202のクロスメンバ214の全体ではなく、その一部のみが、切除要素202のアクティブ電極を形成することができる。切除要素202のクロスメンバ214は、上述した切除要素202と、同じ材料から形成することができる。
【0021】
切除要素202が第2の位置にあるとき、切除要素202の遠位端210及びクロスメンバ214は、細長部材106の前部ウィンドウ206から突出することができる。第2の位置では、子宮後壁の筋腫の切除といった、標的部位での組織切除中に、切除要素202の遠位端210及びクロスメンバ214に通電してアクティブ電極を形成し、方向A又は方向Bに沿って回転させることができる。方向A又は方向Bの一方又は両方に沿って、切除要素202のクロスメンバ214を回転させることで、子宮後壁での組織切除を強化することができる。切除要素202には、クロスメンバ214を含めなくてもよい。ここでは、切除要素202の遠位端210にアクティブ電極を形成し、標的部位で組織を切除することができる。更に、切除のためにバイポーラエネルギーを使用することにより、切除要素202、及び切除要素202の表面300は、同時に、組織切除中に、標的部位の表面を凝固させることができる。
【0022】
細長部材106には、細長部材106の遠位端118で、側部ウィンドウ216を含めることができる。切除要素202には、細長部材106の側部ウィンドウ216と位置合わせすることのできる、側部ウィンドウ302を含めることができる。より具体的には、細長部材106の側部ウィンドウ216、及び、切除要素202の側部ウィンドウ302は、切除要素202が図3の第1の位置にあるときに、細長部材106の側部ウィンドウ216、及び、切除要素202の側部ウィンドウ302が互いに整列するような、幅304にすることができる。
【0023】
切除要素202の側部ウィンドウ302には、刃先218を含めることができる。刃先218は、アクティブ電極であることによって、標的部位から組織を切除するために使用することができる。刃先218は、刃、鋭利な縁端などである。モルセレータ100の使用中に、細長部材106の側部ウィンドウ216を介して、子宮壁から組織を切除することができる。切除要素202は、図5A及び図5Bに示すように、方向A及びBに沿って、細長部材106内で揺動することができる。内管204には、刃先218と共に標的部位502から組織を切除する、縁端500を含めることができる。刃先218が標的部位502で内管204の縁端500を通過すると、図5Bに示すように、筋腫の一部などのデブリ504が、標的部位502から切除される。吸引孔108及び吸引源接続部110で吸引が行われることによって、切除要素202が備える管腔を通じて、デブリ504を除去することが容易となる。
【0024】
切除アセンブリ102は、図6から図8を参照して示される構成にすることができる。ここで、切除アセンブリ102には、細長部材106の遠位端118に配置された、エンドキャップ600を含めることができる。エンドキャップ600は、図6及び図7に示す閉位置と、図8に示す開位置との間で、可動自在である。エンドキャップ600は、閉位置と開位置との間のエンドキャップ600の移動を可能にする、ヒンジ又はその他の種類の機構によって、動作可能に細長部材106に結合することができる。エンドキャップ600が示されているが、三尖弁のようなバルブ、ヨークアセンブリといった、任意の種類の可動エンクロージャを、細長部材106の遠位端118に配置することができる。モルセレータ100は、方向X及びYに沿って、細長部材106及び切除要素202に対して摺動自在である、シース700を含めることができる。このシース700は、内管204と同じ材料から形成することができ、細長部材106がリターン電極であり、切除要素202がアクティブ電極である場合に、絶縁体として機能することができる。
【0025】
第1の位置では、切除要素202は、細長部材106の側部ウィンドウ216(図示せず)と、切除要素202の側部ウィンドウ302とが互いに位置合わせされる、図6の構成にすることができる。第1の位置では、図7に示すように、シース700を細長部材106内に格納することができ、それによって、細長部材106の側部ウィンドウ216、及び、切除要素202の側部ウィンドウ302を露出させる。このように、第1の位置では、切除要素202が方向A及びBに沿って揺動するとき、刃先220、細長部材106の側部ウィンドウ216、及び、切除要素の側部ウィンドウ302を介して、標的部位での組織切除を行うことができる。第1の位置では、エンドキャップ600は閉位置にあり、切除要素202の遠位端210を覆うことができる。したがって、細長部材106の側部ウィンドウ216、及び、切除要素の側部ウィンドウ302において、刃先220を介してのみ、組織切除が行われる。
【0026】
第2の位置では、方向Xに沿って、シース700を、ハンドル120と共に図8の構成に移動させることができる。シース700は、エンドキャップ600を開位置に移動させ、それによって切除要素202の遠位端210を露出させることができる。いくつかの実施例では、エンドキャップ600は、細長部材106によって画定されるリターン電極の一部として機能することができるように、細長部材106と同じ材料で形成することができる。それにより、図4の実施例と比較して、細長部材106の前部ウィンドウ206から、切除要素202の遠位端210を更に伸長させることができる。第2の位置では、上述したように、標的部位で組織を切除するために、切除要素202の遠位端210を使用することができる。また、シース700は、細長部材の側部ウィンドウ216、及び、切除要素の側部ウィンドウ302を、覆うことができる。したがって、第2の位置では、組織を切除するために、刃先220は使用されない。
【0027】
切除アセンブリ102は、図9から図11の構成にすることもできる。ここで、切除アセンブリ102は、外管900、並びに、外管900内に回転自在に配置された、内管902を含む。内管902は、方向A及びBに沿って、図9に示す第1の位置、及び、図11に示す第2の位置に回転することができる。第1の位置では、矢印Zで示すように、切除要素202の側部ウィンドウ302を通ってのみ、切除アセンブリ102に流体が入ることができるように、内管902のエンドキャップ904を、外管900の遠位開口部906と位置合わせすることができる。第1の位置では、外管900のエンドキャップ908と内管のエンドキャップ904との組合わせによって、切除アセンブリ102の遠位端で流体が進入することを防止することができる。
【0028】
図10A及び図10Bを参照すると、内管902には、ウィンドウ1000を含めることができる。ウィンドウ1000は、矢印Zで示すように、流体の進入を可能にするために、図9の第1の位置で、切除要素202の側部ウィンドウ302と位置合わせすることができる。更に、内管902には、エンドキャップ904のウィンドウ1002を含めることができる。ウィンドウ1002は、図11の第2の位置で、外管の遠位開口部906と位置合わせすることができる。更に、内管902には、図11の第2の位置で、切除要素202の側部ウィンドウ302と位置合わせすることができる、閉鎖要素1004を含めることができる。したがって、図11において、外管900内で内管902が第2の位置まで回転すると、内管902の閉鎖要素1004は、流体が切除要素202の側部ウィンドウ302に入らないように、切除要素202の側部ウィンドウ302を閉じるように機能する。その代わりに、流体は、外管900の遠位開口部906、及び、内管902のエンドキャップ904のウィンドウ1002を通って、矢印Kで示すように、遠位端で切除アセンブリ102に入り、それによって流体の通路がもたらされる。
【0029】
第1の位置では、3つの方法のうちの1つで、組織切除を行うことができる。第1に、上述したように、切除要素202が揺動するときに、組織切除を行うことができる。第2に、切除要素202は、方向X及びYに沿って往復運動することができる。第3に、切除要素202は、方向X及びYに沿って往復運動するのと同時に、方向A及びBに沿って揺動することができる。第2の位置では、リターン電極と協働して、アクティブ電極部が、標的部位の組織を切除するように機能することができる。切除のためにバイポーラエネルギーを使用することにより、切除と同時に凝固を発生させることができる。
【0030】
更に、切除アセンブリ102は、図12から図15を参照して示す構成にすることができる。切除アセンブリ102には、揺動切除要素1202、及び、往復切除要素1204を伴う、細長部材1200を含めることができる。細長部材1200は、揺動切除要素1202、及び、往復切除要素1204のそれぞれで、アクティブ電極を形成しつつ、リターン電極を形成することができる。細長部材1200、揺動切除要素1202、往復切除要素1204はそれぞれ、細長部材106と同じ材料で形成することができる。揺動切除要素1202は、細長部材106の管腔200と同様に、細長部材1200の管腔内に配置され、方向A及びBに沿って、細長部材1200に対して回転することができる。往復切除要素1204は、揺動切除要素1202の管腔内に配置され、方向X及びYに沿って、揺動切除要素1202に対して摺動することができる。図示されていないが、内管204と同様の特性の絶縁体を、細長部材1200と、揺動切除要素1202との間に配置することができる。同様に、内管204と同様の特性の絶縁体を、揺動切除要素1202と、往復切除要素1204との間に配置することができる。
【0031】
細長部材1200には、側部ウィンドウ1206を含めることができ、揺動切除要素1202には、側部ウィンドウ1208を含めることができる。細長部材1200及び揺動切除要素1202が第1の位置にある、第1の動作モードでは、細長部材1200の側部ウィンドウ1206は、揺動切除要素1202の側部ウィンドウ1208と位置合わせすることができ、デブリ504などの、標的部位からの切除組織が通過することができる、通路1210をもたらすことができる。
【0032】
細長部材1200には、リターン電極面1212を含めることができ、往復切除要素1204には、アクティブ電極面1214を含めることができる。第1の動作モードでは、往復切除要素のアクティブ電極面1214を、作動させることができる。また、第1の動作モードでは、往復切除要素1204は、標的部位で組織を切除するために、方向X及びYに沿って移動することができる。往復運動する往復切除要素1204のアクティブ電極面1214が標的部位に接触すると、標的部位から組織を切除することができ、側方吸引孔108で吸引を加えることにより、通路1210を介して、切除された組織を、モルセレータ100内に引き込むことができる。
【0033】
細長部材1200には、開口部1300を含めることができ、ここで、リターン電極面1216を、細長部材1200の開口部1300の周りに配置することができる。揺動切除要素1202には、開口部1400を含めることができ、ここで、アクティブ電極1500を、揺動切除要素1202の開口部1400の周りに配置することができる。第2の動作モードでは、往復切除要素1204は、図15に示すように、細長部材1200の側部ウィンドウ1206、及び、揺動切除要素1202の側部ウィンドウ1208を、往復切除要素1204が実質的に覆うことができる、第2の位置に移動することができる。往復切除要素1204は、ハンドル120に結合することができ、ユーザが方向Aに沿ってハンドル120を移動させると、第2の位置に移動することができ、それによって細長部材1200の側部ウィンドウ1206、及び、揺動切除要素1202の側部ウィンドウ1208を覆う。第2の動作モードでは、揺動切除要素1202の開口部1400は、方向A及びBに沿って、細長部材1200の開口部1300内で揺動することができる。第2の動作モードでは、子宮後壁に向かって、モルセレータ100を移動させることができる。揺動切除要素1202の開口部1400が、後壁の標的部位と接触すると、標的部位から組織を切除することができ、モルセレータ100がバイポーラモードで動作するとき、側方吸引孔108に加えられる吸引によって、揺動切除要素1202の開口部1400を介して、切除組織をモルセレータ100に引き込むことができる。
【0034】
バイポーラエネルギーを使用して組織を切除することに加えて、モルセレータ100には、標的部位から組織を切除するための、機械的特徴を実装することができる。例えば、図16に示すように、モルセレータ100には、細長部材106の管腔200内に配置された、切除要素1600を含めることができる。切除要素1600には、細長部材106の側部ウィンドウ216と位置合わせすることができる、側部ウィンドウ1602を含めることができる。
【0035】
切除要素1600には、第1の動作モード中に、標的部位から組織を切除することができる、刃先1700を含めることができる。この刃先1700には、標的部位から組織を切除するのに適した刃、又は、その他の種類の機械的切断装置を含めることができる。図5A及び図5Bで上述したように、内管204に対して刃先220が揺動することができるのと同様に、刃先1700は、細長部材106、及び、細長部材の側部ウィンドウ216に対して、揺動することができる。第1の動作モードの間、標的部位から切除されたデブリ504などの組織は、側方吸引孔108で加えられた吸引力によって、通路1702に流入することができる。第1の動作モード中に、切除された組織を通路1702内に引き込むことができるように、通路1702を、側方吸引孔108と流体的に結合することができる。
【0036】
切除要素1600は、切除要素1600の遠位端1606に配置された、刃1604を有することもできる。図16の例では、モルセレータ100には、切除要素1600の刃1604を覆う、エンドキャップ600を含めることができる。第2の動作モード中に、ユーザが切除要素1600を方向Xに沿って移動させることができ、それによってエンドキャップ600を開き、図18に示すように、切除要素1600の刃1604を露出させることができるように、切除要素1600をハンドル120に結合することができる。切除要素1600の刃1604には、クロスメンバ部1902と共に、刃先1900を含めることができる。刃先1900及びクロスメンバ部1902はそれぞれ、上述した刃先220と同じ特性のものにすることができる。
【0037】
第2の動作モードでは、刃先1900及びクロスメンバ部1902を、子宮後壁等の標的部位に接触させることができる。切除要素1600は、標的部位から組織を切除するために、ユーザがハンドル120を回転させることなどによって、作動させることができる。刃1604の通路1904は、側方吸引孔108と、流体的に結合することができる。これにより、側方吸引孔108で加えられる吸引によって、切除要素の刃1604によって標的部位から切除された組織を、標的部位から引き込むことができる。
【0038】
モルセレータ100は、一回使用した後に、廃棄することができる。あるいは、モルセレータ100は、複数回繰り返して使用することができる。モルセレータ100を複数回繰り返して使用することができる場合には、モルセレータ100は、図20に示すような、再処理方法2000に従うことができる。再処理方法2000は、モルセレータ100の再処理方法を示す、フローチャートである。上述したモルセレータ100は、一回使用した後に廃棄してもよいし、複数回繰り返し使用してもよい。複数回繰り返して使用する場合には、図20の再処理方法を使用することができる。装置を再生する作業者は、治療に使用された後に、使用済みのモルセレータ100を回収することができ、ステップ2002において、モルセレータ100を工場又は他の施設に輸送することができる。使用済みのモルセレータ100は、他の処理からの汚染を防止するといった目的のために、専用の容器で輸送することができる。
【0039】
ステップ2004において、作業者は、使用済みのモルセレータ100を、洗浄及び滅菌する。洗浄時には、ブラシ等を用いて、モルセレータ100の各部に付着した、堆積物を除去する。モルセレータ100には、血液や体液等に由来する病原微生物等を除去するために、イソプロパノール含有洗浄剤、タンパク質分解酵素洗浄剤、アルコール等の、任意の洗浄溶液を適用することができる。洗浄剤は、上述した洗浄液に限定されず、他の洗浄剤を使用することもできる。滅菌時には、高圧蒸気滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、ガンマ線滅菌、過酸化水素、及び過酸化水素低温滅菌を、モルセレータ100に適用することができる。モルセレータ100が、上述したように構成されているため、モルセレータ100の洗浄は容易である。
【0040】
洗浄及び滅菌を行った後、ステップ2006において、モルセレータ100の合否判定検査を実施することができる。この合否判定検査中に、モルセレータ100に重大な欠陥があるかどうかを判定するために、モルセレータ100の検査を行うことができる。更に、モルセレータ100が再処理された回数を、特定することができる。モルセレータ100が再処理された回数を閾値と比較して、モルセレータ100が再処理された回数が閾値を超えており、もはや使用すべきではないかどうかを、判定することができる。
【0041】
次に、ステップ2008において、モルセレータ100を分解することができ、ここで、切除アセンブリ102、又は細長部材106といったモルセレータ100の様々な構成要素が、モルセレータ100から取り外される。切除アセンブリ102及び細長部材106のみが、取り外されるものとして参照されているが、本明細書に記載のモルセレータ100のあらゆる部分を、ステップ2008において取り外すことができる。
【0042】
ステップ2008で分解された後、ステップ2010において、不良であると見なされるモルセレータ100のあらゆる構成要素を、交換することができる。更に説明すると、切除アセンブリ102に欠陥があると見なされる場合、ステップ2010において、切除アセンブリを交換することができる。切除アセンブリ102が交換されるものとして述べられているが、本明細書に記載のモルセレータ100のあらゆる部分を、ステップ2010において交換することができる。
【0043】
ステップ2010でモルセレータ100の構成要素を交換した後、ステップ2012において、モルセレータ100を再組み立てすることができる。再組み立て中に、モルセレータ100がその元の状態から、交換部品(複数可)を含むように変更されたことを示すことができる、識別子を追加することができる。この識別子には、モルセレータ100を再処理、改修、又は再生されたものとして示す、ラベル、又は、その他の種類の証印を含めることができる。
【0044】
次いで、ステップ2014において、モルセレータ100は、検査及び試験される。具体的には、新たに形成されたモルセレータ100が、元の製品と同じ有効性及び安全性を有することを、ユーザは、様々な機能試験によって検証することができる。検査を行った後、ステップ2016において、モルセレータ100を滅菌して保管することができる。エチレンオキサイドガスやプロピレンオキサイドガス等の滅菌ガスで、モルセレータ100を滅菌することができる。滅菌を行った後、ステップ2016において、モルセレータ100を保管し、その後、ステップ2018において、出荷することができる。
【0045】
本発明の主題の、様々な態様及び特徴を説明してきたが、例示的な実施形態として、以下の番号付けされた実施例を示す。
【0046】
実施例1は、細長部材及び切除要素を備える、医療機器である。細長部材は、管腔を画定し、その遠位部分に側部ウィンドウ及び前部ウィンドウを含み、この前部ウィンドウは、細長部材の遠位端に開口部を画定する。切除要素は、細長部材の管腔を通って、その遠位端まで延在し、細長部材の管腔内で可動自在である。切除要素は、細長部材の側部ウィンドウと位置合わせすることのできる、側部ウィンドウを有し、かつ、その遠位端に切断要素を含む。
【0047】
実施例2において、実施例1の主題は、切断要素が電気的にアクティブな電極であり、細長部材が、リターン電極を画定することを含む。
【0048】
実施例3において、実施例2の主題は、切除要素の開口部を横切って、クロスメンバが延在することを含む。
【0049】
実施例4において、実施例2から3の主題は、クロスメンバの一部が、アクティブ要素の一部を形成することを含む。
【0050】
実施例5において、実施例2から4の主題は、切除要素が、細長部材の管腔内で回転自在かつ摺動自在であることを含む。
【0051】
実施例6において、実施例1から5の主題は、前部ウィンドウが開位置と閉位置との間で可動自在であり、前部ウィンドウが開位置にあるときに、切除要素が前端部で露出されることを含む。
【0052】
実施例7において、実施例6の主題は、前部ウィンドウが開位置にあるときに、側部ウィンドウが閉位置にあり、前部ウィンドウが閉位置にあるときに、側部ウィンドウが開位置にあることを含む。
【0053】
実施例8において、実施例1から7の主題は、細長部材の管腔に対する第1の位置と、細長部材の管腔に対する第2の位置との間で、切除要素が、細長部材の管腔内を摺動自在であることを含む。
【0054】
実施例9において、実施例8の主題は、細長部材が、前部ウィンドウを覆うエンドキャップを備えることを含む。
【0055】
実施例10において、実施例9の主題は、エンドキャップが細長部材と連結され、閉位置と開位置との間を移動し、切除要素が第1の位置にあるときに、エンドキャップが閉位置にあり、切除要素が第2の位置にあるときに、エンドキャップが開位置にあることを含む。
【0056】
実施例11において、実施例1から実施例10の主題は、切除要素が、細長部材の管腔に対する第1の位置と、細長部材の管腔に対する第2の位置との間で、細長部材の管腔内で回転自在であることを含む。
【0057】
実施例12において、実施例11の主題は、細長部材が、細長部材の遠位端にある第1の部分がエンドキャップによって覆われ、細長部材の第2の部分が、前部ウィンドウによって画定された開口部を含むように、細長部材の遠位端を部分的に覆う、エンドキャップを備えることを含む。
【0058】
実施例13において、実施例12の主題は、切除要素の第1の部分が、切除要素が第1の位置にあるときにエンドキャップによって覆われるアクティブ電極を含み、切除要素が第2の位置にあるときに、アクティブ電極が開口部と位置合わせされることを含む。
【0059】
実施例14において、実施例1から13の主題は、切除要素の側部ウィンドウが、アクティブ電極を画定することを含む。
【0060】
実施例15において、実施例1から14の主題は、細長部材と切除要素との間に配置された絶縁体を含み、この絶縁体は、前部ウィンドウ、並びに、細長部材の側部ウィンドウ、及び切除要素の側部ウィンドウと位置合わせすることのできる側部ウィンドウに、開口部を画定する。
【0061】
実施例16において、実施例1から15の主題は、切除要素が、細長部材の管腔内に配置された内管を画定し、医療機器が、内管と細長部材との間に配置された、中間管を更に備えることを含む。
【0062】
実施例17において、実施例1から16の主題は、前部ウィンドウから遠位方向の外側に、切除要素が伸長可能であることを含む。
【0063】
実施例18は、医療機器を再処理するための再処理方法であり、医療機器は、遠位部分にある側部ウィンドウと、遠位端にあり、遠位端に開口部を画定する前部ウィンドウとを有し、管腔を画定する細長部材と、細長部材の管腔を通って、細長部材の遠位端まで延在する切除要素とを備え、切除要素は、切除要素の遠位端が前部ウィンドウで露出しており、細長部材の管腔内で可動自在であり、細長部材の側部ウィンドウと位置合わせすることのできる側部ウィンドウを有し、切除要素の遠位端に切断要素を含み、本再処理方法は、医療機器を滅菌するステップと、医療機器を滅菌容器に保存するステップとを含む。
【0064】
実施例19は、処理回路によって実行されたとき、実施例1から18のいずれかの実施動作を、処理回路に行わせる命令を含む、少なくとも1つの機械読取可能媒体である。
【0065】
実施例20は、実施例1から18の、いずれかの実施手段を備える装置である。
【0066】
実施例21は、実施例1から18の、いずれかの実施システムである。
【0067】
実施例22は、実施例1から18の、いずれかの実施方法である。
【0068】
上述した詳細な説明は、添付の各図面の参照を含み、それらは、詳細な説明の一部を形成するものである。各図面は、実例として、本発明を実施することができる具体的な例を示すものである。これらの例は、本明細書では「実施例」とも呼ばれる。そのような実施例には、図示又は記載されたものに加えて、様々な要素を含めることができる。しかしながら、本発明者は、図示又は説明された要素のみが設けられる実施例も、企図している。更に、本発明者は、本明細書に示され、若しくは記載された、特定の実施例(又は、その1つ又はそれ以上の態様)、又は他の実施例(又は、その1つ又はそれ以上の態様)に関して示され、若しくは記載された要素(又は、その1つ又はそれ以上の態様)の、任意の組合わせ又は並べ替えを使用する実施例も、企図している。
【0069】
本明細書では、特許文献で一般的であるように、「at least one(少なくとも1つの)」、又は、「one or more(1つ又はそれ以上の)」という、その他の事例又は使用とは無関係に、「a(1つの)」、又は、「an(1つの)」という用語は、1つ、又は複数を含むように使用される。本明細書では、「or(又は)」という用語は、特に明記しない限り、非排他的に、すなわち、「A又はB」が、「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、及び「AでもありBでもある」を含むことを指すように、使用される。本明細書では、「including(含む)」及び「in which(そこに)」という用語は、用語「comprising(備える)」及び「wherein(そこにおいて)」の、それぞれの平易な英語の同義語として使用される。また、以下の特許請求の範囲では、「including(含む)」及び「comprising(備える)」という用語は、オープンエンドである。すなわち、特許請求の範囲でそのような用語に続いて列挙されたもの加えて、更なる要素を含むシステム、装置、物品、組成物、調合物、又は方法は、依然として、その特許請求の範囲内にあると見なされる。更に、以下の特許請求の範囲において、「first(第1の)」、「second(第2の)」、及び「third(第3の)」などの用語は、単に標示として使用されており、それらの対象に数値的な要件を課すことを意図するものではない。
【0070】
上述した説明は例示的なものであり、限定的なものではない。例えば、上述した実施例(又は、その1つ若しくはそれ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。上述した説明を検討することで、例えば当業者は、他の実施例を使用することができる。要約書は、読者が技術的開示の本質を簡単に見極められるように、連邦規則法典第37巻規則1.72(b)に準拠するように提供される。それは、特許請求の範囲又は趣旨を、解釈又は限定するために使用されるものではない、という理解のもとに提供されるものである。また、上述した詳細な説明では、本開示を簡素化するために、様々な特徴をまとめて分類することができる。これは、特許請求されていない開示された特徴が、いずれかの請求項に必須であることを意図している、と解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施例の、すべての特徴よりも、少ない特徴に見いだすことができる。したがって、以下の特許請求の範囲は、実例又は実施例として、本明細書の詳細な説明に組み込まれている。各請求項は、別個の実施例として独立しており、そのような実施例は、様々な組合わせ又は並べ替えをもって、併用することができると考えられる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲と併せて、決定されるべきである。
【符号の説明】
【0071】
100 モルセレータ
102 切除アセンブリ
104 ハウジング
106 細長部材
108 側方吸引孔
110 吸引源接続部
112 頸部
114 近位端
116 灌注孔
118 遠位端
120 ハンドル
200 管腔
202 切除要素
204 内管
206 前部ウィンドウ
208 遠位先端部
210 遠位端
212 開口部
214 クロスメンバ
216 側部ウィンドウ
218 刃先
220 刃先
300 表面
302 側部ウィンドウ
400 距離
500 縁端
502 標的部位
504 デブリ
600 エンドキャップ
700 シース
900 外管
902 内管
904 エンドキャップ
906 遠位開口部
908 エンドキャップ
1000 ウィンドウ
1002 ウィンドウ
1004 閉鎖要素
1200 細長部材
1202 揺動切除要素
1204 往復切除要素
1206 側部ウィンドウ
1208 側部ウィンドウ
1210 通路
1212 リターン電極面
1214 アクティブ電極面
1216 リターン電極面
1300 開口部
1400 開口部
1500 アクティブ電極
1600 切除要素
1602 側部ウィンドウ
1604 刃
1606 遠位端
1700 刃先
1702 通路
1900 刃先
1902 クロスメンバ部
1904 通路
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20