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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080696
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】洗浄用固形製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/49 20060101AFI20240606BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
A61K8/49
A61Q11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023204624
(22)【出願日】2023-12-04
(31)【優先権主張番号】P 2022193624
(32)【優先日】2022-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000149181
【氏名又は名称】株式会社大阪製薬
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲見 浩之
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB272
4C083AB311
4C083AB312
4C083AB411
4C083AB412
4C083AB472
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC472
4C083AC691
4C083AC692
4C083AC742
4C083AC782
4C083AC791
4C083AC812
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD042
4C083AD282
4C083AD472
4C083AD552
4C083CC42
4C083DD15
4C083DD21
4C083EE33
(57)【要約】
【課題】 洗浄用固形製剤を提供する。
【解決手段】 (A)ジクロルイソシアヌール酸塩、第4級アンモニウム塩、イソプロピルメチルフェノール、フッ化物、チモール、ヒノキチオール、セチルピリジニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、クロルヘキシジン酢酸塩、クロルヘキシジングルコン酸塩、モノフルオロリン酸ナトリウム、トリクロサン、リゾチウム塩化物、及び塩酸クロルヘキシジンからなる群より選択される少なくとも1種、(B)酸素系漂白剤、及び(C)発泡剤を含有し、義歯又は歯科矯正保定具等の口内装着具を洗浄する為の洗浄用固形製剤を調製する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ジクロルイソシアヌール酸塩、第4級アンモニウム塩、イソプロピルメチルフェノール、フッ化物、チモール、ヒノキチオール、クロルヘキシジン酢酸塩、クロルヘキシジングルコン酸塩、モノフルオロリン酸ナトリウム、トリクロサン、リゾチウム塩化物、及び塩酸クロルヘキシジンからなる群より選択される少なくとも1種、(B)酸素系漂白剤、及び(C)発泡剤を含有し、口腔内装着関連器具を洗浄する為の洗浄用固形製剤。
【請求項2】
錠剤である、請求項1に記載の洗浄用固形製剤。
【請求項3】
前記(A)成分が、ジクロルイソシアヌール酸塩又は第4級アンモニウム塩である、請求項1に記載の洗浄用固形製剤。
【請求項4】
前記(B)成分が、過硫酸水素塩、過硫酸塩、過炭酸塩、及び過ホウ酸塩からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の洗浄用固形製剤。
【請求項5】
前記(C)成分が、炭酸塩又は炭酸水素塩、及びコハク酸、スルファミン酸、又はクエン酸との組み合わせである、請求項1に記載の洗浄用固形製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄用固形製剤に関する。より詳細には、義歯、歯科矯正保定具、スポーツ用マウスピース、及びそれらの収容容器等を含む口腔内装着関連器具を洗浄する為の洗浄用固形製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
口腔ケアは、生活の質の向上に重要であり、歯周病と関連があるとされる心臓血管疾患や糖尿病等の全身疾患の予防にも有用である。
【0003】
義歯使用者や歯列矯正後の取り外し可能な保定具(リテーナー)を常用する者にとって、義歯や器具の清潔を保持することが、口腔内の清潔の保持と全身の良好な状態にも結びつく。義歯や保定具等を不潔な状態にしておくことは、それらの器具に接する残存歯や歯周組織に悪影響を与え、齲蝕や歯周病の原因となり得る。
【0004】
義歯や保定具汚れには、食物残渣、デンチャー・ペリクル(唾液由来)、デンチャー・プラーク、歯石用沈着物、着色等がある。これに対して、例えば食物残渣の付着防止剤等の義歯ケア組成物(特許文献1)やバイオフィルムに作用する洗浄剤が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-104345号公報
【特許文献2】特開2021-104937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
義歯や保定具に付着する汚れを除去又は防止する洗浄剤は存在しているが、細菌叢に効
果的に作用する洗浄剤は十分に提案されているとは言えない状況である。
【0007】
本発明は、口腔内装着関連器具の殺菌作用に優れた洗浄用固形製剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、本課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定濃度の殺菌成分を含有
させ、発泡性の固形製剤とすることで、優れた殺菌効果を示しながら、口腔内に装着する
器具等の洗浄に相応しい安全性も兼ね備える洗浄剤を調製できることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、下記に掲げる洗浄用固形製剤を提供する。
項1.
(A)ジクロルイソシアヌール酸塩、第4級アンモニウム塩、イソプロピルメチルフェノール、フッ化物、チモール、ヒノキチオール、クロルヘキシジン酢酸塩、クロルヘキシジングルコン酸塩、モノフルオロリン酸ナトリウム、トリクロサン、リゾチウム塩化物、及び塩酸クロルヘキシジンからなる群より選択される少なくとも1種、(B)酸素系漂白剤、及び(C)発泡剤を含有し、口腔内装着関連器具を洗浄する為の洗浄用固形製剤。
項2.
錠剤である、項1に記載の洗浄用固形製剤。
項3.
前記(A)成分が、ジクロルイソシアヌール酸塩又は第4級アンモニウム塩である、項1又は2に記載の洗浄用固形製剤。
項4.
前記(B)成分が、過硫酸水素塩、過硫酸塩、過炭酸塩、及び過ホウ酸塩からなる群より選択される少なくとも1種である、項1~3のいずれか1に記載の洗浄用固形製剤。
項5.
前記(C)成分が、炭酸塩又は炭酸水素塩、及び
コハク酸、スルファミン酸、又はクエン酸
との組み合わせである、項1~4のいずれか1に記載の洗浄用固形製剤。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、殺菌効果と安全性を兼ね備える口腔内装着関連器具の洗浄用固形製剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書において、塩とは、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;及びこれらの水和物等であり得る。
【0012】
本明細書において、殺菌、滅菌、除菌の対照の菌としては、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans:口腔内に常在する真菌)、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans:虫歯の原因菌のひとつであるグラム陽性球菌)、又はポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis:歯周病に関与しているグラム陰性桿菌)が例示されるがこれに
限定はされない。
【0013】
[洗浄用固形製剤]
本発明の洗浄用固形製剤は、(A)ジクロルイソシアヌール酸塩、第4級アンモニウム塩、イソプロピルメチルフェノール、フッ化物、チモール、ヒノキチオール、及び塩酸クロルヘキシジンからなる群より選択される少なくとも1種、(B)酸素系漂白剤、及び(C)発泡剤を含有し、義歯又は歯科矯正保定具等の口内装着具を洗浄する為のものである。
【0014】
((A)成分)
本発明の洗浄用固形製剤には、(A)ジクロルイソシアヌール酸塩、第4級アンモニウム塩、イソプロピルメチルフェノール、フッ化物、チモール、ヒノキチオール、クロルヘキシジン酢酸塩、クロルヘキシジングルコン酸塩、モノフルオロリン酸ナトリウム、トリクロサン、リゾチウム塩化物、及び塩酸クロルヘキシジンからなる群より選択される少なくとも1種が含まれる。ここで、第4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、又は塩化ベンゼトニウムが挙げられる。
(A)成分として、これらの中から2種以上を組み合わせて使用してもよい。限定はされないが、このうち、ジクロルイソシアヌール酸塩、又は第4級アンモニウム塩が好ましく、ジクロルイソシアヌール酸塩、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム又は塩化ベンザルコニウムがより好ましい。
【0015】
本発明の洗浄用固形製剤の全量に対する(A)成分の含有量は、洗浄用固形製剤の単位当たりの質量によって、変化し得るが、本発明の効果を発揮する観点から、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、0.2質量%以上10質量%以下がより好ましく、0.3質量%以上8質量以下がさらに好ましい。
【0016】
本発明の洗浄用固形製剤は、水に溶解して使用する態様が好ましく、使用に際しての(A)成分の含有量は、本発明の効果を発揮する観点から、0.001w/v%以上1w/v%以下が好ましく、0.01w/v%以上0.5w/v%以下がより好ましく、0.1w/v%以上0.2w/v%以下がさらに好ましい。
【0017】
((B)酸素系漂白剤)
本発明の洗浄用固形製剤には、酸素系漂白剤が含まれる。酸素系漂白剤としては、例えば、過硫酸水素塩、過硫酸塩、過炭酸塩、又は過ホウ酸塩等が挙げられる。
【0018】
過硫酸水素塩としては、例えば、過硫酸水素ナトリウム、過硫酸水素カリウム、過硫酸水素リチウム、過硫酸水素バリウム、モノ過硫酸水素カリウム複塩、過硫酸水素アンモニウム等が挙げられる。
【0019】
過硫酸塩としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
【0020】
過ホウ酸塩としては、例えば、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過ホウ酸アンモニウム、過ホウ酸ナトリウム1水塩等が挙げられる。
【0021】
過炭酸塩としては、例えば、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過炭酸アンモニウム等が挙げられる。
【0022】
酸素系漂白剤として、これらの中から少なくとも1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
酸素系漂白剤としては、過硫酸水素のアルカリ金属塩、又は、過硫酸水素カリウム、硫酸水素カリウム、及び硫酸カリウムの複塩が好ましい。
【0023】
本発明の洗浄用固形製剤の全量に対する(B)成分の含有量は、洗浄用固形製剤の単位当たりの質量によって、変化し得るが、本発明の効果を発揮する観点から、2質量%以上50質量%以下が好ましく、3質量%以上45質量%以下がより好ましく、4質量%以上40質量%以下がさらに好ましい。
【0024】
本発明の洗浄用固形製剤は、水に溶解して使用する態様が好ましく、使用に際しての(A)成分の含有量は、本発明の効果を発揮する観点から、0.006w/v%以上7w/v%以下が好ましく、0.02w/v%以上3w/v%以下がより好ましく、0.025w/v%以上1.3w/v%以下がさらに好ましい。
【0025】
本発明の洗浄用固形製剤において、(A)成分に対する(B)成分の割合は、(A)成分1質量部に対して、(B)成分0.1質量部以上500質量部以下が好ましく、0.3質量部以上225質量部以下がより好ましく、0.5質量部以上133質量部以下がさらに好ましい。
【0026】
((C)発泡剤)
本発明の洗浄用固形製剤には、発泡剤が含まれる。発泡剤としては、例えば、炭酸塩及び/又は炭酸水素塩と酸との組み合わせが挙げられる。
【0027】
炭酸塩及び/又は炭酸水素塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、又はセスキ炭酸ナトリウム等が挙げられる。
これらの中から少なくとも1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
炭酸塩及び/又は炭酸水素塩としては、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムが好ましい。
【0028】
ここで、酸としては、例えば、有機酸又はリン酸が挙げられ、より詳細には、クエン酸、コハク酸、スルファミン酸、リンゴ酸、グルコン酸、酒石酸、マレイン酸、ソルビン酸、フィチン酸又はリン酸等が挙げられる。
これらの中から少なくとも1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
酸としては、限定はされないが、例えばクエン酸、コハク酸、又はスルファミン酸が好ましい。
【0029】
炭酸塩及び/又は炭酸水素塩と酸の割合は、特に限定はされないが、炭酸塩及び/又は炭酸水素塩1質量部に対して、酸0.3質量部以上4質量部以下が好ましく、0.4質量部以上3.5質量部以下がより好ましく、0.5質量部以上3質量部以下がさらに好ましい。
【0030】
本発明の洗浄用固形製剤の全量に対する発泡剤の含有量は、本発明の効果を発揮する観点から、30質量%以上95質量%以下が好ましく、40質量%以上94質量%以下がより好ましく、50質量%以上92質量%以下がさらに好ましい。
【0031】
(その他の成分)
本発明の効果を阻害しない限り、本発明の洗浄用固形製剤には、上記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の他に、任意成分が適宜配合されていても良い。任意成分は、界面活性剤、結合剤、酵素、流動改善剤、安定化剤、消臭剤、防錆剤、香料、及び/又は色素等であり得る。
【0032】
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び両面界面活性剤のいずれも使用できるが、特に好ましくは、アニオン性界面活性剤が用いられ得る。
【0033】
このようなアニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、アルキル硫酸塩、又はアルカンスルホン酸塩等が挙げられる。このうち、特に炭素数8~16のアルキル基を有するアルキル硫酸塩又はオレフィンスルホン酸塩が好ましく、ラウリル基又はミリスチル基を有する硫酸塩又はオレフィンスルホン酸塩がより好ましく、ラウリル硫酸ナトリウム又はオレフィンスルホン酸ナトリウムがさらに好ましい。
これらの中から少なくとも1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0034】
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン誘導体、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0035】
両面界面活性剤としては、アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルイミダゾール、ラウロイルグルタミン酸塩、アミンオキシド等が挙げられる。
【0036】
結合剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレン、ポリエチレングルコール、カーボワックス、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロース等が挙げられる。これらの結合剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中から少なくとも1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
結合剤としては、限定はされないが、例えば、分子量1000~10,000程度のポリエチレングルコールやセルロース誘導体が好ましい。
【0037】
酵素としては、プロテアーゼ、アルカラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、グルカナーゼ等が挙げられる。これらの酵素は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中で、パパイン等のプロテアーゼが好ましい。
【0038】
流動改善剤(滑沢剤)としては、滑石粉、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、タルク、微粉無水ケイ酸等が挙げられる。
【0039】
防錆剤としては、芳香族カルボン酸ナトリウム塩、クロム酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、亜硝酸塩、重合リン酸塩、亜鉛塩、メルカプトンベンゾチアゾール、ベンソトリアゾール、アルカノールアミン、脂肪酸塩、アルキルアミンエチレンオキシド付加物、アルキルリン酸エステル塩、石油スルホネート、ジイソプロピルアミンナイトライト、又はジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトが好ましく、亜硝酸塩、又は芳香族カルボン酸ナトリウム塩が特に好ましい。
【0040】
(pH)
本発明の洗浄用固形製剤は、成分の安定性又は安全性の観点等から、例えば、3gを水150mlに溶解し、20℃で測定した場合に、pH1~9の溶液とできることが好ましく、pH1.5~8.5の溶液とできることがより好ましい。pHは、20℃において、市販のpHメーター(例えば株式会社堀場製作所製、F-52(登録商標)型等)を使用して測定できる。
【0041】
(用途等)
本発明の洗浄用固形製剤は、口腔内装着関連器具の為の洗浄用固形製剤である。ここで、口腔内装着関連器具とは、義歯、矯正用保定具、スポーツ用マウスピース、及びそれらの収容容器等を言う。
【0042】
本発明の洗浄用固形製剤は、水等の溶媒に溶解し、その溶解液を、口腔内装着関連器具の浸漬の為に用いる。
【0043】
本発明の洗浄用固形製剤は、限定はされないが、錠剤又は顆粒状の形態等で提供され得る。好ましくは、錠剤である。錠剤の形状、質量、及びその硬度等は特に限定はされない。
【0044】
本発明の洗浄用固形製剤は、限定はされないが、形状として、好ましくは、球形、円柱、楕円球形、多角柱等であり得る。
【0045】
本発明の洗浄用固形製剤は、限定はされないが、1錠当たりの質量は、例えば0.5~20g程度が好ましく、1~10g程度がより好ましく、1~5g程度がさらに好ましい。
【0046】
本発明の洗浄用固形製剤は、限定はされないが、1錠の直径は、100~400mm程度が好ましく、150~300mmがより好ましい。
【0047】
本発明の洗浄用固形製剤は、限定はされないが、硬度として好ましくは、限定はされないが、45N以上程度であり得る、35~130N程度が好ましく、40~125N程度がより好ましく、45~120N程度がさらに好ましい。
【0048】
本発明の洗浄用固形製剤は、1日に1~2回程度、又は2日~7日に一回程度の頻度で使用する為のものであり得る。
【0049】
本発明の洗浄用固形製剤の具体的な使用態様としては、限定はされないが、典型的には、例えば錠剤を、50~300mL程度の水、好ましくは約100~200mL程度の水、より好ましくは、150mL程度の水に溶解しながら、対照となる口腔内装着関連器具を浸漬し、3分~一晩程度静置し、その後、口腔内装着関連器具を水でよく洗浄する手順であり得る。
【実施例0050】
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、表における各成分量の単位は、表中特に断りがない限り、質量%である。
【0051】
表1に示す組成を有する実施例及び比較例の錠剤を調製した。具体的には、表中の各成分を秤量し、秤量した成分を手攪拌にて混合した。得られた原料混合物を、直径250mmの金型を用いて打錠成型することにより、1錠当たり2.7gの義歯用洗浄用固形製剤を製造した。
【0052】
[1]殺菌効力評価試験
これらの錠剤について、殺菌効力の評価を行った。
【0053】
殺菌効力の評価は、具体的には以下のようにして行った。
【0054】
(対象菌)
カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)
【0055】
(菌培養に用いる培地)
GP寒天培地(グルコースペプトン寒天培地)にレシチン、ポリソルベート80を添加して使用した。
【0056】
(菌付着義歯の調製方法)
表1に示す実施例及び比較例の錠剤を水150mLに溶解した。その後、対象菌の菌液を試験検体に対して約10~10cfu/mLとなるように添加後よく混和した。その後、25℃で保存し、10時間後に試験液中の生菌数を測定した。
【0057】
作用後の菌の量を作用前の菌の量で除して算出し、菌の減少値とした。このように得られた菌の減少について、
生菌数が1/100以下に減少:◎
生菌数が1/10以下に1/100超:○
生菌数が1/10以下にまで減少しない:×
と評価した。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
評価試験の結果、実施例の組成物では、比較例の組成物と比較して、高い殺菌効果が示された。