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  • 特開-易剥離インモールド材 図1
  • 特開-易剥離インモールド材 図2
  • 特開-易剥離インモールド材 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080704
(43)【公開日】2024-06-14
(54)【発明の名称】易剥離インモールド材
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/04 20060101AFI20240607BHJP
【FI】
G09F3/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193861
(22)【出願日】2022-12-04
(71)【出願人】
【識別番号】000239563
【氏名又は名称】福島印刷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067688
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 公達
(72)【発明者】
【氏名】吉田 潤一
(72)【発明者】
【氏名】川越 陶道
(57)【要約】
【課題】特許文献1に開示されたものは「剥離層の面積」とあるように、本来ボトルと接着する面に対して剥離する素材を塗っている。従って、元々接着しない素材に対してこの行為は適用できない。
【解決手段】本発明に係る易剥離インモールド材(1)は、対象物(2)のシール面(3)に適合する形状を有する非ヒートシール性素材(4)の一面(5)にヒートシール接着剤(6)を、剥離用部(7)を除いて、塗布して成る。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物(2)のシール面(3)に被着されもので、非ヒートシール性素材(4)の一面(5)にヒートシール接着剤(6)を、剥離用部(7)を除いて、塗布して成ることを特徴とする易剥離インモールド材(1)。
【請求項2】
該対象物(2)は樹脂製容器(21)で、該シール面(3)は該樹脂製容器(21)の外壁面(22)となっており、該剥離用部(7)は該非ヒートシール性素材(4)の外縁(23)の隅角部(24)に形成されている請求項1に記載の易剥離インモールド材(1)。
【請求項3】
該非ヒートシール性素材(4)はPET系合成紙である請求項1又は2に記載の易剥離インモールド材(1)。
【請求項4】
該ヒートシール接着剤(6)は接着ニス(61)である請求項1に記載の易剥離インモールド材(1)。
【請求項5】
該接着ニス(61)は接着ニス版網点%により仕分けされている請求項4に記載の易剥離インモールド材(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は易剥離インモールド材にかかり、インモールドされた対象物の通常使用に際しては容易に剥がれることはなく、使用済みとなってリサイクルするときにはこの対象物から容易に剥がすことができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
容器と接着する面に剥離する素材を塗ったインモールドラベルは、例えば、特開2022-170009号公報で知られている。この公報によれば以下に示すような記載がみられる。
【0003】
段落「0044」:「このような剥離層は、例えばヒートシール層上に剥離剤を用いて印刷することにより、形成することができる。剥離層の面積割合が上記特定の範囲となるように、網点又は格子状等のパターンが印刷されてもよい。また、剥離層は、剥離剤を含む塗工液をヒートシール層上に塗工することによって、形成することもできる。塗工時には剥離層の面積割合が上記特定の範囲となるようにマスキングが行われてもよい。」
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-170009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたものは「剥離層の面積」とあるように、本来ボトルと接着する面に対して剥離する素材を塗っている。従って、元々接着しない素材に対してこの行為は適用できない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(請求項1)本発明かかる易剥離インモールド材は対象物のシール面に被着されるもので、非ヒートシール性素材の一面にヒートシール接着剤を、剥離用部を除いて、塗布して成ることを特徴とする。
【0007】
非ヒートシール性素材は、そのままでは対象物にヒートシールすることはできない。本発明では非ヒートシール性素材の一面にヒートシール接着剤を塗布することにより対象物にヒートシールできるようにした。そして、このヒートシール接着剤は剥離用部では除かれている。そのため、この剥離用部をつまんで対象物のシール面から引き剥がすとインモールド材を簡単に取り除くことができ、リサイクルしやすい。
【0008】
(請求項2)該対象物は樹脂製容器で、該シール面は該樹脂製容器の外壁面となっており、該剥離用部は該非ヒートシール性素材の外縁の隅角部に形成されていてもよい。
こうすると、易剥離インモールド材は樹脂製容器の外壁面に密着して通常の使用では剥がれることがなく、該剥離用部をつまんで引っ張れば簡単に取り除くことができる。
【0009】
(請求項3)該非ヒートシール性素材はPETフィルムであってもよい。
こうすると、裏刷りにすることが可能となり、ラミネートを行うことによりインキを保護できるという効果がある。
【0010】
(請求項4)該ヒートシール性接着剤は接着ニスであってもよい。
こうすると、対象物との十分な接着力が得られる。
【0011】
(請求項5)該接着ニスは接着ニス版網点%により仕分けされていてもよい。
こうすると、接着ニス版網点%を適宜設定することにより、易剥離インモールド材の望ましい剥離力を得られる。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかる易剥離インモールド材によれば、非ヒートシール性素材の一面にヒートシール接着剤を塗布することにより対象物にヒートシールでき、このヒートシール接着剤は剥離用部では除いたので、この剥離用部をつまんで対象物のシール面から引き剥がすとインモールド材を簡単に取り除くことができ、リサイクルしやすい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る易剥離インモールド材の具体例を示す展開図である。
図2図1のA-B線に沿った概念断面図である。
図3】対象物のシール面から易剥離インモールド材を一部引き剥がした状態の斜面図である。
【実施例0014】
(請求項1)図1及び図2で、本発明にかかる易剥離インモールド材1は、対象物2のシール面3に適合する形状を有する非ヒートシール性素材4の一面5にヒートシール接着剤6を、剥離用部7を除いて、塗布して成る。
非ヒートシール性素材4は、そのままでは対象物2にヒートシールすることはできないので、非ヒートシール性素材4の一面5にヒートシール接着剤6を塗布してできるようにした。そして、このヒートシール接着剤6は剥離用部7には塗布していないので、易剥離インモールド材1は剥離用部7が対象物2のシール面3と接着しておらず、この剥離用部7をつまんで容易にシール面3から引き剥がすことができる。
符号8は文字、絵柄等のインキ、9はOPニスである。
【0015】
(請求項2)対象物2は樹脂製容器21で、シール面3はこの樹脂製容器の外壁面22となっており、剥離用部7は非ヒートシール性素材4の外縁23の隅角部24に形成されている。
この場合、易剥離インモールド材1は樹脂製容器21の外壁面22に密着して通常の使用では剥がれることがなく、剥離用部7をつまんで引っ張れば簡単に取り除くことができる。
【0016】
(請求項3)非ヒートシール性素材4はPETフィルムであってもよい。
この場合、裏刷りにすることが可能となり、ラミネートを行うことによりインキを保護できるという効果がある。
【0017】
(請求項4)ヒートシール接着剤6は接着ニス61であってもよい。
この場合、対象物2との十分な接着力が得られる。
【0018】
(請求項5)接着ニス61は接着ニス版網点%により仕分けされていてもよい。
この場合、接着ニス61の版網点%を適宜設定することにより、易剥離インモールド材1の望ましい剥離力を得られる。
【0019】
なお、接着ニス版網点%を変えたサンプル6種の易剥離インジェクション剥離強度測定結果の実験例は以下の通りであった。
サンプル名 接着ニス版網点(%) 剥離強度(N)
1 100 17.8
2 80 17.2
3 70 15.8
4 60 14.7
5 50 14.3
6 40 9.3
【0020】
なお、図1で符号Lにより4輪郭の一部が示された範囲は有効画面範囲である。
【符号の説明】
【0021】
1 易剥離インモールド材
2 対象物
3 シール面
4 非ヒートシール性素材
5 一面
6 ヒートシール接着剤
7 剥離用部
8 インキ
9 OPニス
21 樹脂製容器
22 外壁面
23 外縁
24 隅角部
61 接着ニス
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-12-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
なお、接着ニス版網点%を変えたサンプル6種の易剥離インジェクション剥離強度測定結果の実験例は以下の表1に示す通りであった。
【表1】