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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080705
(43)【公開日】2024-06-14
(54)【発明の名称】エレベータ
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/14 20060101AFI20240607BHJP
   B66B 1/46 20060101ALI20240607BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20240607BHJP
【FI】
B66B1/14 L
B66B1/46 A
B66B3/00 P
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193863
(22)【出願日】2022-12-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100191189
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100199761
【弁理士】
【氏名又は名称】福屋 好泰
(74)【代理人】
【識別番号】100182121
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 紘子
(72)【発明者】
【氏名】濱口 萌子
(72)【発明者】
【氏名】谷口 友宏
(72)【発明者】
【氏名】金子 元樹
(72)【発明者】
【氏名】物部 愛
【テーマコード(参考)】
3F303
3F502
【Fターム(参考)】
3F303CB24
3F502HB02
3F502JA04
3F502JA12
3F502KA01
3F502MA01
3F502MA02
3F502MA15
(57)【要約】
【課題】利用者の利便性を確保しつつ利用者の意図しない乗りかごに関する非接触操作が受け付けられてしまうのを抑制できるエレベータを提供する。
【解決手段】エレベータ10(図1参照)は、乗りかご20(図1参照)の行先階を決定する操作を非接触で行うセンサ部P,Qを有し、センサ部P,Qの周辺領域における物体の有無を検知する物体検知センサ36と、センサ部P,Qを介して行われる操作に基づいて乗りかご20の運転を制御する制御装置15(図1参照)とを備え、制御装置15は、物体検知センサ36が物体を検知している場合にはセンサ部P,Qを介して行われる操作を受け付けないように構成される。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータ用乗りかごに関する操作を非接触で操作可能に構成された非接触式操作部を有するエレベータであって、
前記非接触式操作部の周辺領域における物体の有無を検知する物体検知部と、
前記非接触式操作部を介して行われる前記操作に基づいて前記乗りかごの運転を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記物体検知部が物体を検知している場合には前記非接触式操作部を介して行われる前記操作を受け付けないように構成される、
エレベータ。
【請求項2】
エレベータ用乗りかごに関する操作を非接触で操作可能に構成された非接触式操作部を複数有するエレベータであって、
前記非接触式操作部の周辺領域における物体の有無を検知する物体検知部と、
複数の前記非接触式操作部を介して行われる前記操作に基づいて前記乗りかごの運転を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記物体検知部が物体を検知している場合には複数の前記非接触式操作部を介して行われる前記操作の受け付けを制限するように構成される、
エレベータ。
【請求項3】
前記制御部は、前記操作の受け付けを制限しているときは複数の前記非接触式操作部のうちいずれか1つを介して前記操作が行われても前記操作を受け付けないように設定される、
請求項2に記載のエレベータ。
【請求項4】
前記制御部は、前記操作の受け付けを制限しているときに前記非接触式操作部を介して前記操作が予め設定された回数行われることにより前記操作の受け付けの制限を解除するように設定される、
請求項2または3に記載のエレベータ。
【請求項5】
前記物体検知部が物体を検知していることを報知するための報知部を備え、
前記制御部は、前記物体検知部による物体の検知が所定時間以上継続した場合に前記報知部に報知を実行させる、
請求項1または2に記載のエレベータ。
【請求項6】
前記制御部は、前記物体検知部が物体を検知している状態から前記物体検知部が物体を検知していない状態に変化しても予め設定された受付不可時間が経過するまでは前記非接触式操作部を介して行われる前記操作を受け付けない、
請求項1に記載のエレベータ。
【請求項7】
前記制御部は、前記物体検知部が物体を検知している状態から前記物体検知部が物体を検知していない状態に変化しても予め設定された受付制限時間が経過するまでは前記非接触式操作部を介して行われる前記操作の受け付けを制限する、
請求項2に記載のエレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータに関し、特に、エレベータの非接触式操作に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータのかご内や乗場には、かご操作盤や乗場操作盤が設置される。かご操作盤や乗場操作盤には、行先階の数字などを表示した行先階釦や上下釦が設けられている。乗客は、例えば、行先階釦を操作することで、昇降路を移動するかごの行先階を登録する。この行先階釦には、押し釦やタッチパネルのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)といった接触式のものが広く採用されている。
【0003】
また、近年では、公共施設等に設置されるエレベータにおいて、衛生面への配慮から、かごの行先階登録の操作を非接触で行うことが可能な非接触式のかご操作盤も導入されつつある。この種のかご操作盤では、乗客による行先階登録の操作を、距離センサや光電センサによって非接触で検出することとしている。
【0004】
ところで、非接触でかごの行先階の登録操作を行う場合には、例えば、乗客の荷物などがセンサの検知エリアを偶発的に遮ることによって検知され、行先階が過誤登録されてしまうという問題がある。
【0005】
特許文献1には、行先階を決定する非接触式のセンサが操作を検出したときに、同センサの隣接位置に配置された他の行先階を決定する非接触式センサも同時に操作を検出している場合には行先階登録を受け付けないものとすることで乗客が意図していない検知による過誤登録を防ぐようにしたエレベータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-142686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載のエレベータの構成では、互いに隣接する非接触式センサが同時に操作を検知した場合に行先階の登録を行うことができないこととなる。従って、上記検知が異なる乗客によって各々行われたものである場合などには、それぞれ乗客の意図に基づいた操作であるにも拘わらず乗客の意図に反して操作が受け付けられないという状況が発生し得る。このため、利用者の利便性を確保するという点で問題がある。
【0008】
本発明は、利用者の利便性を確保しつつ利用者の意図しない乗りかごに関する非接触操作が受け付けられてしまうのを抑制できるエレベータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係るエレベータは、エレベータ用乗りかごに関する操作を非接触で操作可能に構成された非接触式操作部を有するエレベータであって、非接触式操作部の周辺領域における物体の有無を検知する物体検知部と、非接触式操作部を介して行われる操作に基づいて乗りかごの運転を制御する制御部と、を備え、制御部は、物体検知部が物体を検知している場合には非接触式操作部を介して行われる操作を受け付けないように構成するものである。
【0010】
本発明の別態様に係るエレベータは、エレベータ用乗りかごに関する操作を非接触で操作可能に構成された非接触式操作部を複数有するエレベータであって、非接触式操作部の周辺領域における物体の有無を検知する物体検知部と、複数の非接触式操作部を介して行われる操作に基づいて乗りかごの運転を制御する制御部と、を備え、制御部は、物体検知部が物体を検知している場合には複数の非接触式操作部を介して行われる操作の受け付けを制限するように構成されるものである。
【0011】
本発明の別態様に係るエレベータにおいて、制御部は、操作の受け付けを制限しているときは複数の非接触式操作部のうちいずれか1つを介して操作が行われても操作を受け付けないように設定してもよい。
【0012】
本発明の別態様に係るエレベータにおいて、制御部は、操作の受け付けを制限しているときに非接触式操作部を介して操作が予め設定された回数行われることにより操作の受け付けの制限を解除するように設定してもよい。
【0013】
本発明の一態様および別態様に係るエレベータにおいて、物体検知部が物体を検知していることを報知するための報知部を備え、制御部は、物体検知部による物体の検知が所定時間以上継続した場合に報知部に報知を実行させてもよい。
【0014】
本発明の一態様に係るエレベータにおいて、制御部は、物体検知部が物体を検知している状態から物体検知部が物体を検知していない状態に変化しても予め設定された受付不可時間が経過するまでは非接触式操作部を介して行われる操作を受け付けないものとしてもよい。
【0015】
本発明の別態様に係るエレベータにおいて、制御部は、物体検知部が物体を検知している状態から物体検知部が物体を検知していない状態に変化しても予め設定された受付制限時間が経過するまでは非接触式操作部を介して行われる操作の受け付けを制限してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様に係るエレベータによれば、非接触式操作部の周辺領域に物体が近接している場合にのみ非接触式操作部を介した操作を受け付けないようにできる。これにより、利用者の利便性を確保しつつ利用者の意図しない乗りかごに関する操作が受け付けられてしまうことを抑制できる。
【0017】
本発明の別態様に係るエレベータによれば、非接触式操作部の周辺領域に物体が近接している場合にのみ非接触式操作部を介した操作の受け付けを制限できる。この結果、利用者の利便性を確保しつつ利用者の意図しない乗りかごに関する操作が受け付けられてしまうことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態に係るエレベータの全体構成図である。
図2図1に含まれる乗りかご内に設置された一般利用者用操作盤および延長機能付き操作盤の配置構成を示す図である。
図3図3(a)は図2に含まれる一般利用者用操作盤の全体構成を示す図であり、図3(b)は図3(a)に示すA-A線で切断したときの断面構成を模式的に示す図である。
図4図4(a)は図2に含まれる延長機能付き操作盤の全体構成を示す図であり、図4(b)は図4(a)に示すB-B線で切断したときの断面構成を模式的に示す図である。
図5】一般利用者用操作盤および延長機能付き操作盤のいずれかにおいて非接触操作が行われた場合における同操作の受付処理の流れを示すフローチャートである。
図6図6(a)は本発明の第2実施形態に係る一般利用者用操作盤の全体構成を示す図であり、図6(b)は図6(a)に示すC-C線で切断したときの断面構成を模式的に示す図である。
図7図6に示す一般利用者用操作盤において非接触操作が行われた場合における同操作の受付処理の流れを示すフローチャートである。
図8図3に示す一般利用者用操作盤の変形例である第1変形例を示す図である。
図9図4に示す延長機能付き操作盤の変形例である第2変形例を示す図である。
図10図3に示す一般利用者用操作盤の変形例である第3変形例を示す図である。
図11図3に示す一般利用者用操作盤の変形例である第4変形例を示す図である。
図12図4に示す延長機能付き操作盤の変形例である第5変形例を示す図である。
図13図1に示す乗場操作盤の変形例である第6変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の第1実施形態であるエレベータ10について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において、図中に示す「X」は駆動シーブ16Aの軸方向と直交する方向と略平行をなす水平方向Xを示し、「Y」は略鉛直方向である上下方向「Y」を示し、「Z」は駆動シーブ16Aの軸方向と略平行をなす水平方向Zを示すものとする。
【0020】
図1に示すように、エレベータ10は、昇降路12の最上部に機械室14を有するトラクション式エレベータであって、例えば、病院や介護施設など公共の建物に設置される。エレベータ10は、機械室14に設置された巻上機16の駆動シーブ16A及びそらせ車16Bに架け渡された主ロープ19の両端に各々吊り下げられた乗りかご20およびカウンターウェイトWを備える。
【0021】
そして、機械室14には、エレベータ10の運転を統括的に制御する制御装置15も備えられている。制御装置15は、乗りかご20内に設置されている一般利用者用操作盤30(後段にて詳述)や延長機能付き操作盤50(後段にて詳述)、各階の乗場26A,26B,26C,…(以下、特に区別する必要がない場合には乗場「26」と適宜表記)に設置されている乗場操作盤17A,17B,17C,…(以下、特に区別する必要が無い場合は乗場操作盤「17」と適宜表記)を介して行われる行先階の登録操作等に基づいて巻上機16の駆動を制御し乗りかご20を昇降させる。
【0022】
巻上機16のモータ(不図示)からの回転動力が、動力伝達機構(不図示)を介して駆動シーブ16Aに伝達され、駆動シーブ16Aが回転駆動されるとこれに伴って主ロープ19が走行し、主ロープ19に吊り下げられた乗りかご20が、ガイドレール(不図示)に案内されて昇降路12を上下方向Yに沿って移動する。
【0023】
エレベータ10が設置された建物には、異なる階毎に乗場26が設けられており、エレベータ10の運転中、乗りかご20は、現在、着床している階の乗場(図1では、乗場26C)から、次の行先階の乗場(例えば、乗場26A)までの昇降移動を繰り返す。
【0024】
図2は、乗りかご20のかご内の様子を示す図である。図2に示すように、乗りかご20は左右両開き式のかご扉22A,22Bが正面側の乗降口22に設置されている。かご扉22A,22Bは、制御装置15を介して開閉動作が制御される。また、かご扉22A,22Bに隣接する袖壁20-1には、一般利用者用操作盤30が設置されている。乗りかご20の側壁20-2には、延長機能付き操作盤50が設置される。
【0025】
この延長機能付き操作盤50は、車椅子利用者や、視覚障害者など一般利用者よりも乗降に時間を要する利用者が使用することを想定して設置されている操作盤である。このため、延長機能付き操作盤50は、車椅子利用者が操作を行いやすいよう、やや低い位置に、横長となるように設けられている。延長機能付き操作盤50は、同操作盤50を介して行先階登録の操作が制御装置15に受け付けられると同行先階において、例えば、かご扉22A,22Bの戸閉速度が低速となる、或いは、かご扉22A,22Bが戸開し始めてから完全に戸閉するまでの時間、換言すると戸開時間が延長されるように設定される。
【0026】
図3(a)は、一般利用者用操作盤30の全体構成を示す図である。図3(a)に示すように、一般利用者用操作盤30は、前面中央部に、乗りかご20の行先階を決定する入力操作を行う機能を有する押釦31A,31B,31C,…(以下、特に区別する必要が無い場合は押釦「31」と表記)と、押釦32A,32B,32C,…(以下、特に区別する必要が無い場合は押釦「32」と表記)が上下方向Yに沿って各々配置されている。
【0027】
本実施形態では、押釦31,32は1階から8階を各々行先階とする押釦であり、左側の列に配置されている各押釦31が奇数階に対応するとともに右側の列に配置されている各押釦32が偶数階に対応するように配置される。また、各押釦31,32は、下側から上側に向かって下階から上階の乗場26に各々対応する押釦31,32が順番に並ぶように配置されている。ここで、以下に説明において、各押釦31,32の構成は同一であるため主に押釦32Aを例に挙げて適宜説明を行うこととし、押釦32A以外の他の押釦31,32については適宜説明を省略する。
【0028】
押釦32Aには、正面側に行先階を示す数字の形をした透光部33が設けられている。この透光部33は、透光性のある樹脂部材で形成されており、押釦32内部に設けられた後述するLED(Light Emitting Diode)が点灯することによって透光部33が発光可能に構成される。なお、図3の一部に示す部分拡大図では、押釦32Aの透光部33が発光している状態を示すため透光部33にハッチングを付して示している。
【0029】
また、各押釦32の下部には同一の構成を各々具備するセンサ部Q1,Q2,Q3,…(以下、特に区別する必要がない場合にはセンサ部「Q」と適宜表記)が設けられている。このセンサ部Qは、押釦32を押すことにより行う行先階の入力操作と同様の操作を利用者が押釦32に触れることなく非接触で行うための非接触式の操作部である。センサ部Qは、反射型光電センサを含み同光電センサが照射した照射光が物体に遮られたときに生じる反射光を受光することにより物体の有無を検出する機能を有する。各押釦31の下部にも、上述したセンサ部Qと同一の構成を各々具備するセンサ部P1,P2,P3,…(以下、特に区別する必要が無い場合にはセンサ部「P」と適宜表記)が各々設けられている。
【0030】
上述した透光部33は、後述する制御装置15によって行先階登録が受け付けられた場合に点灯することにより同階が行先階として受け付けられていることを報知する役割を有する。
【0031】
これにより、押釦32Aを押すことにより、或いは、押釦32Aのセンサ部Q1を介して非接触操作を乗客が行った際、行先階の登録が受け付けられているか否かを利用者が目視確認することができる。本実施形態では、接触式操作入力部として押釦32を用いる例を挙げているが、例えば、タッチセンサなどを用いてもよい。
【0032】
押釦32の左側に隣接する位置には、押釦32のセンサ部Qの誤検知、すなわち、乗客の意図しない偶発的な物体検知による過誤操作を抑制するために物体検知センサ36A,36B,36C,…(以下、特に区別する必要が無い場合には物体検知センサ「36」と適宜表記)が各押釦32に対応して設けられている。この物体検知センサ(物体検知部)36は、上述したセンサ部Qと同様に反射型光電センサを含み、隣接する押釦32の周辺領域における物体の有無を検知する機能を有する。
【0033】
これにより、例えば、押釦32に近接する位置に、乗客の身体や衣服、或いは、手荷物などの物体が近接し、同物体を押釦32のセンサ部Qが検知することによって乗客の意図しない操作が制御装置15に受け付けられてしまうのを抑制する役割を有する。また、押釦31の右側に隣接する位置には、上述した物体検知センサ36と同一の機能および構成を備える物体検知センサ35A,35B,35C,…(以下、特に区別する必要が無い場合には物体検知センサ「35」と適宜表記)が各々設けられている。物体検知センサ35は、物体検知部に相当する。
【0034】
ここで、図3(b)は、同図(a)に示すA-A線で切断したときの断面構成を模式的に示す図である。図3(b)において、ハッチングを付して物体検知センサ36の検知領域H2および押釦32のセンサ部Qの検知領域H1を示している。本実施形態では、図3(b)に示すように物体検知センサ36の検知領域H2における水平方向Xの最大検知距離は、対応する押釦32のセンサ部Qの検知領域H1における水平方向Xの最大検知距離よりも長くなるように設定されている。このように、物体検知センサ36の検知領域H2は、押釦32のセンサ部Qの検知領域H1よりも一般利用者用操作盤30から離れた位置に存在する物体を検知できるように設定することが好ましい。
【0035】
また、本実施形態の一般利用者用操作盤30では、押釦32および物体検知センサ36双方の前面(表面)の位置が同操作盤30の表面とほぼ同一平面を構成するように配置される例を挙げて説明しているが、操作盤のデザイン等によっては、例えば、操作盤の表面に窪みが設けられており同窪み内に押釦32が配置され、物体検知センサ36が窪みの外側の操作盤表面に配置されることで押釦32の前面および物体検知センサ36の前面の水平方向Xにおける位置が異なる場合も考えられる。このような場合においても物体検知センサ36の検知領域H2の方が押釦32のセンサ部Qの検知領域H1よりも操作盤の表面から離れた位置に存在する物体を検知可能となるように各々の検知領域を設定すればよい。
【0036】
本実施形態では、上述したように押釦32のセンサ部Qの検知領域H1よりも物体検知センサ36の検知領域H2の方が一般利用者用操作盤30から離れた位置に存在する物体を検知できるように設定する例を挙げて説明している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、一般利用者用操作盤30の設置環境などに応じて物体検知センサ36の検知領域H2を押釦32におけるセンサ部Qの検知領域H1と同じ距離だけ一般利用者用操作盤30の表面から離れた位置に存在する物体を検知できるように設定してもよい。
【0037】
また、図3(a)に示すように、一般利用者用操作盤30には、上述した各押釦31,32の直上方に乗りかご20の現在位置や昇降状態について表示する表示部40が設けられている。また、表示部40と押釦31,32との間には故障時などに外部の管理センターなどに連絡するための非常通報釦EM1が設けられている。そして、図3(a)に破線で示すように、一般利用者用操作盤30には、各種音声案内を行うためのスピーカ(報知部)SP1も内蔵されている。一方、各押釦31,32の下部には、かご扉22A,22Bの開閉操作を行う戸開釦42と戸閉釦44が並設されている。
【0038】
図4(a)は、延長機能付き操作盤50の全体構成を示す図である。図4(a)に示すように、中央部に上述した押釦32と同一の機能および構成を備える押釦52A,52B,52C,…(以下、特に区別する必要が無い場合は適宜、押釦「52」と表記)が水平方向Xに沿って設けられている。
【0039】
本実施形態では、各押釦52は、左側から右側に向かって1階から8階の乗場を行先階とする押釦が順に並んでいる。各押釦52の下部には、センサ部Qと同一の構成を具備するセンサ部53A,53B,53C,…(以下、特に区別する必要が無い場合は適宜、センサ部「53」と表記)が設けられている。各押釦52の上方には表示部40と同一の構成を備える表示部54が設けられ、各押釦52の下部には上述した非常通報釦EM1と同一の機能および構成を備える非常通報ボタンEM2と、かご扉22A,22B(図2参照)の開閉操作を行う開釦56および閉釦58とが配置されている。
【0040】
また、各押釦52の直上方には、上述した物体検知センサ36(図3(a)参照)と同一の機能および構成を備える物体検知センサ62A,62B,62C,…(以下、特に区別する必要が無い場合には適宜、物体検知センサ「62」と表記)が各々設けられている。
【0041】
ここで、図4(b)は、同図(a)に示すB-B線で切断したときの断面構成を模式的に示す図である。図4(b)において、ハッチングを付して物体検知センサ62の検知領域H4および押釦52におけるセンサ部(非接触式操作部)53の検知領域H3を示している。
【0042】
本実施形態の延長機能付き操作盤50は、比較的低い位置に設置されている。このため、例えば、傘や松葉杖などの乗客の携行品が延長機能付き操作盤50周囲の側壁20-2(図2参照)に立て掛けたり、或いは、荷物などが同操作盤50に近接して置かれている場合などに、これらの物体を押釦52のセンサ部53が検知することで乗客が意図しない操作が制御装置15に受け付けられるといったことが発生し得る。
【0043】
そこで、本実施形態では、図4(a)に示すように各物体検知センサ62を押釦52の直上方に配置することとし、押釦52の直上方領域における物体の有無を検知するようにしている。また、図4(b)に示すように、物体検知センサ62の検知領域H4は押釦52におけるセンサ部53の検知領域H3よりも水平方向Zにおける最大検知距離が長くなるように設定されている。このため、物体検知センサ62の方が押釦52のセンサ部53よりも延長機能付き操作盤50から離れた位置で物体を検知することができる。
【0044】
上記構成により、物体検知センサ62を介して押釦52の直上方の周辺領域に近接する物体が存在している場合には対応するセンサ部53を介した操作を制御装置15が受け付けてしまうのを抑制できるようにしている。
【0045】
本実施形態の延長機能付き操作盤50では、押釦52および物体検知センサ62双方の前面(表面)の位置が延長機能付き操作盤50の表面とほぼ同一平面を構成するように配置される例を挙げて説明している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。操作盤のデザイン等によっては、例えば、延長機能付き操作盤の表面に溝や窪みなどの凹部が設けられており同凹部内に押釦52が配置され、凹部外側の操作盤の表面に物体検知センサ62が配置されることで水平方向Zにおける双方の前面の位置が異なる場合も考えられる。このような場合においても、押釦52におけるセンサ部53の検知領域H3よりも物体検知センサ62の検知領域H4の方が同延長機能付き操作盤の表面から離れた位置に存在する物体を検知できるように各々の検知領域H3,H4を設定すればよい。
【0046】
また、本実施形態では、押釦52におけるセンサ部53よりも物体検知センサ62の方が延長機能付き操作盤50の表面から離れた位置に存在する物体を検知できるように各々の検知領域H3,H4が設定されている。
【0047】
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、延長機能付き操作盤50の設置環境などに応じて物体検知センサ62の検知領域H4を押釦52におけるセンサ部53の検知領域H3と同等の距離だけ延長機能付き操作盤50の表面から離れた位置に存在する物体を検知できるように設定してもよい。
【0048】
図5は、上述した一般利用者用操作盤30のセンサ部P,Qおよび延長機能付き操作盤50のセンサ部53を介した非接触操作がなされたときの制御装置15における受付処理の流れを示すフローチャートである。ここで、一般利用者用操作盤30のセンサ部P,Qおよび延長機能付き操作盤50のセンサ部53のいずれから非接触操作を行っても受付処理の流れは同一であるため、一般利用者用操作盤30の押釦32Aに設けられたセンサ部Q1を介して非接触操作が行われた場合を例に挙げて制御装置15における受付処理の流れについて説明を行う。
【0049】
図5に示すように、制御装置15は、押釦32Aに内蔵されているセンサ部Q1を介して非接触操作を検知した場合には(ステップS1:YES)、物体検知センサ36Aが物体を同時に検知しているか否かを判断する(ステップS2)。ステップS2において物体検知センサ36Aが物体を検知していない場合には、制御装置15は非接触操作を検知した行先階の乗場26が登録受付可能な行先階の乗場26であるか否かを判断する(ステップS3)。ここで、登録受付可能な行先階の乗場26には、例えば、乗りかご20の停止(着床)が禁止されている行先階の乗場26、乗りかご20が既に到着し停止(着床)している行先階の乗場26、或いは、既に行先階登録の受け付けがなされている行先階の乗場26などに該当しない行先階の乗場26が含まれる。
【0050】
図5に示すように、制御装置15はステップS3で登録受付可能な行先階の乗場26であると判断した場合には、センサ部Q1を介した非接触操作の検知時間が予め設定された時間継続していることを条件に(ステップS4:YES)、行先階の登録を受け付ける(ステップS5)。
【0051】
また、制御装置15は、ステップS2において、物体検知センサ36Aが物体を検知している場合にはセンサ部Q1を介した非接触操作を受け付けることなくステップS6の処理に進む。そして、ステップS6において、制御装置15は、物体検知センサ36Aによる物体検知の継続時間が所定時間以上であるか否かを判断する。ステップS6において、制御装置15は、物体検知センサ36Aによる検知の継続時間が所定時間以上であると判断した場合にはスピーカSP1(図3参照)を介して「操作の妨げになりますので一般利用者操作盤から荷物を離してください」などのアナウンスを放送して一連の処理を終了する(ステップS7)。
【0052】
なお、上述したステップS7の処理において、一般利用者用操作盤30の物体検知センサ36ではなく延長機能付き操作盤50の物体検知センサ62による検知の継続時間が所定時間以上となっている場合には制御装置15は一般利用者用操作盤30のスピーカSP1(図3参照)を介して「操作の妨げになりますので延長機能付き操作盤から荷物を離してください」などのアナウンスを放送するように設定される。
【0053】
これにより、一般利用者用操作盤30や延長機能付き操作盤50に荷物などの物体が近接していることを乗客に知らせ、乗客が荷物を別の場所に移動するように促すことができる。
【0054】
なお、延長機能付き操作盤50の物体検知センサ62による検知の継続時間が所定時間以上となっている場合において、一般利用者用操作盤30のスピーカSP1を介して上記アナウンスを行う代わりに、制御装置15は、延長機能付き操作盤50に設けられたスピーカを介して上記アナウンスを実行するものとしてもよい。
【0055】
上記実施形態では、ステップS7の処理において、制御装置15はスピーカSP1を介してアナウンスを放送する例を挙げているが、例えば、表示部40にアナウンスと同じ趣旨のメッセージを表示するようにしてもよい。また、ステップS7の処理において、制御装置15はスピーカSP1を介してアナウンスを放送する代わりに警告音などを放送するようにしてもよい。
【0056】
第1実施形態のエレベータによれば、押釦31,32,52の周辺領域に荷物や乗客の身体などの物体が近接している場合にのみ押釦31,32,52のセンサ部P,Q,53を介した非接触操作を制御装置15が受け付けないようにできる。この結果、利用者(乗客)の利便性を確保しつつ利用者の意図しない乗りかご20に関する操作が受け付けられてしまうことを抑制できる。
【0057】
続いて、本発明の第2実施形態であるエレベータ100について、図6および図7を用いて説明を行う。以下の説明において、上述した第1実施形態におけるエレベータ10と同一の構成部分については適宜同一の符号を付して示しつつ適宜説明を省略するとともに構成の異なる部分について主に説明を行うこととする。
【0058】
図6(a)は第2実施形態に係る一般利用者用操作盤110の全体構成を示す図であり、図6(b)は同図(a)に示すC-C線で切断したときの断面構成を模式的に示す図である。同図(b)において、ハッチングを付して物体検知センサ112の検知領域H5を示している。図7は、第2実施形態において、非接触操作が行われた場合の制御装置15における受付処理の流れを示すフローチャートである。
【0059】
図6(a)に示すように、第2実施形態におけるエレベータ100は、上述した一般利用者用操作盤30に代えて一般利用者用操作盤110を備える点を除き、上述したエレベータ10と同一の構成を備える。
【0060】
この一般利用者用操作盤110は、上述した物体検知センサ35,36に代えて物体検知センサ112を備える点を除き第1実施形態における一般利用者用操作盤30と同一の機能および構成を備える。物体検知センサ112は、例えば、多数の光電センサを上下方向に縦一列に配置することによって構成され正面視縦長長方形状の外観を有し、各押釦31,32の間に配置されている。
【0061】
図6(b)に示すように、物体検知センサ112の検知領域H5は、側面視において、略縦長長方形状に設定される。また、上記検知領域H5は、水平方向Xにおける最大検知距離が上述した物体検知センサ35,36と同様に押釦32におけるセンサ部Qの検知領域H1(図3(b)参照)の水平方向Xにおける最大検知距離よりも長くなるように設定される。これにより、物体検知センサ112の方が押釦32のセンサ部Qよりも一般利用者用操作盤110から離れた位置の物体を検知することができる。また、或いは、上記検知領域H5の水平方向Xにおける最大検知距離を、上記検知領域H1(図3(b)参照)の水平方向Xにおける最大検知距離と同等の距離としてもよい。
【0062】
上記構成により、押釦31,32周辺における物体の有無を検知することができる。そして、制御装置15は、物体検知センサ112を介して物体が検知されている場合には押釦31,32のセンサ部P,Qを介した非接触操作を制限するように設定されている。
【0063】
図7は、上述した一般利用者用操作盤110のセンサ部P,Qを介した非接触操作がなされたときの制御装置15における受付処理の流れを示すフローチャートである。
【0064】
図7に示すように、制御装置15は、物体検知センサ112を介して押釦31,32の周囲に物体が近接していないかどうかを常時監視している(ステップS11)。そして、物体検知センサ112が物体を検知していない場合には(ステップS11:NO)、カウント数Nを0にリセットし(ステップS12)、押釦31,32のセンサ部P,Qを介して非接触操作を検知していない場合には処理を終了する(ステップS13:NO)。一方、押釦31,32のセンサ部P,Qを介して非接触操作を検知している場合には(ステップS13:YES)、センサ部P,Qの対応する行先階の乗場26が登録受付の可能な階であるか否かを判断する(ステップS14)。制御装置15は、登録受付可能な行先階の乗場26である場合には(ステップS14:YES)、ステップS13で検知された非接触操作の検知時間が予め設定された時間以上継続していることを条件に(ステップS15:YES)、同非接触操作による登録を受け付ける(ステップS16)。
【0065】
図7に示すように、ステップS11において、制御装置15は物体検知センサ112を介して押釦31,32の周囲で物体が検知されている場合には(ステップS11:YES)、押釦31,32におけるセンサ部P,Qのいずれか1つを介して非接触操作を検知すると(ステップS17:YES)、センサ部P,Qの対応する行先階の乗場26が登録受付可能な乗場26であるか否かを判断する(ステップS18)。そして、制御装置15は、登録受付可能な行先階の乗場26である場合には(ステップS18:YES)、カウント数Nに1を加算する(ステップS19)。そして、制御装置15は、カウント数Nが1である場合には(ステップS20:NO)、センサ部P,Qを介した非接触操作を受け付けることなくステップS23の処理へ遷移する。
【0066】
このように、物体検知センサ112を介して物体が検知されている状態でセンサ部P,Qを介して行われた最初(1回目)の非接触操作の受け付けが制限される。これにより、乗客の意図しない過誤検知による非接触操作が制御装置15に受け付けられるのを抑制できる。
【0067】
一方、図7に示すように、制御装置15はカウント数Nが2以上である場合、すなわち、センサ部P,Qを介して複数回の非接触操作が行われた場合には(ステップS20:YES)、センサ部P,Qを介した非接触操作の検知時間が予め設定された時間以上継続しているか否かを判断する(ステップS21)。そして、制御装置15は、非接触操作の検知時間が予め設定された時間以上継続している場合には行先階登録を受け付ける(ステップS21:YES,ステップS22)。
【0068】
このように、物体検知センサ112が物体を検知している状態であっても2回目以降のセンサ部P,Qを介した非接触操作については行先階登録の受け付けが可能となるように設定されている。このため、荷物などが押釦31,32に近接した状態でもセンサ部P,Qを介した非接触操作を複数回繰り返し行うことにより行先階登録の受け付け制限を解除して同登録を制御装置15に受け付けさせることができる。
【0069】
制御装置15は、上述したステップS17において非接触操作を検知しているか否かに関わらず物体検知センサ112による物体の検知時間が所定時間以上である場合には(ステップS23:YES)、スピーカSP1を介して「操作の妨げになりますので一般利用者用操作盤から荷物を離してください」などのアナウンスを放送して一連の処理を終了する。これにより、一般利用者用操作盤30や延長機能付き操作盤50に荷物などが近接していることを乗客に知らせ、乗客が荷物を別の場所に移動するように促すことができる。
【0070】
上記第2実施形態では、ステップS20~ステップS22の処理において、制御装置15はカウント数Nが2以上である場合に非接触操作による行先階登録の受け付けを可能とする場合を例に挙げているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ステップS20の処理において、制御装置15はカウント数Nが3或いは3よりも大きい数である場合にステップS21の処理に進むものとし、ステップS21の処理において非接触操作の検知時間が予め設定された時間以上継続している場合にはステップS22の処理へ進み行先階登録を受け付けるものとしてもよい。
【0071】
上記第2実施形態では、ステップS19の処理において、センサ部P,Qのいずれから非接触操作が行われてもカウント数Nに1を加算する例を挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ステップS17の処理において1回目の非接触操作をセンサ部P,Qのうちいずれか1つを介して検知した後に1回目と同じセンサ部を介して再度非接触操作を検知した場合のみ2回目の検知とみなしてステップS19の処理においてカウント数Nに1を加算するものとしてもよい。
【0072】
より具体的には、例えば、ステップS19の処理において1回目にセンサ部Q1を介して非接触操作を検知してカウント数Nに1を加算している場合には同じセンサ部Q1を介して再度非接触操作を検知した場合のみカウント数Nに1を加算するものしてもよい。
【0073】
また、或いは、センサ部P,Qのうち上記1回目に検知したセンサ部と異なるセンサ部が非接触操作を検知した場合のみ2回目の検知とみなしてカウント数Nに1を加算するものとしてもよい。すなわち、上記1回目にセンサ部Q1が非接触操作を検知している場合には、センサ部Q1以外のセンサ部P,Qを介して非接触操作を検知している場合のみ2回目の検知とみなすものとしてもよい。
【0074】
第2実施形態のエレベータ100によれば、押釦31,32の周辺領域に荷物や乗客の身体が近接している場合にのみセンサ部P,Qを介した非接触操作を制御装置15が受け付けないように制限できる。この結果、利用者(乗客)の利便性を確保しつつ利用者の意図しない乗りかご20に関する操作が受け付けられてしまうことを抑制できる。
【0075】
続いて、上述した第1実施形態および第2実施形態における第1変形例~第6変形例の構成について図8図13を用いて説明を行う。以下の説明において、上記第1実施形態または上記第2実施形態と同一の構成部分については適宜同一の符号を付して示すとともに説明を省略し、構成の異なる部分について主に説明を行う者とする。
【0076】
図8は、第1変形例に係る一般利用者用操作盤120の構成を示す図である。一般利用者用操作盤120は、上述した第1実施形態に係る一般利用者用操作盤30の変形例であり、同操作盤30とほぼ同一の構成を具備する。
【0077】
図8に示すように、一般利用者用操作盤120は、戸開釦42に代えてセンサ一体型戸開釦122を備えている。センサ一体型戸開釦122は、センサ部Qと同様の構成を備えるセンサ部(非接触式操作部)124が下部に内蔵されており、非接触操作によって戸開操作を行うことができるように構成され、非接触操作によって戸開操作も操作可能に構成される。
【0078】
また、一般利用者用操作盤120は、各押釦31,32のうち最下部に配置された押釦31A,32Aの直下方と、センサ一体型戸開釦122の直下方にのみ物体検知センサ126,127,128が各々配置されている点で上記実施形態の一般利用者用操作盤30と構成が相違している。
【0079】
この構成では、各センサ部P,Q,124のうち比較的低い位置に配置されているセンサ部P1,Q1,124にのみ物体検知センサ126~128が配置される。これにより、子供など背丈の低い乗客が操作盤の正面に近接して立っている場合などに同物体をセンサ部P1,Q1,124が検知することによって発生する乗客の意図しない過誤検知による操作が受け付けられてしまうのを抑制することができる。
【0080】
図9は、第2変形例に係る延長機能付き操作盤130の構成を示す図である。延長機能付き操作盤130は、延長機能付き操作盤50の変形例であり、同操作盤50とほぼ同一の構成を具備する。図9に示すように、延長機能付き操作盤130は、左右両端の押釦52に各々隣接する位置に物体検知センサ132、134が各々設けられている。物体検知センサ132,134は、上述した物体検知センサ62(図4参照)と同一の機能および構成を備え、左右両端の押釦52に各々対応している。そして、制御装置15は、物体検知センサ132,134が物体を検知している場合には押釦52のセンサ部53を介して非接触操作が検知されても同操作を受け付けないように設定されている。
【0081】
これにより、延長機能付き操作盤130において、乗客の意図しない過誤検知が比較的発生しやすい左右両端側に位置するセンサ部53を介して検知された過誤操作が制御装置15に受け付けられるのを抑制することができる。
【0082】
図10は、第3変形例に係る一般利用者用操作盤140の構成を示す図である。図10の一部に示す部分拡大図において、行先階表示部146A,区切り線表示部147Aにハッチングを付して点灯状態を示している。この第3変形例に係る一般利用者用操作盤140は、第1実施形態に係る一般利用者用操作盤30(図3(a)参照)の変形例である。
【0083】
図10に示すように、この一般利用者用操作盤140は、押釦31,32の代りに上述したセンサ部Qと同一の構成を具備するセンサ部143A,143B,143C,…(以下、特に区別する必要が無い場合にはセンサ部「143」と適宜表記)が設けられている。また、各センサ部(非接触式操作部)143の右隣には対応する物体検知センサ145A,145B,145C,…(以下、特に区別する必要が無い場合にはセンサ部「145」と適宜表記)が設けられている。各物体検知センサ145は、物体検知センサ36(図3(a)参照)と同一の機能および構成を備える。
【0084】
一般利用者用操作盤140は、上述したセンサ部143および物体検知センサ145を備える点を除き、一般利用者用操作盤30(図3(a)参照)と同一の構成を備える。
【0085】
図10に示すように、各センサ部143は縦1列に配置されており、各センサ部143の左隣に同センサ部143に各々対応する行先階表示部146A,146B,146C,…(以下、特に区別する必要が無い場合には行先階表示部「146」と適宜表記)が設けられている。また、行先階表示部146およびセンサ部143の周囲を略L字状に縁取るよう配置された区切り線表示部147A,147B,147C,…(以下、特に区別する必要が無い場合には区切り線表示部「147」と適宜表記)が設けられている。両表示部146,147は、対応するセンサ部143を介して行先階の操作が制御装置15に受け付けられた場合に点灯する機能を有する。
【0086】
制御装置15は、物体検知センサ145が物体を検知している場合には対応するセンサ部143から非接触操作が行われても操作を受け付けないように設定される。
【0087】
この第3変形例に係る一般利用者用操作盤140を上記第1実施形態に係る一般利用者用操作盤30の代りに用いた場合においても、上記第1実施形態に係るエレベータ10と同様の効果を得ることができる。
【0088】
図11は、第4変形例である一般利用者用操作盤150の構成を示す図である。この第4変形例は、上述した第3変形例に係る一般利用者用操作盤140のさらなる変形例である。図11に示すように、第4変形例に係る一般利用者用操作盤150は、各センサ部143に各々対応して設けられている物体検知センサ145(図10参照)の代わりに正面視略縦長長方形状の外観を呈する物体検知センサ152をセンサ部143の右側に備える点で上述した第3変形例に係る一般利用者用操作盤140と相違するが、その他の構成については一般利用者用操作盤140と同一である。
【0089】
この物体検知センサ152は、第2実施形態に係る一般利用者用操作盤110の物体検知センサ112(図6(a)参照)と同一の機能および構成を備える。制御装置15は、各センサ部143のうちいずれかのセンサ部143を介して非接触操作が行われても物体検知センサ152を介して物体を検知している場合には同非接触操作の受け付けを上記第2実施形態と同様に制限する。この場合においても、上記第2実施形態に係るエレベータ100と同様の効果を得ることができる。
【0090】
図12は、第5変形例である延長機能付き操作盤160の構成を示す図である。第5変形例に係る延長機能付き操作盤160は、第1実施形態に係る延長機能付き操作盤50の変形例である。図12に示すように、延長機能付き操作盤160は、物体検知センサ62の代りに物体検知センサ162A,162Bおよび物体検知センサ164を備える点を除き、上記第1実施形態に係る延長機能付き操作盤50と同一の構成を具備する。物体検知センサ164は上記第2実施形態における物体検知センサ112(図6(a)参照)と同一の機能および構成を備える。物体検知センサ162A,162Bは、上記第1実施形態における物体検知センサ62(図4参照)と同一の機能および構成を備える。
【0091】
図12に示すように、制御装置15は、左端側に位置する押釦52A、すなわち、行先階を1階とする押釦52Aのセンサ部53Aを介して非接触操作が行われた場合に、対応する物体検知センサ162Aが物体を検知していればセンサ部53Aを介した非接触操作を受け付けないように設定される。また、同様に、右端側に位置する押釦52、すなわち、行先階を8階とする押釦52のセンサ部53を介して非接触操作が行われた場合に、物体検知センサ162Bが物体を検知していれば非接触操作を受け付けないように設定される。
【0092】
一方、制御装置15は、物体検知センサ164を介して物体が検知されている場合には、上述した左右両端側に位置する押釦52以外の他の押釦52のセンサ部53を介して非接触操作が行われても同操作の受け付けを制限するように設定される。ここで、上記他の押釦52には、2階から7階の各階乗場26を行先階とする押釦が含まれる。より具体的には、物体検知センサ164が物体を検知している状態で上述した他の押釦52のセンサ部53のいずれか1つから非接触操作が行われても1回目の非接触操作については受け付けず、2回目以降に行われた非接触操作について制御装置15が受け付けるように設定される。
【0093】
この第5変形例においては、図12に示すように、乗客の意図しない過誤検知による誤操作が比較的発生しやすい左右両端側の押釦52のセンサ部53には各々対応する物体検知センサ162A,162Bを設け、比較的発生頻度の低い中間部分に配置されている他の押釦52のセンサ部53には共通の物体検知センサ164を配置することで過誤検知による操作の受け付けを制限するようにしている。この場合においても、上記第1および第2実施形態のエレベータ10,100と同様の効果を得ることができる。
【0094】
図13は、第6変形例に係る乗場操作盤170の構成を示す図である。この乗場操作盤170は乗場操作盤17(図1参照)の変形例であり、図13に示すように、上階呼び釦174と、同釦174の直下方に配置された下階呼び釦175と、同釦175の直下方に配置された物体検知センサ172とを有する。
【0095】
上階呼び釦174は、上階行の乗りかご20(図1参照)を乗場操作盤170が設置される乗場26に呼び寄せる、すなわち、停止させる役割を有し、上述した押釦32(図3(a)参照)と同一構成を具備し下部にセンサ部176が内蔵されている。同様に、下階呼び釦175は、下階行の乗りかご20(図1参照)を乗場操作盤170が設置されている乗場26に停止させる役割を有し、上階呼び釦174と同一の構成を具備し下部にセンサ部177が内蔵されている。また、物体検知センサ172は、上述した物体検知センサ36(図3(a)参照)と同一の機能および構成を備えるセンサである。
【0096】
制御装置15は、物体検知センサ172が物体を検知している場合には、下階呼び釦175のセンサ部177が非接触操作を検知しても同操作を受け付けないものとしてもよい。
【0097】
また、或いは、制御装置15は、物体検知センサ172が物体を検知している場合には、下階呼び釦175のセンサ部177および上階呼び釦174のセンサ部176の双方の操作を受け付けないものとしてもよい。この場合には、乗場操作盤170の設置されている壁面などに荷物など物体が近接配置されているような状態で同物体を両呼び釦174,175のセンサ部176,177が検知することで乗客の意図しない非接触操作が制御装置15に受け付けられてしまうことを防止できる。
【0098】
上記実施形態では、乗りかご20に関する操作として、行先階の登録操作を非接触で行うためのセンサ部P,Q,53,143や乗場26に乗りかご20を呼ぶためのセンサ部176,177や、センサ一体型戸開釦122のセンサ部124を例に挙げて説明している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、かご扉22A,22Bを閉じる戸閉操作など他の乗りかご20に関する操作を非接触で操作可能として本発明を適用してもよい。
【0099】
上記第1実施形態では、物体検知センサ36が物体を検知している場合には右隣に隣接する押釦32のセンサ部Qを介して行われる非接触操作を制御装置15が受け付けないものとする例を挙げて説明しているが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、物体検知センサ36(図3(a)参照)が物体を検知している間だけではなく、物体検知センサ36が物体を検知している状態から物体を検知していない非検知状態に変化しても変化後の一定時間については同様にセンサ部Qを介した非接触操作が制御装置15に受け付けられないものとしてもよい。
【0100】
すなわち、物体検知センサ36の検知状態が物体を検知している状態から物体を検知していない非検知状態に変化したタイミングから予め設定された受付不可時間が経過するまでの間は、押釦32のセンサ部Q(図3(a)参照)を介した非接触操作を制御装置15が受け付けないものとしてもよい。上記の予め設定された受付不可時間は、例えば、1秒程度の一定の時間の長さに設定すればよい。
【0101】
これにより、物体検知センサ36の検知領域H2(図3(b)参照)内から同検知領域H2の外に物体が移動するときに同物体が隣接する押釦32におけるセンサ部Qの検知領域H1(図3(b)参照)を横切ってしまったとしても非接触操作が制御装置15に受け付けられてしまうことを抑制できる。
【0102】
また、上記第2実施形態では、物体検知センサ112を介して物体が検知されている場合に押釦31,32のセンサ部P,Qのうちいずれかを介して行われる非接触操作を制御装置15が受け付けを制限する例を挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、物体検知センサ112(図6(a)参照)が物体を検知している間だけではなく、物体検知センサ112が物体を検知している状態から物体を検知していない非検知状態に変化しても変化後の一定時間についてはセンサ部P,Q(図6(a)参照)を介した非接触操作の受け付けが同様に制限されるものとしてもよい。
【0103】
すなわち、物体検知センサ112の検知状態が物体を検知している状態から物体を検知していない非検知状態に変化したタイミングから予め設定された受付制限時間が経過するまでの間は、制御装置15におけるセンサ部P,Q(図6(a)参照)を介した非接触操作の受け付けが制限されるものとしてもよい。上記予め設定された受付制限時間は、一例として、1秒程度の時間の長さに設定すればよい。
【0104】
これにより、物体検知センサ112の検知領域H5(図6(b)参照)から物体が離れるときに同物体が隣接する押釦31におけるセンサ部Pの検知領域や押釦32におけるセンサ部Qの検知領域H1(図3(b)参照)を横切ったとしても非接触操作が制御装置15に受け付けられてしまうことを抑制できる。
【0105】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
【符号の説明】
【0106】
10,100 エレベータ
15 制御装置(制御部)
20 乗りかご
30,110,120,140,150 一般利用者用操作盤
50,130,160 延長機能付き操作盤
35,35A,35B,35C,36,36A,36B,36C,62,62A,62B,62C,112,126,127,128,132,134,145,145A,145B,145C,152,162A,162B,164,172 物体検知センサ(物体検知部)
P,P1,P2,P3,Q,Q1,Q2,Q3,53,53A,53B,53C,124,143,143A,143B,143C,176,177 センサ部(非接触式操作部)
SP1 スピーカ(報知部)
S1~S24 ステップ
X,Z 水平方向
Y 上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-10-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータ用乗りかごに関する操作を所定の検知領域における物体の有無を検知することにより非接触で操作可能に構成された非接触式操作部を含む操作盤を備えるエレベータであって、
前記操作盤周辺の前記検知領域と異なる領域における物体の有無を非接触で検知する物体検知部と、
前記非接触式操作部を介して行われる前記操作に基づいて前記乗りかごの運転を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記物体検知部が物体を検知している場合には前記非接触式操作部を介して行われる前記操作を受け付けないように構成される、
エレベータ。
【請求項2】
エレベータ用乗りかごに関する操作を所定の検知領域における物体の有無を検知することにより非接触で操作可能に構成された複数の非接触式操作部を含む操作盤を備えるエレベータであって、
前記操作盤周辺の前記検知領域と異なる領域における物体の有無を非接触で検知する物体検知部と、
複数の前記非接触式操作部を介して行われる前記操作に基づいて前記乗りかごの運転を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記物体検知部が物体を検知している場合には複数の前記非接触式操作部を介して行われる前記操作の受け付け制限を行う
エレベータ。
【請求項3】
前記制御部は、前記操作の受け付け制を行う場合には複数の前記非接触式操作部のうちいずれか1つを介して前記操作が行われても前記操作を受け付けないように設定されている、
請求項2に記載のエレベータ。
【請求項4】
前記制御部は、前記操作の受け付け制限を行っているときに前記非接触式操作部を介して前記操作が予め設定された回数行われた場合には前記操作の受け付け制限を解除するように設定される、
請求項2または3に記載のエレベータ。
【請求項5】
前記物体検知部が物体を検知していることを報知するための報知部を備え、
前記制御部は、前記物体検知部による物体の検知が所定時間以上継続した場合に前記報知部に報知を実行させる、
請求項1または2に記載のエレベータ。
【請求項6】
前記制御部は、前記物体検知部が物体を検知している状態から前記物体検知部が物体を検知していない状態に変化しても予め設定された受付不可時間が経過するまでは前記非接触式操作部を介して行われる前記操作を受け付けない、
請求項1に記載のエレベータ。
【請求項7】
前記制御部は、前記物体検知部が物体を検知している状態から前記物体検知部が物体を検知していない状態に変化しても予め設定された受付制限時間が経過するまで前記操作の受け付け制限を行う、
請求項2に記載のエレベータ。
【請求項8】
前記非接触式操作部は、前記操作に用いる押釦の一部に設けられている、
請求項1または2に記載のエレベータ。
【請求項9】
前記物体検知部は前記非接触式操作部よりも前記操作盤から離れた位置の物体を検知可能に構成されている、
請求項1または2に記載のエレベータ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の一態様に係るエレベータは、エレベータ用乗りかごに関する操作を所定の検知領域における物体の有無を検知することにより非接触で操作可能に構成された非接触式操作部を含む操作盤を備えるエレベータであって、操作盤周辺の検知領域と異なる領域における物体の有無を非接触で検知する物体検知部と、非接触式操作部を介して行われる操作に基づいて乗りかごの運転を制御する制御部と、を備え、制御部は、物体検知部が物体を検知している場合には非接触式操作部を介して行われる操作を受け付けないように構成するものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明の別態様に係るエレベータは、エレベータ用乗りかごに関する操作を所定の検知領域における物体の有無を検知することにより非接触で操作可能に構成された複数の非接触式操作部を含む操作盤を備えるエレベータであって、操作盤周辺の検知領域と異なる領域における物体の有無を非接触で検知する物体検知部と、複数の非接触式操作部を介して行われる操作に基づいて乗りかごの運転を制御する制御部と、を備え、制御部は、物体検知部が物体を検知している場合には複数の非接触式操作部を介して行われる操作の受け付け制限を行うものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明の別態様に係るエレベータにおいて、制御部は、操作の受け付け制限を行う場合には複数の非接触式操作部のうちいずれか1つを介して操作が行われても操作を受け付けないように設定されてもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明の別態様に係るエレベータにおいて、制御部は、操作の受け付け制限を行っているときに非接触式操作部を介して操作が予め設定された回数行われた場合には操作の受け付け制限を解除するように設定してもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本発明の別態様に係るエレベータにおいて、制御部は、物体検知部が物体を検知している状態から物体検知部が物体を検知していない状態に変化しても予め設定された受付制限時間が経過するまでは非接触式操作部を介して行われる操作の受け付け制を行ってもよい。
本発明の一態様および別態様に係るエレベータにおいて、非接触式操作部は、操作に用いる押釦の一部に設けられてもよい。
本発明の一態様および別態様に係るエレベータにおいて、物体検知部は非接触式操作部よりも操作盤から離れた位置の物体を検知可能に構成されてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータ用乗りかごに関する操作を所定の検知領域における物体の有無を検知することにより非接触で操作可能に構成された非接触式操作部を含む操作盤を備えるエレベータであって、
前記非接触式操作部は、前記操作に用いる押釦の一部に設けられ、
前記操作盤周辺の前記検知領域と異なる領域における物体の有無を非接触で検知する物体検知部と、
前記非接触式操作部を介して行われる前記操作に基づいて前記乗りかごの運転を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記物体検知部が物体を検知している場合には前記非接触式操作部を介して行われる前記操作を受け付けないように構成される、
エレベータ。
【請求項2】
エレベータ用乗りかごに関する操作を所定の検知領域における物体の有無を検知することにより非接触で操作可能に構成された複数の非接触式操作部を含む操作盤を備えるエレベータであって、
複数の前記非接触式操作部は、前記操作に用いる押釦の一部に設けられ、
前記操作盤周辺の前記検知領域と異なる領域における物体の有無を非接触で検知する物体検知部と、
複数の前記非接触式操作部を介して行われる前記操作に基づいて前記乗りかごの運転を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記物体検知部が物体を検知している場合には複数の前記非接触式操作部を介して行われる前記操作の受け付け制限を行う、
エレベータ。
【請求項3】
前記制御部は、前記操作の受け付け制限を行う場合には複数の前記非接触式操作部のうちいずれか1つを介して前記操作が行われても前記操作を受け付けないように構成されている、
請求項2に記載のエレベータ。
【請求項4】
前記制御部は、前記操作の受け付け制限を行っているときに前記非接触式操作部を介して前記操作が予め設定された回数行われた場合には前記操作の受け付け制限を解除するように設定される、
請求項2または3に記載のエレベータ。
【請求項5】
前記物体検知部が物体を検知していることを報知するための報知部を備え、
前記制御部は、前記物体検知部による物体の検知が所定時間以上継続した場合に前記報知部に報知を実行させる、
請求項1または2に記載のエレベータ。
【請求項6】
前記制御部は、前記物体検知部が物体を検知している状態から前記物体検知部が物体を検知していない状態に変化しても予め設定された受付不可時間が経過するまでは前記非接触式操作部を介して行われる前記操作を受け付けない、
請求項1に記載のエレベータ。
【請求項7】
前記制御部は、前記物体検知部が物体を検知している状態から前記物体検知部が物体を検知していない状態に変化しても予め設定された受付制限時間が経過するまで前記操作の受け付け制限を行う、
請求項2に記載のエレベータ。
【請求項8】
前記物体検知部は前記非接触式操作部よりも前記操作盤から離れた位置の物体を検知可能に構成されている、
請求項1または2に記載のエレベータ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の一態様に係るエレベータは、エレベータ用乗りかごに関する操作を所定の検知領域における物体の有無を検知することにより非接触で操作可能に構成された非接触式操作部を含む操作盤を備えるエレベータであって、非接触式操作部は、操作に用いる押釦の一部に設けられ、操作盤周辺の検知領域と異なる領域における物体の有無を非接触で検知する物体検知部と、非接触式操作部を介して行われる操作に基づいて乗りかごの運転を制御する制御部と、を備え、制御部は、物体検知部が物体を検知している場合には非接触式操作部を介して行われる操作を受け付けないように構成するものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明の別態様に係るエレベータは、エレベータ用乗りかごに関する操作を所定の検知領域における物体の有無を検知することにより非接触で操作可能に構成された複数の非接触式操作部を含む操作盤を備えるエレベータであって、複数の非接触式操作部は、操作に用いる押釦の一部に設けられ、操作盤周辺の検知領域と異なる領域における物体の有無を非接触で検知する物体検知部と、複数の非接触式操作部を介して行われる操作に基づいて乗りかごの運転を制御する制御部と、を備え、制御部は、物体検知部が物体を検知している場合には複数の非接触式操作部を介して行われる操作の受け付け制限を行うものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本発明の別態様に係るエレベータにおいて、制御部は、物体検知部が物体を検知している状態から物体検知部が物体を検知していない状態に変化しても予め設定された受付制限時間が経過するまでは非接触式操作部を介して行われる操作の受け付け制限を行ってもよい
本発明の一態様および別態様に係るエレベータにおいて、物体検知部は非接触式操作部よりも操作盤から離れた位置の物体を検知可能に構成されてもよい。