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特開2024-8072合成樹脂製容器、プリフォーム及び合成樹脂製容器の製造方法
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  • 特開-合成樹脂製容器、プリフォーム及び合成樹脂製容器の製造方法 図1
  • 特開-合成樹脂製容器、プリフォーム及び合成樹脂製容器の製造方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008072
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】合成樹脂製容器、プリフォーム及び合成樹脂製容器の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/02 20060101AFI20240112BHJP
   B29B 11/08 20060101ALI20240112BHJP
   B29C 49/22 20060101ALI20240112BHJP
   B29C 49/04 20060101ALI20240112BHJP
   B29C 45/16 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B65D1/02 111
B65D1/02 ZAB
B29B11/08
B29C49/22
B29C49/04
B29C45/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109610
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】313005282
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清都 弘光
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 仁
(72)【発明者】
【氏名】柴田 誠士
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 祐一
(72)【発明者】
【氏名】田所 洋一
【テーマコード(参考)】
3E033
4F201
4F206
4F208
【Fターム(参考)】
3E033AA02
3E033BA14
3E033BA18
3E033BB08
3E033CA20
3E033DA03
3E033DB01
3E033DD01
3E033DD05
3E033FA03
4F201AA24
4F201AB02
4F201AG03
4F201AG07
4F201AH55
4F201BA03
4F201BC01
4F201BC02
4F201BD04
4F201BD06
4F201BM05
4F201BM13
4F206AA24
4F206AB02
4F206AG03
4F206AG07
4F206AH55
4F206AR15
4F206JA06
4F206JB23
4F206JB25
4F206JL02
4F208AA24
4F208AB02
4F208AG03
4F208AG07
4F208AH55
4F208LA08
4F208LB01
4F208LB22
4F208LG03
4F208LG06
4F208LG28
(57)【要約】
【課題】水に浮かぶ合成樹脂製容器を提供する。
【解決手段】合成樹脂製容器1は、容器本体1aと、容器本体1aの外周面側に剥離可能に積層された被覆層4とを備え、容器本体1aの平均密度をρ(kg/m)とし、容器本体1aの重量をm(kg)とし、被覆層4の平均密度をρ(kg/m)とし、被覆層4の重量をm(kg)としたときに、995~1030(kg/m)の密度ρに対して、ρ<ρかつρ(m/ρ+m/ρ)-(m+m)>0を満たす。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、前記容器本体に積層された被覆層とを備えた合成樹脂製容器であって、
前記容器本体の平均密度をρ(kg/m)とし、前記容器本体の重量をm(kg)とし、前記被覆層の平均密度をρ(kg/m)とし、前記被覆層の重量をm(kg)としたときに、995~1030(kg/m)のいずれかの密度ρに対して、
ρ<ρ
かつ
ρ(m/ρ+m/ρ)-(m+m)>0
を満たす、合成樹脂製容器。
【請求項2】
前記容器本体は、口部及び有底の胴部を含み、
前記口部の平均密度をρとし、前記口部の重量をm(kg)とし、前記胴部の平均密度をρとし、前記胴部の重量をm(kg)としたときに、
ρ(m/ρ+m/ρ)-(m+m)<0
かつ
ρ(m/ρ+m/ρ+m/ρ)-(m+m+m)>0
を満たす、請求項1に記載の合成樹脂製容器。
【請求項3】
前記被覆層は、内部に気泡を有する、請求項1又は2に記載の合成樹脂製容器。
【請求項4】
前記容器本体は、内部に気泡を有する、請求項1又は2に記載の合成樹脂製容器。
【請求項5】
前記被覆層は、前記容器本体の外周面側に積層されている、請求項1又は2に記載の合成樹脂製容器。
【請求項6】
前記被覆層は、前記容器本体から剥離可能に積層されている、請求項5に記載の合成樹脂製容器。
【請求項7】
前記密度ρが1020~1030(kg/m)のいずれかである、請求項1又は2に記載の合成樹脂製容器。
【請求項8】
前記被覆層は、口部側の一部を除いた前記容器本体の外周面側に積層されている、請求項1又は2に記載の合成樹脂製容器。
【請求項9】
前記容器本体は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂で形成されている、請求項1又は2に記載の合成樹脂製容器。
【請求項10】
前記容器本体は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂で形成されており、
前記容器本体の前記口部の密度ρが970(kg/m)以上であり、かつ、前記容器本体の前記胴部の密度ρが970(kg/m)以上である、請求項2に記載の合成樹脂製容器。
【請求項11】
前記被覆層の密度ρが965(kg/m)以下である、請求項7に記載の合成樹脂製容器。
【請求項12】
前記平均密度ρが、1260~1380(kg/m)の範囲内であり、前記平均密度ρが、1000~1380(kg/m)の範囲内であり、前記平均密度ρが、900~930(kg/m)の範囲内である、請求項2に記載の合成樹脂製容器。
【請求項13】
プリフォーム本体と、前記プリフォーム本体に積層された被覆材層とを備えたプリフォームであって、
前記プリフォーム本体の平均密度をρ(kg/m)とし、前記プリフォーム本体の重量をm(kg)とし、前記被覆材層の平均密度をρ(kg/m)とし、前記被覆材層の重量をm(kg)としたときに、995~1030(kg/m)のいずれかの密度ρに対して、
ρ<ρ
かつ
ρ(m/ρ+m/ρ)-(m+m)>0
を満たす、プリフォーム。
【請求項14】
前記被覆材層は、発泡剤を含む樹脂材料を用いて形成されている、請求項13に記載のプリフォーム。
【請求項15】
前記プリフォーム本体は、発泡剤を含む樹脂材料を用いて形成されている、請求項13又は14に記載のプリフォーム。
【請求項16】
前記被覆材層は、前記プリフォーム本体の外周面側に積層されている、請求項13又は14に記載のプリフォーム。
【請求項17】
請求項1又は2に記載された合成樹脂製容器の製造方法であって、
有底筒状のプリフォーム本体と、前記プリフォーム本体の外周面側に積層された被覆材層とを備えたプリフォームを、ダブルモールド成形法により成形することと、
前記プリフォームをブロー成形することによって、前記プリフォーム本体を所定の容器形状に成形された前記容器本体に成形するとともに、前記被覆材層を前記プリフォーム本体と一体に成形して、前記容器本体の外周面側に剥離可能に積層された前記被覆層に成形することと
を含む、合成樹脂製容器の製造方法。
【請求項18】
前記ダブルモールド成形法により成形することは、前記被覆材層を形成する樹脂材料に、発泡剤を含侵させることを含む、請求項17に記載の合成樹脂製容器の製造方法。
【請求項19】
前記ダブルモールド成形法により成形することは、前記プリフォーム本体を形成する樹脂材料に、発泡剤を含侵させることを含む、請求項17に記載の合成樹脂製容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製容器、プリフォーム及び合成樹脂製容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
暮らしの中で様々なプラスチック製品が利用されている。例えば、一般に、PETボトルとして認知されている容器もプラスチック製品のうちの一つである。
【0003】
PETボトルは、ポリエチレンテレフタレート系樹脂を用いて作製され、通常は、その商品名や内容物表示、装飾デザインなどを印刷したラベルが装着されて市場に供される。このようなラベルとしては、熱収縮によって装着されるシュリンクラベル、粘着剤によって装着されるシールラベルなどが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-230579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、このようなプラスチック製の容器が適切に廃棄されずに海へ流出する、いわゆる海洋プラスチックごみについて、世界中で問題視されている。使用後の容器を回収して再利用する活動も活発化しているものの、不適切な廃棄や災害などによる河川や湖、海洋への流出を完全に防ぐことは難しい。また、海洋プラスチックごみを回収する活動も行われているが、廃棄された容器が沈んだ場合、回収は困難である。
【0006】
そこで、本発明は、水に浮かぶ合成樹脂製容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る合成樹脂製容器は、容器本体と、前記容器本体に積層された被覆層とを備えた合成樹脂製容器であって、前記容器本体の平均密度をρ(kg/m)とし、前記容器本体の重量をm(kg)とし、前記被覆層の平均密度をρ(kg/m)とし、前記被覆層の重量をm(kg)としたときに、995~1035(kg/m)の密度ρに対して、
ρ<ρ
かつ
ρ(m/ρ+m/ρ)-(m+m)>0
を満たす。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、水に浮かぶ合成樹脂製容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係る合成樹脂製容器の概略を示す正面図である。
図2図2は、一実施形態に係るプリフォームを示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態の容器は、容器本体と、容器本体に積層された被覆層とを備える合成樹脂製容器である。ここでいう容器本体は、容器の開口部に取り付けられる蓋体や、容器本体周囲にフィルムやラベル等の取り外しや剥離が可能な部材等を含まない。本実施形態は、容器本体だけでは水に沈む容器を対象としている。本実施形態では、容器は、水に沈む容器本体の他に被覆層を備えることで、水に浮かぶ。
【0011】
適切に廃棄されずに環境中に流出するプラスチックごみは、そのほとんどが容器の容器本体表面に貼られているラベルやフィルム等が容器本体から分離されないままである。そのため、容器は、被覆層を含む容器全体で水に浮くように構成されていれば、環境中に流出した際に水に浮かぶことができる。
【0012】
物体は、物体に働く浮力Fが物体に働く重力F´よりも大きいときに、周囲の流体に浮かぶ。周囲の流体の密度をρ、物体の体積をV、重力加速度をgとしたときに、浮力Fは、F=ρVgとして表される。物体の密度をρ´としたときに、重力F´は、F´=ρ´Vgとして表される。すなわち、流体の密度ρよりも物体の密度ρ´が小さいものはその流体に浮かぶ。
【0013】
本実施形態で対象とする流体は、河川、湖における真水又は海洋における海水である。水の密度ρは、水温と塩分により変動することから、本実施形態の容器が水に浮かぶためには、自然界における水温や塩分を考慮する必要がある。具体的には、塩類を含まない真水の場合、4℃付近で密度が最大になることが知られている。自然界における河川及び湖における水温を0℃~30℃の範囲とすると、この温度範囲にける真水の密度は、約995~1000(kg/m)である。また、塩類を含む海水の場合、低温になるほど密度が高くなることが知られている。海水は塩類を含むため凝固点降下により凝固点が0℃より低くなり、平均的な塩分の海水では凝固点が-1.8℃程度である。自然界における海における水温を-2℃~30℃の範囲とすると、この温度範囲における平均的な海水の密度は、約1020~1030(kg/m)である。
そこで、本実施形態で対象とする流体の密度ρは、995~1030(kg/m)の範囲とする。
【0014】
特に、環境中に流出したプラスチックごみは、河川などから海へと流れ込むなどして、そのほとんどが最終的に行きつく場所は海である。海洋プラスチックの回収の観点では、少なくとも密度ρが1020~1030(kg/m)である海水に浮かぶ容器とする必要がある。
【0015】
容器本体を形成する熱可塑性樹脂の種類は、種々あり得るが、本実施形態では、成形された状態で水の密度ρよりも大きい平均密度ρを有している。容器本体は、一種類の熱可塑性樹脂から成形されても、複数種類の熱可塑性樹脂の混合物から成形されてもよい。容器本体を成形する熱可塑性樹脂は、各種の添加剤が添加されていてもよい。
【0016】
水の密度ρよりも大きい平均密度を有する熱可塑性樹脂で、使い捨て用のプラスチック製の製品に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、食品用容器に用いられるポリスチレンや、いわゆるPETボトルとして用いられるポリエチレンテレフタレート樹脂などが知られている。PETボトルの平均密度は、1260~1380kg/mであることが知られている。
【0017】
容器本体と被覆層とを備える容器が水に浮かぶためには、前述の通り、容器本体及び被覆層に働く浮力Fが容器本体及び被覆層に働く重力F´よりも大きければよい。すなわち、容器本体の平均密度をρ(kg/m)とし、容器本体の重量をm(kg)とし、容器本体の体積V(m)とし、被覆層の平均密度をρ(kg/m)とし、被覆層の重量をm(kg)とし、被覆層の体積V(m)としたときに、容器本体と被覆層が、水の密度ρ(kg/m)に対して
ρg+ρg-ρg-ρg>0
の関係を満たせばよい。
体積Vは重量m/平均密度ρで表されるので、
ρ(m/ρ+m/ρ)-(m+m)>0・・・式(1)
を満たす場合、容器は水に浮かぶ。
【0018】
式(1)を満たすために、被覆層を形成する樹脂材料には、平均密度の小さい樹脂材料を用いるのが好ましい。被覆層を形成する樹脂材料の好ましい一例として、ポリプロピレン(平均密度:900~910(kg/m))、ポリエチレン(平均密度:940~965(kg/m))などのポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
【0019】
また、被覆層は、内部に気泡を有してもよい。これにより、被覆層の平均密度をより小さくすることができる。この場合、被覆層は、少なくとも一部の範囲において、内部に気泡を有するように構成されればよい。内部に気泡を有する範囲を調整することにより、被覆層の平均密度を調整してもよい。例えば、被覆層は、多数の気泡を含むように発泡させた発泡層とすることができる。発泡層の発泡度を調整することにより、被覆層の平均密度の調整が可能である。
【0020】
また、容器本体は、内部に気泡を有するようにして、容器本体の平均密度ρを小さくしてもよい。これにより、より浮きやすい容器とすることができる。ただし、本実施形態の容器本体の平均密度ρは、水の密度ρよりも大きい。容器本体は、少なくとも一部の範囲において、内部に気泡を有するように構成されればよい。内部に気泡を有する範囲を調整することにより、容器本体の平均密度ρを調整してもよい。例えば、容器本体は、多数の気泡を含むように発泡させた発泡構造とすることができる。この場合、発泡度を調整することにより、容器本体の平均密度ρの調整が可能である。
【0021】
[合成樹脂製容器の一例]
本実施形態について、合成樹脂製の容器1の一例を挙げて、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
図1は、本実施形態の一例に係る合成樹脂製の容器1の概略を示す正面図である。図1は、容器1の右上の一部を切り欠いて、その断面を示している。図1の断面にあらわれる部材の肉厚は、誇張して模式的に描写されている。口部2を上にして容器1を水平面に正立させた状態(図1に示す状態)で容器1の上下左右及び縦横の方向を規定するものとして、説明する。
【0023】
図1に示す容器1は、口部2及び有底の胴部3を含む所定の容器形状に成形された容器本体1aと、容器本体1aの外周面側に、容器本体1aから剥離可能に積層された被覆層4とを備えている。図示する例において、容器1(容器本体1a)の形状は、概ね円筒状に成形されている。ただし、容器1の形状は、これに限定されない。容器形状は、例えば、角形ボトルと称される形状であってもよいし、胴部3の一部が部分的に大きく縮径して括れた形状であってもよい。また、胴部3の底部は、所望の形状に成形され得る。胴部3の底部は、いわゆるペタロイド形状等であってもよい。
【0024】
口部2は、内容物の注ぎ口となる円筒状の部位である。口部2の開口端側の側面には、図示しない蓋体を取り付けるためのねじ山21が設けられている。また、口部2の下端側には、周方向に沿って外方に突出する環状のネックリング22が設けられている。
【0025】
容器本体1aを形成する樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレートなどのエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルが挙げられる。
【0026】
被覆層4は、胴部3の底面から周面の全面を覆うとともに、その末端側が、口部2の下端側に設けられたネックリング22の下面を覆いつつ、その末端は、ネックリング22の周端縁に達するように、容器本体1aの外周面側に積層されている。ただし、被覆層4は、少なくとも容器1の胴部3の一部を覆うように設けられていればよく、図示する例に限定されるものではない。
【0027】
被覆層4を形成する樹脂材料としては、前述の通り、平均密度が小さいものを用いるのが好ましい。また、後述する製造方法にて容器1を製造する場合は、被覆層4が容器本体1aに剥離可能に積層されるようにするという観点から、容器本体1aを形成する樹脂材料と非相溶性の熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。例えば、容器本体1aを形成する樹脂材料としてエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルを用いる場合、被覆層4を形成する樹脂材料には、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂を用いることができる。また、被覆層4を形成する樹脂材料は、必要に応じて各種の添加剤が添加されていてもよい。
【0028】
容器1の容器本体1aがポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる場合、容器本体1aの平均密度ρは水の密度ρより大きいため、容器本体1aだけでは水に沈む。しかしながら、前述の通り、被覆層4との関係で前述の式(1)を満たせば、水に浮かぶ容器1とすることができる。
【0029】
容器本体1aの口部2の密度と胴部3の密度とは、異なっていてもよい。本実施形態で例示する容器本体1aは、成形の都合上、胴部3は口部2よりも平均密度が高く成形される。これは、容器1がブロー成形されるに際して、口部2は延伸されずに成形され、胴部3は延伸されて成形されることに起因する。具体的な製造方法については、後述する。延伸により配向結晶化度が高められた胴部3は、口部2よりも平均密度が高くなる。
【0030】
容器本体1aの口部2の密度と胴部3の密度とが異なる場合、口部2の平均密度をρとし、口部2の重量をm(kg)とし、胴部3の平均密度をρとし、胴部の重量をm(kg)としたときに、式(1)のm/ρは、
/ρ=m/ρ+m/ρ
として表すことができる。また、容器本体1aの重量mは、
=m+m
として表すことができる。よって、本実施形態の容器1は、このように表された容器本体1aと被覆層4との関係で、前述の式(1)より、
ρ(m/ρ+m/ρ+m/ρ)-(m+m+m)>0・・・式(2)
を満たせばよい。
【0031】
また、容器本体1aがポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる、いわゆるPETボトルである場合、使用後の容器は、回収されてリサイクル材料として再利用されることが好ましい。リサイクル工程では、容器本体1aと被覆層4とは、適切に分離される必要がある。
【0032】
回収した容器(PETボトル)の樹脂材料について、ポリエチレンテレフタレート系樹脂と、それ以外の樹脂とに分離する一工程として、以下の方法が知られている。
<洗浄剥離(熱水)による比重分離>
回収した容器を粉砕したフレークを、85℃熱水で15分間、強く撹拌後、5分間静置する。ポリエチレンテレフタレート系樹脂以外の樹脂からなる部材を浮上させることにより分離する。
【0033】
このようにしてポリエチレンテレフタレート系樹脂と、それ以外の樹脂とに分離するためには、ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる容器本体1aが熱水に沈み、ポリエチレンテレフタレート系樹脂以外の樹脂からなる被覆層4が熱水に浮かぶ必要がある。
85℃の水の密度ρは969(kg/m)であるので、容器本体1aの密度ρが969(kg/m)より大きく、被覆層4の密度ρが969(kg/m)より小さい必要がある。なお、容器本体1aを構成する口部の密度ρと、有底の胴部の密度ρとが異なる場合は、それぞれの密度が969(kg/m)より大きい必要がある。
【0034】
また、ポリエチレンテレフタレート系樹脂と、それ以外の樹脂とに分離する別の一工程として、以下の方法が知られている。
<洗浄剥離(熱アルカリ)による比重分離>
回収した容器を粉砕したフレークを、1.5%、85℃熱アルカリで15分間、強く撹拌後、5分間静置する。ポリエチレンテレフタレート系樹脂以外の樹脂からなる部材を浮上させることにより分離する。
【0035】
このようにしてポリエチレンテレフタレート系樹脂と、それ以外の樹脂とに分離するためには、ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる容器本体1aがアルカリ水溶液に沈み、ポリエチレンテレフタレート系樹脂以外の樹脂からなる被覆層4がアルカリ水溶液に浮かぶ必要がある。
【0036】
85℃熱アルカリ(水酸化ナトリウム水溶液)の密度ρNaOHは985(kg/m)であるため、容器本体1aの密度ρが985(kg/m)より大きく、被覆層4が985(kg/m)より小さい必要がある。なお、容器本体1aを構成する口部の密度ρと、有底の胴部の密度ρとが異なる場合は、それぞれの密度が985(kg/m)より大きい必要がある。
【0037】
よって、本実施形態の容器1の容器本体1aの口部の密度ρ及び容器本体1aの胴部の密度ρが、970(kg/m)以上であると好ましい。また、本実施形態の被覆層4の密度ρが965(kg/m)以下であると好ましい。
【0038】
本実施形態の容器1について、容器本体1aの口部2及び胴部3並びに被覆層4の平均密度及び重量の具体的な値を例示して説明する。
【0039】
<第一の容器>
図1に示すような容器1の容器本体1aをポリエチレンテレフタレート系樹脂で作製する。容器1の容器本体1aの口部2の重量mを4(g)、密度ρを1280(kg/m)とし、容器本体1aの胴部3の重量mを8(g)、密度ρを1340(kg/m)とする。また、被覆層4をポリプロピレンで作製する。被覆層の密度ρを902(kg/m)とする。この場合、水の密度ρを1020(kg/m)としたとき、被覆層の重量mが21(g)より大きいと、式(2)は成立する。
【0040】
第一の容器1は、水に浮かぶという目的を達成することができる。ただし、同容量の一般的な容器に設けられているラベルやフィルムは0.5~1.5(g)程度であるのに対し、第一の容器1は、水に浮くために、21(g)の被覆層4を含む必要がある。被覆層4の厚みは、大きくなる。
【0041】
<第二の容器>
材料費や見た目の観点から、被覆層4の平均密度ρをより小さくすることが好ましい。このために、被覆層4は、その内部に気泡を有するものとしてもよい。平均密度が918(kg/m)以上であるポリエチレンを用いて被覆層4を作製する場合であっても、内部に気泡を有することで、平均密度ρがより小さくなるため、重量をより小さくすることができる。
【0042】
図1に示すような容器1の容器本体1aをポリエチレンテレフタレート系樹脂で作製する。容器1の容器本体1aの口部の重量mを4(g)、密度ρを1280(kg/m)、容器本体1aの胴部の重量mを8(g)、密度ρを1340(kg/m)とする。また、被覆層4を、発泡剤を含侵させた発泡性のポリエチレン樹脂で作製して多数の気泡を有する発泡層とする。被覆層の平均密度ρを738.5(kg/m)、被覆層4の重量mは7.7(g)とする。ρを1020(kg/m)としたときに、
(m/ρ+m/ρ+m/ρ)-(m+m+m)=0.21[g]
となり、式(2)は成立する。
【0043】
第二の容器は、水に浮かぶという目的を達成することができる。被覆層4を内部に多数の気泡を有するものとすることで、第二の容器は第一の容器よりも被覆層4の重量mを小さくすることが可能となる。
【0044】
<第三の容器>
容器1が水に浮かびやすくするために、容器本体1a自体の平均密度ρを小さくしてもよい。そのために、容器本体1aは、その内部に気泡を有するものとしてもよい。
【0045】
図1に示すような容器1の容器本体1aをポリエチレンテレフタレート系樹脂で作製する。容器本体1aの口部2の重量mを4(g)、密度ρを1280(kg/m)とする。また、容器本体1aの胴部3は多数の気泡を含むようにして作製して、その重量mを20(g)、密度ρを1000(kg/m)とする。また、被覆層4をポリエチレンからなる樹脂で作製する。被覆層4の重量mを4(g)、被覆層の平均密度ρを920(kg/m)とする。ρを1020(kg/m)としたときに、
ρ(m/ρ+m/ρ+m/ρ)-(m+m+m)=0.022[g]
となり、式(2)は成立する。
【0046】
第三の容器は、水に浮かぶという目的を達成することができる。また、容器本体1aを内部に多数の気泡を有するものとすることで、容器本体1aの平均密度ρの値を小さくすることができる。これにより、被覆層4の重量mを過度に増加させることを防ぎながら容器1はより水に浮かびやすくなる。なお、容器本体1aの口部2は、口部2の寸法安定性が低下して、蓋体の取り付けに支障が生じてしてしまう虞があることから、内部に気泡を有さない方が好ましい。
また、容器本体1aの胴部3が多数の気泡を含むようにするとともに、第二の容器のように被覆層4が多数の気泡を含むようにすることで、容器1をより水に浮かびやすいようにしてもよい。
【0047】
以上説明した条件を満たすように、本実施形態の容器1の容器本体1aの口部の平均密度ρは、1260~1380(kg/m)の範囲内であり、容器本体1aの胴部の平均密度ρは、1000~1380(kg/m)の範囲内であり、被覆層4の平均密度ρは、900~930(kg/m)の範囲内であると好ましい。
【0048】
また、被覆層4は、図示するように口部2側の一部を除いた容器本体1aの外周面側の全面に積層されていると、被覆層4の厚みの増加を抑えながら容器1における被覆層4の体積を増加させやすく、水に浮かぶ効果が得られやすい。また、被覆層4が容器本体1aに比較的強固に密着して設けられていると、例えばフィルム状の被覆層を容器本体1aの胴部に巻き付けただけのものなどと比べて、被覆層4が剥がれにくいため、好ましい。これにより、環境中に流出されたときに、外的要因、例えば水流によって被覆層4が容器本体1aから剥がれて分離することや、容器本体1aと被覆層4との間に水などが入り込むことにより被覆層4が剥離することを効果的に防ぐことができる。
【0049】
以上、本実施形態の容器について一例を示して説明したが、容器はこれに限定されるものではない。上述の条件を満たす種々のプラスチック製容器が、水に浮かぶという目的を達成可能である。例えば、上述の例では、被覆層は容器本体の外周面に設けられる例を示したが、これに限らない。被覆層は、容器本体の内周面に設けられてもよいし、外周面と内周面との両方に設けられてもよい。リサイクルのため、材料が異なる容器本体と被覆層とを容易に分離できるように、被覆層は剥離可能に設けられていることが好ましい。この点、被覆層は容器本体の外周面に剥離可能に設けられていることは一つの好ましい態様である。しかしながら、これに限らない。被覆層は、容器本体から容易に剥離されないように構成されていてもよい。この場合も、例えば粉砕することで分離可能であり、リサイクルも可能である。また、例えば、容器1は、ボトル状でなく、カップやトレイ等の形状であってもよい。例えば、容器本体1aがポリスチレンで形成された食品用包装用容器であってもよい。
【0050】
[合成樹脂製容器の製造方法]
上述の図1に示す合成樹脂製の容器1は、有底筒状のプリフォームを、ポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を用いてダブルモールド成形法により形成し、次いで、このプリフォームを二軸延伸ブロー成形などによってボトル状に成形することで作製することができる。
【0051】
<第一の容器の製造方法>
第一の容器1の製造方法について説明する。図2は、前述した容器1をブロー成形するのに好適なプリフォーム10の一例を示している。図2は、プリフォーム10の縦断面図であり、断面にあらわれるプリフォーム本体10a、被覆材層40の肉厚を誇張して描写している。また、プリフォーム10の上下左右及び縦横の方向は、口部20側を上にした図2に示す状態で規定するものとする。
【0052】
第一の容器1を製造するためのプリフォーム10は、プリフォーム本体10aと、プリフォーム本体10aの外周面側に剥離可能に積層された被覆材層40とを備えている。ブロー成形により、プリフォーム10のプリフォーム本体10aは容器1の容器本体1aに、プリフォーム10の被覆材層40は容器1の被覆層4にそれぞれ成形される。
【0053】
プリフォーム本体10aは、容器本体1aの口部2となる口部20と、延伸されて容器本体1aの胴部3に成形される胴部30とを含む有底筒状に成形されている。プリフォーム本体10aの口部20には、容器1に付された符号と同一の符号を以て示すねじ山21及びネックリング22が設けられている。
【0054】
プリフォーム本体10aに積層される被覆材層40は、プリフォーム本体の底部30aから口部20の直下に至る全面を覆うとともに、その末端側が、口部20の下端側に設けられたネックリング22の下面を覆いつつ、その末端が、ネックリング22の周端縁に達するように積層されている。
【0055】
このようなプリフォーム本体10aの外周面側に被覆材層40が積層されたプリフォーム10は、ダブルモールドと称される射出成形法により、次のようにして成形することができる。プリフォーム10(プリフォーム本体10a)の内周面及びその口部20の上端面を成形するコア型と、ネックリング22の上面及び周端面を含む口部20の外面側を成形する口部型と、ネックリング22の下面から底部30aに至るまでのプリフォーム本体10aの外面側を成形する第一の胴部型とを型締めし、プリフォーム本体10aを射出成形する。次いで、第一の胴部型に代えて、成形されたプリフォーム本体10aとの間に被覆材層40を成形する空隙が形成されるように構成された第二の胴部型を用いて型締めし直してから、プリフォーム本体10aの外周面側に被覆材層40を射出成形する。このようにして、プリフォーム本体10aの外周面側に被覆材層40が積層されたプリフォーム10を成形することができる。
【0056】
プリフォーム本体10aを形成する樹脂材料は、容器1の容器本体1aを形成する所望の樹脂材料である。また、被覆材層40を形成する樹脂材料は、被覆層4を形成する所望の樹脂材料である。
【0057】
式(1)を満たす容器1をブロー成形するのに好適なプリフォーム10は、プリフォーム本体10aの平均密度をρ(kg/m)とし、プリフォーム本体10aの重量をm(kg)とし、被覆材層40の平均密度をρ(kg/m)とし、被覆材層40の重量をm(kg)としたときに、995~1030(kg/m)のいずれかの密度ρに対して、
ρ<ρ
かつ
ρ(m/ρ+m/ρ)-(m+m)>0
を満たす。
【0058】
作製されたプリフォーム10は、加熱により軟化させてブロー成形が可能な状態とされてから、ブロー成形型にセットされ、ネックリング22の直下から底部30aに至るまでの部位が、必要に応じて延伸ロッドにより軸方向(縦方向)に延伸されつつ、高圧流体ブローにより軸方向及び周方向(横方向)に延伸される。そして、延伸された部位にブロー成形型のキャビティ形状が転写されることによって、所定の容器形状を備える容器1に成形される。このとき、延伸されたプリフォーム本体10aによって容器本体1aが成形されるとともに、プリフォーム本体10aに積層された被覆材層40が、プリフォーム本体10aと一体に成形されて、容器本体1aに積層された被覆層4となるように成形される。
【0059】
ブロー成形型は、型開きの際にアンダーカット形状とならないように、容器1の形状に応じて、分割位置、分割方向や分割数を適宜設定することができる。例えば、ブロー成形型は、容器1の胴部3を成形する胴型と、胴部3の底部を成形する底型とを備え、前述の胴型は、開閉可能に構成された一対の分割型とすることができる。
【0060】
プリフォーム10をブロー成形するに際し、ネックリング22を含むプリフォーム10の口部20は、ブロー成形によって延伸されずに、そのまま容器1の口部2となる。したがって、図2に示すプリフォーム10を用いれば、ネックリング22の下面を覆う被覆材層40の末端側もそのまま容器1の被覆層4の末端側となるため、前述したように被覆層4が積層された容器1を製造することができる。
【0061】
以上説明したように、プリフォーム本体10aとプリフォーム本体10aの外周面側に積層された被覆材層40とを備えたプリフォーム10を、ダブルモールド成形法により成形し、作製したプリフォーム10をブロー成形することによって、容器本体1aと被覆層4とが密着した容器1を製造することができる。このようにして製造した容器1では、被覆層4が容器本体1aに強く吸着して密着するので、比較的被覆層4が容器本体1aから剥がれにくい。これにより、容器1が環境中に流出した際に、水流によって被覆層4が容器本体1aから剥がれて分離することや、容器本体1aと被覆層4との間に水などが入り込むことにより被覆層4が剥離することを効果的に防ぐことができる。一方で、被覆層4は、手指で末端などを把持して容器本体1aから引き剥がすなどして、剥離することが可能である。このことは、使用後に廃棄する際に容器本体1aと被覆層4とを分別することを可能とし、容器本体1aのリサイクルにとって好ましい。
【0062】
また、前述の製造方法によれば、被覆層4が、胴部3の底面から周面の全面を覆うとともに、末端側が容器1のネックリング22の下面を覆いつつ、その末端がネックリング22の周端縁に達するように、容器本体1aの外周面側に積層することができる。これにより、被覆層4の厚みの増加を抑えながら、容器1における被覆層4の体積を増加させることができるため、好ましい。
【0063】
<第二の容器の製造方法>
第二の容器1の製造方法について説明する。容器1の被覆層4を、内部に多数の気泡を有する発泡層とするには、ダブルモールド成形法によってプリフォーム10を作製するに際し、被覆材層40を形成する樹脂材料に発泡剤を含侵させ、発泡剤を含む発泡性樹脂材料を用いて被覆材層40を射出成形すればよい。
【0064】
発泡剤には、例えば株式会社クレハ社製クレハマイクロスフェアーなどの熱膨張性発泡剤を用いることができる。熱膨張性発泡剤は加熱により体積膨張が起こるため、発泡剤を含む樹脂は、プリフォーム10から容器1にブロー成形する際に発泡する。そのため、容器1の成形性の観点から、熱膨張性発泡剤を用いるのが、好ましい。
被覆材層40を形成する樹脂材料に発泡性樹脂材料を用いる以外は、第一の容器1の製造方法と同様にして、容器1を作製することができる。
【0065】
<第三の容器の製造方法>
第三の容器1の製造方法について説明する。容器1の容器本体1aが、内部に多数の気泡を有する発泡構造を含むようにするには、ダブルモールド成形法によってプリフォーム10を作製するに際し、プリフォーム本体10aを形成する樹脂材料に発泡剤を含侵させ、発泡剤を含む発泡性樹脂材料を用いてプリフォーム本体10aを射出成形すればよい。
【0066】
発泡剤には、例えば株式会社クレハ社製クレハマイクロスフェアーなどの熱膨張性発泡剤を用いることができる。熱膨張性発泡剤を用いてプリフォーム本体10aを成形することで、発泡剤を含む樹脂は、プリフォーム10から容器1にブロー成形する際に発泡する。このような熱膨張性発泡剤を用いた容器1の作製において、容器本体1aの口部2を発泡させないようにするためには、プリフォーム本体10aの口部20について加熱させないように処理したうえでブロー成形するようにすればよい。プリフォーム本体10aを形成する樹脂材料に発泡性樹脂材料を用いることと、プリフォーム10から容器1にブロー成形する際に口部20について加熱させないように処理する以外は、第一の容器1の製造方法と同様にして、容器1を作製することができる。
また、容器本体1aの口部2を発泡させないようにするために、プリフォーム本体10aを射出成形する際に、発泡性樹脂を射出して胴部30を成形し、口部20は発泡剤を含まない樹脂材料で成形してもよい。
【0067】
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0068】
例えば、前出の説明では樹脂材料に含浸させる発泡剤として熱膨張性発泡剤を挙げたが、発泡剤は、二酸化炭素、窒素などの不活性ガスを物理発泡剤として用いてもよく、これらの不活性ガスを発生し得る炭酸化合物、アゾ化合物などを化学発泡剤として用いてもよい。
【0069】
容器1の製造方法は、ダブルモールド成形法によってプリフォーム本体10aの外周面側に被覆材層40が積層されたプリフォーム10を、二軸延伸ブロー成形などにより所定の容器形状に成形することによって製造する製造方法に限定されない。プリフォーム本体10aの外周面側にフィルムを装着することで、被覆材層40を備えたプリフォーム10とし、該プリフォーム10をブロー成形して容器1としてもよい。このとき、熱収縮などによってフィルムをプリフォーム本体10aに密着させてもよい。プリフォーム10をブロー成形して中間体を成形し、中間体に被覆層4となる熱収縮性フィルムを装着させて、さらにブロー成形して容器1としてもよい。容器1において、被覆層4が容器本体1aに強く密着することは、被覆層4が容器本体1aから剥がれにくくなるため好ましい。あるいは、容器本体1aをブロー成形した後に、容器本体1aに被覆層4を装着してもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 容器
1a 容器本体
2 口部
3 胴部
4 被覆層
10 プリフォーム
10a プリフォーム本体
40 被覆材層
図1
図2