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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080753
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/40 20240101AFI20240610BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193947
(22)【出願日】2022-12-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 株式会社TUMIXに販売を行うことを依頼し、株式会社TUMIXが販売を行った。(販売日:令和4年5月9日)
(71)【出願人】
【識別番号】592048475
【氏名又は名称】鈴与株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】小久保 輝夫
(72)【発明者】
【氏名】林 裕司
(72)【発明者】
【氏名】安藤 良成
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC42
5L050CC42
(57)【要約】
【課題】運転者が車両の運行をするための条件の確認を失念しづらくする。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る管理装置1は、運転者による車両の運行に関する業務の遂行の可否を判定するために用いられる判定対象値を取得する取得部113と、運転者に車両の運行を許可する許可条件を判定対象値が満たすか否かを判定する判定部114と、情報端末において、運転者が業務を開始又は終了したことを示す操作を行う際に表示される画面上に、判定対象値と、判定部による判定結果と、を関連付けて表示させる表示制御部111と、を有する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者による車両の運行に関する業務の遂行の可否を判定するために用いられる判定対象値を取得する取得部と、
前記運転者に車両の運行を許可する許可条件を前記判定対象値が満たすか否かを判定する判定部と、
情報端末において、前記運転者が業務を開始又は終了したことを示す操作を行う際に表示される画面上に、前記判定対象値と、前記判定部による判定結果と、を関連付けて表示させる表示制御部と、
を有する、管理装置。
【請求項2】
前記判定対象値が前記許可条件を満たすと前記判定部が判定した場合に、前記情報端末において前記運転者が業務を開始又は終了したことを示す操作を受け付ける受付部をさらに有する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記受付部は、前記判定対象値が前記許可条件を満たさないと前記判定部が判定した場合であって、前記情報端末において前記判定結果を前記判定対象値が前記許可条件を満たすように変更する操作を受け付けた場合に、前記情報端末において前記運転者が業務を開始又は終了したことを示す操作を受け付ける、
請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記判定対象値は、前記運転者が前の業務を終了した時刻から前記取得部が前記判定対象値を取得する時刻までの時間である休息時間を含み、
前記許可条件は、前記休息時間が閾値以上であることを含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項5】
前記判定対象値は、前記運転者の呼気に対するアルコール検査の結果に対応するアルコール検査値を含み、
前記許可条件は、前記アルコール検査値が示すアルコール濃度が閾値未満であることを含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項6】
前記判定対象値は、前記車両の点検の実施項目が多いほど大きな値を示す点検実施値を含み、
前記許可条件は、前記点検実施値が閾値以上であることを含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項7】
前記判定対象値は、前記運転者に対して業務の開始又は終了を指示された時刻と、前記取得部が前記判定対象値を取得する時刻と、の差を含み、
前記許可条件は、前記差が許容範囲内であることを含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項8】
前記情報端末において前記運転者が業務を開始したことを示す操作を行った後に、前記運転者が業務を開始した時刻と、前記運転者の所定期間における勤務時間と、の関係に対応する終了予定時刻を算出する算出部をさらに有し、
前記表示制御部は、前記終了予定時刻を前記情報端末に表示させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項9】
前記情報端末において前記運転者が業務を終了したことを示す操作を行った後に、前記運転者が業務を終了した時刻を基準とした開始可能時刻を算出する算出部をさらに有し、
前記表示制御部は、前記開始可能時刻を前記情報端末に表示させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項10】
前記取得部は、前記運転者の過去の勤務実績に応じて、前記運転者に解答を求める問題を取得し、
前記表示制御部は、前記情報端末において前記運転者が業務を開始又は終了したことを示す操作を行う前に、前記問題を前記情報端末に表示させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記運転者を管理する管理者が利用する管理者端末に、前記運転者が前記問題に正解したか否かに対応する情報を、前記運転者と関連付けて表示させる、
請求項10に記載の管理装置。
【請求項12】
プロセッサが実行する、
運転者による車両の運行に関する業務の遂行の可否を判定するために用いられる判定対象値を取得するステップと、
前記運転者に車両の運行を許可する許可条件を前記判定対象値が満たすか否かを判定するステップと、
情報端末において、前記運転者が業務を開始又は終了したことを示す操作を行う際に表示される画面上に、前記判定対象値と、前記判定するステップにおける判定結果と、を関連付けて表示させるステップと、
を有する、管理方法。
【請求項13】
プロセッサに、
運転者による車両の運行に関する業務の遂行の可否を判定するために用いられる判定対象値を取得するステップと、
前記運転者に車両の運行を許可する許可条件を前記判定対象値が満たすか否かを判定するステップと、
情報端末において、前記運転者が業務を開始又は終了したことを示す操作を行う際に表示される画面上に、前記判定対象値と、前記判定するステップにおける判定結果と、を関連付けて表示させるステップと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運行に関するデータを管理するための管理装置、管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両の運転者の運転免許証の画像データを読み取ったことに応じて、運転者の出勤時刻又は退勤時刻を記録するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-305812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両を運行する業務の安全性を向上させるために、運転者は業務の間に十分な時間の休息をとったり、業務の開始前に呼気中のアルコール濃度の確認を受けたりすることを条件として、車両の運行が認められる。従来、車両の運行をするための条件が満たされているか否かの確認は運転者又は管理者に任されていたため、ヒューマンエラーにより確認を失念して業務を開始してしまう場合があった。
【0005】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、運転者が車両の運行をするための条件の確認を失念しづらくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の管理装置は、運転者による車両の運行に関する業務の遂行の可否を判定するために用いられる判定対象値を取得する取得部と、前記運転者に車両の運行を許可する許可条件を前記判定対象値が満たすか否かを判定する判定部と、情報端末において、前記運転者が業務を開始又は終了したことを示す操作を行う際に表示される画面上に、前記判定対象値と、前記判定部による判定結果と、を関連付けて表示させる表示制御部と、を有する。
【0007】
前記管理装置は、前記判定対象値が前記許可条件を満たすと前記判定部が判定した場合に、前記情報端末において前記運転者が業務を開始又は終了したことを示す操作を受け付ける受付部をさらに有してもよい。
【0008】
前記受付部は、前記判定対象値が前記許可条件を満たさないと前記判定部が判定した場合であって、前記情報端末において前記判定結果を前記判定対象値が前記許可条件を満たすように変更する操作を受け付けた場合に、前記情報端末において前記運転者が業務を開始又は終了したことを示す操作を受け付けてもよい。
【0009】
前記判定対象値は、前記運転者が前の業務を終了した時刻から前記取得部が前記判定対象値を取得する時刻までの時間である休息時間を含み、前記許可条件は、前記休息時間が閾値以上であることを含んでもよい。
【0010】
前記判定対象値は、前記運転者の呼気に対するアルコール検査の結果に対応するアルコール検査値を含み、前記許可条件は、前記アルコール検査値が示すアルコール濃度が閾値未満であることを含んでもよい。
【0011】
前記判定対象値は、前記車両の点検の実施項目が多いほど大きな値を示す点検実施値を含み、前記許可条件は、前記点検実施値が閾値以上であることを含んでもよい。
【0012】
前記判定対象値は、前記運転者に対して業務の開始又は終了を指示された時刻と、前記取得部が前記判定対象値を取得する時刻と、の差を含み、前記許可条件は、前記差が許容範囲内であることを含んでもよい。
【0013】
前記管理装置は、前記情報端末において前記運転者が業務を開始したことを示す操作を行った後に、前記運転者が業務を開始した時刻と、前記運転者の所定期間における勤務時間と、の関係に対応する終了予定時刻を算出する算出部をさらに有し、前記表示制御部は、前記終了予定時刻を前記情報端末に表示させてもよい。
【0014】
前記管理装置は、前記情報端末において前記運転者が業務を終了したことを示す操作を行った後に、前記運転者が業務を終了した時刻を基準とした開始可能時刻を算出する算出部をさらに有し、前記表示制御部は、前記開始可能時刻を前記情報端末に表示させてもよい。
【0015】
前記取得部は、前記運転者の過去の勤務実績に応じて、前記運転者に解答を求める問題を取得し、前記表示制御部は、前記情報端末において前記運転者が業務を開始又は終了したことを示す操作を行う前に、前記問題を前記情報端末に表示させてもよい。
【0016】
前記表示制御部は、前記運転者を管理する管理者が利用する管理者端末に、前記運転者が前記問題に正解したか否かに対応する情報を、前記運転者と関連付けて表示させてもよい。
【0017】
本発明の第2の態様の管理方法は、プロセッサが実行する、運転者による車両の運行に関する業務の遂行の可否を判定するために用いられる判定対象値を取得するステップと、前記運転者に車両の運行を許可する許可条件を前記判定対象値が満たすか否かを判定するステップと、情報端末において、前記運転者が業務を開始又は終了したことを示す操作を行う際に表示される画面上に、前記判定対象値と、前記判定するステップにおける判定結果と、を関連付けて表示させるステップと、を有する。
【0018】
本発明の第3の態様のプログラムは、プロセッサに、運転者による車両の運行に関する業務の遂行の可否を判定するために用いられる判定対象値を取得するステップと、前記運転者に車両の運行を許可する許可条件を前記判定対象値が満たすか否かを判定するステップと、情報端末において、前記運転者が業務を開始又は終了したことを示す操作を行う際に表示される画面上に、前記判定対象値と、前記判定するステップにおける判定結果と、を関連付けて表示させるステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、運転者が車両の運行をするための条件の確認を失念しづらくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態に係る管理システムの模式図である。
図2】第2実施形態に係る管理システムのブロック図である。
図3】例示的な運転者指定画面を表示している操作端末の模式図である。
図4】例示的な操作受付画面を表示している操作端末の模式図である。
図5】例示的な操作受付画面を表示している操作端末の模式図である。
図6】例示的な業務開始画面を表示している操作端末の模式図である。
図7】例示的な操作受付画面を表示している操作端末の模式図である。
図8】例示的な操作受付画面を表示している操作端末の模式図である。
図9】例示的な業務終了画面を表示している操作端末の模式図である。
図10】第1実施形態に係る管理システムが実行する管理方法のシーケンス図である。
図11】問題表示画面を表示している操作端末の模式図である。
図12】第3実施形態に係る管理システムのブロック図である。
図13】選択部が行う処理を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1実施形態>
[管理システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る管理システムSの模式図である。管理システムSは、管理装置1と、入力装置2と、操作端末3と、管理者端末4と、を含む。管理システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0022】
管理装置1は、車両Vの運行に関する情報を管理する情報処理装置である。車両Vは、例えば、貨物を運送するためのトラック等の自動車である。管理装置1は、例えば、サーバ等のコンピュータである。管理装置1は、運転者による車両Vの運行に関する業務の遂行の可否を判定し、判定結果を操作端末3に表示させた上で、操作端末3において運転者が業務を開始又は終了したことを示す操作を受け付ける。運転者の業務は、車両Vの運転、車両Vのメンテナンス、車両Vに関する事務作業等、車両Vの運行に関する業務への従事を含む。管理装置1は、インターネット、ローカルエリアネットワーク等のネットワークを介して、入力装置2、操作端末3及び管理者端末4との間で通信を行う。
【0023】
入力装置2は、運転者による車両Vの運行に関する業務の遂行の可否を判定するために用いられる判定対象値を入力するための一又は複数の装置である。判定対象値は、例えば、運転者が車両Vの点検を実施したことを示す点検実施値や、運転者の呼気に対して測定されたアルコール濃度等を含む。入力装置2は、例えば、点検実施値を入力するための情報端末と、運転者の呼気に対してアルコール濃度を測定するためのアルコール検査装置と、のうち少なくとも1つを含む。また、入力装置2は、車両Vに設けられたデジタルタコグラフ等の車載コンピュータを含んでもよい。
【0024】
入力装置2は、判定対象値を、無線通信又は有線通信により管理装置1に送信する。入力装置2は、ここに示した具体的な判定対象値に限られず、運転者による車両Vの運行に関するその他の判定対象値を管理装置1に入力してもよい。
【0025】
操作端末3は、業務を開始又は終了したことを示す操作を車両Vの運転者から受け付けるための情報端末である。操作端末3は、例えば、運転者が勤務する事業所に設置された情報端末である。また、操作端末3は、運転者によって持ち運び可能な情報端末であってもよい。操作端末3は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等のコンピュータである。また、操作端末3は、車両Vに設けられたデジタルタコグラフ等の車載コンピュータであってもよい。操作端末3は、例えば、管理装置1から受信した情報を表示可能な液晶ディスプレイ等の表示部と、運転者による操作を受け付け可能なタッチパネルやキーボード等の操作部と、を有する。
【0026】
管理者端末4は、管理者が利用する情報端末である。管理者は、例えば、運転者又は車両Vを管理する事業者の従業員である。管理者端末4は、例えば、管理者が勤務する事業所に設置された情報端末である。また、管理者端末4は、管理者によって持ち運び可能な情報端末であってもよい。管理者端末4は、例えば、管理装置1から受信した情報を表示可能な液晶ディスプレイ等の表示部と、管理者による操作を受け付け可能なタッチパネルやキーボード等の操作部と、を有する。
【0027】
本実施形態に係る管理システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。管理装置1は、入力装置2から、運転者による車両Vの運行に関する業務の遂行の可否を判定するために用いられる判定対象値を取得する(a)。また、管理装置1は、管理装置1の記憶部、管理者端末4又は管理装置1と通信可能なシステム(配車システム等)から、判定対象値を取得してもよい。
【0028】
管理装置1は、取得した判定対象値が、運転者に車両Vの運行を許可する許可条件を満たすか否かを判定する(b)。許可条件は、例えば、判定対象値が閾値以下であること、閾値未満であること、閾値以上であること又は閾値を超えることである。
【0029】
管理装置1は、操作端末3において、運転者が業務を開始又は終了したことを示す操作を行う際に表示される画面上に、判定対象値と、当該判定対象値に対する判定結果と、を関連付けて表示させる(c)。
【0030】
管理装置1は、判定対象値及び判定結果を表示した操作端末3において、運転者が業務を開始又は終了したことを示す操作を受け付ける(d)。管理装置1は、運転者から受け付けた操作に基づいて、運転者が業務を開始及び終了した時刻を含む勤怠情報を記録する。
【0031】
このような構成により、管理システムSは、運転者が車両Vの運行をするための条件が満たされているか否かの判定結果を操作端末3上に表示した上で、操作端末3において運転者から業務を開始又は終了したことを示す操作を受け付けるため、運転者が車両Vの運行をするための条件の確認を失念しづらくすることができる。
【0032】
[管理システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る管理システムSのブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示していないデータの流れがあってもよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0033】
管理装置1は、制御部11と、記憶部12と、を有する。管理装置1は、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。また、管理装置1は、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。
【0034】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部11が実行するプログラムを予め記憶している。また、記憶部12は、判定対象値に対する許可条件を示す情報を予め記憶している。また、記憶部12は、複数の運転者それぞれが業務を開始及び終了した時刻を含む勤怠情報を記憶する。記憶部12は、管理装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部11との間でデータの授受を行ってもよい。
【0035】
制御部11は、表示制御部111と、受付部112と、取得部113と、判定部114と、算出部115と、を有する。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部111、受付部112、取得部113、判定部114及び算出部115として機能する。また、制御部11の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0036】
以下、本実施形態に係る管理システムSが実行する管理方法を詳細に説明する。まず表示制御部111は、運転者の指定を受け付けるための運転者指定画面を操作端末3に表示させる。表示制御部111は、例えば、指定可能な複数の運転者の名前を表示するための表示情報を、操作端末3に送信する。操作端末3は、管理装置1から受信した表示情報に従って、複数の運転者の中からいずれかの運転者の指定を受け付ける運転者指定画面を表示部上に表示する。
【0037】
図3は、例示的な運転者指定画面を表示している操作端末3の模式図である。操作端末3は、例えば、運転者指定画面において、運転者の名前の頭文字の指定を受け付け、指定された頭文字に該当する一又は複数の運転者の名前を表示する。操作端末3は、例えば、表示した一又は複数の運転者の名前から選択されたいずれか1つの名前に対応する運転者を示す情報を、管理装置1に送信する。
【0038】
また、操作端末3は、カードリーダ等の読取装置を用いて、運転者が提示したIC(Integrated Circuit)カードや磁気カードから取得した情報を、運転者を示す情報として管理装置1に送信してもよい。
【0039】
管理装置1において、受付部112は、操作端末3から受信した情報が示す運転者を、指定された運転者として受け付ける。以下、管理装置1は、操作端末3において指定された運転者を対象として処理を行う。
【0040】
受付部112が操作端末3(図3の運転者指定画面)において指定された運転者を受け付けた際に、取得部113は、記憶部12に記憶された運転者の勤怠情報を取得する。取得部113は、取得した勤怠情報が、運転者が当日にまだ業務を開始していないことを示す場合(勤怠情報が当日の開始時刻を含まない場合等)に、業務開始時に運転者による車両Vの運行に関する業務の遂行の可否を判定するために用いられる判定対象値を取得する。
【0041】
業務開始時の判定に用いられる判定対象値は、例えば、車両Vの点検の実施項目が多いほど大きな値を示す点検実施値を含む。点検実施値は、例えば、車両Vの点検が当日に実施された場合に第1値をとり、車両Vの点検が当日に実施されていない場合に第1値より小さい第2値をとる。また、点検実施値は、車両Vの点検の複数の実施項目のうち、当日に実施された一又は複数の実施項目の数が多いほど大きい値をとり、少ないほど小さい値をとってもよい。また、点検実施値は、車両Vの点検が行われた時刻を含んでもよい。点検実施値は、ここに示した具体的な値に限られず、車両Vの点検の実施状況に対応するその他の値であってもよい。
【0042】
入力装置2は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の情報端末であり、運転者から車両Vの点検の実施状況(実施項目の内容、点検が行われた時刻等)の入力を受け付ける。入力装置2は、入力された当日の実施状況を含む点検情報を、管理装置1に送信する。管理装置1において、取得部113は、入力装置2から点検情報を受信した場合に、当該点検情報が含む実施状況に対応する点検実施値を判定対象値として取得する。取得部113は、入力装置2から点検情報を受信していない場合に、車両Vの点検が当日に実施されていないことを示す点検実施値を判定対象値として取得する。
【0043】
業務開始時の判定に用いられる判定対象値は、例えば、運転者の呼気に対するアルコール検査の結果に対応するアルコール検査値を含む。アルコール検査値は、例えば、運転者の呼気に対して測定されたアルコール濃度の値、又は業務開始時にアルコール検査が実施されていないことを示す値をとる。
【0044】
入力装置2は、例えば、アルコール検査装置であり、運転者による操作に応じて運転者の呼気に対してアルコール濃度の測定を行う。入力装置2は、測定されたアルコール濃度を含む検査情報を、管理装置1に送信する。管理装置1において、取得部113は、入力装置2から業務開始時の検査情報を受信した場合に、当該検査情報が含むアルコール濃度を示すアルコール検査値を判定対象値として取得する。取得部113は、入力装置2から業務開始時の検査情報を受信していない場合に、業務開始時にアルコール検査が実施されていないことを示すアルコール検査値を判定対象値として取得する。
【0045】
業務開始時の判定に用いられる判定対象値は、例えば、運転者が前の業務を終了した時刻から取得部113が判定対象値を取得する時刻(現在時刻等)までの時間である休息時間を含む。取得部113は、例えば、記憶部12に記憶された運転者の勤怠情報を取得し、取得した勤怠情報が示す前日の業務の終了時刻から現在時刻までの時間を休息時間として特定し、特定した休息時間を判定対象値として取得する。
【0046】
業務開始時の判定に用いられる判定対象値は、例えば、運転者に対して業務の開始を指示された指示時刻と、取得部113が判定対象値を取得する時刻(現在時刻等)と、の差を含む。取得部113は、例えば、管理者端末4又は管理装置1と通信可能なシステム(配車システム等)から、管理者から運転者に対して業務の開始を指示された指示時刻を含む指示情報を取得し、取得した指示情報が示す指示時刻と現在時刻との差を特定し、特定した差を判定対象値として取得する。
【0047】
判定部114は、運転者に車両Vの運行を許可する許可条件を判定対象値が満たすか否かを判定する。判定部114は、例えば、記憶部12に予め記憶された、業務開始時の判定に用いられる判定対象値に対する許可条件を示す情報を取得する。判定部114は、一又は複数の判定対象値それぞれが、当該判定対象値に対する許可条件を満たすか否かを判定する。
【0048】
許可条件は、例えば、判定対象値である点検実施値が閾値以上(例えば、車両Vの点検が当日に実施されたことを示す値以上)であることを含んでもよい。また、許可条件は、例えば、判定対象値であるアルコール検査値が示すアルコール濃度が閾値未満(例えば、0.15mg/L未満)であることを含んでもよい。また、許可条件は、判定対象値である休息時間が閾値以上(例えば、8時間以上)であることを含んでもよい。また、許可条件は、判定対象値である指示時刻と現在時刻との差が許容範囲内であることを含んでもよい。
【0049】
許可条件は、管理者端末4において管理者によって指定されてもよい。管理者端末4は、例えば、点検実施値、アルコール検査値又は休息時間の閾値の指定を管理者から受け付け、指定された閾値を管理装置1に送信する。また、管理者端末4は、例えば、指示時刻と現在時刻との差の許容範囲の指定を管理者から受け付け、指定された許容範囲を管理装置1に送信する。指示時刻と現在時刻との差の許容範囲は、現在時刻が指示時刻よりも早い場合(早出等)と現在時刻が指示時刻よりも遅い場合(遅刻等)とで異なる範囲が指定されてもよい。記憶部12には、管理者端末4において指定された許可条件を示す情報が記憶される。これにより、管理システムSは、許可条件に管理者の意向を反映し、柔軟に許可条件を設定することができる。
【0050】
表示制御部111は、操作端末3において、運転者が業務を開始したことを示す操作を行う際に表示される操作受付画面上に、一又は複数の判定対象値と、当該判定対象値に対する判定部114による判定結果と、を関連付けて表示させる。表示制御部111は、例えば、運転者の一又は複数の判定対象値と、当該判定対象値に対する判定結果と、を関連付けて表示するための表示情報を、操作端末3に送信する。操作端末3は、管理装置1から受信した表示情報に従って、操作受付画面を表示部上に表示する。
【0051】
図4は、許可条件を満たしていない判定対象値がある場合の例示的な操作受付画面を表示している操作端末3の模式図である。操作受付画面は、例えば、判定対象値を表す判定対象値領域31と、判定結果を表す判定結果領域32と、運転者から業務を開始したことを示す操作を受け付けるための操作領域33と、を含む。
【0052】
図4の例では、判定対象値領域31は、判定対象値である休息時間、点検実施値、指示時刻と現在時刻との差及びアルコール検査値に対応する情報を表示している。判定対象値領域31は、判定対象値自体を表示してもよく、判定対象値に対応する所定の情報(車両Vの点検やアルコール検査の時刻等)を表示してもよい。
【0053】
判定結果領域32は、判定対象値である休息時間、点検実施値、指示時刻と現在時刻との差及びアルコール検査値それぞれに対する判定結果を表示している。判定結果は、例えば、判定対象値が許可条件を満たす場合と満たさない場合とで異なる記号(「〇」や「×」等)又は文字(「要」等)を表示する。
【0054】
図4の例では、アルコール検査値が許可条件を満たしていないことを判定結果が示しているため、アルコール検査値に関連付けられた判定結果領域32に「要」の文字が表示されている。一方、休息時間、点検実施値及び指示時刻と現在時刻との差が許可条件を満たしていることを判定結果が示しているため、休息時間、点検実施値及び指示時刻と現在時刻との差に関連付けられた判定結果領域32それぞれに「〇」の記号が表示されている。
【0055】
これにより、管理システムSは、運転者から業務を開始したことを示す操作を受け付ける画面上で、一又は複数の判定対象値それぞれが許可条件を満たしているかを運転者が容易に確認できるようにし、運転者が車両Vの運行を開始するための条件の確認を失念しづらくすることができる。
【0056】
運転者は、操作受付画面においていずれかの判定対象値が許可条件を満たしていないことを認識した場合に、入力装置2を用いて改めて判定対象値を入力する。点検実施値が許可条件を満たしていない場合に、運転者は、入力装置2を用いて車両Vの点検の実施状況を入力してもよい。アルコール検査値が許可条件を満たしていない場合に、運転者は、入力装置2を用いて運転者の呼気に対してアルコール濃度の測定を行ってもよい。
【0057】
また、休息時間又は指示時刻と現在時刻との差が許可条件を満たしていない場合に、運転者は、休息時間が閾値以上になるまで、又は指示時刻と現在時刻との差が許容範囲内になるまで待っていてもよい。
【0058】
取得部113は、所定の時間間隔で、又は操作端末3において所定の操作(更新ボタンの選択等)が行われた場合に、業務開始時に運転者による車両Vの運行に関する業務の遂行の可否を判定するために用いられる判定対象値を再び取得する。判定部114は、運転者に車両Vの運行を許可する許可条件を判定対象値が満たすか否かを再び判定する。
【0059】
表示制御部111は、操作端末3において、運転者が業務を開始したことを示す操作を行う際に表示される操作受付画面上に、判定対象値と、判定部114による判定結果と、を関連付けて再び表示させる。
【0060】
図5は、許可条件を満たしていない判定対象値がない場合の例示的な操作受付画面を表示している操作端末3の模式図である。図5の例では、全ての判定対象値が許可条件を満たしていることを判定結果が示している。そのため、全ての判定対象値に関連付けられた判定結果領域32それぞれに「〇」の記号が表示されている。
【0061】
受付部112は、全ての判定対象値が許可条件を満たすと判定部114が判定した場合に、操作端末3において運転者が業務を開始したことを示す操作を受け付ける。受付部112は、運転者から業務を開始したことを示す操作を受け付けるように操作領域33を制御する。受付部112は、例えば、操作領域33が含む、業務を開始したことを示す出勤ボタンを有効化する。受付部112は、操作端末3において運転者が業務を開始したことを示す操作が行われたことを示す操作情報を受け付けたことに応じて、当該操作が行われた時刻を運転者が業務を開始した開始時刻として含む勤怠情報を、記憶部12に記憶させる。
【0062】
一方、受付部112は、少なくとも一部の判定対象値が許可条件を満たさないと判定部114が判定した場合に、操作端末3において運転者が業務を開始したことを示す操作を受け付けない。図4の例では、アルコール検査値が許可条件を満たしていないことを判定結果が示しているため、受付部112は、運転者から業務を開始したことを示す操作を受け付けないように操作領域33を制御する。受付部112は、例えば、操作領域33が含む、業務を開始したことを示す出勤ボタンを無効化する。
【0063】
これにより、管理システムSは、運転者から業務を開始したことを示す操作を受け付ける画面上で、一又は複数の判定対象値のいずれかが許可条件を満たしていない場合には運転者が業務を開始したことを示す操作を受け付けないようにし、運転者が車両Vの運行を開始するための条件を遵守するように促すことができる。
【0064】
受付部112は、少なくとも一部の判定対象値が許可条件を満たさないと判定部114が判定した場合であって、操作端末3において判定結果を判定対象値が許可条件を満たすように変更する操作を受け付けた場合に、操作端末3において運転者が業務を開始したことを示す操作を受け付けてもよい。受付部112は、例えば、許可条件を満たさない判定対象値に対応する判定対象値領域31又は判定結果領域32を選択する操作を運転者から受け付けた場合に、選択された判定対象値領域31又は判定結果領域32に対応する判定対象値が許可条件を満たすように、判定部114による判定結果を変更する。
【0065】
受付部112は、判定部114による判定結果を変更することにより全ての判定対象値が許可条件を満たす場合に、操作端末3において運転者が業務を開始したことを示す操作を受け付ける。受付部112は、運転者による操作に応じて判定結果を変更した場合に、運転者による操作に応じて判定結果を変更したことを示す情報を記憶部12に記憶させ、管理者端末4に通知する。
【0066】
これにより、管理システムSは、判定対象値が許可条件を満たしていない場合であっても、運転者による操作に応じて判定結果を変更できるようにすることにより、業務の遂行が滞らないようにすることができる。また、管理システムSは、運転者による操作に応じて判定結果が変更されたことを記録及び管理者に通知することによって、管理システムSによる判定対象値が許可条件を満たすか否かの判定結果が無駄にならないようにすることができる。
【0067】
操作端末3において運転者が業務を開始したことを示す操作を行った後に、算出部115は、運転者が業務を開始した開始時刻を基準とした、運転者が業務を終了する終了予定時刻を算出する。算出部115は、例えば、開始時刻より所定時間後の時刻を、終了予定時刻として算出する。終了予定時刻は、例えば、運転者が業務を終了することが必要な最も遅い時刻(退勤上限時刻等)であってもよく、運転者が業務を終了することが見込まれる通常の時刻(終業時刻等)であってもよい。
【0068】
また、算出部115は、運転者が業務を開始した開始時刻と、運転者の所定期間(1週間、1か月等)における勤務時間と、の関係に対応する終了予定時刻を算出してもよい。運転者において、例えば、15時間を超える勤務時間(拘束時間等)の業務は、1週間に2日以内と定められている場合がある。このような場合に、算出部115は、記憶部12に記憶された運転者の過去の勤怠情報に基づいて、直近の1週間において15時間を超える勤務時間の業務がまだ2日に達していない場合に、開始時刻より第1時間(例えば、16時間)後の時刻を終了予定時刻として算出し、既に2日に達している場合に、開始時刻より第2時間(例えば、13時間)後の時刻を終了予定時刻として算出する。これにより、管理システムSは、運転者の過去の勤務実績に基づいて、提案する終了予定時刻を切り替えることができる。
【0069】
表示制御部111は、運転者が業務を開始した開始時刻と、算出部115が算出した終了予定時刻と、を操作端末3に表示させる。また、表示制御部111は、運転者に対して業務の開始を指示された指示時刻と、記憶部12に記憶されている運転者の直近の勤怠情報と、を操作端末3に表示させてもよい。表示制御部111は、例えば、開始時刻、終了予定時刻、指示時刻及び勤怠情報を表示するための表示情報を、操作端末3に送信する。操作端末3は、管理装置1から受信した表示情報に従って、業務開始画面を表示部上に表示する。
【0070】
図6は、例示的な業務開始画面を表示している操作端末3の模式図である。業務開始画面は、例えば、開始時刻、終了予定時刻、指示時刻及び勤怠情報を含む。業務開始画面は、運転者の業務に関するその他の情報を含んでもよい。
【0071】
判定部114が、業務開始時の判定に用いられる全ての判定対象値が許可条件を満たしていると判定した場合に、受付部112は、操作端末3において運転者が業務を開始したことを示す操作を受け付けることなく、運転者が業務を開始したことを特定してもよい。この場合に、受付部112は、業務開始時の判定に用いられる全ての判定対象値が許可条件を満たした時刻を運転者が業務を開始した開始時刻として含む勤怠情報を、記憶部12に記憶させる。
【0072】
そして表示制御部111は、受付部112が操作端末3において運転者が業務を開始したことを示す操作を受け付けることなく、図6に示した業務開始画面を操作端末3に表示させる。これにより、管理システムSは、運転者が業務を開始したことを示す操作を行う手間を削減できる。
【0073】
受付部112が操作端末3(図3の運転者指定画面)において指定された運転者を受け付けた際に、取得部113は、運転者の勤怠情報が、運転者が当日に既に業務を開始したことを示す場合(勤怠情報が当日の開始時刻を含む場合等)に、業務終了時に運転者による車両Vの運行に関する業務の遂行の可否を判定するために用いられる判定対象値を取得する。
【0074】
業務終了時の判定に用いられる判定対象値は、例えば、運転者の呼気に対するアルコール検査の結果に対応するアルコール検査値を含む。アルコール検査値は、例えば、運転者の呼気に対して測定されたアルコール濃度の値、又は業務終了時にアルコール検査が実施されていないことを示す値をとる。取得部113は、業務開始時と同様にアルコール検査装置である入力装置2から業務終了時のアルコール検査値を判定対象値として取得する。また、取得部113は、入力装置2から業務終了時のアルコール濃度を示す情報を受信していない場合に、業務終了時にアルコール検査が実施されていないことを示すアルコール検査値を判定対象値として取得する。
【0075】
業務終了時の判定に用いられる判定対象値は、例えば、運転者に対して業務の終了を指示された指示時刻と、取得部113が判定対象値を取得する時刻(現在時刻等)と、の差を含む。取得部113は、例えば、管理者端末4又は管理装置1と通信可能なシステム(配車システム等)から、管理者から運転者に対して業務の終了を指示された指示時刻を含む指示情報を取得し、取得した指示情報が示す指示時刻と現在時刻との差を特定し、特定した差を判定対象値として取得する。
【0076】
このように、管理システムSは、業務開始時と業務終了時とで異なる判定対象値を取得することにより、業務開始時及び業務終了時それぞれに適した指標を用いて、運転者が車両Vの運行をするための条件を判定することができる。
【0077】
判定部114は、運転者に車両Vの運行を許可する許可条件を判定対象値が満たすか否かを判定する。判定部114は、例えば、記憶部12に予め記憶された、業務終了時の判定に用いられる判定対象値に対する許可条件を示す情報を取得する。判定部114は、一又は複数の判定対象値それぞれが、当該判定対象値に対する許可条件を満たすか否かを判定する。
【0078】
許可条件は、例えば、判定対象値であるアルコール検査値が示すアルコール濃度が閾値未満(例えば、0.15mg/L未満)であることを含んでもよい。また、許可条件は、判定対象値である指示時刻と現在時刻との差が許容範囲内であることを含んでもよい。
【0079】
許可条件は、管理者端末4において管理者によって指定されてもよい。管理者端末4は、例えば、アルコール検査値の閾値の指定を管理者から受け付け、指定された閾値を管理装置1に送信する。また、管理者端末4は、例えば、指示時刻と現在時刻との差の許容範囲の指定を管理者から受け付け、指定された許容範囲を管理装置1に送信する。指示時刻と現在時刻との差の許容範囲は、現在時刻が指示時刻よりも早い場合と現在時刻が指示時刻よりも遅い場合とで異なる範囲が指定されてもよい。記憶部12には、管理者端末4において指定された許可条件を示す情報が記憶される。これにより、管理システムSは、許可条件に管理者の意向を反映し、柔軟に許可条件を設定することができる。
【0080】
表示制御部111は、操作端末3において、運転者が業務を終了したことを示す操作を行う際に表示される操作受付画面上に、一又は複数の判定対象値と、当該判定対象値に対する判定部114による判定結果と、を関連付けて表示させる。表示制御部111は、例えば、運転者の一又は複数の判定対象値と、当該判定対象値に対する判定結果と、を関連付けて表示するための表示情報を、操作端末3に送信する。操作端末3は、管理装置1から受信した表示情報に従って、操作受付画面を表示部上に表示する。
【0081】
図7は、許可条件を満たしていない判定対象値がある場合の例示的な操作受付画面を表示している操作端末3の模式図である。操作受付画面は、例えば、判定対象値を表す判定対象値領域31と、判定結果を表す判定結果領域32と、運転者から業務を終了したことを示す操作を受け付けるための操作領域33と、を含む。
【0082】
図7の例では、判定対象値領域31は、判定対象値である指示時刻と現在時刻との差及びアルコール検査値に対応する情報を表示している。判定対象値領域31は、判定対象値自体を表示してもよく、判定対象値に対応する所定の情報(アルコール検査の時刻等)を表示してもよい。
【0083】
判定結果領域32は、判定対象値である指示時刻と現在時刻との差及びアルコール検査値それぞれに対する判定結果を表示している。判定結果は、例えば、判定対象値が許可条件を満たす場合と満たさない場合とで異なる記号(「〇」や「×」等)又は文字(「要」等)を表示する。
【0084】
図7の例では、アルコール検査値が許可条件を満たしていないことを判定結果が示しているため、アルコール検査値に関連付けられた判定結果領域32に「要」の文字が表示されている。一方、指示時刻と現在時刻との差が許可条件を満たしていることを判定結果が示しているため、指示時刻と現在時刻との差に関連付けられた判定結果領域32に「〇」の記号が表示されている。
【0085】
これにより、管理システムSは、運転者から業務を終了したことを示す操作を受け付ける画面上で、一又は複数の判定対象値それぞれが許可条件を満たしているかを運転者が容易に確認できるようにし、運転者が車両Vの運行を終了するための条件の確認を失念しづらくすることができる。
【0086】
運転者は、操作受付画面においていずれかの判定対象値が許可条件を満たしていないことを認識した場合に、入力装置2を用いて改めて判定対象値を入力する。アルコール検査値が許可条件を満たしていない場合に、運転者は、入力装置2を用いて運転者の呼気に対してアルコール濃度の測定を行ってもよい。また、指示時刻と現在時刻との差が許可条件を満たしていない場合に、運転者は、指示時刻と現在時刻との差が許容範囲内になるまで待っていてもよい。
【0087】
取得部113は、所定の時間間隔で、又は操作端末3において所定の操作(更新ボタンの選択等)が行われた場合に、業務終了時に運転者による車両Vの運行に関する業務の遂行の可否を判定するために用いられる判定対象値を再び取得する。判定部114は、運転者に車両Vの運行を許可する許可条件を判定対象値が満たすか否かを再び判定する。
【0088】
表示制御部111は、操作端末3において、運転者が業務を終了したことを示す操作を行う際に表示される操作受付画面上に、判定対象値と、判定部114による判定結果と、を関連付けて再び表示させる。
【0089】
図8は、許可条件を満たしていない判定対象値がない場合の例示的な操作受付画面を表示している操作端末3の模式図である。図8の例では、全ての判定対象値が許可条件を満たしていることを判定結果が示している。そのため、全ての判定対象値に関連付けられた判定結果領域32それぞれに「〇」の記号が表示されている。
【0090】
受付部112は、全ての判定対象値が許可条件を満たすと判定部114が判定した場合に、操作端末3において運転者が業務を終了したことを示す操作を受け付ける。受付部112は、運転者から業務を終了したことを示す操作を受け付けるように操作領域33を制御する。受付部112は、例えば、操作領域33が含む、業務を終了したことを示す退勤ボタンを有効化する。受付部112は、操作端末3において運転者が終了したことを示す操作が行われたことを示す操作情報を受け付けたことに応じて、当該操作が行われた時刻を運転者が業務を終了した終了時刻として含む勤怠情報を、記憶部12に記憶させる。
【0091】
一方、受付部112は、少なくとも一部の判定対象値が許可条件を満たさないと判定部114が判定した場合に、操作端末3において運転者が業務を終了したことを示す操作を受け付けない。図7の例では、アルコール検査値が許可条件を満たしていないことを判定結果が示しているため、受付部112は、運転者から業務を終了したことを示す操作を受け付けないように操作領域33を制御する。受付部112は、例えば、操作領域33が含む、業務を終了したことを示す退勤ボタンを無効化する。
【0092】
これにより、管理システムSは、運転者から業務を終了したことを示す操作を受け付ける画面上で、一又は複数の判定対象値のいずれかが許可条件を満たしていない場合には運転者が業務を終了したことを示す操作を受け付けないようにし、運転者が車両Vの運行を終了するための条件を遵守するように促すことができる。
【0093】
受付部112は、少なくとも一部の判定対象値が許可条件を満たさないと判定部114が判定した場合であって、操作端末3において判定結果を判定対象値が許可条件を満たすように変更する操作を受け付けた場合に、操作端末3において運転者が業務を終了したことを示す操作を受け付けてもよい。受付部112は、例えば、許可条件を満たさない判定対象値に対応する判定対象値領域31又は判定結果領域32を選択する操作を運転者から受け付けた場合に、選択された判定対象値領域31又は判定結果領域32に対応する判定対象値が許可条件を満たすように、判定部114による判定結果を変更する。
【0094】
受付部112は、判定部114による判定結果を変更することにより全ての判定対象値が許可条件を満たす場合に、操作端末3において運転者が業務を終了したことを示す操作を受け付ける。受付部112は、運転者による操作に応じて判定結果を変更した場合に、運転者による操作に応じて判定結果を変更したことを示す情報を記憶部12に記憶させ、管理者端末4に通知する。
【0095】
これにより、管理システムSは、判定対象値が許可条件を満たしていない場合であっても、運転者による操作に応じて判定結果を変更できるようにすることにより、業務の遂行が滞らないようにすることができる。また、管理システムSは、運転者による操作に応じて判定結果が変更されたことを記録及び管理者に通知することによって、管理システムSによる判定対象値が許可条件を満たすか否かの判定結果が無駄にならないようにすることができる。
【0096】
操作端末3において運転者が業務を終了したことを示す操作を行った後に、算出部115は、運転者が業務を終了した終了時刻を基準とした、運転者が次に業務を開始可能な開始可能時刻を算出する。算出部115は、例えば、終了時刻より所定時間後の時刻を、開始可能時刻として算出する。開始可能時刻は、例えば、運転者が次に業務を開始することが可能な最も早い時刻(出勤可能時刻等)であってもよく、運転者が次に業務を開始することが見込まれる通常の時刻(始業時刻等)であってもよい。
【0097】
表示制御部111は、算出部115が算出した開始可能時刻と、運転者に対して次に業務の開始を指示された指示時刻と、を操作端末3に表示させる。表示制御部111は、例えば、開始可能時刻及び指示時刻を表示するための表示情報を、操作端末3に送信する。操作端末3は、管理装置1から受信した表示情報に従って、業務終了画面を表示部上に表示する。
【0098】
図9は、例示的な業務終了画面を表示している操作端末3の模式図である。業務終了画面は、例えば、開始可能時刻及び指示時刻を含む。業務終了画面は、運転者の業務に関するその他の情報を含んでもよい。
【0099】
判定部114が、業務終了時の判定に用いられる全ての判定対象値が許可条件を満たしていると判定した場合に、受付部112は、操作端末3において運転者が業務を終了したことを示す操作を受け付けることなく、運転者が業務を終了したことを特定してもよい。この場合に、受付部112は、業務終了時の判定に用いられる全ての判定対象値が許可条件を満たした時刻を運転者が業務を終了した終了時刻として含む勤怠情報を、記憶部12に記憶させる。
【0100】
そして表示制御部111は、受付部112が操作端末3において運転者が業務を終了したことを示す操作を受け付けることなく、図9に示した業務終了画面を操作端末3に表示させる。これにより、管理システムSは、運転者が業務を終了したことを示す操作を行う手間を削減できる。
【0101】
[管理方法のシーケンス]
図10は、本実施形態に係る管理システムSが実行する管理方法のシーケンス図である。管理装置1において、受付部112は、操作端末3において運転者の指定を受け付ける(S11)。操作端末3は、例えば、一又は複数の運転者の名前から選択されたいずれか1つの名前に対応する運転者を示す情報を、管理装置1に送信する。また、操作端末3は、カードリーダ等の読取装置を用いて、運転者が提示したICカードや磁気カードから取得した情報を、運転者を示す情報として管理装置1に送信してもよい。
【0102】
受付部112が操作端末3において指定された運転者を受け付けた際に、取得部113は、記憶部12に記憶された運転者の勤怠情報を取得する。取得部113は、取得した勤怠情報が、運転者が当日にまだ業務を開始していないことを示す場合に(S12のYES)、業務開始時に運転者による車両Vの運行に関する業務の遂行の可否を判定するために用いられる判定対象値を取得する(S13)。
【0103】
判定部114は、運転者に車両Vの運行を許可する許可条件を判定対象値が満たすか否かを判定する(S14)。判定部114は、例えば、記憶部12に予め記憶された、業務開始時の判定に用いられる判定対象値に対する許可条件を示す情報を取得する。判定部114は、一又は複数の判定対象値それぞれが、当該判定対象値に対する許可条件を満たすか否かを判定する。
【0104】
少なくとも一部の判定対象値が許可条件を満たさないと判定部114が判定した場合に(S15のNO)、管理装置1は、ステップS13~S14を繰り返す。全ての判定対象値が許可条件を満たすと判定部114が判定した場合に(S15のYES)、受付部112は、操作端末3において運転者が業務を開始したことを示す操作を受け付ける(S16)。受付部112は、操作端末3において運転者が開始したことを示す操作が行われたことを示す操作情報を受け付けたことに応じて、当該操作が行われた時刻を運転者が業務を開始した開始時刻として含む勤怠情報を、記憶部12に記憶させる。
【0105】
取得部113は、取得した勤怠情報が、運転者が当日に既に業務を開始したことを示す場合に(S12のNO)、業務終了時に運転者による車両Vの運行に関する業務の遂行の可否を判定するために用いられる判定対象値を取得する(S17)。
【0106】
判定部114は、運転者に車両Vの運行を許可する許可条件を判定対象値が満たすか否かを判定する(S18)。判定部114は、例えば、記憶部12に予め記憶された、業務終了時の判定に用いられる判定対象値に対する許可条件を示す情報を取得する。判定部114は、一又は複数の判定対象値それぞれが、当該判定対象値に対する許可条件を満たすか否かを判定する。
【0107】
少なくとも一部の判定対象値が許可条件を満たさないと判定部114が判定した場合に(S19のNO)、管理装置1は、ステップS17~S18を繰り返す。全ての判定対象値が許可条件を満たすと判定部114が判定した場合に(S19のYES)、受付部112は、操作端末3において運転者が業務を終了したことを示す操作を受け付ける(S20)。受付部112は、操作端末3において運転者が終了したことを示す操作が行われたことを示す操作情報を受け付けたことに応じて、当該操作が行われた時刻を運転者が業務を終了した終了時刻として含む勤怠情報を、記憶部12に記憶させる。
【0108】
[本実施形態の効果]
本実施形態に係る管理システムSにおいて、管理装置1は、運転者が車両Vの運行をするための条件が満たされているか否かの判定結果を操作端末3上に表示した上で、操作端末3において運転者から業務を開始又は終了したことを示す操作を受け付ける。これにより、管理システムSは、一又は複数の判定対象値それぞれが許可条件を満たしているかを運転者が容易に確認できるようにし、運転者が車両Vの運行を開始又は終了するための条件の確認を失念しづらくすることができる。
【0109】
<第2実施形態>
本実施形態において、管理装置1は、操作端末3において運転者に業務に関する問題を表示させ、当該問題に対する運転者からの解答を求めた上で運転者から業務を開始又は終了したことを示す操作を受け付ける。以下、第1実施形態とは異なる点を主に説明する。
【0110】
記憶部12は、運転者に解答を求める問題を示す複数の問題情報が予め記憶している。問題情報は、例えば、運転者による車両Vの運行に関する問題を表す文字列と、当該問題に対する解答と、を関連付けた情報である。また、問題情報は、問題を表示するための表示条件に関連付けられてもよい。表示条件は、例えば、当日を基準とした所定期間内(過去1週間等)に運転者の所定の判定対象値が許可条件を満たさなかったことである。
【0111】
受付部112が操作端末3(例えば、図3の運転者指定画面)において指定された運転者を受け付けた際に、取得部113は、記憶部12に記憶された問題情報を取得する。取得部113は、例えば、記憶部12に記憶された複数の問題情報の中から無作為にいずれか1つの問題情報を取得する。
【0112】
表示制御部111は、受付部112が操作端末3(例えば、図5又は図8の操作受付画面)において運転者が業務を開始又は終了したことを示す操作を受け付ける前に、取得した問題情報が示す問題を操作端末3に表示させる。表示制御部111は、例えば、問題情報が示す問題を表示するための表示情報を、操作端末3に送信する。操作端末3は、管理装置1から受信した表示情報に従って、問題表示画面を表示部上に表示する。
【0113】
図11は、問題表示画面を表示している操作端末3の模式図である。問題表示画面は、例えば、問題と、解答を入力するための解答欄と、を含む。解答欄は、運転者から選択を受け付けるための選択肢を含んでもよく、運転者から解答の自由入力を受け付けてもよい。
【0114】
受付部112は、操作端末3において運転者による問題に対する解答を受け付ける。表示制御部111は、受け付けた解答が、問題情報が示す解答と合致しているか否か(正解か否か)を判定し、判定結果を操作端末3に表示させる。
【0115】
受付部112は、操作端末3において運転者による問題に対する解答を受け付けた場合に、又は運転者から受け付けた解答が正解であった場合に、運転者から業務を開始したことを示す操作を受け付ける画面(例えば、図5又は図8の操作受付画面)を操作端末に表示させ、操作端末3において運転者が業務を開始又は終了したことを示す操作を受け付ける。
【0116】
これにより、管理システムSは、運転者に業務に関する問題を操作端末3上に表示した上で、操作端末3において運転者から業務を開始又は終了したことを示す操作を受け付けるため、運転者の業務に関する知識を向上させやすくすることができる。
【0117】
また、取得部113は、運転者の過去の勤務実績に応じて、運転者に解答を求める問題を取得してもよい。取得部113は、例えば、記憶部12に記憶された複数の問題情報の中から、運転者の過去の勤怠情報に対応する表示条件に関連付けられたいずれか1つの問題情報を取得する。
【0118】
取得部113は、例えば、運転者の勤怠情報において当日を基準とした所定期間内(過去1週間等)に休息時間が閾値未満の日があった場合に、休息時間の閾値を問う問題を取得する。また、取得部113は、運転者の勤怠情報において当日を基準とした所定期間内(過去1週間等)に勤務時間が閾値を超えた日があった場合に、勤務時間の閾値を問う問題を取得する。取得部113は、ここに示した具体的な問題に限られず、運転者の過去の勤務実績に応じたその他の問題を取得してもよい。
【0119】
表示制御部111は、受付部112が操作端末3(例えば、図5又は図8の操作受付画面)において運転者が業務を開始又は終了したことを示す操作を受け付ける前に、運転者の過去の勤務実績に応じた問題を操作端末3に表示させる。
【0120】
これにより、管理システムSは、運転者の過去の勤務実績に応じて選択した問題を操作端末3上に表示させるため、運転者にとって特に必要な可能性のある知識を提供することがすることができる。
【0121】
さらに表示制御部111は、運転者を管理する管理者が利用する管理者端末4に、運転者が問題に正解したか否かに対応する情報を、運転者と関連付けて表示させてもよい。表示制御部111は、例えば、運転者を示す情報(名前等)と、当該運転者に対して表示した問題と、当該運転者が当該問題に正解したか否かと、を表示するための表示情報を、操作端末3に送信する。管理者端末4は、管理装置1から受信した表示情報に従って、運転者を示す情報(名前等)と、当該運転者に対して表示した問題と、当該運転者が当該問題に正解したか否かと、を関連付けて表示部上に表示する。
【0122】
これにより、管理システムSは、運転者の業務に関する知識の程度を管理者に提供できるため、管理者が運転者に対して業務に関する指導をしやすくすることができる。
【0123】
<第3実施形態>
運転者が業務を開始した開始時刻及び業務を終了した終了時刻は、様々な手段によって取得され得る。本実施形態において、管理装置1は、複数の異なる手段によって運転者が業務を開始又は終了した複数の候補時刻を取得し、取得した複数の候補時刻から開始時刻又は終了時刻を決定する。以下、第1実施形態及び第2実施形態とは異なる点を主に説明する。
【0124】
図12は、本実施形態に係る管理システムSのブロック図である。本実施形態に係る管理装置1の制御部11は、上述の表示制御部111、受付部112、取得部113、判定部114及び算出部115に加えて、選択部116を有する。
【0125】
図13は、選択部116が行う処理を説明するための模式図である。取得部113は、例えば、選択部116が開始時刻又は終了時刻を決定するために利用する操作情報、点検情報、運行情報、点呼情報又は指示情報のうち少なくとも1つを取得する。
【0126】
取得部113は、例えば、記憶部12から、操作端末3において運転者が業務を開始又は終了したことを示す操作が行われたことを示す操作情報に対応する勤怠情報を取得する。勤怠情報は、例えば、第1実施形態において特定された、運転者が業務を開始した時刻と運転者が業務を終了した時刻との少なくとも一方を含む。
【0127】
取得部113は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の情報端末である入力装置2から、運転者により入力された車両Vの点検に関する点検情報を取得する。点検情報は、例えば、運転者が車両Vの点検を行った時刻を含む。
【0128】
取得部113は、例えば、デジタルタコグラフ等の車載コンピュータである入力装置2から、運転者により入力された車両Vの運行に関する運行情報を取得する。運行情報は、例えば、運転者が車両Vの運転を開始(出庫)した時刻と終了(帰庫)した時刻との少なくとも一方を含む。
【0129】
取得部113は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の情報端末である管理者端末4又は管理装置1と通信可能なシステム(配車システム等)から、管理者により入力された、運転者に対して行われた点呼に関する点呼情報を取得する。点呼情報は、例えば、運転者に対して業務の開始時に行われた点呼の時刻と運転者に対して業務の終了時に行われた点呼の時刻との少なくとも一方を含む。
【0130】
取得部113は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の情報端末である管理者端末4又は管理装置1と通信可能なシステム(配車システム等)から、管理者により入力された、運転者に対して行われた業務の指示に関する指示情報を取得する。指示情報は、例えば、管理者から運転者に対して業務の開始を指示された時刻と終了を指示された時刻との少なくとも一方を含む。
【0131】
取得部113は取得した操作情報、点検情報、運行情報、点呼情報及び指示情報が示す一又は複数の時刻を、運転者による業務の開始時刻及び終了時刻を決定するための選択肢とする一又は複数の候補時刻として選択部116に通知する。
【0132】
選択部116は、記憶部12に予め記憶された、業務を開始又は終了した複数の候補時刻から開始時刻又は終了時刻を選択する優先順位を示す優先順位情報を取得する。優先順位情報は、操作情報、点検情報、運行情報、点呼情報及び指示情報が示す複数の時刻から、開始時刻又は終了時刻を選択する順序を示す。また、優先順位情報は、操作情報、点検情報、運行情報、点呼情報及び指示情報が示す複数の時刻の中から最も早い時刻又は最も遅い時刻を開始時刻又は終了時刻として選択することを示してもよい。
【0133】
選択部116は、運転者個人又は運転者が所属する組織(会社、部課、チーム等)に関連付けられた優先順位情報を取得してもよい。この場合に、記憶部12は、運転者又は運転者が所属する組織と、当該運転者又は当該組織に適用する優先順位情報と、を関連付けて予め記憶している。これにより、管理システムSは、運転者又は組織ごとに異なる優先順位で複数の候補時刻から開始時刻又は終了時刻を選択することができ、柔軟に開始時刻又は終了時刻を決定することができる。
【0134】
選択部116は、取得した優先順位情報に従って、取得部113は取得した操作情報、点検情報、運行情報、点呼情報及び指示情報の少なくとも1つに対応する一又は複数の候補時間の中からいずれか1つの候補時刻を選択し、選択した候補時刻を開始時刻又は終了時刻として決定する。
【0135】
選択部116は、決定した開始時刻又は終了時刻を含む勤怠情報を、記憶部12に記憶させる。選択部116は、既に運転者の当日の勤怠情報が記憶部12に記憶されている場合に記憶部12において勤怠情報を更新してもよく、まだ運転者の当日の勤怠情報が記憶部12に記憶されていない場合に勤怠情報を新たに記憶部12に記憶させてもよい。
【0136】
このように、管理システムSは、複数の異なる手段によって運転者が業務を開始又は終了した複数の候補時刻を取得し、取得した複数の候補時刻から開始時刻又は終了時刻を決定する。これにより、管理システムSは、開始時刻及び終了時刻を取得する手段が会社によって異なる場合であっても、運転者による業務の開始時刻及び終了時刻を所定の優先順位に従って自動的に決定できる。また、管理システムSは、運転者又は管理者がいずれかの手段を用いて開始時刻及び終了時刻の入力することを失念した場合であっても、他の手段を用いて運転者による業務の開始時刻及び終了時刻を決定できる。
【0137】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0138】
管理装置1のプロセッサは、図10に示す管理方法に含まれる各ステップ(工程)を実行する。すなわち、管理装置1のプロセッサは、図10に示す管理方法を実行するためのプログラムを記憶部から読み出し、該プログラムを実行することによって、図10に示す管理方法を実行する。図10に示す管理方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0139】
S 管理システム
1 管理装置
11 制御部
111 表示制御部
112 受付部
113 取得部
114 判定部
115 算出部
116 選択部
12 記憶部
2 入力装置
3 操作端末
4 管理者端末

図1
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