(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080761
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
F25B 1/00 20060101AFI20240610BHJP
【FI】
F25B1/00 389A
F25B1/00 101D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193958
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河村 佳憲
(57)【要約】
【課題】熱交換器の小型化が可能な冷凍サイクルを備える空気調和装置を提供する。
【解決手段】空気調和装置は、室内熱交換器と、室外熱交換器と、第1の配管と、第2の配管と、圧縮機と、第1の四方弁と、エジェクタと、第2の四方弁と、気液分離器と、第3の配管と、第4の配管と、を備える。第1の配管は、室内熱交換器と室外熱交換器とを接続し、冷媒が流れる。第2の配管は、室外熱交換器と室内熱交換器とを接続し、冷媒が流れる。第3配管は、気液分離器の第3の開口とエジェクタの第2の流入口とを接続する。第4の配管は、エジェクタの第1の流入口と第2の四方弁と間の第2の配管と、第1の四方弁と室外熱交換器とを接続する第1の配管または第1の四方弁と室内熱交換器とを接続する第1の配管と、を接続する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内機に設けられた室内熱交換器と、
室外機に設けられた室外熱交換器と、
前記室内熱交換器と前記室外熱交換器とを接続し、冷媒が流れる、第1の配管と、
前記室外熱交換器と前記室内熱交換器とを接続し、前記冷媒が流れる、第2の配管と、
前記第1の配管に設けられ、前記冷媒を吸入する吸入口と、前記冷媒を吐出する吐出口と、を有する圧縮機と、
前記第1の配管に設けられ、前記冷媒が流れる方向を変更可能な第1の四方弁と、
第2の配管に設けられ、前記第2の配管における上流側から前記冷媒が流入する第1の流入口と、前記第2の配管とは異なる配管から前記冷媒が流入する第2の流入口と、が設けられ、前記第1の流入口に供給された前記冷媒と前記第2の流入口に供給された冷媒とを混合して流出口から第2の配管の下流側に供給可能な、エジェクタと、
前記第2の配管に設けられ、前記エジェクタの第1の流入口と前記流出口とに接続され、前記流出口から流出する前記冷媒の流れる方向を変更可能な第2の四方弁と、
前記第2の配管に設けられ、前記第2の四方弁と接続される第1の開口と、前記流出口と接続される第2の開口と、気体状の冷媒が通る第3の開口と、が設けられた気液分離器と、
前記第3の開口と前記第2の流入口とを接続する第3の配管と、
前記第1の流入口と前記第2の四方弁と間の第2の配管と、前記第1の四方弁と前記室外熱交換器とを接続する前記第1の配管または前記第1の四方弁と前記室内熱交換器とを接続する前記第1の配管と、を接続する第4の配管と、
を備える、空気調和装置。
【請求項2】
室内機に設けられた室内熱交換器と、
室外機に設けられた室外熱交換器と、
前記室内熱交換器と前記室外熱交換器とを接続し、冷媒が流れる、第1の配管と、
前記室外熱交換器と前記室内熱交換器とを接続し、前記冷媒が流れる、第2の配管と、
前記第1の配管に設けられ、前記冷媒を吸入する吸入口と、前記冷媒を吐出する吐出口と、を有する圧縮機と、
前記第1の配管に設けられ、前記冷媒が流れる方向を変更可能な第1の四方弁と、
第2の配管に設けられ、前記第2の配管における上流側から前記冷媒が流入する第1の流入口と、前記第2の配管とは異なる配管から前記冷媒が流入する第2の流入口と、が設けられ、前記第1の流入口に供給された前記冷媒と前記第2の流入口に供給された冷媒とを混合して流出口から第2の配管の下流側に供給可能な、エジェクタと、
前記第2の配管に設けられ、前記エジェクタの第1の流入口と前記流出口とに接続され、前記流出口から流出する前記冷媒の流れる方向を変更可能な第2の四方弁と、
前記第2の配管に設けられ、前記第2の四方弁と接続される第1の開口と、前記流出口と接続される第2の開口と、気体状の冷媒が通る第3の開口と、が設けられた気液分離器と、
前記第3の開口と前記第2の流入口とを接続する第3の配管と、
前記第1の流入口と前記第2の四方弁と間の第2の配管と、前記第1の四方弁と前記室外熱交換器とを接続する前記第1の配管または前記第2の四方弁と前記室内熱交換器とを接続する前記第2の配管と、を接続する第4の配管と、
を備える、空気調和装置。
【請求項3】
前記第3の配管を流れる前記冷媒と、前記第4の配管を流れる前記冷媒と、の間で熱交換を行う冷媒熱交換器を備える、請求項1または請求項2に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアコンディショナのような空気調和装置は、冷凍サイクルにおける冷媒の凝縮および蒸発により、室内の温度を調節する。暖房運転において冷媒は、室外熱交換器(蒸発器)で蒸発し、室内熱交換器(凝縮器)で凝縮する。また、冷房運転において冷媒は、室外熱交換器(凝縮器)で凝縮し、室内熱交換器(蒸発器)で蒸発する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、小型化が可能であり、さらに、省エネルギー化にも寄与し得る空気調和機が望まれている。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、熱交換器の小型化が可能な冷凍サイクルを備える空気調和装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの実施形態に係る空気調和装置は、室内熱交換器と、室外熱交換器と、第1の配管と、第2の配管と、圧縮機と、第1の四方弁と、エジェクタと、第2の四方弁と、気液分離器と、第3の配管と、第4の配管と、を備える。室内熱交換器は、室内機に設けられる。室外熱交換器は、室外機に設けられる。第1の配管は、前記室内熱交換器と前記室外熱交換器とを接続し、冷媒が流れる。第2の配管は、前記室外熱交換器と前記室内熱交換器とを接続し、前記冷媒が流れる。圧縮機は、前記第1の配管に設けられ、前記冷媒を吸入する吸入口と、前記冷媒を吐出する吐出口と、を有する。第1の四方弁は、前記第1の配管に設けられ、前記冷媒が流れる方向を変更可能である。エジェクタは、第2の配管に設けられ、前記第2の配管における上流側から前記冷媒が流入する第1の流入口と、前記第2の配管とは異なる配管から前記冷媒が流入する第2の流入口と、が設けられ、前記第1の流入口に供給された前記冷媒と前記第2の流入口に供給された冷媒とを混合して流出口から第2の配管の下流側に供給可能である、第2の四方弁は、前記第2の配管に設けられ、前記エジェクタの第1の流入口と前記流出口とに接続され、前記流出口から流出する前記冷媒の流れる方向を変更可能である。気液分離機は、前記第2の配管に設けられ、前記第2の四方弁と接続される第1の開口と、前記流出口と接続される第2の開口と、気体状の冷媒が通る第3の開口と、が設けられる。第3の配管は、前記第3の開口と前記第2の流入口とを接続する。第4の配管は、前記第1の流入口と前記第2の四方弁と間の第2の配管と、前記第1の四方弁と前記室外熱交換器とを接続する前記第1の配管または前記第1の四方弁と前記室内熱交換器とを接続する前記第1の配管と、を接続する。
【0007】
本発明の他の実施形態に係る空気調和装置は、室内熱交換器と、室外熱交換器と、第1の配管と、第2の配管と、圧縮機と、第1の四方弁と、エジェクタと、第2の四方弁と、気液分離器と、第3の配管と、第4の配管と、を備える。室内熱交換器は、室内機に設けられる。室外熱交換器は、室外機に設けられる。第1の配管は、前記室内熱交換器と前記室外熱交換器とを接続し、冷媒が流れる。第2の配管は、前記室外熱交換器と前記室内熱交換器とを接続し、前記冷媒が流れる。圧縮機は、前記第1の配管に設けられ、前記冷媒を吸入する吸入口と、前記冷媒を吐出する吐出口と、を有する。第1の四方弁は、前記第1の配管に設けられ、前記冷媒が流れる方向を変更可能である。エジェクタは、第2の配管に設けられ、前記第2の配管における上流側から前記冷媒が流入する第1の流入口と、前記第2の配管とは異なる配管から前記冷媒が流入する第2の流入口と、が設けられ、前記第1の流入口に供給された前記冷媒と前記第2の流入口に供給された冷媒とを混合して流出口から第2の配管の下流側に供給可能である、第2の四方弁は、前記第2の配管に設けられ、前記エジェクタの第1の流入口と前記流出口とに接続され、前記流出口から流出する前記冷媒の流れる方向を変更可能である。気液分離機は、前記第2の配管に設けられ、前記第2の四方弁と接続される第1の開口と、前記流出口と接続される第2の開口と、気体状の冷媒が通る第3の開口と、が設けられる。第3の配管は、前記第3の開口と前記第2の流入口とを接続する。第4の配管は、前記第1の流入口と前記第2の四方弁と間の第2の配管と、前記第1の四方弁と前記室外熱交換器とを接続する前記第1の配管または前記第2の四方弁と前記室内熱交換器とを接続する前記第2の配管と、を接続する。
【0008】
また、空気調和装置は、例えば、前記第3の配管を流れる前記冷媒と、前記第4の配管を流れる前記冷媒と、の間で熱交換を行う冷媒熱交換器を備える。
【0009】
以上の空気調和装置によれば、例えば、冷凍サイクルにおける熱交換効率が向上可能となり、熱交換器の小型化が可能な空気調和装置が提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る空気調和装置の冷媒系統図であり、併せて冷房運転時の冷媒の流れを示す例示的かつ模式的な図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る空気調和装置の室外機に搭載されるエジェクタの構成を説明する例示的かつ模式的な断面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る空気調和装置の制御装置およびその制御装置によって制御される構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る空気調和装置の冷媒系統図であり、併せて暖房運転時の冷媒の流れを示す例示的かつ模式的な図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態に係る空気調和装置の冷媒系統図であり、併せて冷房運転時の冷媒の流れを示す例示的かつ模式的な図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る空気調和装置の冷媒系統図であり、併せて暖房運転時の冷媒の流れを示す例示的かつ模式的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、いくつかの実施形態について、
図1~
図6を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素および当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素およびその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0012】
第1実施形態.
図1は、第1実施形態に係る空気調和装置10の冷媒系統図を示す例示的かつ模式的な図である。空気調和装置10は、例えば、家庭用のエアコンディショナである。なお、空気調和装置10は、この例に限られず、業務用のエアコンディショナのような他の空気調和装置であってもよい。
【0013】
図1に示すように、空気調和装置10は、室外機11と、室内機12と、冷媒配管13と、制御装置14とを有する。室外機11は、例えば、屋外に配置される。室内機12は、例えば、屋内に配置される。
【0014】
空気調和装置10は、室外機11と室内機12とが冷媒配管13により接続された冷凍サイクルを備える。室外機11と室内機12との間で、冷媒配管13を通り、冷媒が流れる。また、室外機11と室内機12とは、例えば電気配線により互いに電気的に接続される。
【0015】
室外機11は、室外熱交換器21と、室外送風ファン22と、圧縮機23と、アキュムレータ24と、第1の四方弁25と、第2の四方弁26と、エジェクタ27と、第1の流量制御弁31と、第2の流量制御弁32、三方弁33(切替弁)と、気液分離器61、冷媒熱交換器62等を有する。また、室内機12は、室内熱交換器41と、室内送風ファン42とを有する。
【0016】
冷媒配管13は、例えば、銅またはアルミニウムのような金属で作られた管である。冷媒配管13は、第1の配管51と、第2の配管52と、第3の配管53と、第4の配管54等を含む。
【0017】
第1の配管51は、室内熱交換器41と室外熱交換器21とを接続する。圧縮機23、アキュムレータ24、第1の四方弁25は、第1の配管51に設けられる。第1の配管51は、第1の領域51a、第2の領域51b、第3の領域51c、第4の領域51dと、を有する。第1の領域51aは、第1の四方弁25と室内熱交換器41とを接続する配管領域である。第2の領域51bは、第1の四方弁25とアキュムレータ24とを接続する配管領域である。第3の領域51cは、第1の四方弁25と室外熱交換器21とを接続する配管領域である。第4の領域51dは、第1の四方弁25と圧縮機23の吐出口23bとを接続する配管領域である。
【0018】
第2の配管52は、室外熱交換器21と室内熱交換器41とを接続する。第2の四方弁26、エジェクタ27、気液分離器61は、第2の配管52に設けられる。第2の配管52は、第5の領域52a、第6の領域52b、第7の領域52c、第8の領域52d、第9の領域52eを有する。第5の領域52aは、第2の四方弁26と室内熱交換器41とを接続する配管領域である。第6の領域52bは、第2の四方弁26と気液分離器61の第1の開口61aとを接続する配管領域である。第7の領域52cは、第2の四方弁26と室外熱交換器21とを接続する配管領域である。第8の領域52dは、気液分離器61の第2の開口61bとエジェクタ27の流出口73とを接続する配管領域である。第9の領域52eは、第2の四方弁26とエジェクタ27の第1の流入口71とを接続する配管領域である。
【0019】
第3の配管53は、気液分離器61とエジェクタ27の第2の流入口72と、を接続する。冷媒熱交換器62は、第3の配管53に設けられる。第3の配管53は、第10の領域53aと第11の領域53bとを有する。第10の領域53aは、気液分離器61の第3の開口61cと冷媒熱交換器62の流入側とを接続する配管領域である。第11の領域53bは、冷媒熱交換器62の流出側とエジェクタ27の第2の流入口72とを接続する配管領域である。第10の領域53aを流れる冷媒は、冷媒熱交換器62に流入する。そして、第4の配管54を流れて冷媒熱交換器62に流入する冷媒と熱交換を行い、第11の領域53bから流出する。第3の配管53は、エジェクタ27の第1の流入口71から流入する駆動冷媒(駆動流)により昇圧させられる吸入冷媒(吸入流)を第2の流入口72から供給するための配管である。
【0020】
第4の配管54は、第1の流入口71と第2の四方弁26と間の第2の配管52(第9の領域52e)と、第1の四方弁25と室外熱交換器21とを接続する第1の配管51(第3の領域51c)または第1の四方弁25と室内熱交換器41とを接続する第1の配管51(第1の領域51a)と、を接続する。第1の流量制御弁31、第2の流量制御弁32、三方弁33は、第4の配管54に設けられる。第4の配管54は、第12の領域54aと、第13の領域54bと、第14の領域54cと、第15の領域54dを有する。第12の領域54aは、第9の領域52eと冷媒熱交換器62の流出側とを接続する配管領域である。第13の領域54bは、冷媒熱交換器62の流入側と三方弁33とを接続する配管領域である。第14の領域54cは、三方弁33と第1の配管51の第3の領域51cとを接続する配管領域である。第15の領域54dは、三方弁33と第1の配管51の第1の領域51aとを接続する配管領域である。第13の領域54bを流れる冷媒は、冷媒熱交換器62に流入する。そして、第3の配管53を流れて冷媒熱交換器62に流入した冷媒と熱交換を行い、第12の領域54aから流出してエジェクタ27の第1の流入口71に流れ込む。第4の配管54は、圧縮機23から吐出される高温高圧の気体状の冷媒を冷媒熱交換器62を介して熱交換(第3の配管を流れる冷媒の加熱)を行うとともに、熱交換後の冷媒をエジェクタ27の第1の流入口71に供給するための配管である。
【0021】
図1に示されるように、冷房運転の場合、冷媒は、第1の配管51を通って室内熱交換器41から室外熱交換器21へ流れ、第2の配管52を通って室外熱交換器21から室内熱交換器41へ流れる。また、
図4に示されるように、暖房運転の場合、冷媒は、第1の配管51を通って室外熱交換器21から室内熱交換器41へ流れ、第2の配管52を通って室内熱交換器41から室外熱交換器21へ流れる。
【0022】
室外機11の室外熱交換器21は、冷媒の流れる方向に応じて、蒸発器として冷媒の吸熱を行い、または凝縮器として冷媒の放熱を行う。室外送風ファン22は、室外熱交換器21に対して送風し、室外熱交換器21における冷媒と空気との熱交換を促進する。言い換えると、室外送風ファン22は、室外熱交換器21と熱交換する気流を生成する。
【0023】
圧縮機23は、吸入口23aと吐出口23bとを有する。圧縮機23は、吸入口23aから冷媒を吸入し、圧縮した冷媒を吐出口23bから吐出する。これにより、圧縮機23は、冷凍サイクルにおいて冷媒を圧縮するとともに、冷媒の循環を生じさせる。
【0024】
アキュムレータ24は、圧縮機23の吸入口23aに接続される。アキュムレータ24は、気体状の冷媒と液状の冷媒とを分離する。これにより、圧縮機23は、アキュムレータ24を通過した気体状の冷媒を吸入口23aから吸入することができる。アキュムレータ24は、圧縮機23と一体に構成されることで、圧縮機23の吸入口となることもできる。
【0025】
第1の四方弁25は、室外熱交換器21と、室内熱交換器41と、圧縮機23の吐出口23bと、アキュムレータ24と、に接続される。第1の四方弁25は、暖房運転時と冷房運転時とで、室外熱交換器21、室内熱交換器41、圧縮機23の吐出口23b、アキュムレータ24のそれぞれに接続される流路を切り替え、冷媒が流れる方向を変更する。
【0026】
冷房運転時において、第1の四方弁25は、圧縮機23の吐出口23bと室外熱交換器21とを接続し、高温高圧の気体状の冷媒を室外熱交換器21に供給する。さらに、冷房運転時において、第1の四方弁25は、室内熱交換器41とアキュムレータ24とを接続し低温低圧の気体状の冷媒をアキュムレータ24に戻す。これにより、圧縮機23で圧縮された冷媒が室外熱交換器21へ流れ、室内熱交換器41で熱交換が行われた(蒸発した)冷媒がアキュムレータ24へ流れる。
【0027】
また、暖房運転時において、
図4に示されるように、第1の四方弁25は、圧縮機23の吐出口23bと室内熱交換器41とを接続し、高温高圧の気体状の冷媒を室内熱交換器41に供給する。また、暖房運転時において、第1の四方弁25は、室外熱交換器21とアキュムレータ24とを接続し、低温低圧の気体状の冷媒をアキュムレータ24に提供する。これにより、圧縮機23で圧縮された冷媒が室内熱交換器41へ流れ、室外熱交換器21で熱交換が行われた(蒸発した)冷媒がアキュムレータ24へ流れる。なお、
図4に示されるように、暖房運転において、室内熱交換器41から吐出される冷媒は、アキュムレータ24(圧縮機23)に戻る気体状の冷媒と、アキュムレータ24(圧縮機23)に戻ることなくエジェクタ27の第2の流入口72に吸入冷媒として供給される冷媒とが存在する。エジェクタ27の詳細は後述する。
【0028】
第2の四方弁26は、室内熱交換器41と、気液分離器61の第1の開口61aと、室外熱交換器21と、エジェクタ27の第1の流入口71と、に接続される。第2の四方弁26は、暖房運転時と冷房運転時とで、室内熱交換器41、気液分離器61の第1の開口61aと、室外熱交換器21と、エジェクタ27の第1の流入口71のそれぞれに接続される流路を切り替え、冷媒が流れる方向を変更する。なお、第2の四方弁26としては、一般的な四方弁に限らず、冷媒の流れる方向を変更できれば、その他の構成の弁であってもよい。例えば、4つの逆止弁を環状に繋いだブリッジ回路で置き替えてもよい。なお、第2の四方弁としてブリッジ回路を採用した場合は、第2の四方弁駆動回路は省略が可能である。
【0029】
冷房運転時において、
図1に示さるように、第2の四方弁26は、気液分離器61の第1の開口61aと室内熱交換器41とを接続し、気液分離器61で分離された液状の冷媒を室内熱交換器41に供給する。また、冷房運転時において、第2の四方弁26は、室外熱交換器21とエジェクタ27の第1の流入口71とを接続して、室外熱交換器21で熱交換(凝縮)された冷媒を駆動冷媒(駆動流)としてエジェクタ27の第1の流入口71に供給する。なお、エジェクタ27の第2の流入口72には、気液分離器61の第3の開口61cから吐出される気液分離後の気体状の冷媒が吸入冷媒(吸入流)として第3の配管53を介して供給される。上述したように、エジェクタ27の流出口73から吐出された冷媒は、第2の開口61bを介して気液分離器61に供給され、低温低圧の液状の冷媒が第1の開口61aを介して、室内熱交換器41に連続的に供給される。
【0030】
また、暖房運転時において、
図4に示されるように、第2の四方弁26は、室内熱交換器41とエジェクタ27の第1の流入口71とを接続し、室内熱交換器41から吐出された液状の冷媒を第1の流入口71に提供する。なお、第1の流入口71には、圧縮機23から吐出される冷媒の一部も供給される。また、第2の四方弁26は、気液分離器61の第1の開口61aと室外熱交換器21とを接続し、エジェクタ27の流出口73から流出する冷媒を気液分離器61、室外熱交換器21を介して、アキュムレータ24に戻す。
【0031】
エジェクタ27は、第2の配管52に設けられる。より具体的には、エジェクタ27は、第1の流入口71と第2の流入口72と流出口73とを備える。第1の流入口71は、冷房運転時および暖房運転時における冷媒の流れ方向に対して第2の配管52の上流側から冷媒が流入する。また、第1の流入口71には、冷房運転時および暖房運転時において冷媒熱交換器62を通過した冷媒が供給される。冷媒熱交換器62を通過する冷媒は、圧縮機23から吐出され、室外熱交換器21または室内熱交換器41に流入する前の高温高圧の冷媒であり、第3の配管53を流れる冷媒と熱交換された後の冷媒(過熱側)である。第2の流入口72は、第2の配管52とは異なる第3の配管53から冷媒が流入する。そして、流出口73は、第1の流入口71に供給された冷媒(駆動冷媒、駆動流)と第2の流入口72に供給された冷媒(吸入冷媒、吸入流)とを混合するとともに昇圧した状態の冷媒を冷房運転時および暖房運転時における冷媒の流れ方向に対して第2の配管52の下流側である、気液分離器61に吐出(供給)する。
【0032】
図2は、本実施形態のエジェクタ27の構造を示す例示的かつ模式的に示す断面図である。
図2に示すように、エジェクタ27は、簡素な構造を有するため、保守及び空気調和装置10への組み込みが容易である。なお、エジェクタ27の構造は、
図2の例に限られない。エジェクタ27には、第1の流入口71と、第2の流入口72と、流出口73と、ノズル部74と、吸引部75と、混合部76と、ディフューザ部77とが設けられる。
【0033】
図1に示すように、第1の流入口71は、第2の配管52の第9の領域52eを介して第2の四方弁26に接続されている。例えば、冷房運転時には、室外熱交換器21側から例えば気液二相の冷媒が流れ込む。また、暖房運転時には、室内熱交換器41側からの液状の冷媒が流れ込む。また、圧縮機23から冷媒熱交換器62を介して気体状の冷媒が供給される。つまり、第1の流入口71には、気液二相の冷媒が供給される。
【0034】
第2の流入口72は、第3の配管53の第11の領域53bに接続される。第2の流入口72には、冷房運転時および暖房運時において、気液分離器61で分離された気体状の冷媒が冷媒熱交換器62で熱交換により加熱された状態で流入する。流出口73は、第2の配管52の第8の領域52dを介して気液分離器61の第2の開口61bに昇圧された気液二相の冷媒を吐出する。
【0035】
エジェクタ27は、上述したように第1の流入口71に供給された冷媒(駆動冷媒、駆動流)を、第2の流入口72に供給された冷媒(吸入冷媒、吸入流)と混合するとともに昇圧して流出口73から放出することができる。
【0036】
図2に示すように、ノズル部74は、第1の流入口71と混合部76との間に設けられる。ノズル部74は、混合部76に向かって先細る部分と徐々に拡大する部分とを有した流路である。なお、ノズル部74の形状は、これには限らず、流入した冷媒を減圧して高速で噴射することができれば、どのような構造であってもよい。ノズル部74は、第1の流入口71に流入した冷媒を、減圧膨張させて混合部76に噴出する。ノズル部74の出口近傍における圧力が低いため、ノズル部74に接続された第1の流入口71は、冷媒を吸引できる。
【0037】
吸引部75は、第2の流入口72と混合部76との間に設けられる。吸引部75は、ノズル部74の周りに設けられ、混合部76に向かって先細る部分を有した略円筒状の流路である。吸引部75は、第2の流入口72に流入した冷媒を、減圧膨張させて混合部76に噴出する。吸引部75の出口近傍における圧力が低いため、吸引部75に接続された第2の流入口72は、冷媒を吸引できる。
【0038】
混合部76は、ノズル部74及び吸引部75と、ディフューザ部77との間に設けられる。エジェクタ27は、混合部76において、吸引部75から噴出した冷媒を、ノズル部74から噴出した冷媒と混合する。
【0039】
ディフューザ部77は、混合部76と流出口73との間に設けられる。ディフューザ部77は、流出口73に向かって拡大する部分を有した流路である。混合部76で混合された冷媒は、ディフューザ部77で減速して昇圧し、流出口73から放出される。このようにして、エジェクタ27は、低温低圧の冷媒を流出口73から第2の配管52を通じて気液分離器61に供給する。
【0040】
エジェクタ27は、エジェクタ電磁弁78を有する。エジェクタ電磁弁78は、第1の流入口71を開閉することができる。なお、
図2において、エジェクタ電磁弁78はノズル部74の外部に位置する例を示しているが、エジェクタ電磁弁78はノズル部74の内部または他の部分に設けられてもよい。例えば、ノズル部74に挿入して開度を調整するニードル状の弁であってもよい。エジェクタ電磁弁78は、開度を制御されることで、第1の流入口71に供給される冷媒の量を調節する。なお、エジェクタ27において、第2の流入口72に供給される冷媒の量の調整のために、第1の流入口71と同様にエジェクタ電磁弁を第2の流入口72の部分または内部に設けてもよい。
【0041】
第1の流量制御弁31と第2の流量制御弁32は、第4の配管54に設けられる。第1の流量制御弁31は、冷房運転時に圧縮機23から吐出されて室外熱交換器21に流れ込む前の高温高圧の気体状の冷媒の一部を三方弁33、冷媒熱交換器62を介してエジェクタ27の第1の流入口71に供給する冷媒の流入量の調整を行う。言い換えれば、第1の流量制御弁31は、冷房運転時に室外熱交換器21に供給する高温高圧の気体状の冷媒量が低下し熱交換効率が低下することを抑制しつつ、エジェクタ27への駆動冷媒の供給流量のバランスをとるために開弁調整を行う。同様に、第2の流量制御弁32は、暖房運転時に圧縮機23から吐出されて室内熱交換器41に流れ込む前の高温高圧の気体状の冷媒の一部を三方弁33、冷媒熱交換器62を介してエジェクタ27の第1の流入口71に供給する冷媒の流入量の調整を行う。言い換えれば、第2の流量制御弁32は、暖房運転時に室内熱交換器41に供給する高温高圧の気体状の冷媒量が低下し熱交換効率が低下することを抑制しつつ、エジェクタ27への駆動冷媒の供給流量のバランスをとるために開弁調整を行う。なお、第1の流量制御弁31、第2の流量制御弁32は、冷媒の流量の調整が可能であれば、他のタイプの制御弁でもよく、例えば、膨張弁でもよい。
【0042】
三方弁33は、第4の配管54に設けられる。三方弁33は、冷房運転時には、圧縮機23から吐出された高圧高温の気体状の冷媒が室外熱交換器21に流れ込む前に冷媒熱交換器62を介してエジェクタ27の第1の流入口71に供給する。その結果、室外熱交換器21の通過によって生じる圧損の影響を受けない状態の冷媒をエジェクタ27に供給することができる。同様に、三方弁33は、暖房運転時には、圧縮機23から吐出された高圧高温の気体状の冷媒が室内熱交換器41に流れ込む前に冷媒熱交換器62を介してエジェクタ27の第1の流入口71に供給する。その結果、室内熱交換器41の通過によって生じる圧損の影響を受けない状態の冷媒をエジェクタ27に供給することができる。三方弁33は、流路の切り替えができれば他のタイプの電磁弁等であってもよい。
【0043】
気液分離器61は、第2の配管52に設けられる。気液分離器61は、例えば表面張力式気液分離器である。なお、気液分離器61は、気体状態の冷媒と液体状態の冷媒とに分離できれば、レシーバータンク等の他の気液分離器であってもよい。気液分離器61に、第1の開口61a(液状冷媒出口)と、第2の開口61b(気液二相の冷媒入口)と、第3の開口61c(気体状冷媒出口)とが設けられる。
【0044】
第1の開口61aは、冷房運転時において、気液分離器61で分離された液状の冷媒を、第2の四方弁26を介して室内熱交換器41に供給する。暖房運転時において、気液分離器61で分離された液状の冷媒を、第2の四方弁26を介して室外熱交換器21に供給する。
【0045】
第2の開口61bは、冷暖房運転時いずれの場合においてもエジェクタ27の流出口73から吐出された気液二相の冷媒を気液分離器61に受け入れる。
【0046】
第3の開口61cは、冷暖房運転時いずれの場合においても気液分離器61で分離された気体状の冷媒を、冷媒熱交換器62を介してエジェクタ27の第2の流入口72に供給する。第3の開口61cから供給される気体状の冷媒は、冷媒熱交換器62で熱交換により過熱され、第2の流入口72に供給される。
【0047】
冷媒熱交換器62は、周知の二重管式熱交換器やプレート熱交換器等が利用可能であり、互いに独立した加熱側の領域(流路、配管)と被加熱側の領域(流路、配管)を流れる温度が異なる冷媒間で熱交換を行い、低温側の液状の冷媒の温度を上昇させ、冷媒の気体化を行う。例えば、気液分離器61の第3の開口61cから供給される冷媒に液状の冷媒が混入したいた場合等に冷媒の気体化を促進する。冷媒熱交換器62において、冷媒の気体化を補助することにより、気液分離器61の小型化を行うことができるとともに、エジェクタ27の第2の流入口72に供給する気体状の冷媒の圧力を増加させることによりエジェクタ27の効率を向上することができる。
【0048】
なお、上述したように、冷房運転時において、気液分離器61の第1の開口61aから流出する液状の冷媒と、第3の開口61cから流出する気体状の冷媒は、いずれもエジェクタ27の第1の流入口71に供給される。つまり、気液二相の状態でエジェクタ27に供給される。したがって、空気調和装置10を冷房専用機として構成する場合は、気液分離器61を省略し、室外熱交換器21から吐出される気液二相の冷媒をそのまま、エジェクタ27の第1の流入口71に供給するようにしてもよい。
【0049】
制御装置14は、室外機11および室内機12に設けられる上述した室外送風ファン22、室内送風ファン42、圧縮機23、各弁等の制御を行い、冷房運転、暖房運転、除湿運転、除霜運転、および他の運転制御を行う。制御装置14は、例えば、室外機11に設けられた室外制御装置14a、室内機12に設けられた室内制御装置14b等で構成される。室外制御装置14aと室内制御装置14bとは、電気的に接続され相互に制御信号の送受を行い、協働して室外機11と室内機12の制御を行う。室内機12に設けられた室内制御装置14bは、例えば、利用者が操作するリモートコントローラから信号を入力されて制御されてもよいし、通信装置を通じてスマートフォンのような情報端末から信号を入力されて制御されてもよい。なお、室外制御装置14aと室内制御装置14bとは、まとめて一つの制御装置14としてもよい。この場合、制御装置14は、室外機11に設けても室内機12に設けてもよいが、例えば室内機12に設けることができる。
【0050】
制御装置14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはマイクロコントローラのような制御装置と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、フラッシュメモリのような記憶装置とを有するコンピュータである。なお、制御装置14は、この例に限られない。
【0051】
図3は、本実施形態の空気調和装置10の制御装置14およびその制御装置14によって制御される構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
図3に示すように、本実施形態の空気調和装置10は、室外ファン駆動回路81と、室内ファン駆動回路82と、インバータ回路83と、第1の四方弁駆動回路84と、第2の四方弁駆動回路85、第1の流量制御弁駆動回路86、第2の流量制御弁駆動回路87、三方弁駆動回路88、エジェクタ電磁弁駆動回路89等とを有する。
【0052】
室外ファン駆動回路81は、室外送風ファン22の駆動回路である。室内ファン駆動回路82は、室内送風ファン42の駆動回路である。インバータ回路83は、圧縮機23をインバータ制御し、圧縮機23の周波数を変更する。インバータ回路83は、例えば、PAM(Pulse Amplitude Modulation)方式のインバータ回路である。なお、インバータ回路83は、この例に限られない。
【0053】
第1の四方弁駆動回路84は、第1の四方弁25の駆動回路である。第2の四方弁駆動回路85は、第2の四方弁26の駆動回路である。第1の流量制御弁駆動回路86は、第1の流量制御弁31の駆動回路である。第2の流量制御弁駆動回路87は、第2の流量制御弁32の駆動回路である。三方弁駆動回路88は、三方弁33の駆動回路である。エジェクタ電磁弁駆動回路89は、エジェクタ電磁弁78の駆動回路である。
【0054】
制御装置14は、温度センサT1~T4、および温度センサSuと、室外ファン駆動回路81と、室内ファン駆動回路82と、インバータ回路83と、第1の四方弁駆動回路84と、第2の四方弁駆動回路85、第1の流量制御弁駆動回路86、第2の流量制御弁駆動回路87、三方弁駆動回路88、エジェクタ電磁弁駆動回路89とに接続される。制御装置14は、温度取得部91と、運転切替部92と、室外ファン制御部93と、室内ファン制御部94と、圧縮機制御部95と、弁制御部96とを備える。
【0055】
温度取得部91は、温度センサT1~T4および温度センサSuを用いて、冷凍サイクル内の各部分の温度を測定する。例えば、温度センサT1は、室内熱交換器41の内部における冷媒の温度(T1値)を検出する。温度センサT2は、室内熱交換器41と第2の四方弁26との間で室内熱交換器41の近傍の冷媒の温度(T2値)を検出する。温度センサT3は、室外熱交換器21の内部における冷媒の温度(T3値)を検出する。温度センサT4は、室外熱交換器21と第2の四方弁26との間で室外熱交換器21の近傍の冷媒の温度(T4値)を検出する。温度センサSuは、アキュムレータの冷媒入口で冷媒の温度(Su値)を検出する。
【0056】
運転切替部92は、空気調和装置10における冷房運転、暖房運転、除湿運転、除霜運転、および他の運転の切り替えを行う。
【0057】
室外ファン制御部93は、室外送風ファン22を制御する。例えば、室外ファン制御部93は、室外ファン駆動回路81を制御することで、室外送風ファン22のモータの回転数を制御する。
【0058】
室内ファン制御部94は、室内送風ファン42を制御する。例えば、室内ファン制御部94は、室内ファン駆動回路82を制御することで、室内送風ファン42のモータの回転数を制御する。
【0059】
圧縮機制御部95は、圧縮機23を制御する。例えば、圧縮機制御部95は、インバータ回路83を制御することで、インバータ制御により圧縮機23の周波数(運転周波数)を制御する。
【0060】
弁制御部96は、第1の四方弁25、第2の四方弁26、第1の流量制御弁31、第2の流量制御弁32、三方弁33、エジェクタ電磁弁78を制御する。弁制御部96は、第1の四方弁駆動回路84を制御することで、第1の四方弁25のアクチュエータを駆動し、第1の四方弁25の冷媒が流れる方向を変更させる。弁制御部96は、第2の四方弁駆動回路85を制御することで、第2の四方弁26のアクチュエータを駆動し、第2の四方弁26の冷媒が流れる方向を変更させる。弁制御部96は、第1の流量制御弁駆動回路86、第2の流量制御弁駆動回路87及びエジェクタ電磁弁駆動回路89を制御することで、第1の流量制御弁31、第2の流量制御弁32及びエジェクタ電磁弁78の開度を変更させて、媒体の流量を調整する。また、弁制御部96は、三方弁駆動回路88を制御することで、三方弁33のアクチュエータを駆動し、三方弁33の冷媒が流れる方向を変更させる。
【0061】
上述のように構成される本実施形態の空気調和装置10の冷房運転および暖房運転について説明する。なお、空気調和装置10は、冷房運転および暖房運転に限らず、除湿運転や除霜運転および除菌運転のような他の運転を行うことができる。また、空気調和装置10の冷房運転および暖房運転は、以下に説明される例に限られない。
【0062】
まず、冷房運転について、
図1に示される媒体の流れ態様に基づいて説明する。例えば、空気調和装置10の起動と冷房運転の開始が同時である場合、室外送風ファン22、圧縮機23、および室内送風ファン42は停止している。この場合、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、および圧縮機制御部95は、冷房運転の開始時に、室外送風ファン22、圧縮機23、および室内送風ファン42を起動する。
【0063】
冷房運転中において、室外ファン制御部93は、室外送風ファン22の回転数を調整する。室内ファン制御部94は、室内送風ファン42の回転数を調整する。例えば、室内ファン制御部94は、室内機12が設置された室内の気温またはリモートコントローラから入力された信号に応じて、室内送風ファン42を弱風(低速)運転ないし強風(高速)運転の間で制御する。圧縮機制御部95は、圧縮機23の周波数を調整する。
【0064】
冷房運転が開始されると、弁制御部96は、第1の四方弁駆動回路84、第2の四方弁駆動回路85および三方弁駆動回路88を制御し、第1の四方弁25、第2の四方弁26および三方弁33において冷媒が流れる方向を冷房用に変更させる。また、弁制御部96は、第1の流量制御弁駆動回路86、第2の流量制御弁駆動回路87を制御し、第1の流量制御弁31および第2の流量制御弁32を冷房用に開閉弁状態を変化させる。
【0065】
具体的には、第1の四方弁25が第1の配管51の第4の領域51dと第3の領域51cとを接続し、圧縮機23の吐出口23bと室外熱交換器21とを接続する。その結果、圧縮機23から吐出された高圧高温の気体状の冷媒が室外熱交換器21に供給される。室外熱交換器21は凝縮器として機能し冷媒の熱交換を行う。なお、一般的な空調調和装置の場合、室外熱交換器21で冷媒循環量を確保するために室外熱交換器で気体状の冷媒を液状の冷媒に変化させ、室外熱交換器と室内熱交換器との間に存在する膨張弁に供給する必要がある。一方、本実施形態の空気調和装置10の場合、室外熱交換器21と室内熱交換器41との間に、気液分離器61とエジェクタ27とが存在する。エジェクタ27は気液二相の冷媒を流すことが可能なデバイスなので室外機11(室外熱交換器21)であえて冷媒を完全液化する必要がない。室外熱交換器21から吐出された気液二相の中温中圧の冷媒は、第7の領域52c、第2の四方弁26、第9の領域52eを介して第1の流入口71から駆動冷媒(駆動流)としてエジェクタ27に供給される。
【0066】
また、気液分離器の第3の開口61cからは、分離された気体状の冷媒が第10の領域53a、冷媒熱交換器62、第11の領域53bを介して、冷媒熱交換器62で加熱された状態で、第2の流入口72からエジェクタ27に吸入冷媒(吸入流)として供給される。つまり、冷媒熱交換器62による熱交換により気液分離器61から供給される冷媒を完全に気体化する(または気体化を促進する)。その結果、エジェクタ27に供給される吸入冷媒(吸入流)の圧力が向上し、この点においてもエジェクタ効果の向上に寄与できる。ところで、室外熱交換器21を通過して第7の領域52c、第2の四方弁26、第9の領域52eを介して第1の流入口71から流入する駆動冷媒(駆動流)は、配管の通過による圧損が生じて圧力が下がる。つまり、エジェクタ27の第1の流入口71に供給する駆動冷媒(駆動流)の圧力が下がり、冷凍能力の低下を招く場合がある。そこで、本第1実施形態の空気調和装置10の場合、第1の流量制御弁31を開弁制御し、圧縮機23から吐出される高温高圧の気体状の冷媒を室外熱交換器21に流入する前の段階で第4の配管54側に導き、室外熱交換器21による圧損の影響を受けない状態の冷媒を第4の配管54を介して第1の流入口71に供給する。つまり、過冷却SC=T4値-T3値≒0℃の冷媒を駆動冷媒(駆動流)として第1の流入口71に供給する。その結果、室外熱交換器21による圧損分を補い、エジェクタ27における冷凍能力の確保する(低下を補う)。すなわち、第1の流入口71に供給される駆動冷媒の圧力向上を行って、エジェクタ27のエジェクタ効果を向上している。なお、他の実施形態では、冷媒熱交換器62を省略して、第3の開口61cから供給される気体状の冷媒を第2の流入口72に直接供給するとともに、圧縮機23から吐出される高温高圧の気体状の冷媒を第1の流入口71に直接供給するようにしてもよい。この場合、室外機11の構成の簡略化に寄与できる。
【0067】
エジェクタ27の流出口73から吐出された気液二相の冷媒は、第8の領域52dを介して第3の開口61cから気液分離器61に供給され、気液分離処理が行われる。気液分離器61で分離された液状の冷媒は、第6の領域52b、第2の四方弁26、第5の領域52aを介して蒸発器として機能する室内熱交換器41に供給さる。そして、室内熱交換器41における熱交換の結果、室内に冷風を排出することができる。室内熱交換器41から吐出される冷媒は、第1の配管51の第1の領域51a、第1の四方弁25、第2の領域51bを介してアキュムレータ24に戻り、再び圧縮機23に送られる。なお、冷房運転時は、第2の流量制御弁32は閉弁されているので、室内熱交換器41から吐出される冷媒は、第4の配管54(冷媒熱交換器62、エジェクタ27側)には流れない。
【0068】
上述したように、室外機11の配管上にエジェクタ27を設ける場合、一般構成のように膨張弁を用いる場合よりエジェクタ27のエジェクタ効果により冷凍能力が向上する。つまり、エンタルピ的に有利である。そのため、室外熱交換器21で同じ能力を実現する場合、室外熱交換器21の小型化が可能になる。また、室外熱交換器21の小型化により冷凍サイクルを循環する冷媒量の削減にも寄与することができる。
【0069】
このように、冷房運転時の冷媒の循環を制御する本実施形態の空気調和装置10は、エジェクタ27を用いることで、室外熱交換器21において過冷却をとり冷媒を完全に液化する必要がなくなる。つまり、室外熱交換器21の低能力化が可能になる。その結果、同じ能力を実現する場合、室外熱交換器21の小型化が可能になる。また、室内熱交換器41へも、エジェクタ27、気液分離器61を介して低温低圧の液状の冷媒を十分に供給することが可能になり、室内熱交換器41の冷房時の性能維持または同じ能力を維持する場合には小型化が可能になる。また、このように室外熱交換器21、室内熱交換器41の小型化が行われれば、循環する冷媒の総量が低減可能になる。また、エジェクタ27の流出口73からは、昇圧された冷媒が吐出可能となるので、配管内の冷媒の圧力の向上が図れて、室内熱交換器41からアキュムレータ24(圧縮機23)に戻す冷媒の圧力を上昇させることができる。その結果、圧縮機23で行っていた昇圧処理の一部をエジェクタ27の機能によって補うことが可能となる。このように、循環する冷媒の総量の低減、昇圧処理の軽減により圧縮機23の仕事量の軽減が可能になり、運転時の省エネルギー化に寄与することができる。
【0070】
続いて、暖房運転について、
図4に示される媒体の流れ態様に基づいて説明する。例えば、空気調和装置10の起動と暖房運転の開始が同時である場合、室外送風ファン22、圧縮機23、および室内送風ファン42は停止している。この場合、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、および圧縮機制御部95は、暖房運転の開始時に、室外送風ファン22、圧縮機23、および室内送風ファン42を起動する。
【0071】
暖房運転中において、室外ファン制御部93は、室外送風ファン22の回転数を調整する。室内ファン制御部94は、室内送風ファン42の回転数を調整する。例えば、室内ファン制御部94は、室内機12が設置された室内の気温またはリモートコントローラから入力された信号に応じて、室内送風ファン42を弱風(低速)運転ないし強風(高速)運転の間で制御する。圧縮機制御部95は、圧縮機23の周波数を調整する。
【0072】
暖房運転が開始されると、弁制御部96は、第1の四方弁駆動回路84、第2の四方弁駆動回路85および三方弁駆動回路88を制御し、第1の四方弁25、第2の四方弁26および三方弁33において冷媒が流れる方向を暖房用に変更させる。また、弁制御部96は、第1の流量制御弁駆動回路86、第2の流量制御弁駆動回路87を制御し、第1の流量制御弁31および第2の流量制御弁32を暖房用に開閉弁状態を変化させる。
【0073】
具体的には、第1の四方弁25が第1の配管51の第4の領域51dと第1の領域51aとを接続し、圧縮機23の吐出口23bと室内熱交換器41とを接続する。その結果、圧縮機23から吐出された高温高圧の気体状の冷媒が室内熱交換器41に供給される。室内熱交換器41は凝縮器として機能し冷媒の熱交換により、室内機12から温風を排出することが可能になる。ところで、一般的な空調調和装置の場合、室内熱交換器における冷媒循環量の確保等のために室内熱交換器で冷媒を液化して室内熱交換器と室外熱交換器との間に存在する膨張弁に供給することが行われている。そのため室内熱交換器は、サブクール熱交換器(換言すると、過冷却熱交換器)とする必要がる。このサブクール熱交換器内部は中温の液状の冷媒のため熱交換効率が落ちる可能性がある。つまり、室内機の吹き出し温度の低下を誘発してしまう虞がある。一方、本実施形態の空気調和装置10の場合、気液二相の冷媒を流すことが可能なエジェクタ27を利用するため、室内熱交換器41として、サブクール熱交換器を設ける必要がなく、吹き出し温度の低下を生じさせることがない。つまり、室内熱交換器41の能力を向上することが可能になり、同じ能力を実現する場合、室内熱交換器41の小型化を行うことが可能になる。
【0074】
室内熱交換器41から吐出された液状の中温高圧の冷媒は、第5の領域52a、第2の四方弁26、第9の領域52eを介して第1の流入口71から駆動冷媒(駆動流)としてエジェクタ27に供給される。また、気液分離器の第3の開口61cからは、分離された気体状の冷媒が第10の領域53a、冷媒熱交換器62、第11の領域53bを介して、冷媒熱交換器62で加熱された状態で、第2の流入口72からエジェクタ27に吸入冷媒(吸入流)として供給される。つまり、冷媒熱交換器62による熱交換により気液分離器61から供給される冷媒は完全気体化される(または、気体化が促進される)。その結果、エジェクタ27に供給される吸入冷媒(吸入流)の圧力が向上し、この点においてもエジェクタ効果の向上に寄与できる。
【0075】
ところで、室内熱交換器41から吐出されて第5の領域52a、第2の四方弁26、第9の領域52eを介して第1の流入口71から駆動冷媒(駆動流)として流入する駆動冷媒(駆動流)において、配管の長さによっては圧力損失(圧損)が生じる虞がある。つまり、エジェクタ27の第1の流入口71に供給する駆動冷媒(駆動流)の圧力が下がり、冷凍能力の低下を招く場合がある。そこで、本第1実施形態の空気調和装置10の場合、第2の流量制御弁32を開弁制御し、圧縮機23から吐出される高温高圧の気体状の冷媒を室内熱交換器41に流入する前の段階で第4の配管54側に導き、室内熱交換器41による圧損の影響を受けない状態の冷媒を第4の配管54を介して第1の流入口71に供給する。その結果、室内熱交換器41による圧損分を補い、エジェクタ27における冷凍能力の確保する(低下を補う)。すなわち、第1の流入口71に供給される駆動冷媒の圧力向上を行って、エジェクタ27のエジェクタ効果を向上している。なお、他の実施形態では、冷媒熱交換器62を省略して、第3の開口61cから供給される気体状の冷媒を第2の流入口72に直接供給するとともに、圧縮機23から吐出される高温高圧の気体状の冷媒を第1の流入口71に直接供給するようにしてもよい。この場合、室外機11の構成の簡略化に寄与できる。
【0076】
また、エジェクタ27の流出口73から吐出される気液二相の冷媒は、前述したように、昇圧された状態で第2の開口61bから気液分離器61に供給される。気液分離器61で分離された液状の冷媒は、第5の領域52a、第2の四方弁26、第7の領域52c介して、室外熱交換器21に供給される。そして、室外熱交換器21から吐出される冷媒はアキュムレータ24に戻され、再度圧縮機23で圧縮処理されて送り出される。この場合、第1の流量制御弁31は閉弁されているので、エジェクタ27の第1の流入口71側に室外熱交換器21からの冷媒が流入することはない。このように、エジェクタ27の流出口73から吐出される気液二相の冷媒は、昇圧された状態で吐出され、気液分離器61を経て室外熱交換器21に供給される。エジェクタ27による昇圧により冷媒の温度は、一般的な構成のように膨張弁を経て室外熱交換器21に供給される場合に比べて、上昇する。つまり、室外熱交換器21には、膨張弁を利用する場合に比べて高い温度の冷媒が供給される。したがって、暖房運転時に蒸発器として機能する室外熱交換器21の負荷を軽減することが可能になる。その結果、同じ能力を実現する場合、室外熱交換器21の小型化に寄与することができる。
【0077】
暖房運転においても、室外熱交換器21、室内熱交換器41の小型化が行われれば、循環する冷媒の総量が低減可能になる。また、エジェクタ27の流出口73からは、昇圧された冷媒が吐出可能となるので、配管内の冷媒の圧力の向上が図れて、室外熱交換器21からアキュムレータ24(圧縮機23)に戻す冷媒の圧力を上昇させることができる。その結果、圧縮機23で行っていた昇圧処理の一部をエジェクタ27の機能によって補うことが可能となる。このように、循環する冷媒の総量の低減、昇圧処理の軽減により圧縮機23の仕事量の軽減が可能になり、運転時の省エネルギー化に寄与することができる。また、上述したように、室内熱交換器41においてサブクール熱交換器を設ける必要がなく、吹き出し温度の低下を生じさせることがなく、室内熱交換器41の能力を向上することが可能になる。その結果、同じ能力を実現する場合、室内熱交換器41の小型化を行うことができる。
【0078】
また、上述したように、エジェクタ27の流出口73から吐出される冷媒は、昇圧され、かつ温度が上がる。つまり、気液分離器61を通過して、室外熱交換器21へ供給される液状の冷媒を露点温度より高くすることが可能になる。その結果、室外熱交換器21における熱交換時に霜が付きにくくすることができる。つまり、除霜処理を行う必要がない空気調和装置10を提供することができる。また、室外熱交換器21に露点温度以上の冷媒が供給することができることにより蒸発性能が向上する。その結果、室外熱交換器21の性能を維持しつつ小型化が可能になる。
【0079】
第2実施形態.
図5、
図6は第2実施形態に係る空気調和装置の冷媒系統図であり、
図5は、冷房運転時の冷媒の流れを示す例示的かつ模式的な図である。また、
図6は、暖房運転時の冷媒の流れを示す例示的かつ模式的な図である。なお、
図1、
図4に示す第1実施形態に対して、第2実施形態は、第4の配管54の第15の領域54dの位置が異なるのみで、他の構成は、第1実施形態と同じである。したがって、同様な構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0080】
第2実施形態において、第4の配管54は、エジェクタ27の第1の流入口71と第2の四方弁26と間の第2の配管(第9の領域52e)と、第1の四方弁25と室外熱交換器21とを接続する第1の配管51(第3の領域51c)または第2の四方弁26と室内熱交換器41とを接続する第2の配管52(第5の領域52a)と、を接続する。
【0081】
冷房運転時には、第4の配管54の第14の領域54c上に設けられた第1の流量制御弁31が開弁され、第15の領域54d上に設けられた第2の流量制御弁32が閉弁される。その結果、圧縮機23から吐出される高温高圧の冷媒が冷媒熱交換器62を介して第1の流入口71に供給される。すなわち、第1実施形態と同じ流路を実現する。その結果、冷房運転時には、第1実施形態で説明した場合と同じ効果を得ることができる。
【0082】
一方、暖房運転時には、第4の配管54の第14の領域54c上に設けられた第1の流量制御弁31は閉弁され、第15の領域54d上に設けられた第2の流量制御弁32が開弁される。その結果、室内熱交換器41から吐出された中温高圧の冷媒が冷媒熱交換器62を介して第1の流入口71に供給される。この場合、室内熱交換器41を通過する冷媒は、上述したように圧損を伴うものの、冷媒熱交換器62を介して第1の流入口71に供給されて、第1実施形態で説明した場合とほぼ同じ効果を得ることができる。
【0083】
以上説明された実施形態に係る空気調和装置10は、室内熱交換器41と、室外熱交換器21と、第1の配管51と、第2の配管52と、圧縮機23と、第1の四方弁25と、エジェクタ27と、第2の四方弁26と、気液分離器61と、第3の配管53と、第4の配管54と、を備える。室内熱交換器41は、室内機12に設けられる。室外熱交換器21は、室外機11に設けられる。第1の配管51は、室内熱交換器41と室外熱交換器21とを接続し、冷媒が流れる。第2の配管52は、室外熱交換器21と室内熱交換器41とを接続し、冷媒が流れる。圧縮機23は、第1の配管51に設けられ、冷媒を吸入する吸入口23aと、冷媒を吐出する吐出口23bと、を有する。第1の四方弁25は、第1の配管51に設けられ、冷媒が流れる方向を変更可能である。エジェクタ27は、第2の配管52に設けられ、第2の配管52における上流側から冷媒が流入する第1の流入口71と、第2の配管52とは異なる配管から冷媒が流入する第2の流入口72と、が設けられ、第1の流入口71に供給された冷媒を第2の流入口72に供給された冷媒とを混合するとともに昇圧した状態で流出口73から第2の配管52の下流側に供給可能である、第2の四方弁26は、第2の配管52に設けられ、エジェクタ27の第1の流入口71と流出口73とに接続され、流出口73から流出する冷媒の流れる方向を変更可能である。気液分離器61は、第2の配管52に設けられ、第2の四方弁56と接続される第1の開口61aと、流出口73と接続される第2の開口61bと、気体状の冷媒が通る第3の開口61cと、が設けられる。第3の配管53は、第3の開口61cと第2の流入口72とを接続する。第4の配管54は、第1の流入口71と第2の四方弁26と間の第2の配管52と、第1の四方弁25と室外熱交換器21とを接続する第1の配管51または第1の四方弁25と室内熱交換器41とを接続する第1の配管51と、を接続する。この構成によれば、例えば、圧縮機23の仕事の一部をエジェクタ27で補うことが可能になり、省エネルギー化に寄与できる。また、冷凍サイクルにおける熱交換効率が向上可能となり、室外熱交換器21、室内熱交換器41の小型化が可能になるとともに、循環する冷媒の総量の軽減(削減)に寄与できる。
【0084】
本発明の他の実施形態に係る空気調和装置10は、室内熱交換器41と、室外熱交換器21と、第1の配管51と、第2の配管52と、圧縮機23と、第1の四方弁25と、エジェクタ27と、第2の四方弁26と、気液分離器61と、第3の配管53と、第4の配管54と、を備える。室内熱交換器41は、室内機12に設けられる。室外熱交換器21は、室外機11に設けられる。第1の配管51は、室内熱交換器41と室外熱交換器21とを接続し、冷媒が流れる。第2の配管52は、室外熱交換器21と室内熱交換器41とを接続し、冷媒が流れる。圧縮機23は、第1の配管51に設けられ、冷媒を吸入する吸入口23aと、冷媒を吐出する吐出口23bと、を有する。第1の四方弁25は、第1の配管51に設けられ、冷媒が流れる方向を変更可能である。エジェクタ27は、第2の配管52に設けられ、第2の配管52における上流側から冷媒が流入する第1の流入口71と、第2の配管52とは異なる配管から冷媒が流入する第2の流入口72と、が設けられ、第1の流入口71に供給された冷媒を第2の流入口72に供給された冷媒とを混合するとともに昇圧した状態で流出口73から第2の配管52の下流側に供給可能である、第2の四方弁26は、第2の配管52に設けられ、エジェクタ27の第1の流入口71と流出口73とに接続され、流出口73から流出する冷媒の流れる方向を変更可能である。気液分離器61は、第2の配管52に設けられ、第2の四方弁56と接続される第1の開口61aと、流出口73と接続される第2の開口61bと、気体状の冷媒が通る第3の開口61cと、が設けられる。第3の配管53は、第3の開口61cと第2の流入口72とを接続する。第4の配管54は、第1の流入口71と第2の四方弁26と間の第2の配管52と、第1の四方弁25と室外熱交換器21とを接続する第1の配管51または第2の四方弁26と室内熱交換器41とを接続する第2の配管52と、を接続する。この構成によれば、例えば、圧縮機23の仕事の一部をエジェクタ27で補うことが可能になり、省エネルギー化に寄与できる。また、冷凍サイクルにおける熱交換効率が向上可能となり、室外熱交換器21、室内熱交換器41の小型化が可能になるとともに、循環する冷媒の総量の軽減(削減)に寄与できる。
【0085】
また、空気調和装置10は、例えば、第3の配管53を流れる冷媒と、第4の配管54を流れる冷媒と、の間で熱交換を行う冷媒熱交換器62を備えてもよい。この構成によれば、エジェクタ27の第2の流入口72に向かう冷媒の気体化の完全化または促進を行うことができる。その結果、気液分離器61からの気体状の冷媒の取り出しが不十分な場合でも、第2の流入口72に気体状の冷媒を十分に供給できる。この場合、気液分離器61の能力を軽減可能となり、小型化に寄与できる。エジェクタ27の第2の流入口72に向かう気体状の冷媒の圧力を向上することが可能になり、エジェクタ効果の向上に寄与できる。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0087】
10…空気調和装置、11…室外機、12…室内機、13…冷媒配管、14…制御装置、21…室外熱交換器、23…圧縮機、24…アキュムレータ、25…第1の四方弁、26…第2の四方弁、27…エジェクタ、31…第1の流量制御弁、32…第2の流量制御弁、33…三方弁(切替弁)、41…室内熱交換器、51…第1の配管、52…第2の配管、53…第3の配管、54…第4の配管、61…気液分離器、62…冷媒熱交換器、71…第1の流入口、72…第2の流入口、73…流出口。