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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080773
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】換気装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/06 20060101AFI20240610BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
F24F13/06 A
F24F7/007 101
F24F7/007 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193992
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 光起
(72)【発明者】
【氏名】中川 優
(72)【発明者】
【氏名】森 慶太
(72)【発明者】
【氏名】眞田 陽平
【テーマコード(参考)】
3L056
3L080
【Fターム(参考)】
3L056BF02
3L056BG04
3L056BG06
3L080BA01
3L080BA12
3L080BB01
3L080BB05
(57)【要約】
【課題】旋回気流を安定化させることで、局所換気性能の向上を図る。
【解決手段】周方向に沿って間欠的に設けられた複数の吐出口Pから径方向斜め下方に空気を吐出させるとともに、それらの吐出口Pの内側に設けられた吸引口Qから空気を吸い込むことで旋回気流を生じさせる換気装置100であって、吐出口Pにおける吸引口Q側の内側箇所Xよりも、その反対側の外側箇所Yの方が上方に位置するようにした。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に沿って間欠的に設けられた複数の吐出口から径方向斜め下方に空気を吐出させるとともに、それらの吐出口の内側に設けられた吸引口から空気を吸い込むことで旋回気流を生じさせる換気装置であって、
前記吐出口における前記吸引口側の内側箇所よりも、その反対側の外側箇所の方が上方に位置することを特徴とする換気装置。
【請求項2】
径方向斜め下方に延びて前記吐出口につながる吐出流路を備え、
前記吐出口が、前記内側箇所を含む水平面と、前記内側箇所を含み前記吐出流路と直交する仮想面との間、又は、当該仮想面上に設けられていることを特徴とする請求項1記載の換気装置。
【請求項3】
前記吐出口が、前記仮想面上に設けられていることを特徴とする請求項2記載の換気装置。
【請求項4】
前記吐出流路が周方向斜め下方に延びており、その周方向斜め下方に向かう方向と鉛直方向とのなす角度θ1が、30°≦θ1≦60°であることを特徴とする請求項2記載の換気装置。
【請求項5】
前記吐出流路の径方向斜め下方に向かう方向と鉛直方向とがなす角度θ2が、15°≦θ2≦45°であることを特徴とする請求項2記載の換気装置。
【請求項6】
互いに隣り合う2つの前記吐出口それぞれと、前記吸引口とを結ぶ仮想線のなす角度θ3が12°≦θ3≦36°であることを特徴とする請求項1記載の換気装置。
【請求項7】
前記吸引口から吸い込んだ空気が通過するフィルタをさらに備える請求項1記載の換気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、換気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気式調理器は、ガス式調理器に比べて、発生する上昇気流が弱く、調理時に発生する油煙が換気装置に到達せずに拡散してしまい、室内環境ならびに人体へ悪影響を及ぼすという問題がある。
【0003】
油煙の拡散を抑えるべく換気装置の風量を上げることも考えられるが、この場合、騒音や振動が増大し使用者に不快感を与えてしまうという別の問題を生じる。
【0004】
そこで、先行文献1に示すように、油煙の発生源周辺を局所的に換気する局所換気装置が知られている。具体的にこのものは、周方向に沿って設けられた吐出口から周方向斜め下方に空気を吐出させるとともに、それらの吐出口の内側に設けられた吸引口から空気を吸い込むことで旋回気流を生成するように構成されている。
【0005】
しかしながら、本願発明者が従来の局所換気装置の構成について鋭意検討したところ、吐出口につながる吐出流路が径方向外側に向かって斜めに延びるとともに、その吐出口が水平であることに起因して、旋回気流が不安定であることを見出した。
【0006】
その理由を、図8を参照しながら説明すると、従来の局所換気装置は、吐出流路を形成する壁面の内側よりも外側の方が長くなっているので、この吐出流路を流れる空気に作用するコアンダ効果や遠心力が内側よりも外側で強くなる。
【0007】
このため、吐出流路内の風速分布が内側よりも外側に偏り、その外側から吐出された空気と、その周囲の静止空気との速度差が大きくなり、強いせん断力が生じる。
【0008】
その結果、吐出流路の外側に強い渦が発生して、その渦により気流が外側に引っ張られるので、吐出気流が狙った角度からずれて旋回気流が不安定になり、ひいては局所換気性能の低下を招来する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11-281108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本願発明は、上述した問題を解決すべくなされたものであって、旋回気流を安定化させることで、局所換気性能の向上を図ることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、本願発明に係る換気装置は、周方向に沿って間欠的に設けられた複数の吐出口から径方向斜め下方に空気を吐出させるとともに、それらの吐出口の内側に設けられた吸引口から空気を吸い込むことで旋回気流を生じさせる換気装置であって、前記吐出口における前記吸引口側の内側箇所よりも、その反対側の外側箇所の方が上方に位置することを特徴とするものである。
【0012】
このように構成された換気装置ならば、吐出口の内側箇所よりも外側箇所の方が上方に位置しているので、この吐出口につながる吐出流路を形成する壁面の外側を従来よりも短くすることができる。これにより、吐出流路における外側を流れる空気に作用するコアンダ効果や遠心力を低減させることができ、渦の発生を抑制することが可能となる。
その結果、吐出気流が狙った角度に吹き出るようになり、旋回気流が安定して、ひいては局所換気性能の向上を図れる。
【0013】
ところで、一見すると、吐出流路を形成する壁面の外側を短くすればするほど、上述したコアンダ効果や遠心力の低減効果が向上するようにも考えられるが、この場合は、壁面の内側が外側よりも長くなってしまい、吐出流路の内側に渦が発生することが懸念される。
そこで、径方向斜め下方に延びて前記吐出口につながる吐出流路を備え、前記吐出口が、前記内側箇所を含む水平面と、前記内側箇所を含み前記吐出流路と直交する仮想面との間、又は、当該仮想面上に設けられていることが好ましい。
これならば、吐出流路の外側と内側との双方において渦の発生を抑制することが可能となり、旋回気流をより安定化させることができる。
【0014】
前記吐出口が、前記仮想面上に設けられていることが好ましい。
これならば、速度分布の偏りを可及的に抑えることができ、局所換気性能のさらなる向上を図れる。
【0015】
旋回気流のさらなる安定化を図るには、前記吐出流路が周方向斜め下方に延びており、その周方向斜め下方に向かう方向と鉛直方向とのなす角度θ1が、30°≦θ1≦60°であることが好ましく、前記吐出流路の径方向斜め下方に向かう方向と鉛直方向とがなす角度θ2が、15°≦θ2≦45°であることが好ましい。
【0016】
ところで、吐出口から吐出される吐出気流によって、その吐出気流の内側と外側とが遮断されてしまうと、空気が吸引口に吸い込まれることで、吐出気流の内側が負圧となり、内側と外側との圧力差が大きくなる。そうすると、内側と外側とを隔てている吐出気流が不安定になり、結果として旋回気流も不安定になる。
この問題を解決するには、吐出気流によって内側と外側とが遮断されないようにするべく、互いに隣り合う吐出口の間隔を広げることが考えられるが、この間隔を広げ過ぎてしまうと、旋回気流が発生しにくくなる。
【0017】
そこで、互いに隣り合う2つの前記吐出口それぞれと、前記吸引口とを結ぶ仮想線のなす角度θ3が12°≦θ3≦36°であることが好ましい。
これならば、吐出気流が不安定になることを防ぐことができ、安定した旋回気流を発生させることができる。
【0018】
吸い込んだ空気からホコリ、油煙、若しくは臭いなどを除去するために、前記吸引口から吸い込んだ空気が通過するフィルタをさらに備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
このように構成した本願発明によれば、吐出気流を狙った方向に吹き出すことが可能となり、旋回気流を安定化させることができ、局所換気性能の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る一実施形態における換気装置の断面の模式図。
図2】同実施形態の換気装置を下方から視た模式図。
図3】同実施形態の吐出口を下方から視た模式図。
図4】同実施形態の吐出口の断面の模式図。
図5】同実施形態の換気装置の模式図。
図6】同実施形態の換気装置による旋回気流を観察結果。
図7】同実施形態の換気装置による旋回気流の実際の様子。
図8】従来の換気装置による旋回気流の実際の様子。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本願発明に係る換気装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0022】
本実施形態に係る換気装置は、例えば電気式調理器の上方に設けられて、油煙の発生源周辺を局所的に換気するものである。ただし、この換気装置は、必ずしも電気式加熱調理器の上方に限るものではなく、種々の場所に配置して構わない。
【0023】
具体的にこの換気装置100は、図1及び図2に示すように、上述した吐出口P及び吸引口Qを有する本体10と、本体10の内部に設けられたファン20とを備えており、局所換気機能を発揮させるべく、周方向に沿って間欠的に設けられた複数の吐出口Pから周方向斜め下方に空気を吐出するとともに、それらの吐出口Pの内側に設けられた吸引口Qから空気を吸い込むことで旋回気流を生じさせるように構成されている。
【0024】
本体10は、図2に示すように、下方から視ると、中央部に例えば円形状の吸引口Qが形成されるとともに、この吸引口Qの周囲に例えば矩形状の吐出口Pが周方向に沿って等間隔に形成されたものである。なお、吸引口Qや吐出口Pの形状はこれに限らず、例えば吸引口Qが矩形状であっても良いし、吐出口Pが円形状であっても良い。また、吐出口Pは、必ずしも等間隔である必要はなく、例えば所定の規則で配置されていても良い。
【0025】
本体10の内部には、図1に示すように、吸引口Qからファン20につながる吸引流路L1が形成されている。この実施形態では、ファン20が吸引口Qの上方に配置されており、吸引流路L1は吸引口Qから上方に向かって延びている。
【0026】
具体的にこの吸引流路L1は、吸引口Qから上流側に向かって徐々に縮径する上流側要素と、一端開口が上流側要素に連通するとともに、他端開口がファン20に臨む円柱状の下流側要素とからなり、下流側要素には、吸引口Qから吸い込んだ空気が通過するフィルタ30が設けられている。
【0027】
また、本体10の内部には、図1に示すように、ファン20から吐出口Pにつながる複数本の吐出流路L2が、例えば筒状の壁面を介して上述した吸引流路L1の周囲に形成されている。
【0028】
本実施形態のファン20は、下方から空気を吸い込むとともに、その空気を側方に吹き出す例えばターボファンやシロッコファンなどの遠心送風機又は斜流送風機などであり、複数本の吐出流路L2はそれぞれ、ファン20から吹き出された空気をその流れ方向を変えながら吐出口Pに導くものである。
【0029】
より具体的に説明すると、各吐出流路L2は、図1に示すように、少なくとも下流側が径方向斜め下方に延びるとともに、吐出した吐出気流を旋回させるべく、図3に示すように、周方向斜め下方に延びている。
【0030】
なお、ここでいう「径方向」とは、吸引口Qの半径方向であり、「径方向斜め下方」とは、径方向に対して斜め下向きに傾いた方向である。
また、ここでいう「周方向」とは、吸引口Qの外周に沿った方向であり、「周方向斜め下方」とは、周方向に対して斜め下方に傾いた方向である。
【0031】
これらの吐出流路L2は、図1及び図2に示すように、それぞれが仕切壁40により仕切られるとともに、それぞれが個別の吐出口Pにつながっている。
【0032】
然して、これらの吐出口Pは、図3及び図4に示すように、吸引口Q側の内側箇所Xよりも、その反対側の外側箇所Yの方が上方に位置するように形成されている。
【0033】
ここで、吐出口Pの内側箇所Xとは、図3に示すように、本体10を下方から視て、吐出口Pの外縁のうちの吸引口Qに最も近い部分Aを含む箇所であり、言い換えれば、図4に示すように、吸引口Qの中心を通る本体10の縦断面において、吐出流路L2を形成する壁面の内側(吸引口Q側)の下流側端部Aを含む箇所である。
【0034】
一方、吐出口Pの外側箇所Yとは、図3に示すように、本体10を下方から視て、吐出口Pの外縁のうちの吸引口Qから最も遠い部分Bを含む箇所であり、言い換えれば、図4に示すように、吸引口Qの中心を通る本体10の縦断面において、吐出流路L2を形成する壁面の外側(吸引口Qとは反対側)の下流側端部Bを含む箇所である。
【0035】
すなわち、本実施形態の吐出口Pは、当該吐出口Pの外縁のうちの吸引口Qに最も近い部分Aよりも、同外縁のうちの吸引口Qから最も遠い部分Bの方が上方に位置しており、言い換えれば、吐出流路L2を形成する壁面の内側の下流側端部Aよりも、同壁面の外側の下流側端部Bの方が上方に位置している。
【0036】
より詳細に説明すると、吐出口Pは、図4に示すように、内側箇所X(より具体的には、吐出流路L2を形成する壁面の内側の下流側端部A)を含む水平面H1に対して傾いて形成されており、具体的には、その水平面H1から吐出流路L2の上流側に向かって傾斜している。
【0037】
本実施形態の吐出口Pは、内側箇所X(吐出流路L2を形成する壁面の内側の下流側端部A)を含み吐出流路L2と直交する仮想面H2上に設けられており、言い換えれば、吐出流路L2に対して面直に形成されている。
【0038】
より具体的には、吐出流路L2が上方から下方に向かってねじられながら延びているところ、この吐出流路L2の延びる方向を示すベクトルにおいて、吐出口Pを通過するベクトルVの向きと、吐出口Pとが直交している。
【0039】
次に、上述した構成において、図6に示す表は、吐出流路L2の周方向斜め下方に向かう方向と鉛直方向とのなす角度を第1角度θ1(図5参照)とし、吐出流路L2の径方向斜め下方に向かう方向と鉛直方向とがなす角度を第2角度θ2(図1参照)とし、互いに隣り合う2つの吐出口Pそれぞれと、吸引口Qとを結ぶ仮想線のなす角度を第3角度θ3(図2参照)とした場合に、これらの角度θ1~θ3を変えながら旋回気流の生成状態を観察した結果である。
【0040】
この表において、旋回気流の安定度は、数値が大きいほど旋回気流が安定して生成さることを示す指標である。
【0041】
具体的には、「0」は「旋回気流が生成されない」ことを示す、「1」は「旋回気流が時折生成される」ことを示し、「2」は「旋回気流が不安定ながら生成される」ことを示し、「3」は「旋回気流がやや安定して生成される」ことを示し、「4」は「旋回気流が安定して生成される」ことを示し、「5」は「旋回気流が非常に安定して生成される」ことを示している。
なお、これらの安定度は、旋回気流の生成状態を観察することで測定可能な旋回気流の旋回中心の大きさ、生成時間、及び生成頻度に基づき導き出される値である。
【0042】
この観察結果から、旋回気流をある程度安定して生成するためには、第1角θ1については、30°≦θ1≦50°であることが好ましく、第2角度θ2については、15°≦θ2≦45°が好ましく、第3角度θ3については、12°≦θ3≦36°が好ましいことが分かる。なお、本実施形態では、第1角度θ1は45°であり、第2角度θ2は30°であり、第3角度θ3は24°である。
【0043】
ここで、上述した角度のうち、第3角度θ3について付言しておくと、吐出口Pから吐出される吐出気流によって、その吐出気流の内側と外側とが遮断されてしまうと、空気が吸引口Qに吸い込まれることで、吐出気流の内側が負圧となり、内側と外側との圧力差が大きくなる。
そうすると、内側と外側とを隔てている吐出気流が不安定になり、結果として旋回気流も不安定になる。
【0044】
この問題を解決するには、吐出気流によって内側と外側とが遮断されないようにするべく、互いに隣り合う吐出口Pの間隔を広げることが考えられるが、この間隔を広げ過ぎてしまうと、旋回気流が発生しにくくなる。
【0045】
かかるトレードオフの関係を両立させるべく、角度θ3が12°≦θ3≦36°であることが好ましく、これならば、吐出気流が不安定になることを防ぐことができ、安定した旋回気流を発生させることができる。
【0046】
このように構成した換気装置100によれば、吐出口Pの内側箇所Xよりも外側箇所Yの方が上方に位置しているので、この吐出口Pにつながる吐出流路L2を形成する壁面の外側を従来よりも短くすることができる。
これにより、吐出流路L2における外側を流れる空気に作用するコアンダ効果や遠心力を低減させることができ、渦の発生を抑制することが可能となる。
その結果、図7に示すように、吐出気流が狙った角度に吹き出るようになり、旋回気流が安定して、ひいては局所換気性能の向上を図れる。
【0047】
ところで、上述したコアンダ効果や遠心力の低減効果が向上するべく、吐出流路L2を形成する壁面の外側を短くし過ぎた場合、今度は、壁面の内側が外側よりも長くなってしまい、吐出流路L2の内側に渦が発生することが懸念される。
これに対して、本実施形態では、吐出口Pが吐出流路L2に対して面直に形成されているので、吐出流路L2の速度分布の偏りを可及的に抑えることができ、局所換気性能のさらなる向上を図れる。
【0048】
さらに、吸引流路L1にフィルタ30が設けられているので、局所的に吸い込んだ空気からホコリ、油煙、若しくは臭いなどを除去することができ、室内環境を保つことができる。
【0049】
なお、本願発明は前記実施形態に限られない。
【0050】
前記実施形態では、吐出口Pが仮想面H2上に設けられており、吐出流路L2に対して面直に形成されている態様を説明したが、吐出口Pは、仮想面H2に対して傾いていても良く、内側箇所Xを含む水平面H1と仮想面H2との間に設けられていても良い。
【0051】
また、前記実施形態では、吐出流路L2の下流側が周方向斜め下方に延びている態様を説明したが、吐出流路L2の上流側から下流側に亘り、全体的に周方向斜め下方に延びていても良い。
【0052】
さらに、換気装置100としては、吸い込んだ室内の空気を必ずしも再び室内に戻す必要はなく、吸い込んだ室内の空気を室外に排気するものであってもよい。
【0053】
その他、本願発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0054】
100・・・換気装置
P ・・・吐出口
Q ・・・吸引口
10 ・・・本体
20 ・・・ファン
L1 ・・・吸引流路
L2 ・・・吐出流路
30 ・・・フィルタ
40 ・・・仕切壁
X ・・・内側箇所
Y ・・・外側箇所
A ・・・内側の下流側端部
B ・・・外側の下流側端部
I ・・・内側
O ・・・外側
H1 ・・・水平面
H2 ・・・仮想面
V ・・・ベクトル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8