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特開2024-80774発泡用組成物、発泡組成物の製造方法、及び発泡体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080774
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】発泡用組成物、発泡組成物の製造方法、及び発泡体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/04 20060101AFI20240610BHJP
【FI】
C08J9/04 103
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193994
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】000206901
【氏名又は名称】大塚化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青▲柳▼ 誠一
【テーマコード(参考)】
4F074
【Fターム(参考)】
4F074AA20
4F074AA22
4F074AA25
4F074AA98
4F074AB05
4F074AC25
4F074AD08
4F074AD09
4F074AD13
4F074AG03
4F074BA03
4F074BA13
4F074BB02
4F074BB05
4F074BC15
4F074CA29
4F074CC06X
4F074CC06Y
4F074DA02
4F074DA03
4F074DA35
4F074DA47
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、優れた発泡倍率と微細なセル径を有する発泡体の製造方法を提供することである。
【解決手段】高分子材料(樹脂)と特定のピラゾロン系化合物とを混合して発泡用組成物を得る工程(A)、前記工程(A)で得られた発泡用組成物に、発泡剤を混合し、発泡組成物を得る工程(B)、並びに前記工程(B)で得られた発泡組成物を発泡させて発泡体を得る工程(C)。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂、並びに
式(1)及び(2)で表される化合物、並びに該化合物の塩から選ばれる少なくとも一種の化合物:
【化1】
(式(1)中、R、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示す。RとRとは互いに結合してアルキリデン基を形成してもよく、R、R及びRのいずれか2つが互いに結合してアルキレン基を形成してもよい。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。)
【化2】
(式(2)中、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、アミノ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示し、Rはアルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示す。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。)
を含む、発泡用組成物(但し、発泡剤を含まない)。
【請求項2】
高分子材料、並びに、
式(1)及び(2)で表される化合物、並びに該化合物の塩から選ばれる少なくとも一種の化合物:
【化3】
(式(1)中、R、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示す。RとRとは互いに結合してアルキリデン基を形成してもよく、R、R及びRのいずれか2つが互いに結合してアルキレン基を形成してもよい。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。)
【化4】
(式(2)中、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、アミノ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示し、Rはアルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示す。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。)
のみからなる、発泡用組成物。
【請求項3】
発泡組成物の製造方法であって、
(A)樹脂、並びに、式(1)及び(2)で表される化合物、並びに該化合物の塩から選ばれる少なくとも一種の化合物を混合して、発泡用組成物を得る工程、及び
(B)前記工程(A)で得られた発泡用組成物に、化学発泡剤を混合し、発泡組成物を得る工程
を含む、製造方法。
【請求項4】
発泡体の製造方法であって、
請求項3に記載の製造方法に、更に
(C)前記工程(B)で得られた発泡組成物を、発泡させて、発泡体を得る工程
を含む、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡用組成物、発泡組成物の製造方法、及び発泡体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発泡体は、軽量性及び断熱性等に優れていることから、自動車外装・内装部品、家電部品等で広く使用されている。
【0003】
上記発泡体は、一般的にゴムや樹脂に発泡剤を添加させることで製造することができるが、軽量性、及び断熱性等の発泡体性能の更なる向上に加え、発泡剤の使用量の削減による経済的制約等が求められており、優れた発泡倍率を有する発泡体の需要が高い。
【0004】
また、発泡体の機械強度の観点から、微細な平均セル径を有する発泡体の需要も高い。
【0005】
特許文献1は、化学発泡剤と特定の平均粒子径を有するマイクロカプセルとを併用する発泡剤を開示している。
【0006】
特許文献2は、本出願人が提供する技術であり、高分子材料用発泡倍率向上剤を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007-246578号公報
【特許文献2】WO2022/138796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、優れた発泡倍率、及び微細な平均セル径を有する発泡体を得ることができる発泡用組成物を提供することである。
【0009】
本発明の目的は、優れた発泡倍率、及び微細な平均セル径を有する発泡体を得ることができる発泡組成物の製造方法を提供することである。
【0010】
本発明の目的は、優れた発泡倍率、及び微細な平均セル径を有することができる発泡体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下の工程で製造された発泡体が、優れた発泡倍率、及び微細な平均セル径を有することを見出した。
【0012】
(A)高分子材料(樹脂)と特定のピラゾロン系化合物とを混合して発泡用組成物を得る工程、
(B)前記工程(A)で得られた発泡用組成物に、化学発泡剤を混合し、発泡組成物を得る工程、及び
(C)前記工程(B)で得られた発泡組成物を発泡させて発泡体を得る工程。
【0013】
すなわち、本発明は、以下に示す発泡用組成物、発泡組成物の製造方法、及び発泡体の製造方法を提供する。
【0014】
項1.
樹脂、並びに
式(1)及び(2)で表される化合物、並びに該化合物の塩から選ばれる少なくとも一種の化合物:
【0015】
【化1】
(式(1)中、R、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示す。RとRとは互いに結合してアルキリデン基を形成してもよく、R、R及びRのいずれか2つが互いに結合してアルキレン基を形成してもよい。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。)
【0016】
【化2】
(式(2)中、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、アミノ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示し、Rはアルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示す。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。)
を含む、発泡用組成物(但し、発泡剤を含まない)。
【0017】
項2.
高分子材料、並びに、
式(1)及び(2)で表される化合物、並びに該化合物の塩から選ばれる少なくとも一種の化合物:
【0018】
【化3】
(式(1)中、R、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示す。RとRとは互いに結合してアルキリデン基を形成してもよく、R、R及びRのいずれか2つが互いに結合してアルキレン基を形成してもよい。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。)
【0019】
【化4】
(式(2)中、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、アミノ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示し、Rはアルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示す。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。)
のみからなる、発泡用組成物。
【0020】
項3.
発泡組成物の製造方法であって、
(A)樹脂、並びに、式(1)及び(2)で表される化合物、並びに該化合物の塩から選ばれる少なくとも一種の化合物を混合して、発泡用組成物を得る工程、及び
(B)前記工程(A)で得られた発泡用組成物に、化学発泡剤を混合し、発泡組成物を得る工程
を含む、製造方法。
【0021】
項4.
発泡体の製造方法であって、
請求項3に記載の製造方法に、更に
(C)前記工程(B)で得られた発泡組成物を、発泡させて、発泡体を得る工程
を含む、製造方法。
【0022】
項5.
樹脂、並びに、
式(1)及び(2)で表される化合物、並びに該化合物の塩から選ばれる少なくとも一種の化合物:
【0023】
【化5】
(式(1)中、R、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示す。RとRとは互いに結合してアルキリデン基を形成してもよく、R、R及びRのいずれか2つが互いに結合してアルキレン基を形成してもよい。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。)
【0024】
【化6】
(式(2)中、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、アミノ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示し、Rはアルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示す。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。)
を含む組成物(但し、発泡剤を含まない)の、
発泡のための使用。
【0025】
項6.
高分子材料、並びに、
式(1)及び(2)で表される化合物、並びに該化合物の塩から選ばれる少なくとも一種の化合物:
【0026】
【化7】
(式(1)中、R、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示す。RとRとは互いに結合してアルキリデン基を形成してもよく、R、R及びRのいずれか2つが互いに結合してアルキレン基を形成してもよい。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。)
【0027】
【化8】
(式(2)中、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、アミノ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示し、Rはアルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示す。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。)
のみからなる、組成物の、
発泡のための使用。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、優れた発泡倍率、及び微細な平均セル径を有する発泡体を得ることができる発泡用組成物、発泡組成物の製造方法、及び優れた発泡倍率と微細な平均セル径を有することができる発泡体の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0030】
本発明を表す実施の形態は、発明の趣旨がより良く理解出来る説明であり、特に指定のない限り、発明内容を限定するものではない。
【0031】
本明細書において、「含む」及び「含有」は、「含む(comprise)」、「実質的にのみからなる(consist essentially of)」、及び「のみからなる(consist of)」のいずれも包含する概念である。
【0032】
本明細書において、数値範囲を「A~B」で示す場合、数値範囲は「A以上、B以下」を意味する。
【0033】
1.発泡用組成物
本発明の発泡用組成物は、
樹脂、並びに、
式(1)及び(2)で表される化合物、並びに該化合物の塩から選ばれる少なくとも一種の化合物:
【0034】
【化9】
(式(1)中、R、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示す。RとRとは互いに結合してアルキリデン基を形成してもよく、R、R及びRのいずれか2つが互いに結合してアルキレン基を形成してもよい。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。)
【0035】
【化10】
(式(2)中、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、アミノ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示し、Rはアルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示す。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。)
を含む。
【0036】
但し、本発明の前記発泡用組成物は、発泡剤を含まない。
【0037】
本発明の発泡用組成物を用い、化学発泡剤と組み合わせ、発泡させることにより、優れた発泡倍率、及び微細な平均セル径を有する発泡体を得ることができる。
【0038】
本発明の発泡用組成物は、好ましく発泡のために使用することができる。
【0039】
1-1.樹脂
本発明の発泡用組成物は、樹脂を含む。
【0040】
本発明の発泡用組成物に適用することのできる樹脂としては、特に限定はなく、公知の樹脂を広く使用することが可能である。例えば、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0041】
熱硬化性樹脂としては、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、熱硬化性ポリイミド等が挙げられる。
【0042】
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂、アクリロニトリル-スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
【0043】
これらの樹脂の中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリウレタンが好ましく、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体がより好ましい。
【0044】
1-2.式(1)及び(2)で表される化合物、並びに該化合物の塩
本発明の発泡用組成物は、式(1)及び(2)で表される化合物、並びに該化合物の塩から選ばれる少なくとも一種の化合物を含む。
【0045】
以下、これらを総称して「ピラゾロン誘導体」ということがある。
【0046】
本発明の式(1)で表される化合物、及び該化合物の塩は、下記式(1)で表される化合物である。
【0047】
以下、当該化合物及びその塩を総称して、単に化合物(1)とも記す。
【0048】
【化11】
式(1)中、R、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示す。
【0049】
式(1)中、RとRとは互いに結合してアルキリデン基を形成してもよく、R、R及びRのいずれか2つが互いに結合してアルキレン基を形成してもよい。
【0050】
式(1)中、これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。
【0051】
本発明の式(2)で表される化合物、及び該化合物の塩は、下記式(2)で表される化合物である。
【0052】
以下、当該化合物及びその塩を総称して、単に化合物(2)とも記す。
【0053】
【化12】
式(2)中、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、アミノ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示し、Rはアルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示す。
【0054】
式(2)中、これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。
【0055】
化合物(1)又は(2)において、「アルキル基」としては、特に限定はなく、例えば、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル等の炭素数1~4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、更に、1-エチルプロピル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、3-メチルペンチル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、5-プロピルノニル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル等を加えた炭素数5~18の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等の炭素数3~8の環状アルキル基等が挙げられる。
【0056】
化合物(1)又は(2)において、「アラルキル基」としては、特に限定はなく、例えば、ベンジル、フェネチル、トリチル、1-ナフチルメチル、2-(1-ナフチル)エチル、2-(2-ナフチル)エチル基等が挙げられる。
【0057】
化合物(1)又は(2)において、「アリール基」としては、特に限定はなく、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、ジヒドロインデニル、9H-フルオレニル基等が挙げられる。
【0058】
化合物(1)又は(2)において、「複素環基」としては、特に限定はなく、例えば、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-ピラジニル、2-ピリミジル、4-ピリミジル、5-ピリミジル、3-ピリダジル、4-ピリダジル、4-(1,2,3-トリアジル)、5-(1,2,3-トリアジル)、2-(1,3,5-トリアジル)、3-(1,2,4-トリアジル)、5-(1,2,4-トリアジル)、6-(1,2,4-トリアジル)、2-キノリル、3-キノリル、4-キノリル、5-キノリル、6-キノリル、7-キノリル、8-キノリル、1-イソキノリル、3-イソキノリル、4-イソキノリル、5-イソキノリル、6-イソキノリル、7-イソキノリル、8-イソキノリル、2-キノキサリル、3-キノキサリル、5-キノキサリル、6-キノキサリル、7-キノキサリル、8-キノキサリル、3-シンノリル、4-シンノリル、5-シンノリル、6-シンノリル、7-シンノリル、8-シンノリル、2-キナゾリル、4-キナゾリル、5-キナゾリル、6-キナゾリル、7-キナゾリル、8-キナゾリル、1-フタラジル、4-フタラジル、5-フタラジル、6-フタラジル、7-フタラジル、8-フタラジル、1-テトラヒドロキノリル、2-テトラヒドロキノリル、3-テトラヒドロキノリル、4-テトラヒドロキノリル、5-テトラヒドロキノリル、6-テトラヒドロキノリル、7-テトラヒドロキノリル、8-テトラヒドロキノリル、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、1-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、5-イミダゾリル、1-ピラゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、5-ピラゾリル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、3-イソオキサゾリル、4-イソオキサゾリル、5-イソオキサゾリル、3-イソチアゾリル、4-イソチアゾリル、5-イソチアゾリル、4-(1,2,3-チアジアゾリル)、5-(1,2,3-チアジアゾリル)、3-(1,2,5-チアジアゾリル)、2-(1,3,4-チアジアゾリル)、4-(1,2,3-オキサジアゾリル)、5-(1,2,3-オキサジアゾリル)、3-(1,2,4-オキサジアゾリル)、5-(1,2,4-オキサジアゾリル)、3-(1,2,5-オキサジアゾリル)、2-(1,3,4-オキサジアゾリル)、1-(1,2,3-トリアゾリル)、4-(1,2,3-トリアゾリル)、5-(1,2,3-トリアゾリル)、1-(1,2,4-トリアゾリル)、3-(1,2,4-トリアゾリル)、5-(1,2,4-トリアゾリル)、1-テトラゾリル、5-テトラゾリル、1-インドリル、2-インドリル、3-インドリル、4-インドリル、5-インドリル、6-インドリル、7-インドリル、1-イソインドリル、2-イソインドリル、3-イソインドリル、4-イソインドリル、5-イソインドリル、6-イソインドリル、7-イソインドリル、1-ベンゾイミダゾリル、2-ベンゾイミダゾリル、4-ベンゾイミダゾリル、5-ベンゾイミダゾリル、6-ベンゾイミダゾリル、7-ベンゾイミダゾリル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、4-ベンゾフラニル、5-ベンゾフラニル、6-ベンゾフラニル、7-ベンゾフラニル、1-イソベンゾフラニル、3-イソベンゾフラニル、4-イソベンゾフラニル、5-イソベンゾフラニル、6-イソベンゾフラニル、7-イソベンゾフニル、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、4-ベンゾチエニル、5-ベンゾチエニル、6-ベンゾチエニル、7-ベンゾチエニル、2-ベンゾオキサゾリル、4-ベンゾオキサゾリル、5-ベンゾオキサゾリル、6-ベンゾオキサゾリル、7-ベンゾオキサゾリル、2-ベンゾチアゾリル、4-ベンゾチアゾリル、5-ベンゾチアゾリル、6-ベンゾチアゾリル、7-ベンゾチアゾリル、1-インダゾリル、3-インダゾリル、4-インダゾリル、5-インダゾリル、6-インダゾリル、7-インダゾリル、2-モルホリル、3-モルホリル、4-モルホリル、1-ピペラジル、2-ピペラジル、1-ピペリジル、2-ピペリジル、3-ピペリジル、4-ピペリジル、2-テトラヒドロピラニル、3-テトラヒドロピラニル、4-テトラヒドロピラニル、2-テトラヒドロチオピラニル、3-テトラヒドロチオピラニル、4-テトラヒドロチオピラニル、1-ピロリジル、2-ピロリジル、3-ピロリジル、フラニル、2-テトラヒドロフラニル、3-テトラヒドロフラニル、2-テトラヒドロチエニル、3-テトラヒドロチエニル、5-メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピラゾール-4-イル基、モルホリノ基等が挙げられる。
【0059】
化合物(1)又は(2)において、「アルキレン基」としては、特に限定はなく、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基等の炭素数2~7のアルキレン基を挙げることができる。これらアルキレン基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含んでいてもよく、フェニレン基を介していてもよい。このようなアルキレン基としては、例えば、-CHNHCH-、-CHNHCHCH-、-CHNHNHCH-、-CHCHNHCHCH-、-CHNHNHCHCH-、-CHNHCHNHCH-、-CHCHCHNHCHCHCH-、-CHOCHCH-、-CHCHOCHCH-、-CHSCHCH-、-CHCHSCHCH-、
【0060】
【化13】
等が挙げられる。
【0061】
化合物(1)又は(2)において、「アルキリデン基」としては、炭素数が1~4程度であって、特に限定はなく、例えば、メチリデン、エチリデン、プロピリデン、イソプロピリデン、ブチリデン基等が挙げられる。
【0062】
これらアルキル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、及びアルキレン基は、置換可能な任意の位置にそれぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。
【0063】
該「置換基」としては、特に限定はなく、例えば、ハロゲン原子、アミノ基、アミノアルキル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルボキシル基、カルボキシアルキル基、ホルミル基、ニトリル基、ニトロ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、水酸基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基等が挙げられる。
【0064】
該置換基は、好ましくは1~5個、より好ましくは1~3個有していてもよい。
【0065】
化合物(1)又は(2)において、「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子である。
【0066】
化合物(1)又は(2)において、「アミノ基」としては、-NHで表されるアミノ基だけでなく、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、n-プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n-ブチルアミノ、イソブチルアミノ、s-ブチルアミノ、t-ブチルアミノ、1-エチルプロピルアミノ、n-ペンチルアミノ、ネオペンチルアミノ、n-ヘキシルアミノ、イソヘキシルアミノ、3-メチルペンチルアミノ基等の直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~6程度のモノアルキルアミノ基;ジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジエチルアミノ基等の直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~2程度のアルキル基を2つ有するジアルキルアミノ基等の置換アミノ基も含まれる。
【0067】
化合物(1)又は(2)において、「アミノアルキル基」としては、特に限定はなく、例えば、アミノメチル、メチルアミノメチル、エチルアミノメチル、ジメチルアミノメチル、エチルメチルアミノメチル、ジエチルアミノメチル、2-アミノエチル、2-(メチルアミノ)エチル、2-(エチルアミノ)エチル、2-(ジメチルアミノ)エチル、2-(エチルメチルアミノ)エチル、2-(ジエチルアミノ)エチル、3-アミノプロピル、3-(メチルアミノ)プロピル、3-(エチルアミノ)プロピル、3-(ジメチルアミノ)プロピル、3-(エチルメチルアミノ)プロピル、3-(ジエチルアミノ)プロピル基等の炭素数1~7程度のアミノアルキル基、モノアルキル置換アミノアルキル基又はジアルキル置換アミノアルキル基等が挙げられる。
【0068】
化合物(1)又は(2)において、「アルコキシカルボニル基」としては、特に限定はなく、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基等の炭素数1~4の直鎖状又は分岐鎖状アルコキシカルボニル基が挙げられる。
【0069】
化合物(1)又は(2)において、「アシル基」としては、特に限定はなく、例えば、アセチル、プロピオニル、ピバロイル基等の炭素数1~4の直鎖状又は分岐鎖状アルキルカルボニル基が挙げられる。
【0070】
化合物(1)又は(2)において、「アシルオキシ基」としては、特に限定はなく、例えば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、n-ブチリルオキシ基等の炭素数1~4の直鎖状又は分岐鎖状アシルオキシ基等が挙げられる。
【0071】
化合物(1)又は(2)において、「アミド基」としては、特に限定はなく、例えば、アセトアミド、ベンズアミド基等のカルボン酸アミド基;チオアセトアミド、チオベンズアミド基等のチオアミド基;N-メチルアセトアミド、N-ベンジルアセトアミド基等のN-置換アミド基;等が挙げられる。
【0072】
化合物(1)又は(2)において、「カルボキシアルキル基」としては、特に限定はなく、例えば、カルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシ-n-プロピル、カルボキシ-n-ブチル、カルボキシ-n-ペンチル、カルボキシ-n-ヘキシル基等のカルボキシアルキル基が挙げられる。
【0073】
化合物(1)又は(2)において、「ヒドロキシアルキル基」としては、特に限定はなく、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシ-n-プロピル、ヒドロキシ-n-ブチル基等のヒドロキシアルキル基が挙げられる。
【0074】
化合物(1)又は(2)において、「アルコキシ基」としては、特に限定はなく、例えば、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、t-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ基の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基;シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシ基等の環状アルコキシ基等が挙げられる。
【0075】
化合物(1)又は(2)において、「アリールオキシ基」としては、特に限定はなく、例えば、フェノキシ、ビフェニルオキシ、ナフトキシ基等が挙げられる。
【0076】
化合物(1)又は(2)において、「アルキルチオ基」としては、特に限定はなく、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、及びn-プロピルチオ基等が挙げられる。
【0077】
化合物(1)又は(2)において、「アリールチオ基」としては、特に限定はなく、例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、ビフェニルチオ基等が挙げられる。
【0078】
化合物(1)の中でも、Rが水素原子である化合物が好ましい。
【0079】
化合物(1)の中でも、Rが、水素原子、炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基である化合物が好ましく、水素原子、炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、ベンジル基、フェニル基、ナフチル基、又はフリル基である化合物がより好ましく、水素原子、又は炭素数1~4の直鎖状アルキル基である化合物が更に好ましい。
【0080】
化合物(1)の中でも、R及びRの少なくとも一方が水素原子である化合物が好ましく、R及びRが共に水素原子である化合物がより好ましい。
【0081】
化合物(1)の中でも、Rが水素原子であり、Rが水素原子、炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基であり、R及びRが共に水素原子である化合物、及び、Rが水素原子であり、Rが水素原子、炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基であり、RとRとが一緒になってアルキリデン基を形成している化合物が更に好ましく、Rが水素原子であり、Rが水素原子若しくは炭素数1~4の直鎖状アルキル基であり、R及びRが共に水素原子である化合物が特に好ましい。
【0082】
化合物(2)の中でも、Rは水素原子であり、Rは炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、アラルキル基、又はアリール基であり、R及びRは同一又は異なって、水素原子、炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、アラルキル基、アリール基、アミノ基又は複素環基である化合物が好ましい。
【0083】
化合物(2)の中でも、Rが炭素数1~4の直鎖状アルキル基、アラルキル基、又はアリール基である化合物が好ましく、炭素数1~4の直鎖状アルキル基、又はアリール基である化合物がより好ましい。
【0084】
化合物(2)の中でも、R及びRが同一又は異なって、水素原子、炭素数1~4の直鎖状アルキル基、又はアミノ基である化合物が好ましい。
【0085】
化合物(2)の中でも、Rは水素原子であり、Rが炭素数1~4の直鎖状アルキル基、又はアリール基であり、R及びRが同一又は異なって、水素原子、炭素数1~4の直鎖状アルキル基、又はアミノ基である化合物が好ましい。
【0086】
化合物(1)及び化合物(2)の中でも、化合物(1)が特に好ましい。
【0087】
化合物(1)としては、例えば、5-ピラゾロン、3-メチル-5-ピラゾロン、3-(ナフタレン-2-イル)-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、3-(フラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、3-フェニル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、3-プロピル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、3-t-ブチル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、3-ウンデシル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、4-(2-ヒドロキシエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、4-ベンジル-3-メチル-1H-ピラゾール-5(4H)オン、4,4’-(フェニルメチレン)ビス(5-メチル-1H-ピラゾール-3(2H)-オン)、4-[(ジメチルアミノ)メチリデン]-3-メチル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、4-メチル-2,3-ジアゾスピロ[4.4]ノン-3エン-1-オン、5-メチル-2-(4-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3(2H)-オン、5-メチル-2-フェニル-2,4-ジヒドロ-3H-ピラゾール-3-オン、4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-インダゾール-3(3aH)-オン、4-{[4-ジメチルアミノ]フェニル}メチリデン}-3-メチル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、4,4’-(4-ヒドロキシフェニルメチレン)ビス(5-メチル-1H-ピラゾール-3(2H)-オン)、1,3-ジフェニル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、及び4,4’-(4-ニトロフェニルメチレン)ビス(5-メチル-1H-ピラゾール-3(2H)-オン)等が挙げられる。
【0088】
化合物(2)としては、例えば、1,5-ジメチル-2-フェニル-1H-ピラゾール-3(2H)-オン、1-フェニル-1H-ピラゾール-3(2H)-オン、及び4-アミノ-1,5-ジメチル-2-フェニル-1H-ピラゾール-3(2H)-オン等が挙げられる。
【0089】
中でも、好ましい化合物は、5-ピラゾロン、3-メチル-5-ピラゾロン、3-t-ブチル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、3-(ナフタレン-2-イル)-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、3-(フラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、3-フェニル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、及び3-プロピル-1H-ピラゾール-5(4H)-オンがより好ましい。
【0090】
本発明の発泡用組成物に含まれる化合物(1)及び(2)としては、上記した化合物を一種のみ単独で含んでもよいし、二種以上を混合して含んでもよい。
【0091】
化合物(1)又は(2)の中には、互変異性体を生じるものがある。互変異性化が可能である(例えば、溶液中である)場合に、互変異性体の化学平衡に達し得る。化合物(1)又は(2)は、例えば、式(3)~(9)で表されるような互変異性体として存在することができる。
【0092】
前記式(1)において、R及びRが水素原子である化合物(化合物(1)-A)には、以下の式(3)~(5)で表される互変異性体が存在する。
【0093】
【化14】
(式中、R及びRは、前記に同じ。)
前記式(1)において、Rが水素原子である化合物(化合物(1)-B)には、以下の式(6)~(7)で表される互変異性体が存在する。
【0094】
【化15】
(式中、R、R及びRは、前記に同じ。)
前記式(1)において、Rが水素原子である化合物(化合物(1)-C)には、以下の式(8)で表される互変異性体が存在する。
【0095】
【化16】
(式中、R、R及びRは、前記に同じ。)
前記式(2)において、Rが水素原子である化合物(化合物(2)-A)には、以下の式(9)で表される互変異性体が存在する。
【0096】
【化17】
上記式(3)~(9)で表されるような互変異性体と、化合物(1)又は(2)とは、どちらの異性体も共存する平衡状態に達している。よって、別段の記載がない限り、本明細書において、化合物(1)又は(2)のすべての互変異性体の形態は、本発明の範囲内である。
【0097】
式(1)又は(2)で表される化合物の塩としては、特に限定はなく、あらゆる種類の塩が含まれる。このような塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;ジメチルアンモニウム、及びトリエチルアンモニウム等のアンモニウム塩等が挙げられる。
【0098】
本発明の発泡用組成物において、上記化合物(1)又は(2)を上記樹脂にあらかじめ混合する事に依り、発泡用組成物より製造された発泡体は、優れた発泡倍率と微細な平均セル径を有する。
【0099】
1-3.その他の配合剤
本発明の発泡用組成物には、上記成分以外にも、その目的及び効果を損なわない範囲内で、様々な配合剤を添加しても良い。例えば、カーボンブラック、無機充填剤、老化防止剤、オゾン防止剤、軟化剤、加工助剤、ワックス、オイル、ステアリン酸等の炭素数8~30の脂肪酸、脂肪酸金属塩、酸化亜鉛(ZnO)、架橋助剤、架橋剤、顔料、染料、粘着性付与剤、気泡核剤、悪臭吸着剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、遮光剤、金属不活性剤、消光剤、防曇剤、防黴剤、抗菌剤、防臭剤、可塑剤、帯電防止剤、界面活性剤、重合禁止剤、増感剤、硬化促進剤、希釈材、流動性調整剤、レベリング剤、粘着剤、接着剤、滑剤、離型剤、潤滑剤、固体潤滑剤、強化剤、相溶化剤、導電剤、アンチブロッキング剤、アンチトラッキング剤、蓄光剤、難燃剤、分散剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。 無機充填材としては、特に制限はなく、例えば、シリカ;γ-アルミナ、α-アルミナ等のアルミナ(Al);ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al・HO);ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)];炭酸アルミニウム[Al(CO]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、アタパルジャイ(5MgO・8SiO・9HO)、チタン白(TiO)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al)、クレー(Al・2SiO)、カオリン(Al・2SiO・2HO)、パイロフィライト(Al・4SiO・HO)、ベントナイト(Al・4SiO・2HO)、ケイ酸アルミニウム(AlSiO、Al・3SiO・5HO等)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO、MgSiO等)、ケイ酸カルシウム(Ca・SiO等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al・CaO・2SiO等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)・nHO]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO]、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等が挙げられる。この中でも、炭酸カルシウム、タルク、クレーが好ましい。
【0100】
2.高分子材料、並びにピラゾロン誘導体のみからなる発泡用組成物
本発明の発泡用組成物は、
高分子材料、並びに、
式(1)及び(2)で表される化合物、並びに該化合物の塩から選ばれる少なくとも一種の化合物(ピラゾロン誘導体):
【0101】
【化18】
(式(1)中、R、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示す。RとRとは互いに結合してアルキリデン基を形成してもよく、R、R及びRのいずれか2つが互いに結合してアルキレン基を形成してもよい。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。)
【0102】
【化19】
(式(2)中、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、アミノ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示し、Rはアルキル基、アラルキル基、アリール基、又は複素環基を示す。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。)
のみからなる組成物を含む。
【0103】
本発明の「高分子材料、並びにピラゾロン誘導体のみからなる発泡用組成物」とは、実質的に、高分子材料、並びにピラゾロン誘導体(式(1)及び(2)で表される化合物、並びに該化合物の塩から選ばれる少なくとも一種の化合物)のみを含む組成物であり、本発明の効果を阻害しない程度に、上記1-3に示す、その他の配合剤を含んでいても良い。
【0104】
本発明の高分子材料、並びにピラゾロン誘導体のみからなる発泡用組成物を用い、化学発泡剤と組み合わせ、発泡させることにより、優れた発泡倍率、及び微細な平均セル径を有する発泡体を得ることができる。
【0105】
本発明の発泡用組成物は、好ましく発泡のために使用することができる。
【0106】
2-1.高分子材料
本発明の高分子材料、並びにピラゾロン誘導体のみからなる発泡用組成物は、高分子材料を含む。
【0107】
高分子材料としては、特に限定はなく、公知の高分子材料を広く使用することが可能である。例えば、ゴム、樹脂、熱硬化性エラストマー、熱可塑性エラストマー等である。
【0108】
ゴムとしては、特に制限はなく、例えば、ジエン系ゴム、非ジエン系ゴム、並びにジエン系ゴムと非ジエン系ゴムとの混合物等が挙げられる。
【0109】
ジエン系ゴムとしては、天然ゴム、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン-イソプレン-ブタジエンゴム(SIBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン-イソプレン-スチレン三元ブロック共重合体(SIS)、スチレン-ブタジエン-スチレン三元ブロック共重合体(SBS)等、及びこれらの変性ジエン系ゴムが挙げられる。中でも、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムが好ましい。
【0110】
天然ゴムとしては、天然ゴムラテックス、技術的格付けゴム(TSR)、スモークドシート(RSS)、ガタパーチャ、杜仲由来天然ゴム、グアユール由来天然ゴム、ロシアンタンポポ由来天然ゴムなどが挙げられ、更にこれら天然ゴムを変性した、エポキシ化天然ゴム、メタクリル酸変性天然ゴム、ハロゲン変性天然ゴム、脱蛋白天然ゴム、マレイン酸変性天然ゴム、スルホン酸変性天然ゴム、スチレン変性天然ゴムなどの変性天然ゴムなどを使用することも好ましい。
【0111】
変性ジエン系ゴムには、主鎖変性、片末端変性、両末端変性などの変性手法によるジエン系ゴムが包含される。ここで、変性ジエン系ゴムの変性官能基としては、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基などの各種官能基が挙げられ、これら官能基は1種又は2種以上が変性ジエン系ゴムに含まれていてもよい。
【0112】
ジエン系ゴムの製造方法は、特に制限はなく、乳化重合、溶液重合、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などが挙げられる。また、合成ジエン系ゴムのガラス転移点も、特に制限はない。
【0113】
非ジエン系ゴムとしては、ブチルゴム、エチレン-プロピレンゴム(EPM)、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、ウレタンゴム(U)、六フッ化プロピレン‐フッ化ビニリデン共重合体(FKM)、テトラフルオロエチレン‐プロピレン共重合体(FEPM)、テトラフルオロエチレン‐パーフルオロビニルエーテル共重合体(FFKM)、メチルシリコーンゴム(MQ)、ビニル・メチルシリコーンゴム(VMQ)、フェニル・メチルシリコーンゴム(PMQ)、アクリルゴム(ACM)、多硫化ゴム(T)、エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO)等、及びこれらの変性非ジエン系ゴムが挙げられる。中でも、ブチルゴム、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)が好ましい。
【0114】
変性非ジエン系ゴムには、主鎖変性、片末端変性、両末端変性などの変性手法による非ジエン系ゴムが包含される。ここで、変性非ジエン系ゴムの変性官能基としては、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基などの各種官能基が挙げられ、これら官能基は1種又は2種以上が変性合成非ジエン系ゴムに含まれていてもよい。
【0115】
非ジエン系ゴムの製造方法は、特に制限はなく、乳化重合、溶液重合、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などが挙げられる。また、合成非ジエン系ゴムのガラス転移点においても、特に制限はない。
【0116】
また、天然ゴム及びジエン系ゴムの二重結合部のシス/トランス/ビニルの比率については、特に制限はなく、いずれの比率においても好適に用いることができる。また、ジエン系ゴムの数平均分子量および分子量分布についても、特に制限はなく、数平均分子量500~3000000、分子量分布1.5~15が好ましい。非ジエン系ゴムとしては、公知のものを広く使用することができる。
【0117】
ゴムは、1種単独で又は2種以上を混合(ブレンド)して用いることができる。
【0118】
ゴムの中でも、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、を使用することが好ましい。
【0119】
樹脂としては、特に限定はなく、公知の樹脂を広く使用することが可能である。例えば、上記1-1に示す、樹脂が挙げられる。
【0120】
中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリウレタンが好ましく、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体がより好ましい。
【0121】
熱硬化性エラストマーとしては、特に限定はなく、公知の熱硬化性エラストマーを広く使用することが可能である。例えば、フェノール系エラストマー、ウレア系エラストマー、メラミン系エラストマー、エポキシ系エラストマーおよびエステル系エラストマー等が挙げられる。
【0122】
熱可塑性エラストマーとしては、特に限定はなく、公知の熱可塑性エラストマーを広く使用することが可能である。例えば、エチレン-メチルアクリレート共重合体、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマーおよびポリオレフィン系エラストマー等
が挙げられる。
【0123】
2-2.ピラゾロン誘導体
本発明の高分子材料、並びにピラゾロン誘導体のみからなる発泡用組成物は、上記1-2に示す、ピラゾロン誘導体を含む。
【0124】
中でも、好ましいピラゾロン誘導体は、5-ピラゾロン、3-メチル-5-ピラゾロン、3-t-ブチル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、3-(ナフタレン-2-イル)-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、3-(フラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、3-フェニル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、及び3-プロピル-1H-ピラゾール-5(4H)-オンがより好ましい。
【0125】
3.発泡組成物の製造方法
発泡組成物は、上記発泡用組成物に、発泡剤を混合した組成物を示す。
【0126】
本発明の発泡組成物の製造方法は、
(A)樹脂、並びに、式(1)及び(2)で表される化合物、並びに該化合物の塩から選ばれる少なくとも一種の化合物を混合して、発泡用組成物を得る工程、並びに、
(B)前記工程(A)で得られた発泡用組成物に、化学発泡剤を混合し、発泡組成物を得る工程
を含む。
【0127】
本発明の製造方法で得られた発泡組成物を用い、発泡させることにより、優れた発泡倍率、及び微細な平均セル径を有する発泡体を得ることができる。
【0128】
3-1.工程(A)
工程(A)は、樹脂、並びに、式(1)及び(2)で表される化合物、並びに該化合物の塩から選ばれる少なくとも一種の化合物とを混合して、発泡用組成物を得る工程である。
【0129】
樹脂としては、上記1-1に示す、樹脂を用いることができる。
【0130】
工程(A)の樹脂とピラゾロン誘導体とを混合する工程において、化学発泡剤を含まないことで、最終的に優れた発泡倍率と微細な平均セル径を有する発泡体を得ることができる。
【0131】
工程(A)における混合方法としては、公知の方法で混合することができる。混合は、例えば、回転ボールミル、振動ボールミル、遊星ミル、ペイントシェーカー、ロッキングミル、ロッキングミキサー、ビーズミル、撹拌機等を用いて、湿式及び乾式のどちらでも行うことができる。
【0132】
工程(A)では、更に必要に応じて、上記1-3に示す、その他の配合剤等を配合することができる。
【0133】
3-2.工程(B)
工程(B)は、上記工程(A)で得られた発泡用組成物に、化学発泡剤を混合し、発泡組成物を得る工程である。
【0134】
工程(B)で得られる発泡組成物を発泡させて得られる発泡体は、優れた発泡倍率と微細な平均セル径を有する。
【0135】
工程(B)における混合方法としては、公知の方法で混合することができ、上記工程(A)における混合方法と同様である。
【0136】
また、工程(A)で混合した樹脂を、更に工程(B)でも追加して混合してもよい。
【0137】
工程(B)で混合することができる樹脂は、工程(A)の発泡用組成物に適用した樹脂と同じ樹脂でもよいし、異なる樹脂でもよく、特に限定はない。上記1-1に示す、樹脂を混合することができる。
【0138】
工程(B)では、更に必要に応じて、上記1-3に示す、その他の配合剤等を配合することができる。
【0139】
3-3.化学発泡剤
化学発泡剤としては、特に限定はなく、公知の化学発泡剤を広く使用することが可能である。例えば、アゾジカルボンアミド、N,N’-ジニトロソペンタンメチレンテトラミン、p,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、パラトルエンスルホニルヒドラジド、p-トルエンスルホニルセミカルバジド、ジアゾアミノベンゼン、ヒドラゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレート、アゾビスイソブチロニトリル、クエン酸モノナトリウムなど有機酸及びそれらの金属塩等の有機系化学発泡剤及び、重曹、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、酢酸アルミニウム、亜硝酸アンモニウム、ホウ化水素ナトリウム等の無機系化学発泡剤が挙げられる。
【0140】
上記化学発泡剤は、1種単独で、又は2種以上を混合(ブレンド)して用いることができる。
【0141】
上記化学発泡剤の中でも、アゾジカルボンアミド、p,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、N,N’-ジニトロソペンタンメチレンテトラミン、又は重曹が好ましい。
【0142】
3-4.配合割合
工程(A)、及び(B)で使用する樹脂の全量を100質量部とした場合、発泡組成物中のピラゾロン誘導体の配合量は、好ましくは、0.1質量部~30質量部であり、より好ましくは、0.3質量部~10質量部である。
【0143】
工程(A)、及び(B)で使用する樹脂の全量を100質量部とした場合、発泡組成物中の化学発泡剤の配合量は、好ましくは、0.1質量部~80質量部であり、より好ましくは、0.3質量部~50質量部である。
【0144】
4.発泡体の製造方法
本発明の発泡体の製造方法は、
(C)上記工程(B)で得られた発泡組成物を発泡させる工程
を含む。
【0145】
上記工程(B)で得られた発泡組成物を発泡させる方法としては、公知の方法で発泡させることができ、例えば、発泡組成物を加熱して、発泡を行うことにより、製造することができる。
【0146】
加熱温度は、発泡組成物に含まれる化学発泡剤が分解する温度以上であればよく、好ましくは、50℃~300℃程度であり、より好ましくは、80℃~250℃程度であり、更に好ましくは、100℃~200℃程度である。
【0147】
加熱時間は、好ましくは、5秒間~24時間程度であり、より好ましくは、10秒~12時間であり、更に好ましくは、2分間~3時間程度である。
【実施例0148】
以下、実施例に基づき、本発明の実施形態をより具体的に説明する。
【0149】
本発明がこれらに限定されるものではない。
【0150】
(1)実施例1~11、及び比較例1~6
(1-1)発泡体の製造
下記表1の工程Aに記載の各成分をその割合(質量部)でミキシングロールにて、120℃で、表1の「工程Aでの混合時間」に記載の時間で、混合し、本発明の発泡用組成物を得た。
【0151】
得られた発泡用組成物に、表1の工程Bに記載の各成分をその割合(質量部)で投入し、ミキシングロールにて、120℃で混合し、発泡組成物を得た。
【0152】
得られた発泡組成物を110℃に加熱したプレス機にて、縦160mm、横160mm、厚み3mmの金型を用いて、発泡前のシートを作成した。発泡前シートを220℃のギヤオーブンで加熱する事で発泡体を製造した。
【0153】
比較例1~3、及び5(表2)は、ピラゾロン誘導体を添加しない以外は、各実施例と同じ配合内容で、上記製造方法で製造した発泡体である。
【0154】
比較例4及び6(表2)は、ピラゾロン誘導体を工程Bに加えること以外は、各実施例と同じ配合内容で、上記製造方法で製造した発泡体である。
【0155】
(1-2)発泡倍率指数
発泡倍率は電子比重計(ALFA MIRAGE製MDS-300)を用いて発泡成形前後の比重を測定し、発泡倍率を算出した。
【0156】
比較例の発泡体を作製し、その発泡倍率を100とした指数で表し、下記式に基づいて、実施例、及び比較例の発泡体の発泡倍率指数を算出した。
【0157】
発泡倍率指数の値が大きい程、発泡倍率が大きく、発泡体として優れている。
【0158】
式:発泡倍率
=発泡成形前の比重/発泡成形後の比重×100
式:実施例1~3の発泡倍率指数
=(実施例1~3の発泡倍率)×100/(比較例1の発泡倍率)
式:実施例4~7の発泡倍率指数
=(実施例4~7の発泡倍率)×100/(比較例2の発泡倍率)
式:実施例8~9の発泡倍率指数
=(実施例8~9の発泡倍率)×100/(比較例3の発泡倍率)
式:比較例4の発泡倍率指数
=(比較例4の発泡倍率)×100/(比較例3の発泡倍率)
式:実施例10~11の発泡倍率指数
=(実施例10~11の発泡倍率)×100/(比較例5の発泡倍率)
式:比較例6の発泡倍率指数
=(比較例6の発泡倍率)×100/(比較例5の発泡倍率)
【0159】
(1-3)平均セル径指数
平均セル径はASTM D2842-69に準拠し、算出した。
【0160】
比較例の発泡体を作製し、その平均セル径を100とした指数で表し、下記式に基づいて、実施例、及び比較例の発泡体の平均セル径指数を算出した。
【0161】
平均セル径指数の値が小さい程、平均セル径が小さく、発泡体として優れている。
【0162】
式:実施例1~3の平均セル径指数
=(実施例1~3の平均セル径)×100/(比較例1の平均セル径)
式:実施例4~7の平均セル径指数
=(実施例4~7の平均セル径)×100/(比較例2の平均セル径)
式:実施例8~9の平均セル径指数
=(実施例8~9の平均セル径)×100/(比較例3の平均セル径)
式:比較例4の平均セル径指数
=(比較例4の平均セル径)×100/(比較例3の平均セル径)
式:実施例10~11の平均セル径指数
=(実施例10~11の平均セル径)×100/(比較例5の平均セル径)
式:比較例6の平均セル径指数
=(比較例6の平均セル径)×100/(比較例5の平均セル径)
【0163】
(2)実施例12~14、及び比較例7~8
(2-1)発泡体の製造
下記表3の工程Aに記載の各成分をその割合(質量部)でミキシングロールにて、120℃で、表3の「工程Aでの混合時間」に記載の時間で、混合し、本発明の発泡用組成物を得た。
【0164】
得られた発泡用組成物に、表3の工程Bに記載の各成分をその割合(質量部)で投入し、ミキシングロールにて、120℃で混合し、発泡組成物を得た。
【0165】
得られた発泡組成物を160℃に加熱したプレス機にて、発泡体を製造した。
【0166】
比較例7~8(表3)は、ピラゾロン誘導体を添加しない以外は、各実施例と同じ配合内容で、上記製造方法で製造した発泡体である。
【0167】
(2-2)発泡倍率指数
発泡倍率は電子比重計(ALFA MIRAGE製MDS-300)を用いて発泡成形前後の比重を測定し、発泡倍率を算出した。
【0168】
比較例の発泡体を作製し、その発泡倍率を100とした指数で表し、下記式に基づいて、実施例の発泡体の発泡倍率指数を算出した。
【0169】
発泡倍率指数の値が大きい程、発泡倍率が大きく、発泡体として優れている。
【0170】
式:実施例12~13の発泡倍率指数
=(実施例12~13の発泡倍率)×100/(比較例7の発泡倍率)
式:実施例14の発泡倍率指数
=(実施例14の発泡倍率)×100/(比較例8の発泡倍率)
【0171】
(3)実施例15~16、及び比較例9~10
(3-1)実施例15、及び16の発泡体の製造
下記表5の工程Aに記載の各成分をその割合(質量部)で投入し、バンバリーミキサーにて、110℃で混合し、表5の工程Aに記載の各成分の混合物を得た。
【0172】
得られた表5の工程Aに記載の各成分の混合物に、表5の工程Bに記載の各成分をその割合(質量部)で投入し、ミキシングロールにて、40℃で混合し、発泡組成物を得た。
【0173】
表5の「発泡用組成物1」は、下記表4に記載の各成分をその割合(質量部)でミキシングロールにて、120℃で、5分間混合してできた、本発明の発泡用組成物である。
【0174】
発泡組成物を220℃のギヤオーブンで加熱する事で発泡体を製造した。
【0175】
比較例9(表5)は、発泡用組成物1を添加しない以外は、実施例15、及び16と同じ配合内容で、上記製造方法で製造した発泡体である。
【0176】
比較例10(表5)は、発泡用組成物1を添加しない代わりに、ピラゾロン誘導体を工程Bに加えること以外は、実施例15、及び16と同じ配合内容で、上記製造方法製造した発泡体である。
【0177】
(3-2)発泡倍率指数
発泡倍率は電子比重計(ALFA MIRAGE製MDS-300)を用いて発泡成形前後の比重を測定し、発泡倍率を算出した。
【0178】
比較例の発泡体を作製し、その発泡倍率を100とした指数で表し、下記式に基づいて、実施例の発泡体の発泡倍率指数を算出した。
【0179】
発泡倍率指数の値が大きい程、発泡倍率が大きく、発泡体として優れている。
【0180】
式:発泡倍率
=発泡成形前の比重/発泡成形後の比重×100
式:実施例15~16の発泡倍率指数
=(実施例15~16の発泡倍率)×100/(比較例9の発泡倍率)
式:比較例10の発泡倍率指数
=(比較例10の発泡倍率)×100/(比較例9の発泡倍率)
【0181】
(3-3)平均セル径指数
平均セル径はASTM D2842-69に準拠し、算出した。
【0182】
比較例の発泡体を作製し、その平均セル径を100とした指数で表し、下記式に基づいて、実施例、及び比較例の発泡体の平均セル径指数を算出した。
【0183】
平均セル径指数の値が小さい程、平均セル径が小さく、発泡体として優れている。
【0184】
式:実施例15~16の平均セル径指数
=(実施例15~16の平均セル径)×100/(比較例9の平均セル径)
式:比較例10の平均セル径指数
=(比較例10の平均セル径)×100/(比較例9の平均セル径)
【0185】
各成分の詳細
※1:低密度ポリエチレン、MFR値 1.9
※2:低密度ポリエチレン、MFR値 3.7
※3:ピラゾロン誘導体、3-メチル-5-ピラゾロン
※4:アゾジカルボンアミド
※5:重曹
※6:ジクミルパーオキサイド、日本油脂社製
※7:東ソー社製、ウルトラセン630
※8:N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミン
※9:尿素
※10:エチレン-プロピレン-ジエン-三元共重合体、住友化学社製、エスプレン50 5A
※11:旭カーボン社製、#50
※12:出光昭和シェル社製、ダイアナプロセスオイルPW-90
※13:大内新興化学社製、ノクセラーM
※14:大内新興化学社製、ノクセラーBZ-P
※15:大内新興化学社製、ノクセラーTET-G
※16:大内新興化学社製、ノクセラーTRA
【0186】
【表1】
【0187】
【表2】
【0188】
【表3】
【0189】
【表4】
【0190】
【表5】
【産業上の利用可能性】
【0191】
本発明の製造方法で製造された発泡体は、優れた発泡倍率と微細なセル径を有する。
【0192】
本発明の発泡体の製造方法は、以下の工程(A)~(C)を含む。
【0193】
(A)高分子材料(樹脂)と特定のピラゾロン系化合物とを混合して発泡用組成物を得る工程。
【0194】
(B)前記工程(A)で得られた発泡用組成物に、発泡剤を混合し、発泡組成物を得る工程。
【0195】
(C)前記工程(B)で得られた発泡組成物を発泡させて発泡体を得る工程。
【0196】
本発明は、優れた発泡倍率、及び微細なセル径を有する発泡体の製造方法を提供することができる。