(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080778
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】電動ホイストの制御装置
(51)【国際特許分類】
B66D 1/54 20060101AFI20240610BHJP
【FI】
B66D1/54 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193998
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】000137878
【氏名又は名称】株式会社ミヤマエ
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勝也
(74)【代理人】
【識別番号】100158861
【弁理士】
【氏名又は名称】南部 史
(74)【代理人】
【識別番号】100194674
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 覚史
(74)【代理人】
【識別番号】100149607
【弁理士】
【氏名又は名称】宇田 新一
(72)【発明者】
【氏名】宮前 昭宏
(57)【要約】
【課題】モータへの通電遮断後、ドラムが巻き上げ方向に惰性回転したとしても、モータ等に負荷をかけずに巻き上げ動作を停止することができる電動ホイストの制御装置を提供する。
【解決手段】モータを動力源としてロープを巻き上げるドラムと、モータの制御回路に制御信号を出力する常開形のスイッチと、スイッチをオン・オフ可能に正逆に一定角度回転するスイッチレバーとを備える。スイッチレバーにはドラムの直下で二本の平行バーをロープが通過する初期間隔を有して開閉可能とした遮断部を設ける。ロープには初期間隔よりも外形が大きいコブ状の膨出部を設ける。そして、ロープの巻き上げ時に、膨出部が遮断部を押し上げることによってスイッチレバーはスイッチのオン側に正回転し、その状態でロープの巻き上げが継続すれば、膨出部が二本のバーを拡開して遮断部をドラム側に通過することを許容する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータを動力源としてロープを巻き上げるドラムと、前記モータの制御回路に制御信号を出力する常開形のスイッチと、前記ドラムの直下に先端が位置し、後端側に回転軸を有して前記スイッチをオン・オフ可能に正逆に一定角度回転するスイッチレバーとを備え、該スイッチレバーの先端には前記ロープが通過する初期間隔を有した二本の平行バーを開閉可能とした遮断部を設けると共に、前記ロープの前記遮断部よりも下側には前記初期間隔よりも外形が大きいコブ状の膨出部を設け、前記ロープの巻き上げ時に、前記膨出部が前記遮断部を押し上げることによって前記スイッチレバーは前記スイッチのオン側に正回転し、その状態で前記ロープの巻き上げが継続すれば、前記膨出部が前記二本のバーを拡開して前記遮断部を前記ドラム側に通過すると同時に前記スイッチレバーは前記スイッチのオフ側に自重で逆回転することを特徴とした電動ホイストの制御装置。
【請求項2】
スイッチレバーは、ドラムの左右下方において一端を前記ドラムの回転軸と平行に軸支した左右一対のレバー体からなると共に、遮断部は、固定バーと可動バーからなる二本のバーを前記一対のレバー体の間に架設してなり、前記レバー体には前記固定バーから離間方向に長孔を設け、該長孔に前記可動バーをスライド可能に取り付けて前記遮断部を膨出部が通過する間隔に拡開可能とすると共に、該可動バーをバネによって前記固定バー側に付勢して初期間隔を維持する請求項1記載の電動ホイストの制御装置。
【請求項3】
長孔はレバー体に対して、スイッチレバーの正回転時に、離間方向下向きに傾斜して設けた請求項2記載の電動ホイストの制御装置。
【請求項4】
スイッチレバーは、その回転軸にスイッチをオン・オフするアクチュエータを一体的に設けてなる請求項1、2または3記載の電動ホイストの制御装置。
【請求項5】
さらに、遮断部の直下に、二本の平行バーを膨出部の外形よりも大きく、ロープ先端に設けた吊り金具の外形よりも小さい間隔に固定してなる前記吊り金具の巻込み防止部を前記遮断部と平行して設けた請求項1記載の制御装置。
【請求項6】
ロープに膨出部を二以上設けると共に、モータの制御回路は前記膨出部毎にスイッチがオンして得られる制御信号にしたがって、前記モータを加速・減速・停止から二以上を組み合わせて制御可能とした請求項1記載の電動ホイストの制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電動ホイストの制御装置に係り、モータや本体に負荷をかけずに巻き上げ動作を停止等する構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動式巻上機において荷の巻き上げ過ぎ(以下、「過巻」とも言う。)を防止する装置として、ドラムに巻回されたワイヤーロープの先端に取り付けられた吊金具に緩衝ばねを介してスプリングガイドを設けると共に、巻上機本体のワイヤーロープ出口に過巻リミットロッドと過巻検知用リミットスイッチとを設けた過巻防止装置が公知である(特許文献1)。
【0003】
この過巻防止装置によれば、ワイヤーロープを巻き上げ過ぎると、スプリングガイドがリミットロッドの下端に当接して当該リミットロッドが押し上がり、この押し上げによって過巻検知用リミットスイッチが作動して巻上回路が遮断され電動巻上機が自動停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の装置では、電動巻上機を自動停止する際、スプリングガイドがリミットロッドに当接するときの衝撃を緩衝ばねで吸収するとされている。しかし実際には、巻上回路の遮断後もドラムは巻き上げ方向に惰性回転する。巻き上げの速度やトルクが大きければ、それだけ長く、また大トルクで惰性回転する。このような惰性回転中、緩衝ばねは圧縮するが、その反発力は巻き上げ方向とは逆の回転力としてドラムに作用するため、モータやモータ・ドラム間の動力伝達機構(ギア)に負荷がかかる。また、ドラムが完全停止する間に緩衝ばねが圧縮限度に達すれば、緩衝ばねによる緩衝作用が得られないから、過巻による機器故障は避けられない。
【0006】
本発明は上述した課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、モータへの通電遮断後、ドラムが巻き上げ方向に惰性回転したとしても、モータ等に負荷をかけずに巻き上げ動作を停止することができる電動ホイストの制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために本発明では、モータを動力源としてロープを巻き上げるドラムと、前記モータの制御回路に制御信号を出力する常開形のスイッチと、該スイッチをオン・オフ可能に正逆に一定角度回転するスイッチレバーとを備え、該スイッチレバーには前記ドラムの直下で二本の平行バーを前記ロープが通過する初期間隔を有して開閉可能とした遮断部を設けると共に、前記ロープには前記初期間隔よりも外形が大きいコブ状の膨出部を設け、前記スイッチレバーは、前記ロープの巻き上げ時に、前記初期間隔にある前記遮断部を前記膨出部が押し上げることによって前記スイッチのオン側に正回転し、その状態で前記ロープの巻き上げが継続すれば、前記膨出部が前記二本のバーを拡開して前記遮断部を前記ドラム側に通過すると同時に前記スイッチのオフ側に自重で逆回転するという手段を用いた。
【0008】
この手段によれば、スイッチレバーは、初期にスイッチをオフする状態にあって、膨出部による遮断部の押し上げがあったときに正回転してスイッチをオンし、当該膨出部の通過後は自重によって逆回転し初期状態に復帰する。オンされたスイッチからは制御回路に制御信号が出力され、これにしたがって制御回路がモータを制御する。典型的には、スイッチから制御信号を入力した制御回路はモータへの通電を遮断し、モータを停止制御することで過巻を防止する。そして、通電遮断後、モータ(ドラム)が惰性回転して巻き上げ動作が継続したとしても、本発明では膨出部によって二本のバーが拡開する遮断部により、膨出部をドラム側に通過させることで、モータ(ドラム)が完全停止するまで巻き上げ動作(惰性回転)を許容する。したがって、モータ等に負荷をかけずに巻き上げ動作を完了することができる。なお、ドラムからロープを繰り出す方法は問わないが、その際は、遮断部を手動で開くなどして膨出部が通過可能であることはもちろんである。
【0009】
このような一連の動作を確実に実行するための手段として、スイッチレバーは、ドラムの左右下方において一端を前記ドラムの回転軸と平行に軸支した左右一対のレバー体からなると共に、遮断部は固定バーと可動バーからなる二本のバーを前記一対のレバー体の間に開閉可能に架設してなり、前記レバー体には前記固定バーから離間方向に長孔を設け、該長孔に前記可動バーをスライド可能に取り付けると共に、該可動バーをバネによって前記固定バー側に付勢して初期間隔を維持することが好ましい。この手段によれば、遮断部はバネによって初期間隔を維持するため、膨出部が遮断部を通過するには前記バネの弾発力に抗して二本の遮断部をこじ開けなければならない。即ち、バネが膨出部の通過抵抗となって、膨出部が遮断部を押し上げずに(スイッチレバーをスイッチのオン側に正回転させずに)二本のバーを拡開して素通りすることを回避することができる。
【0010】
さらに長孔は、スイッチレバーがスイッチをオンする正回転時に、離間方向下向きに傾斜することが好ましい。このように長孔が傾斜することで可動バーが開くことに抵抗が生じ、より確実に膨出部の素通りを回避することができる。即ち、膨出部が遮断部を通過しようとする上向きの力に対して、可動バーが開く向きは長孔に沿った下向きとなるため、このような向きの違いによって、バネによる膨出部の通過抵抗を補強することができる。
【0011】
スイッチレバーは、その回転軸にスイッチをオン・オフするアクチュエータを一体的に設けた場合は、スイッチをオン・オフする機構を容易に得ることができる。
【0012】
また、遮断部の直下に、さらに二本の平行バーからなる巻込み防止部を設けた場合は、巻込み防止部によってロープの揺れや姿勢が矯正され、巻き上げ時にロープを鉛直に遮断部に導くことができる。そのうえ、ロープ先端に取り付けたフック等の吊り金具が巻込み防止部で規制され、吊り金具の巻き込みを確実に防止することができる。巻込み防止部において平行バーの間隔が膨出部の外形よりも大きいことはもちろんである。
【0013】
なお、本発明において、膨出部が一つであればモータを停止させるという制御が典型的であるが、基本的には制御回路にどのような制御を行わせるかは任意に設定することができる。即ち、ロープに膨出部を二以上設けた場合は、モータの制御回路はロープの巻き上げ時に前記膨出部毎に得られる制御信号にしたがって、前記モータを加速・減速・停止から二以上を組み合わせて制御可能とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、過巻を防止するためにモータへの通電を遮断した後、ドラムが惰性回転したとしても、モータや本体に負荷をかけずに巻き上げ動作を停止させることができる。しかも、膨出部を複数設けることで、モータを停止するだけではなく、加速から減速まで様々な制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電動ホイストを左下から見上げた状態の斜視図
【
図9】本発明の別実施形態に係る電動ホイストの主要部分を示した左側面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。
図1~
図4は本発明の一実施形態に係る電動ホイストを示しており、これらの図において、1はドラム、2はスイッチ、3はスイッチレバー、4は遮断部である。なお、
図2・3においてはフレーム等を適宜削除および透過して主要部分を示し、
図4では主要部分をさらに拡大して示している。
【0017】
図1・2に示すように、ドラム1は左右のメインフレーム5・5に正逆回転可能に軸支している。この実施形態の場合、ドラム1は内部が空洞となっており、この空洞にモータMを収容して、魚釣用電動リールでいう「スプールインモータ」を採用すると共に、左側のメインフレーム5にはモータMの動力をドラム1に伝達する遊星ギア等のギアボックスGBを設けている。そして、
図3に示すように、ドラム1にはロープRが巻き付けてあり、さらに、ロープRの任意の箇所にはコブ状の膨出部Tを設けている。膨出部Tは後述するように遮断部4を押し上げた後にこれをこじ開けて通過するため、その素材は合成繊維が比較的滑りがよく好ましいが、遮断部4を通過するのに支障がない素材であれば合成樹脂や金属であってもよい。これと同じ理由によって、膨出部Tの形状も図示した長球状に限定されず、真円状の球体、扁球、菱形の立体など適宜な形状を選択すればよい。
【0018】
スイッチ2は、モータMの制御回路(図示せず)に接続するもので、この実施形態では、ピン押しボタン7を備えたスナップアクション機構からなる常開形のマイクロスイッチを採用している。このスイッチ2は、
図1に示すように、メインフレーム5・5の下側に延長して設けた取付板6・6のうち左側の取付板6の外側に取り付けられ、ピン押しボタン7はスイッチ側面から水平に突出している。
【0019】
スイッチレバー3は、
図1・2に示すように、長細いレバー体8・9を左右一対に備えてなり、これらレバー体8・9を連結バー10で一体化している。そのうえで連結バー10側の端部をドラム1の回転軸と平行する軸11・12によって取付板6・6の内側に回転可能に軸支している。左側のレバー体8の軸11は取付板6の外側に延長され、この延長部分に、
図3・4によく示されるように、スイッチ2をオン・オフするアクチュエータ13を一体的に設けている。
【0020】
さらにスイッチレバー3は、連結バー10の反対側において、
図2によく示されるように、ドラム1の直下に遮断部4を架設してなる。この遮断部4は、
図3・4によく示されるように、前後に平行する二本の丸棒状のバー15・16をロープRが通過する初期間隔L1を空けてなる。ただし、この初期間隔L1はロープRに設けた膨出部Tの最大径Dよりも小さい。そして二本のバー15・16のうち奥側のバー15を固定バー、手前側のバー16を可動バーとして、初期間隔L1を膨出部Tが通過可能な拡張間隔L2まで拡開可能としている。具体的には、固定バー15の両端はレバー体8・9に固定されるのに対して、可動バー16の両端はレバー体8・9に形成した長孔18に差し込んでいる。したがって、可動バー16は長孔18によって固定バー15から離間する方向にスライドし、遮断部4を初期間隔L1から膨出部Tが通過可能な拡張間隔L2まで開閉可能としている。
【0021】
さらにレバー体8・9には、
図4に示したように、長孔18の延長上にバネ19を収容して、可動バー16を固定バー15側に付勢することで、通常は初期間隔L1を維持するようにしている。
【0022】
なお、この実施形態では、遮断部4の直下に該遮断部4と同方向に二本の平行バー20・21からなる巻込み防止部22を設けている。この巻込み防止部22の平行バー20・21の間隔L3は膨出部Tが通過する大きさである。この巻込み防止部22によって、巻き上げ動作中のロープRが前後に揺れるのを抑制し、ロープRを鉛直姿勢で遮断部4に導入することができる。また、この巻込み防止部22によって吊り金具14の巻き込みも未然に防止することができる。さらに、この実施形態では、巻込み防止部22(後ろ側の平行バー20)によってスイッチバー3を下から支持して、それ以上、スイッチレバー3が下向きに回転(逆回転)しないように規制することで、
図3・4に示すように、スイッチ2のオフ状態を保持するようにしている。
【0023】
次に
図5~8にしたがって、この実施形態における電動ホイストの動作説明を行う。なお、説明の便宜上、ドラム1とバネ19の図示を省略する。ロープRの巻き上げると、その途中に設けた膨出部Tが上昇して遮断部4に下から当接する(
図5)。遮断部4の初期間隔L1は膨出部Tよりも小さいから、その後、膨出部Tによって遮断部4が押し上げられることにより、スイッチレバー3が図面上時計回りに正回転し、軸11に一体化したアクチュエータ13も同じ方向に正回転してスイッチ2をオンする(
図6)。スイッチ2がオンされると制御回路に制御信号が出力され、例えばモータMの通電を遮断して巻き上げ動作を停止する。
【0024】
しかし、モータMの通電を遮断した直後は惰性回転するため、巻き上げ動作は継続される。こうした惰性回転による巻き上げ動作によって膨出部Tはさらに上昇を続けるが、スイッチレバー3はスイッチ2をオンした状態で、それ以上の正回転がフレーム取付バー23によって規制される。即ち、本実施形態では、スイッチレバー3の上下に配置されたフレーム取付バー23及び巻込み防止部22によって、
図4に示すように、スイッチレバー3の正逆の回転を一定角度αの範囲に収めている。このようにスイッチレバー3の正回転がフレーム取付バー23に規制された後は、膨出部Tが可動バー16をこじ開ける(
図7)。そして、膨出部Tはそのまま遮断部4を通過するが、膨出部Tが遮断部4を通過すると同時に遮断部4を押し上げる力も解消するため、スイッチレバー3は自重で逆回転し、スイッチ2もオフ状態に復帰する(
図8)。その後は自然に惰性回転もなくなり巻き上げ動作が完了する。
【0025】
このように本発明では、膨出部Tをトリガとして、該膨出部Tによる遮断部4の押し上げと通過とによって、スイッチレバー3を正逆に回転させてスイッチ2をオン・オフすることが必要である。このため、膨出部Tが遮断部4を押し上げず、そのまま遮断部4を通過してしまうと、スイッチレバー3が正回転せず、スイッチ2もオンされない。
【0026】
このような膨出部Tの素通りは、可動バー16をバネ19で固定バー15側に付勢して初期間隔L1を維持しようとすることで、ある程度回避されるが、これに加えて本実施形態では、長孔16を特定の向きに設けている。即ち、
図6・7に示すように、スイッチレバー3(レバー体8)が膨出部Tの遮断部4の押し上げによって正回転する全範囲で、長孔16をレバー体8に対して固定バー15から離間する方向(拡開方向)に向かって下向きに傾斜するように設けている。この長孔16の向きは膨出部Tが上昇する上向きに逆らうものであるため、膨出部Tの通過抵抗となって該膨出部Tの素通りを防止し、確実にスイッチレバー3を正回転させてスイッチ2をオンさせることができる。ただし、このような構成であっても、スイッチレバー3の正回転がフレーム取付バー23によって規制された後は、
図8に示したように、引き続き上昇を続ける膨出部Tがバネ19の弾性力や長孔16の傾斜に抗して遮断部4をこじ開け、ドラム1側に通過するものである。
【0027】
ところで、上記実施形態では、膨出部Tを一つ設けて、モータM(巻き上げ動作)を停止する制御を例示したが、
図9に示すように、複数の膨出部T1~T4を設ければ、より緻密な制御を行うことができる。即ち、膨出部T1を加速用として、該膨出部T1によってスイッチ2がオンされたときの制御信号によりモータMを加速させて巻き上げを早くし、巻き上げが完了に近づけば、膨出部T2・T3の順でモータMを徐々に減速させ、膨出部T4によってモータMへの通電を遮断することでスムーズに巻き上げを完了させることができる。
【0028】
このように本発明によれば、単純にモータを停止して巻上げ過ぎを防止するだけではなく、膨出部T1~T4毎に異なるモータ制御を行うことで緻密な巻き上げ制御を実現する。なお、膨出部の数や制御方法は、少なくとも一つの膨出部によってモータを停止させることが必要であるが、二以上の膨出部を設けた場合は、モータの加速や減速等の制御を任意に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0029】
1 ドラム
2 スイッチ
3 スイッチレバー
4 遮断部
5 メインフレーム
6 取付板
7 ピン押しボタン
8・9 レバー体
10 連結バー
11・12 軸
13 アクチュエータ
14 吊り金具
15 固定バー
16 可動バー
18 長孔
19 バネ
20・21 平行バー
22 巻込み防止部
23 フレーム取付バー
M モータ
GB ギアボックス
R ロープ
T 膨出部
L1 初期間隔
L2 拡張間隔
D 膨出部の最大径