(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080782
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】決済システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/42 20120101AFI20240610BHJP
【FI】
G06Q20/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194005
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松久 薫
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA78
5L055AA78
(57)【要約】
【課題】本人確認をする際のセキュリティを向上させた決済システムを提供することである。
【解決手段】決済端末と、生体認証機能を備えた携帯端末とを有する決済システムであって、決済端末は、入力された決済処理を行うための決済金額情報を受け付ける受付手段と、受付手段が決済金額情報を受け付けた場合に、携帯端末に対して生体認証による本人確認を要求する生体認証要求手段と、を備え、携帯端末は、決済端末から生体認証による本人確認の要求があった場合に、生体認証機能を用いて本人確認のための生体認証を行う生体認証手段と、生体認証の結果、本人が確認された場合に決済端末に本人確認信号を送信する本人確認送信手段と、を備え、決済端末は、本人確認信号を受信した場合に、決済金額情報に基づいて決済処理を実行し、本人確認を要求したが本人確認信号を受信しない場合には決済処理を実行しない決済処理手段、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済端末と、生体認証機能を備えた携帯端末とを有する決済システムであって、
前記決済端末は、
入力された決済処理を行うための決済金額情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が前記決済金額情報を受け付けた場合に、前記携帯端末に対して生体認証による本人確認を要求する生体認証要求手段と、
を備え、
前記携帯端末は、
前記決済端末から生体認証による本人確認の要求があった場合に、前記生体認証機能を用いて本人確認のための生体認証を行う生体認証手段と、
前記生体認証の結果、本人が確認された場合に前記決済端末に本人確認信号を送信する本人確認送信手段と、
を備え、
前記決済端末は、
前記本人確認信号を受信した場合に、前記決済金額情報に基づいて決済処理を実行し、本人確認を要求したが前記本人確認信号を受信しない場合には前記決済処理を実行しない決済処理手段、
を備えた決済システム。
【請求項2】
前記決済システムは商品販売データ処理装置をさらに有し、
前記商品販売データ処理装置は、
決済選択キーと、
前記決済選択キーが操作された場合に前記決済端末に本人確認を要求する本人確認要求信号を送信する本人確認要求手段と、
を備え、
前記生体認証要求手段は、前記本人確認要求信号を受信した場合に前記生体認証による本人確認を要求する、
請求項1に記載の決済システム。
【請求項3】
前記商品販売データ処理装置は、
前記決済金額情報を前記決済端末に送信する決済金額送信手段、
をさらに備え、
前記決済処理手段は、受信した前記決済金額情報に基づいて前記決済処理を実行する、
請求項2に記載の決済システム。
【請求項4】
前記決済端末は、
暗証番号を入力する入力部と、
入力された前記暗証番号に基づいて本人を確認する本人確認手段と、
をさらに備え、
前記決済処理手段は、前記本人確認手段によって本人を確認した場合に、前記決済処理を実行する、
請求項1に記載の決済システム。
【請求項5】
前記携帯端末は、
指紋を検知する指紋センサ
をさらに備え、
前記生体認証手段は、検知された指紋と予め登録された指紋情報に基づいて指紋認証を行う、
請求項1に記載の決済システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、決済システムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗で商品を購入し、例えばクレジットカードで支払いを行う場合には、決済端末を使用する。決済端末は、商品登録処理を実行したPOS端末から受信した決済金額情報に基づいてクレジット会社等と交信して、クレジットカードに基づく決済処理を実行する。
【0003】
このような決済端末においてクレジットカードの信用取引を実行する場合、本人確認が必要となる。本人確認は、例えば決済端末に設けられた置数キーを操作し、予め登録した暗唱番号を入力して行う。
【0004】
しかしながら、暗唱番号を置数する際に暗唱番号を盗まれる危険性がある。対策として、タッチパネルに置数キーを表示するタイプの決済端末は、置数キーの配置をランダムに配置する等の対策はしているが、それでも暗唱番号を他人に盗まれる危険性はあるため、本人確認をする際の更なるセキュリティの向上が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、本人確認をする際のセキュリティを向上させた決済システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の決済システムは、決済端末と、生体認証機能を備えた携帯端末とを有する決済システムであって、前記決済端末は、入力された決済処理を行うための決済金額情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段が前記決済金額情報を受け付けた場合に、前記携帯端末に対して生体認証による本人確認を要求する生体認証要求手段と、を備え、前記携帯端末は、前記決済端末から生体認証による本人確認の要求があった場合に、前記生体認証機能を用いて本人確認のための生体認証を行う生体認証手段と、前記生体認証の結果、本人が確認された場合に前記決済端末に本人確認信号を送信する本人確認送信手段と、を備え、前記決済端末は、前記本人確認信号を受信した場合に、前記決済金額情報に基づいて決済処理を実行し、本人確認を要求したが前記本人確認信号を受信しない場合には前記決済処理を実行しない決済処理手段、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態の決済システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、決済端末の外観を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、POS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、決済端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、携帯端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、決済システムの機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、POS端末の制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、決済端末の制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、携帯端末の制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、決済システムの実施形態を説明する。実施形態では、商品販売データ処理装置の一例であるPOS端末と決済端末と携帯端末とを含むシステムを決済システムの一例として説明する。なお、以下に説明する実施形態は、決済システムの一実施形態であって、発明を限定するものではない。
【0009】
図1は、本実施形態に係る決済システム1の構成を示す図である。
図1に示すように、決済システム1は、POS端末2と決済端末3と携帯端末7を備える。決済端末3は、POS端末2の近傍に設置される。決済端末3は、通信回線Taを介してPOS端末2と通信可能に接続される。また、決済端末3は、通信回線Tbを介してクレジット会社や銀行等に設置されたサーバと相互に通信可能なサーバ5と接続される。また、決済端末3は、無線の通信回線Tcを介して携帯端末7と通信可能に接続される。
【0010】
POS端末2は、顧客が購入する商品の商品登録処理を行う装置である。商品登録処理とは、商品を特定する商品コードに基づいて当該商品の商品名や価格(総称して「商品情報」という)を商品マスタから読み出して表示するとともに、読み出した商品情報を商品情報部(
図3を参照)に記憶する処理をいう。顧客との取引を終了する場合は、記憶した商品情報に基づいて顧客が購入した合計金額を算出し、税額を上乗せした顧客の支払金額を算出する。現金以外のメディアで決済する場合は、POS端末2は、上記支払金額を決済金額として生成した決済金額情報を、通信回線Taを介して決済端末3に送信する。
【0011】
POS端末2は、
図1に示すように、本体21の上部に、店員用表示部22と客用表示部23とを備えている。店員用表示部22および客用表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)あるいはタッチパネルで構成された操作部67を表面に配設したLCDによって構成され、商品名や商品の金額、一取引の合計金額等を表示する。また、本体21の上面には、キーボード24が配設されている。さらに、本体21の内部にはレシート等を印刷するプリンタ25が設けられている。プリンタ25によって印刷されたレシート用紙は、本体21の上部に設けられたレシート発行口26から発行される。レシート発行口26は、売上登録した商品の商品情報を印字したレシートを発行する。
【0012】
決済端末3は、磁気カードやICチップを内蔵したICカード等で構成される各種カード(ポイントカード、クレジットカード、デビットカード等)からカード情報を読み出して、サーバ5を介してカード会社や銀行のサーバと通信することでカードによる決済処理を実行する。なお、実施形態では、以降クレジットカードを使用した例を説明する。
【0013】
また決済端末3は、近接させた携帯端末7に対し、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信技術を用いてアクセスし、携帯端末7と通信を行って情報や信号の送受信を行う。近距離無線通信は、決済端末3に接触させるか、所定距離(例えば10cm以内)までの距離に近づけた携帯端末7に対して通信を行い、当該携帯端末7と情報や信号の送受信を行う。このような決済端末3は、所定距離より離れた位置の携帯端末7とは通信を行わない。
【0014】
また決済端末3は、置数キー331(PINパッド、
図4を参照)から入力(置数)された決済金額情報、またはPOS端末2から受信した決済金額情報に基づいて、決済処理を行う。
【0015】
図2は、決済端末3の外観を示す図である。
図2に示すように、決済端末3の本体31の側部には電源スイッチ36が設けられている。また、本体31の上部には、本体31に対して開閉可能な上面パネル37が設けられている。上面パネル37を開放することで、本体31の内部にロール状のレシート用紙をセットすることができる。また、この上面パネル37の表面には、操作部33であるタッチパネルを表面に配設した表示部32が設けられている。
【0016】
本体31の側面上部には、決済用のカードから当該カードに格納されている情報を磁気的に読み取る磁気カード読取部34が設けられている。決済用のカードとしては、例えば、クレジットカードを用いることができる。なお決済端末3は、磁気カード読取部34とは別に、あるいは磁気カード読取部34に代えて、挿入されたカードに内蔵されたICチップと電気的に接触して、クレジットカード(ICチップ)に記憶された情報を電気的に読み取るカード読取部を備えていてもよい。この場合、クレジットカードのICチップが内蔵された側を決済端末3に挿入する。決済端末3は、ICチップに記憶されている情報を電気的に読み取る。
【0017】
本体31の内部には、上述のレシート用紙に決済に関する情報や売上レポート等を印字する印字部57(
図4参照)が備えられている。印字後のレシート用紙は、本体31と上面パネル37との間に設けられているレシート発行口35から発行される。
【0018】
また決済端末3は、決済処理する際に、表示部32に置数キー331の画像を表示し、当該表示に対応した位置の操作部33が置数キー331として機能する。決済端末3において決済処理を行う場合、本人確認が必要となる。そのため、置数キー331を用いて暗証番号を入力する。決済端末3は、入力された暗証番号に基づいて本人確認を行う。入力された暗証番号が予め登録されている暗証番号と一致する場合、入力した人を本人であると判断する。
【0019】
携帯端末7は、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話等の、携帯可能な電子端末である。また携帯端末7は、決済端末3に対して所定距離以内に携帯端末7を近づけることで、当該決済端末3と近距離無線通信技術を用いて通信可能であり、情報や信号の送受信を行う。また携帯端末7は、公知の指紋センサを用いて人の指紋を検出して、予め登録されている指紋情報と照会して、一致するか否かで本人確認を行う。指紋が一致するか否かは、例えばスマートフォン等でパスワード入力の代わりにすでに採用されている指紋認証技術を用いる。携帯端末7は、検出した指紋と予め登録されている指紋情報が一致した場合、当該指紋を検出させた人が本人であると判断する。携帯端末7は、検出した指紋と予め登録されている指紋情報が一致しない場合、当該指紋を検出させた人が本人ではないと判断する。
【0020】
このような決済システム1において、店舗で購入した商品をPOS端末2で商品登録処理し、例えばクレジットカードで決済を行う場合、POS端末2は、決済金額を示す決済金額情報を決済端末3に送信する。決済端末3は、決済金額情報を受信すると、表示部32に置数キー331の画像を表示する。商品を購入した顧客は、置数キー331を操作して、暗証番号を入力する。決済端末3は、入力された暗証番号に基づいて顧客が本人であるかを判断する。顧客が本人であることを確認した場合には、決済端末3は受信した決済金額情報に基づいて決済処理を実行する。
【0021】
ところで、顧客が視覚障害者である場合、表示部32に表示された置数キー331の画像を視覚的に認識することが難しい場合がある。特に最近は、セキュリティを向上させるため、置数キー331の数字をランダムに変更させることがある。このような場合には視覚障害者が置数キー331の数字の位置を認識することは難しい。このようなことから、視覚障害者が、置数キー331を操作することなく本人認証を行えるようにすることが望ましい。
【0022】
そのため、POS端末2を操作するオペレータは、POS端末2に設けられた決済選択キー672(
図3を参照)を操作する。するとPOS端末2は、決済端末3に対して本人確認要求信号を送信する。本人確認要求信号を受信した決済端末3は、視覚障害者が携帯する携帯端末7に対して、近距離無線通信を用いて生体認証による本人確認を要求する生体認証要求信号を送信する。携帯端末7は、生体認証要求信号を受信すると、指紋センサ84を用いて生体認証を行い、本人であるかを判断する。本人であると判断した場合には、携帯端末7は、本人であることを示す本人確認信号を決済端末3に送信する。決済端末3は、本人確認信号を受信した場合には、受信した決済金額情報に基づいて決済処理を実行する。このようにして、決済端末3は、視覚障害者に対する本人確認を行う。
【0023】
サーバ5は、決済端末3からの決済処理の認証要求に対し、例えばカードのネガティブチェック等のチェックを行い、その後、認証を実行するためのコマンドを決済端末3に送信する。サーバ5は、決済端末3が決済処理をしようとしているクレジットカードでの使用可能なカードであるかを、カード会社や銀行に問い合わせる。決済端末3は、サーバ5から使用可能なカードであるとの回答があった場合に、決済処理を実行する。
【0024】
ここからは、POS端末2のハードウェア構成について説明する。
図3は、POS端末2のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3に示すように、POS端末2は、マイクロプロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)61、ROM(Read Only Memory)62、CPU61のワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)63、メモリ部64等を備えている。CPU61はPOS端末2の制御主体となる。ROM62は各種プログラムを記憶する。RAM63はプログラムや各種データを展開する。メモリ部64は各種プログラムを記憶する。CPU61、ROM62、RAM63、メモリ部64は、互いにバス65を介して接続されている。CPU61とROM62とRAM63が、制御部600を構成する。すなわち、制御部600は、CPU61がROM62やメモリ部64に記憶されRAM63に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述するPOS端末2の制御処理を実行する。
【0025】
RAM63は、商品情報部631を有する。商品情報部631は、商品登録処理された商品の商品情報(商品を特定する商品コード、商品名、商品の価格、等)を記憶する。
【0026】
メモリ部64は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、制御プログラムを記憶する制御プログラム部641、商品マスタ642を有する。商品マスタ642は、各商品の商品情報を、当該商品を特定する商品コードに対応して記憶する。
【0027】
また、制御部600は、バス65およびコントローラ66を介して、操作部67、店員用表示部22、客用表示部23、キーボード24、プリンタ25と接続している。
【0028】
操作部67は、締めキー671と決済選択キー672を有する。締めキー671は、POS端末2において商品登録処理から会計処理へ処理を進める際に顧客が操作するキーである。決済選択キー672は、クレジットカードによる決済が選択された場合に店員用表示部22に表示されるキーであり、顧客が視覚障害者であり、決済端末3に生体認証を用いて視覚障害者の本人確認をさせる場合に店員が操作する。すなわち決済選択キー672は、視覚障害者が暗証番号を入力せずに生体認証を用いて本人確認をするためのキーである。店員用表示部22は、POS端末2を操作する操作者(例えば店員)に対して情報を表示する。客用表示部23、は、顧客に対して情報を表示する。キーボード24は、店員が商品登録操作を行う際に操作するハードキーボードである。プリンタ25は、会計処理した商品に係る商品登録情報や会計情報を含むレシート情報を印字したレシートを発行する。
【0029】
コントローラ66は、制御部600からの指示を受けて、操作部67、店員用表示部22、客用表示部23、キーボード24、プリンタ25を制御する。ただ、説明の都合上、コントローラ66が行う制御を制御部600が行うとして説明する。
【0030】
また、制御部600は、バス65を介して、通信I/F(Interface)27を制御部600に接続しており、通信I/F27は通信回線Taを介して決済端末3と電気的に接続している。
【0031】
次に、決済端末3のハードウェア構成について説明する。
図4は、決済端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4に示すように、決済端末3は、マイクロプロセッサの一例であるCPU51、ROM52、CPU51のワークエリアとして機能するRAM53、メモリ部54等を備えている。CPU51はPOS端末2の制御主体となる。ROM52は各種プログラムを記憶する。RAM53はプログラムや各種データを展開する。メモリ部54は各種プログラムを記憶する。CPU51、ROM52、RAM53、メモリ部54は、互いにバス55を介して接続されている。CPU51とROM52とRAM53が、制御部500を構成する。すなわち、制御部500は、CPU51がROM52やメモリ部54に記憶されRAM53に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述する決済端末3の制御処理を実行する。
【0032】
RAM53は、決済金額部531を有する。決済金額部531は、POS端末2から受信した決済処理をするための決済金額情報(購入した商品の合計金額(消費税額を含む)の情報)を記憶する。
【0033】
メモリ部54は、電源を切っても記憶情報が保持されるフラッシュメモリ等の不揮発性メモリであって、制御プログラムを記憶する制御プログラム部541を有する。
【0034】
また、コントローラ56は、表示部32、操作部33と接続している。コントローラ56は、制御部100からの指令に基づいて各種制御を実行する。表示部32は、置数キー331の画像を含む各種情報を表示する。操作部33は、表示部32上に設けられたタッチパネルであり、表示部32に表示された例えば数値を入力する置数キー331等のキーに対応する位置のタッチパネルをタッチすることで、各種のキー操作を実行する。
【0035】
また、コントローラ56は、印字部57と磁気カード読取部34を接続している。印字部57は、本体31の内部に収納したレシート用紙の先端を引き出して、例えばサーマルヘッドを使用して商品情報や決済情報等をレシート用紙に印字する。磁気カード読取部34は、クレジットカードに磁気的に記憶されているカード情報を読み取る。なお、決済端末3は、磁気カード読取部34とは別に、あるいは磁気カード読取部34の代わりに、ICチップ読取部を備えていてもよい。この場合、ICチップ読取部は、ICチップに記憶されているカード情報を読み取る。
【0036】
また、コントローラ56は、非接触通信部38と接続している。非接触通信部38は、無線通信技術を用いて所定距離内に位置する携帯端末7と通信回線Tcを介して無線通信を行い、情報の送受信を行う。
【0037】
また、バス55は、通信I/F59、60を接続している。通信I/F59は、通信回線Taを介してPOS端末2と接続している。通信I/F60は、通信回線Tbを介してサーバ5と接続している。
【0038】
次に、携帯端末7のハードウェア構成について説明する。
図5は、携帯端末7のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5に示すように、携帯端末7は、マイクロプロセッサの一例であるCPU71、ROM72、CPU71のワークエリアとして機能するRAM73、メモリ部74等を備えている。CPU71はPOS端末2の制御主体となる。ROM72は各種プログラムを記憶する。RAM73はプログラムや各種データを展開する。メモリ部74は各種プログラムを記憶する。CPU71、ROM72、RAM73、メモリ部74は、互いにバス75を介して接続されている。CPU71とROM72とRAM73が、制御部700を構成する。すなわち、制御部700は、CPU71がROM72やメモリ部74に記憶されRAM73に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述する携帯端末7の制御処理を実行する。
【0039】
メモリ部74は、電源を切っても記憶情報が保持されるフラッシュメモリ等の不揮発性メモリであって、制御プログラムを記憶する制御プログラム部741と指紋記憶部742を有する。指紋記憶部742は、予め登録された、携帯端末7を携帯する人の指紋情報を記憶する。
【0040】
また、コントローラ76は、表示部81、操作部82と接続している。コントローラ76は、制御部100からの指令に基づいて各種制御を実行する。また、コントローラ56は、非接触通信部83と接続している。非接触通信部83は、通信回線Tcを介して無線通信技術を用いて所定距離内に位置する決済端末3と無線通信を行い、情報の送受信を行う。
【0041】
また、コントローラ76は、指紋センサ84と接続している。指紋センサ84は、例えば静電容量方式のものであり、携帯端末7のホームボタン等に組み込まれている。指紋センサ84は、人に含まれる電子が接触により移動する性質を利用している。指紋センサ84のセンサ部分には多くの電極が並べられており、指紋が指紋センサ84に触れると指紋の凸部分だけにより多くの電荷が溜まる。指紋センサ84は、この電荷量の変化をマッピングすることで指紋データを検出するものである。
【0042】
また、バス75は、通信I/F85を接続している。通信I/F85は、他の装置と接続して情報の送受信を行う。
【0043】
ここからは、決済システム1の各要素であるPOS端末2、決済端末3、携帯端末7の機能構成について説明する。
図6は、決済システム1の機能構成を示す機能ブロック図である。POS端末2の制御部600は、CPU61が制御プログラム部641に記憶された制御プログラム等のプログラムに従い動作することで、決済金額送信手段601、本人確認要求手段602として機能する。決済端末3の制御部500は、CPU51が制御プログラム部541に記憶された制御プログラム等のプログラムに従い動作することで、受付手段501、生体認証要求手段502、決済処理手段503として機能する。携帯端末7の制御部700は、CPU71が制御プログラム部741に記憶された制御プログラム等のプログラムに従い動作することで、生体認証手段701、本人確認送信手段702として機能する。
【0044】
決済金額送信手段601は、決済処理を行うための決済金額情報を決済端末3に送信する。
【0045】
本人確認要求手段602は、決済選択キー672が操作された場合に、決済端末3に本人確認を要求する本人確認要求信号を送信する。具体的には、本人確認要求手段602は、視覚障害者が本人確認をするために決済選択キー672が操作された場合に、決済端末3に生体認証を用いた本人確認を要求する本人確認要求信号を送信する。
【0046】
受付手段501は、入力された決済処理を行うための決済金額情報を受け付ける。実施形態では、受付手段501は、決済金額送信手段601によって送信された決済金額情報を受信して、決済金額部531に記憶する。
【0047】
生体認証要求手段502は、受付手段501が決済金額情報を受け付けた場合に、近距離無線通信技術により通信が可能な携帯端末7に対して生体認証による本人確認を要求する。実施形態では、生体認証要求手段502は、受付手段501が決済金額情報を受け付けた場合であって、本人確認要求手段602が送信した本人確認要求信号を受信した場合に、決済端末3に対して所定距離以内に近づけた1台の携帯端末7に対して生体認証による本人確認を要求する。
【0048】
生体認証手段701は、決済端末3から生体認証による本人確認の要求があった場合に、生体認証機能を用いて本人確認のための生体認証を行う。実施形態では、生体認証手段701は、決済端末3から生体認証による本人確認の要求があった場合に、指紋センサ84が検出した指紋と指紋記憶部742に記憶されている指紋情報を比較して、指紋センサ84が検出した指紋と指紋記憶部742に記憶されている指紋情報が一致するかの指紋認証を行う。
【0049】
本人確認送信手段702は、生体認証の結果指紋が一致して本人(携帯端末7に指紋を登録した本人)であることが確認された場合に、決済端末3に本人確認信号を送信する。
【0050】
決済処理手段503は、携帯端末7から本人確認信号を受信した場合に、決済金額情報に基づいて決済処理を実行し、本人確認を要求したが前記本人確認信号を受信しない場合には前記決済処理を実行しない。実施形態では、決済処理手段503は、携帯端末7から本人確認信号を受信した場合に、受付手段501が受け付けた決済金額情報に基づいて決済処理を実行し、生体認証要求手段502が生体認証による本人確認の要求をしたが携帯端末7から本人確認信号を受信しない場合には決済処理を実行しない。
【0051】
ここからは、POS端末2の制御について説明する。
図7は、POS端末2の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図7に示すように、POS端末2の制御部600は、商品に付されたシンボルを読み取って当該商品を特定する商品コードを取得したかを判断する(S11)。商品コードを取得したと判断した場合には(S11のYes)、制御部600は、当該商品コードを用いて当該商品の商品登録処理を実行する(S12)。そして制御部600はS11に戻る。
【0052】
また、商品コードの取得ではないと判断した場合には(S11のNo)、制御部600は、締めキー671が操作されたかを判断する(S13)。締めキー671が操作されたと判断した場合には(S13のYes)、制御部600は、次に操作部67またはキーボード24に設けられたクレジットキー(図示せず)が操作され、クレジットカードでの支払いが選択されたかを判断する(S14)。クレジットカードでの支払いが選択されたと判断した場合には(S14のYes)、制御部600は、決済選択キー672の画像を店員用表示部22に表示する(S21)。同時に制御部600は、決済選択キー672の画像に対応した操作部67に、決済選択キー672を設ける(S21)。そして決済金額送信手段601は、商品登録処理した商品に対して顧客が支払う決済金額を示す決済金額情報を、決済端末3に送信する(S22)。なお、決済金額送信手段601は、クレジットカードで決済処理をすることを指示する決済指示信号を決済金額情報とともに送信する(S22)。なお、締めキー671の操作ではないと判断した場合には(S13のNo)、制御部600はS11に戻る。
【0053】
店員は、顧客が視覚障害者であると判断した場合には、S21で表示された決済選択キー672を操作する。店員は、顧客が視覚障害者ではないと判断した場合には、S21で表示された決済選択キー672を操作しない。次に制御部600は、決済選択キー672が操作されたかを判断する(S23)。決済選択キー672が操作されたと判断した場合には(S23のYes)、本人確認要求手段602は、決済端末3に対して、生体認証を用いた当該顧客に係る本人確認を要求する本人確認要求信号を送信する(S24)。
【0054】
次に制御部600は、決済端末3から決済処理が終了したことを示す決済終了信号を受信したかを判断する(S25)。決済終了信号を受信したと判断した場合には(S25のYes)、制御部600は、商品登録処理した商品の商品情報と決済情報(購入した商品の合計金額、決済金額、等)をプリンタ25で印字したレシートを発行する(S26)。そして制御部600は、処理を終了する。
【0055】
また、S23において、決済選択キー672が操作されていない(店員が、顧客が視覚障害者ではない)と判断した場合には(S23のNo)、S24の処理を実行することなく決済端末3から決済処理が終了したことを示す決済終了信号を受信したかを判断する(S25)。そして制御部600はS25以降の処理を実行する。
【0056】
なお、S25の判断において、決済終了信号の受信ではないと判断した場合には(S25のNo)、次に制御部600は、決済端末3から、本人確認ができなかったため当該取引に係る決済を不可とする(決済処理を行わない)ことを示す決済不可信号を受信したかを判断する(S27)。決済不可信号の受信ではないと判断した場合にはS25に戻り(S27のNo)、決済不可信号を受信したと判断した場合には(S27のYes)、制御部600は、当該取引に係る決済処理を行わず、例えば本人確認ができないため、取引を中止する旨のメッセージを店員用表示部22と客用表示部23に表示する決済不可処理を実行する(S28)。そして制御部600は、処理を終了する。
【0057】
なお、決済不可処理は、本人確認を要しない他のメディアを使用した決済を促すメッセージの表示を含んでもよい。また、決済不可処理は、当該取引で行った商品登録処理した商品情報を商品情報部631から消去する処理を含み、制御部600は、当該取引がなかったことにする処理を行ってもよい。
【0058】
また、S14において、クレジットカード以外のメディアでの支払いが選択された場合には(S14のNo)、制御部600は、選択されたメディアでの決済処理を実行する(S74)。そして制御部600は、処理を終了する。
【0059】
次に、決済端末3の制御について説明する。
図8は、決済端末3の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図8に示すように、決済端末3の制御部500は、POS端末2から決済金額情報と決済指示信号を受信したかを判断する(S31)。受信するまで待機し(S31のNo)、POS端末2から決済金額情報と決済指示信号を受信したと判断した場合には(S31のYes)、受付手段501は、受信した決済金額情報を決済金額部531に記憶する(S32)。すなわち受付手段501は、受信した決済金額情報を受け付ける。次に制御部500は、表示部32に、0から9までの数字が表記された置数キー331を表示させ(S33)、操作部33に置数キー331の機能を持たせる。
【0060】
次に制御部500は、磁気カード読取部34にクレジットカードを挿入して走査されたかを判断する(S34)。クレジットカードが走査されたと判断した場合には(S34のYes)、次に制御部500は、置数キー331から暗証番号が入力されたかを判断する(S35)。暗証番号が入力されるまで待機し(S35のNo)、暗証番号が入力されたと判断した場合には(S35のYes)、制御部500は、入力された暗証番号と走査したカードから読み取った暗証番号とが一致したか否かで、本人確認を行う(S36)。制御部500は、入力された暗証番号と走査したカードから読み取った暗証番号とが一致した場合には本人であると判断する。制御部500は、入力された暗証番号と走査したカードから読み取った暗証番号とが一致しない場合には本人ではないと判断する。
【0061】
制御部500は、本人であると判断した場合には(S36のYes)、決済処理手段503は、決済金額部531に記憶した決済金額情報に基づいてクレジットカードでの決済処理を実行する(S37)。そして制御部500は、決済処理が終了したことを示す決済終了信号を、POS端末2に送信する(S38)。そして制御部500は処理を終了する。
【0062】
また、S36において本人ではないと判断した場合には(S36のNo)、制御部500は、決済不可信号をPOS端末2に送信する(S39)。そして制御部500は処理を終了する。
【0063】
また、S34において、クレジットカードの走査ではないと判断した場合には(S34のNo)、制御部500は、POS端末2から本人確認要求信号を受信したかを判断する(S41)。本人確認要求信号の受信ではないと判断した場合には(S41のNo)S34に戻り、POS端末2から本人確認要求信号を受信したと判断した場合には(S41のYes)、制御部500は、近距離無線通信を行うための非接触通信部38を起動する(S42)。なお制御部500は、S42を処理するタイミングで、携帯端末7を決済端末に近づける音声アナウンスを行うことが望ましい。
【0064】
次に生体認証要求手段502は、携帯端末7において生体認証を行うことを要求する生体認証要求信号を発信する(S43)。決済端末3に対して所定距離以内に近づけた1台の携帯端末7は、生体認証要求信号を受信する。すなわち、生体認証要求手段502は、所定距離以内に位置する携帯端末7に対して、近距離無線通信技術を用いて生体認証による本人確認を要求する。なお、近距離無線通信技術を用いた決済端末3と携帯端末7との通信方式は、特定の方式である必要はなく、種々の通信方式が適用可能である。
【0065】
携帯端末7で生体認証による本人確認を行った場合、当該携帯端末7を所定距離以内に近づけることで、決済端末3は、携帯端末7から近距離無線通信技術を用いて本人であることを確認したことを示す本人確認信号を受信する。制御部500は、携帯端末7から本人確認信号を受信したかを判断する(S44)。携帯端末7から本人確認信号を受信したと判断した場合には(S44のYes)、決済処理手段503は、S37の処理を実行する。また制御部500は、S38の処理を実行する。制御部500は、S38の処理を終了する際に非接触通信部38の起動を停止する。一方、携帯端末7から、本人と確認できない旨の信号を受信した場合には(S44のNo)、制御部500は、決済不可信号を決済端末3に送信する(S45)。すなわち、制御部500は、本人確認を要求したが本人確認信号を受信しない場合には決済処理を実行しない。制御部500は、S45の処理を終了する際に非接触通信部38の起動を停止する。そして制御部500は処理を終了する。
【0066】
次に、携帯端末7の制御について説明する。
図9は、携帯端末7の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図9に示すように、携帯端末7の制御部700は、決済端末3から生体認証要求信号を受信したかを判断する(S51)。受信するまで待機し(S51のNo)、決済端末3から生体認証要求信号を受信したと判断した場合には(S51のYes)、生体認証手段701は、生体認証機能を用いて本人確認のための生体認証を行う(S52)。実施形態では、生体認証手段701は、指紋センサ84が検出した指紋と指紋記憶部742に記憶されている指紋情報とを比較する(S52)。
【0067】
次に制御部700は、生体認証の結果に基づいて、指紋センサ84が検出した指紋の人が携帯端末7を所有する本人かを判断する(S53)。指紋センサ84が検出した指紋と指紋記憶部742に記憶されている指紋情報とが一致した場合には、制御部700は、指紋センサ84が指紋を検出した人物が携帯端末7を所有する本人であると判断する。指紋センサ84が検出した指紋と指紋記憶部742に記憶されている指紋情報とが一致しない場合には、指紋センサ84が指紋を検出した人物が携帯端末7を所有する本人ではないと判断する。
【0068】
指紋センサ84が指紋を検出した人物が携帯端末7を所有する本人であると判断した場合には(S53のYes)、本人確認送信手段702は、決済端末3に対して、指紋を検証した人が携帯端末7を所有する人物(すなわち本人)であることが認証されたことを示す本人確認信号を送信する(S54)。具体的には、制御部700は、携帯端末7を決済端末3に近づけるよう音声アナウンスし、所定距離以内に近づけた携帯端末7は、決済端末3に対して本人確認信号を送信する(S54)。そして制御部700は処理を終了する。
【0069】
また、指紋センサ84が指紋を検出した人物が携帯端末7を所有する本人ではないと判断した場合には(S53のNo)、制御部700は、決済端末3に対して、指紋を検証した人が携帯端末7を所有する人物(すなわち本人)ではないことを示す本人と確認できない旨の信号を送信する(S55)。そして制御部700は処理を終了する。
【0070】
このような実施形態の決済システム1では、POS端末2は決済に使用する決済金額情報を決済端末3に送信するとともに、視覚障害者が決済を行う場合、店員がPOS端末2に表示された決済選択キー672を操作すると、POS端末2は決済端末3に対して本人確認要求信号を送信する。本人確認要求信号を受信した決済端末3は、決済端末3に対して所定距離以内に近づけた携帯端末7に対して、近距離無線通信技術を使用して生体認証要求信号を送信する。生体認証要求信号を受信した携帯端末7は、生体認証による本人確認をおこなう。そして本人確認ができた場合には、携帯端末7は、決済端末3に対して所定距離以内に近づけると、当該決済端末3に対して本人確認信号を送信する。人確認信号を受信した決済端末3は、POS端末2から受信した決済金額情報に基づいて決済処理を実行する。
【0071】
このような実施形態の決済システム1によれば、視覚障害者の顧客が暗証番号を入力することなく本人確認をすることができる。また、暗証番号を使用しないため、本人確認をする際のセキュリティを向上させることができる。
【0072】
以上説明したように、実施形態の決済システム1は、決済端末3と、生体認証機能を備えた携帯端末7とを有する決済システムであって、決済端末3は、入力された決済処理を行うための決済金額情報を受け付ける受付手段501と、受付手段501が決済金額情報を受け付けた場合に、近距離無線通信技術により通信が可能な携帯端末7に対して生体認証による本人確認を要求する生体認証要求手段502と、を備え、携帯端末7は、決済端末3から生体認証による本人確認の要求があった場合に、生体認証機能を用いて本人確認のための生体認証を行う生体認証手段701と、生体認証の結果、本人が確認された場合に決済端末3に本人確認信号を送信する本人確認送信手段702と、を備え、決済端末3は、本人確認信号を受信した場合に、決済金額情報に基づいて決済処理を実行し、本人確認を要求したが本人確認信号を受信しない場合には決済処理を実行しない決済処理手段503、を備える。
【0073】
このような実施形態の決済システム1によれば、決済端末3は、決済金額情報を受け付けた場合に、近距離無線通信技術により通信が可能な携帯端末7に対して生体認証による本人確認を要求する。携帯端末7は、生体認証による本人確認の要求に対して生体認証機能を用いて本人確認のための生体認証を行い、本人が確認された場合に決済端末3に本人確認信号を送信する。決済端末3は、本人確認信号を受信した場合に、決済金額情報に基づいて決済処理を実行し、本人確認を要求したが本人確認信号を受信しない場合には決済処理を実行しない。そのため、このような実施形態の決済システム1は、本人確認をする際のセキュリティを向上させることができる。
【0074】
なお、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0075】
例えば実施形態では、POS端末2と決済端末3と携帯端末7を決済システム1とした。しかしながらこれに限らず、POS端末2は必ずしも決済システムに含まれなくてもよい。例えば決済端末3と携帯端末7を決済システム1としてもよい。
【0076】
また実施形態では、決済端末3がPOS端末2から決済金額情報を受信するようにした。しかしながらこれに限らず、例えば、POS端末2が表示した決済金額に係る決済金額情報を、決済端末3の操作部33を用いて入力するようにしてもよい。
【0077】
また実施形態では、決済端末3はPOS端末2と別体として説明した。しかしながらこれに限らず、両装置の筐体が共通であってもよい。すなわち、決済端末3がPOS端末2内に組み込まれていてもよい。この場合、POS端末2内における決済端末の機能要素が決済端末3である。
【0078】
また実施形態では、携帯端末7が行う生体認証として指紋認証を用いて説明した。しかしながらこれに限らず、携帯端末7は、例えば顔認証や静脈認証等の、他の認証技術を用いてもよい。
【0079】
また実施形態では、近距離無線通信技術としてNFCを一例に説明した。しかしながらこれに限らず、近距離無線通信技術として例えばブルートゥース(登録商標)技術を用いてもよい。また、近距離無線通信技術以外の通信技術を使用して、携帯端末7を一対一に対応させて当該携帯端末7と通信を行うようにしてもよい。
【0080】
また実施形態では、決済選択キー672が操作された(すなわち、視覚障害者がクレジットカードを使用して決済を行う)場合に、生体認証技術を行って本人確認をするようにした。しかしながら、決済選択キー672の操作は必須ではなく、視覚障害者に限らず、クレジットカードを使用して決済を行うすべての顧客に対して、生体認証技術を行って本人確認をするようにしてもよい。すなわち、決済選択キー672はなくてもよい。
【0081】
また実施形態では、本人確認を行く決済としてクレジットカードによる決済処理を用いた。しかしながらこれに限らず、本人確認を行うことが必要な決済であれば、クレジットカード以外のカード(媒体)であってもよい。
【0082】
また実施形態では、決済端末3を商品の購入に係る決済処理を行う装置として説明した。しかしながらこれに限らず、例えば銀行に設置された、商品の代金を振り込む(決済に該当する)ATM(現金自動預け払い機)を決済装置としてもよい。この場合、携帯端末7とATMとの間で生体認証を用いた本人確認を行う。
【符号の説明】
【0083】
1 決済システム
2 POS端末
3 決済端末
7 携帯端末
38 非接触通信部
51 CPU
61 CPU
67 操作部
71 CPU
81 表示部
82 操作部
83 非接触通信部
84 指紋センサ
100 制御部
331 置数キー
500 制御部
501 受付手段
502 生体認証要求手段
503 決済処理手段
531 決済金額部
600 制御部
601 決済金額送信手段
602 本人確認要求手段
631 商品情報部
672 決済選択キー
700 制御部
701 生体認証手段
702 本人確認送信手段
742 指紋記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0084】