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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080800
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】燃料噴射弁
(51)【国際特許分類】
   F02M 51/06 20060101AFI20240610BHJP
   F02M 47/00 20060101ALI20240610BHJP
   F02M 61/16 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
F02M51/06 D
F02M51/06 B
F02M47/00 F
F02M61/16 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194033
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】荒木 健
【テーマコード(参考)】
3G066
【Fターム(参考)】
3G066BA10
3G066BA51
3G066CC03
3G066CE23
3G066CE24
3G066CE34
3G066DA01
(57)【要約】
【課題】ショット間ばらつきを抑制でき、製造も容易な燃料噴射弁を得る。
【解決手段】燃料噴射弁1は、一端が第1面72bに開口し、他端が第1面72bと反対側の面である第2面72cに開口する第1貫通孔72aを備えるガイド部材71と、一部が第1貫通孔72aに摺動自在に挿入され、第1面72bからガイド部材71の外部へ突出した箇所にアーマチュアプレート76を有するアーマチュア75と、電磁石80と、アーマチュア75を電磁石80から遠ざかる方向へ押すバネ86と、を備え、電磁石80への通電により、アーマチュア75が電磁石80側へ移動して燃料噴射孔15が開かれ、燃料を噴射する燃料噴射弁1であって、ガイド部材71は、第1面72bと第2面72cとの間に第1鍔部73を有し、アーマチュア75は、第2面72cに第2鍔部79を有し、バネ86は、一端が第1鍔部73を押し、他端が第2鍔部79を押す構成となっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が第1面(72b)に開口し、他端が前記第1面(72b)とは反対側の面である第2面(72c)に開口する第1貫通孔(72a)が形成されたガイド部材(71)と、
一部が前記第1貫通孔(72a)に摺動自在に挿入されており、前記第1面(72b)から前記ガイド部材(71)の外部へ突出した箇所にアーマチュアプレート(76)を有するアーマチュア(75)と、
前記アーマチュアプレート(76)を基準として前記ガイド部材(71)とは反対側に設けられ、通電時に前記アーマチュア(75)を引き付ける電磁石(80)と、
前記アーマチュア(75)を前記電磁石(80)から遠ざかる方向へ押すバネ(86)と、
を備え、
前記電磁石(80)へ通電することにより、前記アーマチュア(75)が前記電磁石(80)側へ移動して燃料噴射孔(15)が開かれ、燃料を噴射する燃料噴射弁(1)であって、
前記ガイド部材(71)は、前記第1面(72b)と前記第2面(72c)との間に第1鍔部(73)を有し、
前記アーマチュア(75)は、前記第2面(72c)から前記ガイド部材(71)の外部へ突出した箇所に第2鍔部(79)を有し、
前記バネ(86)は、一端が前記第1鍔部(73)を押し、他端が前記第2鍔部(79)を押す構成である燃料噴射弁(1)。
【請求項2】
前記ガイド部材(71)は、前記第1鍔部(73)と前記第2面(72c)との間の領域において、前記バネ(86)をガイドする、請求項1に記載の燃料噴射弁(1)
【請求項3】
前記アーマチュア(75)は、
第2貫通孔(77)が形成された前記アーマチュアプレート(76)と、
前記第2鍔部(79)を有し、前記ガイド部材(71)の前記第1貫通孔(72a)及び前記アーマチュアプレート(76)の前記第2貫通孔(77)に挿入され、前記アーマチュアプレート(76)と共に移動するアーマチュアボルト(78)と、
を備えた請求項1に記載の燃料噴射弁(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、アーマチュア等を有する電磁アクチュエータを備え、アーマチュアを往復動させることにより、燃料の噴射の開始及び停止を制御する燃料噴射弁(インジェクタ)が知られている(特許文献1参照)。以下、図3及び図4を用いて、このような従来の燃料噴射弁の構成について説明する。
【0003】
図3及び図4は、従来の燃料噴射弁を示す縦断面図である。なお、図3は、従来の燃料噴射弁101から燃料が噴射されている状態を示している。また、図4は、従来の燃料噴射弁101から燃料が噴射されていない状態を示している。なお、図3及び図4を用いて従来の燃料噴射弁101を説明する際、燃料噴射孔15が形成された側の端部を燃料噴射弁101の下端とし、燃料噴射孔15側の端部とは反対側の端部を燃料噴射弁101の上端として、燃料噴射弁101を説明していく。
【0004】
燃料噴射弁101は、外郭の一部を構成する部品としてインジェクタハウジング11を備えている。インジェクタハウジング11には、上下方向に貫通する図示せぬ貫通孔が形成されている。この貫通孔には、バルブピストン63が上下方向に移動自在に収容されている。また、インジェクタハウジング11には、燃料通路31も形成されている。この燃料通路31は、一端が燃料供給用接続口51に接続されている。なお、燃料供給用接続口51は、コモンレール4に接続されることとなる。つまり、燃料タンク2からサプライポンプ3によって圧送され、コモンレール4に蓄積された高圧燃料は、燃料供給用接続口51を介して燃料噴射弁101に供給される。
【0005】
インジェクタハウジング11の下端側には、外郭の一部を構成するノズルボディ14が取り付けられている。このノズルボディ14には、上端から下方へ凹む孔33が形成されている。この孔33には、弁ニードル61が上下方向に移動自在に収容されている。この弁ニードル61の上端部は、バルブピストン63の下端部に当接している。また、孔33の下端部は、弁ニードル61のシート部16となっている。シート部16には、孔33とノズルボディ14の外部とを連通するように、例えば複数の燃料噴射孔15が形成されている。また、孔33の一部には、弁ニードル61の受圧部62と対向する位置に、燃料溜まり室33aが形成されている。この燃料溜まり室33aには、燃料通路32の一端が連通している。燃料通路32の他端は、インジェクタハウジング11の燃料通路31と連通している。
【0006】
インジェクタハウジング11内の上部には、バルブボディ19が取り付けられている。このバルブボディ19には、下端から上方へ凹む孔18が形成されている。そして、孔18には、バルブピストン63の上部が上下方向に摺動自在に挿入される。これにより、バルブピストン63の頂部63aよりも上方となる孔18部分が、圧力制御室66となる。
【0007】
また、バルブボディ19には、開閉用オリフィス通路44、圧力導入室42及び導入側オリフィス通路43も形成されている。開閉用オリフィス通路44は、圧力制御室66とバルブボディ19の上端とを連通する通路である。圧力導入室42は、バルブボディ19の側面部に形成されている。導入側オリフィス通路43は、圧力制御室66と圧力導入室42とを連通する通路である。また、インジェクタハウジング11には、圧力導入室42と燃料供給用接続口51とを連通する燃料通路41が形成されている。
【0008】
なお、開閉用オリフィス通路44は、後述する電磁アクチュエータ170によって上下動(往復動)するボール67で、開閉される。つまり、開閉用オリフィス通路44が開かれた際、燃料供給用接続口51から燃料通路41、圧力導入室42及び導入側オリフィス通路43を介して圧力制御室66に供給された燃料は、開閉用オリフィス通路44から流出する。そして、開閉用オリフィス通路44から流出した燃料は、バルブボディ19の上方に形成された低圧室45に流れ込む。ここで、開閉用オリフィス通路44の流路断面積は、導入側オリフィス通路43の流路断面積よりも大きくなっている。このため、開閉用オリフィス通路44が開かれた際、圧力制御室66の圧力は、燃料供給用接続口51からインジェクタハウジング11内へ流入してくる燃料の圧力よりも低くなる。
【0009】
また、インジェクタハウジング11の上端部には、筒状のホルダ20の下端部が挿入されている。すなわち、ホルダ20の中心軸の位置は、インジェクタハウジング11の内周面によって定まることとなる。このホルダ20は、ナット21を介して、インジェクタハウジング11に固定されている。そして、インジェクタハウジング11内におけるバルブボディ19よりも上方の空間、及びホルダ20内の空間には、ボール67を上下動させる電磁アクチュエータ170が収容されている。
【0010】
電磁アクチュエータ170は、ガイド部材171、アーマチュア175、電磁石80、及びバネ186を備える。ガイド部材171は、アーマチュア175を上下方向に摺動自在に支持するものである。このガイド部材171は、例えば筒状のガイド部172と、ガイド部172の外周側に設けられた鍔部173と、を備える。ガイド部172には、上下方向に貫通する貫通孔172aが形成されている。この貫通孔172aにアーマチュア175が挿入されることにより、アーマチュア175は、ガイド部172に摺動自在に支持される。鍔部173には、低圧室45内の燃料が通過する燃料通路173aが形成されている。低圧室45から燃料通路173aに流れ込んだ燃料は、図示せぬ流路を通って、後述の燃料排出用接続口52に流出することとなる。なお、燃料排出用接続口52は、燃料タンク2に接続されている。このため、燃料排出用接続口52に流出した燃料は、燃料排出用接続口52を介して、燃料タンク2に戻される。
【0011】
このように構成されたガイド部材171は、インジェクタハウジング11内に収容されている。そして、鍔部173がバルブボディ19とナット22に挟み込まれることにより、ガイド部材171は、インジェクタハウジング11に固定されている。すなわち、ガイド部材171の貫通孔172aの中心軸の位置は、インジェクタハウジング11の内周面によって定まることとなる。
【0012】
アーマチュア175は、アーマチュアボルト178及びアーマチュアプレート176を備える。アーマチュアボルト178は、ガイド部材171の貫通孔172aに挿入され、ガイド部材171に摺動自在に支持されている。すなわち、アーマチュア175の中心軸の位置は、より詳しくはアーマチュアボルト178の中心軸の位置は、ガイド部材171の貫通孔172aによって定まることとなる。アーマチュアボルト178の下端部には、開閉用オリフィス通路44を開閉するボール67が設けられている。
【0013】
このアーマチュアボルト178には、ガイド部材171の上面172bからガイド部材171の外部へ突出した箇所に、アーマチュアプレート176が取り付けられている。詳しくは、アーマチュアプレート176には、上下方向に貫通する貫通孔177が形成されている。この貫通孔177に、アーマチュアボルト178が摺動自在に挿入されている。ここで、アーマチュアボルト178は、アーマチュアプレート176と共に移動(上下動)するものである。このため、アーマチュアプレート176は、アーマチュアボルトに取り付けられたCリング89と、アーマチュアプレート176をCリング89へ押しつけるバネ88とで、挟み込まれている。これにより、アーマチュアボルト178は、アーマチュアプレート176と共に移動(上下動)することができる。
【0014】
また、アーマチュア175は、ガイド部材171の下面172cからガイド部材171の外部へ突出した箇所に、鍔部179を有している。詳しくは、鍔部179は、アーマチュアボルト178に設けられている。なお、鍔部179は、アーマチュアボルト178と一体成形されてもよいし、アーマチュアボルト178とは別体で構成されてもよい。
【0015】
電磁石80は、磁極81にソレノイドコイル82が設けられた構成となっている。この電磁石80は、アーマチュアプレート176を基準として、ガイド部材171とは反対側に設けられている。すなわち、電磁石80は、アーマチュアプレート176の上方に設けられている。このため、電磁石80は、電磁石80のソレノイドコイル82に通電されると、磁力によってアーマチュア175を引き付ける。すなわち、アーマチュア175を上方へ移動させる。この時、アーマチュア175の鍔部179の上面が、ガイド部材171の下面172cに当接する。すなわち、ガイド部材171の下面172cは、アーマチュア175のストローク量を規定するストッパとなる。なお、ソレノイドコイル82に供給される電力は、通電用接続口53に接続された図示せぬ電力供給源から供給される。この電磁石80には、上下に貫通する貫通孔83が形成されている。
【0016】
このように構成された電磁石80は、ホルダ20内に収容される。また、ホルダ20内には、電磁石80の上方に、固定部材185も収容される。そして、ホルダ20の上端部をかしめることにより、ホルダ20の内周面に形成された段部と固定部材185とによって電磁石80が挟持され、電磁石80がホルダ20に固定される。ここで、固定部材185の下面部には、後述のバネ186の上端部近傍が収容される凹部185aが形成されている。また、固定部材185には、上述の燃料排出用接続口52も形成されている。
【0017】
バネ186は、アーマチュア175を電磁石80から遠ざかる方向へ押すものである。このバネ186は、電磁石80の貫通孔83内に配置されている。また、バネ186の上端部近傍は、固定部材185の凹部185aに収容されている。そして、バネ186の上端は、凹部185aの底部に当接している。また、バネ186の下端は、アーマチュアボルト178の上端部に当接している。これにより、バネ186は、アーマチュア175を電磁石80から遠ざかる方向へ押す。すなわち、バネ186の中心軸の位置は、固定部材185の凹部185aで定まる。また、固定部材185は上述のようにホルダ20内に収容されているので、固定部材185の凹部185aの中心軸の位置は、ホルダ20で定まることとなる。
【0018】
このように構成された燃料噴射弁101では、コモンレール4からの高圧燃料は、燃料供給用接続口51から燃料通路31,32を介して、燃料溜まり室33a内の弁ニードル61の受圧部62に作用する。また、コモンレール4からの高圧燃料は、燃料通路41及び圧力導入室42を介して、圧力制御室66内のバルブピストン63の頂部63aにも作用するようになっている。
【0019】
また、電磁石80のソレノイドコイル82に通電されていない状態においては、図4に示すように、アーマチュア175及び該アーマチュア175の下端部に設けられたボール67は、バネ186によって押し下げられる。これにより、ボール67が、開閉用オリフィス通路44を閉塞する。また、電磁石80のソレノイドコイル82に通電されている状態においては、図3に示すように、アーマチュア175及び該アーマチュア175の下端部に設けられたボール67は、電磁石80によって上方に引き上げられる。これにより、開閉用オリフィス通路44が開かれる。
【0020】
したがって、電磁石80のソレノイドコイル82に通電されていない状態では、ボール67によって圧力制御室66が低圧室45側と遮断されている。このため、弁ニードル61は、バルブピストン63を介して受ける圧力制御室66の背圧により、ノズルボディ14のシート部16に押しつけられる。これにより、燃料噴射孔15は閉鎖される。
【0021】
一方、電磁石80のソレノイドコイル82に通電されている状態では、圧力制御室66の高圧が開閉用オリフィス通路44を介して低圧室45へ開放される。したがって、圧力制御室66におけるバルブピストン63の頂部63aに作用していた高圧が開放され、弁ニードル61は、受圧部62に作用している高圧により上昇する。これにより、燃料噴射孔15が開放されて、該燃料噴射孔15から燃料噴射が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開2005-90422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
ここで、上述した燃料噴射噴射弁においては、燃料噴射毎に、噴射される燃料の量に若干のばらつきが存在することは避けられない。このばらつきをショット間ばらつきと称することとする。
【0024】
ショット間ばらつきが大きくなると、エンジンの、排ガスや燃焼音等の環境性能が悪化する恐れがある。また、発明者らの研究により、ショット間ばらつきは、燃料噴射毎の、ソレノイドコイル82への通電終了後から開閉用オリフィス通路44を閉塞するまでの時間のずれに起因すること、及び、当該時間のずれは、燃料噴射弁101におけるアーマチュアボルト178の傾きの影響を受けることが分かっている(詳細は後述)。アーマチュアボルト178の傾きがショット間ばらつきに与える影響について、以下に詳述する。
【0025】
図5は、従来の燃料噴射弁において、ソレノイドコイルへの通電終了後から開閉用オリフィス通路を閉塞するまでの時間が燃料噴射毎にずれる原因を説明するための説明図である。
【0026】
電磁石80によって上方に引き上げられていたアーマチュア175は、電磁石80のソレノイドコイル82への通電が終了すると、バネ186によって押し下げられる。これにより、アーマチュア175の下端部に設けられたボール67が開閉用オリフィス通路44を閉塞する。この結果、上述のように燃料噴射孔15が閉鎖されて、燃料の噴射が終了する。
【0027】
ここで、バネ186の中心軸の位置は、該バネ186の上端部近傍を収容する固定部材185の凹部185aで定まる。また、バネ186によって押し下げられるアーマチュア175の中心軸の位置は、アーマチュアボルト178を摺動自在に支持するガイド部材171の貫通孔172aによって定まることとなる。このため、ガイド部材171の貫通孔172aの中心軸と、固定部材185の凹部185aの中心軸とがずれていると、図5に示すように、バネ186は、アーマチュア175を斜め下方向に押すこととなる。したがって、アーマチュア175には、横方向荷重F1が作用することとなる。
【0028】
アーマチュア175に横方向荷重F1が作用すると、ガイド部材171の貫通孔172a内において、アーマチュアボルト178が傾く。これにより、アーマチュアボルト178が貫通孔172aの内周面の上部近傍に押しつけられ、貫通孔172aの内周面に横方向荷重F2が作用する。また、アーマチュアボルト178が貫通孔172aの内周面の下部近傍に押しつけられ、貫通孔172aの内周面に横方向荷重F3が作用する。そして、これらの横方向荷重F2,F3により、アーマチュアボルト178が貫通孔172a内で摺動する際、横方向荷重F2,F3の大きさに応じた摺動抵抗が発生する。そして、アーマチュアボルト178が貫通孔172a内で摺動する際の摺動抵抗が大きいほど、ソレノイドコイル82への通電終了後から開閉用オリフィス通路44を閉塞するまでの時間が長くなる。
【0029】
また、燃料噴射の開始及び停止によってアーマチュア175の上下動を繰り返すことにより、アーマチュアボルト178が貫通孔172a内で回転する。すなわち、貫通孔172aに対するアーマチュアボルト178のすわり状態が変化する。また、燃料噴射の開始及び停止によってアーマチュア175の上下動を繰り返すうち、アーマチュアボルト178とは独立して、バネ186も固定部材185の凹部185a内で回転する。すなわち、凹部185aに対するバネ186のすわり状態が変化する。このため、バネ186がアーマチュア175を押し下げる際に発生する横方向荷重F1の大きさ、及び該横方向荷重F1によって発生する横方向荷重F2,F3の大きさも、燃料噴射毎に異なってくる。すなわち、燃料噴射毎に、アーマチュアボルト178が貫通孔172a内で摺動する際の摺動抵抗が異なってくる。したがって、燃料噴射毎に、ソレノイドコイル82への通電終了後から開閉用オリフィス通路44を閉塞するまでの時間が異なってくる。
【0030】
このような理由により、ショット間ばらつきは、ガイド部材171の貫通孔172aの中心軸と固定部材185の凹部185aの中心軸とのずれの影響を受ける。
【0031】
上述のような発明者らの検討結果に基づくと、ガイド部材171の貫通孔172aの中心軸と固定部材185の凹部185aの中心軸とのずれを小さくすることにより、ソレノイドコイル82への通電終了後から開閉用オリフィス通路44を閉塞するまでの時間のばらつきが小さくなり、その結果、ショット間ばらつきを小さくできることがわかる。しかしながら、従来の燃料噴射弁101においては、ガイド部材171の貫通孔172aの中心軸と固定部材185の凹部185aの中心軸とのずれは、複数の部品を介して定められることとなる。詳しくは、ガイド部材171の貫通孔172aの中心軸と固定部材185の凹部185aの中心軸とのずれは、インジェクタハウジング11及びホルダ20を介して定められることとなる。
【0032】
このため、従来の燃料噴射弁101においては、ガイド部材171の貫通孔172aの中心軸と固定部材185の凹部185aの中心軸とのずれを小さくするため、ガイド部材171、インジェクタハウジング11、ホルダ20、及び固定部材185を高精度に加工し、さらに、これらを高精度に組み立てる必要があった。また、排ガスや燃焼音等の環境性能に対する要求の高まりを考慮すると、将来的にはさらなるショット間ばらつきの低減が望まれるところでもあった。
【0033】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、ショット間ばらつきを低減でき、製造も容易な燃料噴射弁を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明に係る燃料噴射弁は、一端が第1面72bに開口し、他端が前記第1面72bとは反対側の面である第2面72cに開口する第1貫通孔72aが形成されたガイド部材71と、一部が前記第1貫通孔72aに摺動自在に挿入されており、前記第1面72bから前記ガイド部材71の外部へ突出した箇所にアーマチュアプレート76を有するアーマチュア75と、前記アーマチュアプレート76を基準として前記ガイド部材71とは反対側に設けられ、通電時に前記アーマチュア75を引き付ける電磁石80と、前記アーマチュア75を前記電磁石80から遠ざかる方向へ押すバネ86と、を備え、前記電磁石80へ通電することにより、前記アーマチュア75が前記電磁石80側へ移動して燃料噴射孔15が開かれ、燃料を噴射する燃料噴射弁1であって、前記ガイド部材71は、前記第1面72bと前記第2面72cとの間に第1鍔部73を有し、前記アーマチュア75は、前記第2面72cから前記ガイド部材71の外部へ突出した箇所に第2鍔部79を有し、前記バネ86は、一端が前記第1鍔部73を押し、他端が前記第2鍔部79を押す構成となっている。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る燃料噴射弁によれば、アーマチュアの中心軸とアーマチュアを押圧するバネの中心軸とのずれが抑制されることにより、ショット間ばらつきが低減される。また、本発明に係る燃料噴射弁によれば、高精度な加工と組み立てが要求される部品が減少するため、製造が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の実施の形態に係る燃料噴射弁を示す縦断面図である。
図2】本発明の実施の形態に係る燃料噴射弁を示す縦断面図である。
図3】従来の燃料噴射弁を示す縦断面図である。
図4】従来の燃料噴射弁を示す縦断面図である。
図5】従来の燃料噴射弁において、ソレノイドコイルへの通電終了後から開閉用オリフィス通路を閉塞するまでの時間が燃料噴射毎にずれる原因を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の燃料噴射弁に関する実施の形態について具体的に説明する。ただし、本実施の形態は本発明の一態様を示すものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
【0038】
なお、以下では、本実施の形態に係る燃料噴射弁1を説明する際、燃料噴射孔15が形成された側の端部を燃料噴射弁1の下端とし、燃料噴射孔15側の端部とは反対側の端部を燃料噴射弁1の上端として、燃料噴射弁1を説明していく。また、本実施の形態に係る燃料噴射弁1の各構成を説明する際、上述した従来の燃料噴射弁101と同じ構成については、燃料噴射弁101と同じ符号を付すこととする。
【0039】
図1及び図2は、本発明の実施の形態に係る燃料噴射弁を示す縦断面図である。なお、図1は、本実施の形態に係る燃料噴射弁1から燃料が噴射されている状態を示している。また、図2は、本実施の形態に係る燃料噴射弁1から燃料が噴射されていない状態を示している。
【0040】
燃料噴射弁1は、外郭の一部を構成する部品としてインジェクタハウジング11を備えている。インジェクタハウジング11には、上下方向に貫通する図示せぬ貫通孔が形成されている。この貫通孔には、バルブピストン63が上下方向に移動自在に収容されている。また、インジェクタハウジング11には、燃料通路31も形成されている。この燃料通路31は、一端が燃料供給用接続口51に接続されている。なお、燃料供給用接続口51は、コモンレール4に接続されることとなる。つまり、燃料タンク2からサプライポンプ3によって圧送され、コモンレール4に蓄積された高圧燃料は、燃料供給用接続口51を介して燃料噴射弁1に供給される。
【0041】
インジェクタハウジング11の下端側には、外郭の一部を構成するノズルボディ14が取り付けられている。このノズルボディ14には、上端から下方へ凹む孔33が形成されている。この孔33には、弁ニードル61が上下方向に移動自在に収容されている。この弁ニードル61の上端部は、バルブピストン63の下端部に当接している。また、孔33の下端部は、弁ニードル61のシート部16となっている。シート部16には、孔33とノズルボディ14の外部とを連通するように、例えば複数の燃料噴射孔15が形成されている。また、孔33の一部には、弁ニードル61の受圧部62と対向する位置に、燃料溜まり室33aが形成されている。この燃料溜まり室33aには、燃料通路32の一端が連通している。燃料通路32の他端は、インジェクタハウジング11の燃料通路31と連通している。
【0042】
インジェクタハウジング11内の上部には、バルブボディ19が取り付けられている。このバルブボディ19には、下端から上方へ凹む孔18が形成されている。そして、孔18には、バルブピストン63の上部が上下方向に摺動自在に挿入される。これにより、バルブピストン63の頂部63aよりも上方となる孔18部分が、圧力制御室66となる。
【0043】
また、バルブボディ19には、開閉用オリフィス通路44、圧力導入室42及び導入側オリフィス通路43も形成されている。開閉用オリフィス通路44は、圧力制御室66とバルブボディ19の上端とを連通する通路である。圧力導入室42は、バルブボディ19の側面部に形成されている。導入側オリフィス通路43は、圧力制御室66と圧力導入室42とを連通する通路である。また、インジェクタハウジング11には、圧力導入室42と燃料供給用接続口51とを連通する燃料通路41が形成されている。
【0044】
なお、開閉用オリフィス通路44は、後述する電磁アクチュエータ70によって上下動(往復動)するボール67で、開閉される。つまり、開閉用オリフィス通路44が開かれた際、燃料供給用接続口51から燃料通路41、圧力導入室42及び導入側オリフィス通路43を介して圧力制御室66に供給された燃料は、開閉用オリフィス通路44から流出する。そして、開閉用オリフィス通路44から流出した燃料は、バルブボディ19の上方に形成された低圧室45に流れ込む。ここで、開閉用オリフィス通路44の流路断面積は、導入側オリフィス通路43の流路断面積よりも大きくなっている。このため、開閉用オリフィス通路44が開かれた際、圧力制御室66の圧力は、燃料供給用接続口51からインジェクタハウジング11内へ流入してくる燃料の圧力よりも低くなる。
【0045】
また、インジェクタハウジング11の上端部には、筒状のホルダ20の下端部が挿入されている。このホルダ20は、ナット21を介して、インジェクタハウジング11に固定されている。そして、インジェクタハウジング11内におけるバルブボディ19よりも上方の空間、及びホルダ20内の空間には、ボール67を上下動させる電磁アクチュエータ70が収容されている。
【0046】
電磁アクチュエータ70は、ガイド部材71、アーマチュア75、電磁石80、及びバネ86を備える。ガイド部材71は、アーマチュア75を上下方向に摺動自在に支持するものである。このガイド部材71は、例えば筒状のガイド部72と、ガイド部72の外周側に設けられた鍔部73と、を備える。ガイド部72には、上下方向に貫通する貫通孔72aが形成されている。貫通孔72aの一端は、ガイド部材71の上面72b(つまりガイド部72の上面)に開口している。貫通孔72aの他端は、ガイド部材71の下面72c(つまりガイド部72の下面)に開口している。この貫通孔72aにアーマチュア75が挿入されることにより、アーマチュア75は、ガイド部72に摺動自在に支持される。
鍔部73は、ガイド部72の外周面であって、ガイド部72の、上下方向における略中央の位置に形成される。換言すれば、鍔部73は、ガイド部72の外周面であって、ガイド部72の、上面72b及び下面72cから上下方向で見て略等距離の位置に形成される。
また、ガイド部72の貫通孔72aとガイド部72の外周面とは、共通の中心軸を持つ。
【0047】
ここで、貫通孔72aが、本発明の第1貫通孔に相当する。上面72bが、本発明の第1面に相当する。下面72cが、本発明の第2面に相当する。ガイド部材71に形成された鍔部73が、本発明の第1鍔部に相当する。
【0048】
鍔部73には、低圧室45内の燃料が通過する燃料通路73aが形成されている。低圧室45から燃料通路73aに流れ込んだ燃料は、図示せぬ流路を通って、後述の燃料排出用接続口52に流出することとなる。なお、燃料排出用接続口52は、燃料タンク2に接続されている。このため、燃料排出用接続口52に流出した燃料は、燃料排出用接続口52を介して、燃料タンク2に戻される。
【0049】
このように構成されたガイド部材71は、インジェクタハウジング11内に収容されている。そして、鍔部73がバルブボディ19とナット22に挟み込まれることにより、ガイド部材71は、インジェクタハウジング11に固定されている。すなわち、ガイド部材71の貫通孔72aの中心軸の位置は、インジェクタハウジング11の内周面によって定まることとなる。
【0050】
アーマチュア75は、アーマチュアボルト78及びアーマチュアプレート76を備える。アーマチュアボルト78は、その一部がガイド部材71の貫通孔72aに挿入され、ガイド部材71に摺動自在に支持されている。すなわち、アーマチュア75の中心軸の位置は、より詳しくはアーマチュアボルト78の中心軸の位置は、ガイド部材71の貫通孔72aによって定まることとなる。アーマチュアボルト78の下端部には、開閉用オリフィス通路44を開閉するボール67が設けられている。
【0051】
このアーマチュアボルト78には、ガイド部材71の上面72bからガイド部材71の外部へ突出した箇所に、アーマチュアプレート76が取り付けられている。詳しくは、アーマチュアプレート76には、上下方向に貫通する貫通孔77が形成されている。この貫通孔77に、アーマチュアボルト78が摺動自在に挿入されている。ここで、アーマチュアボルト78は、アーマチュアプレート76と共に移動(上下動)するものである。このため、アーマチュアプレート76は、アーマチュアボルトに取り付けられたCリング89と、アーマチュアプレート76をCリング89へ押しつけるバネ88とで、挟み込まれている。これにより、アーマチュアボルト78は、アーマチュアプレート76と共に移動(上下動)することができる。
【0052】
ここで、貫通孔77が、本発明の第2貫通孔に相当する。
【0053】
また、アーマチュア75は、ガイド部材71の下面72cからガイド部材71の外部へ突出した箇所に、鍔部79を有している。詳しくは、鍔部79は、アーマチュアボルト78に設けられている。なお、鍔部79は、アーマチュアボルト78と一体成形されてもよいし、アーマチュアボルト78とは別体で構成されてもよい。
【0054】
ここで、アーマチュアボルト78に形成された鍔部79が、本発明の第2鍔部に相当する。
【0055】
また、アーマチュア75の構成は、上述の構成に限定されるものではない。例えば、アーマチュアプレート76の貫通孔77にアーマチュアボルト78を嵌入することにより、アーマチュアプレート76及びアーマチュアボルト78を固定し、アーマチュアプレート76及びアーマチュアボルト78が共に移動できる構成としてもよい。また例えば、アーマチュア75は、アーマチュアプレート76とがアーマチュアボルト78とが別体で構成された所謂2パーツタイプではなく、アーマチュアプレート76及びアーマチュアボルト78を一体形成した所謂1パーツタイプとしてもよい。
【0056】
電磁石80は、磁極81にソレノイドコイル82が設けられた構成となっている。この電磁石80は、アーマチュアプレート76を基準として、ガイド部材71とは反対側に設けられている。すなわち、電磁石80は、アーマチュアプレート76の上方に設けられている。このため、電磁石80は、電磁石80のソレノイドコイル82に通電されると、磁力によってアーマチュア75を引き付ける。すなわち、アーマチュア75を上方へ移動させる。この時、アーマチュア75の鍔部79の上面が、ガイド部材71の下面72cに当接する。すなわち、ガイド部材71の下面72cは、アーマチュア75のストローク量を規定するストッパとなる。なお、ソレノイドコイル82に供給される電力は、通電用接続口53に接続された図示せぬ電力供給源から供給される。この電磁石80には、アーマチュアボルト78の上端部と電磁石80との干渉を防止する等の目的により、上下に貫通する貫通孔83が形成されている。
【0057】
このように構成された電磁石80は、ホルダ20内に収容される。また、ホルダ20内には、電磁石80の上方に、固定部材85も収容される。そして、ホルダ20の上端部をかしめることにより、ホルダ20の内周面に形成された段部と固定部材85とによって電磁石80が挟持され、電磁石80がホルダ20に固定される。なお、固定部材85には、上述の燃料排出用接続口52も形成されている。
【0058】
バネ86は、アーマチュア75を電磁石80から遠ざかる方向へ押すものである。バネ86の上端は、ガイド部材71の鍔部73の下面を押している。また、バネ86の下端は、アーマチュア75の鍔部79の上面を押している。これにより、バネ86は、アーマチュア75を電磁石80から遠ざかる方向へ押す。ここで、ガイド部材71は、ガイド部材71の外周面であって、鍔部73とガイド部材71の下面72cとの間の領域において、バネ86をガイドする。すなわち、バネ86の中心軸の位置は、ガイド部材71における、鍔部73よりも下側の外周面で定まる。つまり、本実施の形態に係る燃料噴射弁1においては、アーマチュア75の中心軸及びバネ86の中心軸の位置は、同一の部材であるガイド部72で定まることとなる。
【0059】
このように構成された燃料噴射弁1では、コモンレール4からの高圧燃料は、燃料供給用接続口51から燃料通路31,32を介して、燃料溜まり室33a内の弁ニードル61の受圧部62に作用する。また、コモンレール4からの高圧燃料は、燃料通路41及び圧力導入室42を介して、圧力制御室66内のバルブピストン63の頂部63aにも作用するようになっている。
【0060】
また、電磁石80のソレノイドコイル82に通電されていない状態においては、図2に示すように、アーマチュア75及び該アーマチュア75の下端部に設けられたボール67は、バネ86によって押し下げられる。これにより、ボール67が、開閉用オリフィス通路44を閉塞する。また、電磁石80のソレノイドコイル82に通電されている状態においては、図1に示すように、アーマチュア75及び該アーマチュア75の下端部に設けられたボール67は、電磁石80によって上方に引き上げられる。これにより、開閉用オリフィス通路44が開かれる。
【0061】
したがって、電磁石80のソレノイドコイル82に通電されていない状態では、ボール67によって圧力制御室66が低圧室45側と遮断されている。このため、弁ニードル61は、バルブピストン63を介して受ける圧力制御室66の背圧により、ノズルボディ14のシート部16に押しつけられる。これにより、燃料噴射孔15は閉鎖される。
【0062】
一方、電磁石80のソレノイドコイル82に通電されている状態では、圧力制御室66の高圧が開閉用オリフィス通路44を介して低圧室45へ開放される。したがって、圧力制御室66におけるバルブピストン63の頂部63aに作用していた高圧が開放され、弁ニードル61は、受圧部62に作用している高圧により上昇する。これにより、燃料噴射孔15が開放されて、該燃料噴射孔15から燃料噴射が行われる。
【0063】
そして、電磁石80のソレノイドコイル82への通電を終了すると、電磁石80によって上方に引き上げられていたアーマチュア75は、バネ86によって押し下げられる。これにより、アーマチュア175の下端部に設けられたボール67が開閉用オリフィス通路44を閉塞する。この結果、上述のように燃料噴射孔15が閉鎖されて、燃料の噴射が終了する。
【0064】
本実施の形態に係る燃料噴射弁1においては、アーマチュア75は、ガイド部材71の貫通孔72aで摺動自在に支持され、また、バネ86は、ガイド部材71におけるガイド部72の外周面によりガイドされる。すなわち、本実施の形態に係る燃料噴射弁1においては、アーマチュア75及びバネ86の中心軸の位置は、ガイド部材71によって定められることとなる。このため、本実施の形態に係る燃料噴射弁1においては、アーマチュア75の中心軸とバネ86の中心軸とのずれは、ガイド部材71を加工する際の加工誤差のみとなる。したがって、本実施の形態に係る燃料噴射弁1は、容易に、アーマチュア75の中心軸とバネ86の中心軸とのずれを小さくすることができる。したがって、本実施の形態に係る燃料噴射弁1においては、ショット間ばらつきが低減される。また、アーマチュア75の中心軸とバネ86の中心軸とのずれに影響を与える部品点数が減少することから、高精度な加工と組み立てが要求される部品が減少することとなり、燃料噴射弁1の製造も容易となる。
【0065】
以上、説明した様に、本発明によれば、アーマチュア75の中心軸とバネ86の中心軸とのずれを小さくすることができることから、燃料噴射弁1のショット間ばらつきが低減され、また、燃料噴射弁1の製造も容易となる。
【符号の説明】
【0066】
1:燃料噴射弁、2:燃料タンク、3:サプライポンプ、4:コモンレール、11:インジェクタハウジング、14:ノズルボディ、15:燃料噴射孔、16:シート部、18:孔、19:バルブボディ、20:ホルダ、21:ナット、22:ナット、31:燃料通路、32:燃料通路、33:孔、33a:燃料溜まり室、41:燃料通路、42:圧力導入室、43:導入側オリフィス通路、44:開閉用オリフィス通路、45:低圧室、51:燃料供給用接続口、52:燃料排出用接続口、53:通電用接続口、61:弁ニードル、62:受圧部、63:バルブピストン、63a:頂部、66:圧力制御室、67:ボール、70:電磁アクチュエータ、71:ガイド部材、72:ガイド部、72a:貫通孔、72b:上面、72c:下面、73:鍔部、73a:燃料通路、、75:アーマチュア、76:アーマチュアプレート、77:貫通孔、78:アーマチュアボルト、79:鍔部、80:電磁石、81:磁極、82:ソレノイドコイル、83:貫通孔、85:固定部材、86:バネ、88:バネ、89:Cリング、101:燃料噴射弁(従来)、170:電磁アクチュエータ、171:ガイド部材、172:ガイド部、172a:貫通孔、172b:上面、172c:下面、173:鍔部、173a:燃料通路、175:アーマチュア、176:アーマチュアプレート、177:貫通孔、178:アーマチュアボルト、179:鍔部、185:固定部材、185a:凹部、186:バネ
図1
図2
図3
図4
図5