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特開2024-80838情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080838
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20240610BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20240610BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20240610BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20240610BHJP
   B60L 50/60 20190101ALN20240610BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G01C21/34
G08G1/0969
B60L15/20 J
B60L50/60
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194119
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】597151563
【氏名又は名称】株式会社ゼンリン
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100162259
【弁理士】
【氏名又は名称】末富 孝典
(74)【代理人】
【識別番号】100146916
【弁理士】
【氏名又は名称】廣石 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】濁川 信之
(72)【発明者】
【氏名】永田 莉子
【テーマコード(参考)】
2F129
5H125
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129DD40
2F129DD46
2F129DD48
2F129DD49
2F129DD50
2F129EE02
2F129EE92
2F129FF12
2F129FF19
2F129HH02
2F129HH12
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC22
5H125CA18
5H125DD02
5H125EE51
5H125EE55
5H181AA01
5H181BB04
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF33
(57)【要約】
【課題】移動体がエネルギーの補給スポットを経由して目的地まで移動する経路を適切に導出する。
【解決手段】補給要否判定部315は、移動体が出発地から目的地までを移動する際に移動体にエネルギーの補給が必要であるか否かを判定する。補給スポット検索部317は、補給要否判定部315によりエネルギーの補給が必要であると判定された場合、エネルギーの補給が必要となる地点と出発地とを結ぶ経路沿いに設定される複数の検索領域のうちから、移動体にエネルギーを補給可能な補給スポットを検索する。出力部319は、補給スポット検索部317により検索された補給スポットを経由して出発地から目的地までを結ぶ経路を出力する。補給スポット検索部317は、複数の検索領域のうちの、エネルギーの補給が必要となる地点に近い検索領域から順に、補給スポットを検索する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が出発地から目的地までを移動する際に前記移動体にエネルギーの補給が必要であるか否かを判定する補給要否判定部と、
前記補給要否判定部により前記エネルギーの補給が必要であると判定された場合、前記エネルギーの補給が必要となる地点と前記出発地とを結ぶ経路沿いに設定される複数の検索領域のうちから、前記移動体に前記エネルギーを補給可能な補給スポットを検索する補給スポット検索部と、
前記補給スポット検索部により検索された前記補給スポットを経由して前記出発地から前記目的地までを結ぶ経路を出力する出力部と、を備え、
前記補給スポット検索部は、前記複数の検索領域のうちの、前記エネルギーの補給が必要となる地点に近い検索領域から順に、前記補給スポットを検索する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記補給スポット検索部は、
前記補給要否判定部により前記エネルギーの補給が必要であると判定された場合、前記複数の検索領域のうちの、前記エネルギーの補給が必要となる地点に最も近い第1の検索領域を設定し、設定した前記第1の検索領域内に前記補給スポットが存在するか否かを判定し、
前記第1の検索領域内に前記補給スポットが存在しない場合、前記複数の検索領域のうちの、前記第1の検索領域の次に前記エネルギーの補給が必要となる地点に近い第2の検索領域を設定し、設定した前記第2の検索領域内に前記補給スポットが存在するか否かを判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記補給要否判定部により前記エネルギーの補給が必要であると判定された場合、前記補給スポット検索部により検索された前記補給スポットを経由して前記出発地から前記目的地までを結ぶ前記経路を表示画面に表示させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
移動体が出発地から目的地までを移動する際に前記移動体にエネルギーの補給が必要であるか否かを判定するステップと、
前記エネルギーの補給が必要であると判定された場合、前記エネルギーの補給が必要となる地点と前記出発地とを結ぶ経路沿いに設定される複数の検索領域のうちから、前記移動体に前記エネルギーを補給可能な補給スポットを検索するステップと、
検索された前記補給スポットを経由して前記出発地から前記目的地までを結ぶ経路を出力するステップと、を有し、
前記補給スポットを検索するステップでは、前記複数の検索領域のうちの、前記エネルギーの補給が必要となる地点に近い検索領域から順に、前記補給スポットを検索する、
情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータを、
移動体が出発地から目的地までを移動する際に前記移動体にエネルギーの補給が必要であるか否かを判定する補給要否判定部、
前記補給要否判定部により前記エネルギーの補給が必要であると判定された場合、前記エネルギーの補給が必要となる地点と前記出発地とを結ぶ経路沿いに設定される複数の検索領域のうちから、前記移動体に前記エネルギーを補給可能な補給スポットを検索する補給スポット検索部、
前記補給スポット検索部により検索された前記補給スポットを経由して前記出発地から前記目的地までを結ぶ経路を出力する出力部、として機能させ、
前記補給スポット検索部は、前記複数の検索領域のうちの、前記エネルギーの補給が必要となる地点に近い検索領域から順に、前記補給スポットを検索する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動体の移動経路を導出する技術が知られている。例えば、特許文献1は、自動運転を好適に利用したエネルギー残量の管理を行うことが可能な車両制御システムを開示している。具体的に説明すると、特許文献1に開示された車両制御システムは、現在位置から目的地までの誘導経路を車両が走行する際に消費することが予測されるエネルギー量を導出する。そして、特許文献1に開示された車両制御システムは、導出されたエネルギー量に基づいて、車両が目的地に到達するまでの間にエネルギーの補給が必要であるか否かを判定し、エネルギーの補給が必要であると判定された場合、誘導経路を、エネルギーの補給施設が存在する経路に変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-198633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような移動体の移動経路を導出する技術において、移動体がエネルギーの補給スポットを経由して目的地まで移動する経路を、より適切に導出することが求められている。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためのものであり、移動体がエネルギーの補給スポットを経由して目的地まで移動する経路を適切に導出することが可能な情報処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る情報処理装置は、
移動体が出発地から目的地までを移動する際に前記移動体にエネルギーの補給が必要であるか否かを判定する補給要否判定部と、
前記補給要否判定部により前記エネルギーの補給が必要であると判定された場合、前記エネルギーの補給が必要となる地点と前記出発地とを結ぶ経路沿いに設定される複数の検索領域のうちから、前記移動体に前記エネルギーを補給可能な補給スポットを検索する補給スポット検索部と、
前記補給スポット検索部により検索された前記補給スポットを経由して前記出発地から前記目的地までを結ぶ経路を出力する出力部と、を備え、
前記補給スポット検索部は、前記複数の検索領域のうちの、前記エネルギーの補給が必要となる地点に近い検索領域から順に、前記補給スポットを検索する。
【0007】
(2)上記(1)に記載の情報処理装置において、
前記補給スポット検索部は、
前記補給要否判定部により前記エネルギーの補給が必要であると判定された場合、前記複数の検索領域のうちの、前記エネルギーの補給が必要となる地点に最も近い第1の検索領域を設定し、設定した前記第1の検索領域内に前記補給スポットが存在するか否かを判定し、
前記第1の検索領域内に前記補給スポットが存在しない場合、前記複数の検索領域のうちの、前記第1の検索領域の次に前記エネルギーの補給が必要となる地点に近い第2の検索領域を設定し、設定した前記第2の検索領域内に前記補給スポットが存在するか否かを判定しても良い。
【0008】
(3)上記(1)又は(2)に記載の情報処理装置において、
前記出力部は、前記補給要否判定部により前記エネルギーの補給が必要であると判定された場合、前記補給スポット検索部により検索された前記補給スポットを経由して前記出発地から前記目的地までを結ぶ前記経路を表示画面に表示させても良い。
【0009】
(4)上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る情報処理方法は、
移動体が出発地から目的地までを移動する際に前記移動体にエネルギーの補給が必要であるか否かを判定するステップと、
前記エネルギーの補給が必要であると判定された場合、前記エネルギーの補給が必要となる地点と前記出発地とを結ぶ経路沿いに設定される複数の検索領域のうちから、前記移動体に前記エネルギーを補給可能な補給スポットを検索するステップと、
検索された前記補給スポットを経由して前記出発地から前記目的地までを結ぶ経路を出力するステップと、を有し、
前記補給スポットを検索するステップでは、前記複数の検索領域のうちの、前記エネルギーの補給が必要となる地点に近い検索領域から順に、前記補給スポットを検索する。
【0010】
(5)上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
移動体が出発地から目的地までを移動する際に前記移動体にエネルギーの補給が必要であるか否かを判定する補給要否判定部、
前記補給要否判定部により前記エネルギーの補給が必要であると判定された場合、前記エネルギーの補給が必要となる地点と前記出発地とを結ぶ経路沿いに設定される複数の検索領域のうちから、前記移動体に前記エネルギーを補給可能な補給スポットを検索する補給スポット検索部、
前記補給スポット検索部により検索された前記補給スポットを経由して前記出発地から前記目的地までを結ぶ経路を出力する出力部、として機能させ、
前記補給スポット検索部は、前記複数の検索領域のうちの、前記エネルギーの補給が必要となる地点に近い検索領域から順に、前記補給スポットを検索する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、移動体がエネルギーの補給スポットを経由して目的地まで移動する経路を適切に導出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る情報処理システムの全体構成を示す図である。
図2】実施形態に係るサーバ装置の構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係るユーザ装置において入力される設定情報の例を示す図である。
図4】実施形態において、補給スポットを経由せずに出発地と目的地とを結ぶ経路の例を示す図である。
図5図4に示した経路を複数の区間に分割した例を示す図である。
図6】実施形態における区間データの例を示す図である。
図7】実施形態における複数の検索領域の例を示す図である。
図8】実施形態において、出発地と補給スポットとを結ぶ経路の例を示す図である。
図9】実施形態において、補給スポットと目的地とを結ぶ経路の例を示す図である。
図10】実施形態において、補給スポットを経由して出発地と目的地とを結ぶ経路の例を示す図である。
図11】実施形態に係るサーバ装置により実行される経路導出処理の流れを示すフローチャートである。
図12】実施形態に係るサーバ装置により実行される補給スポット検索処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付す。
【0014】
図1に、本実施形態に係る情報処理システム1の全体構成を示す。情報処理システム1は、出発地から目的地までを移動体が移動する経路を導出してユーザに提供するシステムである。
【0015】
ここで、移動体は、何らかのエネルギーを動力源として移動可能な物体である。以下では、移動体として車両2を例にとって説明する。より具体的には、車両2は、電動機を動力源とする電気自動車である。電気自動車は、例えば、二次電池、水素燃料電池、金属燃料電池、アルコール燃料電池等の電池(バッテリー)により放電される電力を使用して駆動される。
【0016】
図1に示すように、情報処理システム1は、ユーザ装置10と、ナビゲーション装置20と、サーバ装置30と、を備える。これら各装置は、通信ネットワークNWを介して通信可能に接続されている。通信ネットワークNWは、インターネットに代表される広域ネットワークである。
【0017】
ユーザ装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)等のような、ユーザに操作される端末装置である。ユーザ装置10は、図示を省略するが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、表示部、操作部、通信インタフェース及び読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ等を備える。操作部は、キーボード、マウス、ボタン、タッチパッド、タッチパネル等の入力装置を備えており、ユーザからの操作入力を受け付ける。表示部は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を備えており、様々な画像を表示する。ユーザ装置10は、通信ネットワークNWを介して、ナビゲーション装置20及びサーバ装置30と通信可能に接続されている。
【0018】
ナビゲーション装置20は、移動体の一例である車両2に搭載されており、出発地から目的地まで車両2を誘導するための経路を車両2の運転者に提示する装置である。ナビゲーション装置20は、図示を省略するが、CPU、ROM、RAM、ユーザインタフェース、通信インタフェース及び読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ等を備える。ナビゲーション装置20は、通信ネットワークNWを介して、ユーザ装置10及びサーバ装置30と通信可能に接続されている。
【0019】
ナビゲーション装置20は、ユーザインタフェースとして、例えば、タッチパネル式の表示部と、スピーカ等の音声出力部と、マイク等の音声入力部と、を備える。また、ナビゲーション装置20は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を備えており、GNSS受信機によりナビゲーション装置20及び車両2の現在の位置を測定する。
【0020】
なお、図1では、理解を容易にするためユーザ装置10とナビゲーション装置20と車両2とをそれぞれ1個ずつ表示している。しかしながら、情報処理システム1は、複数のユーザ装置10を含んでおり、複数のユーザを対象としても良いし、複数の車両2及び複数のナビゲーション装置20を含んでおり、複数の車両2を対象としても良い。
【0021】
サーバ装置30は、適宜の場所に設置されており、情報処理システム1を管理する装置である。一例として、サーバ装置30は、クラウドネットワーク上に設置されたクラウドサーバである。
【0022】
サーバ装置30は、出発地から目的地までを移動体が移動する経路を導出する情報処理装置として機能する。より詳細には図2に示すように、サーバ装置30は、制御部31と、記憶部33と、通信部35と、を備える。
【0023】
制御部31は、CPU、ROM及びRAMを備える。CPUは、マイクロプロセッサ等を備えており、様々な処理や演算を実行する中央演算処理部であって、プロセッサと呼ぶこともできる。制御部31において、CPUが、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出して、RAMをワークメモリとして用いながら、サーバ装置30全体の動作を制御する。
【0024】
記憶部33は、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性メモリを備えており、いわゆる二次記憶装置又は補助記憶装置としての役割を担う。記憶部33は、制御部31が各種処理を行うために使用するプログラム及びデータを記憶する。また、記憶部33は、制御部31が各種処理を行うことにより生成又は取得するデータを記憶する。
【0025】
通信部35は、サーバ装置30の外部の機器と通信するための通信インタフェースを備える。通信部35は、公知の通信規格に則って通信ネットワークNWに接続し、ユーザ装置10及びナビゲーション装置20を含む外部の機器と通信する。
【0026】
なお、サーバ装置30は、図示を省略するが、操作部と表示部とを含むユーザインタフェースを備えていても良い。操作部は、キーボード、マウス、ボタン、タッチパッド、タッチパネル等の入力装置を備えており、ユーザからの操作入力を受け付けて制御部31に送信する。表示部は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置を備えており、制御部31による制御のもとで様々な画像を表示する。
【0027】
次に、サーバ装置30の機能的な構成について説明する。図2に示すように、制御部31は、機能的に、設定情報取得部311と、経路導出部313と、補給要否判定部315と、補給スポット検索部317と、出力部319と、を備える。制御部31において、CPUは、ROMに記憶されたプログラムをRAMに読み出して、そのプログラムを実行して制御することにより、これら各部として機能する。
【0028】
また、記憶部33は、地図情報DB(データベース)331を備える。地図情報DB331は、記憶部33内の適宜の記憶領域に構築される。
【0029】
地図情報DB331は、車両2が移動する経路を導出するための地図情報を記憶している。地図情報は、現実世界において、対象となる地域に存在する道路、建物、施設、設備等を示す情報である。ここで、地図情報が示す道路の情報は、有料道路、一般道路等の道路の種別の情報を含む。地図情報が示す設備の情報は、車両2にエネルギーを補給可能な設備を含んでいる。また、地図情報は、対象となる地域における各位置の標高の情報も含んでいる。
【0030】
設定情報取得部311は、設定情報を取得する。設定情報は、サーバ装置30において移動体の移動経路を導出するために必要となる情報であって、具体的には、出発地、目的地、バッテリー残量、走行速度、エアコンの使用の有無、外気温、道路種別等の情報である。設定情報は、ユーザ装置10においてユーザから入力される。
【0031】
図3に、ユーザ装置10において入力される設定情報の例を示す。ユーザ装置10は、例えば図3に示すような設定情報の入力画面を表示部に表示する。ユーザは、ユーザ装置10の操作部を操作して、このような入力画面に所望の設定情報を入力する。なお、図3で下線が引かれている項目は、複数の選択可能な項目のうちからユーザにより選択された項目を表している。
【0032】
ユーザは、ユーザ装置10の操作部を操作して、このような設定情報を入力する。設定情報取得部311は、ユーザ装置10において入力された設定情報を、通信部35によりユーザ装置10と通信することにより取得する。
【0033】
具体的に説明すると、図3は、ユーザは、「出発地」として「A駅」を入力し、「目的地」として「B駅」を入力した例を示している。なお、出発地及び目的地として、駅に限らず、その他の施設、設備、建物等の名称を入力しても良いし、住所、緯度経度等を入力しても良い。
【0034】
出発地は、ユーザが入力することに限らず、車両2の現在位置を用いても良い。出発地として車両2の現在位置を用いる場合、設定情報取得部311は、通信部35を介してナビゲーション装置20と通信することにより、ナビゲーション装置20においてGNSS受信器により測定された車両2の位置情報を取得する。
【0035】
図3における「バッテリー残量」の項目は、車両2が出発地を出発する時点における車両2に搭載された電池(バッテリー)の残量を意味する。ユーザは、出発時におけるバッテリーの残量が最大充電量である場合、「100%」を選択し、出発時におけるバッテリーの残量が最大充電量の80%である場合、「80%」を選択する。バッテリーの最大充電量の値は、記憶部33に予め記憶されている。
【0036】
或いは、ユーザは、バッテリー残量の現在の値を使用することを望む場合、「現在の値」を選択する。設定情報取得部311は、車両2の操作履歴の一部として、車両2において実際に計測されたバッテリー残量の値を、必要に応じたタイミングで車両2から取得し、記憶部33に保存する。ユーザが「現在の値」を選択した場合、設定情報取得部311は、記憶部33に保存されたバッテリー残量の値のうちの最新の値を、バッテリー残量の現在の値として取得する。
【0037】
図3における「走行速度」の項目は、車両2が出発地から目的地までを移動する際に予定される移動速度を意味する。ユーザは、一般的な速度に比べて遅い速度で車両2を運転することを予定する場合、「のんびり」を選択し、一般的な速度と同程度の速度で車両2を運転することを予定する場合、「普通」を選択し、一般的な速度に比べて速い速度で車両2を運転することを予定する場合、「せっかち」を選択する。
【0038】
図3における「エアコンの使用」の項目は、出発地から目的地までを車両2が移動する際に車両2に搭載されたエアコンを使用するか否かを意味する。ユーザは、エアコンの使用を予定するか否かに応じて、「使用する」又は「使用しない」を選択する。
【0039】
図3における「外気温」の項目は、車両の移動経路における外気の温度を意味する。外気温は、ユーザが手動で入力しても良いし、自動的に設定されても良い。外気温が自動的に設定される場合、例えば、設定情報取得部311は、通信部35を介して外部ネットワーク上に存在する気象サーバにアクセスし、対象となる地域の気象データを参照することにより、外気温の情報を取得する。
【0040】
図3における「道路種別」の項目は、車両2が出発地から目的地までを移動する際に優先して通る道路の種別を意味する。ユーザは、有料道路を優先して通るか否かに応じて、「有料道路優先」又は「一般道路優先」を選択する。
【0041】
図2に戻って、経路導出部313は、設定情報取得部311により取得された設定情報に基づいて、出発地から目的地までを移動体が移動可能な経路を導出する。経路導出部313は、地図情報DB331を参照して車両2が走行可能な道路を抽出し、抽出した道路を組み合せて、出発地から目的地までを結ぶ経路を導出する。
【0042】
経路導出部313は、設定情報において「道路種別」として「有料道路優先」が選択された場合、できるだけ有料道路を通る経路を導出する。これに対して、経路導出部313は、設定情報において「道路種別」として「普通道路優先」が選択された場合、できるだけ有料道路を通らない経路を導出する。
【0043】
より詳細には、経路導出部313は、ユーザ装置10から経路導出の要求を受けた場合、第1に、仮の(暫定的な)経路として、後述するエネルギーの補給スポット(充電スポット)を経由せずに出発地と目的地とを結ぶ経路を導出する。言い換えると、経路導出部313は、第1の段階として、エネルギーの補給である充電をせずに車両2がA駅からB駅まで到達可能であると仮定して、経路を導出する。
【0044】
具体的に図4に、出発地が「A駅」に設定され、且つ、目的地が「B駅」に設定された場合における、経路導出部313により導出された経路の例を示す。経路導出部313は、地図情報DB331のうちからA駅とB駅とを含む地域の地図情報を取得する。そして、経路導出部313は、取得した地図情報に含まれる道路のうちから、A駅からB駅まで車両2が走行可能な経路として、図4において太字で表される経路R0を導出する。
【0045】
図2に戻って、補給要否判定部315は、移動体が出発地から目的地までを移動する際に移動体にエネルギーの補給が必要であるか否かを判定する。本実施形態において、エネルギーの補給は、電気自動車である車両2に搭載された電池(バッテリー)に充電することに相当する。
【0046】
補給要否判定部315は、経路導出部313により導出された経路R0を車両2が移動する際における消費電力を計算する。そして、補給要否判定部315は、計算された消費電力と、設定情報取得部311により取得された設定情報のうちのバッテリー残量に基づいて、車両2が経路R0を走行中にバッテリーに充電する必要があるか否かを判定する。
【0047】
より詳細に説明すると、補給要否判定部315は、経路導出部313により導出された経路R0を、複数の区間に分割する。ここで、区間は、補給要否判定部315が補給の要否を判定するための経路の単位であって、「リンク」とも呼ばれる。一例として、1つの区間は、一般道路における1つの交差点から次の交差点までの道路や、高速道路における1つのジャンクションから次のジャンクションまでの道路等のように、経路R0上に存在する分岐点毎の区間に相当する。ただし、区間の設定の仕方はこれに限らず、経路R0を複数の部分に区切る単位であれば、どのように設定しても良い。
【0048】
一例として図5に示すように、補給要否判定部315は、経路導出部313により導出された経路R0を、出発地から目的地に向けて、「No.1」から「No.30」までの30個の区間に分割する。経路R0を複数の区間に分割すると、補給要否判定部315は、分割した複数の区間のそれぞれの特徴を示す区間データを生成する。
【0049】
一例として、補給要否判定部315は、図6に示すように、複数の区間のそれぞれに対して、道路種別と、距離Dと、高低差Hと、走行時間Tと、消費電力Pと、バッテリー残量Qと、を示す区間データを生成する。区間データにおいて、道路種別は、各区間が、一般道路、高速道路、主要地方道、国道、細道路等のいずれであるかを示す情報であって、地図情報DB331に記憶されている地図情報から得られる。
【0050】
補給要否判定部315は、区間データを生成するための、各区間に対して、距離Dと、高低差Hと、走行時間Tと、消費電力Pと、バッテリー残量Qと、を計算する。ここで、距離Dは、水平方向における該当区間の距離である。高低差Hは、鉛直方向における該当区間の距離である。走行時間Tは、該当区間を車両2が走行するのに要する時間である。
【0051】
各区間の距離Dと高低差Hは、地図情報DB331に記憶されている地図情報から得られる。具体的に説明すると、補給要否判定部315は、地図情報DB331を参照して、各区間の始点と終点との間の経路の沿う距離を、各区間の距離Dとして計算する。また、補給要否判定部315は、各区間の始点と終点の緯度経度を特定し、特定した緯度経度の標高の情報を地図情報DB331から取得する。そして、補給要否判定部315は、始点の標高と終点の標高との差を、高低差Hとして計算する。
【0052】
なお、高低差Hを計算する方法は、該当区間の始点と終点の標高差に限らない。例えば、補給要否判定部315は、該当区間の経路上における代表的な2つの地点の標高差を、高低差Hとして計算しても良い。代表的な2つの地点は、例えば、標高が最高の地点と標高が最低の地点であっても良い。或いは、補給要否判定部315は、該当区間の経路上に3つ以上の地点を設定し、第1の地点と第2の地点との標高差と、第2の地点と第3の地点との標高差と、…、の和を、高低差Hとして計算しても良い。
【0053】
各区間の走行時間Tは、各区間の距離Dを、車両2の走行速度Vで除算することにより得られる。ここで、走行速度Vは、図3に示した入力画面においてユーザから入力された「走行速度」の項目に応じて設定される。具体的には、走行速度Vは、「のんびり」が選択された場合には相対的に小さくなり、「普通」が選択された場合には中程度になり、「せっかち」が選択された場合には相対的に大きくなるように設定される。
【0054】
更に、走行速度Vは、各区間の道路種別に応じて設定される。具体的には、走行速度Vは、道路種別が高速道路であれば相対的に大きくなり、道路種別が高速道路以外であれば相対的に小さくなるように設定される。或いは、走行速度Vは、処理を簡略化するため、一般的な自動車の走行速度として予め決められた値を用いても良い。
【0055】
このようにして各区間における距離Dと高低差Hと走行時間Tとを計算すると、補給要否判定部315は、各区間を車両2が移動する際に車両2により消費される消費電力を、区間毎に計算する。具体的に説明すると、補給要否判定部315は、下記の(1)式に従って、各区間における消費電力Pを計算する。なお、消費電力Pは、電力の単位(W)で計算しても良いし、電力量の単位(Wh)で計算しても良い。
【0056】
該当区間における消費電力P = 該当区間の距離D×走行速度Vと傾斜角θとに応じた消費電力P1 + 該当区間における走行時間T×(補機の消費電力P2+エアコンの消費電力P3) …(1)
【0057】
上記の(1)式において、走行速度Vと傾斜角θとに応じた消費電力P1は、車両2を走行させるために直接的に要する単位距離当たりの消費電力である。ここで、走行速度Vは、上述したように、ユーザから入力された「走行速度」の項目と、各区間の道路種別と、に応じて設定される。
【0058】
傾斜角θは、該当区間の経路の勾配を示す値であって、該当区間の高低差Hを距離Dで除算した値の逆正接(アークタンジェント)を計算することにより得られる。具体的には、傾斜角θが大きいほど大きな上り勾配となるため、消費電力P1は大きくなる。
【0059】
なお、傾斜角θが負の値である場合、下り勾配となる。このとき、車両2が回生エネルギーにより発電する設備を備えている場合には、消費電力P1は負の値となる。
【0060】
補機の消費電力P2は、車両2に搭載されている補機の使用による単位距離当たりの消費電力を意味する。補機は、具体的には、計器類、ランプ、ワイパー等のような周辺機器である。一例として、記憶部33は、経路導出の要求が想定される移動体の種別(車種)と、補機の消費電力P2の値と、を対応付けたテーブルを予め記憶している。補給要否判定部315は、記憶部33に記憶されたテーブルを参照して、経路導出が要求された車両2の車種に対応する値を、補機の消費電力P2の値として用いる。
【0061】
エアコンの消費電力P3は、車両2に搭載されているエアコンの使用による単位距離当たりの消費電力を意味する。一例として、記憶部33は、外気温と、エアコンの消費電力P3の値と、を対応付けたテーブルを予め記憶している。図3に示した入力画面において「エアコンの使用」の項目で「使用する」が選択された場合、補給要否判定部315は、記憶部33に記憶されたテーブルを参照して、設定情報取得部311により取得された設定情報で設定された外気温に対応する値を、エアコンの消費電力P3の値として用いる。
【0062】
或いは、記憶部33は、外気温に代えて又は加えて、地域と、エアコンの消費電力P3の値と、を対応付けたテーブルを記憶していても良い。この場合、補給要否判定部315は、ナビゲーション装置20においてGNSS受信器により測定された車両2の位置情報を取得し、車両2が現在において位置している地域を特定する。そして、補給要否判定部315は、特定した地域に対応する値を、エアコンの消費電力P3の値として用いる。
【0063】
このように設定された各パラメータを上記(1)式に代入することで、補給要否判定部315は、各区間における消費電力Pを計算する。具体的には図6に示すように、補給要否判定部315は、No.1からNo.30までの30個の区間のそれぞれについて、消費電力Pを計算する。
【0064】
各区間における消費電力Pを計算すると、次に、補給要否判定部315は、各区間におけるバッテリー残量Qを計算する。具体的に説明すると、補給要否判定部315は、設定情報取得部311により取得された設定情報で設定された出発地におけるバッテリー残量から、各区間における消費電力Pを順に減算する。
【0065】
このような計算の結果、出発地から目的地までの全ての区間でバッテリー残量Qが閾値以上に維持される場合、車両2が出発地から目的地まで充電せずに走行することができるため、補給要否判定部315は、エネルギーの補給の必要が無いと判定する。これに対して、出発地から目的地までのいずれかの区間でバッテリー残量Qが閾値を下回る場合、車両2が出発地から目的地まで充電せずに走行することができないため、補給要否判定部315は、エネルギーの補給の必要が有ると判定する。ここで、閾値は、予め定められて記憶部33に記憶されている。
【0066】
具体的に、図6では、出発地におけるバッテリー残量Qが3000Wであり、且つ、閾値が300Wであると仮定した場合について説明する。補給要否判定部315は、3000Wから、No.1の区間における消費電力Pである100Wを減算することで、車両2がNo.1の区間の終点に到達する時点のバッテリー残量Qが2900Wであると計算する。次に、補給要否判定部315は、2900Wから、No.2の区間における消費電力Pである75Wを減算することで、車両2がNo.2の区間の終点に到達する時点のバッテリー残量Qが2825Wであると計算する。これを繰り返すことにより、補給要否判定部315は、いずれかの区間でバッテリー残量Qが閾値を下回るかを判定する。
【0067】
一例として、図6では、車両2がNo.25の区間の終点に到達する時点のバッテリー残量Qは、閾値である300Wよりも大きいが、車両2がNo.26の区間の終点に到達する時点のバッテリー残量Qは、閾値よりも小さくなっている。そのため、補給要否判定部315は、車両2がNo.26の区間の終点に到達する前に、エネルギーの補給(充電)の必要が有ると判定する。
【0068】
この場合、補給要否判定部315は、バッテリー残量Qが閾値以上である最後の地点であるNo.25の区間の終点(すなわちNo.26の区間の始点)を、エネルギーの補給が必要となる地点である電欠アラート発生ポイントとして特定する。
【0069】
図2に戻って、補給スポット検索部317は、補給要否判定部315によりエネルギーの補給が必要であると判定された場合、車両2にエネルギーを補給可能な補給スポットを検索する。ここで、補給スポットは、車両2にエネルギーを補給可能な設備が存在するスポットである。本実施形態において、補給スポットは、具体的には、電気自動車である車両2に搭載されたバッテリーに充電可能な設備が設置されている充電スタンドに相当する。
【0070】
或いは、補給スポットは、車両2に搭載されたバッテリーにワイヤレスで充電可能な充電レーン(給電レーン)であっても良い。ここで、充電レーンは、例えば磁気共鳴方式を利用して道路に埋め込まれた送電コイルから車両2内のピックアップコイルに給電を行うことで、車両2が走行している最中でもバッテリーに充電可能な設備である。
【0071】
補給スポット検索部317は、補給要否判定部315によりエネルギーの補給が必要であると判定された場合、エネルギーの補給が必要となる地点と出発地とを結ぶ経路沿いに設定される複数の検索領域のうちから、補給スポットを検索する。ここで、複数の検索領域のそれぞれは、補給スポットを検索する範囲を示す領域である。
【0072】
一例として、補給スポット検索部317は、図7に示すように、仮の経路R0のうちの、電欠アラート発生ポイントAPであるNo.25の区間の終点と出発地であるA駅とを結ぶ経路沿いに、複数の検索領域A1~A7を設定する。より詳細には、補給スポット検索部317は、複数の検索領域A1~A7のそれぞれを、出発地と電欠アラート発生ポイントAPとを結ぶ経路上とその周辺の領域とを覆うように配置する。
【0073】
複数の検索領域A1~A7のそれぞれは、予め定められた大きさの矩形状をしている。なお、複数の検索領域A1~A7のそれぞれの縦方向及び横方向の大きさは、本実施形態では、予め定めらており、検索領域A1~A7の全てで等しいとして説明する。
【0074】
補給スポット検索部317は、複数の検索領域A1~A7のうちの、電欠アラート発生ポイントAPに近い検索領域から順に、すなわち車両2の進行方向とは逆向きに、補給スポットを検索する。具体的に説明すると、補給スポット検索部317は、地図情報DB331を参照して、各検索領域内に存在する建物、設備、施設等に、補給スポットである充電スタンドが存在するか否かを判定する。
【0075】
より詳細に説明すると、補給スポット検索部317は、補給要否判定部315によりエネルギーの補給が必要であると判定された場合、第1に、電欠アラート発生ポイントAPに最も近い第1の検索領域A1を設定し、第1の検索領域A1内に補給スポットが存在するか否かを判定する。このとき、補給スポット検索部317は、第1の検索領域A1として、電欠アラート発生ポイントAPに接し、且つ、電欠アラート発生ポイントAPに対して出発地の側に、予め定められた大きさの矩形状の領域を設定する。
【0076】
第1の検索領域A1内に補給スポットが存在しない場合、補給スポット検索部317は、第1の検索領域A1の次に電欠アラート発生ポイントAPに近い第2の検索領域A2を設定し、第2の検索領域A2内に補給スポットが存在するか否かを判定する。このとき、補給スポット検索部317は、第2の検索領域A2として、第1の検索領域A1に隣接し、且つ、第1の検索領域A1に対して出発地の側に、予め定められた大きさの矩形状の領域を設定する。
【0077】
第2の検索領域A2内に補給スポットが存在しない場合、補給スポット検索部317は、更に第3の検索領域A3を設定し、第3の検索領域A3内に補給スポットが存在するか否かを判定する。このとき、補給スポット検索部317は、第3の検索領域A3として、第2の検索領域A2に隣接し、且つ、第2の検索領域A2に対して出発地の側に、予め定められた大きさの矩形状の領域を設定する。
【0078】
このように、補給スポット検索部317は、補給スポットが見つかるまで、電欠アラート発生ポイントAPに近い検索領域から順に1つずつ設定し、設定した検索領域内に補給スポットが存在するか否かを検索する処理を繰り返す。
【0079】
一例として、図8に、第1の検索領域A1内には補給スポットが存在せず、第2の検索領域A2内に補給スポットSPが存在する場合を示す。補給スポット検索部317が第2の検索領域A2内に補給スポットSPを見つけた場合、経路導出部313は、出発地であるA駅から補給スポットSPまでを車両2が移動可能な経路R1を導出する。
【0080】
ここで、補給スポットSPは必ずしも仮の経路R0沿いに存在するとは限らず、例えば図8に示すように、経路R0とは離れた位置に存在する場合がある。そのため、経路導出部313は、仮の経路R0上に、補給スポットSPに到達するための分岐ポイントBPを定める。そして、経路導出部313は、出発地から分岐ポイントBPまでの経路と、分岐ポイントBPから補給スポットSPまでの経路と、を組み合わせた経路を、経路R1として導出する。
【0081】
なお、補給スポットSPが経路R0上に存在する場合には、分岐ポイントBPは必要無いため、経路導出部313は、経路R0のうちの出発地から補給スポットSPまでの経路を、経路R1として導出する。
【0082】
出発地から補給スポットSPまでの経路R1を導出すると、補給要否判定部315は、車両2が出発地から補給スポットSPまでを移動する際にエネルギーの補給を必要とするか否かを判定する。このとき、補給要否判定部315は、経路R0に対して補給の要否を判定した際と同様に、経路R1に対して補給の要否を判定する。
【0083】
具体的に説明すると、補給要否判定部315は、経路R1を複数の区間に分割し、各区間を車両2が移動する際に消費される消費電力Pを計算する。そして、補給要否判定部315は、各区間における消費電力Pを出発地におけるバッテリー残量から減算し、出発地から補給スポットSPまでの全ての区間でバッテリー残量Qが閾値以上に維持されるか否かを判定する。
【0084】
このとき、補給要否判定部315は、経路R1における出発地から分岐ポイントBPまでの部分は、経路R0と共通している。そのため、補給要否判定部315は、出発地から分岐ポイントBPまでの部分に関して、消費電力P及びバッテリー残量Qを再度計算する必要はなく、経路R0に対して補給の要否を判定した際の計算結果を再利用することができる。
【0085】
補給要否の判定の結果、車両2が出発地から補給スポットSPまでを移動する間にエネルギーの補給が必要であると判定された場合、車両2は、その補給スポットSPにはエネルギーを補給せずに到達することができない。そのため、補給スポット検索部317は、その補給スポットSPを採用せずに、別の補給スポットを改めて検索する。これに対して、車両2が出発地から補給スポットSPまでを移動する間にエネルギーの補給が必要でないと判定された場合、補給スポット検索部317は、その補給スポットSPを、車両2がエネルギーを補給せずに到達可能な補給スポットとして決定する。
【0086】
車両2がエネルギーを補給せずに到達可能な補給スポットを決定すると、経路導出部313は、車両2が補給スポットを経由して出発地から目的地までを移動可能な経路を導出する。具体的に説明すると、経路導出部313は、図9に示すように、補給スポットSPから分岐ポイントBPを経由して目的地であるB駅までを車両2が移動可能な経路R2を導出する。
【0087】
経路R2を導出すると、経路導出部313は、図10に示すように、出発地から補給スポットSPまでの経路R1と、補給スポットSPから目的地までの経路R2と、を組み合わせた経路R12を、車両2が補給スポットを経由して出発地から目的地までを移動可能な経路として決定する。
【0088】
なお、補給要否判定部315は、経路R0,R1と同様に、経路R2に対しても、車両2が経路R2を移動する際に車両2にエネルギーの補給が必要であるか否かを判定する。これにより、補給要否判定部315は、車両2がエネルギーを補給せずに補給スポットSPから目的地まで到達可能か否かを判定する。目的地まで到達可能でない場合、補給スポット検索部317は、補給スポットSPを検索した際と同様の処理により、補給スポットSPと目的地との間に、更なる補給スポットを検索する。補給スポット検索部317は、このような補給スポットを検索する処理を、目的地まで繰り返す。
【0089】
図2に戻って、出力部319は、補給スポット検索部317により検索された補給スポットを経由して出発地から目的地までを移動体が移動する経路を出力する。具体的に説明すると、出力部319は、図10に示したような、補給スポットSPを経由して出発地から目的地までを車両2が移動可能な経路R12を示す情報を、通信部35を介してナビゲーション装置20に送信する。ナビゲーション装置20は、サーバ装置30から経路R12を示す情報を受信すると、経路R12を表示部に表示することで、車両2を運転するユーザに対して、車両2を走行させるべき経路R12を提示する。
【0090】
或いは、出力部319は、経路R12を示す情報を、ナビゲーション装置20に代えて又は加えて、ユーザ装置10に送信しても良い。ユーザ装置10は、サーバ装置30から経路R12を示す情報を受信すると、経路R12を表示部に表示することで、ユーザに提示する。ユーザは、ユーザ装置10に表示された経路R12を確認することで、車両2を運転する際に車両2を走行させるべき経路R12を把握することができる。
【0091】
また、出力部319は、より詳しい情報をユーザに提供するため、経路R12以外に、経路R1及び経路R2から分割された複数の区間、又は、電欠アラート発生ポイントAPの情報を出力しても良い。各区間の情報は、各区間における距離D、走行時間T、高低差H、消費電力P、バッテリー残量Q、道路種別等の情報を含んでも良い。
【0092】
なお、出力部319の処理は、上記に限られない。例えば、出力部319は、補給要否判定部315により移動体が出発地から目的地までを移動する際に移動体にエネルギーの補給が必要であると判定された場合、補給スポット検索部317により検索された補給スポットを経由して出発地から目的地までを結ぶ経路を、表示画面に表示させてもよい。出力部319が上記経路を表示させる表示画面としては、情報処理装置として機能するサーバ装置30が備える表示部の表示画面であっても良いし、サーバ装置30の外部の装置が備える表示部の表示画面であっても良いし、これらのうちの複数の表示画面であっても良い。サーバ装置30の外部の装置が備える表示部の表示画面としては、例えば、ナビゲーション装置20が備える表示部の表示画面と、ユーザ装置10が備える表示部の表示画面との一方または双方が挙げられる。つまり、出力部319は、1つまたは複数の表示画面への表示を制御する表示制御部として機能しうる。
【0093】
より詳細には、出力部319は、一例として図10に示したような経路R12を示す情報と、経路R12を示す情報と経路R12を表示画面に表示させるための命令とを含む表示制御情報とを、通信部35を介してナビゲーション装置20に送信する。なお、表示制御部として機能する出力部319の処理が、表示制御情報を送信する処理に限られないことは言うまでもない。ナビゲーション装置20は、サーバ装置30から経路R12を示す情報と表示制御情報とを受信すると、表示制御情報に基づき経路R12を表示部に表示することで、車両2を運転するユーザに対して、車両2を走行させるべき経路R12を提示する。
【0094】
或いは、出力部319は、経路R12を示す情報と表示制御情報とを、ナビゲーション装置20に代えて又は加えて、ユーザ装置10に送信しても良い。ユーザ装置10は、サーバ装置30から経路R12を示す情報と表示制御情報とを受信すると、表示制御情報に基づき経路R12を表示部に表示することで、ユーザに提示する。この場合においても、ユーザは、ユーザ装置10に表示された経路R12を確認することで、車両2を運転する際に車両2を走行させるべき経路R12を把握することができる。
【0095】
なお、補給要否判定部315により移動体が出発地から目的地までを移動する際に移動体にエネルギーの補給が必要でないと判定された場合、補給スポット検索部317は、補給スポットを検索しない。この場合、出力部319は、補給スポットを経由せずに出発地から目的地までを結ぶ経路を出力する。具体的に説明すると、出力部319は、一例として図4に示したような、補給スポットを経由しない経路R0を示す情報を、ナビゲーション装置20とユーザ装置10との一方または双方に送信する。この場合、経路R0を示す情報を受信した装置が、経路R0を表示画面に表示させる。また、出力部319は、経路R0を示す情報と表示制御情報とを、ナビゲーション装置20とユーザ装置10との一方または双方に送信してもよい。この場合、出力部319の上記の処理により、ナビゲーション装置20が備える表示部の表示画面と、ユーザ装置10が備える表示部の表示画面との一方または双方に、経路R0が表示されることとなる。
【0096】
このように、出力部319は、補給要否判定部315により判定される補給の要否に応じて、補給スポットを経由する経路と補給スポットを経由しない経路とのどちらかを、ナビゲーション装置20とユーザ装置10との一方または双方へ出力する。また、出力部319は、補給要否判定部315により判定される補給の要否に応じて、補給スポットを経由する経路と補給スポットを経由しない経路とのどちらかを、ナビゲーション装置20が備える表示部の表示画面と、ユーザ装置10が備える表示部の表示画面との一方または双方に表示させてもよい。
【0097】
なお、出力部319は、より詳しい情報をユーザに提供するため、経路R12以外に、経路R1及び経路R2から分割された複数の区間、又は、電欠アラート発生ポイントAPの情報を、ナビゲーション装置20が備える表示部の表示画面と、ユーザ装置10が備える表示部の表示画面との一方または双方に表示させてもよい。各区間の情報は、各区間における距離D、走行時間T、高低差H、消費電力P、バッテリー残量Q、道路種別等の情報を含んでも良い。
【0098】
次に、図11を参照して、サーバ装置30により実行される経路導出処理の流れを説明する。本実施形態に係る情報処理方法は、図11に示す各ステップの処理を実行することで実現される。
【0099】
図11に示す経路導出処理は、サーバ装置30において、制御部31が、通信部35を介してユーザ装置10又はナビゲーション装置20から経路導出の要求を受けた場合に、開始する。
【0100】
経路導出処理を開始すると、制御部31は、設定情報取得部311として機能し、設定情報を取得する(ステップS1)。具体的に説明すると、制御部31は、例えば図3に示した入力画面においてユーザから入力された設定情報を、通信部35を介してユーザ装置10から取得する。
【0101】
設定情報を取得すると、制御部31は、経路導出部313として機能し、設定情報に含まれる出発地から目的地までを結ぶ仮の経路を導出する(ステップS2)。一例として図4に示したように、制御部31は、補給スポットを経由せずに出発地と目的地とを結ぶ経路R0を導出する。
【0102】
仮の経路を導出すると、制御部31は、導出した仮の経路を複数の区間に分割する(ステップS3)。例えば図5に示したように、制御部31は、補給スポットを経由しない経路R0を30個の区間に分割する。
【0103】
導出した経路を複数の区間に分割すると、制御部31は、区間毎の消費電力を計算する(ステップS4)。例えば図6に示したように、制御部31は、各区間の特徴を示す区間データを生成する。そして、制御部31は、上記(1)式に従って、各区間における距離D、走行時間T、及び消費電力P1,P2,P3から、各区間を車両2が移動する際に消費される消費電力Pを計算する。
【0104】
各区間における消費電力を計算すると、制御部31は、補給要否判定部315として機能し、経路の途中で車両2にエネルギーの補給が必要であるか否かを判定する(ステップS5)。具体的に説明すると、制御部31は、出発地から目的地までの全ての区間でバッテリー残量が閾値以上に維持される場合、エネルギーの補給の必要が無いと判定する。これに対して、出発地から目的地までのいずれかの区間でバッテリー残量が閾値を下回る場合、制御部31は、エネルギーの補給の必要が有ると判定する。
【0105】
エネルギーの補給が必要であると判定された場合(ステップS5;YES)、制御部31は、補給スポットを検索する(ステップS6)。ステップS6における補給スポット検索処理の詳細は、図12に示すフローチャートを参照して説明する。
【0106】
図12に示す補給スポット検索処理を開始すると、制御部31は、検索領域を1つ設定する(ステップS61)。一例として、制御部31は、最初の検索領域として、電欠アラート発生ポイントAPに最も近い第1の検索領域A1を設定する。
【0107】
検索領域を1つ設定すると、制御部31は、補給スポット検索部317として機能し、設定した検索領域内に補給スポットが存在するか否かを判定する(ステップS62)。
【0108】
設定した検索領域内に補給スポットが存在しない場合(ステップS62;NO)、制御部31は、新たな検索領域を1つ設定する(ステップS63)。一例として、制御部31は、第1の検索領域A1の次の検索領域として、第1の検索領域A1の次に電欠アラート発生ポイントに近い第2の検索領域A2を設定する。
【0109】
新たな検索領域を設定すると、制御部31は、処理をステップS62に戻す。そして、制御部31は、設定した新たな検索領域内に補給スポットが存在するか否かを判定する。
【0110】
設定した検索領域内に補給スポットが存在する場合(ステップS62;YES)、制御部31は、経路導出部313として機能し、出発地からその補給スポットまでの経路を導出する(ステップS64)。一例として、制御部31は、図8に示したように、出発地であるA駅から分岐ポイントBPを経由して補給スポットSPまでを結ぶ経路R1を導出する。
【0111】
出発地から補給スポットまでの経路を導出すると、制御部31は、補給要否判定部315として機能し、経路の途中で車両2にエネルギーの補給が必要であるか否かを判定する。これにより、制御部31は、車両2がエネルギーを補給せずに補給スポットに到達可能か否かを判定する(ステップS65)。
【0112】
補給スポットに到達可能でない場合(ステップS65;NO)、制御部31は、その補給スポットは採用しない。この場合、制御部31は、処理をステップS63に移行して、別の補給スポットを検索する。これに対して、補給スポットに到達可能である場合(ステップS65;YES)、制御部31は、その補給スポットを採用し、以降の検索領域の設定と補給スポットの検索を実行しない。
【0113】
補給スポットを採用すると、制御部31は、経路導出部313として機能し、補給スポットから目的地までの経路を導出する(ステップS66)。一例として、制御部31は、図9に示したように、補給スポットSPから分岐ポイントBPを経由して目的地であるB駅までを結ぶ経路R2を導出する。これにより、制御部31は、補給スポットSPを経由して出発地から目的地までを結ぶ経路R12を決定する。以上により、図12に示した補給スポット検索処理は終了する。
【0114】
図11に戻って、補給スポットを検索すると、制御部31は、出力部319として機能し、経路を出力する(ステップS7)。具体的に説明すると、制御部31は、ステップS6の補給スポット検索処理で導出された、補給スポットSPを経由して出発地から目的地までを結ぶ経路R12を示す情報を、車両2が移動すべき経路として出力する。
【0115】
これに対して、ステップS5においてエネルギーの補給が必要でないと判定された場合(ステップS5;NO)、制御部31は、ステップS6における補給スポット検索処理をスキップし、ステップS7の処理に移行する。この場合、制御部31は、ステップS7において、補給スポットを経由せずに出発地と目的地とを結ぶ経路R0を、車両2が移動すべき経路として出力する。以上により、図11に示した経路導出処理は終了する。
【0116】
以上説明したように、本実施形態に係るサーバ装置30は、車両2が出発地から目的地までを移動する際にエネルギーの補給が必要であるか否かを判定し、エネルギーの補給が必要であると判定された場合に車両2にエネルギーを補給可能な補給スポットSPを検索し、補給スポットSPを経由して出発地から目的地までを結ぶ経路R12を出力する。その際に、サーバ装置30は、エネルギーの補給が必要となる地点である電欠アラート発生ポイントAPと出発地とを結ぶ経路沿いに設定される複数の検索領域A1~A7のうちの、電欠アラート発生ポイントAPに近い検索領域A1から順に、補給スポットSPを検索する。
【0117】
このように、複数の検索領域A1~A7のうちの、電欠アラート発生ポイントAPに近い検索領域A1から順に補給スポットSPを検索することで、電欠アラート発生ポイントAPのなるべく近く、すなわち出発地からなるべく遠くに存在する補給スポットSPを効率的に検索することができる。これにより、エネルギーの補給をせずに車両2がなるべく長い距離を移動することができる経路を導出ことができる。その結果として、本実施形態に係るサーバ装置30は、車両2が補給スポットSPを経由して目的地まで移動する経路R12を適切に導出することができる。
【0118】
特に、本実施形態に係るサーバ装置30は、エネルギーの補給が必要であると判定された場合、まず電欠アラート発生ポイントAPに最も近い第1の検索領域A1を設定し、第1の検索領域A1内に補給スポットSPが存在するか否かを判定し、第1の検索領域A1内に補給スポットSPが存在しない場合、電欠アラート発生ポイントAPに2番目に近い第2の検索領域A2を設定し、第2の検索領域A2内に補給スポットSPが存在するか否かを判定する。このように、本実施形態に係るサーバ装置30は、1つの検索領域内に補給スポットSPが見つけられない場合にはじめて次の検索領域を設定し、1つの検索領域内に補給スポットSPが見つけられた場合には次の検索領域を設定しない。これにより、検索領域の設定と補給スポットの検索に要する処理の負荷を最小限に抑えることができるため、検索処理の効率を向上させることができる。
【0119】
(変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、各実施形態を組み合わせたり、各実施形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【0120】
例えば、上記実施形態では、複数の検索領域A1~A7のそれぞれは、矩形状をしており、大きさは全て等しかった。しかしながら、複数の検索領域A1~A7のそれぞれの形状は、矩形状に限らず、どのような形状であっても良い。また、複数の検索領域A1~A7の大きさは、互いに異なっていても良い。
【0121】
例えば、補給スポット検索部317は、複数の検索領域A1~A7のそれぞれの縦方向及び横方向の大きさを、電欠アラート発生ポイントAPに最も近い第1の検索領域A1が最も大きく、第2の検索領域A2、第3の検索領域A3…の順に、電欠アラート発生ポイントAPから離れる検索領域ほど小さくなるように、設定しても良い。このように電欠アラート発生ポイントAPに近いほど広い範囲から補給スポットを検索することで、出発地からなるべく遠くの補給スポットを見つけやすくなる。その結果として、エネルギーの補給をせずに車両2をなるべく長い距離を移動させる経路を導出しやすくなる。
【0122】
或いは、補給スポット検索部317は、複数の検索領域A1~A7の大きさを、複数の区間の長さと連動させても良い。例えば、補給スポット検索部317は、1つの区間が複数の検索領域にまたがらないように、区間の長さが長いほど、その区間の位置に配置される検索領域の大きさを大きく設定しても良い。
【0123】
補給スポット検索部317は、複数の検索領域A1~A7のそれぞれで補給スポットを検索する際、まず道路種別を限定して補給スポットを検索しても良い。そして、道路種別を限定した検索で補給スポットが見つからない場合に、補給スポット検索部317は、道路種別を限定せずに補給スポットを検索しても良い。例えば、補給スポット検索部317は、ある検索領域に含まれる区間における道路種別が高速道路である場合、道路種別を高速道路に限定してその検索領域内の補給スポットを検索する。そして、高速道路に補給スポットが見つからない場合、補給スポット検索部317は、一般道路まで含めてその検索領域内の補給スポットを検索しても良い。このように道路種別を考慮して補給スポットを検索することで、車両2が移動中にアクセスしやすい補給スポットを見つけやすくなる。
【0124】
上記実施形態では、移動体の一例であった車両2は、電気自動車であった。しかしながら、移動体は、電気自動車であることに限らず、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン等の内燃機関を動力源とする自動車、又は、内燃機関と電動機とを兼ね備えたハイブリッド自動車であっても良い。上記実施形態ではエネルギーの補給は充電であったが、移動体が内燃機関を動力源とする場合には、エネルギーの補給は、ガソリン、軽油等の給油に相当する。また、上記実施形態では補給スポットは充電スタンド、充電レーン等であったが、移動体が内燃機関を動力源とする場合には、エネルギーの補給スポットはガソリンスタンド等に相当する。
【0125】
また、移動体は、四輪の自動車であることに限らず、二輪、三輪又はその他の車両であっても良い。また、移動体は、有人で走行する車両であることに限らず、無人で走行する車両であっても良い。
【0126】
上記実施形態では、サーバ装置30が、移動体が移動する経路を導出する情報処理装置として機能した。しかしながら、サーバ装置30に限らず、ユーザ装置10又はナビゲーション装置20が制御部31の各部の機能を備えており、本開示に係る情報処理装置として機能しても良い。また、車両2等のような移動体自体が、本開示に係る情報処理装置として機能しても良い。
【0127】
上記実施形態では、サーバ装置30は、設定情報取得部311、経路導出部313、補給要否判定部315、補給スポット検索部317、出力部319、及び、地図情報DB331を備えていた。しかしながら、これら各部の全てが1つの装置に設けられていることに限らない。これら各部の少なくともいずれかが、通信ネットワークNWで通信可能に接続された異なる装置に分散して設けられていても良い。例えば、地図情報DB331は、クラウドネットワーク上に設けられていても良い。制御部31の各部が複数の独立した装置に分散して設けられていており、通信ネットワークNWを介して必要なデータを送受信しながら、上記実施形態で説明した処理を実行しても良い。各部が複数の装置に分散して設けられている場合であっても、それら複数の装置を合わせて、本開示に係る情報処理装置と呼ぶことができる。
【0128】
上記実施形態では、制御部31において、CPUがROM又は記憶部33に記憶されたプログラムを実行することによって、設定情報取得部311、経路導出部313、補給要否判定部315、補給スポット検索部317、及び、出力部319のそれぞれとして機能した。しかしながら、制御部31は、専用のハードウェアであってもよい。専用のハードウェアとは、例えば単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらの組み合わせ等である。制御部31が専用のハードウェアである場合、各部の機能それぞれを個別のハードウェアで実現してもよいし、各部の機能をまとめて単一のハードウェアで実現してもよい。
【0129】
また、各部の機能のうち、一部を専用のハードウェアによって実現し、他の一部をソフトウェア又はファームウェアによって実現してもよい。このように、制御部31は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は、これらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0130】
上述した情報処理装置の動作を規定するプログラムを、パーソナルコンピュータ、クラウドサーバ等の既存のコンピュータに適用することで、当該コンピュータを、上述した情報処理装置として機能させることも可能である。
【0131】
また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD-ROM(Compact Disk ROM)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical Disk)、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネット等の通信ネットワークを介して配布してもよい。
【0132】
以上、本発明の好ましい実施形態等について説明したが、本発明は上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0133】
1 情報処理システム、2 車両、10 ユーザ装置、20 ナビゲーション装置、30 サーバ装置、31 制御部、33 記憶部、35 通信部、311 設定情報取得部、313 経路導出部、315 補給要否判定部、317 補給スポット検索部、319 出力部、331 地図情報DB、A1~A7 検索領域、AP 電欠アラート発生ポイント、BP 分岐ポイント、SP 補給スポット、R0,R1,R2,R12 経路、NW 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
(1)上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る情報処理装置は、
移動体が出発地から目的地までを移動する際に前記移動体にエネルギーの補給が必要であるか否かを判定する補給要否判定部と、
前記補給要否判定部により前記エネルギーの補給が必要であると判定された場合、前記エネルギーの補給が必要となる地点と前記出発地とを結ぶ経路沿いに設定される複数の検索領域のうちから、前記移動体に前記エネルギーを補給可能な補給スポットを検索する補給スポット検索部と、
前記補給スポット検索部により検索された前記補給スポットを経由して前記出発地から前記目的地までを結ぶ経路を出力する出力部と、を備え、
前記複数の検索領域の大きさは、前記エネルギーの補給が必要となる地点に近い検索領域ほど大きく、
前記補給スポット検索部は、前記複数の検索領域のうちの、前記エネルギーの補給が必要となる地点に近く且つ大きい検索領域から順に、前記補給スポットを検索する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
(4)上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る情報処理方法は、
移動体が出発地から目的地までを移動する際に前記移動体にエネルギーの補給が必要であるか否かを判定するステップと、
前記エネルギーの補給が必要であると判定された場合、前記エネルギーの補給が必要となる地点と前記出発地とを結ぶ経路沿いに設定される複数の検索領域のうちから、前記移動体に前記エネルギーを補給可能な補給スポットを検索するステップと、
検索された前記補給スポットを経由して前記出発地から前記目的地までを結ぶ経路を出力するステップと、を有し、
前記複数の検索領域の大きさは、前記エネルギーの補給が必要となる地点に近い検索領域ほど大きく、
前記補給スポットを検索するステップでは、前記複数の検索領域のうちの、前記エネルギーの補給が必要となる地点に近く且つ大きい検索領域から順に、前記補給スポットを検索する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
(5)上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
移動体が出発地から目的地までを移動する際に前記移動体にエネルギーの補給が必要であるか否かを判定する補給要否判定部、
前記補給要否判定部により前記エネルギーの補給が必要であると判定された場合、前記エネルギーの補給が必要となる地点と前記出発地とを結ぶ経路沿いに設定される複数の検索領域のうちから、前記移動体に前記エネルギーを補給可能な補給スポットを検索する補給スポット検索部、
前記補給スポット検索部により検索された前記補給スポットを経由して前記出発地から前記目的地までを結ぶ経路を出力する出力部、として機能させ、
前記複数の検索領域の大きさは、前記エネルギーの補給が必要となる地点に近い検索領域ほど大きく、
前記補給スポット検索部は、前記複数の検索領域のうちの、前記エネルギーの補給が必要となる地点に近く且つ大きい検索領域から順に、前記補給スポットを検索する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が出発地から目的地までを移動する際に前記移動体にエネルギーの補給が必要であるか否かを判定する補給要否判定部と、
前記補給要否判定部により前記エネルギーの補給が必要であると判定された場合、前記エネルギーの補給が必要となる地点と前記出発地とを結ぶ経路沿いに設定される複数の検索領域のうちから、前記移動体に前記エネルギーを補給可能な補給スポットを検索する補給スポット検索部と、
前記補給スポット検索部により検索された前記補給スポットを経由して前記出発地から前記目的地までを結ぶ経路を出力する出力部と、を備え、
前記複数の検索領域の大きさは、前記エネルギーの補給が必要となる地点に近い検索領域ほど大きく、
前記補給スポット検索部は、前記複数の検索領域のうちの、前記エネルギーの補給が必要となる地点に近く且つ大きい検索領域から順に、前記補給スポットを検索する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記補給スポット検索部は、
前記補給要否判定部により前記エネルギーの補給が必要であると判定された場合、前記複数の検索領域のうちの、前記エネルギーの補給が必要となる地点に最も近い第1の検索領域を設定し、設定した前記第1の検索領域内に前記補給スポットが存在するか否かを判定し、
前記第1の検索領域内に前記補給スポットが存在しない場合、前記複数の検索領域のうちの、前記第1の検索領域の次に前記エネルギーの補給が必要となる地点に近い第2の検索領域を設定し、設定した前記第2の検索領域内に前記補給スポットが存在するか否かを判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記補給要否判定部により前記エネルギーの補給が必要であると判定された場合、前記補給スポット検索部により検索された前記補給スポットを経由して前記出発地から前記目的地までを結ぶ前記経路を表示画面に表示させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
移動体が出発地から目的地までを移動する際に前記移動体にエネルギーの補給が必要であるか否かを判定するステップと、
前記エネルギーの補給が必要であると判定された場合、前記エネルギーの補給が必要となる地点と前記出発地とを結ぶ経路沿いに設定される複数の検索領域のうちから、前記移動体に前記エネルギーを補給可能な補給スポットを検索するステップと、
検索された前記補給スポットを経由して前記出発地から前記目的地までを結ぶ経路を出力するステップと、を有し、
前記複数の検索領域の大きさは、前記エネルギーの補給が必要となる地点に近い検索領域ほど大きく、
前記補給スポットを検索するステップでは、前記複数の検索領域のうちの、前記エネルギーの補給が必要となる地点に近く且つ大きい検索領域から順に、前記補給スポットを検索する、
情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータを、
移動体が出発地から目的地までを移動する際に前記移動体にエネルギーの補給が必要であるか否かを判定する補給要否判定部、
前記補給要否判定部により前記エネルギーの補給が必要であると判定された場合、前記エネルギーの補給が必要となる地点と前記出発地とを結ぶ経路沿いに設定される複数の検索領域のうちから、前記移動体に前記エネルギーを補給可能な補給スポットを検索する補給スポット検索部、
前記補給スポット検索部により検索された前記補給スポットを経由して前記出発地から前記目的地までを結ぶ経路を出力する出力部、として機能させ、
前記複数の検索領域の大きさは、前記エネルギーの補給が必要となる地点に近い検索領域ほど大きく、
前記補給スポット検索部は、前記複数の検索領域のうちの、前記エネルギーの補給が必要となる地点に近く且つ大きい検索領域から順に、前記補給スポットを検索する、
プログラム。